JP3384431B2 - 冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶縁材料 - Google Patents

冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶縁材料

Info

Publication number
JP3384431B2
JP3384431B2 JP17180596A JP17180596A JP3384431B2 JP 3384431 B2 JP3384431 B2 JP 3384431B2 JP 17180596 A JP17180596 A JP 17180596A JP 17180596 A JP17180596 A JP 17180596A JP 3384431 B2 JP3384431 B2 JP 3384431B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
formula
group
motor
insulating material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17180596A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0971645A (ja
Inventor
聡 天野
知己 中村
貴彦 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Holdings Inc
Nisshinbo Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshinbo Holdings Inc, Nisshinbo Industries Inc filed Critical Nisshinbo Holdings Inc
Priority to JP17180596A priority Critical patent/JP3384431B2/ja
Publication of JPH0971645A publication Critical patent/JPH0971645A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3384431B2 publication Critical patent/JP3384431B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷凍圧縮機用モーターに
マグネットワイヤーとして使用されているエナメル線の
絶縁材料に関するものであり、更に詳しくは、ハイドロ
フルオロカーボン類及び所定の種類の冷凍機油に対する
耐性に優れ、且つ、前記冷凍機油の劣化防止機能をも有
する冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶縁材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷蔵庫、冷凍機や空調機等の冷凍
サイクルにおける冷媒としては、極性を有しないジクロ
ロジフルオロメタン(CF2Cl2)が主に使用されてい
たため、冷凍機油としては主に鉱油等が用いられていた
が、昨今のオゾン層破壊の問題により、塩素原子を含む
前記ジクロロジフルオロメタンを使用することができな
くなり、これに代わってハイドロフルオロカーボン類
(以下、HFCと略す)のみが使用されるようになりつ
つある。
【0003】しかしながら、HFC−134aを代表と
するHFCは、従来から使用されてきた鉱油系潤滑油と
の相溶性が悪く、冷凍サイクル中の低温部に当該鉱油系
潤滑油が析出してしまうため、該鉱油系潤滑油が冷凍サ
イクル中で効率よく循環しなくなって潤滑性が低下して
しまい、圧縮機の摩耗が大きくなるという問題があり、
従って鉱油系潤滑油とHFC系冷媒との組み合わせは、
実用に耐えないと推定される。
【0004】このため、鉱油系潤滑油に代わる冷凍機油
として、エステル変性ポリオキシアルキレングリコール
系、エステル変性エーテル系又はエステル系等の分子中
にエステル基を1つ以上有する潤滑油(以下、これを合
成潤滑油という)の使用が提案されている。
【0005】一方で、HFC−134a等のHFC系冷
媒は、カーエアコンや冷蔵庫等の冷凍機での使用を対象
としており、冷蔵庫の場合、冷凍機油と冷媒との相溶性
が必要であること以外に、モーターが冷媒システム内に
ある内蔵型がほとんどであるため、内蔵されたモーター
にマグネットワイヤーとして使用されているエナメル線
等を被覆するための絶縁材料の劣化や絶縁破壊が起こら
ず、長期にわたり絶縁材料の安定性を保持することも必
要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記モ
ーターのエナメル線を被覆するために使用されているホ
ルマリン樹脂、フェノール変性ホルマリン樹脂やポリエ
ステル樹脂等の絶縁材料は、上記HFC系冷媒を使用し
た冷媒システムでは、合成潤滑油又は冷媒中への溶出に
よる表面の劣化や剥離(ブリスターやクラック)等が生
じ、このために絶縁不良や絶縁破壊が起こるので、その
使用は好ましくない。
【0007】又、性能的にすぐれているといわれるポリ
アミドイミド、ポリイミド、ポリエステルイミド等も、
ハイドロフルオロカーボン類と共に使用される前記合成
潤滑油に含まれる水により加水分解され、その結果有機
酸が発生し、この有機酸によって合成潤滑油におけるエ
ステル基の加水分解反応が触媒作用的に促進されて、更
に合成潤滑油が劣化することによる冷凍能力の低下を招
く可能性もあり、十分とはいえない。
【0008】本発明は、上述したような従来技術の難点
を解消し、フロンの代替冷媒であるハイドロフルオロカ
ーボン類と合成潤滑油の混合物によるマグネットワイヤ
ー等のエナメル線の絶縁材料における表面の劣化や剥離
(ブリスターやクラック)等の発生を防止し、絶縁破壊
や絶縁不良を引き起こすことなく絶縁材料の耐性を向上
させることができ、同時に合成潤滑油の劣化防止機能を
も発揮する冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶縁材
料を提供することを目的としてなされた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来技術の
難点を解消すべく鋭意研究を重ねた結果、カルボジイミ
ド基を1つ以上有する化合物を含有する絶縁材料を、マ
グネットワイヤー等のエナメル線の被覆材に使用するこ
とにより、上記の目的を達成することができることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、ハイドロフルオロカーボ
ン類を冷媒として、エステル変性ポリオキシアルキレン
グリコール系、エステル変性エーテル系又はエステル系
等の分子中にエステル基を1つ以上有する合成潤滑油を
冷凍機油として使用する冷凍圧縮機用モーターのエナメ
ル線の絶縁材料において、カルボジイミド基を1つ以上
有する化合物を含有することを特徴とする冷凍圧縮機用
モーターのエナメル線の絶縁材料を提供するものであ
る。
【0011】以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明におけるカルボジイミド基を1つ以
上有する化合物とは、式
【化5】 (式中、R1はイソシアネート残基を、n1は1以上10
0以下の整数をそれぞれ表す)で表される群(I)、又
は、式
【化6】 (式中、R2はイソシアネート残基、R3、R4は末端
基、n2は1以上100以下の整数をそれぞれ表す)で
表される群(II)、又は、式
【化7】 (式中、Yはイソシアネートと反応性を有する官能基を
持つ化合物の残基、R5はイソシアネート残基、R6はイ
ソシアネート残基、或いは残基Yを与える化合物との反
応性を有する官能基を持つ化合物の残基、n3及びmは
1以上100以下の整数をそれぞれ表す)で表される群
(III)、又は、式
【化8】 (式中、R7、R8は末端基を表す)で表される群(I
V)等を含むものである。
【0013】上記群(I)の式におけるR1としては、
以下に示すような基を例示することができる。
【化9】
【0014】尚、上記群(I)の式におけるn1は、1
以上100以下の整数を表していて、更に詳しくは、赤
外線吸収(IR)スペクトルにおいてイソシアネート基
が検出されないものについては、この群(I)の式で表
すことができ、イソシアネート基が検出されるものにつ
いては、
【化10】 (式中のR1は同一でなくともよい)という式で表すこ
とができる。上記群(III)の式についても同様であ
る。
【0015】上記群(II)の式におけるR3、R4とし
ては、例えば、
【化11】 等のモノイソシアネートの残基、又は、−NH2、−N
HX(Xはアルキル基を表す)、−COOH、−SH、
−OH等の官能基や
【化12】 等のイソシアネート基と反応性を官能基を持つ化合物
の、イソシアネート基と反応した残基による末端基を挙
げることができる。
【0016】尚、上記群(II)の式におけるn2は、
1以上100以下の整数を表しており、又、この群(I
I)の式におけるR2としては、前記群(I)の式にお
けるR1と同様の基を例示することができる。
【0017】一方、上記群(III)の式におけるY
は、イソシアネートと反応性を有する官能基を持つ化合
物の残基であり、以下に示すような構造を例示すること
ができる。
【化13】 (式中、Zはアルキレン基、2価のシクロアルキル基、
置換基を有する2価のシクロアルキル基、2価のアリー
ル基又は置換基を有する2価のアリール基、又は
【化14】 及びこれらの骨格に低級アルキル基、低級アルコキシ基
等の置換基を有する基を表わす。)
【0018】即ち、上記群(III)の式で表される化
合物は、上記残基Yを与える化合物とイソシアネート基
との反応により得られる化合物と、カルボジイミド基を
1つ以上有する化合物との共重合体を表すものである。
尚、上記群(III)の式におけるn3及びmは、共に
1以上100以下の整数を表しており、又、この群(I
II)の式におけるR5としては、前記群(I)の式に
おけるR1と同様の基を、R6としては、前記群(I)の
式におけるR1と同様の基又は上記群(III)の式に
おけるZと同様の基を例示することができる。
【0019】更に、上記群(IV)の式で表される化合
物は、上記群(II)の式で表される化合物において、
モノイソシアネート同士の反応により合成した、n2
1のものに相当する。当該式における末端基のR7、R8
はモノイソシアネート残基であり、前記群(II)の式
におけるR3、R4のうちのモノイソシアネート残基と同
様の基を例示することができる。尚、R7、R8は同じで
あっても違っていてもよい。
【0020】而して、本発明の冷凍圧縮機用モーターの
エナメル線の絶縁材料は、上記のようなカルボジイミド
基を1つ以上有する化合物を、従来より使用されている
冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶縁材料に添加す
るか、或いは、該カルボジイミド基を1つ以上有する化
合物によりエナメル線の外周をコートすることにより適
用されるものである。
【0021】従来より使用されている冷凍圧縮機用モー
ターのエナメル線の絶縁材料に添加する場合の、絶縁材
料への前記カルボジイミド化合物の添加量は、絶縁材料
100重量部(固型分)に対し0.05〜50重量部で
範囲であればよく、好ましくは0.1〜30重量部であ
る。尚、添加量が上記量より少ないと所定の効果が得ら
れず、又、多量に配合しても場合によってそれほど効果
が向上しなかったり、被膜の性状を害することがある。
【0022】本発明における上記カルボジイミド基を1
つ以上有する化合物を添加する絶縁材料としては、公知
のものを利用することができ、例えば、ポリイミド、ポ
リアミドイミド、トリス−2−ヒドリキシエチルイソシ
アヌレート変性ポリエステルイミド、トリス−2−ヒド
ロキシエチルイソシアヌレート変性ポリエステルアミド
イミド、トリス−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレー
ト変性ポリエステル、ポリヒダントイン、ポリパラバン
酸などを挙げることができる。
【0023】又、カルボジイミド基を1つ以上有する化
合物によりエナメル線の外周をコートする場合は、当該
化合物としては群(III)のものが好ましく、被膜成
形性の面からは、100≧n3≧10、10>m≧1、
好ましくは100≧n3≧20、10>m≧1のカルボ
ジイミド基を有する化合物、又は、10>n3≧1、1
00≧m≧10、好ましくは10>n3≧1、100≧
m≧15のカルボジイミド基を有する化合物、或いは、
100≧n3≧10、100≧m≧10、好ましくは1
00≧n3≧20、100≧m≧15のカルボジイミド
基を有する化合物がよい。
【0024】
【作用】上記カルボジイミド基を1つ以上有する化合物
を含有する本発明の絶縁材料は、カルボジイミド基の作
用により、合成潤滑油や冷媒に対する耐性を従来のもの
より向上させ、絶縁材料表面の劣化や剥離(ブリスター
やクラック)等を防止する。
【0025】上記カルボジイミド基の作用とは、次のよ
うに推定される。即ち、冷凍機油及び絶縁材料の主な劣
化原因は、冷凍機油中に含まれる水分により冷凍機油の
エステル結合部分が加水分解されて生じる有機酸、或い
は、絶縁材料中のエステル基、イミド基、アミド基が加
水分解されて生じる有機酸(特に、絶縁材料中の低分子
量物が加水分解されて冷凍機油中に溶出しやすい)が、
上記加水分解反応を促進する触媒となり、冷凍機油及び
絶縁材料の劣化を加速化する点にあるが、カルボジイミ
ド基が存在すると、カルボジイミド基が活性水素基を有
する化合物との反応性を有することにより、生成した有
機酸を直接捕捉したり、更には、脱水縮合剤として作用
し、加水分解したエステル基を再結合させることによ
り、冷凍機油及び絶縁材料の劣化を防止するのである。
【0026】更に、合成潤滑油、冷媒や添加剤の分解に
より生成したカルボン酸やハロゲン化水素、リン酸等の
酸性成分や、合成潤滑油中のエステル結合が加水分解す
る以前から系中に存在する水分を、絶縁材料の表面又は
内部に存在するカルボジイミド基が捕捉し、系内の酸化
価上昇を防止することもできる。
【0027】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明するが
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】実施例には以下に示すカルボジイミド基を
有する化合物を用いた。 化合物1
【化15】 化合物2
【化16】 化合物3
【化17】 化合物4
【化18】 化合物5
【化19】 化合物6
【化20】 化合物7
【化21】 化合物8
【化22】 化合物9
【化23】 化合物10
【化24】 化合物11
【化25】 化合物12
【化26】 化合物13
【化27】 化合物14
【化28】 化合物15
【化29】
【0029】又、合成潤滑油としては市販のHFC−1
34a対応のエステル油を用いた。
【0030】実施例1、2 市販の電線被覆用のポリアミドイミドワニス(20%N
−メチルピロリドン溶液)に、化合物1又は8の30%
N−メチル−ピロリドン溶液を、ポリアミドイミドワニ
スの固形分重量100重量部に対し、化合物1又は8の
固型分重量で5部になるように添加して絶縁ワニスを作
成した。このワニスで電線を被覆して脱溶剤後、アニー
リングを行ない、エナメル線(1)、(2)を作成し
た。
【0031】実施例3 市販の電線被覆用のポリアミドイミドワニス(20%N
−メチルピロリドン溶液)に、化合物1の25%N−メ
チル−ピロリドン溶液を、ポリアミドイミドワニスの固
形分重量100重量部に対し、化合物1の固型分重量で
30部になるように添加して絶縁ワニスを作成した。こ
のワニスで電線を被覆して脱溶剤後、アニーリングを行
ない、エナメル線(3)を作成した。
【0032】実施例4、5 市販の電線被覆用のポリエステルイミドワニス(20%
N−メチルピロリドン溶液)に、化合物2又は10をポ
リエステルイミドワニスの固形分重量100重量部に対
し3重量部添加して絶縁ワニスを作成した。このワニス
に電線を浸漬し、脱溶剤させることにより固化させ、エ
ナメル線(4)、(5)を作成した。
【0033】実施例6 市販の冷蔵庫用マグネットワイヤー(ポリエステル−ナ
イロンワイヤー)を化合物3の5%パークロロエチレン
溶液に浸漬し、溶媒を除去した後にアニーリングを行な
い、化合物3で表面が被覆されたエナメル線(6)を得
た。
【0034】実施例7 市販のポリアミドイミドをN−メチルピロリドンに溶か
して25%溶液とした後、化合物4の25%N−メチル
ピロリドン溶液を、ポリアミドイミド溶液100重量部
に対し化合物4の固型分重量で7重量部になるように添
加し、絶縁ワニスを作成した。このワニスに電線を浸漬
し、溶媒を除去した後にアニーリングを行い、エナメル
線(7)を作成した。
【0035】実施例8 市販のポリアミドイミドをN−メチルピロリドンに溶か
して25%溶液とした後、化合物11の25%N−メチ
ルピロリドン溶液を、ポリアミドイミド溶液100重量
部に対し化合物11の固型分重量で4重量部になるよう
に添加し、絶縁ワニスを作成した。このワニスに電線を
浸漬し、溶媒を除去した後にアニーリングを行い、エナ
メル線(8)を作成した。
【0036】実施例9 化合物5の3%N−メチルピロリドン溶液100gに、
市販のポリアミドイミドの粉末を27gを溶解し、絶縁
ワニスを作成した。このワニスに電線を浸漬し、溶媒を
除去した後にアニーリングを行い、エナメル線(9)を
作成した。
【0037】実施例10乃至12 市販の冷蔵庫用マグネットワイヤーのベース線を化合物
3、6又は9の5%パークロロエチレン溶液に浸漬し、
溶媒を除去した後にアニーリングを行ない、化合物3、
6又は9で表面が被覆されたエナメル線(10)、(1
1)及び(12)を得た。
【0038】実施例13及び14 市販の冷蔵庫用マグネットワイヤーのベース線を化合物
14又は15の5%N−メチルピロリドン溶液に浸漬
し、溶媒を除去した後にアニーリングを行ない、化合物
14又は15で表面が被覆されたエナメル線(13)、
(14)を得た。
【0039】実施例15 市販のポリエステルイミドで被覆されたエナメル線を、
化合物12の5%テトラヒドロフラン溶液に浸漬し、溶
媒を除去した後にアニーリングを行い、化合物12で被
覆されたエナメル線(15)を作成した。
【0040】実施例16 市販のポリアミドイミドをN−メチルピロリドンに溶か
して10%溶液とした後、化合物13の10%N−メチ
ルピロリドン溶液を、ポリアミドイミド溶液100重量
部に対し化合物13の固型分重量で1重量部になるよう
に添加し、絶縁ワニスを作成した。このワニスに電線を
浸漬し、溶媒を除去した後にアニーリングを行い、化合
物13で被覆されたエナメル線(16)を作成した。
【0041】実施例17 市販のポリエステルイミドで被覆されたエナメル線を、
化合物7の5%テトラヒドロフラン溶液に浸漬し、溶媒
を除去した後にアニーリングを行い、化合物7で被覆さ
れたエナメル線(17)を作成した。
【0042】比較例1 市販の冷蔵庫用マグネットワイヤー(ポリエステル−ナ
イロンワイヤー)を用いた。
【0043】比較例2 市販のポリアミドイミドをN−メチルピロリドンに溶か
して25%溶液とした後、電線を浸漬し、溶媒を除去し
た後にアニーリングして、ポリアミドイミドで被覆され
たエナメル線(18)を作成した。
【0044】比較試験 実施例1〜17、比較例1〜2で得られたエナメル線3
gをオートクレーブに入れ、その中に冷媒としてHFC
−134a、合成潤滑油としてHFC−134a対応の
エステル油を40g/300ml、共存水分を1000
ppmとして密封し、175℃で14日間加熱後、エナ
メル線についてはクラックの有無を、エステル油につい
ては全酸化価を測定した。結果を以下の表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】尚、表1中の記号は、以下の結果を示す。 ○:クラックなし △:クラック少発生 ×:クラック多数発生
【0047】
【発明の効果】上記表1から明らかなように、本発明の
絶縁材料は、冷凍圧縮機用エナメル線の冷凍機油や冷媒
に対する耐性を従来のものより向上させ、クラックの発
生を抑えることができると共に、系内の酸化価上昇を防
止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−133487(JP,A) 特開 平8−120288(JP,A) 特開 平9−7423(JP,A) 特開 平9−48990(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/00 - 73/26 C08G 18/00 - 18/87 H01B 3/30 F25B 1/00 - F25J 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイドロフルオロカーボン類を冷媒とし
    て、エステル変性ポリオキシアルキレングリコール系、
    エステル変性エーテル系又はエステル系等の分子中にエ
    ステル基を1つ以上有する合成潤滑油を冷凍機油として
    使用する冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶縁材料
    において、カルボジイミド基を1つ以上有する化合物を
    含有することを特徴とする冷凍圧縮機用モーターのエナ
    メル線の絶縁材料。
  2. 【請求項2】 カルボジイミド基を1つ以上有する化合
    物が、式 【化1】 (式中、R1はイソシアネート残基を、n1は1以上10
    0以下の整数をそれぞれ表す)で表されるものである請
    求項1に記載の冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶
    縁材料。
  3. 【請求項3】 カルボジイミド基を1つ以上有する化合
    物が、式 【化2】 (式中、R2はイソシアネート残基、R3、R4は末端
    基、n2は1以上100以下の整数をそれぞれ表す)で
    表されるものである請求項1に記載の冷凍圧縮機用モー
    ターのエナメル線の絶縁材料。
  4. 【請求項4】 カルボジイミド基を1つ以上有する化合
    物が、式 【化3】 (式中、R5、R6はイソシアネート残基、Yはイソシア
    ネートと反応性を有する官能基を持つ化合物の残基、n
    3及びmは1以上100以下の整数をそれぞれ表す)で
    表されるものである請求項1に記載の冷凍圧縮機用モー
    ターのエナメル線の絶縁材料。
  5. 【請求項5】 カルボジイミド基を1つ以上有する化合
    物が、式 【化4】 (式中、R7、R8は末端基を表す)で表されるものであ
    る請求項1に記載の冷凍圧縮機用モーターのエナメル線
    の絶縁材料。
JP17180596A 1995-06-28 1996-06-10 冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶縁材料 Expired - Fee Related JP3384431B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17180596A JP3384431B2 (ja) 1995-06-28 1996-06-10 冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶縁材料

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-184796 1995-06-28
JP18479695 1995-06-28
JP17180596A JP3384431B2 (ja) 1995-06-28 1996-06-10 冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶縁材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0971645A JPH0971645A (ja) 1997-03-18
JP3384431B2 true JP3384431B2 (ja) 2003-03-10

Family

ID=26494402

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17180596A Expired - Fee Related JP3384431B2 (ja) 1995-06-28 1996-06-10 冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶縁材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3384431B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4882146B2 (ja) * 2000-11-09 2012-02-22 Jnc株式会社 イミド化合物、これを含有する樹脂組成物、液晶配向膜、液晶組成物および液晶表示素子
JP5908786B2 (ja) * 2012-05-17 2016-04-26 Jxエネルギー株式会社 イミド−アミド化合物及びその製造方法、グリース用増ちょう剤並びにグリース組成物
JP2016079220A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 日立化成株式会社 分子内にイミド基及びカルボジイミド基を有する化合物、該化合物の製造方法、樹脂組成物、プリプレグ、積層板及びフィルム
EP3842708A4 (en) 2018-08-20 2022-06-01 Daikin Industries, Ltd. REFRIGERATING CYCLE DEVICE

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0971645A (ja) 1997-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5704216A (en) Refrigerating unit
US5560854A (en) Working fluid composition for HFC refrigerant compressor containing benzotriazole derivatives, and a process for improving lubrication in a compressor
JP3384431B2 (ja) 冷凍圧縮機用モーターのエナメル線の絶縁材料
JP2945844B2 (ja) 冷凍装置
JP2683170B2 (ja) 冷凍機油
EP0752712B1 (en) Use of carbodiimides as insulating material for enameled wire of motor of refrigeration compressor
US3450338A (en) Hermetic refrigerant motor compressor unit
EP0767197B1 (en) Use of an insulating film in motor of refrigeration compressor
JP2624544B2 (ja) 冷凍機油
AU682186B2 (en) Lubricating oil for compression-type refrigerators
JPH0885798A (ja) 冷凍機油組成物
JP2624543B2 (ja) 冷凍機用潤滑油組成物
JPH0559386A (ja) テトラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油
JP2884688B2 (ja) 電動機の冷却方法
JP4368479B2 (ja) 冷凍機油組成物
JP2979363B2 (ja) 冷凍機作動流体用組成物
JP5176109B2 (ja) 電気絶縁用樹脂組成物及びこれを用いたエナメル線
JPH08134482A (ja) 冷凍機用潤滑油
JP2913128B2 (ja) 冷凍機作動流体用組成物
JPH10266963A (ja) 冷凍圧縮機用の構成部品及び該構成部品を使用した冷凍圧縮機
JPH07133487A (ja) ハイドロフルオロカーボン系冷媒用冷凍機油組成物
JP2831969B2 (ja) カーエアコン用のフロン圧縮機に用いる潤滑油
JP2000212584A (ja) 冷凍機油組成物
JPH08311471A (ja) 冷凍機用潤滑油
JPH04308613A (ja) 絶縁電線

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees