JP2885382B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents
電子写真用感光体Info
- Publication number
- JP2885382B2 JP2885382B2 JP1288106A JP28810689A JP2885382B2 JP 2885382 B2 JP2885382 B2 JP 2885382B2 JP 1288106 A JP1288106 A JP 1288106A JP 28810689 A JP28810689 A JP 28810689A JP 2885382 B2 JP2885382 B2 JP 2885382B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- charge
- free phthalocyanine
- photoreceptor
- type metal
- work function
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は無金属フタロシアニン顔料を電荷発生物質
として用いる電子写真用有機感光体に関する。
として用いる電子写真用有機感光体に関する。
有機系光導電性物質である無金属フタロシアニン顔料
を電荷発生物質として用いる電子写真用感光体（以下、
単に感光体とも称する）は700nm以上の長波長光領域に
高感度を有し、例えば半導体レーザビームプリンタ（波
長780nm程度）などに好適に用いられる可能性が大き
く、近年、盛んに開発が進められ、数多くの提案がなさ
れている。
を電荷発生物質として用いる電子写真用感光体（以下、
単に感光体とも称する）は700nm以上の長波長光領域に
高感度を有し、例えば半導体レーザビームプリンタ（波
長780nm程度）などに好適に用いられる可能性が大き
く、近年、盛んに開発が進められ、数多くの提案がなさ
れている。
電子写真プロセスにおいては、感光体の光感度が大き
いことが重要であるが、暗中での感光体表面の電荷保持
能（電位保持率）も極めて重要であり、これらの電子写
真特性を高めるために、通常、感光体の電荷発生物質と
して用いられる顔料は活性化処理を施されたものが用い
られる。無金属フタロシアニン顔料に関しても、アシッ
ドペースト（Acid Paste）法によるα型結晶型への変
換，さらにはミリング処理によるＸ型，τ型への結晶形
変換などにより特性改善が行われている。
いことが重要であるが、暗中での感光体表面の電荷保持
能（電位保持率）も極めて重要であり、これらの電子写
真特性を高めるために、通常、感光体の電荷発生物質と
して用いられる顔料は活性化処理を施されたものが用い
られる。無金属フタロシアニン顔料に関しても、アシッ
ドペースト（Acid Paste）法によるα型結晶型への変
換，さらにはミリング処理によるＸ型，τ型への結晶形
変換などにより特性改善が行われている。
〔発明が解決しようとする課題〕 ところが、上述のような活性化処理を施された無金属
フタロシアニンを電荷発生物質として用いることにより
感光体の光感度は改善できるが、表面の電荷保持能に関
してはばらつきが大きく、その結果、得られる画像に濃
度変化，地かぶりなどの画像不良がしばしば発生してい
た。良好な画像を得るためには電荷保持能が高くて安定
していてばらつきが少ないことが不可欠である。
フタロシアニンを電荷発生物質として用いることにより
感光体の光感度は改善できるが、表面の電荷保持能に関
してはばらつきが大きく、その結果、得られる画像に濃
度変化，地かぶりなどの画像不良がしばしば発生してい
た。良好な画像を得るためには電荷保持能が高くて安定
していてばらつきが少ないことが不可欠である。
この発明は、上述の問題点を解消して、Ｘ型無金属フ
タロシアニン顔料を電荷発生物質として用い、高感度
で、かつ、電荷保持能が高くて安定していてばらつきの
少ない感光体を提供することを課題とする。
タロシアニン顔料を電荷発生物質として用い、高感度
で、かつ、電荷保持能が高くて安定していてばらつきの
少ない感光体を提供することを課題とする。
上記の課題は、この発明によれば、導電性基体上に有
機電荷発生物質を樹脂中に分散させた塗膜からなる電荷
発生層と有機電荷輸送物質を樹脂中に分散させた塗膜か
らなる電荷輸送層とが順次積層されてなる電子写真用感
光体において、前記有機電荷発生物質として仕事関数が
5.05eV以上のＸ型無金属フタロシアニンが用いられてい
る電子写真用感光体とすることによって解決される。
機電荷発生物質を樹脂中に分散させた塗膜からなる電荷
発生層と有機電荷輸送物質を樹脂中に分散させた塗膜か
らなる電荷輸送層とが順次積層されてなる電子写真用感
光体において、前記有機電荷発生物質として仕事関数が
5.05eV以上のＸ型無金属フタロシアニンが用いられてい
る電子写真用感光体とすることによって解決される。
Ｘ型無金属フタロシアニン顔料のロットにより得られ
る感光体の電荷保持能に差が見られることからその原因
を追求した結果、Ｘ型無金属フタロシアニン顔料の仕事
関数と密接な関係があることが判明した。ここで仕事関
数とは，真空電位とフェルミ・ポテンシャルとの差をeV
で表したものである。そうして、仕事関係が5.05eV以
上，望ましくは5.15eV以上のＸ型無金属フタロシアニン
顔料を電荷発生物質として用いることにより、再現性良
く高い電荷保持能が実現でき、高感度で、かつ、電荷保
持能が高くて安定していてばらつきの少ない感光体を得
ることが可能となった。
る感光体の電荷保持能に差が見られることからその原因
を追求した結果、Ｘ型無金属フタロシアニン顔料の仕事
関数と密接な関係があることが判明した。ここで仕事関
数とは，真空電位とフェルミ・ポテンシャルとの差をeV
で表したものである。そうして、仕事関係が5.05eV以
上，望ましくは5.15eV以上のＸ型無金属フタロシアニン
顔料を電荷発生物質として用いることにより、再現性良
く高い電荷保持能が実現でき、高感度で、かつ、電荷保
持能が高くて安定していてばらつきの少ない感光体を得
ることが可能となった。
Ｘ型無金属フタロシアニン顔料（大日本インキ化学工
業（株）製）の各ロットから適量サンプリングして理研
計器（株）製AC−１でそれぞれのロットの仕事関数を評
価した。この仕事関数既知のＸ型無金属フタロシアニン
顔料のロットの中から仕事関数の異なる20ロットを選
び、それぞれのＸ型無金属フタロシアニン顔料10重量部
とポリエステル樹脂（商品名バイロン200:東洋紡績
（株）製）10重量部とをジクロロメチル1000重量部に分
散，溶解させて、電荷発生層用塗液を20種類調製した。
業（株）製）の各ロットから適量サンプリングして理研
計器（株）製AC−１でそれぞれのロットの仕事関数を評
価した。この仕事関数既知のＸ型無金属フタロシアニン
顔料のロットの中から仕事関数の異なる20ロットを選
び、それぞれのＸ型無金属フタロシアニン顔料10重量部
とポリエステル樹脂（商品名バイロン200:東洋紡績
（株）製）10重量部とをジクロロメチル1000重量部に分
散，溶解させて、電荷発生層用塗液を20種類調製した。
アルミニウム合金円筒基体の外表面に上述の20種類の
電荷発生層用塗液をそれぞれ塗布して電荷発生層を形成
し、その上にジエチルアミノフェニルヒドラゾン100重
量部とポリカーボネート樹脂（商品名パンライトＬ−12
25:帝人（株）製）100重量部とをジクロロメタンに溶解
させて調製した電荷輸送層用塗液を塗布して電荷輸送層
を形成し、20種類の感光体を作製した。
電荷発生層用塗液をそれぞれ塗布して電荷発生層を形成
し、その上にジエチルアミノフェニルヒドラゾン100重
量部とポリカーボネート樹脂（商品名パンライトＬ−12
25:帝人（株）製）100重量部とをジクロロメタンに溶解
させて調製した電荷輸送層用塗液を塗布して電荷輸送層
を形成し、20種類の感光体を作製した。
なお、電荷発生層に用いる樹脂バインダは一般に用い
られているポリカーボネート，ポリアミド，ポリウレタ
ン，エポキシ，シリコン樹脂，メタクリル酸エステルの
重合体および共重合体などを適宜組み合わせたものを使
用してもよく、そのときの塗液の溶剤は使用する樹脂バ
インダに適合したものを選択して用いてもよい。また、
電荷輸送層に用いる電荷輸送物質は一般に用いられてい
るヒドラゾン化合物，ピラゾリン化合物、ジフェニルメ
タン，スチリル，オキサジアゾール，ブタジエンなどい
ずれを用いてもよく、樹脂バインダもポリエステル，ポ
リアミド，ポリウレタン，エポキシ，シリコン樹脂，メ
タクリル酸エステルの重合体および共重合体などを適宜
組み合わせて使用することが可能で、塗液の溶剤は使用
する電荷輸送物質および樹脂バインダに適合するものを
適宜選択して用いればよい。
られているポリカーボネート，ポリアミド，ポリウレタ
ン，エポキシ，シリコン樹脂，メタクリル酸エステルの
重合体および共重合体などを適宜組み合わせたものを使
用してもよく、そのときの塗液の溶剤は使用する樹脂バ
インダに適合したものを選択して用いてもよい。また、
電荷輸送層に用いる電荷輸送物質は一般に用いられてい
るヒドラゾン化合物，ピラゾリン化合物、ジフェニルメ
タン，スチリル，オキサジアゾール，ブタジエンなどい
ずれを用いてもよく、樹脂バインダもポリエステル，ポ
リアミド，ポリウレタン，エポキシ，シリコン樹脂，メ
タクリル酸エステルの重合体および共重合体などを適宜
組み合わせて使用することが可能で、塗液の溶剤は使用
する電荷輸送物質および樹脂バインダに適合するものを
適宜選択して用いればよい。
このようにして作製された20種類の感光体について、
表面の電荷保持能を調べ、使用されている電荷発生物質
としてのＸ型無金属フタロシアニン顔料の仕事関数との
相関を調べた。電荷保持能は、暗中で感光体表面を−60
0Vに帯電させ、その後暗中で５秒間放置したのちの表面
電位を初期の表面電位である−600Vで除した比率である
電位保持率で評価した。
表面の電荷保持能を調べ、使用されている電荷発生物質
としてのＸ型無金属フタロシアニン顔料の仕事関数との
相関を調べた。電荷保持能は、暗中で感光体表面を−60
0Vに帯電させ、その後暗中で５秒間放置したのちの表面
電位を初期の表面電位である−600Vで除した比率である
電位保持率で評価した。
第１図に、Ｘ型無金属フタロシアニンの仕事関数を横
軸にとり、感光体の電位保持率を縦軸にとって両者の相
関を示す。感光体の電荷保持能についての市場の要求に
対しては、この電位保持率が85％以上であれば良く、第
１図より仕事関数が5.03eV以上であれば良いことが判る
が、仕事関係の測定誤差を考慮すると5.05eV以上が好ま
しい。さらに、市場での使用環境の温度，湿度の影響、
感光体が搭載される電子写真装置の光学的特性，現像特
性，電子写真プロセス条件などを考慮すると、電位保持
率は90％以上であることが望ましく仕事関数は5.13eV以
上となるが、測定誤差を考慮にいれると5.15eV以上がよ
り望ましいことになる。
軸にとり、感光体の電位保持率を縦軸にとって両者の相
関を示す。感光体の電荷保持能についての市場の要求に
対しては、この電位保持率が85％以上であれば良く、第
１図より仕事関数が5.03eV以上であれば良いことが判る
が、仕事関係の測定誤差を考慮すると5.05eV以上が好ま
しい。さらに、市場での使用環境の温度，湿度の影響、
感光体が搭載される電子写真装置の光学的特性，現像特
性，電子写真プロセス条件などを考慮すると、電位保持
率は90％以上であることが望ましく仕事関数は5.13eV以
上となるが、測定誤差を考慮にいれると5.15eV以上がよ
り望ましいことになる。
この発明によれば、電荷発生物質として仕事関数が5.
05eV以上のＸ型無金属フタロシアニン顔料を用いること
により、高感度で、かつ、電荷保持能が高くて安定して
いてばらつきの少ない感光体を量産的に得ることが可能
となる。このような感光体を用いることにより、繰り返
し画像出しにおいて濃度変化がなく地かぶりも発生しな
い良好な画質の画像を得ることができる。
05eV以上のＸ型無金属フタロシアニン顔料を用いること
により、高感度で、かつ、電荷保持能が高くて安定して
いてばらつきの少ない感光体を量産的に得ることが可能
となる。このような感光体を用いることにより、繰り返
し画像出しにおいて濃度変化がなく地かぶりも発生しな
い良好な画質の画像を得ることができる。
第１図は感光体の電位保持率と電荷発生物質として用い
られているＸ型無金属フタロシアニン顔料の仕事関数と
の関係を示す線図である。
られているＸ型無金属フタロシアニン顔料の仕事関数と
の関係を示す線図である。
Claims (1)
- 【請求項１】導電性基体上に有機電荷発生物質を樹脂中
に分散させた塗膜からなる電荷発生層と有機電荷輸送物
質を樹脂中に分散させた塗膜からなる電荷輸送層とが順
次積層されてなる電子写真用感光体において、前記有機
電荷発生物質として仕事関数が5.05eV以上のＸ型無金属
フタロシアニンが用いられていることを特徴とする電子
写真用感光体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1288106A JP2885382B2 (ja) | 1989-11-06 | 1989-11-06 | 電子写真用感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1288106A JP2885382B2 (ja) | 1989-11-06 | 1989-11-06 | 電子写真用感光体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03148669A JPH03148669A (ja) | 1991-06-25 |
| JP2885382B2 true JP2885382B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=17725878
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1288106A Expired - Lifetime JP2885382B2 (ja) | 1989-11-06 | 1989-11-06 | 電子写真用感光体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2885382B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01138563A (ja) * | 1987-11-26 | 1989-05-31 | Minolta Camera Co Ltd | 感光体 |
| JPH01150148A (ja) * | 1987-12-08 | 1989-06-13 | Alps Electric Co Ltd | 電子写真用有機光導電材料 |
-
1989
- 1989-11-06 JP JP1288106A patent/JP2885382B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03148669A (ja) | 1991-06-25 |
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Legal Events
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