JP2895996B2 - 金属母材表面への異種金属箔の接合方法 - Google Patents

金属母材表面への異種金属箔の接合方法

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JP2895996B2 JP3244531A JP24453191A JP2895996B2 JP 2895996 B2 JP2895996 B2 JP 2895996B2 JP 3244531 A JP3244531 A JP 3244531A JP 24453191 A JP24453191 A JP 24453191A JP 2895996 B2 JP2895996 B2 JP 2895996B2
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雅勇 中村
泰典 原田
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Shinto Kogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、諸部品を構成している
金属母材の機能を高めるために、この金属母材の表面
に、この母材にはないか、或いは不足している有効な特
性を有する異種の金属箔を大きな強度でもって接合する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】外観を含めて諸部品を構成している金属
材料に高機能が要求される場合においても、悪条件の環
境や応力にさらされるのは表面のみであるので、その表
面のみが要求される条件に耐え得る特性を有すればよい
ことが多い。このために、金属材料の表面改質のために
種々の方法が実施されている。この方法の中には、電気
メッキ、溶融メッキ、PVD(物理的蒸着法)、CVD
(化学的蒸着法)、溶射などの電気化学的、或いは物理
的な方法によって母材とは異種の材料をその表面に付け
て、これを覆う方法がある。しかし、母材とその表面を
覆う材料との組み合せ、或いは母材の形状の制限があっ
たり、また加工コストの点において生産ラインで実施で
きないものもある。
【0003】上記したように、母材の表面にこれとは異
種の材料を付けて覆う別の方法として、材料の塑性変形
を利用して母材の表面に異種材料を接合して、母材の表
層部を二層とする圧接加工法がある。この方法は、二種
の材料の接合強度も大きく、しかも簡単に実施できる
が、両材料が接合に至るには材料の接合部分のひずみが
少なくとも50%以上は必要であって、母材自体の形状
を大きく変化させる必要がある。このため、所定の製品
形状に加工した母材の表面に異種の薄層を付ける表面改
質法としては使用できない欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、圧縮応力に
よる表面部のみの塑性変形を利用して、母材の表面形状
を殆ど変化させずに、この母材の表面に異種の薄層(金
属箔)を強固に接合させることを課題としてなされたも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の採用した手段は、諸部品を構成する金属母材
の表面にこの母材とは異種の金属箔を載せ、この両者を
接合に至る温度まで加熱した状態で、前記金属箔の表面
に無数のショット粒を打ち込み、このショット粒の打ち
込み時の圧縮応力により前記金属箔と母材の表面とを塑
性変形させて両者を接合することである。
【0006】図1及び図2を参照にして、本発明の構成
を更に詳細に説明する。母材1の表面に、この母材1と
は異種の金属箔2を載せる。この母材1と金属箔2と
は、ヒ−タHによって、両者が接合可能な温度まで加熱
されている。この状態で、小径鋼球から成る無数のショ
ット粒3を前記金属箔2の表面に連続して打ち込むと、
図2に示されるように、ショット粒3の打ち込みにより
生じた圧痕4の付近は、打ち込み時のショット粒3の圧
縮応力が大きく作用して母材1と金属箔2とが接合可能
な程に大きくひずむ。しかし、母材1における圧痕4の
部分から深くなるに従って、ショット粒3の打ち込みに
よるひずみは急激に小さくなって、圧痕4の深さの10
倍程度の深さの部分においては、殆どひずみは生じな
い。このため、母材1の表面部のみを集中的に変形させ
て、その全体を大きく変形させることなく、母材1の表
面に金属箔2を接合できる。
【0007】ショット粒3の1個について見れば上記し
た現象が生じており、ショット粒3の1個による接合範
囲は極めて小さいが、無数のショット粒3が母材1の表
面全体に及ぶように連続して打ち込まれるために、上記
現象が母材1の表面全体にわたって生じ、これにより母
材1の表面に金属箔2が接合される。即ち、母材1の表
面に無数のショット粒3が打ち込まれるために、直前の
ショット粒3の打ち込みにより生じた圧痕の付近に(場
合によっては同一位置に)別のショット粒3による圧痕
が形成されて、母材1の表面全体にわたって塑性変形に
よるひずみが生じて蓄積されるために、ショット粒3に
よる打ち込み深さが小さくても、母材1の表面に金属箔
2が接合されるのである。。
【0008】また、ショット粒3の打ち込みによって母
材1の表面に圧痕4が生じてこの部分がくぼんで、その
周辺に材料が盛り上がる。母材1の表面には無数のショ
ット粒3が連続して打ち込まれているために、上記した
材料の盛り上がり部に別のショット粒3が打ち込まれる
と、この盛り上がり部がくぼまされて周辺のくぼみを埋
めるようにして材料が移動する。無数のショット粒3の
打ち込みによって、この作用が反復されるために、母材
1の表面形状の変化は殆どないか、或いは少ない。この
ように、母材1の表面に金属箔2を載せた状態で無数の
ショット粒3を打ち込み続けると、母材1の表面の微細
変形と接合反応とが繰り返されて、母材1の表面に金属
箔2が強固に接合される。更に、異種金属材料が接合に
至る低温加熱状態におけるショット粒3の打ち込みは、
材料どうしの接合を容易にしており、その材料の加熱温
度が、打ち込みひずみの繰り返しにより再結晶を生ずる
程度であれば、金属箔2と母材1の表面部の結晶粒は微
細化して、材料の性質がその表面部において改善(改
質)される。また、低温加熱状態において母材1の表面
を繰り返し塑性変形させる場合に、この母材1及び金属
箔2の各表面が加熱によって酸化されて接合に悪影響を
及ぼす場合には、真空中においてショット粒の打ち込み
を行うことが望ましい。なお、図2において、圧痕4の
深さ(D)は0.5mmであり、使用したショット粒3の
外径は10mmであった。
【0009】
【実施例】次に、本発明による実施例を挙げる。母材1
として軟鋼板を使用し、金属箔2として厚さ20μmの
アルミニウム箔を使用し、図1に示されるように、この
軟鋼板の表面にアルミニウム箔を載せて、これらが20
0°Cとなるまでヒ−タHにより加熱した。この状態
で、投射速度73m/s,投射密度75kg/m2 で無
数のショット粒3をアルミニウム箔の表面に連続して打
ち込んで、軟鋼板の表面にアルミニウム箔を接合した。
図3は、その断面を示す顕微鏡写真であって、軟鋼板の
表面にアルミニウム箔が十分に接合していることが分か
る。アルミニウム箔は薄すぎるので、その接合強度は容
易には測定できない。そこで、アルミニウム箔を外側に
して接合加工を施した材料を90°折り曲げ、その後に
曲げ戻して原形状にしたところ、曲げにより大きなひず
みが生じたアルミニウム箔の一部に割れが生じているこ
とが認められたが、軟鋼板とアルミニウム箔との間の剥
離は全く認められず、軟鋼板の表面全体にわたってアル
ミニウム箔が覆われていた。この事実からして、両者の
間には一定の接合強度があるものと判断される。
【0010】
【発明の効果】本発明は、母材の表面に金属箔を載せ、
この両者が接合に至る温度まで加熱した状態において無
数のショット粒をこの金属箔の表面に打ち込み、その圧
縮応力によって金属箔と母材の表面とを塑性変形させて
両者を接合する構成であるので、以下のような諸効果が
奏される。(1)母材の表層部のみを塑性変形させて、
その表面に金属箔を接合できるため、予め母材を製品形
状に加工しておき、その表面に金属箔を接合できる。こ
の点、従来の塑性変形を利用した母材の表面に異種材料
を被覆する接合法では、母材となる材料を大きく(ひず
みが50%以上)塑性変形させなければならないので、
予め製品形状に加工した母材の表面に異種材料を接合す
ることはできなかった。(2)金属母材と異種金属箔と
の接合が容易になる程度の低温加熱状態においてこの母
材の表層部のみを塑性変形させて、その表面に金属箔を
接合できるので、接合強度が大きいと共に、母材とこの
表面に接合する金属箔との組み合わせの制約が少ない。
この点、接合反応が十分でないPVDに比較すれば、そ
の接合強度は遙に大きくなると共に、高温で行われる拡
散接合や溶射のように界面で両材料が化学反応して不適
当な化合物が生ずることがある接合法では、接合可能な
二種の材料の組み合せに一定の制限がある。(3)ショ
ット粒を工作物表面に連続的に打ち込んで、その表面部
を加工硬化させたり、ショット粒を鋳物表面に連続的に
打ち込んで、これに付着している砂と黒皮とを取り除い
たりする方法は、既に実施されているので、本発明の接
合方法は生産ラインにおいて容易に実施できる。(4)
接合後において金属箔の表面にはショット粒の打ち込み
痕が残存して適当な凹凸が生じているので、表面にダル
加工を施すような製品においては、金属箔の表面に形成
されたこの打ち込み痕を模様として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接合方法の原理図である。
【図2】材料におけるショット粒の打ち込み部のひずみ
分布図である。
【図3】本発明の方法により接合した軟鋼板とアルミニ
ウム箔との断面の金属組織の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
H:ヒ−タ 1:母材 2:金属箔 3:ショット粒 4:圧痕
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−20188(JP,A) 特開 昭57−52584(JP,A) 特開 平1−99775(JP,A) 特開 昭53−125949(JP,A) 特公 昭42−2564(JP,B1) 特公 昭40−16975(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 20/00 - 20/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 諸部品を構成する金属母材の表面にこの
    母材とは異種の金属箔を載せ、この両者を接合に至る温
    度まで加熱した状態で、前記金属箔の表面に無数のショ
    ット粒を打ち込み、このショット粒の打ち込み時の圧縮
    応力により前記金属箔と母材の表面とを塑性変形させて
    両者を接合することを特徴とする金属母材表面への異種
    金属箔の接合方法。
  2. 【請求項2】 真空中において、前記金属箔の表面に無
    数のショット粒を打ち込むことを特徴とする請求項1に
    記載の金属母材表面への異種金属箔の接合方法。
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