JP2877031B2 - パターン縫いミシン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、糸切り機構を備えたパ
ターン縫いミシンに関し、特に縫針の針落ち位置よりも
半回転中釜における反開放端側において上糸の糸ループ
を捕捉する通常剣先型の半回転中釜と、針落ち位置より
も半回転中釜における開放端側において糸ループを捕捉
する逆剣先型の半回転中釜とを選択的に装着できるよう
にし、その装着した半回転中釜の種類に応じた糸切り機
構に簡単に改造できるようにしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】パターン縫いミシンは、加工布を平面上
の任意方向へ移動駆動しつつ、加工布に種々のパターン
を縫製する為のミシンである。このパターン縫いミシン
は、一般に、加工布支持面を構成する針板の針穴を通過
して上下動する縫針と、その縫針を支持する針棒を昇降
駆動する針棒駆動機構と、上糸を緩めたり引き上げたり
する天秤と、天秤を上下に揺動駆動する天秤駆動機構
と、縫針と協働して本縫い縫目を形成するため針板の下
側に配設された糸輪捕捉器としての半回転釜ユニット
と、この半回転釜ユニットの半回転中釜を約半回転ずつ
往復回転駆動する釜駆動機構、加工布支持面上において
加工布が縫針の上下動通路を横切って移動するように加
工布を保持する加工布保持機構と、その加工布保持機構
によって保持された加工布を針板に間欠的に押える間欠
押え機構等を有する。前記加工布保持機構は、Ｘ軸駆動
機構とＹ軸駆動機構とを含み、加工布をＸ軸方向とＹ軸
方向の２方向へ夫々自由に移動駆動できるようになって
いる。

【０００３】ここで、前記半回転釜ユニット４０は、実
施例に係る図３・図４に示すように、通常、ベッド部に
固着された大釜４１と、その大釜４１内に、操作者側を
前方として前後方向向きの水平軸の周りに往復回動可能
に支承された半回転中釜４２とを備え、その半回転中釜
４２の前端は、ボビンケース４４を着脱可能に装着し得
るように開放状に形成されている。そして、その半回転
中釜４２には、開放端側から視て時計周り方向へドライ
バ４３により回転駆動されるときに、縫針９の針落ち位
置よりも開放端と反対側において、縫針９の目孔を挿通
して加工布Ｗに連なる上糸１１の糸ループを縫針９より
も後側において捕捉する剣先４２ａが形成されている。
ここで、その半回転中釜４２は、一般的に用いられる通
常剣先型である。

【０００４】ところで、この種のパターン縫いミシンに
おいては、縫製作業の終了時に、加工布Ｗに連なる布側
上糸１１ｂを切断する糸切り機構５０を備えたものが実
用に供されている。この糸切り機構５０について簡単に
説明すると、図３・図５に示すように、針板７と半回転
釜ユニット４０との間には、針板７側から固定刃５３と
可動刃５１と大釜４１の上端部に固着された釜糸案内部
材５４とが順次配設され、その可動刃５１は、布側上糸
１１ｂと下糸とを捕捉し得るように、針落ち位置Ｎの前
側で且つ右側の所定位置を揺動中心として揺動自在に針
板７に枢着されている。

【０００５】そして、４つのレバー６２〜６５からなる
駆動用リンク系６０を介して駆動レバー６２に連結さ
れ、その駆動レバー６２の往復駆動により、実線で示す
待機位置から２点鎖線で示す最大揺動位置に平面視にて
時計回り方向に往動した後、元の待機位置に復動され、
針落ち位置Ｎよりも前側の所定位置において、可動刃５
１に捕捉されて加工布Ｗに連なる布側上糸１１ｂと下糸
とが、固定刃５３と可動刃５１との協働により同時に切
断される。

【０００６】即ち、前記釜糸案内部材５４には、縫針９
の上下動を許可する針通過用切欠き穴５４ａが形成され
るとともに、縫針９の目孔９ａを挿通した上糸１１の布
側上糸１１ｂと天秤から供給される天秤側上糸１１ａと
を振り分ける糸分け部５４ｂが形成されており、縫針９
が下降して、その最下降位置から若干上昇したときに、
布側上糸１１ｂの糸ループが剣先４２ａにより縫針９よ
りも後側で捕捉されてその糸ループが拡大される（図３
参照）。

【０００７】このとき、糸分け部５４ｂにより、布側上
糸１１ｂが針落ち位置Ｎよりも後側に振り分けられ且つ
天秤側上糸１１ａが針落ち位置Ｎよりも前側に振り分け
られているので、可動刃５１が駆動レバー６２の駆動に
より往動されるときに、その先端の糸捌き部５１ａがこ
れら両側上糸１１ａ，１１ｂの間に後側から前側から割
り込んで（図６参照）、天秤側上糸１１ａを第２案内部
５１ｂで退避させる一方、布側上糸１１ｂを可動刃５１
の先端の湾曲状の第１案内部５１ｃに沿って後方に移動
させておく（図７参照）。

【０００８】そして、可動刃５１が反時計回り方向に復
動されるときに、布側上糸１１ｂと下糸とが可動刃５１
の捕捉用切欠き部５１ｄで捕捉され（図８参照）、その
後固定刃５３の刃と可動刃５１の刃との協働で布側上糸
１１ｂと下糸とが同時に切断される（図９参照）。そし
て、最終的に、可動刃５１は図５に実線で示す元の待機
位置に復帰する。

【０００９】一方、前記通常剣先型の半回転中釜を装備
したミシンにより本縫い縫目を形成する際に、正常な縫
目のパーフェクトステッチと、異常な縫目のヒッチステ
ッチとが形成される。即ち、上糸に対して縫針が右側に
落ちるとパーフェクトステッチとなり、上糸に対して縫
針が左側に落ちるとヒッチステッチとなる。このヒッチ
ステッチでは、上糸と下糸とで形成される縫目の表面側
または裏面側に上糸の捩れ個所が発生し、加工布に形成
される縫目の品質が低下するので好ましくない。

【００１０】前記ヒッチステッチの発生は、運針方向
（加工布の縫目に対して相対的に縫針が進行する方向）
と関連があり、運針方向によってヒッチステッチが発生
したり発生しなかったりし、また、ヒッチステッチが発
生する運針方向は、半回転釜の型式と関連している。即
ち、通常剣先型の半回転中釜を装備したパターン縫いミ
シンでは、広範囲の運針方向に亙ってヒッチステッチが
発生することは、実験的に調査して判明している。

【００１１】そこで、本願の発明者は、図３に示す通常
剣先型の半回転中釜に代えて、実施例に係る図１１・図
１２に示すように、前端の開放端側から視て時計周り方
向へドライバ１４３により回転駆動されるときに、縫針
９の針落ち位置よりも開放端側において、縫針９の目孔
９ａを前方に向けて挿通して加工布Ｗに連なる上糸１１
の糸ループを縫針９よりも前側において捕捉するように
剣先１４２ａを形成した逆剣先型の半回転中釜１４２を
装着することで、ヒッチステッチの発生を極力抑制でき
ることに着想した。

【００１２】ここで、ヒッチステッチの発生を極力抑制
してパーフェクトステッチの実現の為に、パターン縫い
ミシンに、通常剣先型の半回転中釜に代えて逆剣先型の
半回転釜を装着した場合、天秤からの上糸を縫針の目孔
に、アーム側である後側から挿通させるようにして、剣
先により加工布に連なる布側上糸を縫針よりも前側にお
いて捕捉することから、糸切り機構による糸切断に供さ
れるのは、釜糸案内部材の糸分け部で針落ち位置よりも
後側に振り分けられた天秤側上糸であることから、目孔
から延びる天秤側上糸の長さが短くなり、次の縫製時に
天秤側上糸が目孔から抜けることになる。

【００１３】そこで、糸分け部で針落ち位置よりも前側
に振り分けられた布側上糸を切断する為には、釜糸案内
部材や可動刃や固定刃について、その形状や取付け位置
が異なるものに夫々変更したり、可動刃の駆動用リンク
系も同時に変更するなどして、逆剣先型の半回転中釜に
最適な糸切り機構に改造することになる。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ユーザーと
しては、ヒッチステッチが発生することよりも、上糸を
縫針の目孔に前側から糸通しできて、糸通し作業が簡単
化することから、通常剣先型の半回転中釜を装着したパ
ターン縫いミシンを要望する反面、上糸を縫針の目孔に
後側から糸通しすることで、糸通し作業がし難いが、パ
ーフェクトステッチが実現できるように、逆剣先型の半
回転中釜を装着したパターン縫いミシンを要望する場合
がある。即ち、通常剣先型の半回転中釜を装着した糸切
り機構付きパターン縫いミシンと逆剣先型の半回転中釜
を装着した糸切り機構付きパターン縫いミシンとは、こ
れら半回転中釜や糸切り機構に関して相互に互換性がな
く、メーカー側では予め需要台数を見込んで、これら通
常剣先型の半回転中釜や逆剣先型の半回転中釜を装着し
た糸切り機構付きパターン縫いミシンを夫々別個に複数
台生産することから、需要が少ない方のパターン縫いミ
シンが販売されずに在庫として残ってしまうという問題
がある。

【００１５】本発明の目的は、パターン縫いミシンを、
通常剣先型の半回転中釜を内蔵した半回転釜ユニットタ
イプと、逆剣先型の半回転中釜を内蔵した半回転釜ユニ
ットタイプとの何れか一方から他方に簡単に改造でき、
しかも改造した半回転釜ユニットタイプに最適な糸切り
機構に簡単に改造し得るようなパターン縫いミシンを提
供することである。

【００１６】

【課題を解決するための手段】請求項１のパターン縫い
ミシンは、針板の針穴を通過して上下動する縫針と、そ
の縫針と協働して本縫い縫目を形成するため針板の下側
に配設され且つ縫針の目孔を挿通した上糸の糸ループを
捕捉する半回転釜ユニットと、目孔を挿通した上糸の布
側上糸と天秤側上糸とを振り分ける糸分け部を有する釜
糸案内部材と、固定刃と、前記糸分け部で振り分けられ
た布側上糸と下糸とを往復揺動により捕捉して加工布の
近傍位置で固定刃と協働して切断する可動刃とを含み、
針板の下面側に配設された糸切り機構と、縫針の上下運
動と同期して可動刃を往復揺動させる駆動用リンク系と
を備えたパターン縫いミシンにおいて、半回転釜ユニッ
トは、ミシンのベッド部に固着された大釜と、大釜内
に、水平軸心の周りに往復回動可能に支承された第１半
回転中釜であって、開放端側からボビンケースを着脱可
能に装着し得るケース収容部と、縫針の針落ち位置より
も開放端と反対側において開放端側から視て時計回り方
向への回転時に糸ループを捕捉する剣先を有する第１半
回転中釜と、その第１半回転中釜と交換可能に追加的に
設けられ、大釜内に往復回動可能に支承された第２半回
転中釜であって、開放端側からボビンケースを着脱可能
に装着し得るケース収容部と、縫針の針落ち位置よりも
開放端側において開放端側から視て時計回り方向への回
転時に糸ループを捕捉する剣先を有する第２半回転中釜
とを備え、可動刃は、糸分け部で振り分けられた布側上
糸と天秤側上糸とを分離する為の糸捌き部が先端部に形
成されるとともに、この糸捌き部で分離された布側上糸
と天秤側上糸とを相互に離間させる為の第１案内部と第
２案内部とが夫々糸捌き部に連続させて形成され、更に
第１案内部で案内された布側上糸を捕捉する捕捉用切欠
き部が形成され、釜糸案内部材の糸分け部により針落ち
位置よりも第１半回転中釜における反開放端側に振り分
けられて第１案内部で案内された布側上糸を復動時に捕
捉用切欠き部で捕捉し得るように、針落ち位置よりも第
１半回転中釜における開放端側且つ開放端側から視て右
側の所定位置に揺動中心が設けられ、復動時に捕捉した
布側上糸と下糸とを固定刃との協働により切断する第１
可動刃と、その第１可動刃と交換可能に追加的に設けら
れる第２可動刃であって、糸分け部で振り分けられた布
側上糸と天秤側上糸とを分離する為の糸捌き部が先端部
に形成されるとともに、この糸捌き部で分離された布側
上糸と天秤側上糸とを相互に離間させる為の第１案内部
と第２案内部とが夫々糸捌き部に連続させて形成され、
更に第１案内部で案内された布側上糸を捕捉する捕捉用
切欠き溝が形成され、釜糸案内部材の糸分け部により針
落ち位置よりも第２半回転中釜における開放端側に振り
分けられて第１案内部で案内された布側上糸を復動時に
捕捉用切欠き溝で捕捉し得るように、針落ち位置よりも
第２半回転中釜における開放端側且つ開放端側から視て
右側の所定位置に揺動中心が設けられ、復動時に捕捉し
た布側上糸と下糸とを固定刃との協働により切断する第
２可動刃とを備え、第１半回転中釜及び第１可動刃と、
前記第２半回転中釜及び第２可動刃とは、択一的に装着
されるものである。

【００１７】請求項２のパターン縫いミシンは、請求項
１の発明において、前記第１可動刃と第２可動刃とは、
その揺動中心及び揺動範囲において共通に構成されたも
のである。

【００１８】

【作用】請求項１のパターン縫いミシンにおいては、針
板の下側に配設された半回転釜ユニットは、ベッド部に
固着された大釜と、この大釜内に往復回動可能に支承さ
れ、上糸の糸ループを縫針の針落ち位置よりも開放端と
反対側において捕捉する剣先を有する第１半回転中釜
と、この大釜内に往復回動可能に支承され、糸ループを
針落ち位置よりも開放端側において捕捉する剣先を有す
る第２半回転中釜とを備え、糸切り機構の可動刃は、糸
捌き部とこれに連続する第１案内部及び第２案内部と捕
捉用切欠き部とが夫々形成され、針落ち位置よりも第１
半回転中釜における開放端側且つ開放端側から視て右側
の所定位置に揺動中心が設けられた第１可動刃と、糸捌
き部とこれに連続する第１案内部及び第２案内部と捕捉
用切欠き溝とが夫々形成され、針落ち位置よりも第２半
回転中釜における開放端側且つ開放端側から視て右側の
所定位置に揺動中心が設けられた第２可動刃とを備えて
いるので、先ず、第１半回転中釜及び第１可動刃が択一
的に装着されたときには、次のように作用する。

【００１９】縫針が下降して、その最下降位置から若干
上昇したときに、縫針の目孔を挿通して加工布に連なる
布側上糸の糸ループが第１半回転中釜の剣先により針落
ち位置よりも第１半回転中釜における反開放端側で捕捉
されてその糸ループが拡大される。このとき、釜糸案内
部材の糸分け部により、布側上糸が針落ち位置よりも第
１半回転中釜における反開放端側に振り分けられ且つ天
秤側上糸が針落ち位置よりも第１半回転中釜における開
放端側に振り分けられているので、可動刃の糸捌き部が
これら両側上糸の間に前側から割り込んで、天秤側上糸
を第２案内部で退避させる一方、布側上糸を可動刃の第
１案内部に沿って後方に移動させておく。そして、可動
刃が復動されるときに、布側上糸と下糸とが可動刃の捕
捉用切欠き部で捕捉され、固定刃の刃と可動刃の刃との
協働で布側上糸と下糸とが同時に切断される。

【００２０】一方、第２半回転中釜及び第２可動刃が択
一的に装着されたときには、布側上糸の糸ループが第２
半回転中釜の剣先により針落ち位置よりも第２半回転中
釜における開放端側で捕捉されてその糸ループが拡大さ
れる。このとき、釜糸案内部材の糸分け部により、布側
上糸が針落ち位置よりも第２半回転中釜における開放端
側に振り分けられ且つ天秤側上糸が針落ち位置よりも半
回転中釜における反開放端側に振り分けられているが、
第２可動刃の揺動中心は、針落ち位置よりも第２半回転
中釜における開放端側且つ開放端側から視て右側に設け
られ、しかもその第２可動刃に捕捉用切欠き溝が形成さ
れていることから、第２可動刃の往動時に、糸捌き部で
確実に分離されるとともに、糸捌き部に連続する第１案
内部と第２案内部とにより、その分離された布側上糸と
天秤側上糸とが相互に離間される。このとき、第２案内
部で案内された布側上糸と下糸とは捕捉用切欠き部に捕
捉され、固定刃の刃と可動刃の刃との協働で布側上糸と
下糸とが同時に切断される。

【００２１】このように、半回転釜ユニットを、大釜
と、この大釜内に往復回動可能な第１半回転中釜と、こ
の第１半回転中釜と交換可能に追加的に設けられた第２
半回転中釜とを備え、可動刃を、糸捌き部と第１案内部
と第２案内部と捕捉用切欠き部とが形成された第１可動
刃と、この第１可動刃と交換可能に追加的に設けられた
第２可動刃とを備え、これら第１半回転中釜及び第１可
動刃と、第２半回転中釜及び第２可動刃とを、択一的に
装着するように構成したので、例えば、通常剣先型の第
１半回転中釜を内蔵した回転釜ユニットを備えた糸切り
機構付きパターン縫いミシンを生産しておき、ユーザー
の要望に応じて、メーカー側で或いはディーラー側で、
第１半回転中釜に代えて逆剣先型の第２半回転中釜を装
着したときには、第１可動刃に代えて第２可動刃を装着
するだけで、逆剣先型の第２半回転中釜に最適な糸切り
機構に簡単に改造することができる。

【００２２】またその逆に、逆剣先型の第２半回転中釜
を内蔵した回転釜ユニットを備えた糸切り機構付きパタ
ーン縫いミシンを生産しておき、ユーザーの要望に応じ
て、第２半回転中釜に代えて通常剣先型の第１半回転中
釜を装着したときには、第２可動刃に代えて第１可動刃
を装着するだけで、通常剣先型の第１半回転中釜に最適
な糸切り機構に簡単に改造することができる。

【００２３】請求項２のパターン縫いミシンにおいて
は、請求項１と同様の作用を奏するが、前記第１可動刃
と第２可動刃とは、その揺動中心及び揺動範囲において
共通に構成されているので、可動刃を第１可動刃から第
2 可動刃に、或いはその逆に交換する場合でも、可動刃
を揺動駆動する為の駆動用リンク系を交換することな
く、共用することができる。

【００２４】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
つつ説明する。本実施例に係るパターン縫いミシンは、
一般的なパターン縫いミシンと同様に、Ｘ軸駆動機構と
Ｙ軸駆動機構とを含む加工布保持機構を介して加工布を
任意方向に移動駆動しつつ、加工布に種々のパターンを
縫製する為のミシンである。図１に示すように、このパ
ターン縫いミシン１においては、ベッド部２と脚柱部３
とアーム部４のフレームを構成する本体フレームが設け
られ、ベッド部２内には上軸５のクランク部に連結され
た連棹により駆動される下軸４７（図３参照）が配設さ
れ、アーム部４内にはミシンモータで駆動される上軸５
が配設されている。

【００２５】このパターン縫いミシン１には、加工布支
持面６を構成する針板７の針穴８を通過して上下動する
縫針９と、この縫針９を支持する針棒１０と、この針棒
１０を昇降駆動する針棒駆動機構、上糸１１を緩めたり
引き締めたりする天秤１２と、この天秤１２を昇降駆動
する天秤駆動機構と、加工布支持面６上において加工布
Ｗが縫針９の上下動通路を横切って移動するように加工
布Ｗを保持する加工布保持機構３０と、この加工布保持
機構３０で保持された加工布Ｗを針板７に間欠的に押え
且つ縫針９の上下動を許す穴が形成された円筒状の間欠
押え足２７を有する間欠押え機構２０と、縫針９と協働
して本縫い縫目を形成するため針板７の下側に配設され
た半回転釜ユニット４０と、縫針９の上下動と同期させ
て半回転釜ユニット４０の半回転中釜４２を半回転ずつ
往復回転駆動する釜駆動機構等が設けられている。

【００２６】針棒駆動機構は、上軸５により針棒クラン
ク１３を介して針棒１０を昇降駆動するように構成さ
れ、天秤駆動機構は、上軸５により針棒クランク１３と
リンク１４とを介して天秤１２を昇降駆動するように構
成され、間欠押え機構２０は、上軸５の回転駆動力によ
り往復揺動駆動される揺動アーム２１によりリンク２２
とＬ形揺動リンク２３（支軸２４に回動自在に枢着され
ている）を介して押え棒２５を間欠的に昇降駆動し、間
欠押え足部材２６を間欠的に昇降駆動するように構成し
てある。

【００２７】前記押え棒２５の下端部には押え足部材２
６が取付けられ、この押え足部材２６の下端部に円筒状
の間欠押え足２７が一体形成され、この間欠押え足２７
は、針棒１０と同期して昇降駆動され、縫針９が加工布
Ｗに刺挿している間だけ、加工布Ｗを針板７に押えるよ
うに構成してある。尚、天秤運動軌跡と、針棒運動軌跡
とは、図１０に示す通りである。

【００２８】次に、加工布保持機構３０について簡単に
説明する。図２に示すように、加工布保持枠３１は、ベ
ース枠３２と押え枠３３との間に加工布Ｗの外周部分を
挟んで加工布Ｗを保持するものであり、この加工布保持
枠３１は、ベッド部２の上面を含む平面上に配設され、
この加工布保持枠３１を上軸５と平行なＹ軸方向へパル
スモータで駆動するＹ軸駆動機構と、加工布保持枠３１
をＹ軸と直交するＸ軸方向へパルスモータで駆動するＸ
軸駆動機構とを含む枠駆動機構により、加工布保持枠３
１はＸ軸方向とＹ軸方向とに夫々独立に且つ高精度に移
動駆動されるように構成してある。

【００２９】次に、前記半回転釜ユニット４０と釜駆動
機構について説明する。図１〜図４に示すように、この
半回転釜ユニット４０は、ベッド部２に固着された大釜
４１と、その大釜４１内に、操作者側を前方として前後
方向向きの水平軸心の周りに往復回動可能に支承された
通常剣先型の半回転中釜４２（これが第１半回転中釜に
相当する）とを備え、その半回転中釜４２の内部には、
ボビンケース４４を着脱可能に装着し得るケース収容部
４２ｂが形成されるとともに、半回転中釜４２の前端
は、ボビンケース４４を着脱可能に装着し得るように開
放状に形成されている。そして、その半回転中釜４２に
は、更に、開放端側から視て時計回り方向へドライバ４
３により回転駆動されるときに、縫針９の針落ち位置Ｎ
よりも開放端と反対側において、縫針９の目孔９ａを挿
通して加工布Ｗに連なる上糸１１の糸ループを縫針９よ
りも後側において捕捉する剣先４２ａが形成されてい
る。

【００３０】前記半回転中釜４２は、ドライバー４３で
図２に示す正面視（開放端側から視た場合に相当する）
において時計回り方向へ駆動される際に、半回転中釜４
２の剣先４２ａにより、縫針９の目孔９ａを挿通して加
工布Ｗに連なる布側上糸１１ｂの糸ループを縫針９より
も後側において捕捉し、剣先４２ａが半回転する間にボ
ビンケース４４が拡大された糸ループに挿入状態とな
り、その後剣先４２ａから離れた上糸１１が天秤１２に
より取上げられる際に、ボビンケース４４が糸ループを
くぐり抜けて、上糸１１と下糸とが交絡することにな
る。即ち、この半回転中釜４２は、図９に示す従来の通
常剣先型に対して、逆剣先型として構成されている。

【００３１】次に、針板７の直ぐ下側に設けられ、加工
布Ｗから延びる布側上糸１１ｂと下糸とを切断する糸切
り機構５０について、図２〜図３、図５に基づいて説明
する。針板７の下側に配設された通常剣先型の可動刃５
１（これら第１可動刃に相当し、以下、単に可動刃とい
う）は、図１１に示す従来の可動刃１５１と同様に、布
側上糸１１ｂと下糸とを捕捉し得るように、針落ち位置
Ｎよりも前側且つ右側（半回転中釜４２における開放端
側且つ開放端側から視て右側に相当する）の所定位置を
揺動中心としてビス５２により針板７に揺動自在に枢支
され、その可動刃５１の直ぐ上側に設けられた平面視略
逆Ｊ字状の固定刃５３は、前後方向位置調節可能に針板
７にビス止めされている。

【００３２】ここで、この可動刃５１には、その先端部
に糸捌き部５１ａが形成されるとともに、この糸捌き部
５１ａに連続する第２案内部５１ｂが形成される一方、
この糸捌き部５１ａに連続する第１糸案内部５１ｃと、
この第１糸案内部５１ｃで案内された布側上糸１１ｂを
捕捉する捕捉用切欠き部５１ｄとが夫々形成されてい
る。

【００３３】そして、可動刃５１を揺動駆動する駆動用
リンク系６０は、駆動軸６１に固着された駆動レバー６
２に作動レバー６３が連結され、この作動レバー６３に
揺動レバー６４が連結され、この揺動レバー６４に連結
レバー６５が連結され、この連結レバー６５に可動刃５
１が連結されている。ここで、縫針９の上下動と同期し
て揺動する可動刃５１の運動軌跡は、図１０に示す通り
である。一方、可動刃５１の直ぐ下側に設けられた板状
の釜糸案内部材５４は、半回転釜ユニット４０の大釜４
１の上端部に水平状に左右方向位置調節可能にビス止め
されている。

【００３４】この釜糸案内部材５４の略中央部には、縫
針９の上下動を許可する針通過用切欠き穴５４ａが形成
されるとともに、縫針９の目孔９ａを挿通した上糸１１
の布側上糸１１ｂを針落ち位置Ｎよりも後側に振り分け
且つ天秤１２から供給される天秤側上糸１１ａを針落ち
位置Ｎよりも前側に振り分ける糸分け部５４ｂが形成さ
れている。

【００３５】次に、以上説明した通常剣先型の半回転釜
ユニット４０を設けたパターン縫いミシン１の作用につ
いて説明する。加工布保持枠３１に加工布Ｗを装着し、
その加工布保持枠３１を枠駆動機構によりＸ軸方向とＹ
軸方向とに夫々独立に移動駆動しつつ、加工布Ｗに種々
のパターンの縫製を行うことになるが、これらについて
は通常のパターン縫いミシンと同様であるので、これ以
上の説明は省略し、糸切り機構５０の作用について説明
する。ここで、この糸切り機構５０の作用については、
従来技術の項で説明したので簡単に説明するものとす
る。

【００３６】即ち、前記釜糸案内部材５４には、縫針９
の目孔９ａを挿通した上糸１１の布側上糸１１ｂと天秤
側上糸１１ａとを振り分ける糸分け部５４ｂが形成され
ており、縫針９が下降して、その最下降位置から若干上
昇したときに、布側上糸１１ｂの糸ループが剣先４２ａ
により縫針９よりも後側で捕捉されてその糸ループが拡
大される。

【００３７】このとき、糸分け部５４ｂにより、布側上
糸１１ｂが針落ち位置Ｎよりも後側に振り分けられ且つ
天秤側上糸１１ａが針落ち位置Ｎよりも前側に振り分け
られているので、可動刃５１が時計回り方向に往動され
るときに、図６に示すように、その先端の糸捌き部５１
ａがこれら両側上糸１１ａ，１１ｂの間に前側から割り
込むことで、図７に示すように、天秤側上糸１１ａを第
２案内部５１ｂで退避させる一方、布側上糸１１ｂを可
動刃５１の湾曲状の第１案内部５１ｃに沿って後方に移
動させておく。

【００３８】そして、図８に示すように、可動刃５１が
反時計回り方向に復動されるときに、布側上糸１１ｂと
下糸とが可動刃５１の捕捉用切欠き部５４ｄで捕捉さ
れ、その後図９に示すように、固定刃５３の刃と可動刃
５１の刃との協働で布側上糸１１ｂと下糸とが同時に切
断される。そして、最終的に、可動刃５１は図５に実線
で示す元の待機位置に復帰する。

【００３９】ところで、このパターン縫いミシン１の半
回転釜ユニット４０には、大釜４１内に往復回動可能に
支承される逆剣先型の半回転中釜１４２（これが第２半
回転中釜に相当する）が前記通常剣先型の半回転中釜４
２と交換可能に追加的に設けられている。即ち、図１１
に示すように、前記大釜４１内には、操作者側を前方と
して前後方向向きの水平軸心の周りに往復回動可能な逆
剣先型の半回転中釜１４２が、前記通常剣先型の半回転
中釜４２と交換して支承されている。

【００４０】その半回転中釜１４２の内部には、ボビン
ケース４４を着脱可能に装着し得るケース収容部１４２
ｂが形成されるとともに、半回転中釜１４２の前端は、
ボビンケース４４を着脱可能に装着し得るように開放状
に形成されている。そして、その半回転中釜１４２に
は、更に、開放端側から視て時計回り方向へドライバ４
３により回転駆動されるときに、縫針９の針落ち位置Ｎ
よりも開放端側において、縫針９の目孔９ａを挿通して
加工布Ｗに連なる上糸１１の糸ループを縫針９よりも前
側において捕捉する剣先１４２ａが形成されている。

【００４１】そして、前記糸切り機構５０には、可動刃
５１と交換可能な可動刃１５１（第２可動刃に相当す
る）と、釜糸案内部材５４と交換可能な釜糸案内部材１
５４とが追加的に設けられている。即ち、図１３に示す
ように、釜糸案内部材１５４の略中央部には、縫針９の
上下動を許可する針通過用切欠き穴１５４ａが形成され
るとともに、縫針９の目孔９ａを挿通した布側上糸１１
ｂを針落ち位置Ｎよりも前側に振り分け且つ天秤側上糸
１１ａを針落ち位置Ｎよりも後側に振り分ける平面視略
三角形状の糸分け部１５４ｂが形成されている。更に、
釜糸案内部材１５４には、糸分け部１５４ｂで振り分け
られた天秤側上糸１１ａを切断しないように退避させる
退避用切欠き溝１５４ｃが針通過用切欠き穴１５４ａに
連続的に形成されている。

【００４２】一方、可動刃１５１は、図５に示す従来の
可動刃５１と同様に、布側上糸１１ｂと下糸とを捕捉し
得るように、針落ち位置Ｎよりも前側且つ右側の所定位
置を揺動中心としてビス５２により針板７に揺動自在に
枢支されている。そして、この可動刃１５１には、その
先端部に糸捌き部１５１ａが形成されるとともに、この
糸捌き部１５１ａに連続する糸誘導部１５１ｂ（第２案
内部に相当する）が形成される一方、この糸捌き部１５
１ａに連続する糸案内部１５１ｃ（第１糸案内部に相当
する）と、この糸案内部１５１ｃで案内された布側上糸
１１ｂを捕捉する捕捉用切欠き溝１５１ｄとが夫々形成
されている。

【００４３】ここで、図１１に示すように、図３に示す
通常剣先型の半回転中釜４２に代えて、前記逆剣先型の
半回転中釜１４２を取り外し可能に装着したときには、
図５に示す可動刃５１及び釜糸案内部材５４に代えて、
可動刃１５１と釜糸案内部材１５４とが夫々取り外し可
能に装着される。このとき、この固定刃１５３は固定刃
５３と同一のものであり、またこの可動刃１５１は可動
刃５１に対して、その大きさや揺動中心や揺動範囲にお
いて共通に構成されていることから、駆動用リンク系６
０を何ら変更する必要はない。

【００４４】そして、パターン縫製の最終縫いサイクル
に際して、縫針９が下降して、その最下降位置から若干
上昇したときに、布側上糸１１ｂの糸ループが剣先１４
２ａにより縫針９よりも前側で捕捉されてその糸ループ
が拡大される。このとき、糸分け部１５４ｂにより、布
側上糸１１ｂが針落ち位置Ｎよりも前側に振り分けられ
且つ天秤側上糸１１ａが針落ち位置Ｎよりも後側に振り
分けられているので、可動刃１５１が駆動レバー６２の
駆動により時計回り方向に往動されるときに、図１４に
示すように、その糸捌き部１５１ａがこれら両側上糸１
１ａ，１１ｂの間に前側から割り込んで、布側上糸１１
ｂが糸案内部１５１ｃで案内されて捕捉用切欠き溝１５
１ｄに捕捉される一方、天秤側上糸１１ａは糸誘導部１
５１ｂにより退避用切欠き溝１５４ｃに誘導され、切断
しないように退避される。即ち、これら糸誘導部１５１
ｂと１糸案内部５１ｃとにより、糸捌き部１５１ａで分
離された両側上糸１１ａ，１１ｂとが相互に離間され
る。

【００４５】そして、図１５に示すように、可動刃１５
１が反時計回り方向に復動されるときに、捕捉用切欠き
溝１５１ａに捕捉されている布側上糸１１ｂと下糸とが
固定刃１５３の刃と可動刃１５１の刃との協働で布側上
糸１１ｂが加工布Ｗの近傍位置で切断される。そして、
最終的に、可動刃１５１は図１３に実線で示す元の待機
位置に復帰される。このとき、退避用切欠き溝１５４ｃ
に退避していた天秤側上糸１１ａは切断されることはな
い。即ち、目孔９ａから延びる天秤側上糸１１ａは十分
に長くなっており、次の縫製時に天秤側上糸１１ａが目
孔９ａから抜けることがない。

【００４６】以上のように、半回転釜ユニット４０は、
ベッド部２に固着された大釜４１と、この大釜４１内に
往復回動可能に支承され、上糸１１の糸ループを縫針９
の針落ち位置Ｎよりも開放端と反対側において捕捉する
剣先４２ａを有する通常剣先型の半回転中釜４２と、こ
の大釜４１内に往復回動可能に支承され、糸ループを針
落ち位置Ｎよりも開放端側において捕捉する剣先１４２
ａを有する逆剣先型の半回転中釜１４２とを備え、糸切
り機構５の可動刃は、糸捌き部５１ａとこれに連続する
第１案内部５１ｃ及び第２案内部５１ｂと捕捉用切欠き
部５１ｄとが夫々形成され、針落ち位置Ｎよりも前側且
つ右側の所定位置に揺動中心が設けられた可動刃５１
と、糸捌き部１５１ａとこれに連続する糸案内部１５１
ｃ及び糸誘導部１５１ｂと捕捉用切欠き溝１５１ｄとが
夫々形成され、針落ち位置Ｎよりも前側且つ右側の所定
位置に揺動中心が設けられた可動刃１５１とを備え、こ
れら通常剣先型の半回転中釜４２及び可動刃５１と、逆
剣先型の半回転中釜１４２及び可動刃１５１とを、択一
的に装着するように構成したので、例えば、通常剣先型
の半回転中釜４２を内蔵した半回転釜ユニット４０を備
えた糸切り機構付きパターン縫いミシンを生産してお
き、ユーザーの要望に応じて、メーカー側で或いはディ
ーラー側で、半回転中釜４２と可動刃５１及び釜糸案内
部材５４に代えて逆剣先型の半回転中釜１４２と可動刃
１５１及び釜糸案内部材１５４を装着するだけで、逆剣
先型の半回転中釜１４２に最適な糸切り機構に簡単に改
造することができる。

【００４７】次に、前記実施例を部分的に変更した変更
態様について説明する。 １〕 前記捕捉用切欠き溝１５１ｄの形状は、前記実施
例の形状に限定されるものではなく、種々の形状に形成
可能である。 ２〕 前記実施例は半回転釜ユニットを装備したパター
ン縫いミシンに本発明を適用した例について説明した
が、往復回動する半回転中釜の水平軸心の方向が下軸４
７に対して９０°回転させて配置された半回転釜ユニッ
トを設けたパターン縫いミシンなどにも本発明を同様に
適用可能である。

【００４８】

【発明の効果】請求項１のパターン縫いミシンにおいて
は、半回転釜ユニットは、ベッド部に固着された大釜
と、この大釜内に往復回動可能に支承され、上糸の糸ル
ープを縫針の針落ち位置よりも開放端と反対側において
捕捉する剣先を有する第１半回転中釜と、この大釜内に
往復回動可能に支承され、糸ループを針落ち位置よりも
開放端側において捕捉する剣先を有する第２半回転中釜
とを備え、糸切り機構の可動刃は、糸捌き部とこれに連
続する第１案内部及び第２案内部と捕捉用切欠き部とが
夫々形成され、針落ち位置よりも第１半回転中釜におけ
る開放端側且つ開放端側から視て右側の所定位置に揺動
中心が設けられた第１可動刃と、糸捌き部とこれに連続
する第１案内部及び第２案内部と捕捉用切欠き溝とが夫
々形成され、針落ち位置よりも第２半回転中釜における
開放端側且つ開放端側から視て右側の所定位置に揺動中
心が設けられた第２可動刃とを備え、これら第１半回転
中釜及び第１可動刃と、第２半回転中釜及び第２可動刃
とを、択一的に装着するように構成したので、例えば、
通常剣先型の第１半回転中釜を内蔵した回転釜ユニット
を備えた糸切り機構付きパターン縫いミシンを生産して
おき、ユーザーの要望に応じて、メーカー側で或いはデ
ィーラー側で、第１半回転中釜に代えて逆剣先型の第２
半回転中釜を装着したときには、第１可動刃に代えて第
２可動刃を装着するだけで、逆剣先型の第２半回転中釜
に最適な糸切り機構に簡単に改造することができる。

【００４９】請求項２のパターン縫いミシンによれば、
請求項１と同様の効果を奏するが、前記第１可動刃と第
２可動刃とは、その揺動中心及び揺動範囲において共通
に構成されているので、可動刃を第１可動刃から第2 可
動刃に、或いはその逆に交換する場合でも、可動刃を揺
動駆動する為の駆動用リンク系を交換することなく、共
用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るパターン縫いミシンの正
面図である。

【図２】パターン縫いミシンに設けた半回転釜ユニット
と糸切り機構等を示す部分正面図である。

【図３】通常剣先型の半回転中釜を装着した半回転釜ユ
ニットと糸切り機構等の側面図である。

【図４】通常剣先型の半回転中釜を装着した半回転釜ユ
ニットの平面図である。

【図５】通常剣先型の半回転中釜を装着した半回転釜ユ
ニットを備えたパターン縫いミシンに設けた糸切り機構
と駆動用リンク系の平面図である。

【図６】可動刃の往動時に天秤側上糸と布側上糸とを振
り分けるときの図５相当図である。

【図７】可動刃の往動時に天秤側上糸を退避させるとき
の図５相当図である。

【図８】可動刃の復動時に布側上糸を可動刃に捕捉させ
たときの図５相当図である。

【図９】可動刃の復動時に布側上糸を切断するときの図
５相当図である。

【図１０】天秤と針棒と可動刃の運動軌跡のタイムチャ
ートである。

【図１１】逆剣先型の半回転中釜を装着した半回転釜ユ
ニットと糸切り機構等の側面図である。

【図１２】逆剣先型の半回転中釜を装着した半回転釜ユ
ニットの平面図である。

【図１３】糸切り機構と駆動用リンク系の平面図であ
る。

【図１４】可動刃の往動時を示す糸切り機構の平面図で
ある。

【図１５】可動刃の復動時を示す糸切り機構の平面図で
ある。

【符号の説明】

１ パターン縫いミシン ７ 針板 ９ 縫針 ９ａ 目孔 １１ 上糸 １１ａ 天秤側上糸 １１ｂ 布側上糸 ４０ 半回転釜ユニット ４２ 半回転中釜 ４２ａ 剣先 ４２ｂ ケース収容部 ５０ 糸切り機構 ５１ 可動刃 ５１ａ 糸捌き部 ５１ｂ 第２案内部 ５１ｃ 第１案内部 ５１ｄ 捕捉用切欠き部 ５３ 固定刃 ５４ 釜糸案内部材 ５４ｂ 糸分け部 １４０ 半回転釜ユニット １４２ 半回転中釜 １４２ａ 剣先 １４２ｂ ケース収容部 １５０ 糸切り機構 １５１ 可動刃 １５１ａ 糸捌き部 １５１ｂ 糸誘導部 １５１ｃ 糸案内部 １５１ｄ 捕捉用切欠き溝 １５４ 釜糸案内部材 １５４ｂ 糸分け部 Ｎ 針落ち位置 Ｗ 加工布

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 針板の針穴を通過して上下動する縫針
   と、 その縫針と協働して本縫い縫目を形成するため針板の下
   側に配設され且つ縫針の目孔を挿通した上糸の糸ループ
   を捕捉する半回転釜ユニットと、 目孔を挿通した上糸の布側上糸と天秤側上糸とを振り分
   ける糸分け部を有する釜糸案内部材と、固定刃と、前記
   糸分け部で振り分けられた布側上糸と下糸とを往復揺動
   により捕捉して加工布の近傍位置で固定刃と協働して切
   断する可動刃とを含み、針板の下面側に配設された糸切
   り機構と、 前記縫針の上下運動と同期して可動刃を往復揺動させる
   駆動用リンク系とを備えたパターン縫いミシンにおい
   て、 前記半回転釜ユニットは、 ミシンのベッド部に固着された大釜と、 前記大釜内に、水平軸心の周りに往復回動可能に支承さ
   れた第１半回転中釜であって、開放端側からボビンケー
   スを着脱可能に装着し得るケース収容部と、縫針の針落
   ち位置よりも開放端と反対側において開放端側から視て
   時計回り方向への回転時に糸ループを捕捉する剣先を有
   する第１半回転中釜と、 その第１半回転中釜と交換可能に追加的に設けられ、前
   記大釜内に往復回動可能に支承された第２半回転中釜で
   あって、開放端側からボビンケースを着脱可能に装着し
   得るケース収容部と、縫針の針落ち位置よりも開放端側
   において開放端側から視て時計回り方向への回転時に糸
   ループを捕捉する剣先を有する第２半回転中釜とを備
   え、 前記可動刃は、 前記糸分け部で振り分けられた布側上糸と天秤側上糸と
   を分離する為の糸捌き部が先端部に形成されるととも
   に、この糸捌き部で分離された布側上糸と天秤側上糸と
   を相互に離間させる為の第１案内部と第２案内部とが夫
   々糸捌き部に連続させて形成され、更に第１案内部で案
   内された布側上糸を捕捉する捕捉用切欠き部が形成さ
   れ、前記釜糸案内部材の糸分け部により針落ち位置より
   も第１半回転中釜における反開放端側に振り分けられて
   第１案内部で案内された布側上糸を復動時に捕捉用切欠
   き部で捕捉し得るように、針落ち位置よりも第１半回転
   中釜における開放端側且つ開放端側から視て右側の所定
   位置に揺動中心が設けられ、復動時に捕捉した布側上糸
   と下糸とを固定刃との協働により切断する第１可動刃
   と、 その第１可動刃と交換可能に追加的に設けられる第２可
   動刃であって、前記糸分け部で振り分けられた布側上糸
   と天秤側上糸とを分離する為の糸捌き部が先端部に形成
   されるとともに、この糸捌き部で分離された布側上糸と
   天秤側上糸とを相互に離間させる為の第１案内部と第２
   案内部とが夫々糸捌き部に連続させて形成され、更に第
   １案内部で案内された布側上糸を捕捉する捕捉用切欠き
   溝が形成され、前記釜糸案内部材の糸分け部により針落
   ち位置よりも第２半回転中釜における開放端側に振り分
   けられて第１案内部で案内された布側上糸を復動時に捕
   捉用切欠き溝で捕捉し得るように、針落ち位置よりも第
   ２半回転中釜における開放端側且つ開放端側から視て右
   側の所定位置に揺動中心が設けられ、復動時に捕捉した
   布側上糸と下糸とを固定刃との協働により切断する第２
   可動刃とを備え、 前記第１半回転中釜及び第１可動刃と、前記第２半回転
   中釜及び第２可動刃とは、択一的に装着されることを特
   徴とするパターン縫いミシン。
2. 【請求項２】 前記第１可動刃と第２可動刃とは、その
   揺動中心及び揺動範囲において共通に構成されたことを
   特徴とする請求項１に記載のパターン縫いミシン。