JP2884354B2 - 画像の色調が改良されたハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

画像の色調が改良されたハロゲン化銀写真感光材料

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JP2884354B2 JP1238851A JP23885189A JP2884354B2 JP 2884354 B2 JP2884354 B2 JP 2884354B2 JP 1238851 A JP1238851 A JP 1238851A JP 23885189 A JP23885189 A JP 23885189A JP 2884354 B2 JP2884354 B2 JP 2884354B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関し、詳しくは
感光材料の製造時に塗布故障がなく、かつ現像後に得ら
れる銀画像の色調を純黒調に改良したハロゲン化銀白黒
写真感光材料に関するものである。
〔発明の背景〕
周知の如く、ハロゲン化銀写真感光材料のなかで、X
線用感光材料のように銀画像を直接観察して診断評価す
る感光材料に於いては、銀画像の色調は極めて重要で、
変色或は着色汚染があると観察者に不快な印象を与える
ばかりでなく、ひいては誤診にもつながることから、ク
リアーで純黒色調の銀画像を安定して得られることが強
く望まれることは言うまでもない。
一般に現像銀の色調を整えるために色調剤と呼ばれて
いるものを用いることは、従来よりよく知られており、
例えばある種のメルカプト化合物などが代表される。
しかしながら、このような従来から知られた色調剤を
本発明に係る高感度ハロゲン化銀写真感光材料に適用し
ても著しい減感作用を引き起こすのみで実用できない。
また、特定のカバリングパワーを有したハロゲン化銀乳
剤に特定の染料を色調剤として用いた特開昭61-285445
号、同62-276539号公報などが知られているが同様に感
度或は経時安定性の面で十分とは言えない。
かかる現状から本出願人は特願平1-139607号にて、特
定のアントラキノン系染料その他を乳化分散して用いる
ことを提案した。
該染料は、その種類あるいは使用量を変えることによ
り目的の色調を容易にコントロールでき、色汚染のない
優れた純黒調の画像銀を得られる特長を有している。
しかしながら、該染料乳化分散液を感光材料の製造段
階で放置又は保存すると、凝集、沈析を起こしてエマル
ジョンとしての性質を失ったり、更にはバクテリアを発
生し腐敗するなどの致命的障害を招くことがしばしば見
られ、早急な解決が強く要求されていた。
〔発明の目的〕
従って本発明の第1の目的は、現像後の銀画像の色調
が純黒調で、かつ色汚染のない高感度ハロゲン化銀写真
感光材料を提供することである。
本発明の第2の目的は、該感光材料の製造段階で色調
剤である染料乳化分散液の保存性を改良し長期に亙って
安定した分散液を用いたハロゲン化銀写真感光材料を提
供することである。
その他の目的は以下の明細から明らかとなる。
〔発明の構成〕
本発明者は、鋭意検討の結果これら本発明の目的が、
以下により容易に達成されることを見いだし本発明を成
すに至った。
即ち、支持体の少なくとも一方の側に、少なくとも1
層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光
材料に於いて、該乳剤層中に下記一般式〔I〕で表され
る化合物の少なくとも一つが乳化分散して含有し、かつ
該乳化分散物中に下記一般式〔II〕又は〔III〕で表さ
れる化合物から選ばれる少なくとも一つを含有するハロ
ゲン化銀写真感光材料によって達成された。
以下、本発明を詳述する。
一般式〔I〕 式中、R4,R5,R6およびR7は水素原子、水酸基、ニトロ
基、ハロゲン原子(例えば塩素原子、フッ素原子な
ど)、−OM,−SO3M(Mは水素原子、Na及びKなどのア
ルカリ金属原子又はアンモニウム基を表わす)、−COR8
(R8は炭素数1〜5のアルキル基、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、β−カルボキシエチル基、γ
−カルボキシプロピル基、γ−スルホプロピル基、フェ
ニル基、シクロヘキシル基など)、置換若しくは未置換
のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、β−カルボキシエチル基、γ−カルボキシプロピ
ル基、γ−スルホプロピル基、γ−スルホブチル基、δ
−スルホブチル基、スルホエトキシエチル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基など)、置換若しくは未置
換のアミノ基、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エト
キシ基など)を表わす。
アミノ基の置換基としては、脂肪族基又は芳香族基が
挙げられ、脂肪族基としては、例えば炭素原子数1〜18
のアルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、
オクチル基、n−ドデシル基など)、アルケニル基(ア
リル基、ブチニル基、オクテニル基など)、シクロアル
キル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基など)な
どを挙げることができ、これらの脂肪族基には更に置換
基として、例えばアルコキシ基(メトキシ基、エクキシ
基など)、アリール基(フェニル基、トリル基など)、
アリールオキシ基(フェノキシ基など)、アミノ基、ジ
アルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ
基など)。ヘテロ環(N−モルホリノ基、N−ピペリジ
ノ基など)、ハロゲン原子(塩素原子、フッ素原子な
ど)、ニトロ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、スル
ホ基およびアルコキシカルボニル基(メトキシカルボニ
ル基、エトキシカルボニル基など)等が置換していても
よい。
芳香族基としては、好ましくはフェニル基、ナフチル
基が挙げられるが、該芳香族基には置換基があってもよ
く、これらの置換基としては、例えばアルキル基(メチ
ル基、エチル基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エ
トキシ基など)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(塩素原
子、フッ素原子など)、アシルアミノ基(アセチルアミ
ノ基、ベンゾイルアミノ基など)、アルコキシカルボニ
ル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基な
ど)、スクシンイミド基、カルバモイル基(カルバモイ
ル基、メチルカルバモイル基など)、ニトロ基等を挙げ
ることができる。
本発明において用いられる上記一般式〔I〕で表わさ
れる化合物(以下、本発明の化合物と称する)として
は、下記一般式〔I〕−1で表わされる化合物を好まし
く用いることができる。
一般式〔I〕−1 式中、R9,R10,R11,R12およびR13は水素原子、水酸
基、メチル基、エチル基、プロピル基、SO3M基(Mは
水素原子、アルカリ金属原子を表わす。)、又は を表わす。
本発明に係る一般式〔I〕の化合物の例示化合物とし
ては、下記のものを挙げることができるが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
上記の染料は、例えばテラゾールブルーなどの商品名
でサイド社から市販されており、容易に入手することが
できる。
本発明に係る上記の染料は、ハロゲン化銀乳剤層中で
吸収極大値が570〜700μmを有する染料である。
添加方法としては、当業界で採用されている例えばカ
ラー用カプラー等の分散方法に準じた実質的に水不溶性
の高沸点有機溶媒に溶解し、必要に応じて低沸点溶剤と
共に溶解し、界面活性剤を含むゼラチン水溶液と混合し
て、コロイドミル、ホモジナイザー、超音波分散装置な
どの乳化装置により乳化分散したのち、本発明のハロゲ
ン化銀乳剤層中に添加される。この際用いる高沸点溶剤
としては、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、
カルボン酸アミド類、エーテル類、置換された炭化水素
類などがあり、具体的には、ジ−n−ブチルフタール酸
エステル、ジ−イソオクチルフタール酸エステル、ジメ
トキオキシエチルフタール酸エステル、ジ−n−ブチル
アジピン酸エステル、ジイソオクチルアゼイン酸エステ
ル、トリ−n−ブチルクエン酸エステル、ブチルラウリ
ン酸エステル、ジ−n−セバシン酸エステル、トリクレ
ジルリン酸エステル、トリ−n−ブチルリン酸エステ
ル、トリイソオクチルリン酸エステル、N,N′−ジエチ
ルカプリル酸アミド、N,N′−ジメチルパルミチン酸ア
ミド、n−ブチル−ペンタデシルフェニルエーテル、エ
チル−2,4−tert−ブチルフェニルエーテル、コハク酸
エステル、マレイン酸エステル、塩化パラフィン等があ
り、これらを1種または2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。また、低沸点溶剤としては、酢酸エチル、
酢酸ブチル、シクロヘキサン、プロピレンカーボネー
ト、メタノール、sec−ブチルアルコール、テトラヒド
ロフラン、ジメチルホルムアミド、ベンゼン、クロロホ
ルム、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルスルホ
キサイド、メチルセロソルブなどがあり、これらを必要
に応じて1種または2種以上使用することもできる。さ
らに界面活性剤としてはアニオン活性剤、非イオン活性
剤およびそれらを組み合わせて用いることができ、例え
ばアルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸エス
テル塩、サポニンなどが用いられる。ゼラチンとしては
アルカリ法ゼラチン、酸性法ゼラチン、変性ゼラチン
(例えば特公昭38-4854号、同40-12237号公報、米国特
許第2,525,753号明細書等に記載の変性ゼラチンなど)
を単独または組み合わせて用いることができ、必要に応
じて天然または合成バインダー(例えばポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドンなど)も使用し得る。
なお、本発明に係る染料は低沸点溶剤のみに溶解した
状態で乳化分散することも可能であり、また、ポリマー
ラテックス溶液を使用した分散法により分散したのち、
写真乳剤層中に添加することも可能である。また、上記
乳化分散工程において、本発明の化合物は単独で分散し
ても、酸化防止剤、ステイン防止剤、蛍光増白剤等の写
真用添加剤とともに乳化分散して使用してもよい。
上述した一般式〔I〕の化合物は、溶剤により一般的
な分散方法によって用いられるが、使用量は化合物の種
類或は感光材料の種類などにより一様ではないが、通常
ハロゲン化銀1モル当り100mg〜1000mgの範囲でよく、
より好ましくは300mg〜600mgが好ましい。
非ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合は、5.0mg〜50m
g/m2の範囲でよく、好ましくは15mg〜30mg/m2で本発明
の効果を奏する。
本発明のもっとも好ましい実施態様としては、一般式
〔I〕−1を前述した方法によって分散し、ハロゲン化
銀乳剤層に添加含有せしめるのが良く乳剤に添加する時
期は、ハロゲン化銀乳剤製造工程のいづれの時期でもよ
いが、好ましくは科学熟成工程から塗布工程前の適宜な
位置が選ばれ、より好ましくは化学熟成終了後の塗布前
の工程に用いるのがよい。
次に本発明に於いて一般式〔I〕の化合物とともに用
いられる一般式〔II〕の化合物について説明する。
一般式〔II〕で表される化合物としては、次の一般式
〔II-1〕,〔II-2〕の形の化合物が、より好ましく用い
られる。
式中、R8は水素原子、アルキル基または、アルコキシ
基、R9,R10及びR11は各々水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、シアノまたはニトロ基を表
し、R12は水素原子、アルキル基、環状アルキル基、ア
ルケニル基、アラルキル基、アリール基、−CONHR15
(R15はアルキル基、アリール基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、アルキルスルホニル基、またはアリール
スルホニル基を表す。)、または複素環基を表し、R13
及びR14は各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
環状アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ア
ルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホオキシ
ド基、アルキルスルフィニル基またはアルキルスルホニ
ル基または、複素環基を表す。R8,R9,R10またはR11で表
されるアルキル基、及びアルコキシ基のアルキルの部分
は好ましくは炭素数1〜6の直鎖、分岐のアルキル基で
ある。
上記一般式〔II-1〕で表される化合物の代表的具体例
を以下に示す。但しこれらの限定されるものではない。
(例示化合物) 1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、 2−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オ
ン、 2−エチル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オ
ン、 2−(n−プロピル)−1,2−ベンゾイソチアゾリン
−3−オン、 2−(n−ブチル)−1,2−ベンゾイソチアゾリン−
3−オン、 2−(sec−ブチル)−1,2−ベンゾイソチアゾリン−
3−オン、 2−(r−ブチル)−1,2−ベンゾイソチアゾリン−
3−オン、 2−メトキシ−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オ
ン、 2−エトキシ−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オ
ン、 2−(n−プロピルオキシ)−1,2−ベンゾイソチア
ゾリン−3−オン、 2−(n−ブチルオキシ)−1,2−ベンゾイソチアゾ
リン−3−オン、 5−クロロ−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オ
ン、 5−メチル−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オ
ン、 6−エトキシ−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オ
ン、 6−シアノ−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オ
ン、 5−ニトロ−1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オ
ン、 上記一般式〔II-2〕のR12において、アルキル基及び
アルケニル基の炭素数は1〜36、より好ましくは1〜18
である。環状アルキル基の炭素数は3〜12、より好まし
くは3〜6である。R12で表されるアルキル基、環状ア
ルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基及
び複素環基ならびにR12で表される各基は置換基を有し
ていても良く、その置換基としてはハロゲン原子、ニト
ロ、シアノ、チオシアノ、アリール、アルコキシ、アリ
ールオキシ、カルボキシ、スルホキシ、アルキルカルボ
ニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、ア
リールオキシカルボニル、スルホ、アシルオキシ、スル
ファモイル、カルバモイル、アシルアミノ、ジアシルア
ミノ、ウレイド、チオウレイド、ウレタン、チオウレタ
ン、スルホンアミド、複素環基、アリールスルホニルオ
キシ、アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニ
ル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アルキルチ
オ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、ア
ルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アニリノ、N−アル
キルアニリノ、N−アリールアニリノ、N−アシルアミ
ノ、ヒドロキシ及びメルカプト基などから選ばれる。
一般式〔II-2〕のR13及びR14において、アルキル基の
炭素数は1〜18、より好ましくは1〜9である。また、
環状アルキル基の炭素数は3〜18、より好ましくは3〜
6である。R12及びR13で表される各基は置換基を有して
も良く、その置換基としてはハロゲン原子、ニトロ基、
スルホン基、アリール基、ヒドロキシ基等が挙げられ
る。
上記一般式〔II-2〕で表される化合物の代表的具体例
を以下に示すが、本発明の化合物はこれらに限定される
ものではない。
(例示化合物) 2−(N−メチルカルバモイル)−3−イソチアゾリ
ン、 5−メチル−2−(N−メチルカルバモイル)−3−
イソチアゾリン、 2−(N−メチルチオカルバモイル)−3−イソチア
ゾリン、 4−ブロモ−5−メチル−2−(N−メチルカルバモ
イル)−3−イソチアゾリン、 4−シアノ−5−メチルチオ−2−(N−メチルカル
バモイル)−3−イソチアゾリン、 4−シアノ−5−メチルスルフィニル−2−(N−メ
チルカルバモイル)−3−イソチアゾリン、 4−シアノ−5−メチルスルホニル−2−(N−メチ
ルカルバモイル)−3−イソチアゾリン、 2−(N−n−ブチルカルバモイル)−3−イソチア
ゾリン、 2−(N−t−オクチルカルバモイル)−3−イソチ
アゾリン、 5−メチル−2−(N−フェニルカルバモイル)−3
−イソチアゾリン、 4−シアノ−5−メチルチオ−2−(N−フェニルカ
ルバモイル)−3−イソチアゾリン、 4−ブロモ−5−メチル−2−(N−3−クロロフェ
ニルカルバモイル)−3−イソチアゾリン、 4−ブロモメチル−2−(N−3−クロロフェニルカ
ルバモイル)−3−イソチアゾリン、 5−メチル−2−(N−3−クロロフェニルカルバモ
イル)−3−イソチアゾリン、 4−シアノ−5−メチルチオ−2−(N−3−クロロ
フェニルカルバモイル)−3−イソチアゾリン、 2−(N−3−クロロフェニルカルバモイル)−3−
イソチアゾリン、 5−メチル−2−(N−3−クロロフェニルカルバモ
イル)−3−イソチアゾリン、 5−ブロモメチル−2−(N−2−クロロフェニルカ
ルバモイル)−3−イソチアゾリン、 4−ブロモ−5−メチル−2−(N−3,4−ジクロロ
フェニルカルバモイル)−3−イソチアゾリン、 5−メチル−2−(N−3,4−ジクロロフェニルカル
バモイル)−3−イソチアゾリン、 4−シアノ−5−メチルチオ−2−(N−3,4−ジク
ロロフェニルカルバモイル)−3−イソチアゾリン、 5−メチル−2−(N−4−トシルカルバモイル)−
3−イソチアゾリン、 4−シアノ−5−メチルチオ−2−(N−4−トシル
カルバモイル)−3−イソチアゾリン、 4−ブロモ−5−メチル−2−(N−4−トシルカル
バモイル)−3−イソチアゾリン、 2−(N−n−プロピルカルバモイル)−3−イソチ
アゾリン、 2−(N−エチルカルバモイル)−3−イソチアゾリ
ン、 2−(N−i−プロピルカルバモイル)−3−イソチ
アゾリン、 4−ブロモ−2−(N−メチルカルバモイル)−3−
イソチアゾリン、 2−(N−4−メトキシフェニルカルバモイル)−3
−イソチアゾリン、 2−(N−2−メトキシフェニルカルバモイル)−3
−イソチアゾリン、 2−(N−3−ニトロフェニルカルバモイル)−3−
イソチアゾリン、 2−(N−3,4−ジクロロフェニルカルバモイル)−
3−イソチアゾリン、 2−(N−n−ドデシルカルバモイル)−3−イソチ
アゾリン、 2−(N−2,5−ジクロロフェニルカルバモイル)−
3−イソチアゾリン、 2−(N−カルボエトキシカルバモイル)−3−イソ
チアゾリン、 2−(N−4−ニトロフェニルカルバモイル)−3−
イソチアゾリン、 5−メチル−2−(N−エチルカルバモイル)−3−
イソチアゾリン、 5−メチル−2−(N−エチルチオカルバモイル)−
s−イソチアゾリン、 5−クロロ−2−(N−エチルカルバモイル)−3−
イソチアゾリン、 2−n−プロピル−3−イソチアゾリン、 2−n−プロピル−3−イソチアゾリン、 2−t−ブチル−3−イソチアゾリン、 2−n−ブチル−3−イソチアゾリン、 2−シクロヘキシル−3−イソチアゾリン、 2−n−オクチル−3−イソチアゾリン、 2−t−オクチル−3−イソチアゾリン、 2−ベンジルオキシ−3−イソチアゾリン、 3−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾリン、 3−クロロ−2−ベンジル−3−イソチアゾリン、 4,5−ジクロロ−2−メチル−3−イソチアゾリン、 2,4−ジメチル−3−イソチアゾリン、 4−メチル−2−(3,4−ジクロロフェニル)−3−
イソチアゾリン、 2−(3,4−ジクロロフェニル)−3−イソチアゾリ
ン、 4,5−ジクロロ−2−ベンジル−3−イソチアゾリ
ン、 4−ブロモ−5−クロロ−2−メチル−3−イソチア
ゾリン、 4−ブロモ−2−メチル−3−イソチアゾリン、 2−ヒドロキシメチル−3−イソチアゾリン、 2−(β−ジエチルアミノエチル)−3−イソチアゾ
リン、 2−n−プロピル−3−イソチアゾリン塩酸塩、 5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾリン塩酸
塩、 2−エチル−3−イソチアゾリン塩酸塩、 2−メチル−3−イソチアゾリン塩酸塩、 2−ベンジル−3−イソチアゾリン塩酸塩、 2−n−ドデシル−3−イソチアゾリン、 2−n−テトラデシル−3−イソチアゾリン、 2−(4−クロロベンジル)−3−イソチアゾリン、 2−(2−クロロベンジル)−3−イソチアゾリン、 2−(2,4−ジクロロベンジル)−3−イソチアゾリ
ン、 2−(3,4−ジクロロベンジル)−3−イソチアゾリ
ン、 2−(4−メトキシベンジル)−3−イソチアゾリ
ン、 2−(4−メチルベンジル)−3−イソチアゾリン、 2−(2−エトキシヘキシル)−3−イソチアゾリ
ン、 2−(2−フェニルエチル)−3−イソチアゾリン、 2−(2−フェニルエチル)−4−クロロ−3−イソ
チアゾリン、 2−(1−フェニルエチル)−3−イソチアゾリン、 2−n−デシル−3−イソチアゾリン、 2−n−オクチル−3−イソチアゾリン、 2−t−オクチル−4−クロロ−3−イソチアゾリ
ン、 2−t−オクチル−4−プロモ−3−イソチアゾリ
ン、 2−n−ノニル−3−イソチアゾリン、 2−n−オクチル−5−クロロ−3−イソチアゾリ
ン、 2−(4−ニトロフェニル)−3−イソチアゾリン、 2−(4−カルボエトキシフェニル)−3−イソチア
ゾリン、 5−クロロ−2−メチル−3−イソチアゾリン・モノ
クロロ酢酸塩、 4,5−ジクロロ−2−メチル−3−イソチアゾリン・
モノクロロ酢酸塩、 2−エチル−3−イソチアゾリン・モノクロロ酢酸
塩、 2−n−プロピル−3−イソチアゾリン・モノクロロ
酢酸塩、 2−ベンジル−3−イソチアゾリン・モノクロロ酢酸
塩。
また、一般式〔II-1〕で表される化合物のうち特に好
ましいものを例示すると、次の化合物が挙げられる。
更に、一般式〔II-2〕で表される化合物のうち、特に
好ましいものは、次の例示の如くである。
これらの化合物は、例えばフランス特許1,555,416号
明細書などに記載の方法又はそれに準じた方法により合
成することができる。
次に一般式〔III〕で表される化合物の具体例を以下
に示す。但し、これらに限定されるものではない。
上記の化合物は市販品として容易に入手できる。
上述の本発明に係る一般式〔II〕及び〔III〕の化合
物は、本発明のハロゲン化銀写真感光材料構成層のいず
れの層に添加含有せしめてもよいが、好ましくは本発明
に係る一般式〔I〕の乳化分散液と組み合わせてハロゲ
ン化銀写真乳剤層に用いることが本発明の目的効果をよ
り良好に奏するものである。
これら一般式〔II〕及び〔III〕の化合物の使用量
は、化合物の種類或は一般式〔I〕の分散液条件などよ
って一様ではないが通常、一般式〔I〕の化合物1g当た
り0.1〜100mgの範囲でよく、好ましくは0.5〜50mgでよ
い。
添加に際しては、水又は親水性有機溶媒例えばメタノ
ール、エタノール、アセトン、或はメチルセロソルブな
どに溶解してから一般式〔I〕の化合物の乳化分散液に
添加含有せしめてよく、また必要によっては他の添加剤
と一緒に一般式〔I〕の分散液に添加してもよい。
このようにして得られた本発明に係る一般式〔I〕と
一般式〔II〕及び〔III〕からなる分散液をハロゲン化
銀乳剤層に添加するには、ハロゲン化銀乳剤の製造工程
のいずれの段階でもよいが、好ましくはハロゲン化銀粒
子の物理熟成終了時から化学熟成終了時の適宜な時期で
よくより好ましくは化学熟成終了時又は塗布工程前に添
加するのがよい。
本発明の好ましい実施態様としては一般式〔Iの化合
物を高速回転で乳化する前後に、予め上述した溶媒に溶
解した少なくとも1つの一般式〔II〕及び〔III〕から
選ばれる化合物を添加含有せしめることで、より好まし
くは一般式〔I〕の化合物の乳化後に一般式〔II〕及び
〔III〕の少なくとも1種を添加した分散液をハロゲン
化銀乳剤中に添加する態様が好ましく挙げられる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる乳剤
は、沃臭化銀、沃塩化銀、沃塩臭化銀などいずれのハロ
ゲン化銀であってもよいが特に高感度のものが得られる
という点では、沃臭化銀であることが好ましい。
写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は、立方体、8面体、
14面体のような全て等方的に成長したもの、あるいは球
形のよう多面的な結晶型のもの、面欠陥を有した双晶か
ら成るものあるいはそれらの混合型または複合型であっ
てもよい。これらハロゲン化銀粒子の粒径は、0.1μm
以下の微粒子から20μmに至る大粒子であってももよ
い。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられる乳剤
は、公知の方法で製造できる。例えば、リサーチ・デイ
スクロージヤー(RD)No・17643(1978年12月)・22〜2
3頁の1・乳剤製造法(Emulsion Preparaition and typ
es)及び同(RD)No・18716(1979年11月)・648頁に記
載の方法で調製することができる。
本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の乳剤は、例
えば、T.H.James著“The theory of the photographic
process"第4版、Macmillan社刊(1977年)38〜104頁に
記載の方法、G.F.Dauffin著「写真乳剤化学」“Photogr
aphic emulsion Chemistry"、Focal press社刊(1966
年)、P.Glafkides著「写真の物理と化学“Chimie et p
hysique photograhique"Paul Montel社刊(1967年)、
V.L.Zelikman他著「写真乳剤の製造と塗布」“Making a
nd coating photographic emulsion"Focal press社刊
(1964年)などに記載の方法により調製される。
即ち、中性法、酸性法、アンモニア法などの溶液条
件、順混合法、逆混合法、ダブルジエツト法、コントロ
ールド・ダブルジエツト法などの混合条件、コンバージ
ヨン法、コア/シェル法などの粒子調製条件及びこれら
の組合わせ法を用いて製造することができる。
本発明の好ましい実施態様としては、沃化銀を粒子内
部に局在させた単分散乳剤が挙げられる。ここでいう単
分散乳剤とは、常法により、例えば平均粒子直径を測定
したとき、粒子数または重量で少なくとも95%の粒子
が、平均粒子径の±40%以内、好ましくは±30%以内に
あるハロゲン化銀粒子である。ハロゲン化銀の粒径分布
は、狭い分布を有した単分散乳剤或は広い分布の多分散
乳剤のいずれであってもよい。
ハロゲン化銀の結晶構造は、内部と外部が異なったハ
ロゲン化銀組成からなっていてもよい。
本発明の好ましい態様としての乳剤は、高沃度のコア
部分に低沃度のシェル層からなる明確な二層構造を有し
たコア/シェル型単分散乳剤である。
本発明の高沃度部の沃化銀含量は20〜40モル%で特に
好ましくは20〜30モル%である。
かかる単分散乳剤の製法は公知であり、例えばJ.Pho
t.Sic.12.242〜251頁(1963)、特開昭48-36890号、同5
2-16364号、同55-142329、同58-49938号、英国特許1,41
3,748号、米国特許3,574,628号、同3,655,394号などの
公報に記載されている。
上記の単分散乳剤としては、種晶を用い、この種晶を
成長核として銀イオン及びハライドイオンを供給するこ
とにより、粒子を成長させた乳剤が特に好ましい。な
お、コア/シェル乳剤を得る方法としては、例えば英国
特許1.027.146号、米国特許3,505,068号、同4,444,877
号、特開昭60-14331号などの公報に詳しく述べられてい
る。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、アスペクト
比が5以上の平板状粒子であってもよい。
かかる平板状粒子の利点は、分光増感効率の向上、画
像の粒状性及び鮮鋭性の改良などが得られるとして例え
ば、英国特許2,112,157号、米国特許4,439,520号、同4,
433,048号、同4.414,310号、同4,434,226号などの公報
に記載の方法により調製することができる。
上述した乳剤は、粒子表面に潜像を形成する表面潜像
型あるいは粒子内部に潜像を形成する内部潜像型、表面
と内部に潜像を形成する型のいずれの乳剤で有ってもよ
い。これらの乳剤は、物理熟成あるいは粒子調製の段階
でカドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウ
ム塩又はその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩又
はその錯塩などを用いてもよい。乳剤は可溶性塩類を除
去するためにヌーデル水洗法、フロキュレーシヨン沈降
法あるいは限外濾過法などの水洗方法がなされてよい。
好ましい水洗法としては、例えば特公昭35-16086号記載
のスルホ基を含む芳香族炭化水素系アルデヒド樹脂を用
いる方法、又は特開昭63-158644号記載の凝集高分子剤
例示G3,G8などを用いる方法が特に好ましい脱塩法とし
て挙げられる。
本発明に係る乳剤は、物理熟成または化学熟成前後の
工程において、各種の写真用添加剤を用いることができ
る。公知の添加剤としては、例えばリサーチ・デイスク
ロージャーNo-17643(1978年12月)及び同No-18716(19
79年11月)に記載された化合物が挙げられる。これら二
つのリサーチ・デイスクロージャーに示されている化合
物種類と記載箇所を次表に掲載した。
本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体と
しては、例えば前述のRD-17643の28頁及びRD-18716の64
7頁左欄に記載されているものが挙げられる。
適当な支持体としては、プラスチックフィルムなどで
これら支持体の表面は一般に、塗布層の接着をよくする
ために、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射な
どを施してもよい。そして、このように処理された支持
体上の片面あるいは両面に本発明に係る乳剤を塗布する
ことができる。
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料のすべてに適用
可能であるが、特に高感度の黒白用感光材料に適してい
る。
医療用X線ラジオグラフィーに本発明を適用する場
合、例えば透過性放射線曝射によって近紫外光ないし可
視光を発生する蛍光体を主成分とする蛍光増感紙が用い
られる。これを本発明の乳剤を両面塗布してなる感光材
料両面に密着し露光することが望ましい。
ここで言う透過性放射線とは、高エネルギーの電磁波
であって、X線及びガンマー線を意味する。
また蛍光増感紙とは、例えばタングステン酸カルシウ
ムを主とした蛍光成分とする増感紙、或はテルビウムで
活性化された稀土類化合物を主成分とする蛍光増感紙な
どをいう。
〔実施例〕
以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実
施態様はこれらに限定されるものではない。
実施例1 本実施例は、一般式〔I〕で表される化合物の分散物
の作成方法、及び同分散液に本発明に係る一般式〔II〕
及び〔III〕の化合物を用いた場合の保存性についての
実施例である。
一般式〔I〕の例示化合物(1)の微細粉末10gを酢
酸エチル80ml、トリクレジルリン酸エステル11gに溶解
し、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム
1.3gと120gの10wt%ゼラチン溶液と混合してから高速回
転で分散容器内を徐々に減圧しながら分散を行った。
なお、分散後の平均粒径は0.1μmであった。
この高速回転分散前のゼラチン溶液中に表1に示した
量の一般式〔I〕又は〔II〕の化合物を添加したものを
添加位置(イ)とし、分散後に添加したものを添加位置
(ロ)とした。
得られた25種のゼラチン分散溶液を密閉容器に入れ、
セットしないようにして室温下に放置し、溶液状態での
保存性を試験した。
保存性はバクテリアの発生状況、粒径分布、平均粒径
或は分光特性等から総合的に評価し次の4段階で表し
た。
1;全く問題無し 2;悪化しているが問題ないレベル 3;
悪化 4;明らかに悪い 得られた結果を次の表1に示したが、本発明に係る試
料のいずれもが長期の保存に対しても安定で優れた保存
性を有していた。
実施例2 反応釜の条件として60℃、pAg=8、そしてpH=2に
保ちつつ、ダブルジェット法により平均粒径0.3μmの
沃化銀2モル%を含むヨウ臭化銀の単分散立方晶乳剤を
得た。電子顕微鏡観察によれば双晶の発生率は個数で1
%以下であった。
この乳剤を種晶として、更に以下のように成長させ
た。
反応釜内にゼラチン水溶液を40℃に保ち上記種晶を溶
解し、更にアンモニア水と酢酸を加えてpH=9.5に調整
した。
アンモニア性銀イオン液にてpAgを7.3に調整後、pH及
びpAgを一定に保ちつつ、アンモニア性銀イオンと、ヨ
ウ化カリウムと臭化カリウムを含む溶液をダブルジェッ
ト法で添加し、ヨウ化銀30モル%を含むヨウ臭化銀層を
形成せしめた。
酢酸と臭化銀を用いてpH=9、pAg=9.0に調整した後
にアンモニア性銀イオン液と臭化カリウムを同時に添加
し、成長後粒径の90%にあたるまで成長させた。この時
pHは9.0から8.20まで徐々に下げた。
臭化カリウム液を加えpAg=11とした後に、更にアン
モニア性銀イオン液と臭化カリウムを加えてpHを徐々に
8まで下げながら成長せしめ、平均粒径0.7μm、ヨウ
化銀2モル%を含むヨウ臭化銀乳剤を得た。
得られた乳剤を40℃に保ち、その中へナフタレンスル
ホン酸ナトリウムのホルマリン樹脂(平均重合度4〜
6)の適量を加えて、ハロゲン化銀粒子を沈降せしめ、
上澄液を排出後、40℃の純水を加えたのち、硫酸マグネ
シウムを添加し、再度ハロゲン化銀粒子を沈降させ、上
澄液を排除した。
これを再度繰りかえしてからゼラチンを添加し、pH=
6.0,pAg=8.5の乳剤を得た。
得られた乳剤をチオシアン酸アンモニウム塩化金酸及
びハイポを加え、最高感度が得られる条件での化学熟成
を行った。
次いで安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,
3,3a,7−テトラザインデンの適量を加えて乳剤を得た。
また乳剤の化学増感時に、下記増感色素(A)を乳剤
中の銀1モル当たり300mgと、増感色素(B)を15mg添
加した。
得られた乳剤に、本発明に係る一般式〔I〕の化合物
を前記実施例1の如く分散して得た後、一般式〔II〕又
は〔III〕の化合物を添加した分散物を表2に示したよ
うに添加した。
また乳剤液(感光性ハロゲン化銀塗布液)に用いた添
加剤は次のとおりである。添加量はハロゲン化銀1モル
当たりの量で示す。
また保護層液に用いた添加物は次のとおりである。添
加量はゼラチン1g当たりの量で示す。
以上の塗布液を、厚さ180μmの下引き処理済のブル
ーに着色したポリエチレンテレフタレートフィルムベー
ス上に、両面に均一に塗布、乾燥して表2に示すように
試料26〜51を作成した。
また塗布ゼラチンは3.0g/m2、塗布銀量は4.5g/m2にな
るよう全試料について調整を行った。
〔感度の評価〕
得られた試料をX線写真用増感紙KO-250ではさみ、ペ
ネトロメータB型を介してX線照射後、SRX-501自動現
像機を用いXD-SR現像処理液にて32℃45秒処理を行っ
た。(いづれもコニカ(株)製) 上記のようにして現像した各試料について、感度を評
価した。感度は試料1がカブリ+1.0の濃度を与えるの
に要した爆射エネルギー量の逆数を100とした相対値で
示した。
〔現像後の銀色調テスト〕
試料30cm×30cmに、現像後の透過光濃度が1.0になる
ように露光したのち、自動現像機SRX-501〔コニカ
(株)製〕を用いて35℃の現像液XD-SR、定着液XF-SRで
現像、定着、水洗及び乾燥までを45秒で処理した。
このようにして得られた現像済試料を50℃,80%RHの
温湿度下で7日間放置した後シャーカステンで観察し、
透過光による銀色調を目視により判定した。
評価は次のように行った。
A:黒色 B:やや赤味を帯びた黒色 C:赤味を帯びた黒色 D:やや黄赤味を帯びた黒色 E:黄赤味を帯びた黒色 〔実写及び色汚染性の評価〕 得られた試料をX線写真用増感紙KO-250で胸部を撮影
した。また、色汚染性については、未露光の30cm×30cm
の試料を用いた。処理はSRX-501自動現像機を用い、XD-
SR現像処理液にて32℃45秒処理を行った。
上記のようにして現像した各試料について目視評価で
5段階評価した。
5:非常に良好 4:良好 3:実用可 2:実用する範囲内であるが好ましくない 1:実用不可 但し、実写評価については、色調、鮮鋭性、粒状性を
含めて総合的な評価を行っている。
〔塗布性評価〕
塗布性劣化や膜付きの低下などの塗布故障を上記の5
段階評価法で表した。
得られた結果を次の表2に示す。
実施例3 分光増感を施さなかった以外は、実施例2と全く同様
にして青感性のハロゲン化銀乳剤を作製し次の表3に示
した8種の試料を得た。
得られた試料を実施例2と同様に相対感度、現像銀の
色調性、色汚染性、実写評価及び塗布性について評価し
た。なお増感紙はKO-250の代わりにBF-III(化成オプト
ニクス社製)を用い自動現像機はKX-500で現像液はXD-9
0(いづれもコニカ〔株〕製)を用い90秒処理した。
得られた結果を次の表3に示したが、青感性ハロゲン
化銀乳剤の場合も本発明に係る試料のいずれもは優れた
諸特性を有していた。
表2の結果からも明らかなように本発明の試料は塗布
故障がなく、銀色調性或は実写評価でも優れることがわ
かる。
なお、本実施例と全く同様にしてCRTハードコッピー
用或はレーザーイメージャー用フィルムとして乳剤片面
塗布の試料を作成して試験した結果、本発明に係る方法
による試料は乳剤両面塗布の実施例2同様の優れた性能
を有していた。
〔発明の効果〕
本発明により、現像後の銀画像の色調が純黒調で、か
つ高感度で色汚染のないハロゲン化銀写真感光材料が得
られた。さらに色調剤に基づく塗布上でのトラブルを解
消できた。
斯かる効果は特にX線用ハロゲン化銀写真感光材料に
於いて顕著で、感光材料製造上にて大きな利点を有し
た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体の少なくとも一方の側に、少なくと
    も1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真
    感光材料に於いて、該乳剤層中に下記一般式〔I〕で表
    される化合物の少なくとも一つが乳化分散して含有し、
    かつ該乳化分散物中に下記一般式〔II〕又は〔III〕で
    表される化合物から選ばれる少なくとも一つを含有する
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 一般式〔I〕 〔式中、R4,R5,R6およびR7は水素原子、水酸基、ニトロ
    基、ハロゲン原子、−SO3M−,−COR8,置換若しくは未
    置換のアルキル基、置換若しくは未置換のアミノ基又は
    アルコキシ基を表わし、Mはアルカリ金属原子又はアン
    モニウムを表わし、R8は炭素数1〜5のアルキル基、ア
    ルカリ金属原子又は置換若しくは未置換のフェニル基を
    表わす。〕 一般式〔II〕 〔式中、R3は水素原子、直鎖ないし分岐鎖のアルキル
    基、環状アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、ア
    リール基、複素環基、アルキルアミド基、アリールアミ
    ド基、アルキルチオアミド基、アリールチオアミド基、
    アルキルスルホアミド基、アリールスルホアミド基を表
    し、R4,R5は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アル
    キル基、環状アルキル基、アリール基、シアノ基、アル
    キルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホキシド
    基、アルキルスルホニル基、複素環基を表す。ただし、
    上記アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、複素
    環基、アラルキル基及びアリール基は置換基を有しても
    良い。 またR4,R5により、環を構成しても良い。〕 一般式〔III〕 〔式中、R6は、水素、低級アルキル基またはヒドロキシ
    メチル基を表し、R7は、水素または低級アルキル基を表
    す。〕
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