JPH08194503A - 調節計 - Google Patents

調節計

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JPH08194503A
JPH08194503A JP633195A JP633195A JPH08194503A JP H08194503 A JPH08194503 A JP H08194503A JP 633195 A JP633195 A JP 633195A JP 633195 A JP633195 A JP 633195A JP H08194503 A JPH08194503 A JP H08194503A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ステップ応答法による制御対象の特性の同定が
正しく行われなかった場合に、誤った制御パラメータが
設定されて制御が行われるのを防止することを目的とす
る。 【構成】制御対象2の特性を同定するために、ステップ
操作量を印加し、その応答波形に基づいて、無駄時間お
よび傾きを逐次算出し、それらが所定の条件に達する
と、PID制御に移行するとともに、ステップ応答によ
る無駄時間および傾きの同定が正しく行われたか否かを
判定し、正しく行われたと判定されたときには、同定さ
れた無駄時間および最大傾きに基づいて、PID制御パ
ラメータを算出して設定し、正しく行われていないと判
定されたときには、リミットサイクル法による同定を行
ってPID制御パラメータを設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PID調節計などの調
節計に関し、さらに詳しくは、制御対象の特性を同定
し、それに基づいて制御パラメータが設定される調節計
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、PID調節計のPID制
御パラメータの設定方法としては、制御対象にステップ
状の操作量を加えてその応答波形から制御対象の特性を
同定し、それに基づいてPID制御パラメータを設定す
るステップ応答法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このステップ応答法で
は、何等かの原因によって制御対象の特性の同定が正し
く行われなかった場合には、PID制御パラメータも誤
った値が設定されてしまい制御性能が悪化することにな
る。
【0004】例えば、図7に示されるように、PID調
節計の電源が投入されて動作が開始されたにも拘わら
ず、制御対象のヒータの電源の投入が遅れたような場合
には、その遅れた期間も含めて無駄時間が同定されるこ
とになり、正しい無駄時間よりも長く同定されることに
なり、このため、PID制御パラメータが正しく設定さ
れないことになる。
【0005】あるいは、図8に示されるように、PID
調節計および制御対象の電源が投入されて動作が開始さ
れた後に、瞬時停電が生じてPID調節計がリセットさ
れたような場合には、瞬時停電が生じるまでの無駄時間
は、無視されることになり、正しい無駄時間よりも短く
同定されることになり、PID制御パラメータが正しく
設定されないことになる。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みて為されたもの
であって、ステップ応答法による制御対象の特性の同定
が正しく行われなかった場合に、誤った制御パラメータ
が設定されて制御が行われるのを防止することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。
【0008】すなわち、請求項1記載の本発明は、ステ
ップ応答法によって制御対象の特性を同定する調節計で
あって、ステップ操作量を出力するステップ操作量出力
手段と、前記ステップ操作量の印加に対する前記制御対
象の制御量の変化に基づいて、無駄時間および最大傾き
を同定するステップ応答同定手段と、前記ステップ応答
同定手段による同定が正しく行われたか否かを判定する
同定結果判定手段とを備えている。
【0009】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
調節計において、制御対象から得られる制御量と目標値
との偏差に基づいて、操作量を出力するPID制御手段
と、制御対象の特性を同定するために、前記ステップ操
作量出力手段からのステップ操作量を制御対象に印加す
るとともに、制御量の変化に対応して得られる無駄時間
および傾きが、所定の条件に達したときには、ステップ
操作量の印加を停止して前記PID制御手段によるPI
D制御に移行する制御系切換手段と、前記同定結果判定
手段で同定が正しく行われたと判定されたときに、前記
ステップ応答同定手段で同定された無駄時間および最大
傾きに基づいて、PID制御パラメータを算出して前記
PID制御手段に設定する設定手段とを備えている。
【0010】請求項3記載の本発明は、請求項2記載の
調節計において、リミットサイクル操作量を出力するリ
ミットサイクル操作量出力手段と、前記リミットサイク
ル操作量の印加に対する前記制御対象の制御量の変化に
基づいて、無駄時間および最大傾きを同定するリミット
サイクル同定手段とを備え、前記制御系切換手段は、前
記同定結果判定手段で同定が正しく行われなかったと判
定されたときに、前記PID制御手段によるPID制御
を停止して前記リミットサイクル操作量出力手段からの
リミットサイクル操作量を前記制御対象に印加するもの
である。
【0011】請求項4記載の本発明は、請求項3記載の
調節計において、前記制御系切換手段は、前記同定結果
判定手段で同定が正しく行われなかったと判定されたと
きには、前記制御量が前記目標値に達した時点で前記リ
ミットサイクル操作量出力手段からのリミットサイクル
操作量を前記制御対象に印加するものである。
【0012】請求項5記載の本発明は、請求項1または
2記載の調節計において、前記同定結果判定手段で同定
が正しく行われなかったと判定されたときに、その旨を
報知する報知手段を備えている。
【0013】請求項6記載の本発明は、請求項1ないし
5のいずれかに記載の調節計において、前記同定結果判
定手段は、前記ステップ応答同定手段で同定された無駄
時間と最大傾きとの積が、予め定めた範囲内にあるとき
に、同定が正しく行われたと判定するものである。
【0014】
【作用】請求項1記載の本発明によれば、ステップ応答
法による無駄時間および最大傾きの同定が正しく行われ
た否かを判定する同定結果判定手段を備えているので、
ステップ応答法による同定が正しく行われなかったとき
に、誤った制御パラメータが設定されて制御が行われる
のを防止できることになる。
【0015】請求項2記載の本発明によれば、ステップ
操作量を印加して無駄時間および最大傾きを同定すると
ともに、所定の条件が満足されたときには、PID制御
に移行し、無駄時間および最大傾きの同定が正しく行わ
れたと判定されたときには、それらに基づいて、PID
制御パラメータが設定されてPID制御が行われること
になり、ステップ応答に引き続いて最適なPID制御が
行われることになる。
【0016】請求項3記載の本発明によれば、リミット
サイクル操作量出力手段およびリミットサイクル同定手
段を備え、ステップ応答法による同定が正しく行われな
かったと判定されたときには、リミットサイクル法によ
る同定を行うので、このリミットサイクル法で同定され
た無駄時間および最大傾きに基づいて、最適なPID制
御パラメータを設定するといったことが可能となる。
【0017】請求項4記載の本発明によれば、ステップ
応答法による同定が正しく行われなかった場合のリミッ
トサイクル法による同定を、制御量が目標値に達した時
点から開始することができる。
【0018】請求項5記載の本発明によれば、同定結果
判定手段で同定が正しく行われなかったと判定されたと
きに、その旨を報知するので、ユーザは、同定をやり直
すといった措置をとることができる。
【0019】請求項6記載の本発明によれば、同定結果
判定手段では、ステップ応答法で同定された無駄時間と
最大傾きとの積が、予め定めた範囲内にあるときに、同
定が正しく行われたと判定するので、例えば、無駄時間
のみを予め定めた値のみと比較して判定するような場合
に比べて、より正確に判定が行えることになる。
【0020】
【実施例】以下、図面によって本発明の実施例につい
て、詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明の一実施例の機能ブロック
図であり、この実施例では、PID調節計に適用して説
明する。
【0022】この実施例のPID調節計1は、制御対象
2に合わせてPID制御パラメータを自動的に調整する
自己調節型の調節計である。
【0023】この実施例のPID調節計1は、目標値の
変更時において、ステップ応答法によって制御対象2の
立ち上がり特性を同定し、その立ち上がり時に逐次得ら
れる無駄時間および傾きが所定の条件に達した時に、P
ID制御に移行するとともに、それまでに同定された無
駄時間および最大傾きに基づいてPID制御パラメータ
を算出し、ステップ応答法による同定が正しく行われた
と判定したときには、算出されたPID制御パラメータ
を設定し、同定が正しく行われなかったと判定したとき
には、リミットサイクル法による同定を行い、リミット
サイクル法で同定された無駄時間および最大傾きに基づ
いてPID制御パラメータを算出して設定するものであ
る。
【0024】このため、PID調節計1では、図1に示
されるように、操作量100%のステップ操作量を出力
するステップ操作量出力手段3と、PID制御を行うP
ID制御手段4と、制御対象2の応答波形を振動させる
ようなリミット操作量を出力するリミット操作量出力手
段8と、ステップ応答法よる制御量の変化に基づいて、
その変化に対応した無駄時間Lnおよび傾きRnを、後
述の所定のサンプリング周期で逐次算出して無駄時間L
および最大傾きRを同定するとともに、ステップ応答法
による同定が正しく行われなかった場合のリミットサイ
クル法による無駄時間Lおよび最大傾きRの同定を行う
同定手段5と、この同定手段5によるステップ応答法に
よる同定が正しく行われたか否かを判定して制御系切換
手段6および設定手段7に与える同定結果判定手段9
と、ステップ操作量、PID操作量あるいはリミットサ
イクル操作量を、制御対象2に後述のように切換えて印
加する制御系切換手段6と、同定手段5で同定された無
駄時間Lおよび最大傾きRに基づいて、PID制御パラ
メータを算出し、PID制御手段4のPID制御パラメ
ータを、算出されたPID制御パラメータに変更する設
定手段7とを備えている。
【0025】同定結果判定手段9は、ステップ応答法に
よる同定手段5での無駄時間Lおよび最大傾きRの同定
が正しく行われたか否かを判定するものであり、この実
施例では、同定手段5で同定された無駄時間Lおよび最
大傾きRの積(L*R)が、予め定めた範囲内(L*R
min〜L*Rmax)にあるときには、同定が正しく行われ
たと判定し、前記範囲内にないときには、同定が正しく
行われなかったと判定するものである。
【0026】すなわち、通常の制御対象では、無駄時間
Lと最大傾きRとは、逆比例の関係にあり、したがっ
て、その積(L*R)は、正しく同定が行われていれ
ば、一定の範囲内に収まることが期待できる。そこで、
この実施例では、前記下限値L*Rminおよび前記上限
値L*Rmaxを、通常の制御対象ではあり得ない値とし
て実験的あるいは経験的に予め決定しておくものであ
る。
【0027】この同定結果判定手段9によるステップ応
答法の同定結果の判定によれば、例えば、上述の図7あ
るいは図8に示されるような同定は、正しく行われなか
ったと判定されることになる。
【0028】なお、本発明の他の実施例として、同定結
果判定手段9では、例えば、次のようにして同定が正し
く行われたか否かを判定してもよい。
【0029】同定された無駄時間Lが、予め定めた通
常の制御対象ではあり得ないような大きな値Lmaxを越
えたら正しく行われなかったと判定する。
【0030】同定された無駄時間Lおよび最大傾きR
の積(L*R)が、前記上限値L*Rmaxを越えたら正
しく行われなかったと判定する。
【0031】同定された無駄時間Lが、予め定めた通
常の制御対象ではあり得ないような小さな値Lmin未満
であれば、正しく行われなかったと判定する。
【0032】同定された無駄時間Lおよび最大傾きR
の積(L*R)が、前記下限値L*Rmin未満であれ
は、正しく行われなかったと判定する。
【0033】ステップ操作量の印加を続けたとして
も、それ以上大きな傾きRnが得られない最大の傾きが
得られなかったとき(最大の傾きが得られる以前に同定
を終了したとき)に、正しく行われなかったと判定す
る。
【0034】上記〜を任意に組み合わせて判定す
る。
【0035】制御系切換手段6は、制御対象2の特性を
同定するために、ステップ操作量を制御対象2に印加す
るとともに、同定手段5から逐次得られる無駄時間Ln
および傾きRnが所定の条件に達したときに、ステップ
操作量の印加を停止してPID制御手段4によるPID
制御に移行させる。
【0036】さらに、ステップ応答法による無駄時間L
および最大傾きRの同定が正しく行われていなかったと
同定結果判定手段9で上述のようにして判定されたとき
には、PID制御を停止し、リミットサイクル操作量出
力手段8からのリミットサイクル操作量を制御対象2に
印加し、リミットサイクル法によって無駄時間Lおよび
最大傾きRが同定手段5で同定されると、再びPID制
御に移行させるものである。このときには、リミットサ
イクル法で同定された無駄時間Lおよび最大傾きRに基
づくPID制御パラメータが設定手段7で算出されてP
ID制御手段4のPID制御パラメータが変更される。
【0037】この実施例では、同定手段5は、ステップ
応答法によって、無駄時間Lおよび最大傾きRを後述の
ようにして同定するステップ応答同定手段としての機能
を有するとともに、同定結果判定手段9でステップ応答
法による同定が正し行われなかったと判定されたときの
リミットサイクル法による無駄時間Lおよび最大傾きR
を同定するリミットサイクル同定手段としての機能を併
有している。
【0038】制御系切換手段6は、目標値が変更され、
しかも、現在の制御量が比例帯外にあるときに、制御対
象2に印加する操作量を、ステップ操作量出力手段3か
らの最大ステップ操作量に切換えてPID制御パラメー
タを設定するためのセルフチューニングに移行する。こ
のステップ操作量の印加は、同定手段5から逐次得られ
る無駄時間Lnおよび傾きRnが、所定の条件に達した
とき、この実施例では、次の(1)式を満足しなくなっ
たときに、ステップ操作量の印加が停止されてPID制
御手段4によるPID制御に移行する。
【0039】 現在の制御量(y)+傾き(Rn’)×無駄時間(Ln’)<目標値 (1) ここで、Rn’は、それまでに算出された傾きRnの内
で最大の傾き Ln’は、その傾きRn’に対応する無駄時間を示して
いる。
【0040】すなわち、この実施例では、目標値を越え
てしまわない範囲でステップ操作量の印加を続行し、上
記(1)式を満足しなくなったときに、PID制御に移
行するものである。
【0041】同定手段5は、ステップ操作量に対する制
御対象のステップ応答による制御量の変化に基づいて、
その変化に対応した無駄時間Lnおよび傾きRnを、図
2に示されるようにして逐次算出して同定し、制御系切
換手段6、設定手段7および同定結果判定手段9に出力
するものである。
【0042】図2(A)は初期状態が平衡のときの最大
傾きRおよび無駄時間Lを示し、図2(B)は初期状態
が非平衡のときの最大傾きRおよび無駄時間Lnを示し
ている。この実施例では、傾きRnは、0.5secの
サンプリング周期で、8サンプリンングの平均値として
算出され、傾きRnの検出点は、前記8サンプリングの
中心点としており、無駄時間Lnは、ステップ操作量を
印加した時点から前記傾きRnと図2のように交差する
時点までの時間として算出される。
【0043】このようにして同定手段5は、0.5se
c毎に、傾きRnおよび無駄時間Lnを逐次算出して同
定する。
【0044】なお、最大傾きRとは、ステップ操作量の
印加を続けたとしても、それ以上大きな傾きRnが得ら
れない最大の傾きをいうが、この実施例では、この最大
の傾きが最大傾きRとして同定される場合もあるが、後
述のように、より好ましい制御パラメータへの移行を速
く行えるようにするために、最大の傾きに達していない
時点においても、それまでで最も大きな傾きが最大傾き
Rとして同定される場合がある。
【0045】したがって、この実施例においては、ステ
ップ操作量の印加を続けたとしても、それ以上大きな傾
きRnが得られない最大の傾きが、最大傾きRとして同
定されなくても、同定された無駄時間Lおよび最大傾き
Rの積(L*R)が、予め定めた範囲内(L*Rmin
L*Rmax)にあるときには、同定が正しく行われたと
判定されるものである。
【0046】この実施例の設定手段7は、同定手段5で
同定された最大傾きRおよび無駄時間Lに基づいて、P
ID制御パラメータを算出し、さらに、同定結果判定手
段9で、ステップ応答法による前記最大傾きRおよび無
駄時間Lの同定が正しく行われた判定されたときに、算
出された前記PID制御パラメータをPID制御手段4
に設定し、設定された新たなPID制御パラメータでP
ID制御を行うものである。
【0047】また、同定結果判定手段9で、ステップ応
答法による最大傾きRおよび無駄時間Lの同定が正しく
行われなかったと判定されたときには、算出されたPI
D制御パラメータの設定を行わない。なお、この場合に
は、上述のように、PID制御を停止してリミットサイ
クル法に移行し、リミットサイクル法によって最大傾き
Rおよび無駄時間Lの同定が行われることになり、設定
手段7は、リミットサイクル法によって最大傾きRおよ
び無駄時間Lが同定されると、それに基づいてPID制
御パラメータを算出してPID制御手段4に設定する。
【0048】以上のステップ操作量出力手段3、PID
制御手段4、制御系切換手段6、同定手段5、設定手段
7、リミットサイクル操作量出力手段8および同定結果
判定手段9は、マイクロコンピュータによって構成され
ている。
【0049】次に、上述の動作を図3および図4のフロ
ーチャートに従ってさらに詳細に説明する。
【0050】先ず、目標値が変更された否かを判断し
(ステップn1)、変更されたときには、現在の制御量
が、比例帯外にあるか否かを判断し(ステップn2)、
比例帯外にあるときには、セルフチューニングに移行し
て100%のステップ操作量を印加し(ステップn
3)、制御対象2のステップ応答による制御量の変化に
基づいて、その変化に対応した無駄時間Lnおよび傾き
Rnを逐次算出して同定を行う(ステップn4)。
【0051】この同定によって得られる無駄時間Lnお
よび傾きRnが、上述の(1)式を満たしているか否か
を判定し(ステップn5)、満たしているときには、ス
テップ操作量の印加(ステップn3)および同定(ステ
ップn4)を続行し、満たしていないときには、ステッ
プ操作量の印加を停止してPID制御に移行し(ステッ
プn6)、その時点までの同定によって最大傾きR(ス
テップ操作量の印加を続けたとしても、それ以上大きな
傾きRnが得られない最大の傾き)が得られたか否かを
判断する(ステップn7)。
【0052】最大傾きRが得られたときには、その傾き
および対応する無駄時間を、最大傾きRおよび無駄時間
Lと同定し、それらに基づいて、PID制御パラメータ
を算出する(ステップn8)。
【0053】次に、ステップ応答法による最大傾きRお
よび無駄時間Lの同定が正く行われたか否かを、上述の
ように、その積R*Lが予め定めた範囲内にあるか否か
によって判定し(ステップn9)、正しく行われたと判
定したときには、PID制御手段4のPID制御パラメ
ータを、ステップn8で算出されたPID制御パラメー
タに変更して(ステップn10)終了する。
【0054】また、ステップn9において、最大傾きR
および無駄時間Lの同定が正しく行われなかったと判定
されたときには、図4に示されるように、PID制御を
停止してリミットサイクル操作量を制御対象2に出力し
てリミットサイクル法による同定を開始し(ステップn
11)、リミットサイクル法による最大傾きRおよび無
駄時間Lの同定が終了したか否かを判断し(ステップn
12)、同定が終了したときには、このリミットサイク
ル法で同定された最大傾きRおよび無駄時間Lに基づい
て、PID制御パラメータを算出し、この算出されたP
ID制御パラメータに変更するとともに、PID制御に
移行して(ステップn13)終了する。
【0055】また、上述のステップn7において、最大
傾きRが得られなかったときには、それまでに得られた
最大の傾きRnおよび無駄時間Lnを、最大傾きRおよ
び無駄時間Lと同定し、それらに基づいて、PID制御
パラメータを算出し(ステップn14)、その比例ゲイ
ンKpが、PID制御手段4に予め設定されているPI
D制御パラメータの比例ゲインよりも大きいか否かを判
断する(ステップn15)。
【0056】ステップn15において、比例ゲインが大
きくない、すなわち、安定側であると判断したときに
は、ステップ応答法による最大傾きRおよび無駄時間L
の同定が正しく行われたか否かを判定し(ステップn1
6)、正しく行われたと判定したときには、PID制御
手段4のPID制御パラメータを、ステップn14で算
出されたPID制御パラメータに変更して(ステップn
17)ステップn18に移り、ステップn16で正しく
行われなかったと判定したときには、上述のステップn
11に移る。
【0057】また、ステップn15で比例ゲインが大き
いと判断したときには、図4に示されるようにPID制
御パラメータを変更することなく、ステップn18に移
る。
【0058】ステップn18では、ステップ操作量の印
加終了の後、さらに、無駄時間Lnが経過するまで、傾
きRnおよび無駄時間Lnを算出し、それまでの最大の
傾きRnおよび無駄時間Lnを最大傾きRおよび無駄時
間Lと同定し、それらに基づいて、PID制御パラメー
タを算出し(ステップn19)、その比例ゲインKp
が、PID制御手段4に設定されているPID制御パラ
メータの比例ゲインよりも大きいか否かを判断し(ステ
ップn20)、比例ゲインが大きくないと判断したとき
には、ステップ応答法による最大傾きRおよび無駄時間
Lの同定が正く行われたか否かを判定し(ステップn2
1)、正しく行われたと判定したときには、PID制御
手段4のPID制御パラメータを、ステップn19で算
出されたPID制御パラメータに変更して(ステップn
22)して終了し、正しく行われなかったと判定したと
きには、ステップn11に移る。
【0059】また、ステップn20で比例ゲインが大き
いと判断したときには、既に設定されているPID制御
パラメータがより適しているとしてPID制御パラメー
タを変更することなく、終了する。
【0060】このようにステップ応答法による立ち上が
り特性から無駄時間Lおよび最大傾きRの同定を行って
PID制御に移行し、しかも、ステップ応答法による同
定が正しく行われたか否かを判定し、正しく行われたと
判定されたときには、同定された無駄時間Lおよび最大
傾きRに基づいてPID制御パラメータを変更して最適
な制御に移行し、また、正しく行われなかったと判定し
たときには、リミットサイクル法によって無駄時間Lお
よび最大傾きRの同定をやり直し、リミットサイクル法
によって同定された無駄時間Lおよび最大傾きRに基づ
いてPID制御パラメータを変更して最適な制御に移行
するので、上述の図7あるいは図8に示されるように、
ステップ応答法による特性の同定が失敗したとしても、
従来のように制御性能が悪化することなく、最適な制御
に移行できることになる。
【0061】しかも、この実施例によれば、ステップ応
答に引き続いてPID制御に移行するので、通常の閉ル
ープ制御とは別の特性同定のための試験的な立上げも不
要となる。
【0062】さらに、この実施例では、ステップ操作量
の印加を続けたとしても、それ以上大きな傾きRnが得
られない最大の傾きRが得られなかったときには、PI
D制御に移行した後、比例ゲインを比較することによっ
てPID制御パラメータを変更するか否かを判定するの
で、PID制御パラメータが非安定側に変更されること
がなく、したがって、制御系が不安定になりにくい。
【0063】また、上述の実施例では、比例ゲインを比
較してPID制御パラメータを変更するか否かを判定し
たけれども、本発明の他の実施例として、比例ゲインの
比較を省略してもよい。
【0064】上述の実施例では、PID制御に一旦移行
した後、ステップ応答法による同定が正しく行われなか
ったと判定したときには、図5に示されるように、直ち
にリミットサイクル法に移行するようにしたけれども、
本発明の他の実施例として、ステップ応答法による同定
が正しく行われなかったと判定したときに、直ちにリミ
ットサイクル法に移行するのではなく、図6に示される
ように、目標値に到達してからリミットサイクル法に移
行するようにしてもよい。この場合には、目標値近傍で
の制御が速く開始されることになる。
【0065】上述の実施例では、制御対象の特性を同定
し、その同定結果に基づいてPID制御パラメータを自
動的に設定する自己調節型の調節計に適用して説明した
けれども、本発明の他の実施例として、制御対象の特性
をステップ応答法によって同定し、制御パラメータの設
定は、ユーザが行う調節計にも同様に適用できるもので
あり、このような調節計においては、同定結果判定手段
に加えて、判定結果を報知する表示素子やブザなどの報
知手段を設けてもよい。これによって、ステップ応答法
による同定が正しく行われなかった場合には、ユーザ
は、報知手段よってそれを知ることができることにな
り、同定をやり直すことが可能となる。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ステップ
応答法による無駄時間および最大傾きの同定が、正しく
行われたか否かを判定する同定結果判定手段を備えてい
るので、同定が正しく行われなかったときに、誤った制
御パラメータが設定されて制御が行われるということが
ない。
【0067】また、ステップ応答法による同定が正しく
行われたときには、それに基づいて制御パラメータが設
定されるので、ステップ応答に引き続いて最適なPID
制御が行われることになる。
【0068】さらに、ステップ応答法による同定が正し
く行われなかったときには、リミットサイクル法によっ
て同定が行われるので、その同定結果に基づいて制御パ
ラメータを設定して最適な制御に移行することもでき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の機能ブロック図である。
【図2】傾きRnおよび無駄時間Lnの算出を説明する
ための波形図である。
【図3】動作説明に供するフローチャートである。
【図4】動作説明に供するフローチャートである。
【図5】リミットサイクル法への移行を説明するための
波形図である。
【図6】本発明の他の実施例の波形図である。
【図7】従来例の問題点を説明するための波形図であ
る。
【図8】従来例の問題点を説明するための波形図であ
る。
【符号の説明】
2 制御対象 3 ステップ操作量出力手段 4 PID制御手段 5 同定手段 6 制御系切換手段 7 設定手段 8 リミットサイクル操作量出力手段 9 同定結果判定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G05B 23/02 X 7531−3H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステップ応答法によって制御対象の特性を
    同定する調節計であって、 ステップ操作量を出力するステップ操作量出力手段と、 前記ステップ操作量の印加に対する前記制御対象の制御
    量の変化に基づいて、無駄時間および最大傾きを同定す
    るステップ応答同定手段と、 前記ステップ応答同定手段による同定が正しく行われた
    か否かを判定する同定結果判定手段と、 を備えることを特徴とする調節計。
  2. 【請求項2】前記制御対象から得られる制御量と目標値
    との偏差に基づいて、操作量を出力するPID制御手段
    と、 制御対象の特性を同定するために、前記ステップ操作量
    出力手段からのステップ操作量を制御対象に印加すると
    ともに、制御量の変化に対応して得られる無駄時間およ
    び傾きが、所定の条件に達したときには、ステップ操作
    量の印加を停止して前記PID制御手段によるPID制
    御に移行する制御系切換手段と、 前記同定結果判定手段で同定が正しく行われたと判定さ
    れたときに、前記ステップ応答同定手段で同定された無
    駄時間および最大傾きに基づいて、PID制御パラメー
    タを算出して前記PID制御手段に設定する設定手段
    と、 を備えるものである前記請求項1記載の調節計。
  3. 【請求項3】リミットサイクル操作量を出力するリミッ
    トサイクル操作量出力手段と、 前記リミットサイクル操作量の印加に対する前記制御対
    象の制御量の変化に基づいて、無駄時間および最大傾き
    を同定するリミットサイクル同定手段とを備え、 前記制御系切換手段は、前記同定結果判定手段で同定が
    正しく行われなかったと判定されたときに、前記PID
    制御手段によるPID制御を停止して前記リミットサイ
    クル操作量出力手段からのリミットサイクル操作量を前
    記制御対象に印加するものである前記請求項2記載の調
    節計。
  4. 【請求項4】前記制御系切換手段は、前記同定結果判定
    手段で同定が正しく行われなかったと判定されたときに
    は、前記制御量が前記目標値に達した時点で前記リミッ
    トサイクル操作量出力手段からのリミットサイクル操作
    量を前記制御対象に印加するものである前記請求項3記
    載の調節計。
  5. 【請求項5】前記同定結果判定手段で同定が正しく行わ
    れなかったと判定されたときに、その旨を報知する報知
    手段を備えるものである前記請求項1または2記載の調
    節計。
  6. 【請求項6】前記同定結果判定手段は、前記ステップ応
    答同定手段で同定された無駄時間と最大傾きとの積が、
    予め定めた範囲内にあるときに、同定が正しく行われた
    と判定するものである前記請求項1ないし5のいずれか
    に記載の調節計。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011181069A (ja) * 2010-03-02 2011-09-15 Fisher-Rosemount Systems Inc プロセスモデルの高速同定および生成
JP2011232977A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Yamatake Corp Pidパラメータ調整支援装置および方法
WO2014115263A1 (ja) * 2013-01-23 2014-07-31 株式会社日立製作所 位置決め制御システム

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