JP2880418B2 - ステンレス鋼用冷間圧延機の補助ロールおよびその表面加工方法 - Google Patents
ステンレス鋼用冷間圧延機の補助ロールおよびその表面加工方法Info
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- JP2880418B2 JP2880418B2 JP32637494A JP32637494A JP2880418B2 JP 2880418 B2 JP2880418 B2 JP 2880418B2 JP 32637494 A JP32637494 A JP 32637494A JP 32637494 A JP32637494 A JP 32637494A JP 2880418 B2 JP2880418 B2 JP 2880418B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス鋼用冷間圧
延機で使用されるデフレクトロールや接触式形状検出ロ
ーラ等の補助ロールおよびその表面加工方法に関するも
のである。
延機で使用されるデフレクトロールや接触式形状検出ロ
ーラ等の補助ロールおよびその表面加工方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼は変形抵抗が高いため、セ
ンジミアミル等により高い張力をかけて冷間圧延され
る。このような高張力圧延では、直接的に鋼帯を圧下し
ないデフレクトロールや接触式形状検出ローラ等の補助
ロールとこれに接触する鋼帯との接触面圧が高いため、
補助ロールの面性状は鋼帯の板面に転写されやすく、当
該補助ロール表面には磨耗や損傷(凹み)が生じやす
い。また、このような補助ロール表面の磨耗や、当該補
助ロールが鋼帯を押し曲げながら搬送することに起因し
て、板面との間にスリップが生じやすくなる。そして、
このようなスリップにより、ロールが板材を削り取って
これを表面に凝着させるピックアップが生じやすくな
る。さらに、ピックアップが重なるとロール表面に突起
が生じることになる。
ンジミアミル等により高い張力をかけて冷間圧延され
る。このような高張力圧延では、直接的に鋼帯を圧下し
ないデフレクトロールや接触式形状検出ローラ等の補助
ロールとこれに接触する鋼帯との接触面圧が高いため、
補助ロールの面性状は鋼帯の板面に転写されやすく、当
該補助ロール表面には磨耗や損傷(凹み)が生じやす
い。また、このような補助ロール表面の磨耗や、当該補
助ロールが鋼帯を押し曲げながら搬送することに起因し
て、板面との間にスリップが生じやすくなる。そして、
このようなスリップにより、ロールが板材を削り取って
これを表面に凝着させるピックアップが生じやすくな
る。さらに、ピックアップが重なるとロール表面に突起
が生じることになる。
【0003】そして、前記補助ロールに生じた突起が鋼
帯の板面に接触して板材を削り取ることにより、板面に
疵が生じ、削り取られた板材粉が板面を押し込むことに
よって板面に凹み疵が生じる。また、特に、形状検出ロ
ーラはリング角部に割れが起こりやすいため、鋼帯押し
曲げ時の微小なスリップで板面に疵を生じさせやすい。
このような疵は、表面の美しさ(光沢や艶があること)
が要求されるステンレス鋼にとって致命的な欠陥であ
り、これを防止するために従来は、補助ロールの表面に
紙を巻く、ゴムライニングを施す、WC(タングステン
カーバイド)溶射を施す、ロール表面の硬度を高くする
こと等が行われている。なお、従来の補助ロールの表面
粗さは、WC溶射が施されているものもいないものも、
JISB0601に示す算術平均粗さ(Ra )で0.4
μm程度にしている。
帯の板面に接触して板材を削り取ることにより、板面に
疵が生じ、削り取られた板材粉が板面を押し込むことに
よって板面に凹み疵が生じる。また、特に、形状検出ロ
ーラはリング角部に割れが起こりやすいため、鋼帯押し
曲げ時の微小なスリップで板面に疵を生じさせやすい。
このような疵は、表面の美しさ(光沢や艶があること)
が要求されるステンレス鋼にとって致命的な欠陥であ
り、これを防止するために従来は、補助ロールの表面に
紙を巻く、ゴムライニングを施す、WC(タングステン
カーバイド)溶射を施す、ロール表面の硬度を高くする
こと等が行われている。なお、従来の補助ロールの表面
粗さは、WC溶射が施されているものもいないものも、
JISB0601に示す算術平均粗さ(Ra )で0.4
μm程度にしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の方法のうち、補助ロールの表面に紙を巻く方法で
は、リフトロールを上昇させて鋼帯を補助ロールから離
した後、油を付けた紙の一端を補助ロールの表面に当て
ながらこの補助ロールを手で回転させてその全周に紙を
巻付けるため、作業に手間がかかるとともに、1コイル
当たり10分間程度のライン停止時間が必要であった。
来の方法のうち、補助ロールの表面に紙を巻く方法で
は、リフトロールを上昇させて鋼帯を補助ロールから離
した後、油を付けた紙の一端を補助ロールの表面に当て
ながらこの補助ロールを手で回転させてその全周に紙を
巻付けるため、作業に手間がかかるとともに、1コイル
当たり10分間程度のライン停止時間が必要であった。
【0005】補助ロールの表面にゴムライニングを施す
方法では、ロール表面の耐磨耗性が低くなるし、圧延機
で発生した鋼片がゴムに突き刺さり、この鋼片により板
面が損傷する恐れがある。また、特に、形状検出ローラ
では、弾性の高いゴムライニングを介して形状検出を行
うため、検出精度が低下することは避けられない。ま
た、補助ロール表面にWC溶射が施されている場合に
は、WC溶射されていない場合よりも耐ピックアップ性
に優れるが、溶射膜中のWC粒子の偏りや比較的硬度の
低い結合材が磨耗等により脱落することによって、硬く
て鋭いWCの突起が生じると、この突起が板面に損傷を
与えることになる。そのため、一回行うのに15分かか
る定期手入れを一日に1回は行う必要があり、板面に疵
が発生した場合にはその度毎にラインを停止して同様の
手入れを行う必要があった。
方法では、ロール表面の耐磨耗性が低くなるし、圧延機
で発生した鋼片がゴムに突き刺さり、この鋼片により板
面が損傷する恐れがある。また、特に、形状検出ローラ
では、弾性の高いゴムライニングを介して形状検出を行
うため、検出精度が低下することは避けられない。ま
た、補助ロール表面にWC溶射が施されている場合に
は、WC溶射されていない場合よりも耐ピックアップ性
に優れるが、溶射膜中のWC粒子の偏りや比較的硬度の
低い結合材が磨耗等により脱落することによって、硬く
て鋭いWCの突起が生じると、この突起が板面に損傷を
与えることになる。そのため、一回行うのに15分かか
る定期手入れを一日に1回は行う必要があり、板面に疵
が発生した場合にはその度毎にラインを停止して同様の
手入れを行う必要があった。
【0006】また、補助ロールの表面硬度を高くする方
法では、耐磨耗性を従来のロールよりは向上できるが、
耐ピックアップ性は改善されない。このように、前記従
来の方法には、補助ロール表面の耐磨耗性および耐ピッ
クアップ性のいずれにも優れ、直接的な板面への損傷因
子もほとんどなく、さらに形状検出精度も低下させず、
コイル毎にラインを停止する必要もないという全ての条
件を満たすことのできる方法はなかった。
法では、耐磨耗性を従来のロールよりは向上できるが、
耐ピックアップ性は改善されない。このように、前記従
来の方法には、補助ロール表面の耐磨耗性および耐ピッ
クアップ性のいずれにも優れ、直接的な板面への損傷因
子もほとんどなく、さらに形状検出精度も低下させず、
コイル毎にラインを停止する必要もないという全ての条
件を満たすことのできる方法はなかった。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
着目してなされたものであり、表面の耐磨耗性および耐
ピックアップ性が高く、且つ表面に直接的な板面損傷因
子がないステンレス鋼用冷間圧延機の補助ロールと、そ
の表面加工方法とを提供することを目的とする。
着目してなされたものであり、表面の耐磨耗性および耐
ピックアップ性が高く、且つ表面に直接的な板面損傷因
子がないステンレス鋼用冷間圧延機の補助ロールと、そ
の表面加工方法とを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、ロール表面が最大高さ15
〜17μmの凹凸面であり、この凹凸面はクロムメッキ
皮膜で形成され、且つ角部が曲面化されたものであるこ
とを特徴とするステンレス鋼用冷間圧延機の補助ロール
を提供する。
に、請求項1に係る発明は、ロール表面が最大高さ15
〜17μmの凹凸面であり、この凹凸面はクロムメッキ
皮膜で形成され、且つ角部が曲面化されたものであるこ
とを特徴とするステンレス鋼用冷間圧延機の補助ロール
を提供する。
【0009】請求項2に係る発明は、ショットブラスト
処理を施すことによりロール表面に最大高さ16〜20
μmの表面粗さを付与するショットブラスト工程と、当
該ショットブラスト処理後のロール表面に厚さ30〜1
00μmのクロムメッキ処理を施すクロムメッキ工程
と、当該クロムメッキ処理後のロール表面を研磨して当
該ロール表面に最大高さ15〜17μmの表面粗さを付
与する仕上げ研磨工程とからなることを特徴とするステ
ンレス鋼用冷間圧延機の補助ロールの表面加工方法を提
供する。
処理を施すことによりロール表面に最大高さ16〜20
μmの表面粗さを付与するショットブラスト工程と、当
該ショットブラスト処理後のロール表面に厚さ30〜1
00μmのクロムメッキ処理を施すクロムメッキ工程
と、当該クロムメッキ処理後のロール表面を研磨して当
該ロール表面に最大高さ15〜17μmの表面粗さを付
与する仕上げ研磨工程とからなることを特徴とするステ
ンレス鋼用冷間圧延機の補助ロールの表面加工方法を提
供する。
【0010】前記「最大高さ」とは、JISB0601
に示す定義に基づくもの(RY )である。
に示す定義に基づくもの(RY )である。
【0011】
【作用】請求項1に係る補助ロールでは、ロール表面が
最大高さ15〜17μmの凹凸面であり、この凹凸は、
従来の補助ロールの表面粗さがRa で0.4μm程度で
あるのに比べて大きなものであるため、板面との接触の
際に当該板面に付着している圧延油がこの凹部に溜まる
ようになる。そして、この凹部に溜まった圧延油が当該
補助ロールの潤滑剤となり、ロール表面の耐磨耗性が高
くなる。また、補助ロールと板面との間にスリップが生
じてロールが板材を削り取ったとしても、この削り取ら
れた材料粉は前記凹部を介してロール表面から排除され
やすいため、耐ピックアップ性が高くなる。
最大高さ15〜17μmの凹凸面であり、この凹凸は、
従来の補助ロールの表面粗さがRa で0.4μm程度で
あるのに比べて大きなものであるため、板面との接触の
際に当該板面に付着している圧延油がこの凹部に溜まる
ようになる。そして、この凹部に溜まった圧延油が当該
補助ロールの潤滑剤となり、ロール表面の耐磨耗性が高
くなる。また、補助ロールと板面との間にスリップが生
じてロールが板材を削り取ったとしても、この削り取ら
れた材料粉は前記凹部を介してロール表面から排除され
やすいため、耐ピックアップ性が高くなる。
【0012】また、この凹凸面はクロムメッキ皮膜で形
成されているため、従来の補助ロールよりも表面硬度が
高くなって耐磨耗性に優れる。また、このようにロール
表面の硬度が高いため、当該補助ロールは、接触式形状
検出ローラとしての形状検出精度が低下しない。さら
に、この凹凸面の角部は曲面化されており、最大高さが
15〜17μmであって大きく突出した凸部がないた
め、当該補助ロール表面は直接的な板面損傷因子が少な
いものとなる。
成されているため、従来の補助ロールよりも表面硬度が
高くなって耐磨耗性に優れる。また、このようにロール
表面の硬度が高いため、当該補助ロールは、接触式形状
検出ローラとしての形状検出精度が低下しない。さら
に、この凹凸面の角部は曲面化されており、最大高さが
15〜17μmであって大きく突出した凸部がないた
め、当該補助ロール表面は直接的な板面損傷因子が少な
いものとなる。
【0013】なお、表面粗さを最大高さで15〜17μ
mとしたのは、15μm未満であると凹凸が細かすぎて
板面との間にスリップが生じやすくなるためであり、1
7μmを超えると凹凸が粗すぎて凸部分が板面損傷因子
となり易いからである。請求項2に係る方法によれば、
前記請求項1に係る補助ロールが好適に作製される。す
なわち、クロムメッキ工程によって、ショットブラスト
処理後の凹凸の角部が曲面状になるし、仕上げ研磨工程
によって大きく突出した凸部がなくなるため、補助ロー
ル表面に必要な凹凸を付けながら、直接的な板面損傷因
子を少なくすることができる。
mとしたのは、15μm未満であると凹凸が細かすぎて
板面との間にスリップが生じやすくなるためであり、1
7μmを超えると凹凸が粗すぎて凸部分が板面損傷因子
となり易いからである。請求項2に係る方法によれば、
前記請求項1に係る補助ロールが好適に作製される。す
なわち、クロムメッキ工程によって、ショットブラスト
処理後の凹凸の角部が曲面状になるし、仕上げ研磨工程
によって大きく突出した凸部がなくなるため、補助ロー
ル表面に必要な凹凸を付けながら、直接的な板面損傷因
子を少なくすることができる。
【0014】なお、ショットブラスト工程で、処理後の
表面粗さを最大高さで16〜20μmとしたのは、仕上
げ研磨工程での研磨代を残すためである。また、最終的
な表面粗さを最大高さで15〜17μmとしたのは、1
5μm未満であると凹凸が細かすぎて板面との間にスリ
ップが生じやすくなるためであり、17μmを超えると
凹凸が粗すぎて凸部分が板面損傷因子となり易いからで
ある。また、クロムメッキ工程におけるメッキ厚を30
〜100μmとしたのは、30μm未満であると、仕上
げ研磨工程でメッキ皮膜が削り取られる際に、地肌が露
出する可能性が高くなるからであり、100μmを超え
ると衝撃によりメッキ皮膜が割れ易くなるからである。
表面粗さを最大高さで16〜20μmとしたのは、仕上
げ研磨工程での研磨代を残すためである。また、最終的
な表面粗さを最大高さで15〜17μmとしたのは、1
5μm未満であると凹凸が細かすぎて板面との間にスリ
ップが生じやすくなるためであり、17μmを超えると
凹凸が粗すぎて凸部分が板面損傷因子となり易いからで
ある。また、クロムメッキ工程におけるメッキ厚を30
〜100μmとしたのは、30μm未満であると、仕上
げ研磨工程でメッキ皮膜が削り取られる際に、地肌が露
出する可能性が高くなるからであり、100μmを超え
ると衝撃によりメッキ皮膜が割れ易くなるからである。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、請求項1の一実施例に相当する補助ロー
ルの表面部分を示す断面図であり、請求項2に係る表面
加工方法で作製する際の各工程毎に示してある。先ず、
センジミアミル用の形状検出ローラ(兼デフレクトロー
ル)の外周材として一般的に使用される素材(材質:S
KD鋼)を用い、これを所定形状に加工して外周材1を
作製した後に、この外周材1で通常の手段により形状検
出ローラを組み立てた後に、その外周面に対して一般的
な方法で予備研磨を行って、表面粗さを最大高さ
(RY )で10μm以下、算術平均粗さ(Ra )で2.
0μm以下とする。
する。図1は、請求項1の一実施例に相当する補助ロー
ルの表面部分を示す断面図であり、請求項2に係る表面
加工方法で作製する際の各工程毎に示してある。先ず、
センジミアミル用の形状検出ローラ(兼デフレクトロー
ル)の外周材として一般的に使用される素材(材質:S
KD鋼)を用い、これを所定形状に加工して外周材1を
作製した後に、この外周材1で通常の手段により形状検
出ローラを組み立てた後に、その外周面に対して一般的
な方法で予備研磨を行って、表面粗さを最大高さ
(RY )で10μm以下、算術平均粗さ(Ra )で2.
0μm以下とする。
【0016】この予備研磨された外周材1の外周面(ロ
ール表面)に対して、♯100程度の砂鉄粒子を用いて
ショットブラスト処理を施すことにより、図1(a)に
示すように、当該外周面を最大高さ16〜20μmの表
面粗さとする。これにより、深さと径が比較的大きな凹
部2が表面に生じる。これが、請求項2のショットブラ
スト工程に相当する。
ール表面)に対して、♯100程度の砂鉄粒子を用いて
ショットブラスト処理を施すことにより、図1(a)に
示すように、当該外周面を最大高さ16〜20μmの表
面粗さとする。これにより、深さと径が比較的大きな凹
部2が表面に生じる。これが、請求項2のショットブラ
スト工程に相当する。
【0017】次に、このショットブラスト処理後の外周
面に対して一般的なクロムメッキを施し、図1(b)に
示すように、表面に厚さ30〜100μmのクロムメッ
キ皮膜3を形成する。これが、請求項2のクロムメッキ
工程に相当する。このクロムメッキ工程によって、ショ
ットブラスト処理後の凹凸の角部が曲面状になる。次
に、このクロムメッキ処理後の外周面を一般的な方法で
仕上げ研磨して、表面を最大高さ15〜17μmの表面
粗さとする。これが、請求項2の仕上げ研磨工程に相当
する。この仕上げ研磨工程によって、図1(c)に示す
ように、大きく突出した凸部4の先端が削り取られてな
くなる。
面に対して一般的なクロムメッキを施し、図1(b)に
示すように、表面に厚さ30〜100μmのクロムメッ
キ皮膜3を形成する。これが、請求項2のクロムメッキ
工程に相当する。このクロムメッキ工程によって、ショ
ットブラスト処理後の凹凸の角部が曲面状になる。次
に、このクロムメッキ処理後の外周面を一般的な方法で
仕上げ研磨して、表面を最大高さ15〜17μmの表面
粗さとする。これが、請求項2の仕上げ研磨工程に相当
する。この仕上げ研磨工程によって、図1(c)に示す
ように、大きく突出した凸部4の先端が削り取られてな
くなる。
【0018】このようにして、形状検出ローラの外周材
1の外周面に、最大高さが15〜17μmの凹凸であっ
て、角部が曲面化され、且つ大きく突出した凸部4がな
い、クロムメッキ皮膜3からなる凹凸面5が形成され
る。このようにして得られた、外周材1の外周面全体に
凹凸面5を有する形状検出ローラを、20段センジミア
ミルの両端にデフレクトロール兼形状検出ローラとして
配置し、SUS304の高輝焼鈍材(板厚4.0mm、
板幅1250mm)を、入出側張力40ton、巻付角
20〜37°で冷間圧延することにより、その板厚を
1.68mmまで圧下してから、最終仕上げパスで1.
5mmとした。その結果、得られた冷間圧延ステンレス
鋼帯の板面には損傷が全く生じていなかった。
1の外周面に、最大高さが15〜17μmの凹凸であっ
て、角部が曲面化され、且つ大きく突出した凸部4がな
い、クロムメッキ皮膜3からなる凹凸面5が形成され
る。このようにして得られた、外周材1の外周面全体に
凹凸面5を有する形状検出ローラを、20段センジミア
ミルの両端にデフレクトロール兼形状検出ローラとして
配置し、SUS304の高輝焼鈍材(板厚4.0mm、
板幅1250mm)を、入出側張力40ton、巻付角
20〜37°で冷間圧延することにより、その板厚を
1.68mmまで圧下してから、最終仕上げパスで1.
5mmとした。その結果、得られた冷間圧延ステンレス
鋼帯の板面には損傷が全く生じていなかった。
【0019】これは、図1(c)に示すように、前記形
状検出ローラの表面の凹部51が従来の補助ロール表面
の凹部よりも大きなものであるため、板面との接触の際
に当該板面に付着している圧延油がこの凹部51に溜ま
り、溜まった圧延油が潤滑剤となったことや、凹凸面5
がクロムメッキ皮膜で形成されているため、従来の補助
ロールよりも表面硬度が高くなったことから、ロール表
面の耐磨耗性が高くなり、板面との間にスリップが生じ
にくくなってピックアップが生じなったからである。
状検出ローラの表面の凹部51が従来の補助ロール表面
の凹部よりも大きなものであるため、板面との接触の際
に当該板面に付着している圧延油がこの凹部51に溜ま
り、溜まった圧延油が潤滑剤となったことや、凹凸面5
がクロムメッキ皮膜で形成されているため、従来の補助
ロールよりも表面硬度が高くなったことから、ロール表
面の耐磨耗性が高くなり、板面との間にスリップが生じ
にくくなってピックアップが生じなったからである。
【0020】また、板面との間にスリップが生じて当該
ロールが板材を削り取ったとしても、この削り取られた
材料粉は凹部51を介してロール表面から排除されて、
ピックアップが発生しなかったためである。さらに、こ
の凹凸面5の角部は曲面化されて、局部的に突出した凸
部がなく、ロール表面に直接的な板面損傷因子が少なか
ったからである。
ロールが板材を削り取ったとしても、この削り取られた
材料粉は凹部51を介してロール表面から排除されて、
ピックアップが発生しなかったためである。さらに、こ
の凹凸面5の角部は曲面化されて、局部的に突出した凸
部がなく、ロール表面に直接的な板面損傷因子が少なか
ったからである。
【0021】また、このようにロール表面の硬度が高い
ことから、形状検出精度も低下しなかった。なお、前記
実施例では、補助ロールとして形状検出ローラを例に挙
げて説明したが、本発明は、ステンレス鋼用冷間圧延機
で使用されるこれ以外の補助ロール(例えば、専用のデ
フレクトロール)に適用できることは言うまでもない。
ことから、形状検出精度も低下しなかった。なお、前記
実施例では、補助ロールとして形状検出ローラを例に挙
げて説明したが、本発明は、ステンレス鋼用冷間圧延機
で使用されるこれ以外の補助ロール(例えば、専用のデ
フレクトロール)に適用できることは言うまでもない。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の補助ロ
ールによれば、表面の耐磨耗性および耐ピックアップ性
が高く、且つ表面に直接的な板面損傷因子が少ないた
め、補助ロール表面性状に起因する板面の削り取り疵や
凹み疵の発生が防止されて、表面性状の優れたステンレ
ス鋼を得ることができる。また、この補助ロールを接触
式形状検出ローラとしても形状検出精度の低下はなく、
他の機能の低下を生じさせない効果もある。
ールによれば、表面の耐磨耗性および耐ピックアップ性
が高く、且つ表面に直接的な板面損傷因子が少ないた
め、補助ロール表面性状に起因する板面の削り取り疵や
凹み疵の発生が防止されて、表面性状の優れたステンレ
ス鋼を得ることができる。また、この補助ロールを接触
式形状検出ローラとしても形状検出精度の低下はなく、
他の機能の低下を生じさせない効果もある。
【0023】請求項2の方法では、前記請求項1の補助
ロールを好適に作製することができるため、作製された
補助ロールにより前記と同様の効果が得られる。
ロールを好適に作製することができるため、作製された
補助ロールにより前記と同様の効果が得られる。
【図1】請求項1の一実施例に相当する補助ロールであ
って、請求項2に係る表面加工方法で得られたものの表
面部分を示す断面図であり、(a)は、請求項2に係る
表面加工方法のショットブラスト工程後の形状、(b)
は同様のクロムメッキ工程後の形状、(c)は同様の仕
上げ研磨工程後の形状をそれぞれ示す。
って、請求項2に係る表面加工方法で得られたものの表
面部分を示す断面図であり、(a)は、請求項2に係る
表面加工方法のショットブラスト工程後の形状、(b)
は同様のクロムメッキ工程後の形状、(c)は同様の仕
上げ研磨工程後の形状をそれぞれ示す。
【符号の説明】 1 外周材(ロール表面) 2 凹部 3 クロムメッキ皮膜 5 凹凸面 51 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 27/00 - 28/04 B24C 1/06
Claims (2)
- 【請求項1】 ロール表面が最大高さ15〜17μmの
凹凸面であり、この凹凸面はクロムメッキ皮膜で形成さ
れ、且つ角部が曲面化されたものであることを特徴とす
るステンレス鋼用冷間圧延機の補助ロール。 - 【請求項2】 ショットブラスト処理を施すことにより
ロール表面を最大高さ16〜20μmの表面粗さとする
ショットブラスト工程と、当該ショットブラスト処理後
のロール表面に厚さ30〜100μmのクロムメッキ処
理を施すクロムメッキ工程と、当該クロムメッキ処理後
のロール表面を研磨して当該ロール表面を最大高さ15
〜17μmの表面粗さとする仕上げ研磨工程とからなる
ことを特徴とするステンレス鋼用冷間圧延機の補助ロー
ルの表面加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32637494A JP2880418B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | ステンレス鋼用冷間圧延機の補助ロールおよびその表面加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32637494A JP2880418B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | ステンレス鋼用冷間圧延機の補助ロールおよびその表面加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08174015A JPH08174015A (ja) | 1996-07-09 |
JP2880418B2 true JP2880418B2 (ja) | 1999-04-12 |
Family
ID=18187094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32637494A Expired - Fee Related JP2880418B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | ステンレス鋼用冷間圧延機の補助ロールおよびその表面加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2880418B2 (ja) |
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