JP2883135B2 - ガラス成形用ロール材 - Google Patents

ガラス成形用ロール材

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ガラス成形用ロール材に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
一般にガラス成形用ロール材には、現在13Crマルテン
サイトステンレス鋼(JIS SUS420J2等)が一般的に使用
されている。
また、前記13Crマルテンサイト系ステンレス鋼の改良
鋼として特公昭57−5871号に開示される鋼が知られてお
り、本出願人が平成1年9月1日付(特願平1−227187
号)で出願したガラス成形金型用鋼も同用途に適用が進
められている。
さらに特開昭55−76048号には、「ガラス板圧延用ロ
ール材」として、16%Cr系のロール材も開示されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ガラス成形ロールの寿命原因は、高温酸化による肌あ
れ、芒硝による化学的腐食によるくもりと、型面の昇温
による型材の降伏にともなう型表面の凹凸模様の生成
や、ヒートクラック、耐摩耗性不足による摩耗状肌あれ
などが主なものである。これらのうち、表面の凹凸模
様、ヒートクラックや摩耗は、型材の高温強度が不足し
て発生するが、近年、成形温度の高いけい酸ガラスの成
形量が増えるなどを背景に、成形温度が上昇したため、
より一層これらのことがロールの耐久性に関して、問題
となっている。
これに対し、16%Cr系のロール材や13Crマルテンサイ
トステンレス鋼、特公昭57−5871号に開示された鋼は、
いずれも上記問題を解消することができなかった。
本発明は、高温強度を向上させ、特にヒートクラック
の発生を抑制し、寿命を向上させたガラス成形用ロール
材の提供を課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、従来広く用いられている13Crマルテンサイ
トステンレス鋼等より、Cr量を低めに設定することによ
り、ロール材に高温強度を付与し、熱伝導性を高め、ヒ
ートクラック発生までの成形数を著しく伸長させること
ができることを見出したこと、およびNb添加により、高
目の温度で焼入する時の結晶粒の粗大化を抑制して、靭
性を低下させることなく高温焼入を可能として、ロール
材に高温強度および軟化抵抗を付与し、ヒートクラック
発生までの成形数を著しく伸長させることを見出したこ
とによるものである。
すなわち本発明は、重量%でC0.1〜0.3%、Si0.1〜3
%、Mn1.5%以下、Cr8〜11.5%、W、Moの一種または二
種を1/2W+Moで0.5〜2%、V0.1〜1%、Nb0.01〜0.50
%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなることを
特徴とするガラス成形用ロール材、重量%でC0.1〜0.3
%、Si0.1〜3%、Mn1.5%以下、Cr8〜11.5%、W、Mo
の一種または二種を1/2W+Moで0.5〜2%、V0.1〜1
%、Nb0.01〜0.50%およびCo0.1〜8%を含み、残部Fe
および不可避的不純物からなることを特徴とするガラス
成形用ロール材、重量%でC0.1〜0.3%、Si0.1〜3%、
Mn1.5%以下、Ni1.5%以下、Cr8〜11.5%、W、Moの一
種または二種を1/2W+Moで0.5〜2%、V0.1〜1%、Nb
0.01〜0.50%を含み、残部Feおよび不可避的不純物から
なることを特徴とするガラス成形用ロール材、および重
量%でC0.1〜0.3%、Si0.1〜3%、Mn1.5%以下、Ni1.5
%以下、Cr8〜11.5%、W、Moの一種または二種を1/2W
+Moで0.5〜2%、V0.1〜1%、Nb0.01〜0.50%およびC
o0.1〜8%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からな
ることを特徴とするガラス成形用ロール材である。
〔作用〕
次に本発明のロール材の成分範囲の限定理由について
述べる。
Cは、オーステナイト形成元素として添加し熱処理に
よりマルテンサイト組織として常温、高温の強度を高め
るために必要であり、かつ炭化物を形成し、耐摩耗性を
付与し、また結晶粒の粗大化を阻止するなどの効果のた
めに含有せしめるものである。
多すぎると本ロール材の特徴である高温強度を低下さ
せ、耐ヒートクラック性等を低下させ、また靭性も低下
させるので、上限を0.3%とし、低すぎると上記効果が
得られないので0.10%以上とする。
Siは、耐酸化性を向上させ、かつA1変態点を上げるた
めに含有せしめるものであるが、多すぎると熱伝導率、
靭性を低下させるので、上限を3.00%とし、低すぎると
含有効果が得られないので下限を0.10%とする。
Mnは、脱酸剤として添加されるが、多すぎると耐酸化
性を劣化するので1.5%以下に限定する。
Niは、Coとともにロールの表面酸化物の密着性を大き
くし、ロールとガラスの離れ性を良くするとともにロー
ル寿命の向上効果をもたらすが、多すぎるとA1変態点を
下げ、また本ロール材の特徴である高温強度を低下させ
るので上限を1%とする。
Crは、ガラス成形用ロールの基本的な要求特性である
耐酸化性を付与するため必要な元素であり、かつA1変態
点を高め、Cと結合して炭化物を形成し、耐摩耗性を高
める作用を有するものである。
Crの設定は、本ロール材の優れた高温強度を付与しつ
つ、優れた耐酸化性を維持するために重要である。すな
わち、多すぎると高温強度を低下させるが、少なすぎる
と、耐酸化性が不足する。本発明においては、十分な高
温強度を確保するべくCr量の上限を11.5%とし、また必
要最低限の耐酸化性を維持するべく下限を8%とする。
W、Moは、単独または複合で添加することができ、焼
もどし時微細な炭化物を析出して高温強度を増加させる
効果を有する。多すぎると靭性を低下させるのでWおよ
びMoの一種または二種を1/2W+Moで2%以下とし、低す
ぎると上記添加の効果が得られないので0.5%以上とす
る。
Vは、焼もどし時、凝集しにくい微細な炭化物を析出
し、高い温度域における強度を与える。多すぎると靭性
を低下させるので、上限を1%とする。また、0.1%未
満では上記効果を得られないので0.1%以上とする。
Coは、Niとともに緻密で密着性の良い表面酸化膜をロ
ール表面上に形成し、ロールとガラスとの離れ性の向
上、ロール寿命向上効果をもたらす。また、固溶体強化
による高温強度向上効果も大きい。上記効果を得るため
には、0.1%以上必要であるが、多すぎると靭性を下
げ、また焼なまし硬さを上げ、機械加工性を低下させる
ので8.0%以下とする。
Nbは、高温強度と軟化抵抗を高めるために、高目の温
度で焼入する時の結晶粒の粗大化を抑制する効果を有
し、本発明のロール材の特徴である優れた高温強度をも
たらすための重要な元素である。多すぎると、固溶しに
くい炭化物を形成し、靭性を低下させるため0.50%以下
とする。低すぎると上記添加の効果が得られないので0.
01%以上とする。
〔実施例〕
次に実施例に基づき本発明を詳細に説明する。
まず、第1表に示す組成の鋼からなるロールを鋳造に
より2本ずつ製作し、うち1本からは、引張試験片、耐
ヒートクラック性試験片、熱膨張係数測定用試料、焼入
結晶粒度測定用試料、軟化抵抗測定用試料、シャルピー
衝撃試験片(JIS Z 22024号試験片)を採取し、もう1
本は実用テストに供した。
なお、熱処理条件および硬さを第2表に示す。
第3表は、常温、高温(700℃)における引張試験に
よる引張強さを示す。本発明ロール材A,B,C,Dは、比較
材E、従来材F,Gと比べ、高温域の強度が特に優れてい
ることがわかる。
第1図は、本発明ロール材Aと従来材Fを高温(700
℃)に各時間保持後の硬さで表した軟化抵抗を示したも
のである。本発明ロール材の軟化抵抗は従来材と比べ、
大幅に優れていることがわかる。これらの結果は、本発
明ロール材のCr量が低めに設定されていること、および
標準的な焼入温度が従来鋼に比較して高いためである。
第4表は、本発明ロール材Aと従来材Gについて焼入
温度と焼入組織のオーステナイト結晶粒度と靭性(2mmU
ノッチシャルピー衝撃値)の関係を示したものである。
第5表は耐ヒートクラック性を示したもので、試験片
をガスバーナーで、600℃に加熱後20℃まで水冷し、こ
れを1,000回繰り返したものである。
本発明ロール材A,B,C,Dは比較材、従来材に比べ優れ
た耐ヒートクラック性を有していることがわかる。
第6表は、熱膨張係数(20〜700℃の平均)を示した
もので、従来材とほぼ同レベルでガラスの熱膨張係数に
近く、良好であることがわかる。
第7表に実用テストによるロール寿命を示す。ガラス
の成形温度は1420℃である。第7表に示したように本発
明ロール材のロールの廃却までの寿命時間は、比較材、
従来材と比べはるかに大きい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によるガラス成形ロール
材は、13%Cr系ロール材のCr量を低減し、Nbを添加する
ことにより、結晶粒の粗大化を抑制するので、高温焼入
を可能にして高温強度と軟化抵抗を高め、ヒートクラッ
クの発生を抑えて、ロールの寿命を大幅に向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のロール材Aと従来材Fを700℃に各
時間保持した後の硬さの変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 捷昭 島根県安来市安来町2107番地の2 日立 金属株式会社安来工場内 審査官 小柳 健悟 (56)参考文献 特開 昭53−58920(JP,A) 特開 昭55−76048(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 302 E C22C 38/26 C03B 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でC0.1〜0.3%、Si0.1〜3%、Mn1.
    5%以下、Cr8〜11.5%、W、Moの一種または二種を1/2W
    +Moで0.5〜2%、V0.1〜1%、Nb0.01〜0.50%を含
    み、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴と
    するガラス成形用ロール材。
  2. 【請求項2】重量%でC0.1〜0.3%、Si0.1〜3%、Mn1.
    5%以下、Cr8〜11.5%、W、Moの一種または二種を1/2W
    +Moで0.5〜2%、V0.1〜1%、Nb0.01〜0.50%およびC
    o0.1〜8%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からな
    ることを特徴とするガラス成形用ロール材。
  3. 【請求項3】重量%でC0.1〜0.3%、Si0.1〜3%、Mn1.
    5%以下、Ni1.5%以下、Cr8〜11.5%、W、Moの一種ま
    たは二種を1/2W+Moで0.5〜2%、V0.1〜1%、Nb0.01
    〜0.50%を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる
    ことを特徴とするガラス成形用ロール材。
  4. 【請求項4】重量%でC0.1〜0.3%、Si0.1〜3%、Mn1.
    5%以下、Ni1.5%以下、Cr8〜11.5%、W、Moの一種ま
    たは二種を1/2W+Moで0.5〜2%、V0.1〜1%、Nb0.01
    〜0.50%およびCo0.1〜8%を含み、残部Feおよび不可
    避的不純物からなることを特徴とするガラス成形用ロー
    ル材。
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