JP2951380B2 - 包装用フィルム - Google Patents

包装用フィルム

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JP2951380B2
JP2951380B2 JP22111390A JP22111390A JP2951380B2 JP 2951380 B2 JP2951380 B2 JP 2951380B2 JP 22111390 A JP22111390 A JP 22111390A JP 22111390 A JP22111390 A JP 22111390A JP 2951380 B2 JP2951380 B2 JP 2951380B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、包装用フィルムに関し、詳しくは、シンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体またはその
組成物からなるフィルムに珪素酸化物を蒸着させた包装
用フィルムに関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
一般にスチレン重合体、特にポリスチレンはラジカル
重合により製造され、フィルムやシートとして食物,雑
貨の包装材料あるいは工業材料分野等に広く利用されて
いる。しかし、アタクチック構造のポリスチレン製品
は、耐熱性,耐薬品性,機械的強度に劣るという欠点を
有しているため、その利用分野は限定されていた。
そこで、本発明者らのグループは上記欠点を解消すべ
く素材の研究を行い、シンジオタクチック構造を有する
スチレン系重合体を開発した(特開昭62−104818号公
報)。
また、レトルト殺菌可能でガスバリアー性に優れた食
品包材として、二軸延伸ポリスチレンテレフタレートフ
ィルム(OPET),二軸延伸ナイロンフィルム(ONY),
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP),セロファン
等にアルミニウムを積層,蒸着したものがあるが、電子
レンジでの使用が不可能であるばかりでなく内容物を透
視確認することが不可能であり、また、成形品が高価で
あるという問題がある。
一方、レトルト殺菌可能で透明性が高く、成形品が安
価な食品包材として、OPET,ONY,ポリ塩化ビニリデン(P
VDC)があるが、これらは前述のアルミニウムを蒸着あ
るいは積層させた包装用素材を比較してガスバリアー性
が低く、またエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
(EVOH)は透湿性が高く,耐水性に劣る等の問題があ
る。
同様に、基材であるOPET,ONY,OPP,セロファン等に珪
素酸化物を蒸着することが提案されているが、基材自体
の剛性,耐熱性が不充分であり、高温での殺菌処理,電
子レンジでの長時間加熱等が不可能という問題がある。
基材の剛性,耐熱性を向上させたフィルムとして、シ
ンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体および
その組成物からなる二軸延伸フィルムが提案されている
が、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
およびそのその組成物からなる二軸延伸フィルム単体で
は、ガスバリアー性が低いという欠点がある。
また、ガスバリアー性を高めるために、シンジオタク
チック構造を有するスチレン系重合体の延伸フィルム
に、金属を蒸着させることが提案されているが(特開平
2−143851号公報)、透明性を失うという問題がある。
さらに、シンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体の延伸フィルム単体を、ガラス転移温度以上で加
熱処理すると、モノマー臭が生じる問題がある。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するため、食
品包材として有用な包装用フィルムを開発すべく鋭意研
究を重ねた。
その結果、高度のシンジオタクチック構造を有すると
ともに、スチレン系単量体の残留量の少ないスチレン系
重合体およびその組成物からなるフィルムに、珪素酸化
物を蒸着させたものが、上記課題を解決できることを見
出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したもの
である。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち本発明は、高度なシンジオタクチック構造を
有し、スチレン系単量体残留量が1,000ppm以下であるス
チレン系重合体またはその組成物からなる二軸延伸フィ
ルムに、厚さ100〜3,000Åの珪素酸化物を主成分とする
蒸着層を設けてなる包装用フィルムを提供するものであ
る。
本発明の包装用フィルムは、ベースフィルムとして高
度のシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合
体、あるいはそのスチレン系重合体を含有する組成物が
充当される。ここで高度のシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体におけるシンジオタクチック構造
とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭
素−炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフ
ェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する
立体構造を有するものであり、そのタクティシティーは
同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR法)により定
量される。13C−NMR法により測定されるタクティシティ
ーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2
個の場合はダイアッド,3個の場合はトリアッド,5個の場
合はペンタッドによって示すことができるが、本発明に
言う高度のシンジオタクチック構造を有するスチレン系
重合体とは、通常はラセミダイアッドで75%以上、好ま
しくは85%以上、若しくはラセミペンタッドで30%以
上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを
有するポリスチレン,ポリ(アルキルスチレン),ポリ
(ハロゲン化スチレン),ポリ(アルコキシスチレ
ン),ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素
化重合体およびこれらの混合物、あるいはこれらを主成
分とする共重合体を指称する。なお、ここでポリ(アル
キルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン),ポ
リ(エチルスチレン),ポリ(プロピルスチレン),ポ
リ(ブチルスチレン),ポリ(フェニルスチレン),ポ
リ(ビニルナフタレン),ポリ(ビニルスチレン)ポリ
(アセナフチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチ
レン)としては、ポリ(クロロスチレン),ポリ(ブロ
モスチレン),ポリ(フルオロスチレン)などがある。
また、ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メ
トキシスチレン),ポリ(エトキシスチレン)などがあ
る。これらのうち特に好ましいスチレン系重合体として
は、ポリスチレン,ポリ(p−メチルスチレン),ポリ
(m−メチルスチレン),ポリ(p−ターシャリーブチ
ルスチレン),ポリ(p−クロロスチレン),ポリ(m
−クロロスチレン),ポリ(p−フルオロスチレン)、
またスチレンとp−メチルスチレンとの共重合体をあげ
ることができる(特開昭62−187708号公報)。
さらに、これらの構造単位を含む共重合体のコモノマ
ー成分としては、上記スチレン系重合体の単量体のほ
か、エチレン,プロピレン,ブテン,ヘキセン,オクテ
ン等のオレフィンモノマー、ブタジエン,イソプレン等
のジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエ
ンモノマー、更にはメタクリル酸メチル,無水マレイン
酸,アクリロニトリル等の極性ビニルモノマー等が挙げ
られる。
このスチレン系重合体は、分子量について特に制限は
ないが、重量平均分子量が10,000以上、3,000,000以下
のものが好ましく、とりわけ50,000以上、1,500,000以
下のものが最適である。ここで重量平均分子量が10,000
未満であると、延伸が充分にできない場合がある。さら
に、分子量分布についてもその広狭は制限がなく、様々
なものを充当可能であるが、重量平均分子量(Mw)/数
平均分子量(Mn)が1.5以上8以下が好ましい。なお、
このシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
は、従来のアタクチック構造のスチレン系重合体に比べ
て耐熱性が格段に優れている。
このようなシンジオタクチック構造を有するスチレン
系樹脂は、例えば不活性炭化水素溶媒中または溶媒の不
存在下に、チタン化合物、及び水とトリアルキルアルミ
ニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体
(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合する
ことにより製造することができる(特開昭62−187708号
公報)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)に
ついては特開平1−49612号公報、これらの水素化重合
体は特開平1−1778505号公報に記載された手法により
得ることができる。
さらに、これらのスチレン系重合体を、例えば減圧乾
燥する方法あるいは押出機により脱気する方法等で処理
すれば、該スチレン系重合体中の残留スチレン系単量体
の量が、3,000ppm以下となる。この段階でスチレン系単
量体の残留量が、3,000ppm以下であれば、フィルムとし
た場合に、目標値である残留量1,000ppm以下とすること
ができる。ここで減圧乾燥するにあたっては、乾燥温度
を該重合体のガラス転移温度以上とすると効率がよい。
得られるフィルム中のスチレン系単量体の残留量が1,
000ppmより大きい場合には、電子レンジ用食品包装材と
して使用すると、電子レンジ加熱により食品包装材の温
度が素材フィルムのガラス転移温度以上になった場合、
モノマーによる臭気が発生するため好ましくない。
本発明に用いる素材は、基本的には前記スチレン系重
合体からなるが、このスチレン系重合体に一般に使用さ
れている他の樹脂,ゴム,無機微粒子,酸化防止剤,核
剤,可塑剤,相溶化剤,着色剤,帯電防止剤などを添加
した組成物からなるものでもよい。
本発明において好適に使用できる無機微粒子として
は、I A族,II A族,IV A族,VI A族,VII A族,VIII族,I B
族,II B族,III B族,IV B族元素の酸化物,水酸化物,硫
化物,窒素化物,ハロゲン化物,炭酸塩,酢酸塩,燐酸
塩,亜燐酸塩,有機カルボン酸塩,珪酸塩,チタン酸
塩,硼酸塩及びそれらの含水化合物、それらを中心とす
る複合化合物,天然鉱物粒子などがある。具体的には、
フッ化リチウム,硼砂(硼酸ナトリウム含水塩)等のI
A族元素化合物、炭酸マグネシウム,燐酸マグネシウ
ム,酸化マグネシウム(マグネシア),塩化マグネシウ
ム,酢酸マグネシウム,フッ化マグネシウム,チタン酸
マグネシウム,珪酸マグネシウム,珪酸マグネシウム含
水塩(タルク),炭酸カルシウム,燐酸カルシウム,亜
燐酸カルシウム,硫酸カルシウム(石膏),酢酸カルシ
ウム,テレフタル酸カルシウム,水酸化カルシウム,珪
酸カルシウム,フッ化カルシウム,チタン酸カルシウ
ム,チタン酸ストロンチウム,炭酸バリウム,燐酸バリ
ウム,硫酸バリウム,亜燐酸バリウム等のII A族元素化
合物、二酸化チタン(チタニア),一酸化チタン,窒化
チタン,二酸化ジルコニウム(ジルコニア),一酸化ジ
ルコニウム等のIV A族元素化合物、二酸化モリブデン,
三酸化モリブデン,硫化モリブデン等のVI A族元素化合
物、塩化マンガン,酢酸マンガン等のVII A族元素化合
物、塩化コバルト,酢酸コバルト等のV III族元素化合
物、沃化第一銅等のI B族元素化合物、酸化亜鉛,酢酸
亜鉛等のII B族元素化合物、酸化アルミニウム(アルミ
ナ),水酸化アルミニウム,フッ化アルミニウム,アル
ミノシリケート(珪酸アルミナ,カオリン,カオリナイ
ト)等のIII B族元素化合物、酸化珪素(シリカ,シリ
カゲル),石墨,カーボン,グラファイト,ガラス等の
IV B族元素化合物、カーナル石,カイナイト,雲母(マ
イカ,キンウンモ),バイロース鉱等の天然鉱物の粒子
が挙げられる。この無機微粒子の平均粒径は、特に制限
はないが、好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは
0.01〜3μmで、組成物中の含量は0.001〜3重量%、
好ましくは0.001〜1重量%である。
また、前記無機微粒子はフィルム面の滑り性を改善す
る上で、効果的な成分であるが、本発明の目的を阻害し
ない限り、他の種類あるいは他の粒径の微粒子,無機充
填材等を含むものであってもよい。
前記無機微粒子は、最終的な成形品すなわちフィルム
に含有されるが、含有させる方法に限定はない。例え
ば、スチレン系単量体の重合中の任意の過程で添加ある
いは析出させる方法、あるいは溶融押出する任意の過程
で添加する方法が挙げられる。
一方、上述したシンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体と共に用いることのできる他の樹脂として
は、各種のものがあるが、例えば、アタクチック構造の
スチレン系重合体,アイソタクチック構造のスチレン系
重合体,スチレン−無水マレイン酸共重合体,ポリフェ
ニレンエーテル等は、前述のシンジオタクチック構造の
スチレン系重合体と相溶しやすく、延伸用予備成形体
(原反シート,フィルム等)を作成するときの結晶化の
制御に有効で、その後の延伸性が向上し、延伸条件の制
御が容易で、且つ力学物性に優れたフィルムを得ること
ができる。このうち、アタクチック構造および/または
アイソタクチック構造のスチレン系重合体を含有させる
場合、シンジオタクチック構造のスチレン系重合体と同
様の単量体からなるものが好ましい。また、これら相溶
性樹脂成分の含有割合は70〜1重量%、特に好ましくは
50〜2重量%とすればよい。ここで相溶性樹脂成分の含
有割合が70%重量を超えると、シンジオタクチック構造
のスチレン系重合体の長所である耐熱性等が損なわれる
ため好ましくない。また、非相溶性樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ
ペンテン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレ
ート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフ
タレート等のポリエステル、ナイロン−6やナイロン6,
6等のポリアミド、ポリフェニレンスルフィド等のポリ
チオエーテル、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリイミド、テフロン等のハロゲン化ビニ
ル系重合体、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系重
合体、ポリビニルアルコール等、上記相溶性の樹脂以外
はすべて相当し、さらに、上記相溶性の樹脂を含む架橋
樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、本発明のシンジオ
タクチック構造のスチレン系重合体と非相溶であるた
め、少量含有する場合、シンジオタクチック構造のスチ
レン系重合体中に島のように分散させることができ、延
伸後に程良い光沢を与えたり、表面の滑り性を改良する
のに有効である。これら非相溶性樹脂成分の含有割合
は、光沢を目的とする場合は50〜2重量%、表面性の制
御を目的とする場合、0.001〜5重量%が好ましい。ま
た、製品として使用する温度が高い場合には、耐熱性の
ある樹脂を用いることが好ましい。
本発明に用いる二軸延伸フィルムには、高度なシンジ
オタクチック構造を有するスチレン系重合体またはその
組成物を、二方向に延伸したフィルム単体(単層フィル
ム),そのフィルムを複数用いて積層させた積層フィル
ムおよび上記延伸フィルムを少なくとも一層とし、これ
に他の種類樹脂よりなるフィルムを積層してなる積層フ
ィルムが包含される。
このような積層フィルムは、溶融状態で積層し、その
状態で二軸延伸して延伸積層フィルムとして作成しても
良い。また、延伸したフィルムに他のフィルムを、接着
剤を使用して、あるいは使用せずに接合させてもよい。
この際、適用する二軸延伸の方法は、特に限定される
ものではなく、従来から一般に行われている方法でよ
い。一般的には、縦−横二方向に逐次的にまたは同時に
延伸する方法が行われる。また、同方向に段階的に延伸
を行ったり、縦−横延伸後に縦方向または横方向に延伸
するような多段的な延伸方法でも良い。
この延伸方法は、上記の如く、特に限定するものでは
ないが、一般的には、ロール間の周速差により縦方向に
延伸し、次いで、テンターと呼ばれる横延伸機により、
連続縦延伸フィルムの両端をオーブン中に設置し、連続
的にレール上を走行するクリップに固定し、両側のレー
ル間隔を拡げることにより横方向に延伸される逐次二軸
延伸法が好ましい。
延伸条件は、目的とするフィルムが、連続的に得られ
るものであれば特に限定されるものではない。一般に、
延伸時の温度は、シンジオタクチック構造を有するスチ
レン系重合体(SPS)の特性上、延伸すべき成形体(原
反シート)のガラス転移温度(Tg)〜融点(Tm)の温度
で、好ましくはTg〜低温結晶化温度(Tcc)の範囲に設
定し、延伸倍率は1.1倍以上、好ましくは1.5〜10倍程度
であればよい。さらに好ましくは、上記原反シートを延
伸倍率1.5〜4倍で延伸し、得られた延伸品を、再びそ
の垂直な方向にTg〜Tm(より好ましくはTg〜Tccの範
囲)の温度において、再延伸前の延伸品に対し、面積倍
率でさらに1.2倍以上(より好ましくは2.2〜2.5倍)に
二軸延伸するのが良い。延伸温度がTg〜Tmの温度範囲外
では、連続的な延伸が困難であり、面積倍率が1.2倍未
満では延伸フィルムとしての特性である高弾性率,高強
度を付与することが難しい。
本発明で用いる二軸延伸フィルムは、120℃の雰囲気
下にて30分間放置した時の熱収縮率が5%未満のものが
好ましく、このような物性は、二軸延伸後に熱固定を行
うことによって得られる。
熱固定は、通常の方法で行うことができるが、この二
軸延伸フィルムを緊張状態,弛緩状態あるいは制限収縮
状態の下で、該フィルムのTg〜Tm、好ましくは(Tm−10
0℃)以上Tm未満の温度範囲にて、0.5〜120秒間保持す
ることによって行えばよい。
本発明の包装用フィルムの蒸着層は、珪素酸化物を主
成分として形成される。その際使用する蒸着前の二軸延
伸フィルムは、シランカップリング剤,プライマー,コ
ロナ放電処理あるいは低温プラズマ処理等の表面処理が
施されていてもよい。
二軸延伸フィルムの厚さは、特に限定しないが、一般
に包装用フィルムとして5μm〜500μmが操作性,蒸
着層の破壊防止等に好ましい。
さらに、二軸延伸フィルムは、蒸着前に予備乾燥した
方が、蒸着層との接着力を高めることができる。この予
備乾燥の方法としては、該フィルムを蒸着前にオーブン
中に放置する方法、または蒸着を目的とする装置内にお
いて加熱,脱気する方法等がある。
本発明の包装用フィルムの蒸着層を構成する珪素酸化
物については次のものが用いられる。すなわち、Si,Si
O,Si2O3,Si3O4,SiO2から得らばれる1種ないしは2種以
上を主成分とするものを用いる。ただし、これらの非
晶,非晶状態は問わない。この珪素化合物に対し、耐久
性,強度などの向上を目的で、15重量%以下の割合で該
珪素化合物以外の珪素化合物,珪素以外の金属,金属合
金、酸化物、珪化物、珪酸塩、フッ化物、ヨウ化物,炭
化物などの金属化合物,あるいはこれらの混合物を加え
ることを可能である。
本発明の包装用フィルムは、上記二軸延伸フィルムの
片面あるいは両面に上記珪素化合物を100〜3000Åの厚
さに蒸着することにより形成される。上記蒸着層の厚さ
が100Å未満の場合、得られる蒸着フィルムのガスバリ
アー性が不足し、3000Åを超えると、透明蒸着層に亀裂
が入り易くなる問題がある。
また、上記で用いる蒸着手段は特に限定しないが、通
常、高周波誘導加熱装置により好適に実施される。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく
説明する。
製造例1(スチレン系重合体の製造) (1)トリメチルアルミニウムと水との接触生成物の調
製 アルゴン置換した内容積500mlのガラス製容器に、硫
酸銅5水塩(CuSO4・5H2O)17.8g(71ミリモル),トル
エン200ml及びトリメチルアルミニウム24ml(250ミリモ
ル)を入れ、40℃で8時間反応させた。その後固体部分
を除去して得られた溶液から、更にトルエンを室温下で
減圧留去して接触生成物6.7gを得た。この接触生成物の
分子量を凝固点降下法によって測定したところ610であ
った。
(2)スチレン系重合体の製造 内容積2の反応容器に、精製スチレン1,上記
(1)で得られた接触生成物をアルミニウム原子として
5ミリモル,トリイソブチルアルミニウムを5ミリモル
およびペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリメ
トキシドを0.025ミリモル加えて90℃で5時間重合反応
を行った。反応終了後、生成物を水酸化ナトリウムのメ
タノール溶液で触媒成分を分解後、メタノールで繰返し
洗浄後、乾燥して重合体308gを得た。1,2,4−トリクロ
ベンゼンを溶媒として、130℃でゲルバーミエーション
クロマトグラフィーにて測定したこの重合体の重量平均
分子量は389,000、重量平均分子量/数平均分子量は2,6
4であった。また、融点及び13C−NMR法測定により、こ
の重合体はスチレン系重合体であり、そのシンジオタク
ティシティーはラセミペンタットで93%であることを確
認した。
実施例1 製造例1で得られたスチレン系重合体パウダーを150
℃,2時間攪拌しながら真空乾燥した。このパウダーをベ
ント(乾燥吸引)付単軸押出機の先端にキャピラリーを
複数個含むダイを取り付けた装置で溶融押出後、冷却
し、カットして押出用成形材料(ペレット)を作成し
た。その後、上記ペレットを熱風中で攪拌しながら結晶
化,乾燥を行った。得られたペレットの残留スチレン単
量体は1100ppm,結晶化度は35%であった。
このペレットを用いて、320℃で押出成形しシート状
成形体を得た。このシート状成形体の結晶化度は、示差
走査型熱量計(DSC)で測定したところ14%であった。
このシートを、縦横にそれぞれ95℃,115℃で各3倍に
延伸し、その延伸フィルムを255℃で10秒間熱固定し、1
2μmの厚さのSPSフィルムを得た。このフィルムの残留
スチレン単量体は630ppmであった。
延伸及び熱固定した二軸延伸フィルム(二軸延伸SPS
フィルム)に、珪素と二酸化珪素との等モル混合物を蒸
着原料として0.7×10-4Torrの真空下で高周波誘導加熱
装置により、1350℃に加熱し、蒸着を施した。得られた
蒸着フィルムの蒸着層の膜厚は、フィルム断面の電子顕
微鏡観察より、1,000Åであった。この蒸着フィルム
に、未延伸ポリプロピレンフィルム(東レ合成(株)
製,3701,70μm)を二液型接着剤(東洋モートン(株)
製,商品名:AD−1020/AD−RT5)を用いて接着し、ラミ
ネートフィルムを作成した。作成したフィルムに対し
て、さらに熱収縮率,透明度,酸素ガス透過率,水蒸気
透過率,耐熱性,100℃加熱時の臭気度及び変形度を測定
した。その結果を表に示す。
実施例2 蒸着膜厚を2,000Åとしたこと以外は、全て実施例1
と同条件としてフィルムの作成及びその物性の測定を行
った。結果を表に示す。
比較例1 珪素化合物の蒸着を施さなかったこと以外は、全て実
施例1と同条件としてフィルムの作成及びその物性の測
定を行った。結果を表に示す。
比較例2 蒸着膜厚を5,000Åとしたこと以外は、全て実施例1
と同条件としてフィルムの作成及びその物性の測定を行
った。結果を表に示す。
比較例3 珪素化合物の蒸着を施さなかったこと、および二軸延
伸フィルムとCPPフィルムの間に13μmのアルミ箔をラ
ミネートしたこと以外は、実施例1と同条件としてフィ
ルムの作成及びその物性の測定を行った。結果を表に示
す。
比較例4 二軸延伸SPSフィルムのかわりに二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡(株)製,
商品名:エステルE−5001,12μm)に、実施例1と同
様の蒸着を施してフィルムを作成し、またその物性の測
定を行った。結果を表に示す。
比較例5 二軸延伸SPSフィルムのかわりに二軸延伸ナイロンフ
ィルム(出光石油化学(株)製、商品名:ユニロンG−
100,15μm)に、実施例1と同様の蒸着を施してフィル
ムを作成し、またその物性の測定を行った。結果を表に
示す。
比較例6 押出用成形材料の作成時に、ベント引きせずに単軸押
出機でペレット化した。このペレットを用いたこと以外
は、全て実施例1と同条件としてフィルムの作成及びそ
の物性の測定を行った。結果を表に示す。
上記実施例及び比較例で用いた測定手段を次に示す。
(熱収縮率) 120℃の熱水中で30分間レトルト処理した後のフィル
ムの熱収縮率を測定した。
(酸素ガス透過率) 120℃,30分間熱水中にてレトルト処理を実施し、レト
ルト処理前後のフィルムの酸素ガス透過率を、ASTM−D
−3985に準拠して23℃,相対湿度(RH)0%で測定し
た。
(水蒸気透過率) 120℃,30分間熱水中にてレトルト処理を実施し、レト
ルト処理前後のフィルムの水蒸気透過率を、ASTM−F−
1249に準拠して40℃,RH90%で測定した。
(耐熱性) セイコー電子社製,TMA/SS−5200を用い、フィルム
に、100g/mm2の荷重を加えて0.1%以上変形する温度を
加熱歪温度として示した。
(透明性) 印刷物の上にフィルムをのせ、印刷物が目視で確認で
きるかどうかで判断した。
○・・確認可 ×・・確認不可 (臭気評価) 100℃に加熱したフィルムの臭気を官能的な評価によ
り、スチレンモノマー臭がするか否かで判断した。
○・・臭気なし ×・・臭気あり 〔発明の効果〕 以上の如く本発明の包装用フィルムは、従来の包装用
フィルムに比べ透明性,ガスバリアー性,レトルト性,
耐熱性において優れている。
したがって、本発明の包装用フィルムは、一般包装用
フィルムとしては勿論、さらに耐熱性を有する電子レン
ジ等の調理に適する包装用フィルムとして有効な利用が
期待できる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高度なシンジオタクチック構造を有し、ス
    チレン系単量体残留量が1,000ppm以下であるスチレン系
    重合体またはその組成物からなる二軸延伸フィルムに、
    厚さ100〜3,000Åの珪素酸化物を主成分とする蒸着層を
    設けてなる包装用フィルム。
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