JP3021243B2 - 自動制御装置 - Google Patents

自動制御装置

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JP3021243B2
JP3021243B2 JP5189057A JP18905793A JP3021243B2 JP 3021243 B2 JP3021243 B2 JP 3021243B2 JP 5189057 A JP5189057 A JP 5189057A JP 18905793 A JP18905793 A JP 18905793A JP 3021243 B2 JP3021243 B2 JP 3021243B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィードバック制御に
利用する自動制御装置に係るものであり、より具体的に
は、比例、微分、積分等の機能を有する自動制御装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】温度や圧力等のプロセスを制御するフィ
ードバック制御には、比例・微分・積分機能(以下PI
D機能)を有する制御装置が広く利用されている。とこ
ろで、PID機能を有する自動制御装置を用いて、理想
的なプロセス制御を行うには、制御対象の特性に合わせ
てPID定数を設定する必要がある。
【0003】そして旧来では、PID定数は周知の限界
感度法やステップ応答法によって制御対象の特性を別途
に測定し、これらの測定値から最適のPID定数を計算
し、その値を自動制御装置に手動設定すると言う面倒な
操作が必要であった。そこで、近年では自動制御装置自
身が制御対象に対して所定の操作信号を出力し、この時
の制御対象の反応を検知してPID定数を演算し、以後
は演算されたPID定数に従って制御するオートチュー
ニング機能を備えた自動制御装置が提案されている。
【0004】公知のオートチューニング機能の内、代表
的なものにリミットサイクル法(特開昭58−6810
6号、特開平3−3005号他)がある。リミットサイ
クル法よるオートチューニング機能とは、制御対象を一
時的にオン・オフ制御し、この時の制御対象の反応から
PID定数を演算して、自動制御装置をそのPID定数
にオートチューニングする機能である。そして従来技術
の自動制御装置では、オートチューニングの際のオン・
オフ制御の目標値SVは、最終的にPID制御によって
制御される目標値SV1 と同一の目標値によって制御さ
れていた。
【0005】すなわち、オートチューニングを開始する
のに先立ち、手動操作によって自動制御装置に最終的な
目標値SV1 が設定される。そしてオートチューニング
が開始されると、図4に示すように自動制御装置から1
00%の操作信号MVが出力される。すると制御量PV
は、例えば一時遅れの曲線
【0006】PV(t) = θm (1−e-t/T)
【0007】を描いて上昇する。そして制御量PVが、
目標値SV1 に至ると、自動制御装置から出力される操
作信号MVは0%となる。従って制御量PVは、一定の
むだ時間Lが経過した後に下降を開始する。制御量PV
は、以後リミットサイクルを繰り返す。自動制御装置
は、このリミットサイクルを観測し、その振幅a、周期
τ、負荷率Kを検知し、所定の演算によってPID定数
を求める。
【0008】PID定数を求める演算について簡単に説
明すると次の通りである。すなわちリミットサイクルの
振幅a、周期τ、負荷率Kとの間には次の関係が成り立
つ。
【0009】 K=τON/τ L=K(1−K)τ L/T=a/θm
【0010】またPID定数KP (比例感度)、T
I (微分時間)、LD (積分時間)は、例えばジーグラ
ー・ニコルスの最適調整公式によって次のように与えら
れる。
【0011】 KP =1.2/RL TI =2L LD =0.5L
【0012】以上の式から次の関係が成り立つ。
【0013】 KP =1.2/a TI =2K(1−K)τ LD =0.5K(1−K)τ
【0014】そこで自動制御装置内で、振幅a、周期
τ、負荷率Kを上記の公式に代入する演算が行われ、比
例感度KP 、微分時間TI 、積分時間LD が算出され
る。これらのPID定数は、自動的に自動制御装置に設
定される。そして以後は、自動制御装置内での演算によ
って求められたPID定数に基づき、制御対象がPID
制御される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の自動制御装
置では、自動的に制御対象の特性が検知され、PID定
数が演算されて、その定数に基づいて制御が行われるの
で、使用者は、制御対象の特性を別途に測定したり、演
算をすると言う面倒な作業から開放される。しかしなが
ら、従来技術の自動制御装置は、制御対象の特性を検出
する際に、制御対象に悪影響を与えるおそれがあるとい
う致命的な欠点があった。
【0016】すなわち従来技術の自動制御装置では、オ
ートチューニングが開始されると、最終的にPID制御
によって制御しようとする目標値SV1 と同一の目標値
をもってオン・オフ制御がされる。従って制御量PV
は、最終的に制御しようとする目標値SV1 を中心とし
てその上下に振幅することになる。ここで問題となるの
は、制御量PVが目標値SV1 を上回る場合である。例
えば、従来技術の自動制御装置を用いて合成樹脂の原料
や、培養タンクの温度を制御する場合を考えると、オー
トチューニングを行うことによって、原料は必然的に設
定温度よりも高い温度に晒される。その結果、従来技術
の自動制御装置を使用してこれらの制御を行うと、制御
対象となる原料が架橋反応を起こしたり、培養微生物が
死滅するという思いがけない事態となることがあった。
【0017】本発明は、従来技術の上記した問題点に着
目し、リミットサイクル法のオートチューニング機能を
有する自動制御装置に改良を加え、オートチューニング
の際に制御対象に悪影響を与えることがない自動制御装
置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】そして上記した目的を達
成するための本発明の特徴は、比例、微分、積分の少な
くとも一つの制御機能を具備すると共に、制御対象を一
時的にオン・オフ制御してこの時のリミットサイクルを
観測し、該リミットサイクルから制御定数を演算するオ
ートチューニング機能を備えた自動制御装置において、
制御対象のむだ時間を測定するむだ時間測定機能と、オ
ン・オフ制御時における制御量の上昇時の変化率を連続
的に測定する変化率測定機能を有し、前記むだ時間測定
機能と変化率測定機能によって測定されたむだ時間と制
御量の変化率からオーバーシュート予測量を演算し、
ーバーシュート予測量に基づいて、制御量が最終的に制
御しようとする目標値を大きく越えないように、オン・
オフ制御時の目標値を下方に不可逆的且つ連続的に変更
する目標値変更機能を有する自動制御装置にある。また
同様の目的を達成するためのもう一つの自動制御装置の
発明は、比例、微分、積分の少なくとも一つの制御機能
を具備すると共に、制御対象を一時的にオン・オフ制御
してこの時のリミットサイクルを観測し、該リミットサ
イクルから制御定数を演算するオートチューニング機能
を備えた自動制御装置において、制御対象のむだ時間を
測定するむだ時間測定機能と、オン・オフ制御時におけ
る制御量の上昇時の変化率を連続的に測定する変化率測
定機能を有し、前記むだ時間測定機能と変化率測定機能
によって測定されたむだ時間と制御量の変化率からオー
バーシュート予測量を演算し、オーバーシュート予測量
に基づいてオン・オフ制御時の目標値を連続的に変更す
る目標値変更機能を有し、2周期以降のリミットサイク
ルから制御定数を演算することを特徴とするものであ
る。
【0019】
【作用】本発明の自動制御装置では、オートチューニン
グが開始されると、従来技術の自動制御装置と同様に、
制御方法がオン・オフ制御に切り換えられる。そして制
御対象のむだ時間Lがむだ時間測定機能によって検知さ
れる。また制御対象をオン・オフ制御することによって
制御対象の制御量PVが変化するので、その変化率dP
V/dtが変化率測定機能によって検知される。ここで
本発明の自動制御装置では、オン・オフ制御時における
制御量の上昇時の変化率が連続的に測定される。
【0020】そしてむだ時間測定機能および変化率測定
機能によって測定されたむだ時間Lと制御量の変化率d
PV/dtからオーバーシュート予測量が演算される。
すなわちオーバーシュート量は、理論上むだ時間Lと制
御量の変化率dPV/dtの積として求められる。本発
明の自動制御装置では、前記した様にオン・オフ制御時
における制御量の上昇時の変化率が連続的に測定され、
この変化率の値に基づいてオーバーシュート予測量が変
化する。
【0021】そして目標値変更機能の作用によってオン
・オフ制御の目標値が、オーバーシュート予測量に基づ
いて一時的に下方修正される。以後は、下方修正された
目標値に制御量PVが一致するように操作対象が制御さ
れる。本発明の自動制御装置でも、オートチューニング
時には、オン・オフ制御によって制御量PVが振幅する
が、オーバーシュートの予測量に基づいてオン・オフ制
御時の目標値が変更されるので、制御量PVの最大値
は、最終的に制御しようとする目標値すなわち設定値を
大きく越えることはない。さらに本発明においては、オ
ン・オフ制御時における制御量の上昇時の変化率が連続
的に測定されていてこの変化率の値に基づいてオーバー
シュート予測量も変化する。そのためオン・オフ制御時
に何らかの外的要因が発生しても、オン・オフ制御の目
標値は適正値に変更され、制御量PVの最大値は最終的
に制御しようとする目標値を大きく越えることはない。
特に請求項1に記載の発明によると、オン・オフ制御時
の目標値は下方に不可逆的に変更される。そのため、も
し制御対象に一時的に大きな変化が生じ、オーバーシュ
ート予測量が実際とかけ離れたものとなっても、制御量
PVの最大値は、最終的に制御しようとする目標値を大
きく越えない。従って請求項1に記載の発明は、オン・
オフ制御時における制御量の上昇時の変化率を連続的に
測定する構成と、オン・オフ制御時の目標値を下方に不
可逆的に変更する構成が相まって、オートチューニング
をより安全におこなうことができる。また上記した様
に、本発明の基本構成では、オン・オフ制御時における
制御量の上昇時の変化率が連続的に測定されていてこの
変化率の値に基づいてオーバーシュートの予測量が変化
し、オン・オフ制御時の目標値自体が変動するので、制
御量の変動曲線は、通常の場合に比べて異なるものとな
る場合がある。すなわち通常のリミットサイクル法によ
るオートチューニングでは、オン・オフ制御時の目標値
は一定であり、リミットサイクルは、初期の段階で安定
する。これに対して本発明では、オン・オフ制御時の目
標値が変動するので、演算された制御定数に誤差が生じ
る懸念がある。請求項2に記載の発明は、この懸念に対
処したものであり、2周期以降のリミットサイクルから
制御定数を演算するものである。すなわち、本発明者ら
の実験によると、目標値が2段階にわたって低下した後
は、リミットサイクルは安定するので、オートチューニ
ングの開始から、2周期以降のリミットサイクルから制
御定数を演算すると、制御定数の適正な値が演算され
る。
【0022】
【実施例】以下さらに本発明の具体的実施例について説
明する。図1は本発明の具体的実施例の自動制御装置の
ブロック図である。図2は、本発明の自動制御装置の動
作の一例を示す時間tと制御量PVおよび操作信号MV
の関係を表したグラフである。図3は、本発明の自動制
御装置の動作の他の例を示す時間tと制御量PVおよび
操作信号MVの関係を表したグラフである。
【0023】図1において、1は本実施例の自動制御装
置を示す。自動制御装置1は、PID制御部2を内蔵
し、外部の制御対象3に所定の操作信号MVを出力する
ものである。また制御対象3からは、検出器5を介して
自動制御装置1の比較器6にフィードバックされる。そ
して、比較器6では設定部7からの目標値(設定値)
と、検出器5からのフィードバック信号が比較され、そ
の差がPID制御部2に入力される。すなわち自動制御
装置1は、内蔵されるPID制御部2と、外部に接続さ
れる制御対象3および検出器5によって閉ループを形成
し、主制御系を構成するものである。
【0024】そして本実施例の自動制御装置1で肝心な
点は、PID定数のオートチューニングを行う副制御系
にある。本実施例の自動制御装置1では、副制御系はオ
ン・オフ制御部8,むだ時間測定部9,変化率測定部1
0,オーバーシュート演算部12,リミットサイクル測
定部13,PID定数演算部15および切換部16によ
って構成される。
【0025】ここでオン・オフ制御部8は、所定の目標
値SVに制御量PVが一致するように、オン・オフの操
作信号、言い換えれば100%と0%の操作信号を交互
に出力するものである。そして本実施例のオン・オフ制
御部8は、目標値変更機能を備える点で従来技術のそれ
と異なる。目標値変更機能は後記するオーバーシュート
演算部12からの信号を受けて、オン・オフ制御の目標
値SVをオーバーシュート予測量OBだけ低下させるも
のである。尚、本実施例で採用する目標値変更機能の作
用は不可逆的であり、一度低下された目標値SVは、オ
ートチューニングが完了するまで、上昇されない。
【0026】むだ時間測定部9は、むだ時間Lを測定す
るものであり、具体的にはオン・オフ制御の操作信号M
Vがオン又はオフに切り換わってから、制御量PVが反
応して変曲点を迎えるまでの時間を測定するものであ
る。
【0027】変化率測定部10は、オートチューニング
時の制御量PVの変化率dPV/dt、すなわち制御量
PVを表す関数の傾きを測定するものである。本実施例
の自動制御装置1で採用する変化率測定部10は、特に
制御量PVが上昇過程にある時の変化率を常時測定する
ように構成されている。
【0028】オーバーシュート演算部12は、むだ時間
測定部9によって測定されたむだ時間Lと、変化率測定
部10によって測定された制御量PVの変化率dPV/
dtから次式によってオーバーシュートの予測量OBを
演算するものである。
【0029】OB=MNLdPV/dt
【0030】ここでMは、むだ時間Lの感度を補正する
定数であり、Nは安全率である。リミットサイクル測定
部13は、制御対象をオン・オフ制御した際のリミット
サイクルを観測するものである。具体的にはリミットサ
イクル測定部13によって振幅a、周期τ、負荷率Kが
検出される。PID定数演算部15は、従来技術で説明
した公式に従って比例感度KP 、微分時間TI 、積分時
間LD を算出するものである。切換部16は、PID制
御部2と、オン・オフ制御部8とを切り換えるものであ
る。
【0031】各機能部間の接続は、比較器6の出力信
号、すなわち制御量PVと設定された目標値SV1 との
偏差信号がオン・オフ制御部8,むだ時間測定部9,変
化率測定部10およびリミットサイクル測定部13に入
力される。またむだ時間測定部9には,オン・オフ制御
部8からオンまたはオフの切り換え信号が入力される。
オーバーシュート演算部12には、むだ時間測定部9か
らむだ時間Lを表す信号が入力されると共に、変化率測
定部10から変化率dPV/dtを示す信号が入力され
る。そしてオーバーシュート演算部12の演算値、すな
わちオーバーシュートの予測量OBはオン・オフ制御部
8に入力される。オン・オフ制御部8の出力信号は、切
換部16を経て制御対象3に入力される。また同じくオ
ン・オフ制御部8の出力信号は、リミットサイクル測定
部13に入力される。リミットサイクル測定部13の出
力信号は、PID定数演算部15に送られてPID定数
が演算される。さらにPID定数演算部15の出力信
号、すなわちPID定数はPID制御部2に入力され
る。
【0032】次に本実施例の自動制御装置1の動作を図
2を参照しつつ説明する。まず最初に設定部を手動操作
して、最終的に制御しようとする目標値SV1 を設定す
る。いま仮に、オートチューニング前の制御量PVが、
設定された目標値SV1 を下回っているとする。この状
態からオートチューニングを開始すると、まず切換部1
6が、PID制御部からオン・オフ制御部に切り換わ
り、制御対象3のオン・オフ制御が開始される。従って
自動制御装置1からは、直ちに100%の操作信号MV
が出力される。同時にむだ時間測定部9ではむだ時間L
の計時が開始される。そして制御量PVは、一定のむだ
時間L経過後に反応を開始し、上昇を開始する。ここ
で、制御量PVが上昇を開始するとむだ時間測定部9は
計時を停止し、むだ時間Lの測定を終える。
【0033】また制御量PVが上昇をする際の制御量P
Vの変化率dPV/dtは変化率測定部10で常時測定
される。さらに前記したむだ時間Lと変化率dPV/d
tに基づいてオーバーシュートの予測量OBが演算され
る。そしてオン・オフ制御部8では、目標値SVが当初
のSV1 から予測量OBだけ低下されてSV2 になる。
従って、図2の目標値SVの曲線と制御量PVの曲線が
交わった時を境に操作信号MVが0%になる。言い換え
ると従来技術の自動制御装置における場合よりも、早い
時期に操作信号MVが0%になる。制御対象3はむだ時
間Lを持っているので操作信号MVが0%になった後
も、制御量PVは上昇する。しかしながら設定された目
標値SV1 からオーバーシュートの予測量OBを減じた
目標値であるSV2 の時に操作信号MVが0%になるの
で、制御量PVの最高値は設定による目標値SV1 にほ
ぼ等しいものとなる。従って、従来技術の場合のよう
な、オートチューニングの際に、制御対象が高い制御量
PVに晒される現象は起こらない。
【0034】操作信号MVが0%になり、さらにむだ時
間を経過すると、制御量PVは低下に向かう。そして、
制御量PVが変更後の目標値SV2 を下回ると、再び1
00%の操作信号MVが出力され、むだ時間経過後に制
御量PVは上昇に転じる。この時も先述の場合と同様に
制御量PVの変化率dPV/dtが測定される。ここで
今回の制御量PVの上昇曲線は、ほぼ完全にリミットサ
イクルの最低位置から上昇を開始するものであり、変化
率dPV/dtは前回の場合よりも大きいものとなる。
そのため多くの場合、目標値SVは更にもう一段階低下
してSV3 となる。
【0035】そして前述の場合と同様に目標値SVの曲
線と制御量PVが交わった時を境に操作信号MVが0%
になる。さらに制御量PVは上昇するが、制御量PVの
最高値は、最終的な目標値SV1 にほぼ等しいものとな
る。経験的に、目標値SVが2段階にわたって低下した
後は、リミットサイクルは安定する。そこで、オートチ
ューニングの開始から、2周期以降のリミットサイクル
から振幅a、周期τ、負荷率Kが検出される。そしてP
ID定数演算部15で、比例感度KP 、微分時間TI
積分時間LD が演算され、PID制御部2のPID定数
が設定される。
【0036】PID制御部2へのPID定数の設定が完
了すると、切換器16がオン・オフ制御部8からPID
制御部2に切り換えられる。以後は、好ましいPID定
数が設定されたPID制御部2によって制御対象3が制
御される。従って制御量PVは速やかに設定された最終
的な目標値SV1 に収束する。
【0037】以上の実施例は、オートチューニングの開
始時に、制御量PVが設定された最終的な目標値SV1
を下回っている場合を例に説明した。しかし勿論逆に制
御量PVが設定された目標値SV1 を上回っている場合
でも、本実施例の自動制御装置1は、有効に機能する。
図3は、オートチューニングの開始時に制御量PVが設
定された目標値SV1 を上回っている場合の本実施例の
自動制御装置の動作を説明するものである。
【0038】この場合は、オートチューニングの開始時
には操作信号MVは0%である。従って制御量PVは低
下していく。そして制御量PVが、設定された目標値S
1を下回ると操作信号MVが100%出力される。こ
の時むだ時間測定部9の計時が開始される。そしてむだ
時間Lを経過すると制御量PVは変曲点を迎える。むだ
時間測定部9は、制御量PVの変曲点を検知するとむだ
時間の計時を停止し、むだ時間の測定を終える。その後
制御量PVは上昇に転ずる。そして制御量PVの変化率
dPV/dtが測定され、オーバーシュートの予測量O
Bが演算されて目標値SVが当初のSV1 からSV4
変更される。その後の挙動は、前記した場合と同様であ
るが、経験上当初の制御量PVが設定された目標値SV
を上回っている場合から、オートチューニングを開始す
る場合の方が、リミットサイクルの安定化はより早い。
【0039】以上説明した実施例では、いずれもむだ時
間Lの測定は、操作信号の変更時を始点とし、操作量P
Vの変曲点の検知時を終点として計時を行う構成を開示
した。しかしこれに変わって、オートチューニングが開
始された時に計時を開始し、操作量PVの変曲点が検知
された時に計時を終了することによってむだ時間Lの計
時を行う構成も有効である。尚、オートチューニングが
開始された直後の変曲点を厳密に検知する事は困難であ
るから、通常は、オートチューニングが開始された時に
計時を開始し、制御量PVに一定量の変化が現れた時に
計時を停止することとなる。
【0040】本実施例の自動制御装置1で採用する変化
率測定部10は、制御量PVが上昇過程にある時の変化
率を監視するものを採用した。これは、本発明はリミッ
トサイクルの上限が最終的な目標値SV1 を大きく越え
ないようにすることを目的とするものであるため、上昇
時の変化率だけを監視することとしたものである。また
リミットサイクルの際の制御量PVの上昇曲線と下降曲
線は当然に異なる事も考慮したものである。しかし、自
動制御装置1が制御しようとする制御対象の種類や、制
御範囲によっては、リミットサイクル時の制御量PVの
上昇曲線と下降曲線が類似した関数である場合も少なく
ない。この様な制御対象に利用する自動制御装置では、
制御量PVが上昇過程にある場合だけでなく、下降過程
にある場合にも変化率を測定し、その絶対値をもってオ
ーバーシュート量OBを予測する構成も有効である。こ
の構成によると、目標値SVの変更がより早い時期に行
われるので、制御対象に与える影響がさらに小さい効果
がある。
【0041】本実施例の自動制御装置は、最も代表的な
ものとしてPID機能を有するものを例示して説明した
が、本発明はPID機能を有する制御装置に限定される
ものではなく、例えば比例機能や、比例・微分機能、比
例・積分機能を有する制御装置にも応用することができ
る。尚この比例機能等を具備する制御装置に本発明を応
用する場合は、最適調整公式が異なる点に留意する必要
がある。また本実施例は、主としてハードウエアによる
構成を例示したが、勿論ソフトウェアを応用しても同様
の効果を得ることができる。
【0042】
【発明の効果】本発明の自動制御装置は、むだ時間測定
機能と変化率測定機能を有して制御対象のむだ時間Lと
制御量PVの変化率dPV/dtが検知され、オーバー
シュートの予想量が演算される。そしてオートチューニ
ングの間はこのオーバーシュートの予想量に基づいて目
標値が一時的に下方修正される。
【0043】そのため本発明の自動制御装置では、オー
トチューニング時に制御量がリミットサイクルによって
振幅しても、制御量PVの最大値が、最終的に制御しよ
うとする目標値を大きく越えることはない。従って本発
明の自動制御装置は、オートチューニングの際に制御対
象に悪影響を与えないという優れた効果がある。また特
に請求項1に記載の自動制御装置ではオン・オフ制御時
における制御量の上昇時の変化率を連続的に測定する構
成と、オン・オフ制御時の目標値を下方に不可逆的に変
更する構成が相まって、オートチューニングをより安全
におこなうことができる効果がある。また特に請求項2
に記載の自動制御装置では、オン・オフ制御時における
制御量の上昇時の変化率を連続的に測定する構成と、2
周期以降のリミットサイクルから制御定数を演算する構
成が相まって、より適正な制御定数を演算することがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的実施例の自動制御装置のブロッ
ク図である。
【図2】本発明の自動制御装置の動作の一例を示す時間
tと制御量PVおよび操作信号MVの関係を表したグラ
フである。
【図3】本発明の自動制御装置の動作の他の例を示す時
間tと制御量PVおよび操作信号MVの関係を表したグ
ラフである。
【図4】従来技術の自動制御装置のオートチューニング
時における時間tと制御量PVおよび操作信号MVとの
関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 自動制御装置 2 PID制御部 8 オン・オフ制御部 9 むだ時間測定部 10 変化率測定部 12 オーバーシュート演算部 13 リミットサイクル測定部 15 PID定数演算部 16 切換部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 13/00 - 13/04 G05B 11/36 505 G05B 11/42 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比例、微分、積分の少なくとも一つの制
    御機能を具備すると共に、制御対象を一時的にオン・オ
    フ制御してこの時のリミットサイクルを観測し、該リミ
    ットサイクルから制御定数を演算するオートチューニン
    グ機能を備えた自動制御装置において、制御対象のむだ
    時間を測定するむだ時間測定機能と、オン・オフ制御時
    における制御量の上昇時の変化率を連続的に測定する変
    化率測定機能を有し、前記むだ時間測定機能と変化率測
    定機能によって測定されたむだ時間と制御量の変化率か
    らオーバーシュート予測量を演算し、オーバーシュート
    予測量に基づいて、制御量が最終的に制御しようとする
    目標値を大きく越えないように、オン・オフ制御時の目
    標値を下方に不可逆的且つ連続的に変更する目標値変更
    機能を有することを特徴とする自動制御装置。
  2. 【請求項2】 比例、微分、積分の少なくとも一つの制
    御機能を具備すると共に、制御対象を一時的にオン・オ
    フ制御してこの時のリミットサイクルを観測し、該リミ
    ットサイクルから制御定数を演算するオートチューニン
    グ機能を備えた自動制御装置において、制御対象のむだ
    時間を測定するむだ時間測定機能と、オン・オフ制御時
    における制御量の上昇時の変化率を連続的に測定する変
    化率測定機能を有し、前記むだ時間測定機能と変化率測
    定機能によって測定されたむだ時間と制御量の変化率か
    らオーバーシュート予測量を演算し、オーバーシュート
    予測量に基づいてオン・オフ制御時の目標値を連続的に
    変更する目標値変更機能を有し、2周期以降のリミット
    サイクルから制御定数を演算することを特徴とする自動
    制御装置。
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