JP2887276B2 - レーザダイオードパワーコントロール装置 - Google Patents

レーザダイオードパワーコントロール装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体レーザ素子、特に半導体レーザ素子
としてダイオードを用いたレーザダイオードパワーコン
トロール装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、このような、レーザパワーコントロール装置と
して、第3図に示すような、レーザパワーコントロール
装置100がある。レーザパワーコントロール装置100は、
サンプルホールド101を有し、サンプルホールド101には
ライトゲート102が接続されている。サンプルホールド1
01は、さらにリード電流ドライバ103が接続されてい
る。
一方、ライトパワー設定器104は、ライト電流ドライ
バ105に接続されている。ライト電流ドライバ105は、ス
イッチング回路106に接続されている。そして、リード
電流ドライバー103とスイッチング回路106からの信号は
加算器111を介してLD(レーザダイオード)107に印加さ
れる。レーザダイオード107の光は、モニターダイオー
ド(MD)108からモニターアンプ109を介して、フィード
バックされる。さらにレーザパワーコントロール装置10
0は、高周波を発生する高周波発生源110を有する。
このような構成を有するレーザパワーコントロール装
置100は、次のように作動する。変調された書き込みデ
ータは、一度ライトクロックでラッチされ、ライトゲー
ト102を通して、レーザパワーコントロール部に送られ
る。データを書き込む時には、大きなレーザパワーが必
要で、このパワーを得るために書き込みを始める直前の
読み取り時の電流を保持したままライトデータによって
スイッチングされる一定電流を加算してレーザダイオー
ド107を作動させている。このとき、ディスク面に照射
したレーザ光のレーザダイオード107へのもどり光によ
るノズルを低減するため、高周波重畳しているので再
生、記録パワーともアベレージパワーである(第5図及
び第6図)。
一方、光ディスクにデータを書いたり、光ディスクか
らデータを読み取るための光源として使用されるレーザ
ーダイオード107の動作特性は第4図のように、温度に
よって変化する。したがって、安定したデータを読み取
るためには、温度によらず一定のパワーが得られるよう
に制御しなければならない。そのためレーザダイオード
107に内蔵されたモニターダイオード108の出力をフィー
ドバックして目標パワー設定値として比較することによ
り、自動制御(Auto power Cntrol)を行なっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来のレーザパワーコント
ロール装置100にあっては、再生時のパワー値が問題と
なる。すなわち、再生時のパワーについては、当該再生
用のレーザ光により情報が書込まれないように、記録時
のパワーよりも小さくする必要があるが、この再生時の
パワーが小さすぎて、例えばLED(Light Emitted Diod
e)の発光時のようにコヒーレント特性が悪くなる等、
半導体レーザとして完全に動作できないという問題点が
あった。
また、再生パワー及び記録パワーとのパワーを電流値
の変化によりコントロールしているため、記録時のパワ
ーの電流により、レーザダイオード107の温度が上昇
し、そのため、電流変動によって波長の変化が生じ、対
物レンズの色収差によって記録、再生時のフォーカス位
置が異なって、記録、再生性能が低下するとの問題があ
る。
本発明は、上記諸問題に鑑みてなされたもので、その
目的とするところは、再生パワー値とレーザダイオード
の動作下限値との関連が問題とならず、しかもレーザダ
イオードの波長の変化による色収差が生じないレーザダ
イオードパワーコントロール装置を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 上記の問題点を解決するために、本発明は、情報記録
媒体上にレーザ光を照射する半導体レーザ素子と、前記
半導体レーザ素子に直流電流を供給する直流電流源と、
前記直流電流源から供給される前記直流電流に高周波電
流を重畳する高周波電流供給手段と、前記高周波電流が
重畳された高周波重畳電流におけるデューティを与える
基準となる出力信号を発生する高周波発振器と、前記高
周波発振器の出力信号に基づき前記高周波電流が重畳さ
れた高周波重畳電流におけるデューティを制御し、情報
再生時における再生パワーに対応するデューティを、情
報記録時における記録パワーに対応するデューティより
も小さくするように制御する可変遅延素子、スイッチ素
子等のデューティ制御手段と、を備えて構成される。
[作用] 本発明によれば、半導体レーザ素子は、情報記録媒体
上にレーザ光を照射する。
そして、直流電流源は、半導体レーザ素子に直流電流
を供給する。
これと並行して、高周波電流供給手段は、直流電流に
高周波電流を供給する。
また、高周波発振器は、高周波重畳電流におけるデュ
ーティを与える基準となる出力信号を発生する。
このとき、デューティ制御手段は、高周波発振器の出
力信号に基づき高周波重畳電流におけるデューティを制
御し、情報再生時におけるデューティを、情報記録時に
おけるデューティよりも小さくするように制御する。
よって、情報再生時においては、高周波重畳電流にお
けるデューティを小さくすることにより、半導体レーザ
素子に供給する高周波重畳電流のピーク値を小さくする
ことなく再生パワーを実質的に低くすることができるの
で、情報再生時における半導体レーザ素子の駆動電流
(高周波重畳電流におけるピーク時の電流をいう。)に
対応するパワー(当該駆動電流が流れているときの発振
出力パワー)を低くする必要がないこととなり、駆動電
流に対応するパワーの作動下限値を考慮する必要がな
い。また、駆動電流が再生時に一定であるので、レーザ
光の波長の変化による色収差が生じることがない。
また、可変遅延素子、スイッチ素子等を設けること
で、一定の出力を発生する高周波発振器を1つ備える構
成により、情報再生時及び情報記録時を適宜切り替え、
どちらの動作状態に対し対応可能なデューティ制御を行
うことができる。
更に、情報記録時においては、当該デューティを大き
くすることにより、駆動電流を情報再生時に対して変化
させることなく記録パワーを実質的に高くすることがで
きるので、正確な情報記録ができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明す
る。第1図及び第2図は本発明によるレーザダイオード
パワーコントロール装置の実施例を示す図である。第1
図を参照すると、符号1は、高周波電流供給手段として
の高周波発振装置を示す。高周波発振装置1は可変遅延
回路2に接続されている。可変遅延回路2の出力端子2a
は、OR素子4とAND素子3との一方の入力端子3a,4aに夫
々接続されている。そしてAND素子3とOR素子4との他
方の入力端子3b,4bは高周波発振器1の出力に夫々接続
されている。OR素子4とAND素子3とは、スイッチ素子
5に接続されている。そしてこの可変遅延回路2とAND
素子3とOR素子4と、スイッチ素子5によってデューテ
ィ制御手段としてのデューティ制御装置が構成されてい
る。
一方、デューティ制御装置の外側に直流電流源6と直
流電流源6からの直流電流にスイッチ素子5からのパル
スを印加するスイッチング回路7が接続されている。そ
して、そのスイッチング回路7に半導体レーザ素子とし
てのレーザダイオード8が接続されている。一方、レー
ザダイオード8内部には、レーザダイオード8の出力を
モニタするモニタダイオード9のが設けられモニターダ
イオード9の出力はコントローラ10へフィードバックさ
れる。
さらにコントローラ10からは、ゲート信号が出力さ
れ、ゲート信号は、書込ゲート11に送られ、書込ゲート
11からの信号はスイッチ素子5に送られる。
次に本発明のレーザパワーコントロール装置の動作を
説明する。まず、高周波発振装置上から発振される高周
波パルス(第2図(a))は可変遅延回路2によって、
第2図(b)に示すようなパルスとなる。第2図(b)
のパルスは、AND素子3とOR素子4の一方の入力端子に
入力されて、AND素子3と、OR素子4との他方の入力端
子3b,4bには、高周波発振装置1からの第2図(a)に
示すようなパルスが夫々入力される。そして、AND素子
3とOR素子4の出力端子3c,4cからは、第2図(c)と
第2図(d)のパルスが出力されスイッチ素子5に入力
される。
ここで、光ディスクからの情報を再生する際には、ス
イッチ素子5はAND素子3側の端子5a側に固定とされ、
スイッチング回路7から出力される高周波重畳電流は図
2(c)に示す波形で一定となる。このとき、スイッチ
ング回路7から出力される高周波重畳電流に基づく再生
パワーの平均値は、図2(c)に示すように小さい値と
なり、再生時の光ビームによって光ディスクに情報が書
込まれることはない。しかも、再生時の駆動電流は記録
時における駆動電流と同様とされる。従って、従来技術
のように、レーザダイオード8に供給する駆動電流を小
さくすることなく再生パワーを実質的に低くすることが
できるので、情報再生時におけるレーザダイオード8の
駆動電流に対応するパワー(駆動電流が流れているとき
のレーザダイオード8の発振出力パワー)を低くする必
要がないこととなり、レーザダイオード8の発振出力パ
ワーの作動下限値を考慮する必要がなくなる。
次に、光ディスクに対して情報を書込む(記録する)
際の動作を説明する。
情報の記録時には、記録すべき情報に対応して、スイ
ッチ素子5が端子5a側とOR回路4側の端子5bとの間で切
換えられ、第2図(c)に示す波形のパルスと第2図
(d)に示す波形のパルスとが組み合わされてスイッチ
ング回路7から出力される。
すなわち、例えば、書込ゲート11から出力され、光デ
ィスクに記録すべき情報(予めディジタル化されてい
る。)の波形を第2図(e)に示す波形であるとする
と、当該記録すべき情報の波形における“H"の期間にお
いては、スイッチ素子5は端子5b側に接続され、スイッ
チング回路7から出力される高周波重畳電流の波形は、
第2図(d)に示す波形が連続することとなる。これに
より、スイッチング回路7から出力される高周波重畳電
流に基づく記録パワーの平均値は第2図(d)に示すよ
うに、再生時の再生パワーに比して大きく情報記録が可
能なパワーとなるので、記録すべき情報(記録すべき波
形における“H"に対応する)が記録されることとなる。
一方、記録すべき波形における“L"の期間において
は、スイッチ素子5は端子5a側に接続され、スイッチン
グ回路7から出力される高周波重畳電流の波形は、第2
図(c)に示す波形が連続する。これにより、スイッチ
ング回路7から出力される高周波重畳電流における平均
パワーは、第2図(c)に示す再生時の出力パワーと同
様となり、このときには記録すべき波形における“L"に
対応して情報は記録されない。
これらの動作により、第2図(e)に示す記録すべき
情報に対応するレーザダイオード8を駆動する高周波重
畳電流は、第2図(f)に示す波形となり、記録すべき
情報の波形における“H"の期間ではレーザダイオード8
の出力の平均パワーが大きくなって情報が記録され、記
録すべき情報の波形における“L"の期間では当該平均パ
ワーが小さくなり情報は記録されない。従って、情報記
録時においては、スイッチング回路7から出力される高
周波重畳電流のデューティを大きくすることにより、高
周波重畳電流のピーク値を情報再生時から変えることな
く記録すべき情報に対応してレーザダイオード8の平均
パワーを大きくすることができ、正確な情報記録ができ
る。
以上説明したように、本実施例によれば、情報再生時
にはレーザダイオード8に印加される高周波重畳電流に
おけるデューティを小さく一定として平均パワーを低く
し、情報記録時には、記録すべき情報に対応して高周波
重畳電流におけるデューティを可変とし、記録時の平均
パワーを高くして情報を記録するので、情報再生時にお
いては、半導体レーザ素子の駆動電流に対応する発振出
力パワーの作動下限値を考慮する必要がなく、レーザダ
イオードパワーコントロールが容易となる。また、駆動
電流が再生時に一定であるので、レーザ光の波長の変化
による色収差が生じることがない。
更に、情報記録時においては、高周波重畳電流のデュ
ーティを大きくすることにより、そのピーク値(駆動電
流)を情報再生時に対して変化させることなく記録パワ
ーを実質的に高くすることができるので、正確な情報記
録ができる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、情報再生時に
おいては、高周波重畳電流におけるデューティを小さく
するように、駆動電流を小さくすることなく再生パワー
を実質的に低くすることができるので、情報再生時のお
ける半導体レーザ素子の駆動電流に対応するパワー(駆
動電流が半導体レーザ素子に流れているときの発振出力
パワー)を低くする必要がないこととなり、駆動電流に
対応するパワーの作動下限値を考慮する必要がなく、レ
ーザダイオードパワーコントロールが容易となる。
また、駆動電流のピーク値が一定であるので、レーザ
光の波長の変化による色収差が生じることがない。
また、一定の出力を発生する1つの高周波発振器によ
り、情報再生時及び情報記録時の双方の動作状態に対し
対応可能なデューティ制御を行うことができるので、回
路構成を複雑にすることなく情報再生時及び情報記録時
におけるレーザダイオードパラーコントロールが可能と
なる。
更に、情報記録時においては、当該デューティを大き
くすることにより、駆動電流を情報再生時に対して変化
させることなく記録パワーを実質的に高くすることがで
きるので、正確な情報記録ができる。
これらにより、情報の記録及び再生を良好に両立しつ
つ、容易にレーザダイオードのパワーコントロールを行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のレーザパワーコントロール装置の回
路図、第2図は、第1図におけるレーザパワーコントロ
ール装置の波形図、第3図は、従来技術によるレーザパ
ワーコントロール装置の回路図、第4図、第5図、及び
第6図は、従来技術のレーザパワーコントロール装置の
動作説明図である。 1……高周波発振器、2……可変遅延回路、3……AND
回路、4……OR回路、5……スイッチ素子、6……直流
電流源、7……スイッチング回路、8……レーザダイオ
ード、9……モニターダイオード、10……コントロー
ラ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報記録媒体上にレーザ光を照射する半導
    体レーザ素子と、 前記半導体レーザ素子に直流電流を供給する直流電流源
    と、 前記直流電流源から供給される前記直流電流に高周波電
    流を重畳する高周波電流供給手段と、 前記高周波電流が重畳された高周波重畳電流におけるデ
    ューティを与える基準となる出力信号を発生する高周波
    発振器と、 前記高周波発振器の出力信号に基づき前記高周波電流が
    重畳された高周波重畳電流におけるデューティを制御
    し、情報再生時における再生パワーに対応するデューテ
    ィを、情報記録時における記録パワーに対応するデュー
    ティよりも小さくするように制御するデューティ制御手
    段と、 を備えることを特徴とするレーザダイオードパワーコン
    トロール装置。
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