JPH0480991B2 - - Google Patents
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- JPH0480991B2 JPH0480991B2 JP557285A JP557285A JPH0480991B2 JP H0480991 B2 JPH0480991 B2 JP H0480991B2 JP 557285 A JP557285 A JP 557285A JP 557285 A JP557285 A JP 557285A JP H0480991 B2 JPH0480991 B2 JP H0480991B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C4/00—Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge
- C23C4/18—After-treatment
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Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
この発明は、例えば自動車用エンジンのバルブ
シートの如く、耐摩耗性が要求される部位に好適
に使用されるA合金部材に関し、特にレーザビ
ームやTIGアーク等の高密度エネルギー源を用い
てA合金基材表面に他の材料を合金化(アロイ
ング)して耐摩耗性が高い表面合金化層を形成し
たA合金部材に関するものである。
シートの如く、耐摩耗性が要求される部位に好適
に使用されるA合金部材に関し、特にレーザビ
ームやTIGアーク等の高密度エネルギー源を用い
てA合金基材表面に他の材料を合金化(アロイ
ング)して耐摩耗性が高い表面合金化層を形成し
たA合金部材に関するものである。
従来の技術
周知のようにA合金は汎用されている鉄系材
料等と比較して格段に軽量であるに加え、熱伝導
特性に優れ、また耐食性も優れるところから、最
近では自動車等の各種機械部品として広く使用さ
れるようになつている。しかしながら一般にA
合金は鉄系材料と比較して耐摩耗性が劣り、この
ことが自動車等における軽量化等を目的として鉄
系部材をA合金部材に代える際の大きな障害と
なつていた。
料等と比較して格段に軽量であるに加え、熱伝導
特性に優れ、また耐食性も優れるところから、最
近では自動車等の各種機械部品として広く使用さ
れるようになつている。しかしながら一般にA
合金は鉄系材料と比較して耐摩耗性が劣り、この
ことが自動車等における軽量化等を目的として鉄
系部材をA合金部材に代える際の大きな障害と
なつていた。
そこで従来から、耐摩耗性が要求される部位に
適用されるA合金部材の耐摩耗性向上策とし
て、メツキや陽極酸化処理、あるいは溶射等の表
面処理を施して耐摩耗性の高い表面処理層を形成
する試みがなされているが、いずれの場合も表面
処理層の基材に対する密着性が充分でないところ
から、高面圧下で使用した場合に充分な耐久性を
確保できないという欠点があつた。
適用されるA合金部材の耐摩耗性向上策とし
て、メツキや陽極酸化処理、あるいは溶射等の表
面処理を施して耐摩耗性の高い表面処理層を形成
する試みがなされているが、いずれの場合も表面
処理層の基材に対する密着性が充分でないところ
から、高面圧下で使用した場合に充分な耐久性を
確保できないという欠点があつた。
このような点から、本出願人は、既に特願昭59
−78996号において、A合金基材表面をNiと硬
質セラミツク粒子との混合粉末で被覆し、TIGア
ークやレーザビーム等の高密度エネルギを照射し
て、A合金基材と前記混合粉末を合金化(アロ
イング)させ、Ni3 A、NiA、Ni2 A
5、NiA3等のNi−A系金属間化合物からなる
マトリツクス中に硬質セラミツク粒子を分散させ
た複合層をA合金部材表面に形成する方法を提
案している。
−78996号において、A合金基材表面をNiと硬
質セラミツク粒子との混合粉末で被覆し、TIGア
ークやレーザビーム等の高密度エネルギを照射し
て、A合金基材と前記混合粉末を合金化(アロ
イング)させ、Ni3 A、NiA、Ni2 A
5、NiA3等のNi−A系金属間化合物からなる
マトリツクス中に硬質セラミツク粒子を分散させ
た複合層をA合金部材表面に形成する方法を提
案している。
発明が解決すべき問題点
前記提案の方法によれば、高密度エネルギ源を
用いたアロイングによつてA合金部材の表面に
Hv400以上の高硬度を有する耐摩耗性に優れた厳
密な複合層を形成することができ、またこの複合
層のマトリツクスであるNi−A系金属間化合
物は基材のA合金と一体に結合されているた
め、高面圧下でも耐久性が高い。しかしながら前
記提案により得られる複合層はマトリツクス(基
地組成)の全体がNi−A系金属間化合物相と
なつており、この金属間化合物相は高硬度ではあ
るものの、極めて脆いため、合金化処理後の加工
が困難であるという問題がある。すなわち一般に
合金化処理後の表面(複合層表面)は凹凸が不可
避的に生じているから、これをそのままバルブシ
ート等の機械部品に使用することはできず、そこ
で表面精度を出すために通常は合金化処理後に研
磨する必要があり、また場合によつては研削を必
要とすることもあるが、金属間化合物相のみをマ
トリツクスとする複合層は前述のように脆いた
め、研磨加工あるいいは研削加工時にチツピング
が生じたりクラツクが発生したりして、加工が困
難となり、したがつて実用材料として使用するに
は問題があつた。
用いたアロイングによつてA合金部材の表面に
Hv400以上の高硬度を有する耐摩耗性に優れた厳
密な複合層を形成することができ、またこの複合
層のマトリツクスであるNi−A系金属間化合
物は基材のA合金と一体に結合されているた
め、高面圧下でも耐久性が高い。しかしながら前
記提案により得られる複合層はマトリツクス(基
地組成)の全体がNi−A系金属間化合物相と
なつており、この金属間化合物相は高硬度ではあ
るものの、極めて脆いため、合金化処理後の加工
が困難であるという問題がある。すなわち一般に
合金化処理後の表面(複合層表面)は凹凸が不可
避的に生じているから、これをそのままバルブシ
ート等の機械部品に使用することはできず、そこ
で表面精度を出すために通常は合金化処理後に研
磨する必要があり、また場合によつては研削を必
要とすることもあるが、金属間化合物相のみをマ
トリツクスとする複合層は前述のように脆いた
め、研磨加工あるいいは研削加工時にチツピング
が生じたりクラツクが発生したりして、加工が困
難となり、したがつて実用材料として使用するに
は問題があつた。
この発明は以上の事情を背景としてなされたも
のであり、前記提案の問題点を解決して、合金化
処理後の加工の困難を招くことなく、高面圧下、
高温条件下においても耐摩耗性の優れたA合金
部材を提供することを目的とするものである。
のであり、前記提案の問題点を解決して、合金化
処理後の加工の困難を招くことなく、高面圧下、
高温条件下においても耐摩耗性の優れたA合金
部材を提供することを目的とするものである。
問題点を解決するための手段
この発明のA合金部材は、A合金基材の表
面にNiを合金化するにあたつて、最終的に得ら
れる合金化層の全体がNi−A系金属間化合物
相となつてしまわないように、すなわちNi−A
系金属間化合物相とA合金相とが混在した組
織を有する複合層となるようにその層中の平均
Ni濃度を設定し、これによつて前記提案の如き
NiーA系合金間化合物相の脆さの問題を解決
し、加工性を確保すると同時に優れた耐摩耗性を
得るものである。
面にNiを合金化するにあたつて、最終的に得ら
れる合金化層の全体がNi−A系金属間化合物
相となつてしまわないように、すなわちNi−A
系金属間化合物相とA合金相とが混在した組
織を有する複合層となるようにその層中の平均
Ni濃度を設定し、これによつて前記提案の如き
NiーA系合金間化合物相の脆さの問題を解決
し、加工性を確保すると同時に優れた耐摩耗性を
得るものである。
具体的には、この発明の耐摩耗性A合金部材
は、耐摩耗性が要求される部位のA合金基材表
面にNiを合金化することによつて、A合金マ
トリツクスにNi−A系金属間化合物が晶出し
た、平均Ni濃度が10〜40重量%の複合層を形成
したことを特徴とするものである。
は、耐摩耗性が要求される部位のA合金基材表
面にNiを合金化することによつて、A合金マ
トリツクスにNi−A系金属間化合物が晶出し
た、平均Ni濃度が10〜40重量%の複合層を形成
したことを特徴とするものである。
作 用
この発明の合金部材は、前述のようにA合金
基材の表面に高密度エネルギ源を用いてNiを合
金化(アロイング)して、A合金基地中にNi
−A系金属間化合物を晶出させた複合層、すな
わちA合金相とNi−A系金属間化合物相と
が混ざり合つた複合層を形成したものである。
基材の表面に高密度エネルギ源を用いてNiを合
金化(アロイング)して、A合金基地中にNi
−A系金属間化合物を晶出させた複合層、すな
わちA合金相とNi−A系金属間化合物相と
が混ざり合つた複合層を形成したものである。
ここで、Ni−A系金属間化合物としては、
主としてNiA3およびNi2 A3の2種類の化
合物が晶出する。すなわち後述する実施例で示す
ように複合層における平均Ni濃度が28重量%以
下の場合にはNiA3が晶出し、28重量%以上の
場合にはNiA3およびNi2 A3が晶出する。
これらのNi−A系金属間化合物は、いずれも
高硬度であつて、耐摩耗性および耐熱性を高める
作用を果たす。一方複合層中のA合金マトリツ
クス相は後述するように各種固溶元素が固溶した
αーA相を主体とするものであり、このα−A
相は軟質であるため複合層全体の加工性を向上
させる作用を果たす。すなわち、Ni−A系金
属間化合物相とA合金マトリツクス相とが共存
することによつて、優れた耐摩耗性および耐熱性
を得ると同時にNi−A系金属間化合物相のみ
の場合と比較して格段に優れた加工性を得ること
ができる。
主としてNiA3およびNi2 A3の2種類の化
合物が晶出する。すなわち後述する実施例で示す
ように複合層における平均Ni濃度が28重量%以
下の場合にはNiA3が晶出し、28重量%以上の
場合にはNiA3およびNi2 A3が晶出する。
これらのNi−A系金属間化合物は、いずれも
高硬度であつて、耐摩耗性および耐熱性を高める
作用を果たす。一方複合層中のA合金マトリツ
クス相は後述するように各種固溶元素が固溶した
αーA相を主体とするものであり、このα−A
相は軟質であるため複合層全体の加工性を向上
させる作用を果たす。すなわち、Ni−A系金
属間化合物相とA合金マトリツクス相とが共存
することによつて、優れた耐摩耗性および耐熱性
を得ると同時にNi−A系金属間化合物相のみ
の場合と比較して格段に優れた加工性を得ること
ができる。
但し、前記複合層中の平均Ni濃度が40重量%
を越えれば、複合層全体がNi−A系金属間化
合物相のみとなつてしまい、複合層が脆くなつて
加工が困難となる。一方複合層中の平均Ni濃度
が10重量%未満の場合には、Ni−A系金属間
化合物の晶出量が極めて少なくなつて相対的にA
合金相の割合が大きくなり、その結果一部の材
料(例えばバルブ材として用いられているCo−
Cr合金など)を相手材としたバルブに摩擦によ
つて凝着を生じ、摩擦部分に使用される耐摩耗部
材として不適当となる。したがつて複合層中の平
均Ni濃度は10〜40重量%の範囲内とする必要が
ある。
を越えれば、複合層全体がNi−A系金属間化
合物相のみとなつてしまい、複合層が脆くなつて
加工が困難となる。一方複合層中の平均Ni濃度
が10重量%未満の場合には、Ni−A系金属間
化合物の晶出量が極めて少なくなつて相対的にA
合金相の割合が大きくなり、その結果一部の材
料(例えばバルブ材として用いられているCo−
Cr合金など)を相手材としたバルブに摩擦によ
つて凝着を生じ、摩擦部分に使用される耐摩耗部
材として不適当となる。したがつて複合層中の平
均Ni濃度は10〜40重量%の範囲内とする必要が
ある。
なおA合金基材としては機械部品等に使用さ
れている任意のA合金を用いることができる。
また前述の説明ではNi−A系金属間化合物相
以外の部分を一括してA合金マトリツクス相と
称したが、基材として用いるA合金の成分によ
つては実際には各種合金元素が固溶したα−A
相のみならず、そのα−A相中にMg−A系
化合物あるいはCu−A系化合物相等が晶出す
る場合もあることは勿論である。
れている任意のA合金を用いることができる。
また前述の説明ではNi−A系金属間化合物相
以外の部分を一括してA合金マトリツクス相と
称したが、基材として用いるA合金の成分によ
つては実際には各種合金元素が固溶したα−A
相のみならず、そのα−A相中にMg−A系
化合物あるいはCu−A系化合物相等が晶出す
る場合もあることは勿論である。
なおまた、上述のような複合層はA基材表面
層とNiとの合金化によつて形成されたものであ
るから、A基材の母材部分との密着性は充分に
あり、したがつて高面圧下においても高い耐久性
を示す。
層とNiとの合金化によつて形成されたものであ
るから、A基材の母材部分との密着性は充分に
あり、したがつて高面圧下においても高い耐久性
を示す。
以上のようなA合金部材を製造するにあたつ
ては、先ずA合金部材のうち耐摩耗性が要求さ
れる部位のA合金基材表面をNiで被覆する。
その被覆手段としては、例えば溶射法、メツキ
法、あるいはスラリー塗布法などを用いることが
できる。このようにして純Niの被覆層を形成し
た後、その表面にTIGアーク、レーザビームある
いは電子ビームなどの高密度エネルギを照射して
急速短時間加熱し、Ni被覆層とその下側のA
合金基材の一部(所要深さまでの部分)を溶融さ
せ、合金化させる。この合金化にあたつては、合
金化層(複合層)中の平均Ni濃度を10〜40重量
%の範囲内に収めるべくNi被覆層の厚みに対す
るA合金基材の溶融深さが適切な深さとなるよ
うに高密度エネルギ照射条件(出力や基材とエネ
ルギ源との相対移動速度など)を適切に設定する
ことが肝要である。
ては、先ずA合金部材のうち耐摩耗性が要求さ
れる部位のA合金基材表面をNiで被覆する。
その被覆手段としては、例えば溶射法、メツキ
法、あるいはスラリー塗布法などを用いることが
できる。このようにして純Niの被覆層を形成し
た後、その表面にTIGアーク、レーザビームある
いは電子ビームなどの高密度エネルギを照射して
急速短時間加熱し、Ni被覆層とその下側のA
合金基材の一部(所要深さまでの部分)を溶融さ
せ、合金化させる。この合金化にあたつては、合
金化層(複合層)中の平均Ni濃度を10〜40重量
%の範囲内に収めるべくNi被覆層の厚みに対す
るA合金基材の溶融深さが適切な深さとなるよ
うに高密度エネルギ照射条件(出力や基材とエネ
ルギ源との相対移動速度など)を適切に設定する
ことが肝要である。
実施例
鋳物用アルミニウム合金として知られる
JISAC2BのA合金(Cu 3.10%、Si 6.32%、
Mg 0.34%、Zn 0.01%、Fe 0.43%、Mn 0.30
%、残部A)からなる60mm×25mm×8mmの試片
の表面に、純Ni粉末を溶射した後、TIGアーク
によつてNi溶射層と母材のA合金とを平均Ni
濃度が10〜40重量%の範囲内となるような条件で
合金化させた。合金化によつて形成された複合層
の表面を研磨した後、大越式迅速摩耗試験が行な
える寸法、形状に試片を仕上げた。その後大越式
迅速摩耗試験を行なうとともに、複合層表面の金
属組織の光学的顕微鏡観察、および複合層の組成
分析を行なつた。
JISAC2BのA合金(Cu 3.10%、Si 6.32%、
Mg 0.34%、Zn 0.01%、Fe 0.43%、Mn 0.30
%、残部A)からなる60mm×25mm×8mmの試片
の表面に、純Ni粉末を溶射した後、TIGアーク
によつてNi溶射層と母材のA合金とを平均Ni
濃度が10〜40重量%の範囲内となるような条件で
合金化させた。合金化によつて形成された複合層
の表面を研磨した後、大越式迅速摩耗試験が行な
える寸法、形状に試片を仕上げた。その後大越式
迅速摩耗試験を行なうとともに、複合層表面の金
属組織の光学的顕微鏡観察、および複合層の組成
分析を行なつた。
複合層中の平均Ni濃度が10〜28重量%の場合
の顕微鏡組織を第1図に示し、また平均Ni濃度
が28〜40重量%の場合の顕微鏡組織を第2図に示
す。これらの図において符号1で示す淡い灰色の
部分はNiA3の化合物相、符号2で示す濃い灰
色の部分がNi2 A3の化合物相、符号3で示す
白い部分がαーA相、符号14で示す黒い斑点
の部分がA−Mg系あるいはA−Cu系などの
A合金母材から由来する化合物相である。平均
Ni濃度が10〜28重量%の場合には第1図に示す
ようにNi−A系金属間化合物としてNiA3相
が晶出し、また平均Ni濃度が28〜40重量%の場
合にはNi−A系金属間化合物としてNiA3お
よびNi2 A3の両者が晶出しており、いずれの
場合もこれらの金属間化合物とマトリツクスであ
るα−A相およびその他の化合物相とが均一に
混在しており、しかも複合層表面の全域にわたつ
て均一な組織となつていることが確認された。
の顕微鏡組織を第1図に示し、また平均Ni濃度
が28〜40重量%の場合の顕微鏡組織を第2図に示
す。これらの図において符号1で示す淡い灰色の
部分はNiA3の化合物相、符号2で示す濃い灰
色の部分がNi2 A3の化合物相、符号3で示す
白い部分がαーA相、符号14で示す黒い斑点
の部分がA−Mg系あるいはA−Cu系などの
A合金母材から由来する化合物相である。平均
Ni濃度が10〜28重量%の場合には第1図に示す
ようにNi−A系金属間化合物としてNiA3相
が晶出し、また平均Ni濃度が28〜40重量%の場
合にはNi−A系金属間化合物としてNiA3お
よびNi2 A3の両者が晶出しており、いずれの
場合もこれらの金属間化合物とマトリツクスであ
るα−A相およびその他の化合物相とが均一に
混在しており、しかも複合層表面の全域にわたつ
て均一な組織となつていることが確認された。
さらに第3図には、大越式摩耗試験の結果を示
す。なお第3図において実施例1の試料は、複合
層の組成が重量%でA−22%Ni−5%Si−2.5
%Cuのもの、また実施例2の試料は複合層の組
成が重量%でA−34%Ni−5%Si−2%Cuの
ものであり、また比較材は、従来から自動車用エ
ンジンのバルブシート材として使用されている
PMZ1024の焼結材(C 0.70〜1.20%、Mo 4.0
〜6.5%、Co 7〜10%、Pb 10〜22%、Fe残部)
の試料である。また大越式迅速摩耗試験の試験条
件は、相手材をSUH11とし、最終荷重6.3Kg、
すべり速度0.31m/sec、すべり距離100mとした。
す。なお第3図において実施例1の試料は、複合
層の組成が重量%でA−22%Ni−5%Si−2.5
%Cuのもの、また実施例2の試料は複合層の組
成が重量%でA−34%Ni−5%Si−2%Cuの
ものであり、また比較材は、従来から自動車用エ
ンジンのバルブシート材として使用されている
PMZ1024の焼結材(C 0.70〜1.20%、Mo 4.0
〜6.5%、Co 7〜10%、Pb 10〜22%、Fe残部)
の試料である。また大越式迅速摩耗試験の試験条
件は、相手材をSUH11とし、最終荷重6.3Kg、
すべり速度0.31m/sec、すべり距離100mとした。
第3図から、この発明による実施例の場合に
は、従来のバルブシート材である比較材と比較し
て大越式迅速摩耗試験における摩耗痕面積が小さ
く、従来の比較材と同等以上の耐摩耗性を有する
ことが明らかである。
は、従来のバルブシート材である比較材と比較し
て大越式迅速摩耗試験における摩耗痕面積が小さ
く、従来の比較材と同等以上の耐摩耗性を有する
ことが明らかである。
なお以上の実施例において、合金化処理後の研
磨加工においては特にクラツクやチツピングが生
じることなく、円滑に研磨加工を行なうことがで
きた。
磨加工においては特にクラツクやチツピングが生
じることなく、円滑に研磨加工を行なうことがで
きた。
発明の効果
以上の説明で明らかなようにこの発明のA合
金部材は、A合金基材表面にNiを合金化させ
て、A合金マトリツクス中にNi−A系金属
間化合物を晶出させかつ平均Ni濃度を10〜40重
量%の範囲内とした複合層を形成したものである
から、耐摩耗性および耐熱性が高いと同時に加工
性も良好であり、したがつて高面圧下、高温条件
下で耐摩耗性が要求される部位に使用して優れた
耐摩耗性、耐久性を発揮できると共に、実際部品
に適用するための研磨加工あるいは研削加工等を
も容易になし得る利点を有する。
金部材は、A合金基材表面にNiを合金化させ
て、A合金マトリツクス中にNi−A系金属
間化合物を晶出させかつ平均Ni濃度を10〜40重
量%の範囲内とした複合層を形成したものである
から、耐摩耗性および耐熱性が高いと同時に加工
性も良好であり、したがつて高面圧下、高温条件
下で耐摩耗性が要求される部位に使用して優れた
耐摩耗性、耐久性を発揮できると共に、実際部品
に適用するための研磨加工あるいは研削加工等を
も容易になし得る利点を有する。
したがつてこの発明のA合金部材は、例えば
A合金製シリンダヘツドのバルブシート、A
合金製シフトフオークの爪部、A合金製シリン
ダライナ、A合金製ロツカアームのパツド等に
適用して好適なものである。
A合金製シリンダヘツドのバルブシート、A
合金製シフトフオークの爪部、A合金製シリン
ダライナ、A合金製ロツカアームのパツド等に
適用して好適なものである。
第1図および第2図はそれぞれこの発明の実施
例のA合金部材における複合層の金属組織を示
す顕微鏡写真(倍率:400倍)、第3図はこの発明
の実施例および比較例の摩耗試験結果を示すグラ
フである。
例のA合金部材における複合層の金属組織を示
す顕微鏡写真(倍率:400倍)、第3図はこの発明
の実施例および比較例の摩耗試験結果を示すグラ
フである。
Claims (1)
- 1 耐摩耗性が要求される部位のA合金基材の
表面にNiを合金化することにより、Ni−A系
金属間化合物をA合金マトリツクス中に晶出さ
せかつ平均Ni濃度を10〜40重量%の範囲内とし
た複合層をA合金基材表面に形成したことを特
徴とする耐摩耗性A合金部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP557285A JPS61166982A (ja) | 1985-01-16 | 1985-01-16 | 耐摩耗性Al合金部材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP557285A JPS61166982A (ja) | 1985-01-16 | 1985-01-16 | 耐摩耗性Al合金部材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61166982A JPS61166982A (ja) | 1986-07-28 |
JPH0480991B2 true JPH0480991B2 (ja) | 1992-12-21 |
Family
ID=11614930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP557285A Granted JPS61166982A (ja) | 1985-01-16 | 1985-01-16 | 耐摩耗性Al合金部材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61166982A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6338582A (ja) * | 1986-08-01 | 1988-02-19 | Chobe Taguchi | 表面処理法 |
JP2769337B2 (ja) * | 1988-11-30 | 1998-06-25 | 昭和アルミニウム株式会社 | 耐摩耗性に優れたアルミニウム合金材の製造方法 |
JPH0525655A (ja) * | 1991-07-15 | 1993-02-02 | Komatsu Ltd | アルミニウム系母材の表面硬化方法および表面硬化アルミニウム系部材 |
JPH10252423A (ja) * | 1997-03-11 | 1998-09-22 | Fuji Oozx Inc | 内燃機関用吸気バルブ及びその製造方法 |
-
1985
- 1985-01-16 JP JP557285A patent/JPS61166982A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61166982A (ja) | 1986-07-28 |
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