JP2886571B2 - 芳香族ポリアミドフィルム及びその製造方法 - Google Patents

芳香族ポリアミドフィルム及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、パラ配向型芳香族ポリアミドからなる化学
的に金属又はその化合物を内外に析出させたフィルム及
びその製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
ポリパラフエニレンテレフタルアミド(以下、PPTAと
いう)に代表されるパラ配向型の芳香族ポリアミドは、
特に優れた結晶性や高い融点を有し、また剛直な分子構
造の故に、耐熱性で高い機械的強度を有しており、近
年、特に注目されている高分子素材である。またその光
学異方性を示す濃厚溶液から紡糸された繊維は高い強度
およびモジュラスを示すことが報告され、すでに工業的
に実施されるに到っている。また、PPTAのフィルムへの
成形例もいくつか提案されている(例えば、特公昭56-4
521号公報、特公昭57-17886号公報など)。
近年、プラスチックフィルムに、接着剤を用いずに、
スパッタリングやイオンプレーティング等の方法で直接
に該プラスチックフィルムに、銅に代表される導電性金
属を積層させる方法がいくつか報告されているが、パラ
配向型芳香族ポリアミドフィルム内外に化学的に金属又
はその化合物を析出させる技術は未だ全く開示されてい
ない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、高強度、高モジュラスを有し、金属
又はその化合物を含有したパラ配向型芳香族ポリアミド
フィルム及びその製造法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、このようなフィルムを得る方法につい
て鋭意研究を重ねた結果、パラ配向型芳香族ポリアミド
の光学異方性ドープを支持面上にフィルム上にしたの
ち、等方化し、次いで凝固させ、溶媒を除去して得た50
重量%以上の水分、もしくは有機溶剤を含む液とを接触
させるという特別な方法によって、優れた機械特性を示
し、しかもフィルム内外に自由に金属又はその化合物を
析出させたフィルムが得られることを見出し、さらに研
究を重ねて本発明を完成するに到った。
すなわち本発明の第1は、 対数粘度ηinhが2.5以上の実質的にパラ配向型芳香族
ポリアミドからなり、金属塩の還元により化学的に化学
的に析出された金属化合物を少なくともフィルムの片面
又は内部にフィルム全重量に対し少なくとも1重量%含
有したことを特徴とするパラ配向型芳香族ポリアミドフ
ィルム。
本発明の第2は、 対数粘度(ηinh)が2.5以上であるパラ配向型芳香族
ポリアミドと96重量%以上の濃度の濃硫酸、クロル硫酸
およびフルオル硫酸からなる群より選択された少なくと
も一種の溶媒とを含んでなる光学異方性ドープを、光学
異方性を保ったまま支持面上にフィルム状となし、吸湿
および/または加熱により該ドープが光学等方性ドープ
に実質的に転化するまで放置した後、凝固させ、溶媒を
実質的に除去して得た50重量%以上の水分もしくは有機
溶剤を含んだフィルムを無電解メッキ液と接触させるこ
とを特徴とするパラ配向型芳香族ポリアミドフィルムの
製造法。
本発明に用いられるパラ配向型芳香族ポリアミドは、
次の構成単位からなる群より選択された単位から実質的
に構成される。
−NH−Ar1−NH− ……(I) −CO−Ar2−CO− ……(II) −NH−Ar3−CO− ……(III) ここでAr1,Ar2およびAr3は各々2価の芳香族基であ
り、(I)と(II)はポリマー中に存在する場合は実質
的に当モルである。
本発明のポリアミドフィルムにおいて、良好な機械的
性能を確保するために、Ar1,Ar2およびAr3は各々、所
謂、パラ配向型の基である。
ここで、パラ配向型とは、その分子鎖を成長させてい
る結合が芳香核の反対方向に同軸または平行的に位置し
ていることを意味する。このような2価の芳香族基の具
体例としては、パラフエニレン、4,4′−ビフエニレ
ン、1,4−ナフチレン、1,5−ナフチレン、2,6−ナフチ
レン、2,5−ピリジレンなどがあげられる。それらはハ
ロゲン、低級アルキル、ニトロ、メトキシ、スルホン
酸、シアン基などの非活性基で1または2以上置換され
ていてもよい。Ar1,Ar2およびAr3はいずれも2種以上で
あってもよく、また相互に同じであっても異なっていて
もよい。
本発明に用いられるポリマーは、これまでに知られた
方法により、各々の単位に対応するジアミン、ジカルボ
ン酸、アミノカルボン酸より製造することができる。具
体的には、カルボン酸基をまず酸ハライド、酸イミダゾ
ライド、エステル等に誘導した後にアミノ基と反応させ
る方法、またはアミノ基をイソシアナート基に誘導した
後、カルボン酸基と反応させる方法が用いられ、重合の
形式もいわゆる低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合
法、固相重合法などを用いることができる。
本発明に用いられる芳香族ポリアミドには、上記した
以外の基が約10モル%以下共重合されたり、他のポリマ
ーがブレンドされたりしていてもよい。
本発明の芳香族ポリアミドとして最も代表的なもの
は、ポリ−p−フエニレンテレフタルアミド(以下、PP
TAと略称する)やポリ−p−ベンズアミドである。
本発明において、芳香族ポリアミドの重合度は、あま
りに低いと本発明の目的とする機械的性質の良好なフィ
ルムが得られなくなるため、通常2.5以上、好ましくは
3.5以上の対数粘度ηinh(硫酸100mlにポリマー0.5gを
溶解して30℃で測定した値)を与える重合度のものが選
ばれる。
本発明でえられるフィルムは一般に少なくとも1.37g/
cm2以上、より好ましくは1.39g/cm2以上の密度を有して
いる。これは先に述べたフィルムの機械的物性を確保す
るために必要な密度である。
本発明で得られるフィルムは通常少なくとも初期モジ
ュラス(ヤング率)が500kg/mm2以上、より好ましくは7
00kg/mm2以上を有する。
本発明のフィルムは、フィルム全重量に対し少なくと
も1重量%以上の、好ましくは5重量%から20重量%の
金属又はその化合物を含有しており、この金属又はその
化合物は金属塩の還元により化学的に析出された物であ
る必要が有る 金属としては、Pt,Ag,Au,Pd,Cu,Ni,Coなどが主にもち
いられるが限定されるものではない。
金属500Å程度の直径を有する粒子として析出される
ことが好ましい。
金属化合物としては、上記金属の酸化物を挙げること
ができ、金属と金属化合物が共存していてもよい。
次に本発明のフィルムの製造法について述べる。
本発明のフィルムの成型に用いる光学異方性ドープを
調製するのに適した溶媒としては、96重量%以上の濃度
の硫酸、クロル硫酸、フルオル硫酸またはそれらの混合
物があげられる。硫酸は100%以上のもの、すなわち発
煙硫酸であってもよいし、またトリハロゲン化酢酸など
を、本発明の効果を損なわない範囲で混合して用いても
よい。
本発明に用いられるドープ中のポリマー濃度は、常温
(約20℃〜30℃)またはそれ以上の温度で光学異方性を
示す濃度以上のものが好ましく用いられ、具体的には約
9重量%以上、好ましくは約10重量%以上で用いられ
る。これ以下のポリマー濃度、すなわち常温またはそれ
以上の温度で光学異方性を示さないポリマー濃度では、
成型されたフィルムが好ましい機械的性質を持たなくな
ることが多い。ドープのポリマー濃度の上限は特に限定
されるものではないが、通常は20重量%以下、特に高い
ηinhのPPTAに対しては16重量%以下が好ましく用いら
れる。
本発明に用いるドープには、ドープ中のポリマー溶解
性を著しく損なわない限り、添加剤、例えば、増量剤、
除光沢剤、紫外線安定化剤、熱安定化剤、抗酸化剤、溶
解助剤などを購入してもよい。
ドープが光学異方性か光学等方性であるかは、公知の
方法、例えば特公昭50-8474号公報記載の方法で調べる
ことができるが、その臨界点は、溶媒の種類、温度、ポ
リマー濃度、ポリマーの重合度、非溶媒の含有量等に依
存するので、これらの関係を予め調べることによって、
光学異方性ドープを作り、光学等方性ドープとなる条件
に変えることで、光学異方性から光学等方性に変えるこ
とができる。
本発明のフィルムを得るには、例えばドープを支持面
上にフィルム状にした後、凝固に先立ってドープを光学
異方性から光学等方性に転化する。
光学異方性から光学等方性に転化するには、具体的に
は支持面上にフィルム状にした光学異方性ドープを凝固
に先立ち、吸湿させてドープを形成する溶剤の濃度を下
げ、溶剤の溶解能力およびポリマー濃度の変化により光
学等方性域に転移させるか、または加熱することにより
ドープを昇温し、同時または遂次的にドープを光学等方
性に転移させるか、あるいは加熱と吸湿を併用すること
により達成できる。
ドープを吸湿させる方法としては、例えば、空気中に
一定時間以上静置することにより達成することができ
る。この場合の空気は50%以上の相対湿度をもっている
ことが好ましい。
また通常の湿度雰囲気にさらに積極的に加湿を施す工
夫は、光学等方性化するまでの時間を短く、また加熱を
併用する場合にはその加熱温度を低くできる点から望ま
しい実施態様である。相対湿度99%を超えると、低温で
はドープ上に水が凝縮するためポリマーが析出したり、
フィルムの平面性が失われることがあるが、45℃以上に
おいては、100%以上の相対湿度を用いることもでき
る。
また吸湿と同時または吸湿させた後加熱を併用する方
法においては、例えば、硫酸を溶媒に用いた場合、光学
異方性が実質的に消失し、ドープが光学等方性に転化す
る温度は、ポリマー濃度、ポリマーの重合度、硫酸濃
度、ドープの厚み、さらには吸湿の程度により変動する
が、通常約45℃以上が好ましく、またその上限は、ポリ
マーの分解性を考慮した場合、一般的にあまり高くない
ことが望ましく、フィルム状のドープの温度が200℃を
超えない程度に選ばれることが望ましい。
この吸湿により光学等方性化する機能は必ずしも明ら
かではないが、おそらく吸湿することによまポリマー濃
度と溶媒濃度の低下により、PPTA−溶媒系の液晶域がか
なり縮小するためであろうと思われる。この吸湿だけで
も十分光学等方性化するが、これにさらに加熱が伴え
ば、短時間の等方性化が可能となる。この方法は特にド
ープの厚みが厚いときに有効である。
本発明において、ドープの凝固液として使用できるの
は、例えば水約70重量%以下の希硫酸、約20重量%以下
の水酸化ナトリウム水溶液およびアンモニア水、約50重
量%以下の塩化ナトリウム水溶液および塩化カルシウム
水溶液などの水系の液か、アセトン、メタノール、エタ
ノール、エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、
N−メチルピロリドン、などの有機溶剤又は有機溶剤水
溶液である。凝固浴の温度は特に制限されるものではな
く、通常約−5℃〜50℃の範囲で行なわれる。
凝固されたフィルムはそのままでは酸が含まれている
ため、加熱による機械的物性の低下の少ないフィルムを
製造するには酸分の洗浄、除去をできるだけ行なう必要
がある。酸分の除去は、具体的には約500ppm以下まで行
なうことが望ましい。洗浄液としては水が通常用いられ
るが、必要に応じて温水で行なったり、アルカリ水溶液
で中和洗浄した後、水などで洗浄してもよい。また有機
溶剤で洗浄してもよい。洗浄は、例えば洗浄液中でフィ
ルムを走行させたり、洗浄液を噴霧する等の方法により
行なわれる。
本発明において、50重量%以上の有機溶剤を含有させ
る方法については、有機溶剤浴中で凝固させ、次いで有
機溶剤にて洗浄を行ない含有させる方法、及び水系浴で
凝固させ、次いで有機溶剤にて洗浄を行ないながら含有
させる方法、及び、水系で凝固・洗浄を行なった後、有
機溶剤で置換する方法などが好ましく行なわれる。
本発明において、このようにして水又は有機溶剤を含
有したフィルムは、無電解メッキ液と接触させなければ
ならない。
水又は有機溶剤の含有率が50重量%未満では、無電解
メッキ液の拡散速度が著しく低下し、内部にて金属又は
その化合物を析出させることができない。
本発明の無電解メッキ液の金属塩として、Pt,Ag,Au,P
d,Ca,Ni,Coなどを含む溶液として主に使用される。又合
金であってもよく限定されるものでない。
還元剤としては、ホルマリン、次亜リン酸等が主に使
われるが限定されるものでない。
又、本発明の無電解メッキ液は、ギ酸塩、酢酸塩など
が緩衝剤として含まれる。
本発明の無電解液との接触方法は、 金属塩、還元剤、緩衝剤から成る液に浸す方法、
あらかじめ金属塩を含浸させておいて還元剤液につける
方法、還元剤を含浸させておいて金属塩液につける方
法、フィルムの片面から金属塩、もう一方の面から還
元剤を含浸する方法などが有用である。
本発明において有機溶剤としては、例えば、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホ
キシド、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン、アセ
トニトリル、アセトン、メタノール、エタノール、プロ
パノール、エチレングリコール等を用いることができ
る。
このようにして得られたフィルムを乾燥する場合望む
ならば乾燥に先立って延伸することもできる。すなわ
ち、乾燥前の湿潤フィルムを1方向または2方向に1.01
〜1.4倍程度延伸することにより、フィルムの機械的性
質を向上させることができる。
フィルムの乾燥は、緊張下、定長下または僅かに延伸
しつつ、フィルムの収縮を制限して行なう必要がある。
もし、洗浄液(例えば水)の除去とともに収縮する傾向
を有するフィルムを、何らの収縮の制限を行なうことな
く乾燥した場合には、ミクロに不均一な構造形成(結晶
化など)がおこるためか、得られるフィルムの平面性が
損なわれたり、カールしてしまうこともある。収縮を制
限しつつ乾燥するには、例えばテンター乾燥機や金属枠
に挟んでの乾燥などを利用することができる。乾燥に係
る他の条件は、特に制限されるものではなく、加熱気体
(空気、窒素、アルゴンなど)や常温気体による方法、
電気ヒータや赤外線ランプなどの輻射熱による方法、誘
電加熱法などの手段から任意に選ぶことができる。又、
熱プレスにて成形することもできる。
(実施例) 以下に本発明の実施例および参考例(PPTAの製造例)
を示すが、これらの参考例および実施例は本発明を説明
するものであって、本発明を限定するものではない。な
お、実施例中特に規定しない場合は重量部または重量%
を示す。
対数粘度(ηinh)は98%硫酸100mlにポリマー0.2gを
溶解し、30℃で常法で測定した。ドープの粘度は、B型
粘度計を用い1rpmの回転速度で測定した。フィルムの厚
さは、直径2mmの測定面を持ったダイヤルゲージで測定
した。強伸度およびモジユラスは、定速伸長型強伸度測
定機により、フィルム試料を100mm×10mmの長方形に切
り取り、最初のつかみ長さ30mm、引張り速度30mm/分で
荷重−伸長曲線を5回描き、これより算出したものであ
る。
金属又はその化合物の含有率は、金属又はその化合物
を含有してない同じ大きさのフィルム重量を金属又はそ
の化合物を含有したフィルムより差し引いた値を、金属
又はその化合物を含有していない同じ大きさのフィルム
重量で除して求めた。
実施例1 ηinhが5.5のPPTAポリマーを99.7%の硫酸にポリマー
濃度12.0%で溶解し、60℃で光学異方性のあるドープを
得た。このドープの粘度を常温で測定したところ、1450
0ポイズであった。製膜しやすくするために、このドー
プを約70℃に保ち、真空下に脱気した。この場合も上記
と同じく光学異方性を有し、粘度は、4200ポイズであっ
た。このドープをタンクからフィルターを通し、約70℃
に保ちながらギアポンプを経てダイに到る1.5mの曲管を
通し、0.3mm×300mmのスリットを有するダイから、鏡面
に磨いたハステロイ製のベルトにキヤストし、この流延
ドープに相対湿度約95%の約90℃の空気を吹きつけて光
学等方化したのち、約1分間ベルト上に保持してから、
ベルトとともに0℃の20重量%硫酸水溶液の中に導いて
凝固させた。次いで凝固フィルムをベルトからひきはが
し、回転ローラを介して約20℃の水槽中を走行させて洗
浄し(滞留時間約3分)、水分率約400重量%のゲル状
凝固フィルムを得た。
このフィルムを無電解銀メッキ浴(第2表の2−4参
照)と25℃にて接触させフィルム内部及び表面に銀を析
出させフィルムを得た。得られたフィルムを多量の水で
水洗後、約10cm×15cmのステンレス製の2枚の枠に挟
み、200℃に保たれたエアオーブン中で定長乾燥した。
このフィルム上の銀は内部にも含まれているためアンカ
ー効果が働くためか銀とPPTAとのはくりは、フィルムの
破壊なしには不可能な状態であり又、乾燥時のPPTAとの
相はくりも見られなかった。
実施例2 実施例1と同様に得られたゲル状凝固フィルムを、一
旦硝酸銀6.7g/lと28%アンモニア水6.4ml/lとの混合液
に20分間浸し、その後ホルムアミド50ml/l溶液に浸して
フィルムを得た。このフィルムを多量の水で水洗後、実
施例1と同様の条件で乾燥したところ、乾燥時のPPTAと
銀との相はくりも見られず内部及び表面に銀を含んだフ
ィルムが得られた。
実施例3〜5 実施例1と同様にして得られたゲル凝固フィルムを、
無電解銅メッキ浴(実施例3)、無電解金メッキ浴(水
素化ホウ素化合物還元浴を使用:実施例4)、無電解コ
バルトメッキ浴(実施例5)にて実施例1と同様の条件
で接触および乾燥して、金属含有フィルムを得た。全て
が乾燥時の金属とPPTAとの相はくりが見られなかった。
比較例1 実施例1で得られたゲル状凝固フィルムを一旦120℃
で水分含有量約30重量%に乾燥した後、実施例1に示し
た条件で無電解メッキ液と接触させてフィルムを得た。
このフィルムは表面のみに銀がかすかに付着している状
態で内部での銀の析出は見られず銀がはくりしやすいも
のであった。又、乾燥冷却時のPPTAの伸縮時に部分的に
銀のはくりが見られた。
実施例6 実施例1で得られた銀を含んだフィルムを一方向に1.
2倍延伸した状態で200℃にて乾燥したフィルムを得た。
得られたフィルムは実施例1と同様に銀のはくりが見ら
れなかった。
比較例2 比較例1で得られたフィルムを実施例6と同様に乾燥
したところ銀がはくりしてしまった。
これらのフィルムの処理条件・物性をまとめて第1表
に示した。又、無電解メッキ液については一般的な例を
第2表に示した。
〔発明の効果〕 本発明の方法によるフィルムは、高い強度と高いモジ
ュラスで表される良好な機械的性質を有し、かつ、フィ
ルム内部又は/及び表面に金属又はその化合物が析出し
ている。
本発明の方法によるフィルムは、良好な機械的性質を
有すると共に良好な耐熱性を有している。本発明による
フィルムは、このような性能上の特徴を活かして、コン
デンサー用絶縁体、スピーカー、振動板、熱転写プリン
ター用テープ、フレキシブルプリント配線基板、写真フ
ィルム等に有用であり、金属色及び金属の特徴を生かし
た着色テープ及びシートとしても使用することができ、
その他、包装材料、電磁波シールド材等にも有用なもの
である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B05D 1/00 - 9/26 C08J 5/18,7/04 - 7/06 H01B 3/16 - 3/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対数粘度ηinhが2.5以上の実質的にパラ配
    向型芳香族ポリアミドからなり、金属塩の還元により化
    学的に析出された金属化合物を少なくともフィルムの片
    面又は内部にフィルム全重量に対し少なくとも1重量%
    含有したことを特徴とするパラ配向型芳香族ポリアミド
    フィルム。
  2. 【請求項2】対数粘度(ηinh)が2.5以上であるパラ配
    向型芳香族ポリアミドと96重量%以上の濃度の濃硫酸、
    クロル硫酸およびフルオル硫酸からなる群より選択され
    た少なくとも一種の溶媒とを含んでなる光学異方性ドー
    プを、光学異方性を保ったまま支持面上にフィルム状と
    なし、吸湿および/または加熱により該ドープが光学等
    方性ドープに実質的に転化するまで放置した後、凝固さ
    せ、溶媒を実質的に除去して得た50重量%以上の水分も
    しくは有機溶剤を含んだフィルムを無電解メッキ液と接
    触させることを特徴とするパラ配向型芳香族ポリアミド
    フィルムの製造法。
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