JP2821833B2 - 内燃機関の冷却装置 - Google Patents
内燃機関の冷却装置Info
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- JP2821833B2 JP2821833B2 JP4232191A JP23219192A JP2821833B2 JP 2821833 B2 JP2821833 B2 JP 2821833B2 JP 4232191 A JP4232191 A JP 4232191A JP 23219192 A JP23219192 A JP 23219192A JP 2821833 B2 JP2821833 B2 JP 2821833B2
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B1/00—Engines characterised by fuel-air mixture compression
- F02B1/02—Engines characterised by fuel-air mixture compression with positive ignition
- F02B1/04—Engines characterised by fuel-air mixture compression with positive ignition with fuel-air mixture admission into cylinder
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/16—Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
- F02B75/18—Multi-cylinder engines
- F02B2075/1804—Number of cylinders
- F02B2075/1816—Number of cylinders four
Landscapes
- Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の冷却装置に関
し、特に冷却水通路の圧力差を有する部分を連通する通
水管により内燃機関冷却通路部分の任意の部位の壁面温
度を制御可能な冷却装置に関する。
し、特に冷却水通路の圧力差を有する部分を連通する通
水管により内燃機関冷却通路部分の任意の部位の壁面温
度を制御可能な冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、内燃機関においては、機関内部
に冷却水通路を設け、冷却水ポンプにより冷却水通路内
に冷却水を循環させてシリンダや燃焼室壁面の冷却を行
う。この場合、冷却水通路壁面における熱伝達率は冷却
水流速が速くなる程、すなわち冷却水流量が増大する程
高くなり冷却効果が向上する。このため、通常、冷却水
ポンプは内燃機関のクランク軸から適宜な手段を用いて
駆動され、機関回転数に略比例する冷却水流量が得られ
るようになっている。これにより、機関が高速運転され
て発生熱量が増大すると冷却水流量も増大し、冷却水通
路壁面での熱伝達率も増大することから大きな冷却効果
が得られ、燃焼室等の壁温を低く保つことができる。
に冷却水通路を設け、冷却水ポンプにより冷却水通路内
に冷却水を循環させてシリンダや燃焼室壁面の冷却を行
う。この場合、冷却水通路壁面における熱伝達率は冷却
水流速が速くなる程、すなわち冷却水流量が増大する程
高くなり冷却効果が向上する。このため、通常、冷却水
ポンプは内燃機関のクランク軸から適宜な手段を用いて
駆動され、機関回転数に略比例する冷却水流量が得られ
るようになっている。これにより、機関が高速運転され
て発生熱量が増大すると冷却水流量も増大し、冷却水通
路壁面での熱伝達率も増大することから大きな冷却効果
が得られ、燃焼室等の壁温を低く保つことができる。
【0003】ところが、機関内部の冷却水通路は一般に
複雑な形状をしているため、冷却水流量が増加しても壁
面での流速は一様に増大するわけではなく、冷却水通路
の形状によっては流量が増加しても流速が増大しない部
分が生じることがある。このような部分では、機関高速
運転時に発生熱量が増大しても冷却水通路壁面での熱伝
達率が増大しないため局所的に壁温が上昇する部分が生
じることになる。
複雑な形状をしているため、冷却水流量が増加しても壁
面での流速は一様に増大するわけではなく、冷却水通路
の形状によっては流量が増加しても流速が増大しない部
分が生じることがある。このような部分では、機関高速
運転時に発生熱量が増大しても冷却水通路壁面での熱伝
達率が増大しないため局所的に壁温が上昇する部分が生
じることになる。
【0004】最近では機関性能向上のために機関の高圧
縮比化や多弁化が行われているため機関燃焼室近傍やシ
リンダ壁上部近傍では冷却水通路形状が複雑になり易
い。また、特に排気弁を多弁化した場合にはそれぞれの
シリンダの排気ポートと排気ポートとで挟まれた部位の
冷却水通路は、構造上流速が増加し難くなるため、この
部分の燃焼室壁温が上昇しやすくなる問題が生じる。
縮比化や多弁化が行われているため機関燃焼室近傍やシ
リンダ壁上部近傍では冷却水通路形状が複雑になり易
い。また、特に排気弁を多弁化した場合にはそれぞれの
シリンダの排気ポートと排気ポートとで挟まれた部位の
冷却水通路は、構造上流速が増加し難くなるため、この
部分の燃焼室壁温が上昇しやすくなる問題が生じる。
【0005】このため高速回転時には、この部分の燃焼
室壁温が過渡に上昇してノックやプレイグニションの発
生等の問題を生じる恐れがある。この問題を防止するた
めには冷却水流量を大幅に増大することによりこの部分
の流速を或る程度増大させることが必要となるが、その
ためには容量の大きな冷却水ポンプを用いて余分な冷却
水流量を流す必要があり、コスト上昇やポンプ駆動損失
の増大による燃費の悪化等の問題が生じる。
室壁温が過渡に上昇してノックやプレイグニションの発
生等の問題を生じる恐れがある。この問題を防止するた
めには冷却水流量を大幅に増大することによりこの部分
の流速を或る程度増大させることが必要となるが、その
ためには容量の大きな冷却水ポンプを用いて余分な冷却
水流量を流す必要があり、コスト上昇やポンプ駆動損失
の増大による燃費の悪化等の問題が生じる。
【0006】更に冷却水通路形状は各気筒で同一ではな
く、冷却水流速もそれぞれ異なるため、燃焼室壁温は1
つの気筒内で不均一になる部分が生じるだけでなく、各
気筒間でも差を生じている。このような状態で上述のよ
うに冷却水流量を増大させると、冷却水通路の流速が増
加しやすい部分では必要以上に熱伝導率が増加して温度
が低下するため、同一気筒内での燃焼室壁温の不均一や
各気筒間での壁温の差がますます拡大されてしまい、熱
歪の増加による機関耐久性の低下が生じる恐れがある。
く、冷却水流速もそれぞれ異なるため、燃焼室壁温は1
つの気筒内で不均一になる部分が生じるだけでなく、各
気筒間でも差を生じている。このような状態で上述のよ
うに冷却水流量を増大させると、冷却水通路の流速が増
加しやすい部分では必要以上に熱伝導率が増加して温度
が低下するため、同一気筒内での燃焼室壁温の不均一や
各気筒間での壁温の差がますます拡大されてしまい、熱
歪の増加による機関耐久性の低下が生じる恐れがある。
【0007】そこで、本出願人は先に出願した特願平4
−68399において、冷却水ポンプの容量の増大や各
部位での温度差の拡大を伴うことなく、冷却水通路の任
意部分の冷却効果を増大させることができる内燃機関の
冷却装置(以下先願例と言う)を提案した。
−68399において、冷却水ポンプの容量の増大や各
部位での温度差の拡大を伴うことなく、冷却水通路の任
意部分の冷却効果を増大させることができる内燃機関の
冷却装置(以下先願例と言う)を提案した。
【0008】図6は先願例の全体の構成を説明する簡略
図である。同図中、矢印は冷却水の流れを示す。先願例
の冷却装置11はいわゆる吸気先行冷却式であり、冷却
水は以下に説明するように流れ冷却装置内を循環する。
図である。同図中、矢印は冷却水の流れを示す。先願例
の冷却装置11はいわゆる吸気先行冷却式であり、冷却
水は以下に説明するように流れ冷却装置内を循環する。
【0009】ラジエータ12により放熱して低温となっ
た冷却水は、先ずシリンダヘッド13内の冷却水通路で
ある先行冷却通路13bに流入する。ここで、シリンダ
ヘッド13の吸気ポート近傍は、この低温の冷却水によ
り冷却されて低温に維持されることにより、燃焼室への
吸気効率が高められる。その後、冷却水はウォータポン
プ14に流入し昇圧されてシリンダブロック15に流入
する。シリンダブロック15内に流入した冷却水は、各
シリンダを冷却してから更にシリンダヘッド13の排気
ポート側の冷却水通路を通り、再びラジエータ12に戻
る。
た冷却水は、先ずシリンダヘッド13内の冷却水通路で
ある先行冷却通路13bに流入する。ここで、シリンダ
ヘッド13の吸気ポート近傍は、この低温の冷却水によ
り冷却されて低温に維持されることにより、燃焼室への
吸気効率が高められる。その後、冷却水はウォータポン
プ14に流入し昇圧されてシリンダブロック15に流入
する。シリンダブロック15内に流入した冷却水は、各
シリンダを冷却してから更にシリンダヘッド13の排気
ポート側の冷却水通路を通り、再びラジエータ12に戻
る。
【0010】図7は先願例の要部である通水管16を示
した図である。通水管16の一端はシリンダヘッド13
の冷却水通路13a内の壁面近傍に配置され、他端は先
行冷却通路13b内の壁面近傍に配置される。冷却水通
路13a内の冷却水の圧力は、先行冷却通路13b内の
圧力より高いため、冷却水は図中矢印で示すように通水
管16内を流れる。先願例ではこの通水管16を流れる
冷却水の吸入と吐出の作用により通水管16の開口端部
近傍の冷却水の速度を速くして、冷却水の温度境界層の
除去を行うことにより、シリンダヘッド13内の冷却水
通路の壁面の一部を選択的に冷却する構成である。
した図である。通水管16の一端はシリンダヘッド13
の冷却水通路13a内の壁面近傍に配置され、他端は先
行冷却通路13b内の壁面近傍に配置される。冷却水通
路13a内の冷却水の圧力は、先行冷却通路13b内の
圧力より高いため、冷却水は図中矢印で示すように通水
管16内を流れる。先願例ではこの通水管16を流れる
冷却水の吸入と吐出の作用により通水管16の開口端部
近傍の冷却水の速度を速くして、冷却水の温度境界層の
除去を行うことにより、シリンダヘッド13内の冷却水
通路の壁面の一部を選択的に冷却する構成である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の先願例において
は、通水管16の端部と冷却水通路との位置関係は、通
水管16の端部の内径部と壁面との間に形成される冷却
水流路面積をSとして、S≒πd2 /4とした場合に壁
面近傍での流速が最も速くなり、温度境界層が除去され
て最も熱伝達率が増大する。この為、実際の通水管端部
の位置については、流路面積Sはπd2 /8≦S≦3π
d2 /8、すなわちS=πd2 /4±50%の範囲にす
ることが提案されている。
は、通水管16の端部と冷却水通路との位置関係は、通
水管16の端部の内径部と壁面との間に形成される冷却
水流路面積をSとして、S≒πd2 /4とした場合に壁
面近傍での流速が最も速くなり、温度境界層が除去され
て最も熱伝達率が増大する。この為、実際の通水管端部
の位置については、流路面積Sはπd2 /8≦S≦3π
d2 /8、すなわちS=πd2 /4±50%の範囲にす
ることが提案されている。
【0012】ところが、冷却水通路の壁面は複雑な3次
元形状を有しており、端部が平面で構成されている通水
管では上述の条件に合うように通水管の端部を配置する
事が難しいことがある。また、上述の条件に合ったとし
ても壁面の形状によっては、通水管16の端面周囲の一
部のみが大きく開いてしまい、冷却水がその部分のみ多
量に通過するということがある。このような場合、壁面
に沿った冷却水のみの流速を高めるだけではなく、壁面
から遠い部分からの冷却水を吸引したりまた壁面から遠
い部分へ冷却水を吐出したりして、効率的な冷却効果が
得られない恐れがあった。
元形状を有しており、端部が平面で構成されている通水
管では上述の条件に合うように通水管の端部を配置する
事が難しいことがある。また、上述の条件に合ったとし
ても壁面の形状によっては、通水管16の端面周囲の一
部のみが大きく開いてしまい、冷却水がその部分のみ多
量に通過するということがある。このような場合、壁面
に沿った冷却水のみの流速を高めるだけではなく、壁面
から遠い部分からの冷却水を吸引したりまた壁面から遠
い部分へ冷却水を吐出したりして、効率的な冷却効果が
得られない恐れがあった。
【0013】図8は図7のA部の拡大図である。図8の
矢印は冷却水の流れを示しているが、壁面の近傍のみで
はなく、壁面から遠い部分からも冷却水が吸入されるこ
とがわかる。
矢印は冷却水の流れを示しているが、壁面の近傍のみで
はなく、壁面から遠い部分からも冷却水が吸入されるこ
とがわかる。
【0014】本発明は上記課題に鑑みなされたもので、
通水管の端部近傍の冷却水の流れを冷却水通路壁面に沿
った流れとすることにより冷却水の温度境界層を除去
し、壁面の冷却効果の高い冷却装置を提供することを目
的とする。
通水管の端部近傍の冷却水の流れを冷却水通路壁面に沿
った流れとすることにより冷却水の温度境界層を除去
し、壁面の冷却効果の高い冷却装置を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の冷却装置は、内部に冷却水通路が形成された
内燃機関に設けられ、一端が冷却水通路壁面との間に所
定の冷却水流路面積を確保するように配置され、他端が
冷却水通路の他の部分であって前記一端の位置する部分
と冷却水圧力差を生じる部分に配置された通水管を有す
る内燃機関の冷却装置であって、通水管の端部と冷却水
通路壁面との間を通過する冷却水の流路における通水管
の端部と冷却水通路壁面との離間距離を端部の周方向全
体にわたって略一様とすると共に、通水管の端部と冷却
水通路壁面との間を通過する冷却水の流路の断面積が通
水管の内径の断面積に略等しくなるように形成した構成
とする。
に本発明の冷却装置は、内部に冷却水通路が形成された
内燃機関に設けられ、一端が冷却水通路壁面との間に所
定の冷却水流路面積を確保するように配置され、他端が
冷却水通路の他の部分であって前記一端の位置する部分
と冷却水圧力差を生じる部分に配置された通水管を有す
る内燃機関の冷却装置であって、通水管の端部と冷却水
通路壁面との間を通過する冷却水の流路における通水管
の端部と冷却水通路壁面との離間距離を端部の周方向全
体にわたって略一様とすると共に、通水管の端部と冷却
水通路壁面との間を通過する冷却水の流路の断面積が通
水管の内径の断面積に略等しくなるように形成した構成
とする。
【0016】
【作用】通水管の端部と冷却水通路壁面との離間距離
が、端部の全体にわたって略一様となるように形成され
ることにより、通水管端部近傍での冷却水の流れは通水
管の端部周囲全体にわたって壁面に沿った流れとなる。
また、通水管の端部と冷却水通路壁面との間を通過する
冷却水の流路の断面積が通水管の内径の断面積に等しく
なるように形成したことにより、通水管の端部と冷却水
通路壁面との間を通過する冷却水にかかる流路抵抗を増
大させずに冷却水の流速が高められる。
が、端部の全体にわたって略一様となるように形成され
ることにより、通水管端部近傍での冷却水の流れは通水
管の端部周囲全体にわたって壁面に沿った流れとなる。
また、通水管の端部と冷却水通路壁面との間を通過する
冷却水の流路の断面積が通水管の内径の断面積に等しく
なるように形成したことにより、通水管の端部と冷却水
通路壁面との間を通過する冷却水にかかる流路抵抗を増
大させずに冷却水の流速が高められる。
【0017】
【実施例】以下に説明する実施例は、上述の先願例と同
様に吸気先行冷却式の冷却装置に適用されたものであ
り、以下の実施例を説明する各図中において先願例を示
す図6,7,8の構成部品と同等な部品には同一の符号
を付し、その説明は省略する。先ず、本発明の第1実施
例について図1と共に説明する。図1は第1実施例の要
部である通水管16の端部近傍の拡大図であり、先願例
の図7におけるA部に相当する。本第1実施例において
は先願例と同様に、通水管16の端面16aは、通水管
16の延在方向に対して直角に切断された平面により形
成されている。そして、部分的に冷却すべき冷却水通路
13aの傾斜した壁面には、通水管16の外径よりも僅
かに大きな径の座ぐりが施されている。座ぐり深さは、
座ぐりの底面19が燃焼室側壁面20にかからないよう
な深さまでとなっており、通水管16の端面16a全体
は、この座ぐりの底面19と平行に対向するように配置
され固定されている。従って、通水管16の端面16a
と冷却水通路13aの傾斜した壁面に設けられた座ぐり
の底面19とにより形成される冷却水の流路において、
端面16aと座ぐりの底面19との離間距離hは、端面
16aの周方向全体にわたって一様となっている。
様に吸気先行冷却式の冷却装置に適用されたものであ
り、以下の実施例を説明する各図中において先願例を示
す図6,7,8の構成部品と同等な部品には同一の符号
を付し、その説明は省略する。先ず、本発明の第1実施
例について図1と共に説明する。図1は第1実施例の要
部である通水管16の端部近傍の拡大図であり、先願例
の図7におけるA部に相当する。本第1実施例において
は先願例と同様に、通水管16の端面16aは、通水管
16の延在方向に対して直角に切断された平面により形
成されている。そして、部分的に冷却すべき冷却水通路
13aの傾斜した壁面には、通水管16の外径よりも僅
かに大きな径の座ぐりが施されている。座ぐり深さは、
座ぐりの底面19が燃焼室側壁面20にかからないよう
な深さまでとなっており、通水管16の端面16a全体
は、この座ぐりの底面19と平行に対向するように配置
され固定されている。従って、通水管16の端面16a
と冷却水通路13aの傾斜した壁面に設けられた座ぐり
の底面19とにより形成される冷却水の流路において、
端面16aと座ぐりの底面19との離間距離hは、端面
16aの周方向全体にわたって一様となっている。
【0018】ここで、上述の離間距離hは、通水管の内
径dに対してh≒d/4となるように設定されている。
この理由を以下に説明する。いま、通水管16の端面1
6aと座ぐりの底面19との間から通水管16内に流入
する冷却水は、通水管の内径dと離間距離hとで決まる
円筒の側面から流入することになる。この円筒側面の面
積πdhが通水管の管路断面積πd2 /4より小さいと
管路に対して余分な流入抵抗を与えることになり、逆に
面積πdhが大きいと、通水管16入口部近傍での壁面
流速が充分に上昇しない。従って、流入抵抗を増大させ
ない範囲で壁面近傍での流速を最大にするために、上記
円筒側面の面積と管路断面積とを略同等にすることが好
ましい。このため、πdh≒πd2 /4からh≒d/4
となり、このときに最も壁面近傍の流速が高くなり大き
な熱伝達率が得られることになるのである。
径dに対してh≒d/4となるように設定されている。
この理由を以下に説明する。いま、通水管16の端面1
6aと座ぐりの底面19との間から通水管16内に流入
する冷却水は、通水管の内径dと離間距離hとで決まる
円筒の側面から流入することになる。この円筒側面の面
積πdhが通水管の管路断面積πd2 /4より小さいと
管路に対して余分な流入抵抗を与えることになり、逆に
面積πdhが大きいと、通水管16入口部近傍での壁面
流速が充分に上昇しない。従って、流入抵抗を増大させ
ない範囲で壁面近傍での流速を最大にするために、上記
円筒側面の面積と管路断面積とを略同等にすることが好
ましい。このため、πdh≒πd2 /4からh≒d/4
となり、このときに最も壁面近傍の流速が高くなり大き
な熱伝達率が得られることになるのである。
【0019】通水管16の両端に加わる差圧ΔPを一定
に保持したままで壁面からの距離hを変えた場合の熱伝
達率αの値は、h=d/4近傍で最大となりh<d/8
又はh>3d/8の領域では急激に減少することが実験
により知られている。従って離間距離hはd/8≦h≦
3d/8の範囲、すなわちd/4±50%の範囲に設定
するのが適切である。
に保持したままで壁面からの距離hを変えた場合の熱伝
達率αの値は、h=d/4近傍で最大となりh<d/8
又はh>3d/8の領域では急激に減少することが実験
により知られている。従って離間距離hはd/8≦h≦
3d/8の範囲、すなわちd/4±50%の範囲に設定
するのが適切である。
【0020】以上のように、本発明の第1実施例によれ
ば、冷却水通路の傾斜した壁面に座ぐりを施すことによ
り通水管の端面の周囲から一様に壁面近傍の冷却水を吸
入することができ、壁面近傍の冷却水の温度境界層を除
去して良好な壁面の冷却効果を得ることができる。
ば、冷却水通路の傾斜した壁面に座ぐりを施すことによ
り通水管の端面の周囲から一様に壁面近傍の冷却水を吸
入することができ、壁面近傍の冷却水の温度境界層を除
去して良好な壁面の冷却効果を得ることができる。
【0021】なお、通水管16の吐出側の端面(端面1
6aの反対側の端面)においても上述の吸入側端面と同
様な構成とすれば、同様な冷却効果を得ることができ
る。次に、本発明の第2実施例について図2と共に説明
する。図2は第2実施例の要部である通水管16の端部
近傍の拡大図であり、先願例の図7におけるA部に相当
する。本第2実施例においては、通水管16の端面16
bは、通水管16の延長方向に位置する冷却水通路13
aの壁面の傾斜角θと同じ角度を有した平面に形成され
ている。そして、通水管16は、壁面と通水管16の端
面16bが平行に対向して配置されるように固定されて
いる。
6aの反対側の端面)においても上述の吸入側端面と同
様な構成とすれば、同様な冷却効果を得ることができ
る。次に、本発明の第2実施例について図2と共に説明
する。図2は第2実施例の要部である通水管16の端部
近傍の拡大図であり、先願例の図7におけるA部に相当
する。本第2実施例においては、通水管16の端面16
bは、通水管16の延長方向に位置する冷却水通路13
aの壁面の傾斜角θと同じ角度を有した平面に形成され
ている。そして、通水管16は、壁面と通水管16の端
面16bが平行に対向して配置されるように固定されて
いる。
【0022】通水管16の端面16bと冷却水通路13
aの壁面との離間距離hs を、上述の第1実施例と同様
に、端面16bと壁面との隙間により形成される冷却水
の流路面積と通水管16の断面積とで決定される所定の
離間距離範囲内とすれば最も壁面近傍の流速が高くなり
大きな熱伝達率が得られる。このように、第2実施例で
は冷却水通路13aの壁面を加工することなく、通水管
16の端面の加工だけで、第1実施例と同様に良好な壁
面の冷却効果を得ることができる。
aの壁面との離間距離hs を、上述の第1実施例と同様
に、端面16bと壁面との隙間により形成される冷却水
の流路面積と通水管16の断面積とで決定される所定の
離間距離範囲内とすれば最も壁面近傍の流速が高くなり
大きな熱伝達率が得られる。このように、第2実施例で
は冷却水通路13aの壁面を加工することなく、通水管
16の端面の加工だけで、第1実施例と同様に良好な壁
面の冷却効果を得ることができる。
【0023】図3は本発明の第3実施例の要部を示し、
図4(a)は図3の通水管16の端面近傍の拡大図、図
4(b)は図4(a)の矢印B方向から見た図である。
図4(a)は図3の通水管16の端面近傍の拡大図、図
4(b)は図4(a)の矢印B方向から見た図である。
【0024】本実施例では、上述の第1実施例と同様に
冷却水通路13aに座ぐりを設けている。そして、通水
管16の端面16cをその全体にわたって座ぐりの底面
に当接させている。冷却水は端面16cの円周上等分に
設けられた6個の切欠16dを通過して通水管16に吸
引される。この切欠16dの寸法は、夫々の切欠16d
の断面積の和が通水管16の断面積に略等しくなるよう
に決定される。したがって、本実施例も上述の第1実施
例と同様に、通水管16の端面16c近傍の冷却水通路
13aの壁面に沿った冷却水の吸入を効率よく行うこと
ができ、壁面を効率良く冷却することができる。
冷却水通路13aに座ぐりを設けている。そして、通水
管16の端面16cをその全体にわたって座ぐりの底面
に当接させている。冷却水は端面16cの円周上等分に
設けられた6個の切欠16dを通過して通水管16に吸
引される。この切欠16dの寸法は、夫々の切欠16d
の断面積の和が通水管16の断面積に略等しくなるよう
に決定される。したがって、本実施例も上述の第1実施
例と同様に、通水管16の端面16c近傍の冷却水通路
13aの壁面に沿った冷却水の吸入を効率よく行うこと
ができ、壁面を効率良く冷却することができる。
【0025】加えて、本実施例においては、通水管16
の端面16cが冷却水通路13aの壁面に設けられた座
ぐりに当接しているため、壁面から通水管16に直接熱
が伝達され、これにより壁面の冷却効率をさらに高める
ことができる。
の端面16cが冷却水通路13aの壁面に設けられた座
ぐりに当接しているため、壁面から通水管16に直接熱
が伝達され、これにより壁面の冷却効率をさらに高める
ことができる。
【0026】また、本実施例では通水管をシリンダヘッ
ドに挿入して取り付ける際に、冷却水通路の壁面と通水
管の端面との離間距離を精度良く決定する必要がなく、
壁面に設けられた座ぐり面に当接するまで挿入してやれ
ばよい。よって、組み立て作業が簡単になるという効果
も得られる。
ドに挿入して取り付ける際に、冷却水通路の壁面と通水
管の端面との離間距離を精度良く決定する必要がなく、
壁面に設けられた座ぐり面に当接するまで挿入してやれ
ばよい。よって、組み立て作業が簡単になるという効果
も得られる。
【0027】なお、本実施例は端面16cに6個の切欠
16dを設けているが、切欠の数は通水管16の周囲全
体から一様に冷却水を吸入できれば、6個以上でもまた
以下でもかまわない。また、通水管16の吐出側の端面
(端面16cの反対側の端面)においても上述の吸入側
端面と同様な構成とすれば、同様な冷却効果を得ること
ができる。図5は上述の第3実施例の通水管16の切欠
16dを螺旋状の切欠16eとしたものであり、図5
(a)は通水管16の端面16c近傍の側面図、図5
(b)は図5(a)の矢印B方向から見た図である。図
5(b)に示すように、通水管16の端面16cに設け
られた4個の切欠16eは、螺旋状に形成されており、
冷却水がこの切欠16eを通過する時に乱流となり、壁
面近傍の冷却水に生じる温度境界層の除去の促進を図っ
たものである。
16dを設けているが、切欠の数は通水管16の周囲全
体から一様に冷却水を吸入できれば、6個以上でもまた
以下でもかまわない。また、通水管16の吐出側の端面
(端面16cの反対側の端面)においても上述の吸入側
端面と同様な構成とすれば、同様な冷却効果を得ること
ができる。図5は上述の第3実施例の通水管16の切欠
16dを螺旋状の切欠16eとしたものであり、図5
(a)は通水管16の端面16c近傍の側面図、図5
(b)は図5(a)の矢印B方向から見た図である。図
5(b)に示すように、通水管16の端面16cに設け
られた4個の切欠16eは、螺旋状に形成されており、
冷却水がこの切欠16eを通過する時に乱流となり、壁
面近傍の冷却水に生じる温度境界層の除去の促進を図っ
たものである。
【0028】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば通水管の端
部と冷却水通路壁面との間を通過する冷却水の流路にお
ける通水管の端部と冷却水通路壁面との離間距離を端部
の周方向全体にわたって略一様とすると共に、通水管の
端部と前記冷却水通路壁面との間を通過する冷却水の流
路の断面積が通水管の内径の断面積に等しくなるように
形成したことにより、通水管端部周囲近傍での冷却水の
流れは壁面に沿った流れとなり、且つ流速が高められ壁
面近傍に生じる冷却水の温度境界層が効率良く除去さ
れ、冷却効果の高い冷却装置が実現できる。
部と冷却水通路壁面との間を通過する冷却水の流路にお
ける通水管の端部と冷却水通路壁面との離間距離を端部
の周方向全体にわたって略一様とすると共に、通水管の
端部と前記冷却水通路壁面との間を通過する冷却水の流
路の断面積が通水管の内径の断面積に等しくなるように
形成したことにより、通水管端部周囲近傍での冷却水の
流れは壁面に沿った流れとなり、且つ流速が高められ壁
面近傍に生じる冷却水の温度境界層が効率良く除去さ
れ、冷却効果の高い冷却装置が実現できる。
【図1】本発明の第1実施例の要部を示す図である。
【図2】本発明の第2実施例の要部を示す図である。
【図3】本発明の第3実施例の要部を示す図である。
【図4】図4の通水管の端面近傍の側面図及び底面図で
ある。
ある。
【図5】切欠を螺旋状に形成した通水管の端面近傍の側
面図及び底面図である。
面図及び底面図である。
【図6】先願例の全体の構成を説明する簡略図である。
【図7】先願例の要部である通水管16を示す図であ
る。
る。
【図8】図7のA部の拡大図である。
11 冷却装置 12 ラジエータ 13 シリンダヘッド 13a 冷却水通路 13b 先行冷却通路 14 ウォータポンプ 15 シリンダブロック 16 通水管 16a,16b,16c 端面 16d,16e 切欠 19 底面 20 燃焼室側壁面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松代 隆一 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内 (56)参考文献 実開 昭53−101127(JP,U) 実開 昭62−116147(JP,U) 実開 昭55−25680(JP,U) 実開 昭56−25036(JP,U) 実開 昭62−12722(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01P 3/02 F02F 1/40 F02F 1/14
Claims (1)
- 【請求項1】 内部に冷却水通路が形成された内燃機関
に設けられ、一端が冷却水通路壁面との間に所定の冷却
水流路面積を確保するように配置され、他端が冷却水通
路の他の部分であって前記一端の位置する部分と冷却水
圧力差を生じる部分に配置された通水管を有する内燃機
関の冷却装置であって、 前記通水管の端部と前記冷却水通路壁面との間を通過す
る冷却水の流路における前記通水管の端部と前記冷却水
通路壁面との離間距離を前記端部の周方向全体にわたっ
て略一様とすると共に、前記通水管の端部と前記冷却水
通路壁面との間を通過する冷却水の流路の断面積が前記
通水管の内径の断面積に略等しくなるように形成したこ
とを特徴とする内燃機関の冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4232191A JP2821833B2 (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 内燃機関の冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4232191A JP2821833B2 (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 内燃機関の冷却装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0681646A JPH0681646A (ja) | 1994-03-22 |
JP2821833B2 true JP2821833B2 (ja) | 1998-11-05 |
Family
ID=16935423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4232191A Expired - Fee Related JP2821833B2 (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | 内燃機関の冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2821833B2 (ja) |
-
1992
- 1992-08-31 JP JP4232191A patent/JP2821833B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0681646A (ja) | 1994-03-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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