JP2898018B2 - 易滑性フィルム - Google Patents

易滑性フィルム

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JP2898018B2 JP1207857A JP20785789A JP2898018B2 JP 2898018 B2 JP2898018 B2 JP 2898018B2 JP 1207857 A JP1207857 A JP 1207857A JP 20785789 A JP20785789 A JP 20785789A JP 2898018 B2 JP2898018 B2 JP 2898018B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は易滑性フィルムに関し、詳しくはシンジオタ
クチック構造を有するスチレン系重合体に無機微粒子を
配合した組成物の延伸フィルムからなり、すべり性なら
びに平滑性を有するフィルムに関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
先般、本発明者らのグループが開発した主としてシン
ジオタクチック構造を有するスチレン系重合体あるいは
該重合体を含む組成物からなる延伸フィルム(特願昭63
−4921号明細書)は、耐熱性,耐薬品性,耐熱水性,電
気絶縁性等にすぐれたフィルムであり、様々な用途が期
待できるものである。
しかし、この延伸フィルムは産業用フィルムとして使
用する場合、すべり性が不足しているため、実用上様々
な問題があることがわかった。また、近年産業用フィル
ムのうちでも、特に平滑性の要求される用途が急増して
きている。
そこで本発明者らは、上述の延伸フィルムの有する特
性を維持しながら、さらに平滑でしかもすべり性のすぐ
れたフィルムを開発すべく鋭意研究を重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、シンジオタクチック構造のスチレン系重合
体に平均粒径0.01〜3μmの無機微粒子を配合した組成
物をフィルム素材として用いることによって、目的を達
成できることを見出した。本発明はかかる知見に基いて
完成したものである。
すなわち本発明は、主としてシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体に、平均粒径0.01〜3μmの
無機微粒子を0.001〜1重量%配合してなる組成物から
なる延伸フィルムであって、表面粗さRaが0.005〜0.03
μm,静摩擦係数μsが0.3〜1.0であることを特徴とする
易滑性フィルムを提供するものである。
本発明に用いられる主としてシンジオタクチック構造
を有するスチレン系重合体とは、立体化学構造が主とし
てシンジオタクチック構造、即ち炭素−炭素結合から形
成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基や置換フェ
ニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するも
のであり、そのタクティシティーは同位体炭素による核
磁気共鳴法(13C−NMR法)により定量される。13C−NMR
法により測定されるタクティシティーは、連続する複数
個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッ
ド,3個の場合はトリアッド,5個の場合はペンタッドによ
って示すことができるが、本発明に言う主としてシンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体とは、通常
はラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、
若しくはラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%
以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレ
ン,ポリ(アルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチ
レン),ポリ(アルコキシスチレン),ポリ(ビニル安
息香酸エステル),これらの水素化重合体およびこれら
の混合物、あるいはこれらの構造単位を含む共重合体を
指称する。なお、ここでポリ(アルキルスチレン)とし
ては、ポリ(メチルスチレン),ポリ(エチルスチレ
ン),ポリ(プロピルスチレン),ポリ(ブチルスチレ
ン),ポリ(フェニルスチレン),ポリ(ビニルナフタ
レン),ポリ(ビニルスチレン),ポリ(アセナフチレ
ン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチレン)として
は、ポリ(クロロスチレン),ポリ(ブロモスチレ
ン),ポリ(フロオロスチレン)などがある。また、ポ
リ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシス
チレン),ポリ(エトキシスチレン)などがある。これ
らのうち特に好ましいスチレン系重合体としては、ポリ
スチレン,ポリ(p−メチルスチレン),ポリ(m−メ
チルスチレン),ポリ(p−ターシャリーブチルスチレ
ン),ポリ(p−クロロスチレン),ポリ(m−クロロ
スチレン),ポリ(p−フルオロスチレン)、またスチ
レンとp−メチルスチレンとの共重合体をあげることが
できる(特開昭62−187708号公報)。
更に、スチレン系共重合体におけるコモノマーとして
は、上述の如きスチレン系重合体のモノマーのほか、エ
チレン,プロピレン,ブテン,ヘキセン,オクテン等の
オレフィンモノマー、ブタジエン,イソプレン等のジエ
ンモノマー、環状ジエンモノマーやメタクリル酸メチ
ル,無水マレイン酸,アクリロニトリル等の極性ビニル
モノマー等をあげることができる。
またこのスチレン系重合体は、分子量について特に制
限はないが、重量平均分子量が10,000以上3,000,000以
下のものが好ましく、とりわけ50,000以上1,500,000以
下のものが最適である。ここで重量平均分子量が10,000
未満であると、延伸が充分にできない。さらに、分子量
分布についてもその広狭は制約がなく、様々なものを充
当することが可能であるが、重量平均分子量(Mw)/数
平均分子量(Mn)が1.5以上8以下が好ましい。なお、
この主としてシンジオタクチック構造を有するスチレン
系重合体は、従来のアタクチック構造のスチレン系重合
体に比べて耐熱性が格段に優れている。
さらに、これらのスチレン系重合体のうち、300℃,
剪断速度200/秒での溶融粘度が1×102〜1×106ポイズ
のものが特に好適である。
このような主としてシンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中また
は溶媒の不存在下に、(A)チタン化合物及び(B)水
と有機アルミニウム化合物、特にトリアルキルアルミニ
ウムとの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体
(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合する
ことにより製造することができる(特開昭62−187708号
公報)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)に
ついては、特開平1−146912号公報に開示され、またこ
れらの水素化重合体は特願昭62−335893号明細書に開示
されている。
一方、無機微粒子とは、IA族,IIA族,IVA族,VIA族,VII
A族,VIII族,IB族,IIB族,IIIB族,IVB族元素の酸化物,水
酸化物,硫化物,窒素化物,ハロゲン化物,炭酸塩,酢
酸塩,燐酸塩,亜燐酸塩,有機カルボン酸塩,珪酸塩,
チタン酸塩,硼酸塩及びそれらの含水化合物、それらを
中心とする複合化合物,天然鉱物粒子を示す。
具体的には、弗化リチウム,硼砂(硼酸ナトリウム含
水塩)等のIA族元素化合物、炭酸マグネシウム,燐酸マ
グネシウム,酸化マグネシウム(マグネシア),塩化マ
グネシウム,酢酸マグネシウム,弗化マグネシウム,チ
タン酸マグネシウム,珪酸マグネシウム,珪酸マグネシ
ウム含水塩(タルク),炭酸カルシウム,燐酸カルシウ
ム,亜燐酸カルシウム,硫酸カルシウム(石膏),酢酸
カルシウム,テレフタル酸カルシウム,水酸化カルシウ
ム,珪酸カルシウム,弗化カルシウム,チタン酸カルシ
ウム,チタン酸ストロンチウム,炭酸バリウム,燐酸バ
リウム,硫酸バリウム,亜燐酸バリウム等のIIA族元素
化合物、二酸化チタン(チタニア),一酸化チタン,窒
化チタン,二酸化ジルコニウム(ジルコニア),一酸化
ジルコニウム等のIVA族元素化合物、二酸化モリブデ
ン,三酸化モリブデン,硫化モリブデン等のVIA族元素
化合物、塩化マンガン,酸化マンガン等のVIIA族元素化
合物、塩化コバルト,酢酸コバルト等のVIII族元素化合
物、沃化第一銅等のIB族元素化合物、酸化亜鉛,酢酸亜
鉛等のIIB族元素化合物、酸化アルミニウム(アルミ
ナ),水酸化アルミニウム,弗化アルミニウム,アルミ
ノシリケート(珪酸アルミナ,カオリン,カオリナイ
ト)等のIIIB族元素化合物、酸化珪素(シリカ,シリカ
ゲル),石墨,カーボン,グラファイト,ガラス等のIV
B族元素化合物、カーナル石,カイナイト,雲母(マイ
カ,キンウンモ),バイロース鉱等の天然鉱物の粒子が
挙げられる。
本発明で用いる無機微粒子の平均粒径は、0.01〜3μ
m、好ましくは0.01〜1μmで、組成物中の含量は0.00
1〜1重量%、好ましくは0.001〜0.6重量%である。こ
こで平均粒径が0.01μmより小さいと粒子同士の二次凝
集のため分散が困難であり、また平均粒径が3μmより
大きいと平滑性が無くなる。また、組成物中の無機微粒
子の含量が0.001重量%より少ないとすべり性の改良の
効果がなく、含量が1重量%より多いと薄物での延伸が
困難となる。
また、前述の無機微粒子は本発明の目的を達成する上
で、不可欠であるが、本発明の目的を阻害しない限り、
他の種類あるいは他の粒径の微粒子,無機充填材等を含
むものであってもよい。
本発明で用いる無機微粒子は、最終的な成形品(フィ
ルム)に含有されるが、含有させる方法に限定はない。
例えば、スチレン系単量体の重合中の任意の過程で添加
あるいは析出させる方法、溶融押出する任意の過程で添
加する方法が挙げられる。
この中で特に本発明においては、重合過程の任意の段
階で上記無機微粒子をスラリー状として添加する方法
が、粒子の二次凝集を防げるうえで好ましい。
またこれらの微粒子を効果的に分散させるため、分散
剤,界面活性剤等を用いてもよい。
本発明のフィルムの素材に使用される組成物は、基本
的には上記スチレン系重合体に無機微粒子を所定割合で
配合してなるものであるが、さらに成形性,力学物性,
表面性等を考慮して他の樹脂成分を含有させてもよい。
例えば、アタクチック構造のスチレン系重合体,アイ
ソタクチック構造のスチレン系重合体,ポリフェニレン
エーテル,スチレン−無水マレイン酸共重合体等は、前
述のシンジオタクチック構造のスチレン系重合体と相溶
になりやすく、延伸用予備成形体を作成するときの結晶
化の制御に有効で、その後の延伸性が向上し、延伸条件
の制御が容易で、且つ力学物性に優れた成形品(フィル
ム)を得ることができる。このうち、アタクチック構造
および/またはアイソタクチック構造のスチレン系重合
体を含有させる場合、シンジオタクチック構造のスチレ
ン系重合体と同様のモノマーからなるものが好ましい。
また、これら相溶性樹脂成分の含有割合は70〜1重量
%、特に好ましくは50〜2重量%とすればよい。ここで
相溶性樹脂成分の含有割合が70重量%を超えると、シン
ジオタクチック構造のスチレン系重合体の長所である耐
熱性等が損なわれるため好ましくない。
また、非相溶性樹脂としては、例えば、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリペンテン等のポ
リオレフィン、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチ
レンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート等のポ
リエステル、ナイロン−6やナイロン6,6等のポリアミ
ド、ポリフェニレンスルフィド等のポリチオエーテル、
ポリカーボネート,ポリアクリレート,ポリスルホン,
ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルスルホン,
ポリイミド,テフロン等のハロゲン化ビニル系重合体、
ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系重合体、ポリビ
ニルアルコール等、上記相溶性の樹脂以外はすべて相当
し、さらに、上記相溶性の樹脂を含む架橋樹脂が挙げら
れる。これらの樹脂は、本発明のシンジオタクチック構
造のスチレン系重合体と非相溶であるため、少量含有す
る場合、シンジオタクチック構造のスチレン系重合体中
に島のように分散させることができ、延伸後に程良い光
沢を与えたり、表面のすべり性を改良するのに有効であ
る。これら非相溶性樹脂成分の含有割合は、光沢を目的
とする場合50〜2重量%、表面性の制御を目的とする場
合、0.001〜5重量%が好ましい。また、製品として使
用する温度が高い場合は、比較的耐熱性のある非相溶性
樹脂を用いることが好ましい。
更に、本発明の目的を阻害しない範囲で、酸化防止
剤,帯電防止剤,着色剤,耐候剤等の添加剤を加えても
よい。
本発明においては、上記のような組成物を素材として
延伸フィルムを成形する。このフィルムを得る方法は、
特に制限はないが、これらの材料を加熱溶融後、予備成
形体とし、加熱延伸後、熱固定すればよい。
加熱溶融から熱固定までの操作を具体的に説明すれ
ば、次の通りである。
まず、上述の如き組成物を成形素材として、これを通
常は押出成形して、延伸用予備成形体(フィルム,シー
トまたはチューブ)とする。この成形にあっては、上記
成形素材の加熱溶融したものを押出成形機にて所定形状
に成形するのが一般的であるが、成形素材を加熱溶融さ
せずに、軟化した状態で成形してもよい。ここで用いる
押出成形機は、一軸押出成形機,二軸押出成形機のいず
れでもよく、またベント付き,ベント無しのいずれでも
よいが、一軸のタンデム型が好ましい。なお、押出機に
は適当なメッシュを使用しても良い。
またここで押出条件は、特に制限はなく、様々な状況
に応じて適宜選定すればよいが、好ましくは温度を成形
素材の融点〜分解温度より50℃高い温度の範囲で選定
し、剪断応力を5×106dyne/cm2以下とする。用いるダ
イはT−ダイ,円環ダイ等をあげることができる。
上記押出成形後、得られた延伸用予備成形体を冷却固
化する。この際の冷媒は、気体,液体,金属ロール等各
種のものを使用することができる。金属ロール等を用い
る場合、エアナイフ,エアチャンバー,タッチロール,
静電印荷等の方法によると厚みムラや波うち防止に効果
的である。
冷却固化の温度は、通常は0℃〜延伸用予備成形体の
ガラス転移温度より30℃高い温度の範囲、好ましくはガ
ラス転移温度より50℃低い温度〜ガラス転移温度の範囲
である。また冷却速度は200〜3℃/秒の範囲で適宜選
択する。
本発明では、冷却,固化した予備成形体を一軸あるい
は二軸に延伸する。二軸延伸の場合は縦方向及び横方向
に同時に延伸してもよいが、任意の順序で逐次延伸して
もよい。また延伸は一段で行ってもよく、多段で行って
もよい。
ここで延伸方法としては、テンターによる方法,ロー
ル間で延伸する方法,気体圧力を利用してバブリングに
よる方法,圧延による方法など様々であり、これらを適
当に選定あるいは組み合わせて適用すればよい。延伸温
度は、一般には予備成形体のガラス転移温度と融点の間
で設定すればよい。また延伸速度は、通常は1×10〜1
×105%/分、好ましくは1×103〜1×105/分であ
る。
上述の如き条件で延伸して得られた延伸フィルムに、
さらに高温時の寸法安定性,耐熱性,フィルム面内の強
度バランスが要求される場合などには、さらに熱固定を
行うことが好ましい。熱固定は、通常行われている方法
で行うことができるが、この延伸フィルムを緊張状態,
弛緩状態あるいは制限収縮状態の下で、該フィルムのガ
ラス転移温度〜融点、好ましくは融点より100℃低い温
度〜融点直前の温度範囲にて、0.5〜120秒間保持するこ
とによって行えばよい。なお、この熱固定は、上記範囲
内で条件を変えて二回以上行うことも可能である。ま
た、この熱固定はアルゴンガス,窒素ガスなどの不活性
ガス雰囲気下で行ってもよい。
このようにして得られる本発明の延伸フィルムは、厚
さ0.5〜500μm、好ましくは1〜200μmであり、また
表面粗さRaが0.005〜0.03μm,静摩擦係数μsが0.3〜1.
0のものである。
ここで、表面粗さRaが0.005μm未満ではすべり性か
充分でなく、0.03μmを超えると磁気記録媒体基材とし
て用いた場合、磁気ヘッドの摩耗の原因となるおそれが
ある。また静摩擦係数μsが0.3未満ではすべり性は良
好であるが、巻きずれを起こす可能性があり、1.0を超
えるとすべり性不足で実用に供せない。
〔実施例〕
次に本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説
明する。
参考例1 (1)トリメチルアルミニウムと水との接触生成物の調
製 アルゴン置換した内容積500mlのガラス製容器に、硫
酸銅5水塩(CuSO4・5H2O)17.8g(71ミリモル),トル
エン200ml及びトリメチルアルミニウム24ml(250ミリモ
ル)を入れ、40℃で8時間反応させた。その後、固体部
分を除去して得られた溶液から、更に、トルエンを室温
下で減圧留去して接触生成物6.7gを得た。このものの凝
固点降下法によって測定した分子量は610であった。ま
た、1H−NMR測定による前述の高磁場成分(即ち、−0.1
〜−0.5ppm)は43%であった。
(2)スチレン系重合体の製造 精製スチレン単量体99.5重量部に乾式法シリカ(デグ
ツサ(株)製,アエロジルTT−600(一次粒子の直径40m
μのもの))を0.5重量部添加し、T.K.ホモミキサーL
型(特殊機化工業製)を用いて、円筒容器の中で混合攪
拌してスチレン混合物を調製した。なお、この際ステア
リン酸カルシウムを0.1重量部添加した。
次に、内溶積2lの反応容器に、上記(1)で得られた
接触生成物をアルミニウム原子として5ミリモル,トリ
イソブチルアルミニウムを5ミリモル,ペンタメチルシ
クロペンタジエニルチタントリメトキシド0.025ミリモ
ル及び上記のスチレン混合物1を加え、90℃で5時間
重合反応を行った。その後、メタノールを注入して重合
を停止し、乾燥して重合体300gを得た。次いで、この重
合体をソックスレー抽出器を用いてメチルエチルケトン
で抽出したところ、抽出残(MIP)98.0%を得た。得ら
れた重合体の重量平均分子量は390,000、重量平均分子
量/数平均分子量は2.6であった。また、300℃,剪断速
度200/秒での溶融粘度は2×104ポイズであった。融点
及び13C−NMR測定により得られた重合体はシンジオタク
チック構造のポリスチレンであることを確認した。
この重合体を130℃で1,2,4−トリクロロベンゼンに溶
解し、重合体中のシリカの含量を調べた。また、この溶
液をスライドガラス上に滴下し、顕微鏡で観察してシリ
カの平均粒径を調べた。その結果、シリカの含量は0.5
重量%であり、その平均粒径は0.08μmであった。
実施例1 参考例1で得られたスチレン系重合体パウダーを150
℃で攪拌しながら減圧乾燥した、この乾燥パウダーを30
0℃で加熱溶融後、二軸押出機にて押出し、カットして
ペレットとした。
このペレットを用いて、直列タンデム型一軸押出機の
先端にT−ダイを取付けた装置を用いて、330℃で加熱
溶融し、押出した。この時の剪断応力は3×105dyne/cm
2であった。この溶融押出されたシートを静電印荷によ
り金属冷却ロールに密着冷却させ、延伸用原反を作成し
た。この時金属冷却ロールの温度は70℃であり、冷却速
度は45℃/秒であった。作成した原反の厚みは、110μ
mで結晶化度は14%であった。この原反をテーブルテン
ターにて、110℃,3000%/分で縦方向に3倍、120℃,30
00%/分で横方向に3倍逐次延伸した。
その後、このフィルムを255℃で30秒間、制限収縮下
で熱処理した。得られたフィルムの厚みは12μmであっ
た。
このフィルムの静摩擦係数をスリップテスターを用い
て、ASTM D−1894Bに従って測定した。またこのフィル
ムの表面粗さRaをJIS−B−0601に従ってカットオフ値
0.08mmで測定した。結果を表に示す。
実施例2〜9 微粒子として、平均粒径0.3μmのシリカ(日本アエ
ロジル(株)製,アエロジル H−972),平均粒径0.9μ
mのシリカ(水澤化学工業(株)製,シルトンAMT−0
8),平均粒径0.06μmの極微細炭酸カルシウム,平均
粒径0.2μmのチタニア,平均粒径0.6μmの粉末状BaSO
4(境化学(株)製,#100),平均粒径0.3μmの粉末
状カオリン(エンゲルハード・ミネラルズ・アンド・ケ
ミカルコーポレーション製 ASP−072)を用い、参考例
1と同様いその含量を調整し、組成物を得た。
この組成物を用いて実施例1と同様の操作を行った。
結果を表に示す。なお、実施例3においては、スチレン
系重合体製造時にモノマーとしてスチレンとp−メチル
スチレン(スチレンに対して2.5モル%)用いた。ま
た、実施例5においては重合温度を変えた。また、実施
例2〜9のフィルムの厚みは全て12μmとなるように作
成した。
比較例1 平均粒径4μmのシリカ(水澤化学工業(株)製,シ
ルトンAMT−40)を用いたこと以外は、参考例1及び実
施例1と同様の操作を行った。結果を表に示す。
比較例2 無機微粒子を添加しなかったこと以外は、参考例1及
び実施例1と同様の操作を行った。結果を表に示す。
比較例3 無機微粒子の含量を増加させたこと以外は、参考例1
及び実施例4と同様の操作を行った。結果を表に示す。
尚、実施例及び比較例の全てのフィルムの厚みは12μ
mである。
〔発明の効果〕
叙上の如く、本発明の易滑性フィルムは、耐熱性,耐
薬品性,耐水性,電気絶縁性にすぐれるとともに、平滑
で良好なすべり性を有するものである。
したがって、本発明の易滑性フィルムは、電気用フィ
ルム,記録媒体基材,一般産業用フィルム,包装用フィ
ルム等に有効に利用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主としてシンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体に、平均粒径0.01〜3μmの無機微粒
    子を0.001〜1重量%配合してなる延伸フィルムであっ
    て、静摩擦係数μsが0.3〜1.0であることを特徴とする
    易滑性フィルム。
  2. 【請求項2】主としてシンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体に、平均粒径0.01〜3μmの無機微粒
    子を0.001〜1重量%配合してなる延伸フィルムであっ
    て、表面粗さRaが0.005〜0.03μmであることを特徴と
    する易滑性フィルム。
  3. 【請求項3】主としてシンジオタクチック構造を有する
    スチレン系重合体に、平均粒径0.01〜3μmの無機微粒
    子を0.001〜1重量%配合してなる延伸フィルムであっ
    て、表面粗さRaが0.005〜0.03μm,静摩擦係数μsが0.3
    〜1.0であることを特徴とする易滑性フィルム。
  4. 【請求項4】組成物が、スチレン系単量体を重合して主
    としてシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
    体を製造する過程の任意の段階で、無機微粒子を添加し
    て得られたものである請求項1〜3のいずれかに記載の
    易滑性フィルム。
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