JP2890010B2 - 鉄道車両の車輪止め装置及び該車輪止め装置を備えた鉄道車両立体格納設備 - Google Patents

鉄道車両の車輪止め装置及び該車輪止め装置を備えた鉄道車両立体格納設備

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JP2890010B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両の車輪止め装
置及び該車輪止め装置を備えた鉄道車両立体格納設備に
関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両立体格納設備に関する提案とし
て、鉄道車両用のレールを有する格納部が各階に設けら
れてなる多層構造の格納庫と、鉄道車両の昇降台を備え
た車両昇降装置とが前後に連接されてなるものが知られ
ている(特公昭54−6798号公報参照)。このもの
では、鉄道車両の入出庫線が上記車両昇降装置を挾んで
上記格納庫の向かい側に延設されていて、鉄道車両を入
出庫線から車両昇降装置の昇降台に乗入れ、該昇降台を
上記格納庫の入庫予定階に上昇せしめて車両を当該階の
格納部にその自走によって入庫するようになっている。
【0003】上記立体格納設備の場合、鉄道車両を昇降
台から格納部に自走によって入庫するようになっている
から、昇降台上では運転手がブレーキを作動させて鉄道
車両の偶発的移動を阻止することができるが、格納庫で
は格納した鉄道車両が地震等によって偶発的に走り出す
ことを防止する必要があり、また、立体格納設備に限ら
ず多数の側線を平面的に分岐配線してなる格納設備(操
車場)でも同様の要求がある。
【0004】このような鉄道車両の偶発的な移動を阻止
する手段として、可動式の車輪止め装置は一般に知られ
ている。例えば、一対の平行なレール間に配置した車輪
止めを関係転てつ器と連動させてレール上に横移動させ
るようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の可動式
車輪止め装置の場合、レール上での車輪の停止位置が前
後にずれると、車輪止めが車輪の側面に当たってレール
上に移動しなかったり、レール上に移動しても車輪との
間に比較的広い隙間を生じて所期の車輪止め機能を十分
に発揮しなかったりする懸念がある。
【0006】また、このように、可動式車輪止め装置に
充分な信頼性が得られない場合、上述の如き立体格納設
備では、昇降台上での鉄道車両の車輪止めとしての適用
が難しくなる。このため、鉄道車両の入出庫に必ず運転
手を必要とすることになり、入出庫の自動化が図れな
い。
【0007】すなわち、本発明の課題は、このような問
題を解決する鉄道車両の車輪止め装置を提供するととも
に、当該車輪止め装置を用いた鉄道車両の立体格納設備
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題に対して、車止め部材をレール側方からの回転移動に
よってレール上に配置できるようにするとともに、その
回転移動面をレールに対し傾斜させるものである。
【0009】すなわち、上記課題を解決する鉄道車両の
車輪止め装置は、レール上に停止した鉄道車両の移動を
阻止するためのものであって、上記レールの上面と車輪
の踏づらとがなす隅部に嵌まる楔を先端に有する車輪止
めアームと、上記レールの側方に設けられて上記車輪止
めアームを回動自在に支持し、且つ該車輪止めアームの
楔が上記隅部に嵌まる車輪止め位置とレール側方の退避
位置との間で上記隅部の前方若しくは側方へ前上がりに
傾斜した平面上を移動するよう軸線が上記隅部の前方若
しくは側方へ前下りに傾斜したヒンジピンと、上記車輪
止めアームを回動させる駆動手段とを備えていることを
特徴とするものである。
【0010】この場合、上記ヒンジピン及び平面の傾斜
方向としての「隅部の前方若しくは側方へ」とは、前方
及び側方のうちのいずれか一方のみを意味するのではな
く、その中間の「斜め前」を含む意である。
【0011】また、上記課題を解決する鉄道車両の立体
格納設備は、鉄道車両用のレールを有する格納部が各階
に設けられてなる多層構造の格納庫と、上記格納庫の前
方に設けられ、鉄道車両用のレールが敷設された昇降台
を該昇降台のレールが上記格納庫の各格納部のレールに
接続するよう上記格納庫の各階位置に昇降せしめる車両
昇降装置とを備え、上記昇降台に、該昇降台上での鉄道
車両の前移動阻止用と後移動阻止用として、請求項1に
記載の2台の車輪止め装置が各々そのヒンジピンを昇降
台のレール側方部位に配置して設けられていることを特
徴とする。
【0012】
【作用】上記鉄道車両の車輪止め装置においては、車輪
止めアームの楔は、該車輪止めアームのヒンジピンの軸
線が上記隅部の前方若しくは側方に前下りに傾斜してい
ることから、レール上面と車輪の踏づらとがなす隅部に
対し、その斜め前の上方から後方へ斜めに下降しながら
嵌まり込んでくる。つまり、当該楔はレール左右方向の
移動と前後方向の移動と上下方向の移動とを行なうこと
になる。そうして、これらの各移動は以下の作用を呈す
る。
【0013】 上記左右方向の移動は、レール上の車
輪止め位置とレール側方の退避位置との間の楔の移動を
可能にする。
【0014】 上記前後方向の移動は、レール上での
車輪の停止位置が前後に若干ずれてもこれを許容する。
【0015】 上記上下方向の移動は前後方向の移動
と相俟って、上記楔をレールの上面と車輪の踏みづらと
の双方に確実に接触せしめて、車輪止めに有効な楔効果
を得る。
【0016】ここで、上記についてもう少し説明する
と、上記楔を単に水平に回動させるだけの場合、上記
及びの作用は得られるが、の作用は得られない。す
なわち、楔が車輪止め位置においてレール上面に実質的
に接触した状態になるようにするには、レール上面と楔
下面との高低差がほとんどないようにする必要がある。
しかし、レールは鉄道車両の輪荷重を受けて下方に若干
沈むのが通常であり、さらには経年変化など他の要因に
よっても沈むことが考えられるから、このようなレール
の上下動を見込んで上記楔の水平回動高さを設定するこ
とは、実際上は困難である。
【0017】従って、上述の如く、楔を水平に回動させ
る方式の場合、レールとの干渉を生ずることを確実に防
止すべく、楔高さをレール上面よりもかなり高くする必
要がある。そのため、当該楔は楔効果によって車輪の移
動を止めることはできず、車輪止めアームの駆動手段の
動力のみによって車輪を止める必要を生ずる。このこと
は、上記駆動手段として大きな動力を必要とするだけで
なく、楔を車輪に対する当接位置に移動させた後にも駆
動手段による駆動を解除できないことを意味する。
【0018】以上の説明から明らかなように、本手段の
場合、鉄道車両に外力が偶発的に作用しても、当該外力
は楔効果によって車輪から楔を介してレール上面で受け
られることになり、楔を車輪止め位置に一旦移動させた
後は、駆動手段による車輪止めアームの駆動を解除する
ことができる。
【0019】また、上記鉄道車両の立体格納設備におい
ては、2台の上記車輪止め装置が昇降台上での鉄道車両
の前移動阻止用と後移動阻止用として、各々そのヒンジ
ピンを当該昇降台のレール側方に配置して設けられてい
るから、昇降台に搭載された鉄道車両の昇降中における
偶発的な前移動及び後移動が確実に阻止される。
【0020】
【発明の効果】従って、上記鉄道車両の車輪止め装置に
よれば、先端に楔を有する車輪止めアームのヒンジピン
をレールの側方においてレール上面と車輪とがなす隅部
の前方若しくは側方へ前下りに傾斜させて配置し、該車
輪止めアームの楔が上記隅部に嵌まる車輪止め位置とレ
ール側方の退避位置との間で上記隅部の前方若しくは側
方へ前上がりに傾斜した平面上を移動するようにしたか
ら、レール上での車輪停止位置が前後にずれても楔を車
輪止め位置に移動できるようにしながら、当該楔をレー
ルの上面と車輪の踏みづらとの双方に確実に接触せしめ
て、車輪止めに有効な楔効果を得ることができる。
【0021】また、上記鉄道車両の立体格納設備によれ
ば、多層構造の格納庫の前方に設けられた車両昇降装置
の昇降台に、上記車輪止め装置が当該昇降台上での鉄道
車両の前移動阻止用と後移動阻止用として設けられてい
るから、鉄道車両にブレーキをかけずとも、昇降台上で
の鉄道車両の移動を確実に防止することができ、昇降台
と格納庫との間での鉄道車両の移動に車両搬送装置を用
いて、鉄道車両の入出庫の自動化を図ることができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0023】<実施例1> −全体構成− 図1には鉄道車両立体格納設備の全体構造が示されてい
る。同図において、1は鉄道車両の格納庫、2は該格納
庫の一端に連接された車両昇降装置、3は格納庫1側に
設けられた第1入出庫線、4は車両昇降装置側に設けら
れた第2入出庫線である。
【0024】格納庫1は、地上3階、地下1階の多層建
築物であって、各階には左右に並ぶ2つの格納部5,5
が形成されている。各格納部5のフロアには、各々複数
編成(例えば11両編成)の鉄道車両Wを格納のために
支持する格納用レール6が敷設されている。また、各格
納部5における車両昇降装置2側の端面には、上記車両
昇降装置2の後述する昇降台と各格納部5との間で鉄道
車両が移動するための出入口が開口している。そして、
上記格納庫1の地上1階の2つの格納部5,5の他端面
には、図2に示すように、鉄道車両Wの入出庫口7が開
口し、各入出庫口7において当該格納部5のレール6に
鉄道車両の上記第1入出庫線3が接続されている。
【0025】車両昇降装置2は、格納庫1の各階に2つ
の格納部5,5が設けられているのに対応させて2基設
けられている。各車両昇降装置2は、鉄道車両用のレー
ル12を有する昇降台11を備えている。昇降台11
は、昇降用建物13の天井部に設けられた巻上げ機14
にワイヤロープ15で吊り下げられている。そして、巻
上げ機14の作動により、昇降台11が昇降用建物13
の内部に形成された昇降用空間を昇降し、上記レール1
2が上記格納庫1の各格納部5のレール6に接続するよ
う上記格納庫1の各階位置に停止するようになされてい
る。そして、昇降台11のレール12は、昇降台11が
地上1階位置に停止するときに上記第2入出庫線4に接
続するようになされている。
【0026】また、図2に示すように、上記第1入出庫
線3及び第2入出庫線4には架線17,18が設けら
れ、さらに、格納庫1の地上1階の格納部5にも、鉄道
車両Wの乗入れのために架線19が設けられている。
【0027】−車両搬送機− 鉄道車両Wを格納庫1の各格納部5と車両昇降装置2の
昇降台11との間で移動させるために、昇降台11には
図3に示す車両搬送手段21が組込まれている。すなわ
ち、図3において、22は昇降台11の両端のスプロケ
ット23,24に巻掛けられたエンドレスのローラチェ
ーン、25はコンベヤチェーン22のキャリヤ側に沿っ
て設けられたガイドレール、26はガイドレール25に
支持され且つ上記ローラチェーン22に結合された車両
搬送機である。
【0028】具体的に説明すると、図4に示すように、
昇降台11は左右で一対のH又はI型鋼によるレール台
11a,11aによって構成されている。この両レール
台11a,11aの相対するウェブの各々に上記ガイド
レール25,25が固定されている。この両ガイドレー
ル25,25は断面略コ字形状に形成されていて、各々
の開口部は内側を向いている。
【0029】車両搬送機26は、上記ガイドレール2
5,25にローラ27によって支持された走行体28
と、鉄道車両Wの連結器Jに着脱可能な連結器29とを
備え、連結器29は走行体28に昇降手段31によって
昇降可能に支持されている。昇降手段31は、走行体2
8に設けられモータ32によって回転駆動されるピニオ
ン33と、連結器29の支柱に固定され前記ピニオン3
3に噛合した上下方向のラック34とによって構成され
ている。
【0030】また、上記連結器29は、格納庫1と昇降
台11との間で鉄道車両Wを移動させる際に使用する第
1連結部29aと、第2入出庫線4と昇降台11との間
で鉄道車両Wを移動させる際に使用する第2連結部29
bとを前後に備えていて、上記支柱に対し前後に進退可
能に支持されている。
【0031】−車輪止め装置− 図5,図6には、昇降台11のレール12の上での鉄道
車両Wの偶発的な移動を阻止する車輪止め装置55が示
されている。すなわち、昇降台11には、鉄道車両Wの
2軸車輪のうちの前車輪Whに係合する車輪止め装置5
5と、後車輪Whに係合する車輪止め装置55とが対称
に設けられている。なお、図6は、車輪止め装置55と
して左車輪Wh用と右車輪Wh用とを左右対称に設けた
例を示しているが、左右のうちの片側の車輪Whにつき
前後に一対設けるだけでもよい。また、第2入出庫線4
及び格納庫1の各格納部5にも同様の車輪止め装置が設
けられている。
【0032】上記車輪止め装置55の構成を説明する
に、これはレール台11aに回動自在に支持された車輪
止めアーム57と、該車輪止めアーム57を回動せしめ
るシリンダ装置(駆動手段)58とを備えてなる。
【0033】すなわち、上記レール台11aの側面の上
部にはブラケット59が固定されていて、該ブラケット
59に上記車輪止めアーム57の中央部がヒンジピン6
0によって枢支されている。そして、車輪止めアーム5
7の先端に車輪Whの踏みづらとレール12の上面との
なす略三角形状の隅部に嵌合する先細の楔57aが設け
られている。上記ヒンジピン60は、軸線がレール12
に沿って上記隅部の前方に前下りに傾斜している。
【0034】一方、シリンダ装置58は、そのシリンダ
部の基端部がレール台11aの側面の下部に固定のブラ
ケット61に上記ヒンジピン60と同様に傾斜したヒン
ジピン62によって枢支され、ピストンロッドの先端が
上記アーム57の基端部に同様の傾斜したヒンジピン6
3によって連結されている。
【0035】従って、上記車輪止めアーム57は、上記
ピストンロッドの進退によって、上記楔57aが上記隅
部の前方へ前上がりに傾斜した平面上を移動するように
回動することになり、ピストンロッドの進出によって、
楔57aが上記車輪Whとレール12とのなす隅部に嵌
合する車輪止め位置になり、ピストンロッドの後退によ
って楔57aがレール12の側方の斜め上方の退避位置
となる。そして、前後の車輪Wh,Whに対し、前後の
車輪止めアーム57,57が前後から当接することによ
って、鉄道車両Wは前後動不能になる。
【0036】上記楔57aの車輪止め位置への移動にお
いて、当該楔57aはレール側方からレール上に横移動
しながら、同時に後方へ移動し且つ下降する。この後方
への移動があるため、車輪Whの停止位置が予定位置か
ら前後にずれても、上記楔57aは上記隅部に嵌合する
位置に移動することができ、また、上記下降があるた
め、上記楔57aはその上面側が車輪Whの踏みづら
に、下面側がレール上面にそれぞれ確実に接触すること
になる。この場合、上記楔57aは、車輪止めアーム5
7のヒンジピン60によって若干の上下の遊びがあるた
め、上記車輪Whの踏みづらとレール上面とに対する接
触がより確実になるものである。
【0037】−入出庫の態様について− (第1入出庫線3からの入庫) 鉄道車両Wが第1入出庫線3を自走し格納庫1の地
上1階の格納部5に入庫する(図7参照)。当該格納部
5の2台の車輪止め装置55が作動(楔57aが車輪止
め位置に移動)して鉄道車両Wの車輪Whを前後から保
持する。鉄道車両Wの運転手は鉄道車両Wのブレーキを
解放してここで降りる。昇降台11が当該格納部5に対
応する位置に停止する(昇降台11は予め当位置に停止
させておいてもよい)。
【0038】 車両搬送手段21が作動し、車両搬送
機26が昇降台11における格納部5側の端部に移動す
る(なお、この移動は、前回の車両搬送手段21の作動
が鉄道車両Wを第2入出庫線4に送り出した場合に必要
になるものであり、前回の作動がそれ以外のためのもの
であれば、当該移動は不要である)。
【0039】 車両搬送機26の連結器29が上昇
し、該連結器29の第1連結部29aが格納部5側へ突
出して鉄道車両Wの連結器Jに結合する(図7の状
態)。車輪止め装置55が鉄道車両Wの車輪Whを前後
から保持しているため、上記連結時における鉄道車両W
の偶発的移動は生じない。しかる後に、車輪止め装置5
5が楔57aを退避位置に移動させて車輪Whの保持を
解除する。
【0040】 車両搬送機26が昇降台11の第2入
出庫線4側の端部へ走行することにより、鉄道車両Wが
格納部5から昇降台11へ移行する(図8の状態)。こ
の移行後も、上記運搬走行体26と鉄道車両Wとの連結
状態は保つ。
【0041】 昇降台11の上の車輪止め装置55が
作動して当該鉄道車両Wの車輪Whを前後から保持す
る。これにより、昇降台11の昇降中における鉄道車両
Wの偶発的移動が阻止される。
【0042】 昇降台11が当該鉄道車両Wの格納予
定階に上昇する(図9参照)。なお、格納予定階が地下
ならば下降することになる。
【0043】 昇降台11の上の車輪止め装置55が
楔57aを退避位置に移動させた後、車両搬送機26が
格納部5側の端部に走行し、当該鉄道車両Wを当該格納
部5に入庫する。
【0044】 当該格納部5の車輪止め装置55が作
動して当該鉄道車両Wの車輪Whを前後から保持する。
これにより、格納中における鉄道車両Wの偶発的な移動
が阻止される。また、車両搬送機26の連結器29が作
動して第1連結部29aと鉄道車両Wとの連結が解除さ
れ、該第1連結部29aが後退するとともに、連結器2
9が下降する。
【0045】(第2入出庫線4からの入庫)鉄道車両W
が第2入出庫線4を自走して該入出庫線4の端部で停止
する一方、昇降台11が地上高さ位置(地上1階の格納
部5に対応する位置)に停止する。以後は、上記第1入
出庫線3からの入庫の場合と略同様の流れで当該鉄道車
両Wの入庫が行なわれる。相違点は以下の通りである。
【0046】A.車両搬送機26と鉄道車両Wとの連結
が連結器29の第2連結部29bを用いて行なわれる
点。
【0047】B.車両搬送機26が昇降台11における
第2入出庫線4側の端部から格納庫1側の端部に移動し
て当該鉄道車両Wを第2入出庫線4から昇降台11の上
に移行させた後、予定の格納部5への入庫のために、当
該鉄道車両Wとの連結を一旦切り離して格納庫1側から
第2入出庫線4側へ空走行する必要がある点。
【0048】(第1入出庫線3への出庫)この場合は、
先に説明した第1入出庫線3からの入庫の全く逆の作動
になるので説明は多くを要しないであろう。すなわち、
先の入庫のときは地上1階の格納部5から他の階の格納
部5への鉄道車両Wの移動であったが、出庫の場合は、
当該他の階の格納部5から地上1階の格納部5への鉄道
車両Wの移動となり、その作動態様に実質的な差はな
い。地上1階の格納部5へ移送された鉄道車両Wに対し
て運転手が乗り込み、当該鉄道車両Wは自走によって、
当該格納部5から発車することになる。
【0049】(第2入出庫線4への出庫)この場合も、
先に説明した第2入出庫線4からの入庫の逆の作動態様
になるものであり、その説明は省略する。
【0050】なお、上記車輪止め装置が鉄道車両の立体
格納設備だけでなく、多数の側線を平面的に分岐配線し
てなる格納設備(操車場)にも適用できることはもちろ
んである。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉄道車両立体格納設備を一部省略して示す斜視
【図2】鉄道車両立体格納設備の縱断面図
【図3】車両搬送手段を一部省略して示す側面図
【図4】車両搬送手段の正面図
【図5】車輪止め装置を示す側面図
【図6】車輪止め装置を示す正面図
【図7】地上1階の格納部から昇降台への鉄道車両の移
動前の状態を一部省略して示す側面図
【図8】地上1階の格納部から昇降台へ鉄道車両を移動
させた状態を一部省略して示す側面図
【図9】鉄道車両を昇降台によって上昇させた状態を一
部省略して示す側面図
【符号の説明】
1 格納庫 2 車両昇降装置 3 第1入出庫線 4 第2入出庫線 5 格納部 6 レール 7 入出庫口 11 昇降台 12 レール 13 昇降用建物 21 車両搬送手段 26 車両搬送機 55 車輪止め装置 57 車輪止めアーム 57a 楔 58 シリンダ装置(駆動手段) 60 ヒンジピン

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レール上に停止した鉄道車両の車輪止め装
    置であって、 上記レールの上面と車輪の踏づらとがなす隅部に嵌まる
    楔を先端に有する車輪止めアームと、 上記レールの側方に設けられて上記車輪止めアームを回
    動自在に支持し、且つ該車輪止めアームの楔が上記隅部
    に嵌まる車輪止め位置とレール側方の退避位置との間で
    上記隅部の前方若しくは側方へ前上がりに傾斜した平面
    上を移動するよう軸線が上記隅部の前方若しくは側方へ
    前下りに傾斜したヒンジピンと、 上記車輪止めアームを回動させる駆動手段とを備えてい
    ることを特徴とする鉄道車両の車輪止め装置。
  2. 【請求項2】鉄道車両用のレールを有する格納部が各階
    に設けられてなる多層構造の格納庫と、 上記格納庫の前方に設けられ、鉄道車両用のレールが敷
    設された昇降台を該昇降台のレールが上記格納庫の各格
    納部のレールに接続するよう上記格納庫の各階位置に昇
    降せしめる車両昇降装置とを備え、 上記昇降台に、該昇降台上での鉄道車両の前移動阻止用
    と後移動阻止用として、請求項1に記載の2台の車輪止
    め装置が各々そのヒンジピンを昇降台のレール側方部位
    に配置して設けられていることを特徴とする鉄道車両立
    体格納設備。
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