JP2896697B2 - 病 棟 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は病院，老人保健施設，養護老人ホーム，特別
養護老人ホーム等の病棟に関する。

［従来の技術］ 現在、病院，老人保健施設，養護老人ホーム，特別養
護老人ホーム等の病棟は、土地の有効利用を図るため
や、看護のしやすさのために、中廊下式のものが多い。
又、敷地の制約のため、行止まり上の廊下となったり、
バルコニーのない病棟も多い。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上記従来の中廊下式の病棟において
は、廊下部分に自然光を採光しにくいと共に、利用度が
多く広い面積と十分な日照が必要な談話コーナー、機能
訓練室の配置を有利にできず、又、廊下が行止まり状で
あると動線が混雑して居住性，管理面及び防災面で劣
り、かつ２階以上の階にバルコニーがないと病室等から
の避難及び消防活動等に著しい悪影響を与える。

そこで、本発明は、十分な採光をなし得、居住性、管
理面及び防災面において優れた病棟の提供を目的とす
る。

［課題を解決するための手段］ 前記課題を解決するため、本発明の病棟は、中央部に
可動式の天窓によるトップライト式の吹抜けをを設ける
と共に、１階における吹抜けの下方に、一部に日本庭園
を備えたレクリエーションスペースを設けると共に、こ
のレクリエーションスペースを挟んで機能訓練室、談話
コーナー、ナースステーションその他の利用度の多い室
を直線状に配置し、かつこれらを囲むループ状の廊下を
設ける一方、廊下の外側に沿って療養室，便所，洗面所
その他の利用度の少ない室を設け、かつこれらの外側に
ループ状のテラスを設け、又、２階における吹抜けの周
囲に談話コーナー、機能訓練室、サービスステーショ
ン、レクリエーションルームその他の利用度の多い室を
吹抜けを挟んで直線状に配置し、かつこれらを囲むルー
プ状の廊下を設ける一方、廊下の外側に沿って療養室、
洗面所、便所その他の利用度の少ない室を設け、かつこ
れらの外側に避難スロープへ通じるループ状のバルコニ
ーを設けたものである。

［作用］ 上記配置においては、建物の中央部に吹抜けがあり、
その周囲はループ状の廊下となっており、廊下の内側に
利用度の多い室が配置される。又、避難スロープへ通じ
るバルコニーが建物の全周に設けられる。

特別養護老人ホーム等の病棟として用いる場合は、一
区画を痴呆者用等として分離区画することが好ましく、
このようにすることにより、その管理，避難，防災面で
有利となる。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図，第２図及び第３図は老人保険施設等の病院施
設の病棟の１階,2階及び屋上の平面図である。

図中１は１階中央部に設けた矩形状のレクリエーショ
ンスペースで、その一部に日本庭園２を備えている。レ
クリエーションスペース１の上方は、屋上に設置された
可動式の天窓３によるトップライト式の吹抜け４が設け
られている。

１階における吹抜け４、すなわちレクリエーションス
ペース１の周囲には、その一端（第１図においては左
端）側に位置する機能訓練室５、他端（第１図において
は右端）側に順に位置する談話コーナー６及びナースス
テーション７等の比較的利用度の多い室が直線状をなし
て配置されており、この直線状をなすレクリエーション
スペース１及び利用度の多い室の周囲にはループ状の廊
下８が設けられている。そして、廊下８の外側には、こ
れに沿って多数の療養室９、それらの間の所要位置に介
在される洗面所10及び便所11その他の比較的利用度の少
ない室が設けられており、これらの室の外側には、ルー
プ状のテラス12が設けられている。

又、２階における吹抜け４の周囲には、その一端（第
２図においては左端）側に順に位置する談話コーナー13
及び機能訓練室14、他端（第２図においては右端）側に
順に位置するサービスステーション15及びレクリエーシ
ョンルーム16等の比較的利用度の多い室が吹抜け４を挟
んで直線状をなし配置されており、この直線状をなす吹
抜け４及び利用度の多い室の周囲には、１階とほぼ同様
にループ状の廊下17が設けられている。そして、廊下17
の外側には、これに沿って多数の療養室18、それらの間
の所要位置に介在される洗面所19及び便所20その他の比
較的利用度の少ない室が設けられており、これらの室の
外側には、避難スロープ21へ通じるループ状のバルコニ
ー22が設けられている。

２階の１区画は、サービスステーション15及びレクリ
エーションルーム16に至る廊下17に設けた扉23によって
一般者の一般病棟Ａと痴呆者用の痴呆病棟Ｂとに分離区
画（第２図において一点鎖線で示す）されている。

第１図において24は厨房、25は食堂である。又、第２
図において26は一般浴室、27は特殊浴室、28は診療室、
29は植込みである。

なお、上記実施例においては、２階の一区画を痴呆者
用として区画する場合について述べたが、この区画を設
けなくてもよく、あるいは通常の病院においては小児用
の区画等として用いるようにしてもよい。

［発明の効果］ 以上のように本発明によれば、建物の中央部に可動式
の天窓からなるトップライト式の吹抜けがあり、その周
囲がループ状の廊下となっているので、従来の中廊下形
式のものに比し、廊下部分における自然光の採光を十分
に行うことができると共に、１階において吹抜けの周囲
に設けられる療養室，談話コーナー，機能訓練室，診療
室を明るく、かつ換気や風通しも良好にすることがで
き、更にスペースを有効利用できる。

廊下の内側に利用度の多い機能訓練室，談話コーナ
ー、ナースステーション，レクリエーションルーム等が
配置されているので、居住性、管理面及び防災面におい
て動線の混雑が解消され、動きやすくすることができ
る。

又、避難スロープへ通じるバルコニーが建物の２階全
周に設けられるので、災害時における２階からの建物外
へ避難や消防活動をバルコニーを用いて行うことがで
き、防災面において優れたものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図及び第３図はそれぞれ本発明の一実施例
を示す老人保健施設の病棟の１階,2階及び屋上の平面図
である。 １…レクリエーションスペース ３…天窓、４…吹抜け ５…機能訓練室、６…談話コーナー ７…ナースステーション、８…廊下 ９…療養室、10…洗面所 13…談話コーナー 14…機能訓練室 15…サービスステーション 16…レクリエーションルーム 17…廊下、18…療養室 19…洗面所、20…便所 21…避難スロープ、22…バルコニー

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】中央部に可動式の天窓によるトップライト
   式の吹抜けを設けると共に、１階における吹抜けの下方
   に、一部に日本庭園を備えたレクリエーションスペース
   を設けると共に、このレクリエーションスペースを挟ん
   で機能訓練室、談話コーナー、ナースステーションその
   他の利用度の多い室を直線状に配置し、かつこれらを囲
   むループ状の廊下を設ける一方、廊下の外側に沿って療
   養室，便所，洗面所その他の利用度の少ない室を設け、
   かつこれらの外側にループ状のテラスを設け、又、２階
   における吹抜けの周囲に談話コーナー、機能訓練室、サ
   ービスステーション、レクリエーションルームその他の
   利用度の多い室を吹抜けを挟んで直線状に配置し、かつ
   これらを囲むループ状の廊下を設ける一方、廊下の外側
   に沿って療養室、洗面所、便所その他の利用度の少ない
   室を設け、かつこれらの外側に避難スロープへ通じるル
   ープ状のバルコニーを設けたことを特徴とする病棟。