JP3105696B2 - アクチュエータ制御装置 - Google Patents

アクチュエータ制御装置

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JP3105696B2 JP05104410A JP10441093A JP3105696B2 JP 3105696 B2 JP3105696 B2 JP 3105696B2 JP 05104410 A JP05104410 A JP 05104410A JP 10441093 A JP10441093 A JP 10441093A JP 3105696 B2 JP3105696 B2 JP 3105696B2
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  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、パワーショベル等の
機械に用いられるアクチュエータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】操作レバーによって駆動されるアクチュ
エータを備えたパワーショベル等の機械においては、操
作レバーのレバーストロークの増減に従って、アクチュ
エータの速度や力、位置が増減する。図3は、レバース
トロークとアクチュエータ速度との関係を示す特性線図
であり、横軸はレバーストローク(S)、縦軸はアクチ
ュエータ速度(Av)を表している。レバーストローク
とアクチュエータ速度との動作関係には、レバー操作に
対してアクチュエータが反応しない不感帯域(a、b)
が存在している。この不感帯域は、レバーストロークが
中立点付近にあるときは20%前後、フルストローク点
では2〜5%となる。
【0003】ところで、操作レバーの精度のバラツキな
どにより、レバーの特性線が図3のA、Bのように異な
る場合がある。図3において、Aは標準的なレバーAの
特性を示し、Bは出力が大き目なレバーBの特定を示し
ている。不感帯域の幅はレバーAよりもレバーBの方が
大きい。この場合、レバーBはレバーAに比べてフルス
トローク点付近でのレバーの遊びが多くなるため、細か
なレバー操作が難しくなり、操作性は悪くなる。これは
同一の操作レバーにおいても、使用条件や経時変化など
により起こりうる。このように、フルストローク点での
不感帯域は操作性に与える影響が大きいため、操作レバ
ーには高い精度が要求され、コスト高を招いていた。
【0004】これに対して、特開平2−144706号
公報には、操作レバーからの出力値が予め設定した最少
保証値を上回った場合は、最新の最大出力値を最少保証
値と一致させるための係数を算出するとともに、この係
数とメモリに前回記憶された係数と対比し、新たな係数
が前回の係数よりも小さい場合には、新たな係数を前回
の係数と入れ替えてメモリに記憶し、操作レバーからの
出力値に前記記憶された係数を乗じた値に対応した制御
信号を出力することにより、アクチュエータ制御に関与
しない遊びストロークを低減し、操作性の悪さを改善す
るようにしたアクチュエータ制御方法が提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平2−144706号公報に提案されているアク
チュエータ制御方法では、操作レバー出力特性のバラツ
キを一度に補正するようにしているため、レバーの操作
感覚が急に変わることになり、レバーの操作性が不自然
なものになるという難点があった。
【0006】この発明は、操作レバー出力特性のバラツ
キを序々に、かつレバー中立時に補正することにより、
自然な操作性を得ることができるアクチュエータ制御装
置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明に係わるアクチュエータ制御装置は、操作
レバー、並びに該操作レバーのレバーストロークに応じ
た電気信号を発生する計測手段を有する操作量入力装置
と、該操作量入力装置からの出力値に基づいてアクチュ
エータを駆動するための制御信号を出力するコントロー
ラとを具えたアクチュエータ制御装置において、前記操
作レバーのフルストローク点での最大設定値を保持する
最大設定値保持手段と、前記操作レバーからの出力値と
前記最大設定値とを比較し、前記出力値が最大設定値よ
り大きい場合は、前記出力値を前記最大設定値と入れ替
えて前記最大設定値保持手段に更新記憶する比較・更新
手段と、アクチュエータへの制御信号がストローク中立
点の不感帯域にあるかどうかを判断する不感帯域判断手
段と、前記制御信号が前記不感帯域に移行する度に、レ
バー出力信号をレバーフルストローク点と認識する値
を、前記最大設定値保持手段に保持されている最大設定
値に段階的に近付けるための演算を行う演算手段とを具
えたことを特徴とする。
【0008】また、前記演算手段は、前記演算機能に加
えて、前記操作レバーからの出力値が、レバーフルスト
ローク時の初期設定値より大きく、かつ前記最大設定値
保持手段に保持されている最大設定値よりも小さいとき
は、前記最大設定値保持手段に保持されている最大設定
値を、レバーフルストローク時の下限設定値に段階的に
近付ける演算を行うものであることを特徴とする。
【0009】
【作用】コントローラは、前記操作レバーからの出力値
が最大設定値より大きい条件を満たす場合は、前記出力
値を新たな最大設定値として更新記憶する。そして、ア
クチュエータへの制御信号がストローク中立点の不感帯
域に移行したときは、コントローラがレバー出力信号を
レバーフルストローク点と認識する値を、前記最大設定
値保持手段に保持されている最大設定値に段階的に近付
けるための演算を行う。これにより、コントローラの中
でレバーフルストロークと認識する点と操作レバーの実
際のレバーフルストローク点の誤差をなくすことができ
る。例えば、図3のレバーA、Bについて見てみると、
同一のレバーストロークに対するレバー出力信号Vは図
4のA1、B1のように異なったものとなるため、レバ
ー出力信号に対するアクチュエータ速度Avは、補正前
のレバーA、Bでは図5のCに示すような特性となる。
これに対して補正後のレバーA、Bでは図5のA2、B
2に示すような特性となり、レバーBのフルストローク
点での不感帯量bをレバーAの不感帯量aと同量にする
ことができる。
【0010】また、前記操作レバーからの出力値がレバ
ーフルストローク時の初期設定値より大きく、かつ前記
最大設定値保持手段に保持されている最大設定値よりも
小さい条件を満たす場合は、前記最大設定値をレバーフ
ルストローク時の下限設定値に段階的に近付ける演算を
行うことで、レバーフルストローク側の不感帯域が小さ
すぎる場合にも適切な不感帯域が確保され、操作性を良
くすることができる。これによれば、レバーがストロー
ク中立点の不感帯域に移行する度に補正のための演算処
理が行われるため、操作レバーの精度のバラツキは序々
に補正されることになる。
【0011】
【実施例】以下、この発明に係わるアクチュエータ制御
装置の一実施例を図面を参照しながら説明する。
【0012】図1は、この発明に係わるアクチュエータ
制御装置を適用したアクチュエータ制御システムの全体
的な構成を示すブロック図である。このアクチュエータ
制御システムは、操作量入力装置1、コントローラ2、
およびアクチュエータ3から構成されている。
【0013】操作量入力装置1は、アクチュエータ制御
のための操作を受け付ける。この操作量入力装置1は、
操作レバー4と、操作レバー4のレバーストロークに応
じた出力信号を発生する計測手段5とを備えている。操
作量入力装置1からの出力信号(以下、レバー出力信号
という)はコントローラ2に送られる。
【0014】コントローラ2は、前記操作量入力装置1
からのレバー出力信号の出力値に基づいて後述の演算処
理を実行し、アクチュエータを駆動するための制御信号
を出力する制御回路であり、最大設定値保持部6、比較
・更新部7、不感帯域判断部8、演算部9により構成さ
れている。
【0015】最大設定値保持部6は、前記操作レバー4
のフルストローク点での最大設定値(Vmax )を保持し
ている。この値は必要に応じて適宜更新される。
【0016】比較・更新部7は、前記操作量入力装置1
からのレバー出力信号の出力値(V)と、前記最大設定
値保持部6に保持されている最大設定値とを比較し、V
>Vmax である場合は、前記レバー出力信号の出力値
を、最大設定値保持部6の前の最大設定値と入れ替えて
更新記憶する。ただし、更新可能な範囲は安全上問題な
い範囲で設定する。ここでは、異常電圧判定閾値(VEM
G )を設定し、レバー出力信号の出力値がこれを上回る
ときは、異常電圧入力処理を行う。また、更新はコント
ローラの制御信号がレバー中立点の不感帯域にある時に
行うことで安全性を確保することができる。
【0017】不感帯域判断部8は、アクチュエータ3へ
の制御信号を監視して、制御信号がストロークの中立点
の不感帯域にあるかどうかを判断しており、制御信号が
ストロークの中立点の不感帯域に移行したときは、これ
を演算部9に通知する。
【0018】演算部9は、前記不感帯域判断部8で制御
信号が前記不感帯域に移行したと判断されたときは、レ
バー出力信号をレバーフルストローク点と認識する値
(VMAX )を、前記最大設定値保持部6に保持されてい
る最大設定値(Vmax )に段階的に近付けるための演算
を行う。また、前記レバー出力信号の出力値(V)と、
レバーフルストローク時の初期設定値(Vimax)と、レ
バーフルストローク点と認識する値(VMAX )とを比較
し、Vimax<V<VMAX となる場合は、前記最大設定値
保持部6に保持されている最大設定値(Vmax )を、レ
バーフルストローク時の下限設定値(Vmin )に段階的
に近付ける演算を行う。
【0019】ここで、前記VMAX をVmax に段階的に近
付けるための演算は、VMAX をVmax に近付ける速度を
ΔV+とすると、アクチュエータの操作信号が中立点の
不感帯域に移行する度に、VMAX =VMAX +(ΔV+)
の演算処理を一回づつ実行する。これにより、VMAX は
一定の割合で段階的にVmax に近付いていく。ただし、
VMAX はVmax の値を越えて補正されることはない。
【0020】また、前記Vmax をVmin に段階的に近付
けるための演算は、Vmax をVminに近付ける速度をΔ
V−とすると、操作レバーが中立点の不感帯域に移行す
る度に、Vmax =Vmax +(ΔV−)の演算処理を一回
づつ実行する。これにより、Vmax は一定の割合で段階
的にVmin に近付いていく。ただし、Vmax はVminの
値を越えて補正されることはない。
【0021】このように、前記VMAX やVmax の値は予
め定められた値を越えて補正されることはないので、操
作レバーのフルストローク時の不感帯の幅を、ほぼ一定
の範囲内に保つことができる。なお、システムの立ち上
がり時には、VMAX 、VmaxのそれぞれにVimaxが初期
値として設定される。
【0022】上記コントローラ2は、CPU(中央処理
装置)やROM、RAMなどを主要構成要素とする制御
回路により構成されており、所定の制御プログラムによ
り、後述のフローチャートの処理を実行している。
【0023】次に、上述したコントローラ2による設定
値補正処理の流れを図2のフローチャートを用いて説明
する。
【0024】まず、Vmax =Vimax、VMAX =Vimaxと
し(ステップ101)、レバー出力信号の出力値Vが異
常電圧判定閾値(VEMG )より大きいかどうかを判断す
る(ステップ102)。ここで、V>VEMG であるとき
は過大電圧であるため、異常電圧入力処理を行う(ステ
ップ103)。また、ステップ102でV>VEMGでな
いときは、VがVmax より大きいかどうかを判断する
(ステップ104)。ここで、V>Vmax であるとき
は、新たなレバー出力信号の出力値VをVmax と入れ替
えて保持する(ステップ105)。続いて、アクチュエ
ータの制御信号がストローク中立点の不感帯域にあるか
どうかを判断し(ステップ106)、制御信号が前記不
感帯域に移行しているときは、速度ΔV+によりVMAX
をVmax に段階的に近づける演算を行う(ステップ10
7)。次に、レバー出力信号の出力値VがVMAX より小
さく、かつVimaxより大きいかどうかを判断し(ステッ
プ108)、Vimax<V<VMAX であるときは、速度Δ
V−によりVmax をレバーフルストローク時の下限設定
値Vmin に段階的に近付ける演算を行う(ステップ10
9)。
【0025】上述したコントローラの演算処理によれ
ば、操作レバーのフルストローク時の不感帯域の量をほ
ぼ一定に保つことができるので、操作レバーの精度のバ
ラツキによる操作性の悪さを改善することができる。加
えて、レバーがストローク中立点に移行する度に演算処
理が行われるため、操作レバーの精度のバラツキは序々
に補正されることになる。したがって、レバーの操作感
覚も急に変わることはなく、レバーの操作性を自然なも
のとすることができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係わる
アクチュエータ制御装置においては、操作レバー出力特
性のバラツキを、アクチュエータの制御信号がストロー
ク中立点の不感帯域に移行する度に序々に補正するよう
にしたため、レバーの操作感覚は経時的に緩やかに改善
されることになり、オペレータは自然な操作性を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクチュエータ制御システムの全体的な構成を
示すブロック図。
【図2】コントローラによる設定値補正処理の流れを示
すフローチャート。
【図3】レバーストロークとアクチュエータ速度との関
係を示す特性線図。
【図4】レバーストロークとレバー出力信号との関係を
示す特性線図。
【図5】レバー出力信号とアクチュエータ速度との関係
を示す特性線図。
【符号の説明】
1…操作量入力装置 2…コントローラ 3…アクチュエータ 4…操作レバー 6…最大設定値保持部 7…比較・更新部 8…不感帯域判断部 9…演算部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】操作レバー、並びに該操作レバーのレバー
    ストロークに応じた出力信号を発生する計測手段を有す
    る操作量入力装置と、該操作量入力装置からの出力値に
    基づいてアクチュエータを駆動するための制御信号を出
    力するコントローラとを具えたアクチュエータ制御装置
    において、 前記操作レバーのフルストローク点での最大設定値を保
    持する最大設定値保持手段と、 前記操作レバーからの出力値と前記最大設定値とを比較
    し、前記出力値が最大設定値より大きい場合は、前記出
    力値を前記最大設定値と入れ替えて前記最大設定値保持
    手段に更新記憶する比較・更新手段と、 アクチュエータへの制御信号がストローク中立点の特定
    領域にあるかどうかを判断する領域判断手段と、 前記制御信号が前記特定領域に移行する度に、前記コン
    トローラがレバー出力信号をレバーフルストローク点と
    認識する値を、前記最大設定値保持手段に保持されてい
    る最大設定値に段階的に近付けるための演算を行う演算
    手段と、 を具えたことを特徴とするアクチュエータ制御装置。
  2. 【請求項2】前記演算手段は、前記演算機能に加えて、
    前記操作レバーからの出力値が、レバーフルストローク
    時の初期設定値より大きく、かつ前記最大設定値保持手
    段に保持されている値よりも小さいときは、前記最大設
    定値保持手段に保持されている最大設定値を、レバーフ
    ルストローク時の下限設定値に段階的に近付ける演算を
    行うものであることを特徴とする請求項1記載のアクチ
    ュエータ制御装置。
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