JPH1183005A - 炉温燃焼制御装置 - Google Patents

炉温燃焼制御装置

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JPH1183005A
JPH1183005A JP24297097A JP24297097A JPH1183005A JP H1183005 A JPH1183005 A JP H1183005A JP 24297097 A JP24297097 A JP 24297097A JP 24297097 A JP24297097 A JP 24297097A JP H1183005 A JPH1183005 A JP H1183005A
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JP
Japan
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furnace temperature
control amount
correction
value
temperature control
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JP24297097A
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English (en)
Inventor
Hiroto Kokubo
広人 小窪
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炉温制御ループの出力補正の実行可否をオペ
レータが選択できる機能を付加し、炉の立上げ時に不要
な高応答性制御を停止させる。 【解決手段】 この発明の炉温燃焼制御装置は、炉温設
定値と炉温測定値との偏差ΔSVの大きさに対応して炉
温制御量MVを演算し、また炉温設定値と炉温測定値と
の偏差ΔSVを第1の基準値Aと比較し、その偏差が第
1の基準値を超える時に炉温制御量演算値MVに所定の
補正量ΔMVを加え、これに基づいて燃料流量、空気流
量をダブルクロスリミット制御して加熱炉温度を炉温設
定値に一致するように制御する。そして炉温設定値と炉
温測定値との偏差絶対値|SV−PV|を第2の基準値
Bと比較し、偏差絶対値が第2の基準値以内に収束した
時に、又は炉温制御量演算値の補正開始後、所定時間が
経過した時に、さらには停止操作入力313があった時
に炉温制御量MVに対する補正動作を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱炉の炉温を監
視し、炉温設定値に炉温測定値が一致するように燃焼制
御する炉温燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、炉温燃焼制御装置は炉温制御と
燃料及び燃焼空気の流量制御の3ループが基本構成とな
っている。流量制御のみで燃焼制御を行う場合には応答
性のよい制御が可能であるが、炉温制御で流量制御の設
定値を決定する場合は応答性が悪い。そこで炉温制御を
行っている時の制御応答を改善するために、設定変更に
見合う炉温制御量出力に補正を加えることによって速応
性を高めるようにしている。
【0003】図2は一般的な炉温燃焼制御装置の制御フ
ロー図を示しており、加熱炉1の炉温を炉温計2で計測
し、この炉温計測値PVを炉温制御ループ3にフィード
バックし、ここで炉温計測値PVと炉温設定値SVとを
比較し、その偏差に応じて炉温制御量MVを求めて出力
する。この炉温制御量出力は流量設定切替器4を介して
燃料流量制御ループ5と燃焼空気流量制御ループ6とに
入力し、燃料流量制御ループ5では、燃料流量センサ7
が検出する燃料流量が燃料流量目標値と一致するように
流量制御し、また燃焼空気流量制御ループ6では、空気
流量センサ9が検出する燃焼空気流量が空気流量目標値
と一致するように流量制御し、バーナ11の燃焼中の加
熱炉1の炉温を所定値に制御する構成である。
【0004】このような炉温燃焼制御装置では、従来、
炉温制御の応答性を良くし、最適な燃焼を得るために炉
温制御ループ3の部分を図3に示す構成にしている。こ
の従来の炉温燃焼制御装置の炉温制御ループ3は、炉温
測定値PVを炉温設定値SVと比較し、その偏差ΔSV
に基づき、PID演算によって炉温制御量MVを出力す
る炉温PID制御部31、偏差ΔSVを第1の基準値A
と比較する第1の比較器32、偏差ΔSVの絶対値を所
定の第2の基準値Bと比較する第2の比較器(絶対値比
較器)33、炉温制御量補正値ΔMVを演算する補正値
演算部34、補正加算/不加算を切替える補正切替スイ
ッチ35、補正値演算部34の補正値ΔMVを炉温制御
量出力MVに加算する加算器36、補正切替スイッチ3
5の切替を行う高応答性セット回路37、この高応答性
セット回路37のリセット入力側に出力を与えるように
接続されたOR回路38を備えている。
【0005】OR回路38には2入力が接続されてい
る。一方の入力は、絶対値比較器33の「OFF:0」
出力と、高応答性セット回路37のセット出力を検出す
る立上り検出器39の「ON:1」出力とのAND回路
310の「ON:1」出力にディレイをかけるオンディ
レイタイマ311からの「ON:1」出力であり、他方
の入力は、絶対値比較器33の「ON:1」出力であ
る。
【0006】この従来の炉温燃焼制御装置では、炉温設
定値SVに対して炉温測定値PVが低温側に大きくずれ
ておらず、偏差ΔSVが第1の基準値A(正値)よりも
小さい場合には、比較器32は「NO」側に分岐して偏
差ΔSVを炉温PID制御部31に入力し、炉温制御量
MVを演算し、加算器36で補正値を加算することなく
出力し、通常の燃焼制御を行う。
【0007】しかしながら炉温が低くて、炉温設定値S
Vに対して炉温測定値PVが低温側に大きくずれている
場合、つまり、偏差ΔSVが第1の基準値Aよりも大き
い場合には、炉温を速く上昇させて炉温設定値SVに近
づける必要があるために、比較器32は「YES」側に
分岐して「ON:1」出力を高応答性セット回路37に
入力し、高応答性セット回路37はセット出力を補正切
替スイッチ35に与えて、スイッチ35を「0」(ゼ
ロ)補正側から補正値演算部34の出力ΔMV側に切替
えさせ、炉温PID制御部31の炉温制御量出力MVに
対して加算器36で補正値ΔMVを加算して出力させ
る。これによって加熱炉側では燃料流量と燃焼空気流量
を通常よりも高めに設定することによって、より速く炉
温を上昇させる。
【0008】このような高応答性制御により、炉温が上
昇して炉温設定値SVと炉温測定値PVとの偏差絶対値
が第2の基準値B以下になった場合、あるいは高応答性
セット回路37のセット出力があった後に一定時間が経
過すればOR回路38は「ON:1」を出力して高応答
性セット回路37をリセットし、高応答性制御を停止さ
せる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このようにして、従来
の炉温燃焼制御装置では、炉温状態が設定値よりも大き
く低下している場合には高応答性制御を行って炉温を通
常よりも速く上昇させて炉温設定値に一致するように制
御していたが、次のような問題点があった。すなわち、
炉温設定に偏差があれば常に高応答性処理のための補正
を炉温制御出力に加算するようにしていたため、逆に炉
の立上げ時のように緩やかに炉温制御を行う必要がある
場合でも、不必要に高応答性制御を行い、急激な温度変
化によって炉体にダメージを与える問題点があった。
【0010】またダブルクロスリミット燃焼制御を採用
している加熱炉の炉温燃焼制御装置の場合には、炉温制
御量出力MVに補正を加算しても、ダブルクロスリミッ
ト制御において制限を受けることになって速応性が失わ
れ、補正の加算が無意味なものとなってしまう問題点も
あった(尚この「ダブルクロスリミット」は東芝の登録
商標(第4,027,307号)である。)。
【0011】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたもので、炉温制御ループの出力の補正機能にそ
の実行可否をオペレータが選択操作できる機能を付加
し、炉の立上げ時に炉温の不要な高応答性制御を行わせ
ないようにできる炉温燃焼制御装置を提供することを目
的とする。
【0012】本発明はまた、ダブルクロスリミット制御
において応答性の遅い燃焼空気流量制御系にフィードフ
ォワード要素を付加することによって燃焼負荷増大時の
温度制御の応答時間をさらに速めることができる炉温燃
焼制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の炉温燃
焼制御装置は、炉温設定値と炉温測定値との偏差の大き
さに対応して炉温制御量を出力する炉温制御量演算手段
と、前記炉温設定値と炉温測定値との偏差を第1の基準
値と比較する第1の偏差比較手段と、前記炉温設定値と
炉温測定値との偏差絶対値を第2の基準値と比較する第
2の偏差比較手段と、前記偏差が前記第1の基準値を超
える時に前記炉温制御量演算手段の出力に所定の補正量
を加える炉温制御量補正手段と、前記炉温制御量補正手
段による補正動作の停止操作手段と、前記偏差絶対値が
前記第2の基準値以内に収束した時に、前記炉温制御量
補正手段の補正開始後、所定時間が経過した時、若しく
は停止操作手段による入力があった時に前記炉温制御量
補正手段による前記補正動作を停止する補正停止手段と
を備えたものである。
【0014】請求項1の発明の炉温燃焼制御装置では、
炉温設定値と炉温測定値との偏差の大きさに対応して炉
温制御量を演算し、また炉温設定値と炉温測定値との偏
差を第1の基準値と比較し、その偏差が第1の基準値を
超える時に炉温制御量演算値に所定の補正量を加え、こ
れに基づいて燃料流量、空気流量を増減制御して加熱炉
温度を炉温設定値に一致するように制御する。
【0015】そして炉温設定値と炉温測定値との偏差絶
対値を第2の基準値と比較し、偏差絶対値が第2の基準
値以内に収束した時に、炉温制御量演算値の補正開始
後、所定時間が経過した時、若しくは補正停止操作入力
があった時に炉温制御量に対する補正動作を停止する。
【0016】これによって、従来同様に実際の炉温が炉
温設定値よりも大きく低下している場合には速応性をも
った炉温制御を行い、さらに高応答性が不要となる炉立
上げ時には、補正停止操作入力によって高応答性制御を
停止して緩やかに炉温上昇させ、炉体に対する熱的ダメ
ージを少なくする。
【0017】請求項2の発明の炉温燃焼制御装置は、炉
温設定値と炉温測定値との偏差の大きさに対応して炉温
制御量を出力する炉温制御量演算手段と、前記炉温制御
量出力に基づいて、加熱炉の燃料流量と燃焼空気流量と
をダブルクロスリミット燃焼制御する燃焼制御手段と、
前記炉温設定値と炉温測定値との偏差を所定の基準値と
比較する偏差比較手段と、前記偏差が前記基準値を超え
る時に前記炉温制御量演算手段の出力に所定の補正量を
加える炉温制御量補正手段と、前記炉温制御量補正手段
により前記炉温制御量出力を補正する時に、前記燃焼空
気流量制御量に所定の補正を行う燃焼空気流量補正手段
とを備えたものである。
【0018】請求項2の発明の炉温燃焼制御装置では、
炉温偏差が大きくて高応答性制御を行う場合に、炉温制
御量に対する補正に加えて、同時に燃料流量制御に対し
て応答が遅れる燃焼空気流量制御にフィードフォワード
的な補正を加えてダブルクロスリミット制御することに
より、制御系全体により高応答性を持たせる。
【0019】請求項3の発明の炉温燃焼制御装置は、炉
温設定値と炉温測定値との偏差の大きさに対応して炉温
制御量を出力する炉温制御量演算手段と、前記炉温設定
値と炉温測定値との偏差を第1の基準値と比較する第1
の偏差比較手段と、前記炉温設定値と炉温測定値との偏
差絶対値を第2の基準値と比較する第2の偏差比較手段
と、前記偏差が前記第1の基準値を超える時に前記炉温
制御量演算手段の出力に所定の補正量を加える炉温制御
量補正手段と、前記炉温制御量補正手段による補正動作
の停止操作手段と、前記偏差絶対値が前記第2の基準値
以内に収束した時に、前記炉温制御量補正手段の補正開
始後、所定時間が経過した時に、若しくは前記停止操作
手段による入力があった時に前記炉温制御量補正手段に
よる前記補正動作を停止する補正停止手段と、前記炉温
制御量出力に基づいて、加熱炉の燃料流量と燃焼空気流
量とをダブルクロスリミット燃焼制御する燃焼制御手段
と、前記炉温制御量補正手段により前記炉温制御量出力
を補正する時に、前記燃焼空気流量制御量に所定の補正
を行う燃焼空気流量補正手段とを備えたものである。
【0020】請求項3の発明の炉温燃焼制御装置では、
請求項1の炉温燃焼制御装置と同様に、炉温設定値と炉
温測定値との偏差の大きさに対応して炉温制御量を演算
し、また炉温設定値と炉温測定値との偏差を第1の基準
値と比較し、その偏差が第1の基準値を超える時に炉温
制御量演算値に所定の補正量を加え、これに基づいて燃
料流量、空気流量を増減制御して加熱炉温度を炉温設定
値に一致するように制御する。そして炉温設定値と炉温
測定値との偏差絶対値を第2の基準値と比較し、偏差絶
対値が第2の基準値以内に収束した時に、炉温制御量演
算値の補正開始後、所定時間が経過した時、若しくは補
正停止操作入力があった時に炉温制御量に対する補正動
作を停止する。
【0021】こうして、従来同様に実際の炉温が炉温設
定値よりも大きく低下している場合には速応性をもった
炉温制御を行い、さらに高応答性が不要となる炉立上げ
時には、補正停止操作入力によって高応答性制御を停止
して緩やかに炉温上昇させ、炉体に対する熱的ダメージ
を少なくする。加えて、特に炉温の高応答性制御を実行
する際には、請求項2の炉温燃焼制御装置と同様に、炉
温制御量に対する補正に加えて、同時に燃料流量制御に
対して応答が遅れる燃焼空気流量制御にフィードフォワ
ード的な補正を加えてダブルクロスリミット制御するこ
とにより、制御系全体により高応答性を持たせる。
【0022】請求項4の発明は、請求項2又は3の炉温
燃焼制御装置において、前記燃焼空気流量補正手段は、
前記炉温制御量出力と前記燃料流量制御側の上限リミッ
ト値とを比較し、炉温制御量出力の方が大きい場合に炉
温制御量出力と当該上限リミット値との差を求め、この
差に対応する燃焼空気流量補正量を前記燃焼空気流量制
御量に加算補正するものである。
【0023】請求項4の発明の炉温燃焼制御装置では、
炉温を高応答性制御する際には、制御応答性の速い燃料
流量制御の設定値の制限オーバー量を、制御応答性の遅
い燃焼空気流量制御量にもフィードフォワードとして加
算することによって、燃料流量制御の目標値の制限を速
く離脱させることにより、制御系全体としてより高応答
性を実現する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の1つの実施の形態の
制御フローを示している。この実施の形態の炉温燃焼制
御装置は、炉温制御ループ3として図3に示した従来例
とほぼ同様の構成であり、炉温PID制御部31、第1
の比較器32、第2の比較器(絶対値比較器)33、補
正値演算部34、補正切替スイッチ35、加算器36、
高応答性セット回路37、立上り検出器39、AND回
路310、オンディレイタイマ311を備えている。た
だし、OR回路312は従来例とは異なり、オンディレ
イタイマ311の出力、絶対値比較器33の出力を入力
とすると共に、さらに高応答処理停止スイッチ313の
操作信号も入力し、これらのいずれかが「ON:1」で
あれば、高応答性セット回路37をリセットする構成で
ある。
【0025】さらに、ダブルクロスリミット制御系50
は、一般的な制御特性として要求燃焼負荷量の急変時
に、燃料流量と空気流量との双方の制御ループが相手の
制御量に応じて自ループの目標値に上下限制限を加えな
がら燃焼要求量に追従していく制御を行い、排ガスを抑
制し、かつ省エネルギを図るものである(「ディジタル
計装制御システムの基礎と応用」、広井和男著、工業技
術社発行、1987年10月、162〜168頁参
照)。このダブルクロスリミット制御系50は、燃料流
量目標値、燃焼空気流量目標値それぞれに対する上限リ
ミット設定部51,54及び下限リミット設定部52,
55、炉温制御出力MV(補正量を含む)とこれらのリ
ミット設定部のリミット値とに対する中間値選択部(M
ED)53,56、燃焼空気流量レンジの燃料流量レン
ジへの変換部57、燃料流量レンジの燃焼空気流量レン
ジへの変換部58から構成されていて、中間値選択部5
3,56それぞれの出力が燃料流量目標値、燃焼空気流
量目標値としてそれぞれ燃料流量制御ループ5、空気流
量制御ループ6に与えられるようになっている。
【0026】そしてこの一般的なダブルクロスリミット
制御系50に対して、本発明の実施の形態の特徴部分と
して、減算器61と、この減算器61の出力に対して燃
焼空気流量のフィードフォワード量を算出する折れ線特
性を持ったフィードフォワード量演算部62と、高応答
性セット回路37のセット出力によって閉じるスイッチ
63と、補正量加算器64とが付加されている。
【0027】次に、上記構成の炉温燃焼制御装置の動作
について説明する。炉温制御量MVの演算は従来例と同
様であり、炉温設定値SVに対して炉温測定値PVが低
温側に大きくずれておらず、偏差ΔSVが第1の基準値
Aよりも小さい場合には、比較器32は「NO」側に分
岐して偏差ΔSVを炉温PID制御部31に入力し、炉
温制御量MVを演算し、加算器36で補正値を加算する
ことなく出力し、通常の燃焼制御を行う。
【0028】しかしながら炉温が低くて、炉温設定値S
Vに対して炉温測定値PVが低温側に大きくずれている
場合、つまり、偏差ΔSVが第1の基準値Aよりも大き
い場合には、炉温を速く上昇させて炉温設定値SVに近
づける必要があるために、比較器32は「YES」側に
分岐して「ON:1」出力を高応答性セット回路37に
入力し、高応答性セット回路37はセット出力を補正切
替スイッチ35に与えて、スイッチ35を「0」(ゼ
ロ)補正側から補正値演算部34の出力ΔMV側に切替
え、炉温PID制御部31の炉温制御量出力MVに対し
て加算器36で補正値ΔMVを加算して出力させる。こ
れによって加熱炉1側では燃料流量と燃焼空気流量を通
常よりも高めに設定することによって、より速く炉温を
上昇させる。
【0029】そして本発明の特徴として、この高応答性
セット回路37がセット信号を補正切替スイッチ35に
出力する場合、同時にダブルクロスリミット制御系50
の燃焼空気流量制御ループ6側のスイッチ63をもオン
させる。この結果、炉温制御系3の高応答性制御と同時
に、ダブルクロスリミット制御系50の高応答性制御が
実行される。このダブルクロスリミット制御系50の高
応答性動作は、次の通りである。
【0030】炉温制御量MVが要求燃焼負荷量として、
双方の中間値選択部53,56に入力される。そして、
通常のダブルクロスリミット制御では、燃料流量制御系
において、燃焼空気流量レンジの燃料流量レンジへの変
換部57によって燃焼空気流量測定値に対応する最適燃
料流量を算出し、上限リミット設定部51がこの最適燃
料流量に対する上限リミット値を設定し、また下限リミ
ット設定部52が下限リミット値を設定し、これらを中
間値選択部53に出力する。中間値選択部53では、炉
温制御量MVと上限リミット値と下限リミット値との中
の中間値を選択し、燃料流量制御ループ5に燃料流量設
定値として渡し、これに対して燃料流量制御ループ5は
燃料流量のPID制御を行う。これと並行して、燃焼空
気流量制御系では、燃料流量レンジの燃焼空気流量レン
ジへの変換部58によって燃料流量測定値に対応する最
適燃焼空気流量を算出し、上限リミット設定部54がこ
の最適燃焼空気流量に対する上限リミット値を設定し、
また下限リミット設定部55が下限リミット値を設定
し、これらを中間値選択部56に出力し、ここで炉温制
御量MVと上限リミット値と下限リミット値との中の中
間値を選択し、燃焼空気流量制御ループ6に燃焼空気流
量設定値として渡し、これに対して燃焼空気流量制御ル
ープ6が燃焼空気流量のPID制御を行う。
【0031】こうして、通常のダブルクロスリミット燃
焼制御では、炉温制御量MVを要求燃焼負荷量として、
燃料流量と空気流量との双方の制御ループ5,6が相手
の制御量に応じて自ループの目標値に上下限制限を加え
ながら燃焼要求量に追従していく制御を行う。
【0032】そしてダブルクロスリミット制御系50
は、高応答性制御のためのスイッチ63が投入された場
合に次のように動作する。この場合、最適燃焼要求量に
は高応答性補正後の炉温制御量a(つまり、MV+ΔM
V)が炉温制御ループ3から入力されてくる。そこで、
減算器61において、最適燃焼要求量には高応答性補正
後の炉温制御量aとダブルクロスリミット制御系におけ
る燃料流量制御ループ5側の上限リミット値と比較し、
炉温制御量の方が上限リミット値よりも大きい場合に
は、炉温制御量と応答性の速い燃料流量設定値の上下限
リミット値bとの差、つまり制限オーバー量X(=a−
b)を算出する。そしてこの差Xから応答性の遅い燃焼
空気流量の設定値のフィードフォワード量Yをフィード
フォワード量演算部62で演算し、これを空気流量制御
ループ6の空気流量制御量出力に加算器64において加
算し、燃焼空気流量のフィードフォワード制御を行う。
【0033】こうして、実際の炉温が炉温設定値に対し
て低温側に大きくずれているために、炉温制御ループ3
において炉温制御量が高応答性補正された場合には、ダ
ブルクロスリミット制御系50側でも応答性が遅い燃焼
空気流量制御ループ6に空気流量目標値にフィードフォ
ワード要素を加算することにより、燃料流量制御の目標
値の制限を速く離脱させるようにして制御系全体を高応
答化するのである。
【0034】なお、上記の実施の形態では、炉温制御系
3と共にダブルクロスリミット制御系50を備えた炉温
燃焼制御装置について説明したが、特に請求項1の発明
は燃料、空気流量制御系はダブルクロスリミット制御系
を備えた炉温燃焼制御装置に限定されるものではない。
【0035】また請求項2及び3の発明では、スイッチ
63の投入時に折れ線特性によって求め補正量を燃焼空
気流量制御量に加算するのに代えて、一定量だけ上乗せ
する方式であってもよい。
【0036】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
炉温設定値と炉温測定値との偏差絶対値を基準値と比較
し、偏差絶対値が基準値以内に収束した時に、炉温制御
量演算値の補正開始後、所定時間が経過した時、若しく
は手動リセット入力があった時に炉温制御量に対する高
応答性のための補正動作を停止するようにしたので、従
来同様に実際の炉温が炉温設定値よりも大きく低下して
いる場合には速応性をもった炉温制御を行うことがで
き、しかも高応答性が不要となる炉立上げ時には、手動
リセット入力によって高応答性制御を停止して緩やかに
炉温上昇させ、炉体に対する熱的ダメージを少なくする
ことができる。
【0037】請求項2の発明によれば、炉温偏差が大き
いために高応答性制御を行う場合に、炉温制御量に対す
る補正に加えて、同時に燃料流量制御に対して応答が遅
れる燃焼空気流量制御にフィードフォワード的な補正を
加えてダブルクロスリミット制御するようにしたので、
制御系全体により高応答性を持たせることができる。
【0038】請求項3の発明によれば、従来同様に実際
の炉温が炉温設定値よりも大きく低下している場合には
速応性をもった炉温制御を行い、さらに高応答性が不要
となる炉立上げ時には、補正停止操作入力によって高応
答性制御を停止して緩やかに炉温上昇させ、炉体に対す
る熱的ダメージを少なくすることができ、加えて、特に
炉温の高応答性制御を実行する際には、炉温制御量に対
する補正と同時に、燃料流量制御に対して応答が遅れる
燃焼空気流量制御にフィードフォワード的な補正を加え
てダブルクロスリミット制御するので、制御系全体によ
り高応答性を持たせることができる。
【0039】請求項4の発明によれば、炉温を高応答性
制御する際に、制御応答性の速い燃料流量制御の設定値
の制限オーバー量を、制御応答性の遅い燃焼空気流量制
御量にもフィードフォワードとして加算するようにした
ので、燃料流量制御の目標値の制限を速く離脱させるこ
とにより、制御系全体としてより高応答性を実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態の制御フロー図。
【図2】一般的な炉温燃焼制御装置の制御フロー図。
【図3】従来例における炉温制御系の制御フロー図。
【符号の説明】
1 加熱炉 2 温度計 3 炉温制御ループ 5 燃料流量制御ループ 6 燃焼空気流量制御ループ 7 燃料流量センサ 8 流量制御バルブ 9 空気流量センサ 10 流量制御バルブ 11 バーナ 31 炉温PID制御部 32 比較器 33 絶対値比較器 34 補正値演算部 35 補正切替スイッチ 36 加算器 37 高応答性セット回路 39 立上り検出器 310 AND回路 311 オンディレイタイマ 312 OR回路 313 高応答処理停止スイッチ 50 ダブルクロスリミット制御系 51 上限リミット設定部 52 下限リミット設定部 53 中間値選択部 54 上限リミット設定部 55 下限リミット設定部 56 中間値選択部 57 変換部 58 変換部 61 減算器 62 フィードフォワード量演算器 63 スイッチ 64 加算器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉温設定値と炉温測定値との偏差の大き
    さに対応して炉温制御量を出力する炉温制御量演算手段
    と、 前記炉温設定値と炉温測定値との偏差を第1の基準値と
    比較する第1の偏差比較手段と、 前記炉温設定値と炉温測定値との偏差絶対値を第2の基
    準値と比較する第2の偏差比較手段と、 前記偏差が前記第1の基準値を超える時に前記炉温制御
    量演算手段の出力に所定の補正量を加える炉温制御量補
    正手段と、 前記炉温制御量補正手段による補正動作の停止操作手段
    と、 前記偏差絶対値が前記第2の基準値以内に収束した時
    に、前記炉温制御量補正手段の補正開始後、所定時間が
    経過した時、若しくは前記停止操作手段による入力があ
    った時に前記炉温制御量補正手段による前記補正動作を
    停止する補正停止手段とを備えて成る炉温燃焼制御装
    置。
  2. 【請求項2】 炉温設定値と炉温測定値との偏差の大き
    さに対応して炉温制御量を出力する炉温制御量演算手段
    と、 前記炉温制御量出力に基づいて、加熱炉の燃料流量と燃
    焼空気流量とをダブルクロスリミット燃焼制御する燃焼
    制御手段と、 前記炉温設定値と炉温測定値との偏差を所定の基準値と
    比較する偏差比較手段と、 前記偏差が前記基準値を超える時に前記炉温制御量演算
    手段の出力に所定の補正量を加える炉温制御量補正手段
    と、 前記炉温制御量補正手段により前記炉温制御量出力を補
    正する時に、前記燃焼空気流量制御量に所定の補正を行
    う燃焼空気流量補正手段とを備えて成る炉温燃焼制御装
    置。
  3. 【請求項3】 炉温設定値と炉温測定値との偏差の大き
    さに対応して炉温制御量を出力する炉温制御量演算手段
    と、 前記炉温設定値と炉温測定値との偏差を第1の基準値と
    比較する第1の偏差比較手段と、 前記炉温設定値と炉温測定値との偏差絶対値を第2の基
    準値と比較する第2の偏差比較手段と、 前記偏差が前記第1の基準値を超える時に前記炉温制御
    量演算手段の出力に所定の補正量を加える炉温制御量補
    正手段と、 前記炉温制御量補正手段による補正動作の停止操作手段
    と、 前記偏差絶対値が前記第2の基準値以内に収束した時
    に、前記炉温制御量補正手段の補正開始後、所定時間が
    経過した時に、若しくは前記停止操作手段による入力が
    あった時に前記炉温制御量補正手段による前記補正動作
    を停止する補正停止手段と、 前記炉温制御量出力に基づいて、加熱炉の燃料流量と燃
    焼空気流量とをダブルクロスリミット燃焼制御する燃焼
    制御手段と、 前記炉温制御量補正手段により前記炉温制御量出力を補
    正する時に、前記燃焼空気流量制御量に所定の補正を行
    う燃焼空気流量補正手段とを備えて成る炉温燃焼制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記燃焼空気流量補正手段は、前記炉温
    制御量出力と前記燃料流量制御側の上限リミット値とを
    比較し、炉温制御量出力の方が大きい場合に炉温制御量
    出力と当該上限リミット値との差を求め、この差に対応
    する燃焼空気流量補正量を前記燃焼空気流量制御量に加
    算補正することを特徴とする請求項2又は3に記載の炉
    温燃焼制御装置。
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