JP2884688B2 - 電動機の冷却方法 - Google Patents
電動機の冷却方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、ターボ冷凍機、ヒートポンプ等の空調機
器、冷凍機器における電動機の冷却方法に関し、特に冷
媒として、1−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン
もしくは、ジクロロトリフルオロエタンを用いる冷却方
法に関するものである。
器、冷凍機器における電動機の冷却方法に関し、特に冷
媒として、1−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン
もしくは、ジクロロトリフルオロエタンを用いる冷却方
法に関するものである。
「従来の技術」 従来、空冷ターボ冷凍機、ヒートポンプ等の空調機
器、冷凍機器に使用される冷媒の一種としてジクロロジ
フルオロメタンもしくは、トリクロロモノフルオロメタ
ンが用いられていた。また、潤滑剤としては、パラフィ
ン系あるいはナフテン系鉱物油が用いられている。
器、冷凍機器に使用される冷媒の一種としてジクロロジ
フルオロメタンもしくは、トリクロロモノフルオロメタ
ンが用いられていた。また、潤滑剤としては、パラフィ
ン系あるいはナフテン系鉱物油が用いられている。
この種の用途に用いられる電動機のコイルは、酸無水
物系(多官能の無水カルボン酸)を硬化剤とするエポキ
シ樹脂によって絶縁処理されるのが一般的であった。
物系(多官能の無水カルボン酸)を硬化剤とするエポキ
シ樹脂によって絶縁処理されるのが一般的であった。
冷凍機は、電動機により駆動される圧縮機、凝縮機、
減圧装置、蒸発機およびこれらの機器を接続する配管経
路などで構成されている。前記電動機用のコイルは、高
圧機においては、導体にマイカテープを巻き回し、前記
エポキシ樹脂を真空含浸したコイルが使用されている。
一方、低圧機においては、エナメル被覆された巻線を前
記エポキシ樹脂にて処理したコイルが使用されている。
減圧装置、蒸発機およびこれらの機器を接続する配管経
路などで構成されている。前記電動機用のコイルは、高
圧機においては、導体にマイカテープを巻き回し、前記
エポキシ樹脂を真空含浸したコイルが使用されている。
一方、低圧機においては、エナメル被覆された巻線を前
記エポキシ樹脂にて処理したコイルが使用されている。
さらに、電動機は、圧縮機、凝縮機、減圧装置、蒸発
器機器内を循環する冷媒と同一の冷媒で冷却されるよう
になっており、凝縮機で凝縮した冷媒の一部は、ポンプ
等により循環されて電動機のコイルなどを冷却し、冷媒
自身は加熱され、蒸発し、再び凝縮機へ戻る。
器機器内を循環する冷媒と同一の冷媒で冷却されるよう
になっており、凝縮機で凝縮した冷媒の一部は、ポンプ
等により循環されて電動機のコイルなどを冷却し、冷媒
自身は加熱され、蒸発し、再び凝縮機へ戻る。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、冷媒として使用しているジクロロジフ
ルオロメタンやトリクロロモノフルオロメタンはオゾン
層を破壊するという問題があり、世界的にその規制がな
されつつある。
ルオロメタンやトリクロロモノフルオロメタンはオゾン
層を破壊するという問題があり、世界的にその規制がな
されつつある。
その代替冷媒の候補として、ジクロロジフルオロメタ
ンに対しては、1−モノフルオロ−2−トリフルオロエ
タンの使用、また、トリクロロモノフルオロメタンに対
しては、ジクロロトリフルオロエタンの使用の研究がな
されている。
ンに対しては、1−モノフルオロ−2−トリフルオロエ
タンの使用、また、トリクロロモノフルオロメタンに対
しては、ジクロロトリフルオロエタンの使用の研究がな
されている。
ところが、この1−モノフルオロ−2−トリフルオロ
エタン及びジクロロトリフルオロエタンは、ジクロロジ
フルオロメタンやトリクロロモノフルオロメタンに比べ
て、電動機の絶縁に使用されている有機絶縁材料に対し
て膨潤作用や溶解作用が強い。
エタン及びジクロロトリフルオロエタンは、ジクロロジ
フルオロメタンやトリクロロモノフルオロメタンに比べ
て、電動機の絶縁に使用されている有機絶縁材料に対し
て膨潤作用や溶解作用が強い。
さらに、1−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン
はパラフィン系やナフテン系の鉱物油等の潤滑剤との相
溶性が悪いため、潤滑剤としてはポリアルファオレフィ
ン、ポリグリコール、ポリオールエステル、ポリエーテ
ル、フルオロカーボン等の特殊合成油を使用する必要が
ある。ところが、この種の特殊合成油は従来使用してい
たパラフィン系やナフテン系鉱物油等の潤滑剤よりも、
電動機の絶縁に使用されている有機絶縁材料に対して強
い膨潤作用や溶解作用がある。
はパラフィン系やナフテン系の鉱物油等の潤滑剤との相
溶性が悪いため、潤滑剤としてはポリアルファオレフィ
ン、ポリグリコール、ポリオールエステル、ポリエーテ
ル、フルオロカーボン等の特殊合成油を使用する必要が
ある。ところが、この種の特殊合成油は従来使用してい
たパラフィン系やナフテン系鉱物油等の潤滑剤よりも、
電動機の絶縁に使用されている有機絶縁材料に対して強
い膨潤作用や溶解作用がある。
このため、1−モノフルオロ−2−トリフルオロエタ
ンやジクロロトリフルオロエタンの冷媒及び前記特殊合
成油の潤滑剤中で酸無水物を硬化剤としたエポキシ樹脂
で絶縁処理された電動機コイルを用いると、コイルの絶
縁層が冷媒や潤滑剤により膨潤作用や溶解作用を受けて
機械的強度や絶縁性能の低下を招く。さらに、溶解した
樹脂が冷凍機の吐出弁や循環系器官に付着して、装置の
運転に支障をきたす。このため、冷媒として、1−モノ
フルオロ−2−トリフルオロエタンやジクロロトリフル
オロエタンは冷媒冷却の電動機により駆動されるターボ
冷凍機、ヒートポンプ等の空調機器や冷凍機器には安易
に代替できないものであった。
ンやジクロロトリフルオロエタンの冷媒及び前記特殊合
成油の潤滑剤中で酸無水物を硬化剤としたエポキシ樹脂
で絶縁処理された電動機コイルを用いると、コイルの絶
縁層が冷媒や潤滑剤により膨潤作用や溶解作用を受けて
機械的強度や絶縁性能の低下を招く。さらに、溶解した
樹脂が冷凍機の吐出弁や循環系器官に付着して、装置の
運転に支障をきたす。このため、冷媒として、1−モノ
フルオロ−2−トリフルオロエタンやジクロロトリフル
オロエタンは冷媒冷却の電動機により駆動されるターボ
冷凍機、ヒートポンプ等の空調機器や冷凍機器には安易
に代替できないものであった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、
電動機により駆動される圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸
発器およびこれらの機器を接続する配管経路などで構成
され、これらの機器を循環する冷媒と同一の冷媒で前記
電動機が冷却されるターボ冷凍機、ヒートポンプ等の空
調機器、冷凍機器において、強い膨潤作用や溶解作用を
有する、1−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン及
び特殊合成油系潤滑剤との混合物、並びに、ジクロロト
リフルオロエタンによっても前記電動機の冷却を可能と
することを目的とする。
電動機により駆動される圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸
発器およびこれらの機器を接続する配管経路などで構成
され、これらの機器を循環する冷媒と同一の冷媒で前記
電動機が冷却されるターボ冷凍機、ヒートポンプ等の空
調機器、冷凍機器において、強い膨潤作用や溶解作用を
有する、1−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン及
び特殊合成油系潤滑剤との混合物、並びに、ジクロロト
リフルオロエタンによっても前記電動機の冷却を可能と
することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 請求項(1)に記載の発明は、電動機により駆動され
る圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器およびこれらの機
器を接続する配管経路などで構成され、これらの機器を
循環する冷媒と同一の冷媒で前記電動機が冷却されるタ
ーボ冷凍機、ヒートポンプ等の空調機器、冷凍機器にお
いて、前記電動機がイミダゾール化合物を硬化剤とした
エポキシ樹脂により絶縁処理された耐冷媒性コイルを備
えた耐冷媒性電動機であり、前記冷媒として1−モノフ
ルオロ−2−トリフルオロエタンを使用し、1−モノフ
ルオロ−2−トリフルオロエタン及びこれと良好な相溶
性を有する特殊合成油の混合物によって前記耐冷媒性電
動機を冷却することを特徴とする電動機の冷却方法であ
る。
る圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器およびこれらの機
器を接続する配管経路などで構成され、これらの機器を
循環する冷媒と同一の冷媒で前記電動機が冷却されるタ
ーボ冷凍機、ヒートポンプ等の空調機器、冷凍機器にお
いて、前記電動機がイミダゾール化合物を硬化剤とした
エポキシ樹脂により絶縁処理された耐冷媒性コイルを備
えた耐冷媒性電動機であり、前記冷媒として1−モノフ
ルオロ−2−トリフルオロエタンを使用し、1−モノフ
ルオロ−2−トリフルオロエタン及びこれと良好な相溶
性を有する特殊合成油の混合物によって前記耐冷媒性電
動機を冷却することを特徴とする電動機の冷却方法であ
る。
また、請求項(2)に記載の発明は、請求項(1)に
記載の発明において、前記冷媒としてジクロロトリフル
オロエタンを使用し、これによって前記耐冷媒性電動機
を冷却することを特徴とする電動機の冷却方法である。
記載の発明において、前記冷媒としてジクロロトリフル
オロエタンを使用し、これによって前記耐冷媒性電動機
を冷却することを特徴とする電動機の冷却方法である。
本発明のコイルの絶縁層をなす無溶剤エポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールA形やビスフェノールF形のエ
ポキシ樹脂などが好適に用いられ、その中でも常温で液
状のものが利用しやすい。そのようなエポキシ樹脂とし
ては、エピコート828、827、807(商品名;油化シェル
社製)などがある。また、この無溶剤エポキシ樹脂に
は、脂環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA形エポ
キシ樹脂などをもちいることもできる。さらに、これら
にフェノールノボラックエポキシ樹脂やクレゾールノボ
ラックエポキシ樹脂などを適当量混合したものを用いる
こともできる。このような混合樹脂からなる絶縁層は、
耐熱性の良好なものとなる。また、必要に応じて希釈剤
も添加することもできる 本発明のコイルの絶縁層をなす無溶剤エポキシ樹脂の
硬化剤として用いるイミダゾール化合物としては、前記
エポキシ樹脂との相溶性が良くポットライフが長い点
で、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタ
デシルイミダゾール、及びイミダゾール環中の第2級ア
ミン官能基を不活性のシアノエチル基で置換した1−シ
アノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−フェニル−4,5−ジ−(シアノエトキシメチ
ル)イミダゾールなどが好適に用いられるが、中でも1
−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールが特に好適
に用いられる。
しては、ビスフェノールA形やビスフェノールF形のエ
ポキシ樹脂などが好適に用いられ、その中でも常温で液
状のものが利用しやすい。そのようなエポキシ樹脂とし
ては、エピコート828、827、807(商品名;油化シェル
社製)などがある。また、この無溶剤エポキシ樹脂に
は、脂環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA形エポ
キシ樹脂などをもちいることもできる。さらに、これら
にフェノールノボラックエポキシ樹脂やクレゾールノボ
ラックエポキシ樹脂などを適当量混合したものを用いる
こともできる。このような混合樹脂からなる絶縁層は、
耐熱性の良好なものとなる。また、必要に応じて希釈剤
も添加することもできる 本発明のコイルの絶縁層をなす無溶剤エポキシ樹脂の
硬化剤として用いるイミダゾール化合物としては、前記
エポキシ樹脂との相溶性が良くポットライフが長い点
で、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタ
デシルイミダゾール、及びイミダゾール環中の第2級ア
ミン官能基を不活性のシアノエチル基で置換した1−シ
アノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
ル−2−フェニル−4,5−ジ−(シアノエトキシメチ
ル)イミダゾールなどが好適に用いられるが、中でも1
−シアノエチル−2−フェニルイミダゾールが特に好適
に用いられる。
「実施例」 (実施例1) 第1表に示す配合の樹脂組成物を第1図に示すヘリカ
ルコイル1にワニス処理をして、最適な硬化条件で加熱
硬化させて試料を作成した。
ルコイル1にワニス処理をして、最適な硬化条件で加熱
硬化させて試料を作成した。
注(1).1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール 注(2).1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール ヘリカルコイル1は、第1図に示すように、直径1mm
のアルミニウム裸線によって作成し、その長さは70mm、
内径10mmである。
ミダゾール ヘリカルコイル1は、第1図に示すように、直径1mm
のアルミニウム裸線によって作成し、その長さは70mm、
内径10mmである。
以上の各試料について、耐1−モノフオロ−2−トリ
フルオロエタン性と耐潤滑油性を調べた。
フルオロエタン性と耐潤滑油性を調べた。
耐1−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン性及び
耐潤滑油性の比較は、1−モノフルオロ−2−トリフル
オロエタンと特殊合成油系の冷凍機潤滑剤が50:50の重
量比で封入されたオートクレーブ中に前記ワニス処理し
たヘリカルコイル1を設置して、105℃で2週間加熱し
た。そして、加熱前後の重量と曲げ強度を測定して、重
量の変化から1−モノフルオロ−2−トルフルオロエタ
ン及び特殊合成油系潤滑剤に抽出された量を算出し、曲
げ強度の変化から保持率を算出した。
耐潤滑油性の比較は、1−モノフルオロ−2−トリフル
オロエタンと特殊合成油系の冷凍機潤滑剤が50:50の重
量比で封入されたオートクレーブ中に前記ワニス処理し
たヘリカルコイル1を設置して、105℃で2週間加熱し
た。そして、加熱前後の重量と曲げ強度を測定して、重
量の変化から1−モノフルオロ−2−トルフルオロエタ
ン及び特殊合成油系潤滑剤に抽出された量を算出し、曲
げ強度の変化から保持率を算出した。
結果を第2表に示した。
第2表の結果から、本発明の電動機コイルの絶縁処理
に使用するエポキシ樹脂組成物(試料No.1〜5)は、1
−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン及び特殊合成
油系潤滑剤に対する抽出量が少なく、また、保持率も高
く、溶解や膨潤・軟化がほとんど認められないことが判
明し、耐1−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン性
と耐潤滑油性に優れているものであることが確認でき
た。これに対して、従来の電動機コイルの絶縁層をなし
ていた酸無水物を硬化剤とするエポキシ樹脂組成物(試
料No.6,7)は、抽出量が多く、しかも膨潤軟化するため
曲げ強度保持率も著しく低く、耐1−モノフルオロ−2
−トリフルオロエタン性及び耐潤滑油性に劣るものであ
った。
に使用するエポキシ樹脂組成物(試料No.1〜5)は、1
−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン及び特殊合成
油系潤滑剤に対する抽出量が少なく、また、保持率も高
く、溶解や膨潤・軟化がほとんど認められないことが判
明し、耐1−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン性
と耐潤滑油性に優れているものであることが確認でき
た。これに対して、従来の電動機コイルの絶縁層をなし
ていた酸無水物を硬化剤とするエポキシ樹脂組成物(試
料No.6,7)は、抽出量が多く、しかも膨潤軟化するため
曲げ強度保持率も著しく低く、耐1−モノフルオロ−2
−トリフルオロエタン性及び耐潤滑油性に劣るものであ
った。
(実施例2) 実施例1と同様に、第1表に示す配合の樹脂組成物を
第1図に示すヘリカルコイル1にワニス処理して、最適
な硬化条件で加熱硬化させて試料を作成した。これら各
試料について耐ジクロロトリフルオロエタン性を調べ
た。耐ジクロロトリフルオロエタン性の比較は、オート
クレーブ中に前記ワニス処理したヘリカルコイル1とジ
クロロトリフルオロエタンを封入して、105℃で2週間
加熱した。そして、加熱前後の重量及び曲げ強度を測定
し、重量の変化からジクロロトリフルオロエタン抽出量
を算出し、曲げ強度の変化から保持率を算出した。
第1図に示すヘリカルコイル1にワニス処理して、最適
な硬化条件で加熱硬化させて試料を作成した。これら各
試料について耐ジクロロトリフルオロエタン性を調べ
た。耐ジクロロトリフルオロエタン性の比較は、オート
クレーブ中に前記ワニス処理したヘリカルコイル1とジ
クロロトリフルオロエタンを封入して、105℃で2週間
加熱した。そして、加熱前後の重量及び曲げ強度を測定
し、重量の変化からジクロロトリフルオロエタン抽出量
を算出し、曲げ強度の変化から保持率を算出した。
結果を第3表に示した。
第3表の結果から、本発明の電動機コイルの絶縁処理
に使用するエポキシ樹脂組成物(試料No.1〜5)は、ジ
クロロトリフルオロエタンに対する抽出量が少なく、曲
げ保持率も高く、溶解や膨潤・軟化がほとんど認められ
ないことが判明し、耐ジクロロトリフルオロエタン性に
優れているものであることが確認できた。これに対し
て、従来の電動機コイルの絶縁層をなしていた酸無水物
を硬化剤とするエポキシ樹脂組成物(試料No.6,7)は、
ジクロロトリフルオロエタン抽出量が多く、しかも膨潤
軟化するため、曲げ強度保持率も著しく低く、耐ジクロ
ロトリフルオロエタン性に劣るものであった。
に使用するエポキシ樹脂組成物(試料No.1〜5)は、ジ
クロロトリフルオロエタンに対する抽出量が少なく、曲
げ保持率も高く、溶解や膨潤・軟化がほとんど認められ
ないことが判明し、耐ジクロロトリフルオロエタン性に
優れているものであることが確認できた。これに対し
て、従来の電動機コイルの絶縁層をなしていた酸無水物
を硬化剤とするエポキシ樹脂組成物(試料No.6,7)は、
ジクロロトリフルオロエタン抽出量が多く、しかも膨潤
軟化するため、曲げ強度保持率も著しく低く、耐ジクロ
ロトリフルオロエタン性に劣るものであった。
(実施例3) 実施例1の第1表に示した樹脂組成物のNo.1とNo.7を
用いて、電動機コイルを以下の様に作成して、耐1−モ
ノフルオロ−2−トリフルオロエタン性及び耐潤滑油性
を比較した。
用いて、電動機コイルを以下の様に作成して、耐1−モ
ノフルオロ−2−トリフルオロエタン性及び耐潤滑油性
を比較した。
素線絶縁を施した導体巻線にガラスクロスを裏打ち材
としたマイカテープを巻き回して、その表面にガラスク
ロステープを巻いた。次いでこれらを80℃、1mmHgの条
件下で真空乾燥して、一度常圧に戻した後、このものを
エポキシ樹脂組成物に真空加圧含浸した。このように含
浸したものを130℃で24時間加熱処理してエポキシ樹脂
組成物を硬化せしめ、絶縁処理されたコイルを製造し
た。
としたマイカテープを巻き回して、その表面にガラスク
ロステープを巻いた。次いでこれらを80℃、1mmHgの条
件下で真空乾燥して、一度常圧に戻した後、このものを
エポキシ樹脂組成物に真空加圧含浸した。このように含
浸したものを130℃で24時間加熱処理してエポキシ樹脂
組成物を硬化せしめ、絶縁処理されたコイルを製造し
た。
このコイルを1−モノフルオロ−2−トリフルオロエ
タンと特殊合成油系の冷凍機潤滑剤が50:50の重量比で
封入されたオートクレーブ中に設置して、105℃で2週
間加熱した。
タンと特殊合成油系の冷凍機潤滑剤が50:50の重量比で
封入されたオートクレーブ中に設置して、105℃で2週
間加熱した。
この試験の前後で、tanδ−電圧特性、Δtanδ及び絶
縁抵抗を調べた。
縁抵抗を調べた。
結果を第2図および第4表に示した。
第2図および第4表の結果から、酸無水物を硬化剤と
するエポキシ樹脂組成物(No.7)を絶縁層とする電動機
コイルは試験前に比べて試験後の電気特性に低下が認め
られ、絶縁層が1−モノフルオロ−2−トリフルオロエ
タンと特殊合成油系潤滑剤によって劣化することが明白
であるが、本発明の電動機コイルは1−モノフルオロ−
2−トリフルオロエタンと特殊合成油系潤滑剤の混合液
に曝されてもほとんど電気特性の劣化がなく、実用上も
全く問題のないことが確認できた。
するエポキシ樹脂組成物(No.7)を絶縁層とする電動機
コイルは試験前に比べて試験後の電気特性に低下が認め
られ、絶縁層が1−モノフルオロ−2−トリフルオロエ
タンと特殊合成油系潤滑剤によって劣化することが明白
であるが、本発明の電動機コイルは1−モノフルオロ−
2−トリフルオロエタンと特殊合成油系潤滑剤の混合液
に曝されてもほとんど電気特性の劣化がなく、実用上も
全く問題のないことが確認できた。
(実施例4) 実施例3と同様に、実施例1の第1表に示した樹脂組
成物のNo.1とNo.7を用いて、電動機コイルを以下のよう
に作成し、耐ジクロロトリフルオロエタン性を比較し
た。
成物のNo.1とNo.7を用いて、電動機コイルを以下のよう
に作成し、耐ジクロロトリフルオロエタン性を比較し
た。
素線絶縁を施した導体巻線にガラスクロスを裏打ち剤
としたマイカテープを巻き回し、その表面にガラスクロ
ステープを巻いた。次いでこれらを80℃、1mmHgの条件
下で真空乾燥して一度常圧に戻した後、このものをエポ
キシ樹脂組成物に真空加圧含浸した。このように含浸し
たものを、130℃で24時間加熱処理してエポキシ樹脂組
成物を硬化せしめ、絶縁処理されたコイルを製造した。
としたマイカテープを巻き回し、その表面にガラスクロ
ステープを巻いた。次いでこれらを80℃、1mmHgの条件
下で真空乾燥して一度常圧に戻した後、このものをエポ
キシ樹脂組成物に真空加圧含浸した。このように含浸し
たものを、130℃で24時間加熱処理してエポキシ樹脂組
成物を硬化せしめ、絶縁処理されたコイルを製造した。
このコイルをジクロロトリフルオロエタンと冷凍機潤
滑剤が50:50の重量比で封入されたオートクレーブ中に
設置して、105℃で2週間加熱した。この試験の前後
で、tanδ−電圧特性、Δtanδ及び絶縁抵抗を調べた。
結果を第3図および第5表に示した。
滑剤が50:50の重量比で封入されたオートクレーブ中に
設置して、105℃で2週間加熱した。この試験の前後
で、tanδ−電圧特性、Δtanδ及び絶縁抵抗を調べた。
結果を第3図および第5表に示した。
第3図および第5表の結果から、酸無水物を硬化剤と
するエポキシ樹脂組成物(No.7)を絶縁層とする電動機
コイルは試験前に比べて試験後の電気特性に低下が認め
られ、絶縁層がジクロロトリフルオロエタンによって劣
化することが明白であるが、本発明の電動機コイルはジ
クロロトリフルオロエタンと潤滑剤の混合液に曝されて
もほとんど電気特性の劣化がなく、実用上も全く問題の
ないことが確認できた。
するエポキシ樹脂組成物(No.7)を絶縁層とする電動機
コイルは試験前に比べて試験後の電気特性に低下が認め
られ、絶縁層がジクロロトリフルオロエタンによって劣
化することが明白であるが、本発明の電動機コイルはジ
クロロトリフルオロエタンと潤滑剤の混合液に曝されて
もほとんど電気特性の劣化がなく、実用上も全く問題の
ないことが確認できた。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明の冷却方法では、イミダ
ゾール化合物を硬化剤としたエポキシ樹脂により絶縁処
理された耐冷媒性コイルを備えた耐冷媒性電動機を、1
−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン及び特殊合成
油系潤滑剤との混合物、並びに、ジクロロトリフルオロ
エタンによって冷却している。1−モノフルオロ−2−
トリフルオロエタン及び特殊合成油系潤滑剤との混合
物、並びに、ジクロロトリフルオロエタンは強い膨潤作
用や溶解作用を有しているが、前記耐冷媒性電動機はこ
れらの冷媒に対して優れた耐薬品性を有しているので、
これらによって冷却されてもその絶縁層が侵されて溶解
することがなく、したがって、絶縁低下をきたしたり、
冷凍機の冷媒循環系統が閉塞する等の事故を生じること
がない。
ゾール化合物を硬化剤としたエポキシ樹脂により絶縁処
理された耐冷媒性コイルを備えた耐冷媒性電動機を、1
−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン及び特殊合成
油系潤滑剤との混合物、並びに、ジクロロトリフルオロ
エタンによって冷却している。1−モノフルオロ−2−
トリフルオロエタン及び特殊合成油系潤滑剤との混合
物、並びに、ジクロロトリフルオロエタンは強い膨潤作
用や溶解作用を有しているが、前記耐冷媒性電動機はこ
れらの冷媒に対して優れた耐薬品性を有しているので、
これらによって冷却されてもその絶縁層が侵されて溶解
することがなく、したがって、絶縁低下をきたしたり、
冷凍機の冷媒循環系統が閉塞する等の事故を生じること
がない。
さらに、ターボ冷凍機、ヒートポンプ等に冷媒として
1−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン及びジクロ
ロトリフルオロエタンが使用できるため、万が一冷媒に
漏れても成層圏オゾン層を破壊することはない。
1−モノフルオロ−2−トリフルオロエタン及びジクロ
ロトリフルオロエタンが使用できるため、万が一冷媒に
漏れても成層圏オゾン層を破壊することはない。
第1図は、本発明の一実施例のアルミヘリカルコイルを
示す側面図。第2図は、冷媒として1−モノフルオロ−
2−トリフルオロエタンを使用して、潤滑剤として特殊
合成油を用いたときのtanδ−電圧特性図、第3図は、
冷媒としてジクロロトリフルオロエタンを使用し、潤滑
剤としてナフテン系鉱油を使用したときのtanδ−電圧
特性図である。 1……アルミヘリカルコイル
示す側面図。第2図は、冷媒として1−モノフルオロ−
2−トリフルオロエタンを使用して、潤滑剤として特殊
合成油を用いたときのtanδ−電圧特性図、第3図は、
冷媒としてジクロロトリフルオロエタンを使用し、潤滑
剤としてナフテン系鉱油を使用したときのtanδ−電圧
特性図である。 1……アルミヘリカルコイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−84491(JP,A) 特開 昭63−18937(JP,A) 特開 昭55−27138(JP,A) 特開 平2−4168(JP,A) 特開 平1−269868(JP,A) 特開 平1−273954(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02K 9/00 - 9/28
Claims (2)
- 【請求項1】電動機により駆動される圧縮機、凝縮器、
減圧装置、蒸発器およびこれらの機器を接続する配管経
路などで構成され、これらの機器を循環する冷媒と同一
の冷媒で前記電動機が冷却されるターボ冷凍機、ヒート
ポンプ等の空調機器、冷凍機器において、 前記電動機がイミダゾール化合物を硬化剤としたエポキ
シ樹脂により絶縁処理された耐冷媒性コイルを備えた耐
冷媒性電動機であり、 前記冷媒として1−モノフルオロ−2−トリフルオロエ
タンを使用し、1−モノフルオロ−2−トリフルオロエ
タン及びこれと良好な相溶性を有する特殊合成油の混合
物によって前記耐冷媒性電動機を冷却することを特徴と
する電動機の冷却方法。 - 【請求項2】前記冷媒としてジクロロトリフルオロエタ
ンを使用し、これによって前記耐冷媒性電動機を冷却す
ることを特徴とする請求項1記載の電動機の冷却方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9866390A JP2884688B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 電動機の冷却方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9866390A JP2884688B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 電動機の冷却方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04237A JPH04237A (ja) | 1992-01-06 |
JP2884688B2 true JP2884688B2 (ja) | 1999-04-19 |
Family
ID=14225751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9866390A Expired - Fee Related JP2884688B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 電動機の冷却方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2884688B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5560773B2 (ja) * | 2010-03-02 | 2014-07-30 | トヨタ自動車株式会社 | ステータ |
US9366238B2 (en) | 2013-03-13 | 2016-06-14 | Lockheed Martin Corporation | System and process of cooling an OTEC working fluid pump motor |
-
1990
- 1990-04-13 JP JP9866390A patent/JP2884688B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04237A (ja) | 1992-01-06 |
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