JPH0480993B2 - - Google Patents

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JPH0480993B2
JPH0480993B2 JP1147185A JP1147185A JPH0480993B2 JP H0480993 B2 JPH0480993 B2 JP H0480993B2 JP 1147185 A JP1147185 A JP 1147185A JP 1147185 A JP1147185 A JP 1147185A JP H0480993 B2 JPH0480993 B2 JP H0480993B2
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JP
Japan
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alloy
composite layer
base material
phase
concentration
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JP1147185A
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English (en)
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JPS61170578A (ja
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Takaaki Kanazawa
Joji Myake
Haratsugu Koyama
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、例えば自動車用エンジンのピスト
ンやバルブシートの如く、耐熱性が要求される部
位に好適に使用されるA合金部材に関し、特に
レーザビームやTIGアーク等の高密度エネルギー
源を用いてA合金基材表面に他の材料を合金化
(アロイング)して耐熱性が高い表面合金化層を
形成したA合金部材に関するものである。
従来の技術 周知のようにA合金は汎用されている鉄系材
料等と比較して格段に軽量であるに加え、熱伝導
特性に優れ、また耐食性も優れるところから、最
近では自動車等の各種機械部品として広く使用さ
れるようになつている。しかしながら一般にA
合金は鉄系材料と比較して耐熱性が劣り、このこ
とが自動車等における軽量化等を目的として鉄系
部材をA合金部材に代える際の大きな障害とな
つていた。
そこで従来から、耐熱性が要求される部位に適
用されるA合金部材の耐熱性向上策として、A
合金部材の表面にメツキや陽極酸化処理、ある
いは溶射等によりセラミツクや耐火金属等からな
る耐熱性表面被覆層を形成する試みがなされてい
る。
発明が解決すべき問題点 A合金部材の表面に耐熱のための表面層を形
成するにあたつて重要な要件は、 (a) 充分に耐熱性を有すること、 (b) 表面層の耐久性が充分であること、すなわち
基材に対する表面層の密着性が充分でしかも表
面層が脆くなく、高面圧下でも表面層の剥離や
欠け落ちが生じないこと、 (c) 製造が容易であること、 (d) 低コストであること、 などが挙げられる。
しかるに前述のようにメツキや陽極酸化処理あ
るいは溶射等により耐熱表面被覆層を形成した場
合、上述のような諸要件を全て充分に満足するこ
とは困難であり、特に前述の諸要件のうち(b)の耐
久性の要求を満足することが困難であつた。すな
わち前述のような方法で形成された表面被覆層は
一般に基材に対する密着性が充分ではなく、その
ためピストン等の高面圧が加わる部分で使用すれ
ば表面被覆層が剥離あるいは欠け落ちたりし、そ
の結果充分な耐久性を持たせることが困難であつ
た。
この発明は以上の事情に鑑みてなされたもので
あり、上述の問題を解決して、充分に高い耐熱性
を示すと同時に、高面圧下で使用しても充分な耐
久性を示すA合金部材を提供することを目的と
するものである。
問題点を解決するための手段 この発明のA合金部材は、近年開発されつつ
あるレーザあるいはTIGアーク等の高密度エネル
ギ源を用いた表面合金化(アロイング)技術を適
用してA合金基材の表面にFe(鉄)を合金化し
たものであり、しかもその合金化にあたつて、最
終的に得られる合金化層がFeーA系金属間化
合物相とA合金相との混合組織を有する複合層
となるようにその層中の平均Fe濃度を設定し、
これによつて充分な耐熱性と耐久性を確保し、な
おかつ研摩、研削等における良好な加工性を確保
すると同時に優れた耐摩耗性を得るものである。
具体的には、この発明の耐熱性A合金部材
は、耐熱性が要求される部位のA合金基材表面
にFeを合金化することによつて、A合金マト
リツクスにFe−A系金属間化合物が晶出した、
平均Fe濃度が5〜38重量%の複合層を形成した
ことを特徴とするものである。
作 用 この発明の合金部材は、前述のようにA合金
基材の表面に高密度エネルギ源を用いてFeを合
金化(アロイング)して、A合金マトリツクス
中にFe−A系金属間化合物を晶出させた複合
層、すなわちA合金相とFe−A系金属間化
合物相とが混ざり合つた複合層を形成したもので
ある。
ここで、Fe−A系金属間化合物としては、
主としてFeA3、Fe25などが晶出する。こ
れらのFe−A系金属間化合物は、いずれも高
融点(例えばFeA3の場合1160℃)であつて、
耐熱性を高める作用を果たし、また同時に高硬度
であるため耐摩耗性を向上させる作用も果たす。
但し、Fe−A系金属間化合物自体は脆く、そ
のためこの化合物相単相とした場合には研磨や研
削加工の際にチツピングやミクロクラツクが生じ
易くなつて加工が困難となり、また高面圧下で使
用した場合に欠け落ちが生じ易くなる。そこでこ
の発明ではFeーA系金属間化合物相単相とせ
ず、A合金マトリツクス相とFeーA系金属
間化合物相とが混在した複合層としているのであ
る。すなわち複合層中のA合金マトリツクス相
は後述するように各種固溶元素が固溶したα−A
相を主体とするものであり、このα−A沿つ
ては軟質であるため複合層全体が前記Fe−A
系金属間化合物によつて脆くなることを防ぎ、複
合層の加工性を向上させ、かつ高面圧下で使用時
における欠け落ちを防止する作用を果たす。そし
てまた、上述のような複合層は、A基材表面層
とFeとの合金化によつて形成したものであるか
ら、その複合層中のA合金マトリツクス相はA
合金基材の母材部分に連続一体化しており、し
たがつて複合層とA合金基材の母材部分との密
着性、耐剥離性は充分に高く、そのため高面圧下
で使用しても複合層が剥離するおそれは極めて少
ない。
上述のようにこの発明のA合金部材では、A
合金基材表面にFeを合金化してFe−A系金
属間化合物相とA合金マトリツクス相が共存す
る複合層を形成することにより、優れた耐熱性を
得ると同時に高面圧下での使用に対する耐久性と
耐摩耗性を得、しかもFe−A系金属間化合物
単相の場合と比較して格段に優れた加工性を得る
ことができたのである。
但し、前記複合層中の平均Fe濃度が38重量%
を越えれば、複合層全体がFe−A系金属間化
合物相単相あるいはそれに近い状態となつてしま
い、前述のようなA合金マトリツクス相の存在
による効果が得られなくなる。すなわち複合層が
脆くなつて加工が困難となるとともに高面圧下で
欠け落ちが生じ易くなる。一方複合層中の平均
Fe濃度が5重量%未満の場合には、Fe−A系
金属間化合物の晶出量が極めて少なくなつて相対
的にA合金相の割合が大きくなり、その結果充
分な耐熱性が得られなくなつて高温下で使用され
る耐熱部材として不適当となる。したがつて複合
層中の平均Fe濃度は5〜38重量%の範囲内とす
る必要がある。
なおA合金基材としては機械部品等に使用さ
れている任意のA合金を用いることができる。
また前述の説明ではFeーA系金属間化合物相
以外の部分を一括してA合金マトリツクス相と
称したが、基材として用いるA合金の成分によ
つては実際には各種合金元素が固溶したα−A
相のみならず、そのα−A相中にMg−A系
化合物あるいはCu−A系化合物相等が晶出す
る場合もあることは勿論である。
以上のようなA合金部材を製造するにあたつ
ては、先ずA合金部材のうち耐熱性が要求され
る部位のA合金基材表面を純FeあるいはFe−
A母合金で被覆する。その被覆手段としては、
例えば溶射法、メツキ法、あるいはスラリー塗布
法などを用いることができる。このようにして純
FeあるいはFe−A母合金からなる被覆層を形
成した後、その表面にTIGアーク、レーザビーム
あるいは電子ビームなどの高密度エネルギを照射
して急速短時間加熱し、前記被覆層とその下側の
A合金基材の一部(所要深さまでの部分)を溶
融させ、合金化させる。この合金化にあたつて
は、合金化層(複合層)中の平均Fe濃度を5〜
38重量%の範囲内に収めるべく、被覆層の厚みに
対するA合金基材の溶融深さが適切な深さとな
るように高密度エネルギ照射条件(出力や基材と
エネルギ源との相対移動速度など)を適切に設定
することが肝要である。
実施例 鋳物用アルミニウム合金として知られる
JISAC2CのA合金(Cu 3.10%、Si 6.32%、
Mg 0.34%、Zn 0.01%、Fe 0.43%、Mn0.30%、
残部A)からなる60mm×25mm×8mmの試片の表
面に、純Fe粉末を溶射した後、TIGアークによ
つてFe溶射量と母材のA合金とを平均Fe濃度
が5〜38重量%の範囲内となるような条件で合金
化させた。合金化によつて形成された複合層の表
面を研磨した後、複合層の金属組織調査、および
高温硬さ測定を行なつた。
ここで、高温硬さ試験は、室温、100℃、200
℃、300℃の各温度において荷重300g、荷重時間
10秒で5点測定にて行なつた。なお各測定温度へ
の昇温速度は100℃/15分、測定温度保持時間は
5分とした。
第1図に温度硬さ測定結果を示す。第1図にお
いて本発明材1は複合層中の平均Fe濃度が11重
量%のもの、すなわち複合層の平均組成が重量%
でA−11%Fe−5.3%Si−2.8%Cuのものであ
り、また本発明材2は複合層中の平均Fe濃度が
27重量%のもの、すなわち複合層の平均組成が重
量%でA−27%Fe−4.6%Si−1.9%Cuのもので
ある。また比較材としてはFeの合金化処理を行
なつていないAC2C材(JIS規格 T6処理済)を
用いた。
第1図から、Feを合金化した本発明材はいず
れもFeを合金化していない比較材と比べて高温
での硬さが高く、耐熱性が優れていることが明ら
かである。すなわち複合層中のFe濃度が27重量
%の本発明材2の場合は室温から300℃の高温ま
でHv500以上の高硬度を示し、またFe濃度が11
重量%の本発明材1の場合も150℃以上の高温に
おける硬さの低下が少なかつた。
上述の本発明材1(複合層Fe濃度11重量%)
における複合層の金属組織断面写真を第2図に、
また本発明材2((複合層Fe濃度27重量%)にお
ける複合層の金属組織断面写真を第3図に示す。
第2図および第3図において、地の比較的白い
部分がA合金マトリツクス相であり、また灰色
の部分がFe−A系金属間化合物相である。こ
れらの図から、いずれの場合もFe−A系金属
間化合物相とA合金マトリツクス相とが均一に
混在しており、しかも複合層の全域にわたつてほ
ぼ均一な組織となつていることが確認された。
なお以上の実施例において、合金化処理後の研
磨加工においては特にクラツクやチツピングが生
じることなく、円滑に研磨加工を行なうことがで
きた。また複合層はA合金基材の母材部分と一
体化しており、複合層が剥離するおそれもないこ
とが確認された。
発明の効果 以上の説明で明らかなようにこの発明のA合
金部材は、A合金基材表面にFeを合金化させ
て、A合金マトリツクス中にFe−A系金属
間化合物を晶出させかつ平均Fe濃度を5〜38重
量%の範囲内とした複合層を形成したものである
から、複合層の耐熱性が高いと同時に耐久性が充
分にあり、しかも加工性も良好でなおかつ耐摩耗
性も高く、したがつて高温条件下で使用される部
位に適用して優れた耐熱性、耐摩耗性、耐久性を
発揮できると共に、実際部品に適用するための研
磨加工あるいは研削加工等をも容易になし得る利
点を有する。
したがつてこの発明のA合金部材は、例えば
A合金製ピストンのヘツド部あるいはA合金
製シリンダヘツドのバルブシート等に適用して好
適なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例および比較例の高温
硬さ試験結果を示すグラフ、第2図および第3図
はそれぞれこの発明の実施例のA合金部材にお
ける複合層の金属組織を示す顕微鏡写真(倍率:
400倍)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 耐熱性が要求される部位のA合金基材の表
    面にFeを合金化することにより、Fe−A系金
    属間化合物をA合金マトリツクス中に晶出させ
    て、平均Fe濃度を5〜38重量%の範囲内とした
    複合層をA合金基材表面に形成したことを特徴
    とする耐熱性A合金部材。
JP1147185A 1985-01-23 1985-01-23 耐熱性Al合金部材 Granted JPS61170578A (ja)

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JP2769337B2 (ja) * 1988-11-30 1998-06-25 昭和アルミニウム株式会社 耐摩耗性に優れたアルミニウム合金材の製造方法
JP5294026B2 (ja) * 2009-05-15 2013-09-18 国立大学法人 鹿児島大学 アルミニウム又はアルミニウム合金材及びその製造方法
CN103526200B (zh) * 2013-10-08 2015-11-04 山东电力工程咨询院有限公司 一种在低碳钢基体上制备Fe-Al金属间化合物涂层的方法

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