JP2886708B2 - 農作業車のベルト式無段変速装置 - Google Patents

農作業車のベルト式無段変速装置

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JP2886708B2 JP3196251A JP19625191A JP2886708B2 JP 2886708 B2 JP2886708 B2 JP 2886708B2 JP 3196251 A JP3196251 A JP 3196251A JP 19625191 A JP19625191 A JP 19625191A JP 2886708 B2 JP2886708 B2 JP 2886708B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は農作業車に装備されるベ
ルト式無段変速装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】農作業車のベルト式無段変速装置の一例
が、実開昭64‐55129号公報に開示されている。
このベルト式無段変速装置は、互いに対向する一対のプ
ーリー部分(固定側のプーリー部分及び移動側のプーリ
ー部分)が、近接及び離間自在な2組の割プーリー、2
組の割プーリーに亘り巻回される伝動ベルトを備えて構
成されており、一方の割プーリーにおける移動側のプー
リー部分を移動操作する変速機構、並びに、他方の割プ
ーリーにおける移動側のプーリー部分を近接側に付勢す
るバネ機構が設けられている。これにより、変速機構に
よって一方の割プーリーにおける移動側のプーリー部分
を低速側及び高速側に移動操作すると、これに伴って伝
動ベルトの張力と前述のバネ機構の付勢力とが均衡する
ように、他方の割プーリー部分における移動側のプーリ
ー部分が移動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のような農作業車
のベルト式無段変速装置において、一方の割プーリーに
おける固定側のプーリー部分に対し、移動側のプーリー
部分を変速機構により移動操作すると、一方の割プーリ
ーにおける伝動ベルトの巻回半径が変化して変速が行わ
れるのと同時に、移動側のプーリー部分の移動に伴っ
て、伝動ベルト自身も割プーリーの回転軸芯方向に少し
移動する。この場合、[従来の技術]に記載のように、
他方の割プーリーにおける移動側のプーリー部分を、バ
ネ機構により近接側に付勢するように構成していると、
前述のような変速を行った際、伝動ベルトの張力と前述
のバネ機構の付勢力とが均衡するのに少し時間が掛か
り、他方の割プーリー部分における移動側のプーリー部
分(バネ機構側)が、素早く追従することができずに少
し遅れて移動する状態になることがある。
【0004】前述のように、一方の割プーリーにおける
移動側のプーリー部分(変速機構側)の移動に対し、他
方の割プーリーにおける移動側のプーリー部分(バネ機
構側)の移動が遅れると、両方の移動側のプーリー部分
の位置関係のズレによって、伝動ベルトが少し曲がった
状態が生じる(伝動ベルトにおいて一方の割プーリーに
巻回される部分と、他方の割プーリーに巻回される部分
とが、割プーリーの回転軸芯に直交する同一の平面上に
位置していない状態)。従って、このように伝動ベルト
が少し曲がった状態が変速の度に発生すると、伝動ベル
トの耐久性の低下を招くおそれがある。
【0005】又、[従来の技術]に記載の農作業車にお
いては、ベルト式無段変速装置が露出しているので、作
業走行時に泥水やホコリ等がベルト式無段変速装置に付
着することが考えられる。このようにベルト式無段変速
装置に泥水やホコリ等が付着すると、伝動ベルトと割プ
ーリーとの接触面での滑りや、この接触面の磨耗等が発
生するおそれがあり、ベルト式無段変速装置の耐久性の
低下を招くおそれがある。本発明は農作業車においてベ
ルト式無段変速装置を備えた場合、ベルト式無段変速装
置の全体の耐久性の低下を防止することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は農作業車
のベルト式無段変速装置において、次のように構成する
ことにある。互いに対向する一対のプーリー部分が近接
及び離間自在な第1割プーリー及び第2割プーリーと、
第1及び第2割プーリーに亘り巻回される伝動ベルト
と、伝動ベルトに接触するテンションプーリーと、テン
ションプーリーの支持部材を伝動ベルトの張り作用側に
付勢するバネと、第1及び第2割プーリーにおける両方
の移動側のプーリー部分を同じ低速側及び高速側に強制
的に移動操作する変速機構とを備えて、ベルト式無段変
速装置を構成し、ベルト式無段変速装置を覆うケースを
備えて、ケースに内装される変速機構をケースの外側か
ら操作自在な操作手段を備えると共に、ケースに内装さ
れる支持部材のバネを、ケースの外側から操作すること
により伝動ベルトの張り作用側に移動させて位置固定可
能なバネ支持部材を備えてある。
【0007】
【作用】[I] 請求項1の特徴によると、互いに対向する一対のプーリ
ー部分が近接及び離間自在な第1割プーリー及び第2割
プーリーを備えたベルト式無段変速装置において、第1
及び第2割プーリーにおける両方の移動側のプーリー部
分を、同じ低速側及び高速側に強制的に移動操作する変
速機構を備えている。
【0008】このように両方の移動側のプーリー部分を
強制的に移動操作するように構成すると、両方の移動側
のプーリー部分を同時に移動操作することができるの
で、一方の移動側のプーリー部分をバネ機構により近接
側に付勢する構成に比べて、一方の移動側のプーリー部
分の移動に対し、他方の移動側のプーリー部分の移動が
遅れると言うような状態は生じない。
【0009】[II] 請求項1の特徴によると、ベルト式無段変速装置を覆う
ケースを備えており、これによってベルト式無段変速装
置への泥水やホコリ等の付着が防止されるのであり、ベ
ルト式無段変速装置から発生する騒音を抑えることも期
待できる。この場合、ケースで覆われるベルト式無段変
速装置の変速機構を、ケースの外側から操作自在な変速
手段を備えているので、前項[I]に記載のような第1
及び第2割プーリーにおける両方の移動側のプーリー部
分の強制的な移動操作が、ケースの外側から支障なく行
える。
【0010】[III] 互いに対向する一対のプーリー部分が近接及び離間自在
な第1割プーリー及び第2割プーリー、第1及び第2割
プーリーに亘り巻回される伝動ベルトによってベルト式
無段変速装置を構成する場合、伝動ベルトに接触するテ
ンションプーリー、及びテンションプーリーの支持部材
を伝動ベルトの張り作用側に付勢するバネを備えること
が多くある。
【0011】このように構成されたベルト式無段変速装
置を、前項[I]に記載のようにケースで覆った場合、
ベルト式無段変速装置の組立工程として、例えば次のよ
うなものが考えられる。先ずケースに片持ち状に支持さ
れた一対の伝動軸に、第1及び第2割プーリーにおける
一方のプーリー部分を取り付け、伝動ベルトを置いてテ
ンションプーリー及びテンションプーリーの支持部材を
取り付ける。次にバネを取り付けて、バネによりテンシ
ョンプーリーの支持部材を伝動ベルトの張り作用側に付
勢し、特殊な専用治具を取り付けて、特殊な専用治具に
よってバネ及びテンションプーリーによる伝動ベルトの
張り状態を維持した状態で、伝動ベルトの張力に抗して
伝動ベルトを押し広げるように、第1及び第2割プーリ
ーにおける他方のプーリー部分を一対の伝動軸に取り付
け、最後に前述の特殊な専用治具を取り外しながらケー
スを閉じると言うような組立工程である。
【0012】以上のような組立工程の場合、例えば特殊
な専用治具を取り付ける工程、特殊な専用治具によって
バネ及びテンションプーリーによる伝動ベルトの張り状
態を維持した状態で、伝動ベルトの張力に抗して伝動ベ
ルトを押し広げるように、第1及び第2割プーリーにお
ける他方のプーリー部分を一対の伝動軸に取り付ける工
程、並びに、特殊な専用治具を取り外しながらケースを
閉じる工程が特に必要になるので、ベルト式無段変速装
置の組立が難しいものになることがある。
【0013】[IV] 請求項1の特徴によると、例えば前項[III]に記載
のような組立工程において、ケースに片持ち状に支持さ
れた一対の伝動軸に、第1及び第2割プーリーにおける
一方のプーリー部分を取り付け、伝動ベルトを置いてテ
ンションプーリー及びテンションプーリーの支持部材を
取り付ける。次にテンションプーリーの支持部材にバネ
を取り付ける際、このバネによりテンションプーリーの
支持部材を伝動ベルトの張り作用側に設定しておかなく
てもよいのであり、この後に第1及び第2割プーリーに
おける他方のプーリー部分を、一対の伝動軸に取り付け
てケースを閉じればよい。
【0014】前述の状態においてテンションプーリーの
支持部材は、まだ伝動ベルトの張り作用側に設定されて
いないので、請求項1の特徴によると、ケースの外側か
らバネ支持部材を操作することにより、ケースに内装さ
れるテンションプーリーの支持部材のバネを、伝動ベル
トの張り作用側に移動させて位置固定する。以上のよう
に請求項1の特徴によると、ベルト式無段変速装置の組
立工程においてケースを閉じるまで、バネによりテンシ
ョンプーリーの支持部材を伝動ベルトの張り作用側に設
定しなくてもよい。これにより、請求項1の特徴による
と、例えば前項[III]に記載のような特殊な専用治
具を取り付ける工程や、特殊な専用治具によってバネ及
びテンションプーリーによる伝動ベルトの張り状態を維
持した状態で、伝動ベルトの張力に抗して伝動ベルトを
押し広げるように、第1及び第2割プーリーにおける他
方のプーリー部分を一対の伝動軸に取り付ける工程、特
殊な専用治具を取り外しながらケースを閉じる工程は、
特に必要がない。
【0015】
【発明の効果】請求項1の特徴によると、農作業車のベ
ルト式無段変速装置において、両方の移動側のプーリー
部分を同時に移動操作することができるように構成する
ことにより、変速時に一方の移動側のプーリー部分の移
動に対し他方の移動側のプーリー部分の移動が遅れて、
伝動ベルトが少し曲がると言う状態を避けることができ
るようになって、ベルト式無段変速装置の耐久性(特に
伝動ベルトの耐久性)を向上させることができた。
【0016】請求項1の特徴のように、農作業車のベル
ト式無段変速装置を覆うケースを備えることにより、ベ
ルト式無段変速装置への泥水やホコリ等の付着を防止す
ることができ、ベルト式無段変速装置から発生する騒音
を抑えることができるので、ベルト式無段変速装置の耐
久性をさらに向上させることができて、作業者にとって
の快適性を向上させることができた。
【0017】請求項1の特徴によると、農作業車のベル
ト式無段変速装置をケースで覆った場合、ケースを閉じ
た後にケースの外側から、ケースに内装されるテンショ
ンプーリーの支持部材を伝動ベルトの張り作用側に設定
できるように構成することにより、例えば特殊な専用治
具によってバネ及びテンションプーリーによる伝動ベル
トの張り状態を維持した状態で、ベルト式無段変速装置
を組み立てると言う煩わしい状態を避けることができ、
バネ及びテンションプーリーによる伝動ベルトの張り状
態を維持する特殊な専用治具も、必要のないものとなっ
た。これによって、ベルト式無段変速装置の組立を容易
なものにすることができて、農作業車の生産性を向上さ
せることができた。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1及び図2は乗用型田植機を示しており、前輪
1及び後輪2で支持された機体の後部に、苗植付装置3
がリンク機構4及び油圧シリンダ5により昇降操作自在
に連結されている。機体の前部にエンジン6が配置さ
れ、機体の後部にベベルギヤケース7、変速ユニット8
及びミッションケース9が配置されている。エンジン6
からの動力は伝動軸10からベベルギヤケース7、変速
ユニット8及びミッションケース9を介して後輪2に伝
達され、ミッションケース9からPTO軸29を介して
苗植付装置3に伝達されており、後輪2の直前から分岐
した動力が伝動軸11を介して前輪1に伝達されてい
る。
【0019】次に、ベベルギヤケース7について説明す
る。図2に示すように、エンジン6からの伝動軸10に
連結される入力軸12、及び機体左右方向に向く出力軸
13がベベルギヤケース7に支持されており、入力軸1
2からの動力がベベルギヤ14,15を介して出力軸1
3に伝達される。図1に示す油圧シリンダ5及び前輪1
のパワーステアリング機構(図示せず)用の油圧ポンプ
16が、出力軸13の機体右側に連結されており、変速
ユニット8が出力軸13の機体左側に連結されている。
作動油として後述するミッションケース9の潤滑油を使
用しており、この潤滑油を油圧ポンプ16から油圧シリ
ンダ5及びパワーステアリング機構に供給している。
【0020】次に、変速ユニット8について説明する。
図4及び図3に示すように、変速ユニット8は一対のケ
ース17に、ベルト式無段変速装置18及び多板式の主
クラッチ19を内装して構成されている。ケース17に
入力軸20及び出力軸21が支持されており、入力軸2
0に支持された第1割プーリー22と、出力軸21に相
対回転自在に外嵌された第2割プーリー23とに亘り、
伝動ベルト24が巻回されている。
【0021】図3に示すように、伝動ベルト24に接触
するテンションプーリー25と、テンションプーリー2
5の支持部材38を伝動ベルト24の張り作用側に付勢
するバネ26が備えられている。バネ26を支持するバ
ネ支持部材37が備えられており、ケース17の外側か
らバネ支持部材37をケース17にネジ込むことによ
り、バネ26を伝動ベルト24の張り作用側に移動させ
て所定位置で固定する。図5に示すように第1及び第2
割プーリー22,23の内面に、円盤状で耐磨耗性に優
れたライナー32が取り付けられている。以上の構造に
よりベベルギヤケース7の出力軸13からの動力が、ベ
ルト式無段変速装置18の入力軸20及び主クラッチ1
9を介して、出力軸21からミッションケース9の伝動
系に伝達される。
【0022】次に、変速ユニット8におけるベルト式無
段変速装置18の操作構造について説明する。図4に示
すように、第1割プーリー22において紙面左側のプー
リー部分が入力軸20に固定されており、紙面右側のプ
ーリー部分が移動側のプーリ部分22aとして、入力軸
20に対しスプライン構造にてスライド自在に支持され
ている。第2割プーリー23において紙面右側のプーリ
ー部分が、カラー27(出力軸21に対して相対回転自
在)に固定されており、紙面左側のプーリー部分が移動
側のプーリー部分23aとして、カラー27に対しスプ
ライン構造にてスライド自在に支持されている。これに
より、伝動ベルト24の張力によって第1割プーリー2
2の移動側のプーリー部分22aが紙面右方に、第2割
プーリー23の移動側のプーリー部分23aが紙面左方
に移動するように付勢される。
【0023】図4及び図3に示すように、第1割プーリ
ー22の移動側のプーリー部分22aと同じ側の軸芯P
1周りに、二股状の第1操作アーム28(変速機構に相
当)が揺動自在に支持され、第2割プーリー23の移動
側のプーリー部分23aと同じ側の軸芯P2周りに、同
じく二股状の第2操作アーム30(変速機構に相当)が
揺動自在に支持されている。第1及び第2割プーリー2
2,23の移動側のプーリー部分22a,23aにおい
て、伝動ベルト24とは反対側の部分にベアリング36
が外嵌されており、ベアリング36のアウターレース3
6aの端部に、第1及び第2操作アーム28,30の先
端が接当している。
【0024】図3及び図4に示すように、第1及び第2
割プーリー22,23の間で伝動ベルト24のループ内
を通るように、連係リンク31(変速機構に相当)が配
置されており、第1及び第2操作アーム28,30の先
端が連係リンク31により連結されている。図4に示す
紙面左側のケース17に操作軸(図示せず)(操作手段
に相当)が支持され、この操作軸の操作アーム(図示せ
ず)(操作手段に相当)が第2操作アーム30の先端に
連結されている。
【0025】以上の構造により、伝動ベルト24の張力
によって第1割プーリー22の移動側のプーリー部分2
2aが図4の紙面右方に、第2割プーリー23の移動側
のプーリー部分23aが図4の紙面左方に付勢されてい
るので、図4において第1操作アーム28が紙面時計方
向に付勢され、第2操作アーム30が紙面反時計方向に
付勢される。この場合に、第1及び第2操作アーム2
8,30の先端が連係リンク31に連結されて、第1及
び第2操作アーム28,30が突っ張り合っており、操
作軸により連係リンク31の位置が決められているの
で、第1及び第2操作アーム28,30が動くことはな
い。
【0026】前述の状態で操作軸を回動操作すると、第
1及び第2操作アーム28,30が連係リンク31の作
用にて連動し揺動操作されて、第1及び第2割プーリー
22,23の移動側のプーリー部分22a,23aが、
同方向にスライド操作されて変速操作が行われる。図4
に示す状態は、第1及び第2割プーリー22,23の移
動側のプーリー部分22a,23aが、最も図4の紙面
右方に操作された状態であり、最低速状態である。
【0027】次に、変速ユニット8における主クラッチ
19の操作構造について説明する。図4に示すように、
主クラッチ19はバネ19aにより入り操作側に付勢さ
れており、操作アーム34aにより操作板19bを図4
の紙面左方に押し操作することによって、主クラッチ1
9を切り操作する。操作アーム34aは図4の紙面右側
のケース17に支持された操作軸34に固定されてお
り、操作軸34がケース17から外面に突出している。
機体の操縦部に備えられているクラッチペダル(図示せ
ず)と操作軸34の突出部とが、連係ロッド(図示せ
ず)により機械的に連動連結されており、クラッチペダ
ルを踏み操作することにより主クラッチ19を切り操作
する。
【0028】[別実施例] 前述の実施例の変速ユニット8では、ケース17に入力
軸20及び出力軸21等を支持させているが、これを図
6に示すように構成してもよい。金属製の支持ステー3
3に入力軸20及び出力軸21等のベルト式無段変速装
置18、並びに主クラッチ19を支持させて、これらを
金属製又は樹脂製の一対のカバー35により覆う。この
場合、カバー35は特に強度メンバーとしてはいない。
【0029】図4における第1操作アーム28と連係リ
ンク31との連結部分、又は第2操作アーム30と連係
リンク31との連結部分に長孔等の融通構造(図示せ
ず)を設けて、第1割プーリー22の移動側のプーリー
部分22a、又は第2割プーリー23の移動側のプーリ
ー部分23aを、固定側のプーリー部分に押圧するバネ
(図示せず)を設けてもよい。この構造により、第1及
び第2割プーリー22,23の移動側のプーリー部分2
2a,23aのある程度の移動操作が、第1及び第2操
作アーム28,30により行われるのであり、これ以下
の微妙な移動操作は前述の融通構造及びバネによって行
われる。従って、変速操作を急激に行った場合に前述の
融通構造及びバネにより、第1及び第2割プーリー2
2,23の移動側のプーリー部分22a,23aの位置
が速やかに安定した位置に達する。
【0030】図4に示す構造では、ベルト式無段変速装
置18とは別に専用の主クラッチ19を設けているが、
これを次のように構成してベルト式無段変速装置18に
クラッチ機能を内蔵してもよい。第1割プーリー22に
おいて固定側のプーリー部分と移動側のプーリー部分2
2aとの間の底部に、自由回転する補助プーリー部分
(図示せず)を設けて、第1割プーリー22の移動側の
プーリー部分22aを、最低速状態からさらに離れた位
置に移動操作すると、伝動ベルト24が第1割プーリー
22の固定側のプーリー部分及び移動側のプーリー部分
22aから離れて、前述の補助プーリー部分に移るよう
に構成する。このように伝動ベルト24を自由回転する
補助プーリー部分に移すと、第1割プーリー22におい
て伝動が遮断されるのであり、この部分がクラッチとな
る。
【0031】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機における伝動系の概略を示す平面
【図3】変速ユニットの縦断側面図
【図4】変速ユニットの横断平面図
【図5】ベルト式無段変速装置における第1及び第2割
プーリー付近の横断平面図
【図6】別実施例における変速ユニットの支持構造を示
す斜視図
【符号の説明】
17 ケース 18 ベルト式無段変速装置 22 第1割プーリー 22a 第1割プーリーの移動側のプーリー
部分 23 第2割プーリー 23a 第2割プーリーの移動側のプーリー
部分 24 伝動ベルト 25 テンションプーリー 26 バネ 28,30,31 変速機構 37 バネ支持部材 38 テンションプーリーの支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/26 - 63/38 F16H 9/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向する一対のプーリー部分が近
    接及び離間自在な第1割プーリー(22)及び第2割プ
    ーリー(23)と、前記第1及び第2割プーリー(2
    2),(23)に亘り巻回される伝動ベルト(24)
    と、前記伝動ベルト(24)に接触するテンションプー
    リー(25)と、前記テンションプーリー(25)の支
    持部材(38)を前記伝動ベルト(24)の張り作用側
    に付勢するバネ(26)と、前記第1及び第2割プーリ
    ー(22),(23)における両方の移動側のプーリー
    部分(22a),(23a)を同じ低速側及び高速側に
    強制的に移動操作する変速機構(28),(30),
    (31)とを備えて、ベルト式無段変速装置(18)を
    構成し、 前記ベルト式無段変速装置(18)を覆うケース(1
    7)を備えて、前記ケース(17)に内装される前記変
    速機構(28),(30),(31)を前記ケース(1
    7)の外側から操作自在な操作手段を備えると共に、 前記ケース(17)に内装される前記支持部材(38)
    の前記バネ(26)を、前記ケース(17)の外側から
    操作することにより、前記伝動ベルト(24)の張り作
    用側に移動させて位置固定可能なバネ支持部材(37)
    を備えてある農作業車のベルト式無段変速装置。
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