JP2893304B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents

内燃機関の冷却装置

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JP2893304B2 JP4232192A JP23219292A JP2893304B2 JP 2893304 B2 JP2893304 B2 JP 2893304B2 JP 4232192 A JP4232192 A JP 4232192A JP 23219292 A JP23219292 A JP 23219292A JP 2893304 B2 JP2893304 B2 JP 2893304B2
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F02B2075/1816Number of cylinders four

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の冷却装置に関
し、特に冷却水通路の圧力差を有する部分を連通する通
水管により複数の気筒を有した内燃機関の冷却通路部分
の任意の部位の壁面温度を制御可能な冷却装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関においては、機関内部
に冷却水通路を設け、冷却水ポンプにより冷却水通路内
に冷却水を循環させてシリンダや燃焼室壁面の冷却を行
う。この場合、冷却水通路壁面における熱伝達率は冷却
水流速が速くなる程、すなわち冷却水流量が増大する程
高くなり冷却効果が向上する。このため、通常、冷却水
ポンプは内燃機関のクランク軸から適宜な手段を用いて
駆動され、機関回転数に略比例する冷却水流量が得られ
るようになっている。これにより、機関が高速運転され
て発生熱量が増大すると冷却水流量も増大し、冷却水通
路壁面での熱伝達率も増大することから大きな冷却効果
が得られ、燃焼室等の壁温を低く保つことができる。
【0003】ところが、機関内部の冷却水通路は一般に
複雑な形状をしているため、冷却水流量が増加しても壁
面での流速は一様に増大するわけではなく、冷却水通路
の形状によっては流量が増加しても流速が増大しない部
分が生じることがある。このような部分では、機関高速
運転時に発生熱量が増大しても冷却水通路壁面での熱伝
達率が増大しないため局所的に壁温が上昇する部分が生
じることになる。
【0004】最近では機関性能向上のために機関の高圧
縮比化や多弁化が行われているため機関燃焼室近傍やシ
リンダ壁上部近傍では冷却水通路形状が複雑になり易
い。また、特に排気弁を多弁化した場合にはそれぞれの
シリンダの排気ポートと排気ポートとで挟まれた部位の
冷却水通路は、構造上流速が増加し難くなるため、この
部分の燃焼室壁温が上昇しやすくなる問題が生じる。
【0005】このため高速回転時には、この部分の燃焼
室壁温が過渡に上昇してノックやプレイグニションの発
生等の問題を生じる恐れがある。この問題を防止するた
めには冷却水流量を大幅に増大することによりこの部分
の流速を或る程度増大させることが必要となるが、その
ためには容量の大きな冷却水ポンプを用いて余分な冷却
水流量を流す必要があり、コスト上昇やポンプ駆動損失
の増大による燃費の悪化等の問題が生じる。
【0006】更に冷却水通路形状は各気筒で同一ではな
く、冷却水流速もそれぞれ異なるため、燃焼室壁温は1
つの気筒内で不均一になる部分が生じるだけでなく、各
気筒間でも差を生じている。このような状態で上述のよ
うに冷却水流量を増大させると、冷却水通路の流速が増
加しやすい部分では必要以上に熱伝達率が増加して温度
が低下するため、同一気筒内での燃焼室壁温の不均一や
各気筒間での壁温の差がますます拡大されてしまい、熱
歪の増加による機関耐久性の低下が生じる恐れがある。
【0007】そこで、本出願人は先に出願した特願平4
−68399において、冷却水ポンプの容量の増大や各
部位での温度差の拡大を伴うことなく、冷却水通路の任
意部分の冷却効果を増大させることができる内燃機関の
冷却装置(以下先願例と言う)を提案した。
【0008】図3は先願例の全体の構成を説明する簡略
図である。同図中、矢印は冷却水の流れを示す。先願例
の冷却装置11はいわゆる吸気先行冷却式であり、冷却
水は以下に説明するように流れ冷却装置内を循環する。
【0009】ラジエータ12により放熱して低温となっ
た冷却水は、先ずシリンダヘッド13内の冷却水通路で
ある先行冷却通路13bに流入する。ここで、シリンダ
ヘッド13の吸気ポート近傍は、この低温の冷却水によ
り冷却されて低温に維持されることにより、燃焼室への
吸気効率が高められる。その後、冷却水はウォータポン
プ14に流入し昇圧されてシリンダブロック15に流入
する。シリンダブロック15内に流入した冷却水は、各
シリンダを冷却してから更にシリンダヘッド13の排気
ポート側の冷却水通路を通り、再びラジエータ12に戻
る。
【0010】図4は先願例の要部である通水管16を示
した図である。通水管16の一端はシリンダヘッド13
の冷却水通路13a内の壁面近傍に配置され、他端は先
行冷却通路13b内の壁面近傍に配置される。冷却水通
路13a内の冷却水の圧力は、先行冷却通路13b内の
圧力より高いため、冷却水は図中矢印で示すように通水
管16内を流れる。先願例ではこの通水管16を流れる
冷却水の吸入と吐出の作用により通水管16の開口端部
近傍の冷却水の速度を速くして、冷却水の温度境界層の
除去を行うことにより、シリンダヘッド13内の冷却水
通路の壁面の一部を選択的に冷却する構成である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、内燃機関の
シリンダ数が多くなると、各シリンダヘッド毎に設けら
れている通水管の両端の圧力差が異なり、通水管毎に冷
却水の流量が異なってしまい、冷却効果に不均衡を生じ
る恐れがある。
【0012】図5は4気筒の内燃機関に上述の通水管を
設けた場合の冷却水の流れを説明する簡略図である。図
中、矢印は冷却水の流れを示す。ラジエータ12から流
出した冷却水は、シリンダヘッド13内の先行冷却通路
13bに入り、各シリンダヘッドの吸気ポート(図示せ
ず)側を冷却した後、ウォータポンプ14により昇圧さ
れ、シリンダブロック(図示せず)を通ってシリンダヘ
ッド13の冷却水通路13aに流入する。冷却水通路1
3aに流入した冷却水は、各シリンダヘッドの排気ポー
ト(図示せず)側を冷却した後、再びラジエータ12に
戻るわけであるが、冷却水通路13aにおいて冷却水の
一部は通水管16-1〜16-4に流入し、低圧側の先行冷
却通路13bに流出する。この時の通水管16-1〜16
-4による冷却水の吸入、吐出により各シリンダの一部が
選択的に冷却される。
【0013】ところが、図5に示すように、通水管16
-1〜16-4の夫々の端部は冷却水の流路上異なった位置
に配置されており、通水管16-1〜16-4の夫々の両端
の圧力により生じる差圧は等しくならない。すなわち、
冷却水の圧力はウォータポンプ14の吸入部分が最も低
く吐出部が最も高いため、ウォータポンプ14に最も近
い通水管16-1の差圧が最も大きく、通水管16-4に向
かって次第に小さくなる。通水管16-1〜16-4を流れ
る冷却水の流量はこの差圧に比例するため、通水管16
-1を流れる冷却水の流量が最も多く、通水管16-4の流
量が最も少ない。
【0014】従って、通水管16-1〜16-4の両端部の
冷却水の吸入、吐出による冷却効果にも差が生じ、通水
管16-1の両端部が最も冷却効果が高く、通水管16-4
が最も冷却効果が低いというように、各シリンダを同じ
ように冷却することが出来ないという問題が生じる恐れ
がある。
【0015】そこで本発明は上記課題に鑑みなされたも
ので、夫々の通水管16の流路抵抗を変えることにより
夫々の通水管を流れる冷却水の流量を等しくし、各シリ
ンダの冷却効率を等しく出来る冷却装置を提供すること
を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の内燃機関の冷却装置は、内部に冷却水通路が
形成された複数の気筒を有する内燃機関に設けられ、一
端が冷却水通路壁面との間に所定の冷却水流路面積を確
保するように配置され、他端が冷却水通路の他の部分で
あって前記一端の位置する部分と冷却水圧力差を生じる
部分に配置された複数の通水管を有する内燃機関の冷却
装置であって、複数の通水管の夫々は冷却水通路の上流
側と下流側を短絡するものであり、複数の通水管の夫々
はその両端に加わる冷却水の圧力差に応じて流路抵抗が
個々に設定され、夫々の通水管に流れる冷却水の流量は
互いに等しくなる構成とする。
【0017】
【作用】複数の通水管の夫々が通水管の両端に加わる圧
力差に応じた所定の流路抵抗を有する構成は、両端での
差圧が大きい通水管では流路抵抗を大きくして冷却水の
流量を減少させ、差圧が小さい通水管では流路抵抗を小
さくして流量を増大させることにより、夫々の通水管に
流れる冷却水の流量を互いに等しくする。
【0018】
【実施例】図1は本発明の第1実施例の要部の構成を説
明する簡略図である。同図中矢印は冷却水の流れを示
す。本実施例は図5に示す内燃機関の冷却装置と同様に
4気筒とされており、各シリンダに対して1つずつの通
水管18-1〜18-4が設けられている。ここで、本実施
例の通水管18-1〜18-4は図5に示す通水管16-1
16-4と異なり、夫々の通水管18-1〜18-4は互いに
異なった管内径を有している。以下にその理由を説明す
る。
【0019】ラジエータ12から流出した冷却水は、シ
リンダヘッド13内の先行冷却通路13bに入り、各シ
リンダヘッドの吸気ポート(図示せず)側を冷却した
後、ウォータポンプ14により昇圧され、シリンダブロ
ック(図示せず)を通ってシリンダヘッド13の冷却水
通路13aに流入する。冷却水通路13aに流入した冷
却水は、各シリンダヘッドの排気ポート(図示せず)側
を冷却した後、再びラジエータ12に戻る。以上は図5
に示す内燃機関の冷却装置における構成及び冷却水の流
れと同様である。
【0020】冷却水の流れをウォータポンプ14を基準
として考えると、先行冷却通路13bは冷却水の流れの
下流側に位置し、冷却水通路13aは上流側に位置す
る。従って、冷却水通路13aを流れる冷却水の圧力は
先行冷却通路13b内を流れる冷却水の圧力より高く、
よって冷却水通路13aと先行冷却通路13bとを連通
する通水管18-1〜18-4の夫々の両端に差圧が生じ、
通水管18-1〜18-4に冷却水が流れる。
【0021】ここで、通水管18-1〜18-4の夫々に流
れる冷却水の流量に着目すると、仮に通水管18-1〜1
8-4の内径および長さが互いに等しいと仮定した場合
は、その流量は両端部に生じる冷却水の差圧により決定
されることが理解される。従って、冷却水の流れの最上
流と最下流を連通している通水管18-1の差圧が最も大
きく、よって、冷却水の流量は他の通水管と比較すると
最も大きい。そして、その他の通水管18-2〜18-4
おいても同様に考えると通水管の差圧の大きさは、18
-2が次に大きく18-3、18-4という順番となり、18
-4が最も小さくなる。この差圧に比例して通水管18-1
〜18-4の夫々に流れる冷却水の流量も、18-1が最も
多く、18-2、18-3と次第に少なくなり、18-4が最
も少なくなる。その結果、通水管18-1〜18-4が設け
られたシリンダに対する冷却効果が一様ではなくなって
しまう。
【0022】そこで、本実施例では通水管18-1〜18
-4の夫々の内径を互いに異なる大きさとし、冷却水が通
過する際の流路抵抗(管路抵抗)を変えて、夫々の通水
管18-1〜18-4に流れる冷却水の流量がそれぞれ等し
くなるようにしている。
【0023】すなわち、通水管の内径はウォータポンプ
14に最も近いシリンダに対して設けられた通水管18
-1が最も小さく、ウォータポンプ14に最も遠いシリン
ダに対して設けられた通水管18-4が最も大きくなって
いる。夫々の通水管18-1〜18-4の冷却水の通過する
際の管路抵抗は、通水管の内径に応じて変化し、管径の
小さい程管路抵抗は大きく、管径の大きい程管路抵抗は
小さい。そしてこの管路抵抗は丁度夫々の通水管18-1
〜18-4の差圧の相違を打ち消すような値とされてい
る。つまり、夫々の通水管18-1〜18-4の両端の冷却
水の差圧からその管路抵抗に相当する圧力損失分を引い
た値は、通水管18-1〜18-4の全てについて同じ値と
なる。
【0024】従って、夫々の通水管18-1〜18-4に流
れる冷却水の流量は互いに等しくなり、よって、この通
水管に流れる冷却水による冷却水通路壁面の冷却効果は
各シリンダについて等しくなる。その結果、シリンダヘ
ッド13は一様に冷却され、各シリンダを同一の温度条
件で運転することができる。
【0025】次に、本発明の第2実施例について、図2
と共に説明する。本実施例は図5に示す内燃機関の冷却
装置と同様に4気筒とされており、各シリンダに対して
1つずつの通水管19-1〜19-4が設けられている。通
水管19-1〜19-4の内径は互いに等しい大きさとされ
ている点は先願例と同様であるが、本実施例では、夫々
の通水管19-1〜19-4の途中には電磁弁よりなる流量
制御弁20-1〜20-4が設けられている。
【0026】この流量制御弁20-1〜20-4はマイクロ
コンピュータ等よりなるエンジン・コントロール・ユニ
ット(ECU)21に接続されており、ECU21から
の信号により夫々の流量制御弁20-1〜20-4はその開
度が調節される。従って、通水管19-1〜19-4を流れ
る冷却水の流量は、流量制御弁20-1〜20-4によって
個々に制御される。
【0027】このように、ECU21からの指令によっ
て流量制御弁20-1〜20-4を所定の開度とすることに
より、通水管19-1〜19-4を流れる冷却水の流量を互
いに等しくさせることができ、上述の第1実施例と同様
な冷却効果を得ることができる。
【0028】加えて、本実施例によれば、例えば始動時
等の内燃機関が冷えた状態である場合は流量制御弁20
-1〜20-4を閉じて冷却効果を減らし、内燃機関を速く
暖気状態にする事ができる。
【0029】また、反対に内燃機関が高負荷運転の場合
には、流量制御弁20-1〜20-4を大きく開いて、局所
的に高温となる先行冷却通路内の壁面の冷却を促進する
ことができる等の効果も有する。
【0030】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、複数の通
水管の夫々に等しい流量の冷却水が流れるように、通水
管が流路抵抗有するような構成としたため、各シリンダ
への冷却効果が等しくなり、各シリンダを同一の温度の
運転状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の要部の構成を説明する簡
略図である。
【図2】本発明の第2実施例の要部の構成を説明する簡
略図である。
【図3】先願例の全体の構成を説明する簡略図である。
【図4】先願例の要部である通水管を示す断面図であ
る。
【図5】先願例の発明が適用された冷却装置の一例の要
部の構成を説明する簡略図である。
【符号の説明】
11 冷却装置 12 ラジエータ 13 シリンダヘッド 13a 冷却水通路 13b 先行冷却通路 14 ウォータポンプ 15 シリンダブロック 16,16-1〜16-4,18-1〜18-4,19-1〜19
-4 通水管 20-1〜20-4 流量制御弁 21 エンジン・コントロール・ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松代 隆一 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内 (56)参考文献 実開 平1−93345(JP,U) 実開 平4−75145(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01P 3/02 F01P 11/04 F02F 1/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に冷却水通路が形成された複数の気
    筒を有する内燃機関に設けられ、一端が冷却水通路壁面
    との間に所定の冷却水流路面積を確保するように配置さ
    れ、他端が冷却水通路の他の部分であって前記一端の位
    置する部分と冷却水圧力差を生じる部分に配置された複
    数の通水管を有する内燃機関の冷却装置であって、前記複数の通水管の夫々は前記冷却水通路の上流側と下
    流側とを短絡するものであり、 前記複数の通水管の夫々はその両端に加わる冷却水の圧
    力差に応じて流路抵抗が個々に設定され、前記夫々の通
    水管に流れる冷却水の流量は互いに等しくなる構成とし
    たことを特徴とする内燃機関の冷却装置。
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