JP2887626B2 - 制御対象のむだ時間算出方法およびむだ時間算出装置 - Google Patents

制御対象のむだ時間算出方法およびむだ時間算出装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制御対象のむだ時間算出
方法およびむだ時間算出装置に係り、例えばステップ応
答法によるオートチューニング機能を有する調節計に搭
載して好適するむだ時間算出方法およびこれを実施する
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のステップ応答法によるオートチ
ューニング機能は、加熱炉等の制御対象を所定のステッ
プ信号で操作して得られた制御量例えば測定温度PVの
応答に基づき、むだ時間Lや制御量PVの最大変化率Δ
PVmax を算出し、これらからPID定数その他の制御
パラメータを演算するものである。そして、むだ時間L
は、図8で示すように、制御量PVの安定状態から操作
量MVをステップ的に例えば0%から100%に変更し
たときの制御量PVの推移から次の式(1)を用いて求
めることができる。 L=t−[(PVm −PV0 )/ΔPVmax ]・・・・・(1) ここで、符号PV0 はむだ時間算出開始時の制御量、符
号ΔPVmax は制御量PVの所定単位時間当りの変化量
である変化率をΔPVn としたときの最大変化率、符号
PVm は最大変化率ΔPVmax の得られたときの制御
量、符号tはむだ時間算出開始時から最大変化率ΔPV
max の得られるまでの時間である。
【0003】また、従来このようなむだ時間算出方法を
搭載した調節計としては、図9に示すように、設定値S
Vと制御対象1からの制御量PVとから偏差演算部3で
偏差eを演算して制御装置5へ加え、むだ時間算出時に
は制御装置5からむだ時間算出要求信号aをAND回路
7へ出力し、安定判断部9にて制御量PVの安定度を、
例えば所定時間内に制御量PVが所定の範囲内で推移す
れば安定であると判断して安定判断信号bをAND回路
7へ出力し、このAND回路7ではそれらむだ時間算出
要求信号aおよび安定判断信号bが揃った時点で切換信
号cをスイッチ11に送って制御対象1をステップ信号
印加部13側に切換えるとともにむだ時間算出開始信号
dをむだ時間算出装置15へ出力する。
【0004】むだ時間算出装置15は、ステップ信号印
加部13からのステップ信号による操作に基づく制御対
象1からの制御量PVから、上述したようにむだ時間L
や最大変化率ΔPVmax 等を算出して制御装置5へ出力
するとともに、スイッチ11へむだ時間算出終了信号f
を送ってスイッチ11を制御装置5側に切換える。制御
装置5では、それらむだ時間Lや最大変化率ΔPVmax
等からPID定数その他制御パラメータを算出し、これ
を用いて上述した偏差eをPID演算してスイッチ7を
介して制御対象1へ操作量MVを出力している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たむだ時間算出方法では、制御量PVが安定している状
態から算出開始しないとその算出結果が不正確となり易
いうえ、制御量PVが安定しているか否かを正確に判断
するのは非常に困難であった。しかも、その判断に要す
る時間が長くなる難点もあった。また、そのむだ時間算
出方法を実施する調節計では、そのような欠点に加え
て、図9に示したように、むだ時間算出装置15に加え
てAND回路7や安定判断部9を必要とし、制御量PV
が安定していないとその算出結果が不正確であるうえ、
構成が複雑化する難点があった。
【0006】本発明はこのような従来の欠点を解決する
ためになされたもので、制御対象からの制御量が安定し
ていない状態、すなわち制御量がどのような状態にあっ
ても制御対象のむだ時間を求めることが可能なむだ時間
算出方法およびこれを実施するむだ時間算出装置の提供
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために本発明のむだ時間算出方法は、制御対象に印加
する操作出力をステップ的に変更したときの制御対象か
らの制御量PVの応答に基づき制御対象のむだ時間Lを
算出する方法である。すなわち、その制御量PVの測定
時点での制御量をPVn としたときこの制御量PVn に
係る単位時間当りの変化量であるその変化率ΔPVn を
算出し、その操作出力のステップ的変化時点の変化率で
ある初期変化率ΔPV0 の正負、およびそのステップ的
変化時点以降に変化率が最大変化率ΔPVmax となった
か否かを判別し、この初期変化率ΔPV0 を正と判別し
たとき、そのステップ的変化時点の制御量PVn である
むだ時間算出開始時の制御量PVO 、その最大変化率Δ
PVmax 、この最大変化率ΔPVmax の得られたときの
制御量PVn である制御量PVm 、およびステップ的変
化時点から最大変化率ΔPVmax の得られるまでの時間
tからむだ時間Lを算出する一方、その初期変化率ΔP
V0 を負と判別したとき、これ以降の最低制御量である
むだ時間算出開始時の制御量PV0 、最大変化率ΔPV
max 、上記制御量PVm 、および最低制御量PVn の得
られた時点から最大変化率ΔPVmax の得られるまでの
時間tからむだ時間Lを算出し、それら初期変化率ΔP
V0 および最大変化率ΔPVmax に対応する係数KL で
あってその初期変化率ΔPV0 の正又は負に対応してむ
だ時間Lを補正する正又は負補正係数KL を算出し、そ
れら正又は負補正係数KL でむだ時間Lを補正演算して
補正むだ時間L0 を出力する方法を特徴としている。
【0008】また、本発明に係るむだ時間算出装置は、
制御量PVの測定時点での制御量をPVn としたときこ
の制御量PVn に係る単位時間当りの変化量であるその
変化率ΔPVn を算出する変化率算出部と、その操作出
力のステップ的変化時点の変化率である初期変化率ΔP
V0 の正負、およびそのステップ的変化時点以降に変化
率が最大変化率ΔPVmax となったか否かを判別すると
ともに、その初期変化率ΔPV0 が正のときにはステッ
プ的変化時点の制御量をむだ時間算出開始時の制御量P
V0 と決定し、その初期変化率ΔPV0 が負のときには
ステップ的変化以降の最低制御量の得られる時点の制御
量をむだ時間算出開始時の制御量PV0と決定しかつそ
の最大変化率ΔPVmax の得られたときの制御量PVn
を制御量PVm と決定する判別部と、この判別部で決定
されたそそれらむだ時間算出開始時の制御量PVO 、最
大変化率ΔPVmax 、制御量PVm 、およびむだ時間算
出開始時点からその最大変化率ΔPVmax の得られるま
での時間tからむだ時間Lを算出するむだ時間算出部
と、それら初期変化率ΔPV0 および最大変化率ΔPV
max に対応する係数KL でありその初期変化率ΔPV0
の正又は負に対応してそのむだ時間Lを補正する正又は
負補正係数KL を算出する補正係数算出部と、この補正
係数算出部からの正又は負補正係数KL でむだ時間Lを
補正演算して補正むだ時間L0 を出力するむだ時間補正
演算部とを具備して構成されている。
【0009】
【作用】このような手段を備えた本発明のむだ時間算出
方法では、操作出力のステップ的変化時点の変化率ΔP
Vn を算出し、その時点の初期変化率ΔPV0 の正負を
判別するとともに最大変化率ΔPVmax を判別し、この
初期変化率ΔPV0 が正のときにはステップ的変化時点
(あるむだ時間算出開始時)の制御量PV0 、最大変化
率ΔPVmax 、制御量PVm およびステップ的変化時点
から最大変化率ΔPVmax の得られるまでの時間tから
むだ時間Lを算出し、それら初期変化率ΔPV0 および
最大変化率ΔPVmax に対応する係数KL であって正の
初期変化率ΔPV0 に対応した正補正係数KL を算出し
てこの正補正係数KL でむだ時間Lを補正演算して補正
むだ時間L0 を出力する。他方、上記初期変化率ΔPV
0 が負のときには、最低制御量の得られた時点であるむ
だ時間算出開始時の制御量PV0 、最大変化率ΔPVma
x 、制御量PVm、およびそのむだ時間算出開始時から
最大変化率ΔPVmax の得られるまでの時間tからむだ
時間Lを算出し、それら初期変化率ΔPV0 および最大
変化率ΔPVmax に対応する係数KL であって負の初期
変化率ΔPV0 に対応した負補正係数KL を算出してこ
の負補正係数KL でむだ時間Lを補正演算して補正むだ
時間L0 を出力する。
【0010】また、本発明に係るむだ時間算出装置で
は、変化率算出部が制御量PVn に係る変化率ΔPVn
を算出し、判別部がステップ的変化時点の初期変化率Δ
PV0の正負および最大変化率ΔPVmax を判別すると
ともに、その初期変化率ΔPV0 が正のときにはステッ
プ的変化時点の制御量をむだ時間算出開始時の制御量P
V0 と決定し、その初期変化率ΔPV0 が負のときには
ステップ的変化以降の最低制御量の得られる時点の制御
量をむだ時間算出開始時の制御量PV0 と決定しかつそ
の最大変化率ΔPVmax の得られたときの制御量PVn
を制御量PVm と決定し、上記むだ時間補正演算部がそ
れらむだ時間算出開始時の制御量PVO 、最大変化率Δ
PVmax 、制御量PVm 、およびむだ時間算出開始時点
からその最大変化率ΔPVmax の得られるまでの時間t
からむだ時間Lを算出し、補正係数算出部がそれら初期
変化率ΔPV0 および最大変化率ΔPVmax に対応する
係数KL であって正又は負の初期変化率ΔPV0 に対応
する正又は負の補正係数KLを算出し、むだ時間補正演
算部がその正又は負の補正係数KL でむだ時間Lを補正
演算して補正むだ時間L0 を出力する。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。なお、従来例と共通する部分には同一の符号を付
す。図1は本発明に係るむだ時間算出装置の一実施例を
示すブロック図であり、図2に示す調節計中のむだ時間
算出装置に相当する。便宜上このむだ時間算出装置を通
して本発明のむだ時間算出方法も説明する。図1におい
て、変化率算出部17は、図2の制御対象1からの制御
量PVを一定のサンプリング周期で取込んだ制御量PV
n を用いて変化率ΔPVn を算出するものであり、判別
部19および記憶部21に接続されている。
【0012】判別部19は、後述するむだ時間算出管理
部23の管理下で、むだ時間算出要求信号発生時におけ
る変化率算出部17からの初期変化率ΔPV0 の正負の
符号を判別し、初期変化率ΔPV0 が正のときにはその
時点の制御量をむだ時間算出開始時の制御量PVO とし
て決定する一方、例えば上述した図8中の破線で示すよ
うに、初期変化率ΔPV0 が負のときには変化率ΔPV
n が「0」以上になった時点の制御量すなわち最低制御
量をむだ時間算出開始時の制御量PVO として決定する
ものである。判別部19は、むだ時間算出管理部23の
管理下で、変化率ΔPVn が最大値となったか否かを判
別し、最大変化率ΔPVmax となった時点の制御量をP
Vmと決定するものである。
【0013】むだ時間算出管理部23は、図2の制御装
置5からのむだ時間算出要求信号aに基づき判別部19
へむだ時間算出開始の指示をするとともに、後述する管
理機能を有している。記憶部21は、むだ時間算出管理
部23の管理下で、初期変化率ΔPV0 を記憶するとと
もに、判別部19で決定したむだ時間算出開始時の制御
量PV0 、最大変化率ΔPVmax およびこの制御量PV
m を記憶する読み書き自在なRAM等であり、むだ時間
算出部25および補正係数算出部27に接続されてい
る。
【0014】タイマ29は、むだ時間算出管理部23か
らの指示により、判別部19においてむだ時間算出開始
時の制御量PV0 を決定した時点からカウント値をクリ
アーしてカウントを開始し、その変化率ΔPVn が最大
となるまでの時間tをカウントしてむだ時間算出部25
へ出力するものである。むだ時間算出部25は、タイマ
29からのカウント値tが得られたとき、記憶部21か
らの制御量PVm 、むだ時間算出開始時点の制御量PV
0 および最大変化率ΔPVmax に基づき、上述した式
(1)によってむだ時間Lを算出してむだ時間補正演算
部31へ出力するものである。
【0015】すなわち、むだ時間算出部25で演算に用
いるむだ時間算出開始時点の制御量PV0 は、判別部1
9が初期変化率ΔPV0 を正と判別した状態では操作出
力のステップ的変化時点の制御量であり、初期変化率Δ
PV0 を負と判別した状態ではそのステップ的変化時点
以降の最低制御量が得られる時点の制御量である。補正
係数算出部27は、所定の補正関数に基づき初期変化率
ΔPV0 および最大変化率ΔPVmax に対応する補正係
数KL を算出し、むだ時間補正演算部31へ出力するも
のである。
【0016】むだ時間算出開始時の制御量PV0 を上述
した方法によって決定し、上述した式(1)で求めたむ
だ時間Lと初期変化率ΔPV0 との関係は、一般的に図
3に示すようになり、制御量PVの安定状態時である
「0」を中心にして初期変化率ΔPV0 が正のときと負
のときでは図3のように異なる特性で変化する。そこ
で、図4に示すように、制御量PVの安定状態時を中心
にして、初期変化率ΔPV0 の正負に応じた正負の補正
関数を得て、この補正関数に基づいてむだ時間Lを補正
すれば、制御量PVの初期変化率ΔPV0 が正のときの
みならず負のときにも補正可能となり、正確なむだ時間
L0 を得ることができる。補正むだ時間L0 は次の補正
式(2)で求められる。 L0 =KL ・L ・・・・・・・・ (2) 但し、図4のKL はf(ΔPV0 ,ΔPVmax )で示さ
れる関数である。
【0017】なお、本発明者の実験によれば、初期変化
率ΔPV0 が「0」以上すなわち正の場合には図5のよ
うな正の補正関数が好適し、初期変化率ΔPV0 が
「0」未満すなわち負の場合には図6のような負の補正
関数が好適する。図5および図6は各々絶対値で示し、
しかもΔPVmax を基準に正規化したものであり、図5
は図4中の安定状態時を中心にして正側(右側)、図6
は図4中の負側(左側)に相当する。補正係数算出部2
7は、そのような補正関数に係るデータから上述した初
期変化率ΔPV0 および最大変化率ΔPVmax に応じて
補正係数KL を算出するものである。
【0018】むだ時間補正演算部31は、むだ時間算出
管理部23からの指示により、上述した補正式(2)に
よりむだ時間Lを補正係数KL によって補正し、補正む
だ時間L0 を図2の制御装置5へ出力するものである。
むだ時間算出管理部23は、むだ時間補正演算部31が
補正むだ時間L0 を出力したとき、むだ時間算出終了信
号fを出力する機能を有している。このように図1のむ
だ時間算出装置は、図9に類似する図2に示すように、
偏差演算部3、制御装置5、スイッチ11およびステッ
プ信号印加部13とともに調節計を形成する。図2では
むだ時間算出装置は符号33で示される。
【0019】この調節計では、むだ時間算出時に制御装
置5からむだ時間算出開始要求信号aをスイッチ11お
よびむだ時間算出装置33に送り、スイッチ11で制御
対象1をステップ信号印加部13側に切換えてステップ
信号を制御対象1へ加える一方、そのステップ信号によ
る操作に基づく制御対象1からの制御量PVからむだ時
間算出装置33でむだ時間L0 等を算出して制御装置5
へ出力するとともに、むだ時間算出終了信号fを制御装
置5へ送る。制御装置5ではそれらむだ時間L0 等から
PID定数その他制御パラメータを算出し、所定のタイ
ミングでスイッチ11へ切換信号を送り、制御装置5側
へ切換える。
【0020】ところで、上述した本発明のむだ時間算出
装置を構成する変化率算出部17、判別部19、むだ時
間算出管理部23、むだ時間算出部25、補正係数算出
部27、タイマ29および時間補正演算部31は、図2
の調節計を構成する偏差演算部3、制御装置5、ステッ
プ信号印加部13およびスイッチ11とともに、実際に
はCPUやこのCPUの動作プログラム等を格納したR
OM等(いずれも図示せず)を主体としたマイクロコン
ピュータで構成される。また、図1中の記憶部21はそ
のCPUに接続された内蔵又は外部記憶装置(図示せ
ず)で構成される。
【0021】次に本発明に係るむだ時間算出装置の動作
を図7のフローチャートを用いて説明するが、この説明
によって本発明に係るむだ時間算出方法もより明らかに
なる。このフローチャートは制御量PVの測定周期毎、
例えば100ms毎に動作する。ステップ701で動作
開始されると、ステップ701で変化率算出部17が制
御量PVn を取込んでステップ702でその変化率ΔP
Vn を算出し、ステップ703でむだ時間算出管理部2
3がむだ時間算出要求があるか否か判断する。
【0022】ステップ703がYESの場合にはむだ時
間算出管理部23がステップ704で現在むだ時間算出
中か否か判断し、NOであればステップ705でむだ時
間算出終了か否か判断する。ステップ705がYESで
あればその処理周期を終了し、NOであればステップ7
06でΔPV0 が記憶部21に記憶されているか否かむ
だ時間算出管理部23が判断する。ステップ706がY
ESであれば直接ステップ708に移り、NOであれば
ステップ707で初期変化率ΔPV0 を記憶部21へ記
憶してステップ708に移り、ステップ708ではΔP
Vn が「0」未満か否か判別部19が判断する。
【0023】ステップ708がNOであればステップ7
09でその時点の制御量をPV0 として記憶部21に記
憶し、タイマ29のカウント値をクリアするとともにむ
だ時間算出中フラグをセットして終了する。ステップ7
08がYESであれば終了し、ΔPVn が「0」以上に
なるまで各処理周期毎にステップ701〜ステップ70
8を繰返す。
【0024】なお、むだ時間算出要求時には、スイッチ
11がステップ信号印加部13側に切換わるので、初期
変化率ΔPV0 が負であったとしても時間経過により変
化率ΔPVn は必ず「0」以上となる。ステップ709
でむだ時間算出中フラグがセットされると次の処理周期
でステップ704から710に移ってタイマ29にてカ
ウントが行なわれ、ステップ711で変化率ΔPVn が
最大か否か判断される。なお、実際には少なくとも次の
データも見て判断し、最大時のデータを保存して使用す
る。
【0025】ステップ711がNOの場合には終了し、
ΔPVn が最大と判断されるまで各処理周期毎にステッ
プ701〜711を繰返えす。ステップ711がYES
になると、ステップ712でむだ時間Lがむだ時間算出
部25により式(1)を用いて算出されてステップ71
3に移る。
【0026】ステップ713ではむだ時間算出管理部2
3によってΔPV0 が「0」未満か否か判断され、NO
の場合(ΔPV0 ≧0)にはステップ714で補正係数
算出部27にて正補正係数の算出を行ない、YESの場
合(ΔPV0 <0)にはステップ715で補正係数算出
部27にて負補正係数を算出してステップ716に移
る。ステップ716ではむだ時間補正演算部31によっ
てそれら正又は負の補正係数でむだ時間Lを補正演算し
て補正むだ時間L0 を出力する。
【0027】続くステップ717ではむだ時間算出中フ
ラグをクリアするとともにむだ時間算出終了フラグをセ
ットして終了する。その後の処理周期ではステップ70
4から705へ移ってその処理周期を終了する。上述し
たステップ703がNOの場合には、ステップ718で
むだ時間算出中フラグおよびむだ時間算出終了フラグを
クリアして処理を終了する。具体的には、制御装置5に
よる制御が行なわれていて、むだ時間算出要求を行なっ
ていない状態、制御装置5からいったんむだ時間算出要
求を行ない、むだ時間算出が終了する前に何等かの理由
によりむだ時間算出要求を停止した場合、むだ時間の算
出が終了し、制御装置5からのむだ時間算出要求が停止
した場合等がある。
【0028】このような本発明のむだ時間算出方法は、
制御量PVの変化率ΔPVn を算出し、操作出力のステ
ップ的変化時点の初期変化率ΔPV0 の正負およびその
ステップ的変化時点以降の最大変化率ΔPVmax を判別
し、その初期変化率ΔPV0が正であれば、そのステッ
プ的変化時点すなわちむだ時間算出開始時点の制御量P
V0 、最大変化率ΔPVmax 、制御量PVm およびむだ
時間算出開始時点から最大変化率ΔPVmax の得られる
までの時間tからむだ時間Lを算出する。他方、その初
期変化率ΔPV0 が負であれば、これ以降の最低制御量
の得られる時点すなわちむだ時間算出開始時点の制御量
PV0 、最大変化率ΔPVmax 、制御量PVm およびそ
のむだ時間算出開始時点から最大変化率ΔPVmax の得
られるまでの時間tからむだ時間Lを算出する。
【0029】そして、それら初期変化率ΔPV0 および
最大変化率ΔPVmax に対応する係数KL であってそれ
ら初期変化率ΔPV0 の正負に対応する正又は負の補正
係数KL を算出し、それら正又は負補正係数KL でむだ
時間Lを補正演算して補正むだ時間L0 を出力する点を
特徴としている。そのため、ステップ的変化時点の制御
量PV0 の変化により生じるむだ時間Lの誤差を補正す
ることが可能となり、制御対象1からの制御量PVが安
定している状態のみならず、増加又は減少している状態
等、制御量PVがどのような状態にあっても正確なむだ
時間L0 を求めることが可能となる。
【0030】また、本発明に係るむだ時間算出装置は、
制御量PVn の変化率ΔPVn を算出する変化率算出部
と、操作出力のステップ的変化時点の初期変化率ΔPV
0 の正負および最大変化率ΔPVmax を判別し、その初
期変化率ΔPV0 が正のときにはステップ的変化時点の
制御量をむだ時間算出開始時の制御量PV0 と決定し、
その初期変化率ΔPV0 が負のときにはステップ的変化
以降の最低制御量の得られる時点の制御量をむだ時間算
出開始時の制御量PV0 と決定しかつその最大変化率Δ
PVmax に対応する制御量PVm と決定する判別部と、
この判別部で決定されたそれらむだ時間算出開始時の制
御量PVO 、最大変化率ΔPVmax 、制御量PVm 、お
よびむだ時間算出開始時点からその最大変化率ΔPVma
x の得られるまでの時間tからむだ時間Lを算出するむ
だ時間算出部とを設けるとともに、それら初期変化率Δ
PV0 および最大変化率ΔPVmax に対応する係数KL
であって正又は負の初期変化率ΔPV0 に対応する正又
は負補正係数KL を算出する補正係数算出部と、この補
正係数算出部からの正又は負補正係数KL でむだ時間L
を補正演算して補正むだ時間L0 を出力するむだ時間補
正演算部とを具備している。
【0031】そのため、制御対象1からの制御量PVが
どのような状態にあっても制御対象1の正確なむだ時間
L0 を求めることが可能となる利点に加えて、従来のよ
うなAND回路7や安定判断部9等が不要となり、構成
が簡素化される。なお、上述した実施例では逆動作で操
作出力をステップ的に増加させる例を説明したが、本発
明では逆動作で操作出力をステップ的に減少させた場合
の制御量PVの応答に基づき同様にむだ時間を算出する
ことが可能である。さらに、正動作においても同様に応
用可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明のむだ時間算
出方法では、制御対象からの制御量が安定していなくと
も、すなわちどのような状態にあってもむだ時間を算出
することができるうえ、むだ時間算出までにかかる時間
を節約できる。また、本発明のむだ時間算出装置では、
制御量の安定度を検出する必要がないので、制御量がど
のような状態にあってもむだ時間を算出することができ
るうえ、速くむだ時間を算出できるし、構成も簡単とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るむだ時間算出方法を説明するため
のむだ時間算出装置の一実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】図1のむだ時間算出装置を搭載した調節計を示
す概略ブロック図である。
【図3】制御量の変化率と補正前のむだ時間の関係を示
す特性図である。
【図4】制御量の変化率と補正係数の関係を示す特性図
である。
【図5】図4における変化率が正の場合の正補正係数を
示す特性図である。
【図6】図4における変化率が負の場合の負補正係数を
絶対値で示す特性図である。
【図7】図1のむだ時間算出装置の動作を説明するフロ
ーチャートである。
【図8】操作量のステップ的変化に応答する制御量の変
化を示す特性図である。
【図9】従来のむだ時間算出装置を搭載した調節計を示
す概略ブロック図である。
【符号の説明】
1 制御対象 3 偏差演算部 5 制御装置 7 AND回路 9 安定判断部 11 スイッチ 13 ステップ信号印加部 15 むだ時間算出装置 17 変化率算出部 19 判別部 21 記憶部 23 むだ時間算出管理部 25 むだ時間算出部 27 補正係数算出部 29 タイマ 31 むだ時間補正演算部 33 むだ時間算出装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象に印加する操作出力をステップ
    的に変更したときの前記制御対象からの制御量PVの応
    答に基づき前記制御対象のむだ時間Lを算出するむだ時
    間算出方法において、 前記制御量PVの測定時点での制御量をPVn としたと
    きこの制御量PVn に係る単位時間当りの変化量である
    その変化率ΔPVn を算出し、 前記操作出力のステップ的変化時点の前記変化率である
    初期変化率ΔPV0 の正負、および前記ステップ的変化
    時点以降に前記変化率が最大変化率ΔPVmaxとなった
    か否かを判別し、 前記初期変化率ΔPV0 を正と判別したとき、前記ステ
    ップ的変化時点の前記制御量PVn であるむだ時間算出
    開始時の制御量PVO 、前記最大変化率ΔPVmax 、こ
    の最大変化率ΔPVmax の得られたときの制御量PVn
    である制御量PVm 、および前記ステップ的変化時点か
    ら前記最大変化率ΔPVmax の得られるまでの時間tか
    らむだ時間Lを算出するとともに、前記初期変化率ΔP
    V0 を負と判別したとき、これ以降の最低制御量である
    むだ時間算出開始時の制御量PV0 、前記最大変化率Δ
    PVmax 、前記制御量PVm 、および前記最低制御量の
    得られた時点から前記最大変化率ΔPVmax の得られる
    までの時間tからむだ時間Lを算出し、前記初期変化率ΔPV0 および最大変化率ΔPVmax に
    対応する係数KL であって、 前記初期変化率ΔPV0 の
    正又は負に対応して前記むだ時間Lを補正する正又は負
    補正係数KL を算出し、 これら正又は負補正係数KL で前記むだ時間Lを補正演
    算して補正むだ時間L0 を出力することを特徴とする制
    御対象のむだ時間算出方法。
  2. 【請求項2】 制御対象に印加する操作出力をステップ
    的に変更したときの前記制御対象からの制御量PVの応
    答に基づき前記制御対象のむだ時間Lを算出するむだ時
    間算出装置において、 前記制御量PVの測定時点での制御量をPVn としたと
    きこの制御量PVn に係る単位時間当りの変化量である
    その変化率ΔPVn を算出する変化率算出部と、 前記操作出力のステップ的変化時点の前記変化率である
    初期変化率ΔPV0 の正負、および前記ステップ的変化
    時点以降に前記変化率が最大変化率ΔPVmaxとなった
    か否かを判別するとともに、前記初期変化率ΔPV0 が
    正のときには前記ステップ的変化時点の制御量をむだ時
    間算出開始時の制御量PV0 と決定し、前記初期変化率
    ΔPV0 が負のときには前記ステップ的変化以降の最低
    制御量の得られる時点の制御量をむだ時間算出開始時の
    制御量PV0 と決定し、かつ前記最大変化率ΔPVmax
    の得られたときの制御量PVn を制御量PVm と決定す
    る判別部と、 この判別部で決定された前記むだ時間算出開始時の制御
    量PVO 、前記最大変化率ΔPVmax 、前記制御量PV
    m 、および前記むだ時間算出開始時点から前記最大変化
    率ΔPVmax の得られるまでの時間tからむだ時間Lを
    算出するむだ時間算出部と、前記初期変化率ΔPV0 および最大変化率ΔPVmax に
    対応する係数KL であって、 前記初期変化率ΔPV0 の
    正又は負に対応して前記むだ時間Lを補正する正又は負
    補正係数KL を算出する補正係数算出部と、 この補正係数算出部からの前記正又は負補正係数KL で
    前記むだ時間Lを補正演算して補正むだ時間L0 を出力
    するむだ時間補正演算部と、 を具備してなることを特徴とする制御対象のむだ時間算
    出装置。
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