JPH05119804A - Pid調節器 - Google Patents

Pid調節器

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JPH05119804A
JPH05119804A JP27774891A JP27774891A JPH05119804A JP H05119804 A JPH05119804 A JP H05119804A JP 27774891 A JP27774891 A JP 27774891A JP 27774891 A JP27774891 A JP 27774891A JP H05119804 A JPH05119804 A JP H05119804A
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JP
Japan
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target value
pid control
pid
calculated
control parameter
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Application number
JP27774891A
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English (en)
Inventor
Yumi Saito
ゆみ 斉藤
Shimei Chiyou
志明 張
Tamio Ueda
民生 上田
Yoshihiro Osami
好洋 長見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】PID制御パラメータの設定のために、応答波
形を振動させたり、あるいは、試験的な立上げを必要と
せず、しかも、オーバーシュートやブレーキ現象の生じ
ない自己調節型のPID調節器を提供する 【構成】制御対象の特性を同定するために、ステップ操
作量を印加し、その応答波形に基づいて、無駄時間およ
び傾きを逐次算出し、それらが所定の条件に達すると、
PID制御に移行するとともに、そのときまでに得られ
た無駄時間および傾きに基づいて、PID制御パラメー
タを算出して設定するものであり、さらに、PID制御
に移行する際には、仮の目標値から変更設定された目標
値に、目標値が変更されたとする目標値変更信号を目標
値フィルタに与えるように構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制御対象の特性に合わ
せてPID制御パラメータを自動的に最適値にする自己
調節型のPID調節器に関し、さらに詳しくは、変更さ
れた目標値に徐々に近付けた値を目標値として出力する
目標値フィルタを備えるPID調節器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、PID調節器においては、制御
対象に所定パターンの操作量を加えて応答波形を振動さ
せ、その応答波形から制御対象の特性を同定してPID
制御パラメータを適切に設定するリミットサイクル法に
よるオートチューニング、あるいは、制御対象にステッ
プ状の操作量を加えてその応答波形から制御対象の特性
を同定してPID制御パラメータを設定し、その後に通
常の閉ループ制御を行うステップ応答法などによって制
御対象に応じたPID制御パラメータが決定されてい
る。
【0003】しかしながら、前者のオートチューニング
にあっては、応答波形を振動させるために、制御対象に
よっては適用できない場合や同定に時間がかかる場合が
あるといった難点があり、一方、後者のステップ応答法
にあっては、制御対象の特性を同定するために、通常の
閉ループ制御に先立って試験的な立上げを必要とすると
いった難点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本件出願人
は、平成3年9月20日提出の特許願(特願平3−24
1443号)「PID調節器」において、PID制御パ
ラメータの設定のために、応答波形を振動させることな
く、しかも、試験的な立上げの必要のない自己調節型の
PID調節器を提案している。
【0005】上記出願のPID調節器は、目標値が変更
設定されたときに、例えば、100%のステップ操作量
を印加し、その応答波形から無駄時間および傾きを逐次
算出し、それらが所定の条件に達すると、ステップ操作
量の印加を停止してPID制御に移行するとともに、そ
れまでに得られた無駄時間および最大傾きによって新た
なPID制御パラメータを算出して設定するものであ
り、従来のオートチューニングのように応答波形を振動
させることなく、しかも、ステップ応答に引き続いてP
ID制御に移行できるものである。
【0006】本件出願は、この先に提案したPID調節
器の改良に係るものであり、ゲインを大きくして外乱に
強い制御系とするために、実際に設定された目標値に徐
々に近付けた値を目標値として出力する一次遅れフィル
タなどの目標値フィルタを設けた場合に、オーバーシュ
ートやブレーキ現象が生じることなく、ステップ操作量
の印加からPID制御に滑らかに移行できるようにする
ことを目的としている。
【0007】例えば、先に提案したPID調節器におい
て、目標値フィルタを設けた場合には、図5に示される
ように100%のステップ操作量の印加を停止してPI
D制御に時刻tcで移行したときに、制御量yが、目標
値フィルタから出力される目標値r’を下回ってしま
い、ブレーキ現象が生じるといった難点がある。
【0008】本発明は、上述の点に鑑みて為されたもの
であって、PID制御パラメータの設定のために、応答
波形を振動させたり、あるいは、試験的な立上げを必要
とせず、しかも、オーバーシュートやブレーキ現象の生
じない自己調節型のPID調節器を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。
【0010】すなわち、本発明は、ステップ応答法によ
って制御対象の特性を同定してPID制御に移行する自
己調節型のPID調節器であって、目標値変更信号が与
えられる目標値フィルタと、ステップ操作量を出力する
ステップ操作量出力手段と、制御対象から得られる制御
量と前記目標値フィルタからの目標値との偏差に基づい
て、PID操作量を出力するPID制御手段と、目標値
が外部より変更設定されたときに、前記ステップ操作量
出力手段からのステップ操作量を制御対象に印加する第
1の制御系に切換えるとともに、逐次得られる無駄時間
および傾きが、所定の条件に達したときには、ステップ
操作量の前記印加を停止して制御対象を前記PID制御
手段で制御する第2の制御系に切換える制御系切換手段
と、前記ステップ操作量に対する前記制御対象のステッ
プ応答による制御量の変化に基づいて、その変化に対応
した前記無駄時間および前記傾きを所定のサンプリング
周期で逐次算出して出力する同定手段と、前記第2の制
御系への切換えにおいて、前記同定手段で算出された前
記無駄時間および前記傾きに対応したPID制御パラメ
ータを算出して前記PID制御手段に設定する制御パラ
メータ設定手段と、同じく第2の制御系への切換えにお
いて、制御量および前記算出されたPID制御パラメー
タに基づいて、仮の目標値を算出し、該仮の目標値から
前記変更設定された目標値に、目標値が変更されたとす
る目標値変更信号を生成して前記目標値フィルタに出力
する目標値変更信号生成手段と、を備えている。
【0011】
【作用】上記構成によれば、制御対象の特性を同定する
ために、ステップ操作量を印加し、その応答波形に基づ
いて、無駄時間および傾きを逐次算出し、それらが所定
の条件に達すると、PID制御に移行するとともに、そ
のときの無駄時間および傾きに基づいて、PID制御パ
ラメータを算出して設定するので、従来のオートチュー
ニングのように応答波形を振動させることなく、しか
も、ステップ応答に引き続いてPID制御に移行できる
ことになる。
【0012】さらに、PID制御に移行する際には、そ
のときの制御量およびPID制御パラメータに基づいて
仮の目標値を算出し、この仮の目標値から変更設定され
た目標値に、目標値の変更があったとする目標値変更信
号を目標値フィルタに与えるので、オーバーシュートや
ブレーキ現象を生じることなく、PID制御に移行でき
ることになる。
【0013】
【実施例】以下、図面によって本発明の実施例につい
て、詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施例の機能ブロック
図である。
【0015】この実施例のPID調節器1は、制御対象
2に合わせてPID制御パラメータを自動的に最適値に
する自己調節型の調節器であり、ゲインを大きくして外
乱に強い制御系とするために、変更設定された目標値に
徐々に近付けた値を目標値として出力する目標値フィル
タ8を備えている。
【0016】このPID調節器1では、PID制御パラ
メータの設定のために、応答波形を振動させることもな
く、しかも、通常の閉ループ制御とは別の試験的な立上
げを不要とし、さらに、オーバーシュートやブレーキ現
象を生じないようにするために、次のように構成してい
る。
【0017】すなわち、この実施例のPID調節器1
は、ユーザによる外部からの目標値の変更設定時におい
て、ステップ応答法によって制御対象2の立ち上がり特
性を同定し、その立ち上がり時に逐次得られる無駄時間
および傾きが所定の条件に達した時に、PID制御に移
行するとともに、それまでに得られた無駄時間および傾
きに基づいてPID制御パラメータを算出し、同定が十
分に行われたときには、算出されたPID制御パラメー
タを直ちに設定し、同定が十分でないときには、さらに
状態を監視し、新たに算出されたPID制御パラメータ
の比例ゲインと、予め設定されているPID制御パラメ
ータの比例ゲインとの比較し、算出されたPID制御パ
ラメータが小さい、すなわち、安全(安定)側であると
きには、算出されたPID制御パラメータに変更するも
のである。
【0018】さらに、無駄時間および傾きが所定の条件
に達してPID制御に移行する際に、そのときの制御量
およびPID制御パラメータに基づいて、目標値を後述
のように逆算して仮の目標値とし、この仮の目標値から
変更設定された目標値に、目標値の変更があったとする
目標値変更信号を目標値フィルタ8に与えるようにして
おり、これによって、PID制御へ滑らかに移行できる
ようにしている。
【0019】このため、PID調節器1は、目標値フィ
ルタ8と、操作量100%のステップ操作量を出力する
ステップ操作量出力手段3と、目標値フィルタ8からの
目標値と制御量との偏差に基づいてPID制御を行うP
ID制御手段4と、目標値が外部から変更設定されたと
きに、ステップ操作量を制御対象2に印加する第1の制
御系に切換えるとともに、同定手段5から得られる無駄
時間Lnおよび傾きRnが所定の条件に達したときに、
ステップ操作量の印加を停止してPID制御手段4で制
御する第2の制御系に切換える制御系切換手段6と、ス
テップ応答による制御量の変化に基づいて、前記無駄時
間Lnおよび前記傾きRnを、所定のサンプリング周期
で逐次算出して制御系切換手段6および設定手段7に出
力する同定手段5と、第2の制御系への切換えにおい
て、同定手段5で算出された前記無駄時間Lnおよび前
記傾きRnに対応したPID制御パラメータを算出し、
同定が十分に行われたときには、PID制御手段4のP
ID制御パラメータを、算出されたPID制御パラメー
タに変更する制御パラメータ設定手段7と、同じく第2
の制御系への切換えにおいて、後述のようにして仮の目
標値を算出し、該仮の目標値から前記変更設定された目
標値に、目標値が変更されたとする目標値変更信号を目
標値フィルタ8に出力する目標値変更信号生成手段9と
を備えている。この実施例の目標値フィルタ8は、一次
遅れフィルタであり、目標値変更信号生成手段8からの
目標値変更信号に応答して、変更された目標値に徐々に
近付けた値を目標値として出力する。
【0020】制御系切換手段6は、ユーザによって外部
から目標値が変更設定され、しかも、現在の制御量が比
例帯外にあるときに、制御対象2に印加する操作量を、
ステップ操作量出力手段3からの最大ステップ操作量に
切換えてPID制御パラメータを設定するためのセルフ
チューニングに移行する。このステップ操作量の印加
は、同定手段5から逐次得られる無駄時間Lnおよび傾
きRnが、所定の条件に達したとき、この実施例では、
次の(1)式を満足しなくなったときに、ステップ操作
量の印加を停止してPID制御手段4によるPID制御
に移行する。
【0021】 現在の制御量(y)+傾き(Rn’)×無駄時間(Ln’) <変更設定された目標値 (1) ここで、Rn’は、それまでに算出された傾きRnの内
で最大の傾き Ln’は、その傾きRn’に対応する無駄時間を示して
いる。
【0022】すなわち、この実施例では、外部から変更
設定された目標値を越えてしまわない範囲でステップ操
作量の印加を続行し、上記(1)式を満足しなくなった
ときに、第2の制御系へ切換える、すなわち、PID制
御に移行するものである。
【0023】同定手段5は、ステップ操作量に対する制
御対象のステップ応答による制御量の変化に基づいて、
その変化に対応した無駄時間Lnおよび傾きRnを、図
2に示されるようにして逐次算出して制御系切換手段6
および制御パラメータ設定手段7に出力するものであ
る。
【0024】図2(A)は初期状態が平衡のときの最大
傾きRおよび無駄時間Lを示し、図2(B)は初期状態
が非平衡のときの最大傾きRおよび無駄時間Lnを示し
ている。この実施例では、傾きRnは、0.5secの
サンプリング周期で、8サンプリンングの平均値として
算出され、傾きRnの検出点は、前記8サンプリングの
中心点としており、無駄時間Lnは、ステップ操作量を
印加した時点から前記傾きRnと図2のように交差する
時点までの時間として算出される。
【0025】なお、最大傾きRとは、ステップ操作量の
印加を続けたとしても、それ以上大きな傾きRnが得ら
れない最大の傾きをいい、同定が十分なされたときに
は、この最大傾きRが得られることになる。
【0026】このようにして同定手段5は、0.5se
c毎に、傾きRnおよび無駄時間Lnを逐次算出する。
【0027】この実施例の制御パラメータ設定手段7
は、上述の所定の条件に達してステップ操作量の印加が
終了した時点までに、同定手段5から最大傾きRが正確
に得られたか否かを判定し、最大傾きRが得られたとき
には、同定が十分に行われたとしてその最大傾きRおよ
び対応する無駄時間Lに基づいて、PID制御パラメー
タを算出してPID制御手段4に設定し、設定されたP
ID制御パラメータでPID制御を行う。
【0028】また、所定の条件に達してステップ操作量
の印加が終了した時点までに、同定手段5から最大傾き
Rが得られなかったときには、同定が十分にできなかっ
たとして、後述のように、それまでで最も大きな傾きR
nおよび無駄時間Lnに基づいて、PID制御パラメー
タを算出し、その比例ゲインKpが、PID制御手段4
に予め設定されているPID制御パラメータの比例ゲイ
ンよりも大きくないとき、すなわち、安全側であるとき
に、PID制御手段4のPID制御パラメータを、算出
されたPID制御パラメータに変更し、安全側でないと
きには、さらに無駄時間Lnの期間に亘って制御量を監
視して傾きRnおよび無駄時間Lnの算出を継続し、そ
れまでで最も大きな傾きRnおよび無駄時間Lnに基づ
いて、PID制御パラメータを算出し、その比例ゲイン
Kpが、PID制御手段4に予め設定されているPID
制御パラメータの比例ゲインよりも大きくないとき、す
なわち、安全側であるときに、PID制御手段4のPI
D制御パラメータを、算出されたPID制御パラメータ
に変更するものである。
【0029】この実施例では、目標値フィルタ8に対し
て目標値変更信号を与える目標値変更信号生成手段9
は、ステップ操作量の印加からPID制御へ移行する際
に、制御パラメータ設定手段7で算出されたPID制御
パラメータが前記PID制御手段4に設定されるときに
は、制御量および算出されたPID制御パラメータに基
づいて、仮の目標値を算出し、一方、制御パラメータ設
定手段7で算出されたPID制御パラメータが前記PI
D制御手段4に設定されないときには、制御量およびP
ID制御手段4に予め設定されているPID制御パラメ
ータに基づいて、仮の目標値を算出し、この仮の目標値
から前記変更設定された目標値へ、目標値が変更された
とする目標値変更信号を生成して目標値フィルタ8に出
力するものである。
【0030】この仮の目標値は、次のようにして算出さ
れる。すなわち、図3に示されるように、時刻tcにお
いて、ステップ操作量の印加を停止としてPID制御に
移行するとすると、このtcの直前においては、積分量
は、飽和時不積分で0であるために、そのときの操作量
u(tc)は、次式で示される。
【0031】 u(tc)=Kp・e(tc) +Kp・Td・{−(dy/dt)t=tc} ここで、u(tc)=100%であるから 100=Kp・e(tc) +Kp・Td・{−(dy/dt)t=tc} となり、偏差e(tc)は、次のようになる。
【0032】 e(tc)=100/Kp+Td・(dy/dt)t=tc =PB+Td・(dy/dt)t=tc そこで、仮の目標値r0を、次式に従って算出する。
【0033】仮の目標値r0=y(tc)+e(tc) なお、上述のKp、Tdは、制御パラメータ設定手段7
で算出されたPID制御パラメータがPID制御手段4
に設定される場合には、前記制御パラメータ設定手段で
算出された比例ゲインおよび微分時間であり、制御パラ
メータ設定手段7で算出されたPID制御パラメータ
が、PID制御手段4に設定されない場合には、PID
制御手段4に予め設定されている比例ゲインおよび微分
時間である。
【0034】この仮の目標値r0は、PID制御へ移行
するときの制御量y(tc)に基づいて、そのときにあ
るべき目標値を逆算したものである。
【0035】目標値変更信号生成手段9では、この仮の
目標値r0から変更設定された目標値rへ目標値の変更
があったとする目標値変更信号を目標値フィルタ8に出
力するものである。
【0036】これによって、PID制御に移行する際に
は、目標値フィルタ8から図3の破線に示される目標値
r’が出力されることになり、制御量yが目標値フィル
タ8から与えられる目標値r’を下回ってブレーキ現象
が生じるといったことがない。
【0037】以上のステップ操作量出力手段3、PID
制御手段4、制御系切換手段6、同定手段5、制御パラ
メータ設定手段7および目標値変更信号生成手段9は、
マイクロコンピュータによって構成されている。
【0038】次に、上述の動作を図4のフローチャート
に従って詳細に説明する。
【0039】先ず、目標値がユーザにより変更設定され
た否かを判断し(ステップn1)、変更設定されたとき
には、現在の制御量が、比例帯外にあるか否かを判断し
(ステップn2)、比例帯外にあるときには、セルフチ
ューニングに移行して100%のステップ操作量を印加
し(ステップn3)、制御対象のステップ応答による制
御量の変化に基づいて、その変化に対応した無駄時間L
nおよび傾きRnを逐次算出して同定を行う(ステップ
n4)。
【0040】この同定によって得られる無駄時間Lnお
よび傾きRnが、上述の(1)式を満たしているか否か
を判定し(ステップn5)、満たしているときには、ス
テップ操作量の印加(ステップn3)および同定(ステ
ップn4)を続行し、満たしていないときには、ステッ
プ操作量の印加を停止してPID制御に移行し(ステッ
プn6)、その時点までの同定によって最大傾きRが得
られたか否かを判断する(ステップn7)。
【0041】最大傾きRが得られたときには、同定が十
分になされたとして、その最大傾きRおよび対応する無
駄時間Lに基づいて、PID制御パラメータを算出し
(ステップn8)、PID制御手段4のPID制御パラ
メータを、その算出されたPID制御パラメータに変更
し(ステップn9)、その算出された制御パラメータと
制御量とから仮の目標値を算出し、この仮の目標値から
変更設定された目標値へ目標値の変更があったとする目
標値変更信号を生成して目標値フィルタ8に出力して
(ステップn10)終了する。
【0042】また、ステップn7において、最大傾きR
が得られなかったときには、同定が十分にできなかった
として、それまでに得られた最大の傾きRnおよび無駄
時間Lnに基づいて、PID制御パラメータを算出し
(ステップn11)、その比例ゲインKpが、PID制
御手段4に予め設定されているPID制御パラメータの
比例ゲインよりも大きい、すなわち、危険側であるか否
かを判断する(ステップn12)。
【0043】ステップn12において、比例ゲインが大
きくない、すなわち、安全側であると判断したときに
は、PID制御手段4のPID制御パラメータを、算出
されたPID制御パラメータに変更し(ステップn1
4)、その算出された制御パラメータと制御量とから仮
の目標値を算出し、この仮の目標値から変更設定された
目標値へ目標値の変更があったとする目標値変更信号を
生成して目標値フィルタ8に出力して(ステップn1
5)ステップn16に移り、また、比例ゲインが大きい
ときには、PID制御パラメータを変更することなく、
PID制御手段4に予め設定されているPID制御パラ
メータと制御量とから仮の目標値を算出し、この仮の目
標値から変更設定された目標値へ目標値の変更があった
とする目標値変更信号を生成して目標値フィルタ8に出
力して(ステップn13)ステップn16に移る。
【0044】ステップn16では、ステップ操作量の印
加終了の後、さらに、無駄時間Lnが経過するまで、傾
きRnおよび無駄時間Lnを算出し、それまでの最大の
傾きRnおよび無駄時間Lnに基づいて、PID制御パ
ラメータを算出し(ステップn17)、その比例ゲイン
Kpが、PID制御手段4に設定されているPID制御
パラメータの比例ゲインよりも大きいか否かを判断し
(ステップn18)、比例ゲインが大きくないと判断し
たときには、算出されたPID制御パラメータをPID
制御手段4に設定し(ステップn19)、その算出され
た制御パラメータと制御量とから仮の目標値を算出し、
この仮の目標値から変更設定された目標値へ目標値の変
更があったとする目標値変更信号を生成して目標値フィ
ルタ8に出力して(ステップn20)終了し、比例ゲイ
ンが大きいときには、既に設定されているPID制御パ
ラメータがより適しているとしてPID制御パラメータ
を変更することなく、終了する。
【0045】このように目標値変更時の立ち上がり特性
から同定を行ってPID制御に移行するので、従来のよ
うに応答波形を振動させることもなく、しかも、通常の
閉ループ制御とは別の試験的な立上げも不要となる。
【0046】さらに、ステップ操作量の印加からPID
制御に移行する際には、そのときの制御量およびPID
制御パラメータに基づいて逆算した仮の目標値から変更
設定された目標値に、目標値が変更されたとする目標変
更信号信号を目標値フィルタに与えるので、PID制御
へ移行する際に、ブレーキ現象やオーバーシュートが生
じることがない。
【0047】さらに、この実施例では、最大傾きRが得
られなかったとき、すなわち、同定が不十分であったと
きには、PID制御に移行した後、比例ゲインを比較す
ることによってPID制御パラメータを変更するか否か
を判定するので、PID制御パラメータが危険側に変更
されることがなく、したがって、制御系が不安定になり
にくい。
【0048】上述の実施例では、立ち上がり特性から同
定を行ったけれども、本発明では、立ち下がり特性から
同定を行うことも同様にできるのは勿論である。
【0049】また、上述の実施例では、比例ゲインを比
較してPID制御パラメータを変更するか否かを判定し
たけれども、本発明の他の実施例として、比例ゲインを
比較することなく、直ちに算出されたPID制御パラメ
ータを変更するようにしてもよく、この場合には、その
ときの制御量および算出されたPID制御パラメータに
基づいて、仮の目標値を算出することになる。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、制御対象
の特性を同定するために、ステップ操作量を印加し、そ
の応答波形に基づいて、無駄時間および傾きを逐次算出
し、それらが所定の条件に達すると、PID制御に移行
するとともに、そのときの無駄時間および傾きに基づい
て、PID制御パラメータを算出して設定するので、従
来のオートチューニングのように応答波形を振動させる
ことなく、しかも、ステップ応答に引き続いてPID制
御に移行できることになる。
【0051】さらに、ステップ操作量の印加からPID
制御に移行する際には、仮の目標値から変更設定された
目標値に、目標値が変更されたとする目標値変更信号を
目標値フィルタに与えるので、PID制御へ移行する際
に、ブレーキ現象やオーバーシュートが生じることがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の機能ブロック図である。
【図2】傾きRnおよび無駄時間Lnの算出を説明する
ための波形図である。
【図3】動作説明に供する波形図である。
【図4】動作説明に供するフローチャートである。
【図5】問題点を説明するための波形図である。
【符号の説明】
2 制御対象 3 ステップ操作量出力手段 4 PID制御手段 5 同定手段 6 制御系切換手段 7 制御パラメータ設定手段 8 目標値フィルタ 9 目標変更信号生成手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長見 好洋 京都市右京区花園土堂町10番地 オムロン 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステップ応答法によって制御対象の特性を
    同定してPID制御に移行する自己調節型のPID調節
    器であって、 目標値変更信号が与えられる目標値フィルタと、 ステップ操作量を出力するステップ操作量出力手段と、 制御対象から得られる制御量と前記目標値フィルタから
    の目標値との偏差に基づいて、PID操作量を出力する
    PID制御手段と、 目標値が外部より変更設定されたときに、前記ステップ
    操作量出力手段からのステップ操作量を制御対象に印加
    する第1の制御系に切換えるとともに、逐次得られる無
    駄時間および傾きが、所定の条件に達したときには、ス
    テップ操作量の前記印加を停止して制御対象を前記PI
    D制御手段で制御する第2の制御系に切換える制御系切
    換手段と、 前記ステップ操作量に対する前記制御対象のステップ応
    答による制御量の変化に基づいて、その変化に対応した
    前記無駄時間および前記傾きを所定のサンプリング周期
    で逐次算出して出力する同定手段と、 前記第2の制御系への切換えにおいて、前記同定手段で
    算出された前記無駄時間および前記傾きに対応したPI
    D制御パラメータを算出して前記PID制御手段に設定
    する制御パラメータ設定手段と、 同じく第2の制御系への切換えにおいて、制御量および
    前記算出されたPID制御パラメータに基づいて、仮の
    目標値を算出し、該仮の目標値から前記変更設定された
    目標値に、目標値が変更されたとする目標値変更信号を
    生成して前記目標値フィルタに出力する目標値変更信号
    生成手段と、 を備えることを特徴とするPID調節器。
  2. 【請求項2】前記制御パラメータ設定手段は、算出され
    たPID制御パラメータの比例ゲインが、前記PID制
    御手段に予め設定されているPID制御パラメータの比
    例ゲインよりも小さいときに前記算出されたPID制御
    パラメータをPID制御手段に設定するものであり、 前記目標値変更信号生成手段は、前記算出されたPID
    制御パラメータが前記PID制御手段に設定されるとき
    には、制御量および前記算出されたPID制御パラメー
    タに基づいて、仮の目標値を算出し、一方、前記算出さ
    れたPID制御パラメータが前記PID制御手段に設定
    されないときには、制御量および前記PID制御手段に
    予め設定されているPID制御パラメータに基づいて、
    仮の目標値を算出するものである前記請求項第1項に記
    載のPID調節器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5736824A (en) * 1995-10-30 1998-04-07 Denso Corporation Motor control apparatus
JPH11327604A (ja) * 1998-05-12 1999-11-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Pid調整器を含む閉ループ系のプロセス制御装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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