JP2892766B2 - 樹脂組成物及び積層体 - Google Patents

樹脂組成物及び積層体

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JP2892766B2 JP2111994A JP11199490A JP2892766B2 JP 2892766 B2 JP2892766 B2 JP 2892766B2 JP 2111994 A JP2111994 A JP 2111994A JP 11199490 A JP11199490 A JP 11199490A JP 2892766 B2 JP2892766 B2 JP 2892766B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、ガスバリアー性、接着性、成形性、透明性
に優れた、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物とポリ
オキサゾリン化合物よりなる樹脂組成物、及び該組成物
を少なくとも一層含む積層体に関する。
B.従来の技術 包装材料に対する要求性能は、機械的強度、透明性、
ガスバリアー性や防湿性に関する保存性、経済性等多岐
にわたっている。エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物
(以下EVOHと略称する)はその優れたガスバリアー性に
より、包装材料のガスバリアー材として、他のポリマー
と複合されて広く使用されている。しかし、ナイロン以
外のポリマーとは共押出し時に接着しないため、接着性
樹脂をEVOHと該ポリマーの間に介在させる必要があり、
装置が複雑となり、装置上の制限を受けるという欠点が
あった。
この欠点克服の為、EVOH又は該ポリマーに接着性を与
える方法として、特公昭51−43074には、EVOHとポリオ
レフィンとの組成物からなる少なくとも1つの層を含
む、共押出し樹脂積層物について述べられている。しか
し該樹脂積層物は、EVOHとポリオレフィンとの層間接着
力があまり大きくなく、かつ組成物の透明性が良くない
という欠点がある。
またEVOHの溶液を、他の樹脂にコーティングする場合
にも、そのままでは接着しないため、あらかじめ基材に
接着剤を下塗りする必要があり、工程が長くなるという
欠点があった。事実特開昭60−124661には、エチレン含
有量25〜55モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度90モル%以
上のEVOHの溶液を基材に塗布、乾燥して該鹸化物の塗膜
を形成する方法について述べられている。しかし該発明
は、本文及び実施例から明らかなように、EVOH層と基材
との十分な層間接着力を得るためには、ポリウレタン系
化合物等のアンカーコート処理が必要である。
特公昭45−30600には、ポリエチレンイミンをEVOH溶
液に配合する方法について述べられている。しかし該発
明は、ポリエチレン等のポリオレフィン系ポリマーには
接着するが、他のポリマーには良好な接着力を有してい
ない。
又、U.S.P.4459400(特開昭60−144330)、U.S.P.448
1238(特表昭60−501312)、及び特開平1−154754に
は、EVOHとポリエステルアミドとの混合物の溶液につい
て述べられている。しかし該混合溶液は、EVOHとポリエ
ステルアミドとのエステル交換反応が起こり、溶液の放
置安定性に問題がある。
又、U.S.P.4464438には、EVOH30〜70%、ポリビニル
アルコール20〜60%、ポリ(2−エチル−2−オキサゾ
リン)(以下PEOXと略称する)5〜20%よりなる不透明
なフィルム、及び少なくとも一層のポリオレフィン層を
含む共押出しフィルムについて記されている。しかし、
該発明はポリビニルアルコールが混合されている為、耐
熱水位がなく、しかも不透明であるという欠点がある。
更に該組成物の熟成形性改善効果や、該組成物とポリオ
レフィンとの共押出しフィルムについての層間接着力が
充分とはいえない。
この様に、工程や装置の簡略化や製品のコスト低下の
点から、ガスバリアー性に優れたEVOHと他のポリマーを
積層して包装材料を得る方法は重要であり、従来より種
々検討されてはいるが、ガスバリアー性、接着性、成形
性、放置安定性に優れたEVOHは未だ開発されておらず、
業界では切望されている。
C.発明が解決しようとする課題 本発明は、工程や装置の簡略化や製品のコスト低下の
弟、ガスバリアー性、接着性、成形性、透明性、放置安
定性に優れたEVOH組成物、及び該組成物を少なくとも一
層含む層間接着性の優れた積層体を得んとするものであ
る。
D.課題を解決する為の手段 本発明者は、上記問題点の認識の元に鋭意研究を重ね
た結果、EVOH60〜9 8重量%、ポリオキサゾリン化合
物(以下PAOXと略称する)2〜40重量%よりなり、それ
以外の成分の配合割合が15重量%以下である樹脂組成物
が、ガスバリアー性、接着性、成形性、透明性、放置安
定性に優れたEVOHである事を見出だし、本発明を完成す
るに至った。
以下、本発明を更に詳しく説明する。本発明におい
て、EVOHのエチレン含有量は20〜60モル%、好ましくは
25〜55モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度は90モル%以
上、好ましくは95モル%以上である。エチレン含有量が
20モル%未満では、熱溶融性と耐水性が悪化し、高湿時
のガスバリアー性も低下する。一方、60モル%を越える
と十分なガスバリアー性が得られない。又、鹸化度が90
モル%未満でも、熱溶融性と耐水性が悪化し、高湿時の
ガスバリアー性も低下する。
又、EVOHには更に少量のプロピレン、イソブテン、4
−メチルペンテン−1、ヘキセン、オクテン等のα−オ
レフィン、イタコン酸、メタクリル酸、アクリル酸、無
水マレイン酸等の不飽和カルボン酸、その塩、その部分
又は完全エステル、そのニトリル、そのアミド、その無
水物、不飽和スルホン酸、その塩、ビニルトリメトキシ
シラン等のビニルシラン系化合物等の共重合成分を含ん
でいても差支えない。
又、EVOHはエチレン共重合比率の異なる2種以上のEV
OHの混合物であってもよく、又、重合度の異なる2種以
上のEVOHの混合物であってもよい。
本発明において、PAOXとしては、下記一般式で表され
るオキサゾリン化合物の1種又は2種以上を開環重合し
て得られるものが代表的なものとしてあげられる。
又、前記オキサゾリン化合物を開環重合して得られる
PAOXは、次式で表される構造単位を有する重合体であ
る。
PAOXとしては、特にRがエチル基であるPEOXが好まし
く、又、分子量5万〜50万のものが好適である。なお本
発明においては、ポリオキサゾリン化合物として、前記
構造単位を有する重合体の他にその誘導体、変性物等も
含まれる。
EVOHとPAOXの樹脂組成は、EVOHが60〜98重量%、PAOX
が2〜40重量%、好ましくはEVOHが70〜97重量%、PAOX
が3〜30重量%である。PAOXが2重量%未満では他の樹
脂との接着性が悪く、満足な複合構造物は得られない
し、熱成形性の改善も充分でない。一方、PAOXが40重量
%を越えるとガスバリアー性が低下するだけでなく、樹
脂組成物の透明性等外観が悪化する。
本発明において透明性が優ていることは大きな特徴で
あり、ここで透明性が優れるとは、樹脂組成物を加熱溶
融し、厚さ約25μのフィルム状にした時のヘイズ度(AS
TM D l003による)が25%以下、好適には20%以下、最
適には15%以下の物を言う。
又、本発明の前記樹脂組成物には、本発明を阻害しな
い範囲で、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、ス
リップ剤、帯電防止剤、可塑剤等の各種添加剤、ポリア
ミド、ポリオレフィン等の各種掛脂を配合しても良い。
これ等の配合割合は、組成物全体に対して15重量%以下
である。
前記樹脂組成物を得る方法としては、バンバリーミキ
サー、単軸あるいは二軸スクリュー押出し機、ブラベン
ダープラストグラフ等を用いる方法、あるいは各成分を
直接各種成形機に供給する方法がある。又、前記樹脂組
成物を溶液として用いる場合には、樹脂組成物を水−ア
ルコール混合溶媒に溶解して溶液とする方法があげられ
る。
ここでアルコールとは、t−ブタノール、n−ブタノ
ール、i−ブタノール、n−プロパノール、i−プロパ
ノール、エタノール、メタノール、ベンジルアルコール
等の1価アルコール、エチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、プロピレングリコール等の2価アルコー
ル、グリセリン等の3価アルコール、あるいはこれ等の
混合物である。水−アルコール混合溶媒の各成分の配合
割合は、水20〜70重量%、アルコール80〜30重量%であ
る。
又、水−アルコール混合溶媒には、本発明を阻害しな
い範囲で、蟻酸、酢酸等のカルボン酸類、フェノール、
クレゾール等のフェノール類、エチレンジアミン、トリ
メチレンジアミン等のアミン類、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン等のアミド類、ジメチルスル
ホキシド等の内1種又は2種以上を混合しても良い。
更に水−アルコール混合溶媒には、本発明を阻害しな
い範囲で、界面活性剤、レベリング、消泡剤等を混合し
ても良い。
この様にして得られた本発明の樹脂組成物は、ガスバ
リアー性、接着性、透明性、成形性に優れており、他の
基材、特に樹脂と積層する時に、優れた層間接着性が付
与され、更に工程や装置の簡略化による製品のコスト低
下が可能となる。
本発明において、積層体を得る方法としては、前記樹
脂組成物の溶液を他の基材、特に樹脂(コロナ処理やプ
ラズマ処理、火炎処理、オゾン処理等の表面処理が行わ
れていても良い)にグラビアコーター、スプレーコータ
ー、エアーナイフコーター、コンマコーター、ナイフコ
ーター等の方法や浸漬によりコーティング後、乾燥する
方法、更に該積層体を熱成形、二軸延伸加工、延伸ブロ
ー成形する方法がある。
又、前記樹脂組成物と他の樹脂を共射出し有底パリソ
ンを得、該パリソンを延伸ブローする方法、該樹脂組成
物と他の樹脂を共押出しパリソンを得、該パリソンをダ
イレクトブローする方法、該樹脂組成物と他の樹脂を共
押出しする事によりシート又はフィルムを得る方法、該
シート又はフィルムを他のシート又はフィルムとラミネ
ートする事によりシート又はフィルムを得る方法、更に
該シート又はフィルムを真空成形、庄空成形、真空圧空
成形、プラグアシスト真空圧空成形、固相圧空成形等の
熱成形する方法等があげられる。
この様にして得られた樹脂積層体は、層間接着性が優
れているのみならず、ガスバリアー性、保香性、可塑剤
の遮断怯、及び耐油性に優れており、フィルム、袋、カ
ップ、ボトル、チューブ等の形態で食品、飲料、嗜好
品、医薬品、工業製品等の包装や、パイプ、合板、塩ビ
壁紙、塩ビ銅板等の建材等各種分野に広く使用される。
本発明の樹脂組成物と他の基材、特に樹脂とは互いに
隣接して積層されるが、必要に応じ、接着剤を介して積
層することもできる。層構成としては樹脂組成物層を少
なくとも一層有し、かつ他の樹脂を少なくとも一層有す
る。例えば他の樹脂をTR、樹脂組成物層をBとした時、
TR/B、TR/B/TR、TR/B/TR/B/TR、B/TR/B、B/TR/B/TR等が
あげられる。
ここで他の基材、特に樹脂としては熱可塑性樹脂、特
に耐湿性熱可塑性樹脂、例えばポリエステル、ポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ポリスルホン、ポリメチルペンテン、ポリブテ
ン−1、ポリジエン化合物(ポリブタジエン、ポリイソ
プレン等)、ポリアクリロニトリル等があげられる。こ
の内、特にポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルが
好適である。
ここで、ポリエステルとしては、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニル−2,2−プロパン、グリセリン、ペンタエリス
リトール等の多価アルコール成分と、パラヒドロキシ安
息香酸、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の
ヒドロキシカルボン酸成分と、テレフタール酸、イソフ
タール酸、各種ナフタリンジカルボン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ピメリン酸、アジピン酸、グルタル
酸、コハク酸等の多価カルボン酸及びそのエステル成分
を原料として得られるポリエステル等があげられる。
ポリアミドとしては、ヘキサメチレンジアミン、ピペ
ラジン、テトラメチレンジアミン、エチレンジアミン、
メタキシリレンジアミン等のジアミン成分と、δ−バレ
ロラクタム、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタ
ム、ω−アミノウンデカン酸、ω−アミノドデカン酸等
のアミノカルボン酸成分と、テレフタール酸、イソフタ
ール酸、各種ナフタリンジカルボン酸、アゼライン酸、
セバシン酸、ピメリン酸、アジピン酸、グルタル酸、コ
ハク酸等の多価カルボン酸成分を原料として得られるポ
リアミド等があげられる。
ポリカーボネートとしては、4,4′−ジヒドロキシジ
フェニル−2,2−プロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェ
ニル−1,1−エタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン等のジオール成分とジフェニルカーボネートやホ
スゲン等の炭酸誘導体から、一般に知られている方法で
合成されるポリカーボネート等があげられる。
ポリ(メタ)アクリレートとしては、アクリル酸、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリロニト
リル等のα,β−不飽和カルボン酸及びその誘導体から
(時によりスチレンを共重合成分として含む)、一般に
知られている方法で合成されるもの等があげられる。
ポリプロピレンとしては、プロピレンのホモポリマ
ー、及びプロピレンを主成分とする、エチレン、プチン
−1、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレ
ン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン等との共重
合体、更には無水マレイン酸等のカルボン酸でグラフト
変性されてたもの等があげられる。
ポリエチレンとしては、エチレンのホモポリマーであ
る高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポ
リエチレン、及びエチレンを主成分とする、プロピレ
ン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−メチレン−2−ノルボルネン、酢酸ビニル、酢
酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸等との共重合体、又、アクリル酸やメタクリ
ル酸との共重合体においては、ナトリウム、亜鉛、アル
ミニウム等で架橋されていても良い。又、酢酸ビニルと
の共重合体においては、酢酸ビニル成分の一部又は全て
が鹸化されていても良い。又、ポリエチレンは、無水マ
レイン酸等のカルボン酸でグラフト変性されていても良
い。
ポリ塩化ビニルとしては、塩化ビニルのホモポリマ
ー、及び塩化ビニルを主成分とする、酢酸ビニル、酢酸
ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル等との共重合体、更
にこの重合体に25〜55%の可塑剤を含むもの等があげら
れる。可塑剤としては、フタール酸ジブチル、フタール
酸ジ−2−エチルヘキシル、フタール酸ジイソオクチ
ル、フタール酸ジイソデシル、フタール酸ジデシル、フ
タール酸ジノニル、フタール酸ジラウリル、フタール酸
ブチルラウリル、フタール酸ブチルベンジル、フタール
酸ジシクロヘキシル、トリクレジルホスフェート、トリ
ブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフ
ェート、トリメリット酸トリオクチル、塩素化パラフィ
ン等があげられる。
ポリスチレンとしては、スチレンのホモポリマー、及
びスチレン、及びα−メチルスチレンを主成分とする、
ジビニルベンゼン、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、イソブテン、イソプレン、アクリロニトリル、ブタ
ジエン、メタクリル酸メチル等との共重合体、更にはこ
れにポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ブチル
ゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム等
が配合されたもの等があげられる。
ポリスルフォンとしては、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホンのホモポリマー、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニル−2,2−プロパンとの共重合体等があげられ
る。
ポリメチルペンテン、ポリブテン−1とは、それぞれ
4−メチルペンテン−1、ブテン−1を主成分とする、
エチレン、プロピレン、ブテン−2、イソブテン、ヘキ
セン−1等のオレフィンとの共重合体等があげられる。
ポリジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン
の重合体又は共重合体、特に1,2結合が85%以上、結晶
化度10〜40%、平均分子量10数万のブタジエン系重合体
があげられる。
ポリアクリロニトリルとしては、アクリロニトリルを
主成分とする、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸エチル、
ブタジエン等との共重合体等があげられる。
前記した樹脂のうち透明なものがより好ましいが、特
に透明であることが必須とするものではない。
本発明において、これら他の樹脂には、本発明を阻害
しない範囲で他の共重合成分を共重合しても良いし、可
塑剤、酸化防止剤、スリップ剤、滑剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、色剤、無機塩類、ガラス繊維、マイカ等の
充填材、及びその他の樹脂等を含んでいても良い。更に
発泡状態であっても良い。
又、樹脂以外の基材としては、紙等があげられる。
以下実施例により、本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれによってなんら限定を受けるものでは
ない。なお部、%とあるのは、特に断りのない限りいず
れも重量基準である。
E.実施例 実施例1 水35%とn−プロパノール65%を含む混合溶媒90部
に、エチレン含有量32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度
99.5モル%、MI(190℃、荷重2160gで測定した値、以下
同じ)が1.4g/10分のEVOHを9.5部と、分子量20万のPEOX
を0.5部加え、80℃で2時間攪拌し、固形分濃度10%の
透明な溶液を調整した。
上記溶液を20℃の恒温室に4日間放置し、放置後の溶
液の400nmにおける透過率を測定した。この溶液は透過
率90%を確保しており、放置安定性は、良好であった。
可塑剤としてジオクチルフタレートを5.2部含有する7
0μの硬質ポリ塩化ビニルフィルムに、アプリケーター
コート法にて塗布し、70℃で10分間の乾燥を行い、EVOH
の膜厚5μのコートフィルムを得た。
該積層物にセロハンテープで裏打し、コート膜を補強
して、コート膜と基材とのT剥離強度を測定したとこ
ろ、60g/15mmであった。
なお該積層物の酸素ガス透過量は、6.2ml/m2・日・気
圧と良好であった。一方、前記EVOH95%と、前記PEOX5
%をドライブレンドし、20mmφの押出し機を用い、240
℃で溶融製膜し、厚さ25μの単層フィルムを得た。該フ
ィルムのヘイズ度は3と良好であった。
比較例1 実施例1において、PEOXを0.5部加えなかった以外は
実施例1に準じて行った。
該積層物の酸素ガス透過量は6.0ml/m2・日・気圧と良
好であったが、T剥離強度を測定したら、両者は接着し
ておらず容易に剥離した。
比較例2 実施例1において、PEOXをアゼライン酸0.5モル、ピ
ペラジン0.41モル、シクロヘキサンジメタノール0.09モ
ルより得られるポリエステルアミドに変更した以外は実
施例1に準じて行い、透明な溶液を調整した。
この溶液を20℃の恒温室に4日間放置し、放置後の溶
液の400nmにおける透過率を測定した。この溶液は透過
率30%に低下しており、放置安定性は、不良であった。
実施例2 エチレン含有量44モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.5モル%、MIが4.4g/10分のEVOHを80部と、分子量20万
のPEOXを20部を配合し、二軸スクリュータイプ、ベント
式40φ押出し機にて窒素雰囲気下、200℃で押出しペレ
ット化を行った。得られたペレットを80℃,8時間乾燥し
た。
固有粘度0.68dl/gのポリエチレンテレフタレート(以
下PETと略称する)をバレル温度285℃の1次射出成形機
に仕込み、次いで、該EVOH組成物をバレル温度245℃の
2次射出成形機に仕込んだ。
次いで、280℃に設定した多層ホットランナーノズル
より金型ゲートを通して、まずPETを温度20℃のパリソ
ンキャビティーに一部射出し、射出開始1.2秒後、0.1秒
間PETの射出を中断した。一方該組成物は射出開始1.2秒
後、前記多層ホットランナーノズルより前記金型ゲート
を通して、前記パリソンキャビティーに同心円状に射出
した。PETは0.1秒間の射出を中断後は再度該組成物と共
に射出を続けた。この時射出するPETの樹脂量を、同時
に射出する該組成物の樹脂量より多くすることにより、
該組成物は表皮としてパリソンキャビティーの表面に出
ることはなく、PETが該組成物を包みつつ、パリソンキ
ャビティーを進行した。
次いで該組成物の射出を停止した後、やや遅れてPET
の射出を停止し、パリソンキャビティー内に樹脂を完全
に満たすことにより、該組成物をPETで完全に包込むこ
とができた。
かくして、PETを両外層とし、該組成物を中間層とし
た共射出多層有底パリソンを得た。
得られた多層パリソンを温調ポットに移し、多層パリ
ソンを110℃に加熱し、次いで該パリソンをブロー金型
に移し、延伸ロッドにより軸方向に2倍延伸し、同時に
周方向に3倍延伸して、金型形状に添わせ、冷却後取出
し、容量1.5l、目付60gの透明性の良好なボトルを得
た。
該ボトルの胴部側壁の総厚は380μ、層構成は、内層P
ET240μ、中間層組成物20μ、外層PET120μであった。
又、中間層には厚みムラがなく、又ピンホールの発生も
みられなかった。
該ボトルに水を十分充填し、1mの高さから、コンクリ
ート面に、容器底部を下にして垂直に落下させたが、層
間剥離は起こらず、外観変化もなかった。
該ボトルの酸素ガス透過量は、容器当り0.14ml/日・
気圧と良好であった。
比較例3 実施例2において、PEOXを20部加えなかった以外は実
施例2に準じて行い、同様なボトルを得た。該ボトルに
水を充填し、1mの高さから落下させたところ、著しい層
間剥離が起こった。
実施例3 エチレン含有量32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.7モル%、MIが1.3g/10分のEVOHを55部と、エチレン含
有量44モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.5モル%、MI
が4.4g/10分のEVOHを30部と、分子量2 5万のPEOXを1
5部を配合し、二軸スクリュータイプ、ベント式40φ押
出し機にて窒素雰囲気下、230℃で押出しペレット化を
行った。得られたペレットを80℃,8時間乾燥した。
該ペレットを用いてフィードブロック型2種3層共押
出し装置にかけシートを作成した。シートの構成は、両
外層ポリプロピレン(三菱ノーブレンMA−6)が850
μ、中間層該組成物が50μであった。得られたシート
を、真空圧空成形機にかけ(延伸速度9×105%/
分)、155℃で固相圧空成形(SPPF)を行った。なお絞
り比L/Dは1であった。得られた成形物は、透明性、外
観が良好であった。しかも中間層該組成物の厚みムラは
なく、又ピンホールの発生も見られなかった。一方、前
記ペレットを20mmφの押出し機を用い、240℃で溶融製
膜し、厚さ25μの単層フィルムを得た。該フィルムのヘ
イズ度は8と良好であった。
比較例4 実施例3において、エチレン含有量44モル%、酢酸ビ
ニル成分の鹸化度99.5モル%、MIが4.4g/10分のEVOH30
部を、重合度2400、酢酸ビニル成分の鹸化度98.5モル%
のポリビニルアルコール30部に変更した以外は実施例3
に準じて行った。得られた成形物は、不透明であり、絞
りムラが激しく外観は極めて不良であった。該成形物の
中間層該組成物に厚みムラがあり、両外層をトルエンで
溶解除去し、該中間層を観察したが、ピンホールが各所
に発生していた。一方、前記ペレットを20mmφの押出し
機を用い、240℃で溶融製膜し、厚さ25μの単層フィル
ムを得た。該フィルムのヘイズ度は45と極めて不良であ
った。
F.発明の効果 本発明によれば、工程や装置の簡略化や製品のコスト
低下が可能な、ガスバリアー性、接着性、成形性、透明
性、放置安定性に優れた、EVOH組成物、及び該組成物を
少なくとも一層含む積層体を得る事ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 29/04 79:00)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含有量20〜60モル%、酢酸ビニル
    成分の鹸化度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重
    合体鹸化物60〜98重量%及びポリオキサゾリン化合物2
    〜40重量%よりなり、それ以外の成分の配合割合が15重
    量%以下である樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の樹脂組成物層を少なくとも
    一層含む積層体。
  3. 【請求項3】請求項1記載の樹脂組成物を、水−アルコ
    ール混合溶媒に溶解し、得られた溶液を基材層にコーテ
    ィングしてなる積層体。
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