JP2769339B2 - 耐摩耗性に優れたアルミニウム合金材の製造方法 - Google Patents

耐摩耗性に優れたアルミニウム合金材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、自動車、事務機、一般機械等において、
耐摩耗性の要求される部品材料として使用される耐摩耗
性に優れたアルミニウム合金材の製造方法に関する。
従来の技術 周知のように、アルミニウムあるいはアルミニウム合
金は汎用されている鉄系材料等と比較して格段に軽量で
あるのに加え、熱伝導特性に優れ、また耐食性も優れる
ところから、最近では自動車等の各種機械部品として広
く使用されるようになっている。しかしながら、一般に
アルミニウムあるいはアルミニウム合金は鉄系材料と比
較して耐摩耗性が劣り、このことが自動車等における軽
量化等を目的として鉄系部材をAl合金部材に代える際の
大きな障害となっていた。
そこで従来から、耐摩耗性が要求される部位に適用さ
れるアルミニウム合金材の耐摩耗性向上策として、メッ
キや陽極酸化処理、あるいは溶射等の表面処理を施して
耐摩耗性の高い表面処理層を形成する試みがなされてい
るが、いずれも耐摩耗性の要求に対しいまだ充分な満足
を与え得るものではなかった。しかも、いずれの場合も
表面処理層の基材に対する密着性が充分でないところか
ら、高面圧下で使用した場合に充分な耐久性を確保でき
ないという欠点があった。
この発明は、このような技術的背景のもとでなされた
ものであって、優れた耐摩耗性を有するとともに、高面
圧下で使用した場合にも充分な耐久性を有するアルミニ
ウム合金材料の製作提供を目的とするものである。
課題を解決するための手段 上記目的において、この発明は、アルミニウムまたは
アルミニウム合金基材の表面を、基材外部から供給した
1種または2種以上の珪化物粉末とともに局部的に溶融
することにより、Alマトリックスと前記珪化物粒子を合
金化せしめた硬質合金化層を前記基材の表面に形成し、
もって耐摩耗性の向上を図らんとするものである。
基材として用いるアルミニウムまたはアルミニウム合
金の組成は特に限定されるものではなく、JIS1000番台
の純アルミニウムの他、用途に応じて必要とされる機械
的性質、加工特性を有する各種のアルミニウム合金を用
いうる。また基材の形状も、適用される部品の形状に応
じて任意に設計すれば良い。
かかるアルミニウムまたはアルミニウム合金基材の表
面の溶融はレーザビーム、電子ビーム、TIGアーク等の
照射による高密度エネルギー源を用いた溶融手段によれ
ば良い。このような手段を用いることにより、基材表面
層のみを溶融しえて基材への熱影響を少なくでき、基材
の一部のみを局部的に合金化することができる。一般的
にはレーザビームを用いる場合が多く、具体的にはYAG
レーザ(波長1.06μm、パルス発振)とかCO2レーザ
(波長10.6μm、連続発振)を主に用いる。また、溶融
は耐摩耗性の要求される部位について行えば良いが、そ
の部位が広範囲にわたるときはレーザビーム等のオシレ
ーション幅の調整や、順次的照射により対処すれば良
い。
基材表面の溶融は、基材外部から供給した珪化物粉
末、即ち金属元素と珪素との化合物の粉末の溶融を伴い
つつ行う。珪化物粉末の供給態様の1つとしては、レー
ザビーム等の照射前に予め所期する部位にコーティング
層を形成しておく場合を挙げうる。コーティング層の形
成は珪化物粉末をエチルアルコールなど各種バインダー
を用いて塗布することにより行いうる。また、他の供給
態様として、珪化物粉末をレーザビーム等の照射中に溶
融部に直接投入する場合を挙げうる。いずれの方法を用
いても良いが、直接投入方式の場合、供給速度の調整等
が面倒であるため、簡便性の点でコーティング方式、特
にバインダーを用いた粉末塗布法が優れている。
上記のように、レーザビーム等の照射により基材表面
を珪化物粉末と共に溶融した後においては、溶融部分は
短時に凝固しAlマトリックスに珪化物粒子が均一緻密に
分散しあるいは塊状化した合金化層となる。而して、珪
化物粉末はそれ自体極めて硬度が高いため、合金化層が
全体として高い硬度を示し、優れた耐摩耗性を具有す
る。好ましい珪化物粉末の例としてはMg2Si、TiSi2、Mo
Si2、NbSi2、CrSi2等の粉末を挙げうる。このように、
珪化物粉末は合金化層の硬度向上を図るための必須構成
要素であるが、単に硬度向上のためであれば、同じく高
い硬度を有するWC、TiC等の炭化物やTiN、ZrN等の窒化
物を用いることも考えられる。しかしこの発明において
珪化物粉末を用いるのは次の理由による。即ち、上記WC
やTiN等の粉末を基材とともに溶融しても、基材との濡
れ性が悪く良好な合金化層を形成することができない
が、珪化物粉末を用いた場合には基材との濡れ性が良
く、表面が滑らかで極めて良好な合金化層の形成が可能
となるからである。これは、珪化物粉末中のSiが基材Al
との濡れ性向上作用を果しているからと考えられる。な
お合金化層の厚さはレーザビーム等の照射条件、例えば
出力、照射速度、焦点位置等を変化させることで数十μ
mから数mm程度にまで容易に制御できる。
表面に硬質合金化層を形成した基材は、その後必要に
応じて最終製品形状に機械加工し、耐摩耗性部品として
実用に供する。
発明の効果 以上説明したように、この発明は、アルミニウムまた
はアルミニウム合金基材の表面を、基材外部から供給し
た1種または2種以上の珪化物粉末とともに局部的に溶
融することにより、Alマトリックスと前記珪化物粒子が
合金化した硬質合金化層を基材の表面に形成するするも
のであるから、本発明によって製造したアルミニウム合
金材は格段に耐摩耗性に優れたものとなり、従って自動
車等に要請される耐摩耗部品として好適なものとなしう
る。また、合金化層は従来のようなメッキ等による表面
処理層と異なり、基材と一体的に結合しているから、高
面圧下で使用した場合にも該層の剥離等を起こす危険は
なく、充分な耐久性を確保しうるものとなる。
実施例 (実施例1) 第1図に示すように、工業用純Al(A1070)からなる
厚さ7.5mm×幅40mm×長さ100mmの試験片を基材(1)と
して用いた。そしてこの試験片の中央部長手方向に、深
さ0.5mm、幅6mmの浅溝(2)を掘り、該溝に1〜10μm
径のTiSi2粉末(3)をエチルアルコールをバインダー
として埋込み状態に塗布した。塗布厚さは約0.5mmであ
った。
次に10kw級CO2レーザ加工機を用いて、前記試験片の
粉末塗布部分にレーザビーム(4)を照射し、TiSi2
末とその直下の基材Alとを共に溶融した。照射条件は、
出力5kw、試片移動速度100mm/min、焦点位置+30、ビー
ムオシレーション5Hz、5mmとした。
レーザビームの照射による溶融後、凝固した試験片の
組織状態を調べたところ、溝部分の全体にわたって表面
が滑らかで欠陥のない厚さ約1.3mmの合金化層(5)が
形成されていた。かつこの合金化層は、TiSi2が比較的
均一緻密に分散した部分と塊状になった部分とを有し、
合金化層全体の硬さはHv81〜824(荷重100g)であっ
た。しかも、合金化層内及び合金化層と基材Al界面では
割れ及び気孔の発生は全く認められなかった。
(比較例1) TiSi2粉末の代わりに、5〜10μm径のTiC粉末を用い
た以外は実施例1と同一の条件で試験を行ったところ、
表面に亀甲状の割れが認められ、一部が剥離しており、
しかも合金化層直下に基材Alのみの溶融域が存在し、Al
との濡れ性が悪いことが認められた。
(比較例2) 上記実施例において基材として用いた1070アルミニウ
ム合金単体の硬度を調べたところ、Hv30(荷重5kg)で
あった。
以上の試験結果からわかるように、本発明によれば、
極めて硬度が高く従って当然に耐摩耗性にも優れた合金
化層を基材表面に有するアルミニウム材料を製造しうる
ことを確認しえた。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例における合金化の工程を模式
的に示す斜視図である。 (1)…基材、(3)…TiSi2粉末、(4)…レーザビ
ーム、(5)…合金化層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 1/02 503 C22C 1/02 503J (72)発明者 成願 茂利 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和ア ルミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−247379(JP,A) 特開 昭63−235087(JP,A) 特開 昭60−70136(JP,A) 特開 平2−101177(JP,A) 特開 昭62−54588(JP,A) 特開 昭61−186415(JP,A) 特開 昭62−13578(JP,A) 特開 昭63−307285(JP,A) 特開 昭63−79981(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 24/00 - 30/00 C23C 4/00 - 6/00 C22C 1/00 - 1/10 B23K 26/00 B23K 9/04 B23K 10/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウムまたはアルミニウム合金基材
    の表面を、基材外部から供給した1種または2種以上の
    珪化物粉末とともに局部的に溶融し、もってAlマトリッ
    クスと前記珪化物粒子が合金化した硬質合金化層を基材
    の表面に形成することを特徴とする耐摩耗性に優れたア
    ルミニウム合金材の製造方法。
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