JP2881668B2 - 外観美麗なポリプロピレン系樹脂発泡積層シ−ト及びその製造方法 - Google Patents

外観美麗なポリプロピレン系樹脂発泡積層シ−ト及びその製造方法

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JP2881668B2 JP4181152A JP18115292A JP2881668B2 JP 2881668 B2 JP2881668 B2 JP 2881668B2 JP 4181152 A JP4181152 A JP 4181152A JP 18115292 A JP18115292 A JP 18115292A JP 2881668 B2 JP2881668 B2 JP 2881668B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン系樹脂
発泡シ−ト及びその製造方法に関し、特に食品包装をは
じめとして各種包装材及び各種製品部材として使用され
る熱成形等の二次加工の可能な硬質及び半硬質性の連続
気泡率の低い機械的特性の優れ、且つ、その表面の外観
が美麗なポリプロピレン系樹脂発泡シ−ト及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食品包装をはじめとして二次成形可能な
発泡シ−トとしてはポリスチレン系発泡シ−トが多く使
用されている。ポリスチレン樹脂は非晶性樹脂のため明
確な融点を持たず、これに発泡剤を包含させて加熱溶融
すると容易に発泡に適した溶融粘弾性を有する溶融樹脂
となるので極めて簡単に発泡ポリスチレンシ−トが得ら
れる。しかし、発泡ポリスチレンシ−トは耐熱性等の特
性において必ずしも満足すべきものではなかった。
【0003】ポリプロピレン樹脂は結晶性樹脂のため、
耐熱性等の点ではポリスチレン樹脂より優れている。し
かし、結晶性ポリプロピレン樹脂は結晶融点を境に融点
以上では溶融粘度が極めて低く、発泡した気泡を保持で
きず破泡しやすく、そのため従来のポリプロピレン系発
泡シ−トは連続気泡率の高い発泡シ−トであって独立気
泡を有する良好な機械的特性及び耐熱性に優れた発泡体
シ−トを得ることが困難であった。そして、従来のポリ
プロピレン系樹脂発泡シ−トは、密度が0.5g/cc
以上の低発泡品か、或は、密度が0.03g/cc以下
の高発泡品であった。
【0004】すなわち、密度0.5g/cc以上の低発
泡シ−トは、ポリプロピレン樹脂に分解型又は反応型発
泡剤を添加し、シ−ト成形押出装置に供給して製造され
ている。また、密度0.03g/cc以下のミクロセル
ラ−構造の高発泡シ−トは、例えば特公昭46−414
74号に示されているように、結晶性ポリプロピレン樹
脂を塩化メチレン、フルオロトリクロロメタン、パ−フ
ルオロシクロブタン等の活性化液に溶解し、得られた溶
液を該溶液の蒸気圧よりも高いが1000PSiよりも
高くない区域中から実質的により低い圧力区域に押し出
し、それによって活性化液を蒸発させ、固体重合体が沈
殿し、且つ、重合体の配向を凍結する温度まで冷却して
押出発泡させる方法がある。
【0005】これら2例の中間の発泡体として密度0.
3g/cc前後のものも市場で見られるが、それらは殆
ど連続気泡であって、独立気泡は殆ど見られず、そのた
め良好な機械的性質を有する発泡体シ−トとは言い難か
った。また、ポリオレフィン系樹脂中に発泡剤を添加
後、金型の細狭間隙より直ちに大気中に自由発泡させる
のではなく、或る適当な圧力状態下で発泡させ、これを
成形装置の寸法により決められた所定の厚さに冷却成形
した後、該成形装置より大気圧中に連続的に押出して独
立気泡を有する発泡体シ−トの製造方法が知られている
(特公昭51−14540号公報参照)。しかし、この
方法は極めて特殊な方法でその発泡工程が複雑でコント
ロ−ルがむずかしいという欠点があった。
【0006】したがって、ポリプロピレン樹脂をポリス
チレン樹脂のように押出発泡成形するには、押出発泡可
能温度領域を広げ、融点以上の温度領域で溶融粘弾性を
高くする必要がある。そのためポリプロピレン樹脂の分
子量を増やすこと、及び、他のオレフィンとの共重合樹
脂化が試みられた。これら手段による樹脂の改質は非発
泡シ−トの押出加工性、非発泡シ−トの熱成形性、成形
品物性の改良には良好な結果を与えたが、押出発泡に適
した溶融粘弾性を得るには至らなかった。
【0007】また、ポリプロピレン樹脂の溶融粘弾性を
特殊なものとしている原因の一つとしてポリプロピレン
系樹脂が極めて直鎖状高分子(リニア−ポリマ−)であ
ると考えられ、これを架橋することによって解決しよう
とする試みもなされており、若干の発泡性の向上は見ら
れたものの、ポリプロピレン樹脂の特性として架橋と分
解が同時に進行するため期待される効果を得ることは極
めて困難であった。
【0008】ところで、押出発泡に適したポリプロピレ
ン樹脂を得るべく種々研究した過程で、発泡に必要な溶
融粘弾性を示す樹脂の特性は、高温GPCによって得ら
れる分子量分布値によって認識できること、及び、特定
の範囲のGPC分子量分布値のポリプロピレン樹脂を使
用することによって、独立気泡率が高く、機械的特性の
優れたポリプロピレン樹脂シ−トが得られることを見出
された。
【0009】この特定の範囲のGPC分子量分布値のポ
リプロピレン樹脂としては、Z平均分子量Mzが少なく
とも2.0×106で、Mz/Mwが少なくとも3.0
であり、且つゲルパ−ミエイションクロマトグラフによ
る分子量分布カ−ブが、高分子領域に分岐ポリマ−を含
むことを示すカ−ブの張り出しがある形状のキャメル型
であるポリプロピレン系樹脂である。
【0010】しかしながら、このポリプロピレン樹脂を
押出発泡して得られた発泡シ−トは、前述の通り、独立
気泡率が高く、機械的特性の優れた発泡シ−トである反
面、気泡径が大きく、外観美麗とは言い難かった。この
欠点を改良するために、例えば発泡核剤の増加等の手段
を用いて、シ−ト全体の気泡を細かくすると、連続気泡
率が大きくなり、発泡倍率が低下するという現象が生じ
た。
【0011】また、ポリスチレン系樹脂発泡シ−トの押
出製造方法のように、押出時に表面を急冷することによ
り、表面の発泡を抑え表面の気泡を細かくする方法を実
施すると、結晶性樹脂であるポリプロピレンの場合には
金型スリット内で固化してしまい、押し出しができなく
なってしまう。更に容器等に成形する所謂二次成形の場
合においても、ポリスチレン系樹脂発泡シ−トの場合
は、内部に膨潤している発泡剤の作用によって、シ−ト
が発泡し、新たに微細気泡を生じるためにシ−トよりも
成形品の方が美麗であるのに対し、ポリプロピレン系樹
脂発泡シ−トの場合は、新たな気泡が生じないばかり
か、気泡が伸ばされ逆に粗くなってしまうという欠点が
あった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであって、その目的は、連続気泡
率が低く機械的特性の優れ、尚且つ、外観が美麗なポリ
プロピレン系樹脂発泡積層シ−トを提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、Z平均
分子量Mzが少なくとも2.0×106で、Mz/Mw
が少なくとも3.0であり、且つゲルパ−ミエイション
クロマトグラフによる分子量分布カ−ブが、高分子領域
に分岐ポリマ−を含むことを示すカ−ブの張り出しがあ
る形状のキャメル型であるポリプロピレン系樹脂(A)
60〜100重量%と、プロピレン80〜95重量%及
びエチレン等のα−オレフィン5〜20重量%から構成
されるプロピレン系共重合樹脂(B)0〜40重量%と
の単独若しくは混合樹脂からなる密度(X)が0.5〜
0.025g/cm3であるポリプロピレン系樹脂発泡
シ−トの少なくとも一方の面に、該ポリプロピレン系樹
脂発泡シ−トよりも微細気泡を有する合成樹脂発泡シ−
トを積層したことを特徴とする外観美麗なポリプロピレ
ン系樹脂発泡積層シ−トであり、その製造方法として、
2台の押出機を使用し、その一方にキャメル型であるポ
リプロピレン系樹脂(A)60〜100重量%と、プロ
ピレン80〜95重量%及びエチレン等のα−オレフィ
ン5〜20重量%から構成されるプロピレン系共重合樹
脂(B)0〜40重量%との単独若しくは混合樹脂に発
泡核剤を添加した原料組成物を、他方に該ポリプロピレ
ン系樹脂発泡シ−トよりも微細気泡の発泡シ−トを形成
する合成樹脂と発泡核剤とよりなる原料組成物を、それ
ぞれ別個に供給し、これら原料組成物を溶融せしめ、次
いで、それぞれの溶融した原料組成物に所定量の発泡剤
を供給した後、押出機金型内部で両者を合流積層後、大
気中に共押出して密度(X)が0.5〜0.025g/
cm3であるポリプロピレン系樹脂発泡シ−トの少なく
とも一方の面に、該ポリプロピレン系樹脂発泡シ−トよ
りも微細気泡を有する合成樹脂発泡シ−トを積層したこ
とを特徴とする外観美麗なポリプロピレン系樹脂発泡積
層シ−トを製造する方法である。
【0014】すなわち、本発明は、特定のポリプロピレ
ン系樹脂よりなる連続気泡率の低い樹脂発泡シ−トと微
細気泡を有する発泡シ−トとの積層された外観美麗なポ
リプロピレン系樹脂発泡多層シ−トであり、該ポリプロ
ピレン系樹脂発泡多層シ−トを共押出しによって製造す
るのである。更に、本発明について詳細に述べる。
【0015】本発明において使用するポリプロピレン樹
脂を特定するゲルパ−ミエイションクロマトグラフ(以
下GPCという)の測定方法は次の通りである。 測定装置:Waters社、GPC 150−C型 測定条件:Column KF−80M 2本(SH
ODEX) Column温度 145 Injec.温度 145 ポンプ温度 60 感度 32 使用溶剤 O−ジクロロベンゼン(1.0ml
/min) Run time 50分 Injec.容積 400μl
【0016】このGPCによって得られる情報としては
次の通りである。 (1)Mn 数平均分子量:ポリマ−の分子数に直接関
係する物性値を測定することによって求められる最も基
本的な平均分子量で、分子の総数に依存する。 (2)Mw 重量平均分子量:測定される物性値がポリ
マ−の重量に直接関係するときに求められる平均分子量
であって、分子量の2乗平均であり、Mnより高重合度
分子に依存する。 (3)Mz z平均分子量:最も高次の平均分子量で、
分子量の3乗平均である。
【0017】本発明の発泡体を得るために有効なポリプ
ロピレン樹脂は、Mzがおよそ2.0×106以上であ
り、Mz/Mw比は約3.0以上の高分子である。多分
散指数Mw/Mnは、良好な発泡性を与えるポリプロピ
レン樹脂と不十分な発泡性しか与えないポリプロピレン
樹脂とを区別することは出来なかったため数値の重要性
は少ない。また、良好な発泡性を与えるポリプロピレン
樹脂のGPCによる分子量分布曲線は常に高分子領域に
張出しのある形状で、これを図示すると、図1の曲線A
のようにラクダの背のような形状を呈する。これを本発
明ではキャメル型と呼称する。これに対し、不十分な発
泡性しか与えないポリプロピレン樹脂の分子量分布曲線
Bは正規分布を示す単純な山型形状である。キャメル型
の分子量分布はポリプロピレン樹脂の多くの部分は直鎖
状であるが、高分子量のある成分は多くの分岐を持って
いることを示している。市販のポリプロピレン樹脂につ
いて、Mn,Mw,Mz及びGPCカ−ブ形状などの特
性を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】本発明において使用するキャメル型ポリプ
ロピレン樹脂は、USP4,916,198の方法によ
って製造される分岐を有する重合体で、ハイモント社よ
り販売されているポリプロピレン樹脂などがこれに属す
る。表1より明らかなように、GPCカ−ブにおいてキ
ャメル型の張出し形状を有するポリプロピレン樹脂(キ
ャメル型ポリプロピレン樹脂という)単独で独立気泡性
の発泡シ−トを得ることは出来るが、更に機械的特性を
向上するため、プロピレンと他のα−オレフィンとの共
重合体よりなるポリプロピレン系共重合樹脂を40重量
%まで混合することができる。
【0020】キャメル型ポリプロピレン樹脂と混合使用
できるポリプロピレン系共重合樹脂は、プロピレンを主
体とするα−オレフィンとの共重合樹脂であって、エチ
レン・プロピレンランダム共重合樹脂、エチレン・プロ
ピレンブロック共重合樹脂、エチレン・ブテン・プロプ
レン共重合樹脂等である。これらの共重合樹脂のα−オ
レフィンとしての種類は特に限定させるものではなく、
得られる発泡シ−トの使用目的に合った物性が得られる
ものを使用すれば良く、α−オレフィンの含有量は5〜
20重量%の物であれば良く、共重合樹脂中プロピレン
の割合が95重量%以上では脆さを改善する効果が少な
く、また、80重量%以下では脆さは改善されるが剛性
を失うことになるのである。そして、上述の共重合樹脂
はキャメル型ポリプロピレン樹脂に単独で添加しても良
く、或いは、他のポリマ−と混合して用いてもよい。他
のポリマ−としては、α−オレフィン重合体、アイオノ
マ−、エチレン・プロピレンラバ−(EPラバ−)等の
エラストマ−を挙げることが出来る。
【0021】本発明にかかるポリプロピレン系樹脂発泡
シ−トはキャメル型ポリプロピレン樹脂単独、または、
該樹脂とポリプロピレン系共重合樹脂との混合物を使用
するのであるが、キャメル型ポリプロピレン樹脂とポリ
プロピレン系共重合樹脂との混合物を使用する場合、ポ
リプロピレン系共重合樹脂の含有量が多くなると、良好
な発泡性を有している分岐の有するキャメル型ポリプロ
ピレン樹脂の特徴を低下させ、連続気泡率の少ない良好
な発泡シ−トを得にくくなるのでポリプロピレン共重合
樹脂の添加量としては、40重量%迄がよい。
【0022】本発明の積層発泡シ−トの基材シ−トの密
度Xg/cm3は0.5〜0.025である。そして、
本発明に至る研究過程で得られた良好な基材発泡シ−ト
の連続気泡率Y%の範囲は次の関係式を満足する。 Y<−50logX なお、式中、連続気泡率は次の方法で測定した値であ
る。 測定装置:エア−ピクノメ−タ−(東芝ベックマン製、
型式−930) 計算方法: 連続気泡率(Y%)=(見掛体積−測定
値)×100/見掛体積 しかして、本発明の基材発泡シ−トの連続気泡率は上記
の関係式を満足した。
【0023】本発明においては、上記の基材シ−トの少
なくとも一方の面に基材シ−トよりも微細気泡を有する
シ−トを積層する。この積層される微細気泡を有するシ
−ト(表皮層という)は、キャメル型ポリプロピレン樹
脂(A)とプロピレン系共重合樹脂(B)の混合樹脂よ
りなる発泡シ−トが好ましいが、勿論、キャメル型ポリ
プロピレン系樹脂単独の発泡シ−トでもよい。そして、
この発泡シ−トの気泡径は、基材シ−トよりも微細な気
泡であるが、具体的には、気泡の押出方向の径MDとこ
れと直角方向の径TDとすると、√MD・TDの値が
0.6mm以下の気泡径を有するシ−トであり、この値
が0.6mm以上の場合には容器等に成形した場合に外
観が粗くなるので好ましくない。表皮層シ−トの気泡径
のコントロ−ルは低倍率化及び核剤量の増加等の手段に
よって行う。また、その測定方法としては表皮層の任意
の場所から任意に選んだ気泡の相乗平均値をn10で平
均する方法によって行なう。
【0024】上記規定の気泡径を有する表皮層の発泡シ
−トの発泡倍率は、1.5〜6倍、好ましくは、2〜5
倍程度である。表皮層の発泡シ−ト倍率が低く過ぎると
気泡の数が少なくなり、基材層の気泡が透けて見え、表
皮層を設けた意味がなく、逆に倍率が高過ぎると、表皮
層そのものの気泡が粗くなり、外観美麗な発泡シ−トと
はならない。
【0025】本発明にかかる外観美麗なポリプロピレン
系樹脂発泡積層シ−トの製造方法は特に限定されるもの
ではないが、共押出法で行うことが最も好ましい。共押
出法とは、例えば、2台の押出し機を用い、一方には基
材シ−ト層の原料樹脂を、他方には表皮シ−ト層の原料
樹脂をそれぞれ別個に供給し、別個に溶融せしめ、次い
で所定の発泡倍率が得られるように、それぞれの原料に
発泡剤を供給した後、金型内に原料樹脂を一緒にして押
出し、金型内で結合一体化させると共に発泡させる方法
である。この際、表皮シ−ト層の気泡径は発泡剤の量、
核剤量、及び発泡倍率の調整等によってコントロ−ルす
る。次に実施例をもって本発明を更に具体的に説明す
る。
【0026】
【実施例及び比較例】
実施例1 基材となるシ−ト層と該シ−ト層よりも気泡の細かい表
面層との積層体を製造するには、2台の押出機にて別々
に溶融混練された各層の原料樹脂を、押出金型内で結合
一体化させて、同時に押し出して製造する。
【0027】基材となるシ−ト層(A)は、キャメル型
ポリプロピレン樹脂であるPF814(ハイモント社
製)100重量部に気泡核剤として、クエン酸と重炭酸
ナトリウムの化学量的な混合物 ハイドロセロ−ルHK
(ベ−リンガ−製)0.1部を予めブレンダ−で混合
し、その混合物を口径90φ−115φmmの発泡押出
用タンデム型押出機に供給し、No.1押出機(90m
mφ)の中央ゾ−ンでブタン(n−ブタン/i−ブタン
=2/1)を3.8部注入した。
【0028】表皮層(B)用の原料として、PF814
(ハイモント社製)100重量部にハイドロセロ−ル
0.3部を予めブレンダ−で混合し、その混合物を口径
65φmmの押出機に供給し、押出機の中央ゾ−ンでブ
タン(n−ブタン/i−ブタン=2/1)を2.0部注
入した。
【0029】(A)の混合物を押出量100Kg/Hr
で、(B)の混合物を押出量3.5Kg/Hrで、口径
155mm、ダイリップ1.0mmのサ−キュラ−ダイ
に供給した。そして、押し出された管状押出発泡積層シ
−トをサ−キュラ−ダイで冷却成型後、円周上の2点で
カッタ−により切開し、(全体の)幅640mm、(全
体の)厚み3.0mm、(全体の)坪量400g/cm
2のシ−トを得た。
【0030】基材シ−ト層、表面シ−ト層の各密度、各
厚みを求めると、基材シ−トの密度は0.12g/cm
3、厚みは2.55mmで、表面シ−トの密度は0.2
2g/cm3、厚みは0.45mmであった。
【0031】比較例1 キャメル型ポリプロピレン樹脂であるPF814(ハイ
モント社製)100重量部に気泡核剤として、クエン酸
と重炭酸ナトリウムの化学量的な混合物ハイドロセロ−
ルHK(ベリンガ−製)0.1部を予めブレンダ−で混
合し、その混合物を口径90φ−115φmmの発泡押
出用タンデム型押出機に供給し、No.1押出機(90
mmφ)の中央ゾ−ンでブタン(n−ブタン/i−ブタ
ン=2/1)を3.0部注入した。そして、押し出され
た管状押出発泡シ−トをサ−キュラ−ダイで冷却成型
後、円周上の2点でカッタ−により切開し、幅640m
m、厚み1.9mm、(全体の)坪量300g/cm2
のシ−トを得た。
【0032】比較例2 気泡核剤として、ハイドロセロ−ルを0.3部にした以
外は全て比較例1と同様に押し出した結果、幅640m
m、厚み1.4mm、(全体の)坪量300g/cm2
のシ−トを得た。以上得られた各発泡シ−トの発泡倍
率、連続気泡率及び気泡サイズを測定した結果、次の通
りであった。
【0033】 気泡サイズ 密 度 連続気泡率 表 面 断 面 実施例1 0.14g/cm3 26.5% 0.32mm 0.78mm 比較例1 0.14 24.0 1.02 0.98 比較例2 0.21 55.3 0.76 0.62
【0034】この結果より明らかなように、比較例1の
場合は連続気泡率が低く、且つ密度の小さいものを得よ
うとすると、気泡径が大きく、成形品にした場合見栄え
の悪いものとなる。比較例2の様に全体の気泡径を小さ
くした場合、それほど小さくならない割には連続気泡率
が高く、密度も大きいものしか得られない。実施例1で
は、表面気泡径も小さく、連続気泡率も低い、密度の小
さい良好なシ−トが得られる。
【0035】
【発明の効果】以上述べた様に、キャメル型ポリプロピ
レン系樹脂(A)単独、あるいは該樹脂(A)と、プロ
ピレンと他のα−オレフィンから構成されるプロピレン
系共重合樹脂(B)との混合樹脂組成物からなる基材シ
−ト層と、気泡微細な表皮シ−ト層とを積層させた樹脂
積層シ−トであるので、ポリプロピレン樹脂の有する耐
熱性や機械的特性の優れた特性を保持したまま、連続気
泡率が低く且つ密度が小さい、外観が美麗な積層発泡シ
−トを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用するキャメル型ポリプロピレン系
樹脂と通常のポリプロピレン系樹脂GPCによる分子量
分布曲線を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 23:00 105:04 B29L 9:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Z平均分子量Mzが少なくとも2.0×
    106で、Mz/Mwが少なくとも3.0であり、且つ
    ゲルパ−ミエイションクロマトグラフによる分子量分布
    カ−ブが、高分子領域に分岐ポリマ−を含むことを示す
    カ−ブの張り出しがある形状のキャメル型であるポリプ
    ロピレン系樹脂(A)60〜100重量%と、プロピレ
    ン80〜95重量%及びエチレン等のα−オレフィン5
    〜20重量%から構成されるプロピレン系共重合樹脂
    (B)0〜40重量%との単独若しくは混合樹脂からな
    る密度(X)が0.5〜0.025g/cm3であるポ
    リプロピレン系樹脂発泡シ−トの少なくとも一方の面
    に、該ポリプロピレン系樹脂発泡シ−トよりも微細気泡
    を有する合成樹脂発泡シ−トを積層したことを特徴とす
    る外観美麗なポリプロピレン系樹脂発泡積層シ−ト。
  2. 【請求項2】2台の押出機を使用し、その一方にZ平均
    分子量Mzが少なくとも2.0×10 で、Mz/Mw
    が少なくとも3.0であり、且つゲルパーミエイション
    クロマトグラフによる分子量分布カーブが、高分子領域
    に分岐ポリマーを含むことを示すカーブの張り出しがあ
    る形状のキャメル型であるポリプロピレン系樹脂(A)
    60〜100重量%と、プロピレン80〜95重量%及
    びエチレン等のα−オレフィン5〜20重量%から構成
    されるプロピレン系共重合樹脂(B)0〜40重量%と
    の単独若しくは混合樹脂に発泡核剤を添加した原料組成
    物を、他方に該ポリプロピレン系樹脂発泡シートよりも
    微細気泡の発泡シートを形成する合成樹脂と発泡核剤と
    よりなる原料組成物を、それぞれ別個に供給し、これら
    原料組成物を溶融せしめ、次いで、それぞれの溶融した
    原料組成物に所定量の発泡剤を供給した後、押出機金型
    内部で両者を合流積層後、大気中に共押出して密度
    (X)が0.5〜0.025g/cmであるポリプロ
    ピレン系樹脂発泡シートの少なくとも一方の面に、該ポ
    リプロピレン系樹脂発泡シートよりも微細気泡を有する
    合成樹脂発泡シートを積層したことを特徴とする外観美
    麗なポリプロピレン系樹脂発泡積層シートを製造する方
    法。
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