JP3295357B2 - アルミニウム材への磁性層形成方法および磁性層を有するアルミニウム材の製造方法 - Google Patents

アルミニウム材への磁性層形成方法および磁性層を有するアルミニウム材の製造方法

Info

Publication number
JP3295357B2
JP3295357B2 JP29452297A JP29452297A JP3295357B2 JP 3295357 B2 JP3295357 B2 JP 3295357B2 JP 29452297 A JP29452297 A JP 29452297A JP 29452297 A JP29452297 A JP 29452297A JP 3295357 B2 JP3295357 B2 JP 3295357B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic layer
magnetic
aluminum
layer
alloy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29452297A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11131258A (ja
Inventor
正敏 榎本
武典 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko KK
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP29452297A priority Critical patent/JP3295357B2/ja
Publication of JPH11131258A publication Critical patent/JPH11131258A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3295357B2 publication Critical patent/JP3295357B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミニウム材
の表面に磁性層を形成する方法、およびに磁性層を有す
るアルミニウム材の製造方法に関する。
【0002】なお、この明細書において「アルミニウ
ム」の語は、アルミニウムおよびその合金の両方を含む
ものとする。
【0003】
【従来の技術】アルミニウムは、軽量であり熱伝導性お
よび電気伝導性に優れているものの、非磁性材料である
ために使用できる範囲が限られていた。一方、鉄系材料
は磁性体の代表的なものであり、電磁調理器や浮上輸送
車輌用レール等の電磁機器の分野に使用されているが、
製品や構造体の軽量化に伴い部材の軽量化が望まれてい
る。
【0004】そこで、アルミニウム基材の表面に、磁性
層を形成し、軽量性と磁性との両方を具有する各種部材
の製造が試みられている。
【0005】アルミニウム基材の表面に磁性層を形成す
る方法としては、基材表面にFe、Co等の磁性材料を
溶射する方法、肉盛溶接する方法、クラッドする方法な
どが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、磁性材
料を溶射する方法は磁性層の密着性が悪いという問題点
があった。また、肉盛溶接する方法は、密着性は良いが
Fe2Al5、FeAl3、CoAl3、Co2Al9等の金
属間化合物が生成されるために脆くなり、また磁性体で
あるFeやCoが希釈されるために磁性が低下するとい
う問題点があった。また、クラッドする方法は、局部的
にクラッドすることが難しく、特に複雑形状の基材への
磁性層付与は困難であるという問題点があった。
【0007】なお、Fe−Al−Si系合金の強磁性体
も存在するものの、著しく加工性が劣るという欠点があ
り、構造部材としては使用できない。
【0008】そのため、軽量性と磁性の両者を具有する
軽量磁性体の製造については、アルミニウム基材を所要
形状に加工したのちその表面に磁性層を形成する方法で
あって、局部的に良好な磁性層を形成しうる方法が希求
されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明のアルミニウム
材への磁性層形成方法は、前記目的を達成するために、
アルミニウム基材(2)の表面に磁性材料粉末(14)
を供給するとともに、該アルミニウム基材(2)の表層
部および磁性材料粉末(14)を加熱溶融することによ
り、これらの合金からなる磁性層(3)を形成する方法
であって、アーク(12)を発生させるとともに、キャ
リアガス(13)により所定量の磁性材料粉末(14)
を供給するトーチ(1)を用い、このトーチ(1)をア
ルミニウム基材(2)上を移動させることにより、基材
(2)表面に磁性材料粉末(14)を供給しつつ、基材
(2)の表層部および磁性材料粉末(14)を溶融させ
て磁性層(3)を形成し、かつ前記磁性層(3)とし
て、Al−Fe−Cr系合金、Al−Fe−Si系合金
またはAl−Fe−Cr−Si系合金のうちのいずれか
の合金層を形成することを特徴とする。
【0010】本願発明によって形成する磁性層(3)
は、アルミニウム基材(2)と外部から供給される磁性
材料粉末(14)との合金化層であるから、その組成は
アルミニウム基材(2)および磁性材料粉末(14)の
組成によって決定される。しかし、基材(2)の組成
は、基材(2)としての加工性や成形性を確保する必要
があり、また用途により組成範囲も自ずと限定されるた
め、磁性層をAl−Fe−Cr系合金、Al−Fe−S
i系合金またはAl−Fe−Cr−Si系合金のうちの
いずれの合金層とするかは、概ね外部から供給する磁性
材料粉末(14)の選定に委ねられる。例えば、基材
(2)として純アルミニウムを使用する場合は、磁性材
料粉末としてFeにCrおよび/またはSiを組み合わ
せた単体の混合粉末、あるいはこれらの所要組成の合金
粉末として供給する。また、基材(2)としてAl−S
i系合金を使用する場合は、Fe、Crを供給し、さら
にSi濃度を高くする場合はSiも供給する。また、F
e、Crの両方を供給する場合は、Fe、Crの比率に
よりSUS430の粉末を使用することが磁性層(3)
形成作業を容易にする点で好ましい。
【0011】また、磁性層(3)の合金組成に関し、十
分な磁性を確保するためにFe濃度は30〜70wt%が
好ましい。また、CrまたはSiは耐食性およびアルミ
ニウムとの界面の密着性の向上、さらにSiは磁性の向
上のために必要であり、濃度はCr1〜15wt%、Si
1〜15wt%が好ましい。なお、磁性層をAl−Fe−
Cr−Si合金とするのが、割れもなく磁性も強い点で
好ましい。
【0012】また、溶融熱源として用いるプラズマアー
ク等の各種アーク熱源(12)は、熱源の入力密度の比
較的高いエネルギー密度熱源である。高エネルギー密度
熱源であるアーク熱源(12)を用いることにより局部
的な高温加熱が可能であるから、アルミニウム基材の任
意の位置に供給した磁性材料(14)を基材(2)の表
層部とともに溶融し、これらの合金層を形成することが
できる。そして、このような合金化により、基材に対す
る密着性が高くかつ強い磁性層(3)が得られる。
【0013】この発明の磁性層を有するアルミニウム材
の製造方法は、アーク(12)を発生させるとともに、
キャリアガス(13)により所定量の磁性材料粉末(1
4)を供給するトーチ(1)を用い、このトーチ(1)
をアルミニウム基材(2)上を移動させることにより、
基材(2)表面に磁性材料粉末(14)を供給しつつ、
基材(2)の表層部および磁性材料粉末(14)を溶融
させて、Al−Fe−Cr系合金、Al−Fe−Si系
合金またはAl−Fe−Cr−Si系合金のうちのいず
れかの合金からなる磁性層(3)を形成することを特徴
とする。
【0014】前記磁性層を有するアルミニウム材の製造
方法において、前記磁性材料粉末は 、SUS430粉末
であることが好ましい。
【0015】
【実施例】次に、この発明の方法について図面を参照し
つつ説明する。
【0016】図1は、本発明の方法に基づいてアルミニ
ウム基材の表面に磁性層を形成する方法を示すものであ
る。この図において、(1)は、タングステン電極(1
1)とアルミニウム基材(2)との間にプラズマアーク
(12)を発生させるとともに、キャリアガス(13)
により所定量の磁性材料粉末(14)を供給するトーチ
である。そして、このトーチ(1)をアルミニウム基材
(2)上を移動させることにより、基材(2)表面に磁
性材料粉末(14)を供給しつつ、基材(2)の表層部
および磁性材料粉末(14)を溶融させ、これらの合金
層(3)、即ち磁性層を形成する。なお、(15)は電
源である。
【0017】上記装置を用いて、アルミニウム基材の表
面に磁性層を形成する実験を行った。アルミニウム基材
は、表1に示す3種類の組成のものでいずれも厚さ10
mmのものを使用し、磁性材料粉末として表1に示す4種
類のものを使用した。なお、実施例2については、2種
類の粉末を同量で混合したものを使用した。
【0018】そして、トーチ移動速度500mm/min 、
粉末供給量20g/min の同一条件で稼働したところ、
アルミニウム基材の表面に厚さ200オングストローム
の磁性層が形成された。
【0019】磁性層が形成された試験片について、磁性
層の割れと磁性の強弱について評価した。磁性層の割れ
は、試験片を厚さ方向に切断し、断面における割れの量
により相対的に評価した。また、磁性の強弱は磁石への
吸引力により相対的に評価した。これらの結果を表1に
示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1の結果から、本願発明の方法により形
成した磁性層は、割れもなく磁性も良好であることを確
認できた。これに対し、比較例の磁性層は、金属間化合
物が生成されていると推測され、割れが多く磁性も弱い
ものであった。
【0022】
【発明の効果】以上の次第で、本願発明のアルミニウム
材への磁性層形成方法は、アルミニウム基材の表面に磁
性材料粉末を供給するとともに、該アルミニウム基材の
表層部および磁性材料粉末を加熱溶融することにより、
これらの合金からなる磁性層を形成する方法であって、
アークを発生させるとともに、キャリアガスにより所定
量の磁性材料粉末を供給するトーチを用い、このトーチ
をアルミニウム基材上を移動させることにより、基材表
面に磁性材料粉末を供給しつつ、基材の表層部および磁
性材料粉末を溶融させて磁性層を形成し、かつ前記磁性
層として、Al−Fe−Cr系合金、Al−Fe−Si
系合金またはAl−Fe−Cr−Si系合金のうちのい
ずれかの合金層を形成するものであるから、割れにく
く、基材に対して密着性が良く、かつ強い磁性を示す磁
性層を、アルミニウム基材表面の任意の位置に形成する
ことができる。
【0023】特に、前記磁性材料粉末としてSUS43
0粉を用いることにより、Fe、Crの両方を含有する
磁性層の形成作業を容易に行うことができる。
【0024】そして、この発明の方法を適用することに
より、例えば磁性層を有するアルミニウム材の製造方法
により、電磁調理器や浮上輸送車輌用レール等の電磁機
器の分野において、アルミニウム基材に対し局部的な磁
性層を形成し、軽量化と磁性の両方を具有する軽量磁性
体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法の一例を示す模式的断面図であ
【符号の説明】
1…トーチ 2…アルミニウム基材 3…磁性層 12…高エネルギー密度熱源(プラズマアーク) 14…磁性材料粉末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C22C 1/02 501 C22C 1/02 501G 503 503J 21/00 21/00 M 38/00 303 38/00 303S (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 24/08 B23K 9/04 B23K 9/23 B23K 10/02 501 B23K 26/00 C22C 1/02 501 C22C 21/00 C22C 38/00 303

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム基材(2)の表面に、磁性
    材料粉末(14)を供給するとともに、該アルミニウム
    基材(2)の表層部および磁性材料粉末(14)を加熱
    溶融することにより、これらの合金からなる磁性層
    (3)を形成する方法であって、アーク(12)を発生させるとともに、キャリアガス
    (13)により所定量の磁性材料粉末(14)を供給す
    るトーチ(1)を用い、このトーチ(1)をアルミニウ
    ム基材(2)上を移動させることにより、基材(2)表
    面に磁性材料粉末(14)を供給しつつ、基材(2)の
    表層部および磁性材料粉末(14)を溶融させて磁性層
    (3)を形成し、 かつ前記磁性層(3)として、Al−
    Fe−Cr系合金、Al−Fe−Si系合金またはAl
    −Fe−Cr−Si系合金のうちのいずれかの合金層を
    形成することを特徴とするアルミニウム材への磁性層形
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記磁性材料粉末は、SUS430粉末
    である請求項1に記載のアルミニウム材への磁性層形成
    方法。
  3. 【請求項3】 アーク(12)を発生させるとともに、
    キャリアガス(13)により所定量の磁性材料粉末(1
    4)を供給するトーチ(1)を用い、このトーチ(1)
    をアルミニウム基材(2)上を移動させることにより、
    基材(2)表面に磁性材料粉末(14)を供給しつつ、
    基材(2)の表層部および磁性材料粉末(14)を溶融
    させて、Al−Fe−Cr系合金、Al−Fe−Si系
    合金またはAl−Fe−Cr−Si系合金のうちのいず
    れかの合金からなる磁性層(3)を形成することを特徴
    とする磁性層を有するアルミニウム材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記磁性材料粉末は、SUS430粉末
    である請求項3に記載の磁性層を有するアルミニウム材
    の製造方法。
JP29452297A 1997-10-27 1997-10-27 アルミニウム材への磁性層形成方法および磁性層を有するアルミニウム材の製造方法 Expired - Fee Related JP3295357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29452297A JP3295357B2 (ja) 1997-10-27 1997-10-27 アルミニウム材への磁性層形成方法および磁性層を有するアルミニウム材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29452297A JP3295357B2 (ja) 1997-10-27 1997-10-27 アルミニウム材への磁性層形成方法および磁性層を有するアルミニウム材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11131258A JPH11131258A (ja) 1999-05-18
JP3295357B2 true JP3295357B2 (ja) 2002-06-24

Family

ID=17808879

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29452297A Expired - Fee Related JP3295357B2 (ja) 1997-10-27 1997-10-27 アルミニウム材への磁性層形成方法および磁性層を有するアルミニウム材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3295357B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106862740B (zh) * 2017-01-18 2019-12-20 安徽大地熊新材料股份有限公司 一种烧结NdFeB表面高耐蚀高结合力涂层的制备方法
CN109623115A (zh) * 2018-12-20 2019-04-16 航天海鹰(哈尔滨)钛业有限公司 一种改善金属凝固组织的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11131258A (ja) 1999-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8342386B2 (en) Braze materials and processes therefor
Deuis et al. Metal-matrix composite coatings by PTA surfacing
US5695825A (en) Titanium-containing ferrous hard-facing material source and method for hard facing a substrate
JP2639949B2 (ja) 耐摩耗性Cu基合金
US20140212636A1 (en) Toughened and Corrosion- and Wear-Resistant Composite Structures and Fabrication Methods Thereof
JP2010017766A (ja) サブマージアーク溶接による、金属基体の表面被覆方法
JP2678804B2 (ja) 鉄合金基材上に純Cu肉盛層を形成する方法
Zhenda et al. Laser cladding of WC Ni composite
US5441554A (en) Alloy coating for aluminum bronze parts, such as molds
JP3295357B2 (ja) アルミニウム材への磁性層形成方法および磁性層を有するアルミニウム材の製造方法
Bach et al. Joining of steel-aluminium hybrid structures with electron beam on atmosphere
JPH055585B2 (ja)
JP3305738B2 (ja) 耐摩耗性に優れた肉盛銅基合金
JP2769339B2 (ja) 耐摩耗性に優れたアルミニウム合金材の製造方法
Brytan The erosion resistance and microstructure evaluation of laser surface alloyed sintered stainless steels
WO2014105239A1 (en) Hardface coating systems and methods for metal alloys and other materials for wear and corrosion resistant applications
JPH0593254A (ja) 金属接合方法
JPS6191323A (ja) 粒子分散表面被覆層の形成方法
JP2769335B2 (ja) 耐摩耗性に優れたアルミニウム合金材の製造方法
JPS6179783A (ja) 部材表面への黒鉛化層の形成方法
JP2769338B2 (ja) 耐摩耗性に優れたアルミニウム合金材の製造方法
JP2906012B2 (ja) アルミニウム材あるいはその合金材の表面硬化方法
JP3059333B2 (ja) 耐摩耗性に優れたアルミニウム材料の製造方法
JP2769336B2 (ja) 耐摩耗性に優れたアルミニウム合金材の製造方法
JPH04120280A (ja) 表面硬化アルミニウム材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees