JP3059333B2 - 耐摩耗性に優れたアルミニウム材料の製造方法 - Google Patents
耐摩耗性に優れたアルミニウム材料の製造方法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車、事務機、一
般機械等において、耐摩耗性の要求される部品材料とし
て使用される耐摩耗性に優れたアルミニウム材料の製造
方法に関する。
般機械等において、耐摩耗性の要求される部品材料とし
て使用される耐摩耗性に優れたアルミニウム材料の製造
方法に関する。
【０００２】
【従来の技術および解決しようとする課題】周知のよう
に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金は、汎用さ
れている鉄系材料等と比較して格段に軽量であるのに加
え、熱伝導特性に優れ、また耐食性にも優れるところか
ら、最近では自動車等の各種機械部品として広く使用さ
れるようになっている。しかしながら、一般にアルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金は、鉄系材料と比較して
耐熱性、耐摩耗性に劣るため、耐熱部品、摺動部品等へ
の適用には限界があった。
に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金は、汎用さ
れている鉄系材料等と比較して格段に軽量であるのに加
え、熱伝導特性に優れ、また耐食性にも優れるところか
ら、最近では自動車等の各種機械部品として広く使用さ
れるようになっている。しかしながら、一般にアルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金は、鉄系材料と比較して
耐熱性、耐摩耗性に劣るため、耐熱部品、摺動部品等へ
の適用には限界があった。
【０００３】そこで従来から、耐摩耗性が要求される部
位に適用されるアルミニウム材の耐摩耗性向上策とし
て、メッキや陽極酸化処理、あるいは溶射等の表面処理
を施して耐摩耗性の高い表面処理層を形成する試みがな
されているが、いずれも耐摩耗性に対しいまだ充分な満
足を与え得るものではなかった。しかも、いずれの場合
も表面処理層の基材に対する密着性が充分ではないこと
から、高面圧下で使用した場合に充分な耐久性を確保で
きないという欠点があった。
位に適用されるアルミニウム材の耐摩耗性向上策とし
て、メッキや陽極酸化処理、あるいは溶射等の表面処理
を施して耐摩耗性の高い表面処理層を形成する試みがな
されているが、いずれも耐摩耗性に対しいまだ充分な満
足を与え得るものではなかった。しかも、いずれの場合
も表面処理層の基材に対する密着性が充分ではないこと
から、高面圧下で使用した場合に充分な耐久性を確保で
きないという欠点があった。
【０００４】この発明は、このような技術的背景のもと
でなされたものであって、優れた耐摩耗性、耐熱性を有
するとともに、高面圧下で使用した場合にも充分な耐久
性を有するアルミニウム材料の製作、提供を目的とす
る。
でなされたものであって、優れた耐摩耗性、耐熱性を有
するとともに、高面圧下で使用した場合にも充分な耐久
性を有するアルミニウム材料の製作、提供を目的とす
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金
基材の表面に、Ａｌ以外の金属を溶融溶接したのち、さ
らにその表面にセラミックスを溶融溶接することによ
り、Ａｌ以外の金属とＡｌとが合金化した合金化層にセ
ラミックス粒子の分散した複合化層を形成することを特
徴とする耐摩耗性に優れたアルミニウム材料の製造方法
を要旨とする。
に、この発明は、アルミニウムまたはアルミニウム合金
基材の表面に、Ａｌ以外の金属を溶融溶接したのち、さ
らにその表面にセラミックスを溶融溶接することによ
り、Ａｌ以外の金属とＡｌとが合金化した合金化層にセ
ラミックス粒子の分散した複合化層を形成することを特
徴とする耐摩耗性に優れたアルミニウム材料の製造方法
を要旨とする。
【０００６】基材として用いるアルミニウムまたはアル
ミニウム合金の組成は特に限定されるものではなく、Ｊ
ＩＳ１０００番台の純アルミニウムの他、用途に応じて
必要とされる機械的性質、加工特性を有する各種のアル
ミニウム合金を用い得る。また、基材の形状も適用され
る部品等の形状に応じて任意に設計すれば良い。
ミニウム合金の組成は特に限定されるものではなく、Ｊ
ＩＳ１０００番台の純アルミニウムの他、用途に応じて
必要とされる機械的性質、加工特性を有する各種のアル
ミニウム合金を用い得る。また、基材の形状も適用され
る部品等の形状に応じて任意に設計すれば良い。
【０００７】かかるアルミニウム基材の表面に溶融溶接
される金属の種類は特に限定されることはなく、アルミ
ニウム基材と合金化しあるいは一部はＡｌとの間で金属
間化合物を晶出して、基材よりも硬度の高い合金化層を
形成し得るものであれば良い。具体的には、Ｃｕ、Ｎ
ｉ、Ｓｉ、Ｍｇ、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｆｅ、Ｔｉ、Ｂ、Ｚｒ、
Ｖ、Ｇｅ等を挙示できるが、特に好ましくはＣｕ、Ｓ
ｉ、Ｎｉを用いるのが良い。
される金属の種類は特に限定されることはなく、アルミ
ニウム基材と合金化しあるいは一部はＡｌとの間で金属
間化合物を晶出して、基材よりも硬度の高い合金化層を
形成し得るものであれば良い。具体的には、Ｃｕ、Ｎ
ｉ、Ｓｉ、Ｍｇ、Ｍｎ、Ｃｒ、Ｆｅ、Ｔｉ、Ｂ、Ｚｒ、
Ｖ、Ｇｅ等を挙示できるが、特に好ましくはＣｕ、Ｓ
ｉ、Ｎｉを用いるのが良い。
【０００８】また、金属は各元素単体で用いなければな
らないものではなく、２種以上の金属の合金を用いても
良いし、またＡｌと他の金属との合金例えばＡｌ−Ｃｕ
合金等を用いても良い。
らないものではなく、２種以上の金属の合金を用いても
良いし、またＡｌと他の金属との合金例えばＡｌ−Ｃｕ
合金等を用いても良い。
【０００９】アルミニウム基材表面に形成された前記合
金化層においては、該合金化層に占める他の金属の含有
量が１〜６０wt％となるように設定するのが望ましい。
Ａｌと合金化した金属の合金化層における含有量が１wt
％未満では、後述するような合金化層にセラミックス粒
子が分散することにより形成される複合化層に対して、
充分な硬度および耐摩耗性を付与できない恐れがある。
一方、６０wt％を越えて金属が多くなると、アルミニウ
ム母材と金属との充分な合金化状態が得られず、容易に
剥離等を生じる恐れがある。
金化層においては、該合金化層に占める他の金属の含有
量が１〜６０wt％となるように設定するのが望ましい。
Ａｌと合金化した金属の合金化層における含有量が１wt
％未満では、後述するような合金化層にセラミックス粒
子が分散することにより形成される複合化層に対して、
充分な硬度および耐摩耗性を付与できない恐れがある。
一方、６０wt％を越えて金属が多くなると、アルミニウ
ム母材と金属との充分な合金化状態が得られず、容易に
剥離等を生じる恐れがある。
【００１０】合金化層の形成は、アルミニウム基材外部
からの金属の供給を伴いつつ、基材表面を溶融すること
により行われる。溶融溶接の具体的手段としては、ＴＩ
Ｇ溶接、ＭＩＧ溶接、電子ビーム溶接、レーザ溶接、ア
ーク溶接、プラズマアーク溶接等の高密度エネルギ源を
用いた溶接手段を用いれば良い。このような手段を用い
ることにより、基材の表面を局部的に溶融して局部的に
合金化層を形成できる。また、溶融溶接は、基材の耐摩
耗性の要求される部位について行えば良いが、その部位
が広範囲にわたるときは電子ビーム、レーザビーム等の
オシレーション幅の調整や、順次的照射により対処すれ
ば良い。
からの金属の供給を伴いつつ、基材表面を溶融すること
により行われる。溶融溶接の具体的手段としては、ＴＩ
Ｇ溶接、ＭＩＧ溶接、電子ビーム溶接、レーザ溶接、ア
ーク溶接、プラズマアーク溶接等の高密度エネルギ源を
用いた溶接手段を用いれば良い。このような手段を用い
ることにより、基材の表面を局部的に溶融して局部的に
合金化層を形成できる。また、溶融溶接は、基材の耐摩
耗性の要求される部位について行えば良いが、その部位
が広範囲にわたるときは電子ビーム、レーザビーム等の
オシレーション幅の調整や、順次的照射により対処すれ
ば良い。
【００１１】溶融溶接される金属の供給態様は特に規定
されることはなく、棒材やワイヤーの形で供給しても良
いし、あるいは粉末でも良いが、作業性の点からは棒材
やワイヤーとするのが良い。
されることはなく、棒材やワイヤーの形で供給しても良
いし、あるいは粉末でも良いが、作業性の点からは棒材
やワイヤーとするのが良い。
【００１２】上記のような金属合金化層を形成したの
ち、さらにその表面にセラミックスを溶融溶接する。こ
の溶融溶接により、合金化層の表層部分においてあるい
は合金化層の全体に渡って、セラミックス粒子の分散し
た硬質の複合化層が形成される。
ち、さらにその表面にセラミックスを溶融溶接する。こ
の溶融溶接により、合金化層の表層部分においてあるい
は合金化層の全体に渡って、セラミックス粒子の分散し
た硬質の複合化層が形成される。
【００１３】セラミックスの種類としては、Ｂ4Ｃ、Ｓ
ｉＣ、ＶＣ、Ｃｒ3Ｃ2、ＮｂＣ、ＭＯ2Ｃ、ＴａＣ、Ｗ
Ｃ、ＴｉＣ、ＴｉＮ、Ｃｒ2Ｎ、ＶＮ、ＴａＮ、Ｎｂ
Ｎ、ＺｒＮ、ＴｉＢ2、ＷＢ、ＬａＢ6等を挙示でき、こ
れらの中から、アルミニウム材の使用環境に適した１種
または２種以上を用いれば良い。好ましくは、合金化層
の形成に用いた金属との濡れ性等を考慮して、該金属の
種類に応じて使用セラミックスの種類を決定するのが良
い。例えば、金属がＣｕである場合は、ＴｉＣを組み合
わせるのが良いし、ＳｉとＳｉＣ、ＮｉとＴｉＢ2を組
み合わせるのが良い。
ｉＣ、ＶＣ、Ｃｒ3Ｃ2、ＮｂＣ、ＭＯ2Ｃ、ＴａＣ、Ｗ
Ｃ、ＴｉＣ、ＴｉＮ、Ｃｒ2Ｎ、ＶＮ、ＴａＮ、Ｎｂ
Ｎ、ＺｒＮ、ＴｉＢ2、ＷＢ、ＬａＢ6等を挙示でき、こ
れらの中から、アルミニウム材の使用環境に適した１種
または２種以上を用いれば良い。好ましくは、合金化層
の形成に用いた金属との濡れ性等を考慮して、該金属の
種類に応じて使用セラミックスの種類を決定するのが良
い。例えば、金属がＣｕである場合は、ＴｉＣを組み合
わせるのが良いし、ＳｉとＳｉＣ、ＮｉとＴｉＢ2を組
み合わせるのが良い。
【００１４】セラミックスの溶融溶接手段としては、前
記と同じく、電子ビーム溶接、レーザ溶接、アーク溶
接、プラズマアーク溶接等の高密度エネルギ源を用いた
溶接手段を用いれば良い。また溶融溶接されるセラミッ
クスの供給態様は特に規定されることはないが、均一分
散させるために粉末を用いるのが良い。
記と同じく、電子ビーム溶接、レーザ溶接、アーク溶
接、プラズマアーク溶接等の高密度エネルギ源を用いた
溶接手段を用いれば良い。また溶融溶接されるセラミッ
クスの供給態様は特に規定されることはないが、均一分
散させるために粉末を用いるのが良い。
【００１５】複合化層の硬度は、合金化層やセラミック
スが硬質であるほど高くなる。さらに、複合化層におけ
るセラミックスの分散密度が高いほど、該複合化層の硬
度は高くなる。このため、１回のセラミックスの溶融溶
接により充分な硬度が得られない場合には、２層あるい
は３層以上にわたってセラミックスの溶融溶接を繰り返
せば良い。また、合金化層の厚さ、複合化層の厚さは、
電子ビームやプラズマアークなどの照射条件、例えば出
力、照射速度、焦点位置等を変化させることで、数十μ
ｍから数ｍｍ程度にまで容易に制御できる。
スが硬質であるほど高くなる。さらに、複合化層におけ
るセラミックスの分散密度が高いほど、該複合化層の硬
度は高くなる。このため、１回のセラミックスの溶融溶
接により充分な硬度が得られない場合には、２層あるい
は３層以上にわたってセラミックスの溶融溶接を繰り返
せば良い。また、合金化層の厚さ、複合化層の厚さは、
電子ビームやプラズマアークなどの照射条件、例えば出
力、照射速度、焦点位置等を変化させることで、数十μ
ｍから数ｍｍ程度にまで容易に制御できる。
【００１６】表面に硬質複合化層を形成した基材は、そ
の後必要に応じて最終製品形状に機械加工し、耐摩耗性
部品として実用に供する。
の後必要に応じて最終製品形状に機械加工し、耐摩耗性
部品として実用に供する。
【００１７】
【作用】金属を溶融溶接することによってアルミニウム
基材の表面に形成された合金化層は、硬度が高いうえ、
さらに硬質のセラミックスを溶融溶接して、合金化層に
セラミックス粒子が分散した複合化層が形成されてい
る。従って、合金化層とセラミックス粒子との複合効果
により、複合化層の硬度が飛躍的に増大し、耐摩耗性が
増大する。また、セラミックスの有する耐熱性により、
複合化層も耐熱性に優れたものとなる。
基材の表面に形成された合金化層は、硬度が高いうえ、
さらに硬質のセラミックスを溶融溶接して、合金化層に
セラミックス粒子が分散した複合化層が形成されてい
る。従って、合金化層とセラミックス粒子との複合効果
により、複合化層の硬度が飛躍的に増大し、耐摩耗性が
増大する。また、セラミックスの有する耐熱性により、
複合化層も耐熱性に優れたものとなる。
【００１８】
【実施例】（実施例１） 工業用純アルミニウム（Ａ１０６０）からなる長さ３０
０ｍｍ×幅１００ｍｍ×厚さ２０ｍｍの複数の試験片を
基材として用いた。そして、これら試験片の表面に、Ｃ
ｕ量を２５wt％、３３wt％、４０wt％、４８wt％に設定
した４種類のＡｌ−Ｃｕ合金からなる金属棒（４ｍｍ
径）をＴＩＧ溶接して合金化層を形成した。ＴＩＧ溶接
の条件は、溶接電流：２５０Ａ、溶接速度：１００ｍｍ
／分、金属棒供給速度：３００ｍｍ／分とした。
０ｍｍ×幅１００ｍｍ×厚さ２０ｍｍの複数の試験片を
基材として用いた。そして、これら試験片の表面に、Ｃ
ｕ量を２５wt％、３３wt％、４０wt％、４８wt％に設定
した４種類のＡｌ−Ｃｕ合金からなる金属棒（４ｍｍ
径）をＴＩＧ溶接して合金化層を形成した。ＴＩＧ溶接
の条件は、溶接電流：２５０Ａ、溶接速度：１００ｍｍ
／分、金属棒供給速度：３００ｍｍ／分とした。
【００１９】次に、上記により形成した各Ａｌ−Ｃｕ合
金化層に対して、ＴｉＣからなるセラミックス粉末（純
度：９９．９％、粒径：４５〜１０６μｍ）をプラズマ
法により溶融溶接して、合金化層にＴｉＣ粒子が分散し
た複合化層を形成した。プラズマ溶接の条件は、プラズ
マ電流：２００Ａ、トーチ移動速度：５００ｍｍ／分、
粉末供給量：１５ｇ／分とした。また、複合化層内のＴ
ｉＣ粒子密度を変化させるため、Ｃｕ量の異なる各Ａｌ
−Ｃｕ合金層に対して、ＴｉＣ粉末を同一溶接条件で３
層盛りした試験片も製作した。
金化層に対して、ＴｉＣからなるセラミックス粉末（純
度：９９．９％、粒径：４５〜１０６μｍ）をプラズマ
法により溶融溶接して、合金化層にＴｉＣ粒子が分散し
た複合化層を形成した。プラズマ溶接の条件は、プラズ
マ電流：２００Ａ、トーチ移動速度：５００ｍｍ／分、
粉末供給量：１５ｇ／分とした。また、複合化層内のＴ
ｉＣ粒子密度を変化させるため、Ｃｕ量の異なる各Ａｌ
−Ｃｕ合金層に対して、ＴｉＣ粉末を同一溶接条件で３
層盛りした試験片も製作した。
【００２０】こうして複合化層を形成した各試験片につ
き、複合化層のビード外観及び断面マクロ組織を観察し
たところ、いずれの場合も、Ａｌ−Ｃｕ合金化層にＴｉ
Ｃが均一に分散しており、良好な複合化層が得られてい
た。また、ＴｉＣを３層盛りした試験片は１層盛りの試
験片よりもＴｉＣ粒子の分散密度は増加していた。
き、複合化層のビード外観及び断面マクロ組織を観察し
たところ、いずれの場合も、Ａｌ−Ｃｕ合金化層にＴｉ
Ｃが均一に分散しており、良好な複合化層が得られてい
た。また、ＴｉＣを３層盛りした試験片は１層盛りの試
験片よりもＴｉＣ粒子の分散密度は増加していた。
【００２１】上記により、ＴｉＣを１層盛りあるいは３
層盛りして複合化層を形成した試験片、及びＴｉＣを溶
融溶接することなくＡｌ−Ｃｕ合金化層のみからなる試
験片につき、複合化層、合金化層の硬度を調べた。その
結果を図１のグラフに示す。
層盛りして複合化層を形成した試験片、及びＴｉＣを溶
融溶接することなくＡｌ−Ｃｕ合金化層のみからなる試
験片につき、複合化層、合金化層の硬度を調べた。その
結果を図１のグラフに示す。
【００２２】また、Ｃｕ量が４８wt％のＡｌ−Ｃｕ合金
棒を用いて合金化層を形成した試験片を用い、ＴｉＣを
１層盛り、２層盛り、３層盛りに溶接して複合化層を形
成したものにつき、耐摩耗性を調べた。なお、比較のた
め、試験片を構成するＡ１０６０純アルミニウム材単
体、Ａｌ−Ｃｕ合金化層のみを形成したもの、Ａｌ−Ｃ
ｕ合金化層を形成することなく試験片にＴｉＣ分散層の
みを形成したもの、及び鉄鋼材料としてのＳＳ４００、
ＳＵＳ３０４の各耐摩耗性も調べた。耐摩耗性試験は大
越式迅速摩耗試験機により、相手材としてＳＵＪ２製回
転円板（Ｈｖ６５０、直径３０ｍｍ、幅３ｍｍ）を用い
て行い、比摩耗量を測定した。摩耗条件は、摩擦速度：
４．３６ｍ／秒、摩擦荷重：１０Ｎとし、摩擦距離は１
００ｍｍ一定とした。その結果を図２のグラフに示す。
棒を用いて合金化層を形成した試験片を用い、ＴｉＣを
１層盛り、２層盛り、３層盛りに溶接して複合化層を形
成したものにつき、耐摩耗性を調べた。なお、比較のた
め、試験片を構成するＡ１０６０純アルミニウム材単
体、Ａｌ−Ｃｕ合金化層のみを形成したもの、Ａｌ−Ｃ
ｕ合金化層を形成することなく試験片にＴｉＣ分散層の
みを形成したもの、及び鉄鋼材料としてのＳＳ４００、
ＳＵＳ３０４の各耐摩耗性も調べた。耐摩耗性試験は大
越式迅速摩耗試験機により、相手材としてＳＵＪ２製回
転円板（Ｈｖ６５０、直径３０ｍｍ、幅３ｍｍ）を用い
て行い、比摩耗量を測定した。摩耗条件は、摩擦速度：
４．３６ｍ／秒、摩擦荷重：１０Ｎとし、摩擦距離は１
００ｍｍ一定とした。その結果を図２のグラフに示す。
【００２３】図１、図２の結果からわかるように、本発
明実施品は、セラミックスの存在しないＡｌ−Ｃｕ合金
化層のみのものに較べて硬度が増大しており、かつ鉄鋼
材料と同程度ないしそれ以下の少ない比摩耗量を示して
耐摩耗性が著しく改善されたものであることを確認し得
た。また、本発明実施品の中でもセラミックスの粒子分
散密度が高いほど硬度や耐摩耗性が増大していることも
わかる。
明実施品は、セラミックスの存在しないＡｌ−Ｃｕ合金
化層のみのものに較べて硬度が増大しており、かつ鉄鋼
材料と同程度ないしそれ以下の少ない比摩耗量を示して
耐摩耗性が著しく改善されたものであることを確認し得
た。また、本発明実施品の中でもセラミックスの粒子分
散密度が高いほど硬度や耐摩耗性が増大していることも
わかる。
【００２４】（実施例２） 上記実施例１と同じ試験片を用いるとともに、下記表１
に示す組み合わせにて、金属棒（４ｍｍ径）をＴＩＧ溶
接した後、セラミックス粉末をプラズマ溶接することに
より、試験片の表面に、セラミックス粒子の分散した合
金化層からなる複合化層を形成した。なお、ＴＩＧ溶接
条件、プラズマ溶接条件は、実施例１と同じとした。
に示す組み合わせにて、金属棒（４ｍｍ径）をＴＩＧ溶
接した後、セラミックス粉末をプラズマ溶接することに
より、試験片の表面に、セラミックス粒子の分散した合
金化層からなる複合化層を形成した。なお、ＴＩＧ溶接
条件、プラズマ溶接条件は、実施例１と同じとした。
【００２５】そして、各試料における複合化層の硬度お
よび耐摩耗性を、実施例１と同一条件のもとで調べた。
その結果を表１に示す。
よび耐摩耗性を、実施例１と同一条件のもとで調べた。
その結果を表１に示す。
【００２６】
【表１】 表１の結果によっても、本発明実施品は、硬度、耐摩耗
性ともに優れていることがわかる。
性ともに優れていることがわかる。
【００２７】
【発明の効果】本発明によって製造したアルミニウム材
料は、その表面に、Ａｌ以外の金属とＡｌとが合金化し
た合金化層にセラミックス粒子の分散した複合化層が形
成され、該複合化層は硬度、耐摩耗性、耐熱性に優れて
いるから、自動車等に要請される耐摩耗部品として好適
なものとなしうる。また、複合化層は従来のようなメッ
キ等による表面処理層とは異なり、基材と合金化して一
体結合しているから、高面圧下で使用した場合にも該層
の剥離等を起こす危険はなく、充分な耐久性を確保しう
るものとなる。
料は、その表面に、Ａｌ以外の金属とＡｌとが合金化し
た合金化層にセラミックス粒子の分散した複合化層が形
成され、該複合化層は硬度、耐摩耗性、耐熱性に優れて
いるから、自動車等に要請される耐摩耗部品として好適
なものとなしうる。また、複合化層は従来のようなメッ
キ等による表面処理層とは異なり、基材と合金化して一
体結合しているから、高面圧下で使用した場合にも該層
の剥離等を起こす危険はなく、充分な耐久性を確保しう
るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施例１で行った硬度測定の結果を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図２】この発明の実施例１で行なった耐摩耗性試験の
結果を示すグラフである。
結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ Ｃ２２Ｃ 21/00 Ｃ２２Ｃ 21/00 Ｅ 32/00 32/00 Ｑ (72)発明者 成願 茂利 堺市海山町６丁224番地 昭和アルミニ ウム株式会社内 (56)参考文献 特開 平２−165884（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−196071（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−309477（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−118058（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−161150（ＪＰ，Ａ) 特公 平４−65143（ＪＰ，Ｂ２) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B32B 15/01 B23K 1/19 B23K 9/04 C22C 1/10
Claims (1)
- 【請求項１】 アルミニウムまたはアルミニウム合金基
材の表面に、Ａｌ以外の金属を溶融溶接したのち、さら
にその表面にセラミックスを溶融溶接することにより、
Ａｌ以外の金属とＡｌとが合金化した合金化層にセラミ
ックス粒子の分散した複合化層を形成することを特徴と
する耐摩耗性に優れたアルミニウム材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5325323A JP3059333B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 耐摩耗性に優れたアルミニウム材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5325323A JP3059333B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 耐摩耗性に優れたアルミニウム材料の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07237275A JPH07237275A (ja) | 1995-09-12 |
| JP3059333B2 true JP3059333B2 (ja) | 2000-07-04 |
Family
ID=18175541
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5325323A Expired - Fee Related JP3059333B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 耐摩耗性に優れたアルミニウム材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3059333B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6080283B1 (ja) * | 2016-11-04 | 2017-02-15 | 衣枝 古内 | サプリマスクサプリマスク用シート体 |
-
1993
- 1993-12-22 JP JP5325323A patent/JP3059333B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6080283B1 (ja) * | 2016-11-04 | 2017-02-15 | 衣枝 古内 | サプリマスクサプリマスク用シート体 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH07237275A (ja) | 1995-09-12 |
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