JP2874538B2 - 電子写真用有機感光体 - Google Patents

電子写真用有機感光体

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JP2874538B2
JP2874538B2 JP30691593A JP30691593A JP2874538B2 JP 2874538 B2 JP2874538 B2 JP 2874538B2 JP 30691593 A JP30691593 A JP 30691593A JP 30691593 A JP30691593 A JP 30691593A JP 2874538 B2 JP2874538 B2 JP 2874538B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、導電性基体上に有機
材料からなる光導電層を備えてなり、液体現像方式に好
適な電子写真用有機感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電子写真用感光体(以下、単に
感光体とも称する)の感光材料としては、セレン,セレ
ン合金,酸化亜鉛,硫化カドミウム,シリコンなどの無
機光導電性物質、アントラセン,オキサジアゾール,ト
リアゾール,イミダゾロン,イミダゾール,オキサゾー
ル,イミダゾリジン,ピラゾリン,ベンゾチアゾール,
トリフェニルアミン,ベンゾオキサゾール,ポリビニル
カルバゾール,ビニルポリマー,多環キノン,ペリレ
ン,ペリノン,アントラキノン,フタロシアニン,ジオ
キサジン,インジゴ,チオインジゴ,スクアリリウム,
アゾレーキ,アゾ,チアピリリウム,キナクリドン,シ
アニン,アズレニウム,トリフェニルメタン,ヒドラゾ
ン,トリアリールアミン,N−フェニルカルバゾール,
スチルベンおよびポリシランの各化合物などの有機光導
電性物質が用いられ、これらの物質を導電性基体上に昇
華または蒸着して、あるいは有機溶剤に分散,溶解させ
た塗布液を塗布して、あるいは有機溶剤に樹脂結着剤と
ともに分散,溶解させた塗布液を塗布して成膜し光導電
層を形成して感光体としていた。
【0003】また、感光体には、暗所で表面電荷を保持
する機能,光を受容して電荷を発生する機能,光を受容
して発生した電荷を輸送する機能とが必要であるが、一
つの層でこれらの機能を合わせ持った単層光導電層から
なるいわゆる単層型感光体と、主として電荷発生に寄与
する層と暗所での表面電荷の保持と光受容時の電荷輸送
に寄与する層などに機能分離した層を積層した積層光導
電層からなるいわゆる機能分離型積層感光体とがある。
【0004】これらの感光体を用いた電子写真法による
画像形成には、例えばカールソン法が適用される。この
方式での画像形成は、暗所における感光体へのコロナ放
電による帯電、帯電された感光体表面上への原稿の文字
や絵,電気信号によるドットなどの静電潜像の形成、形
成された静電潜像のトナー粉もしくはトナー入り現像液
による現像、現像されたトナー像の紙などの支持体への
転写,定着によって行われ、トナー像転写後の感光体は
残留トナーの除去,除電などを行った後、再使用に供さ
れる。
【0005】前述のような種々の感光材料のうち、有機
光導電性物質は、可とう性,熱安定性,膜形成性,高感
度などの利点により、近年感光体への応用が数多く提案
されている。例えば、オキサジアゾール化合物は特公昭
34−5466号公報,米国特許3189447号明細
書、トリアゾール化合物は特公昭34−5467号公
報、イミダゾロン化合物は特公昭34−8567号公
報、イミダゾール化合物は特公昭34−10366号公
報、オキサゾール化合物は特公昭35−11218号公
報,特開昭56−123544号公報、イミダゾリジン
化合物は特公昭35−11217号公報、ピラゾリン化
合物は特公昭37−16096号公報,特公昭52−4
188号公報,特公昭59−2023号公報、ベンゾチ
アゾール化合物は特公昭35−11219号公報、トリ
フェニルアミン化合物は米国特許3180730号明細
書、ベンゾオキサゾール化合物は特公昭35−1121
9号公報、ポリビニルカルバゾール化合物は特公昭34
−10966号公報、ビニルポリマー化合物は米国特許
3162532号明細書、などに開示されている。
【0006】また、フタロシアニン化合物は特公昭52
−1662号公報,特開昭58−100134号公報,
特開昭58−182639号公報,特開昭59−440
53号公報,特開昭59−44054号公報,特開昭5
9−155851号公報,特開昭59−215655号
公報,米国特許3816118号明細書などに開示され
ている。
【0007】また、アゾ化合物は特公昭60−4566
4号公報,特開昭47−37543号公報,特開昭56
−94358号公報,特開昭56−116039号公
報,特開昭57−58154号公報,特開昭57−17
6055号公報,特開昭58−122967号公報,特
開昭60−5941号公報,特開昭60−153050
号公報,特開昭63−305362号公報などに開示さ
れている。
【0008】さらにまた、トリフェニルメタン化合物は
特公昭45−555号公報、ヒドラゾン化合物は特公昭
55−42380号公報,特開昭54−15028号公
報,特開昭57−101844号公報,特開平1−10
2469号公報、トリアリールアミン化合物は特公昭5
8−32372号公報、N−フェニルカルバゾール化合
物は特開昭57−148750号公報、スチルベン化合
物は特開昭58−198043号公報、などに開示され
ている。
【0009】これらの有機光導電性物質を単層光導電層
として,あるいは機能分離型積層光導電層として導電性
基体上に形成し有機感光体を製造するためには、通常、
有機光導電性物質を溶剤に分散もしくは溶解した塗布液
を塗布して成膜する塗布法が採られる。その場合、必要
に応じて、樹脂結着剤を有機光導電性物質とともに溶剤
に分散もしくは溶解させて塗布液とする。樹脂結着剤と
しては、ポリカーボネート樹脂,ポリエステル樹脂,ポ
リアミド樹脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ樹脂,ポリ
ビニル樹脂,シリコン樹脂,アクリル樹脂,これらの樹
脂もしくは原料モノマーの共重合体などが、単独あるい
は適宜組み合わせて混合されて、用いられる。また、溶
剤としては通常有機溶剤が用いられる。有機溶剤として
は、例えば、ヘキサン,シクロヘキサンなどの脂肪族系
溶剤、ジクロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素,
1,2−ジクロロエタン,1,1,1−トリクロロエタ
ン,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン,1,
2,3−トリクロロプロパンなどのハロゲン系溶剤、メ
タノール,エタノール,イソプロパノール,エチレング
リコールなどのアルコール系溶剤、アセトン,メチルエ
チルケトン,シクロヘキサノン,イソホロンなどのケト
ン系溶剤、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族
系溶剤、ジメチルエーテル,ジエチルエーテル,テトラ
ヒドロフランなどのエーテル系溶剤、ニトロメタン,ニ
トロエタンなどのニトロ系溶剤、などが単独あるいは適
宜組み合わせて混合されて用いられる。
【0010】さらに、導電性基体上に光導電層を形成す
るにあたり、導電性基体の表面形状の調整,付着性の向
上,電気抵抗の適正化,電荷注入性の適正化,基体表面
で反射する露光光の干渉の防止などを目的として、必要
により下引き層が設けられる。下引き層の材料として
は、酸化アルミニウムなどの無機物質が利用され、ま
た、ポリアミド樹脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ樹
脂,ポリビニル樹脂,これらの樹脂もしくは原料モノマ
ーの共重合体などの有機物質が単独あるいは適宜組み合
わせて混合されて用いられる。例えば、ポリアミド樹脂
は特開昭48−47344号公報,特開昭48−606
38号公報,特開昭52−25638号公報,特開昭5
8−95351号公報,特開昭60−66258号公
報,特開昭60−168157号公報,特開昭60−1
89747号公報、ポリウレタン樹脂は特開昭51−1
14132号公報、エポキシ樹脂は特開昭50−305
27号公報、などに開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、導電性
基体上に有機材料からなる光導電層を備えてなる有機感
光体において、光導電層を形成するために種々の材料が
提案され実用に供されてきているが、感光体に要求され
るすべての特性を十分に満足する材料がまだ得られてい
ないのが現状であり、特に、前述の画像形成方式におい
て静電潜像の現像が液体現像方式で行われる電子写真装
置においては、感光体が現像液に接触もしくは浸漬され
るが、そのために、光導電層が現像液に用いられている
溶剤により軟化・膨潤・ひび割れ・溶解などを起こし、
感光体の耐久性が良くないという問題があった。この発
明は、上述の問題点を解消して、電子写真特性が良好
で、かつ、液体現像方式の電子写真装置において優れた
耐久性を有する有機感光体を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
によれば、導電性基体上に有機材料からなる光導電層を
備えてなる電子写真用有機感光体において、前記光導電
層の最外層がドデカン二酸,ポリマーウィズ2,6−ジ
メトキシ−9,10−アントラセンジオールまたはドデ
カンジオイルジクロリド,ポリマーウィズ2,6−ジメ
トキシ−9,10−アントラセンジオールを含む溶液を
塗布し90℃以上100℃以下の温度で熱処理されて形
成された層である感光体とすることによって解決され
る。
【0013】導電性基体上に有機材料からなる電荷発生
層、電荷輸送層をこの順に積層されてなり、かつ、電荷
輸送層を最外層とする光導電層を備えてなる感光体にお
いては、前記電荷輸送層がドデカン二酸,ポリマーウィ
ズ2,6−ジメトキシ−9,10−アントラセンジオー
ルまたはドデカンジオイルジクロリド,ポリマーウィズ
2,6−ジメトキシ−9,10−アントラセンジオール
を含む溶液を塗布し90℃以上100℃以下の温度で熱
処理されて形成された層である感光体とするとよい。
【0014】
【0015】
【作用】液体現像方式の現像液はトナーを溶剤に分散さ
せた液であり、溶剤としては炭化水素,ハロゲン化炭化
水素などの有機溶剤が用いられるが、感光体の光導電層
に用いられている従来の樹脂結着剤は、これらの有機溶
剤に接触もしくは浸漬されると、軟化・膨潤・ひび割れ
・溶解などの不具合を生じるため感光体の耐久性が乏し
かった。この発明におけるドデカン二酸,ポリマーウィ
ズ2,6−ジメトキシ−9,10−アントラセンジオー
ルまたはドデカンジオイルジクロリド,ポリマーウィズ
2,6−ジメトキシ−9,10−アントラセンジオール
は、原料は異なるがエステル化重縮合して生成する樹脂
は同一である。以下この樹脂をアントラセンポリエステ
ル樹脂と称するが、この樹脂は、分子構造にジメトキシ
アントラセン構造を含み結晶性が低下しているために、
ポリテレフタル酸エチレン樹脂など通常のポリエステル
樹脂よりも若干耐溶剤性が劣るが、ごく限られた特定の
溶剤によるほかは軟化・膨潤・ひび割れ・溶解などの現
象を起こさない。
【0016】この発明では、上述の、アントラセンポリ
エステル樹脂がごく限られた特定の溶剤には溶解すると
いう性質を巧みに利用している。この樹脂を用いること
により、特定の溶剤を用いて塗布液の作製が可能で塗膜
を形成することができ、しかも、形成された塗膜は前記
の特定の溶剤以外の溶剤に対しては優れた耐溶剤性を有
するという好適な樹脂層を得ることができ、しかも、熱
硬化性樹脂を用いた場合に問題となる塗布液の硬化など
の不具合も解消できる。このような樹脂層を最外層とし
て設けることにより液体現像方式で使用しても耐久性の
良い感光体を得ることができる。
【0017】また、塗布液に90℃以上100℃以下の
温度で熱処理することにより、除電後の残留電位の上昇
と繰り返し使用時の残留電位の変化を抑制することがで
きる。これは、熱によりアントラセンポリエステル樹脂
膜の立体配座が変化するためである。
【0018】さらにまた、アントラセンポリエステル樹
脂の分子構造に含まれるジメトキシアントラセン構造は
この樹脂自体に電荷輸送能を付与するので、この樹脂層
自体が別途電荷輸送物質を加えることなく電荷輸送層と
して機能し得る。従って、光導電層が電荷発生層,電荷
輸送層をこの順に積層した構造で、かつ、電荷輸送層を
最外層とする構成の場合には、この発明のアントラセン
ポリエステル樹脂層を電荷輸送層とすれば、液体現像方
式に好適な感光体を得ることができ、電荷輸送物質の溶
出などの不具合も発生しなくなる。
【0019】
【0020】
【実施例】図1は、この発明の感光体の一実施例を示す
概念的断面図で、1は導電性基体、2は下引き層、3a
は電荷発生層4およびこの発明に係わる電荷輸送層5a
からなる機能分離積層型の光導電層である。
【0021】導電性基体1は、アルミニウム,ステンレ
ス鋼,ニッケルなどの金属、またはガラス,樹脂などに
導電処理を施したものからなり、感光体の電極となると
同時に他の各層を支持する。形状は円筒状,板状,フィ
ルム状などのいずれでもよく、感光体を搭載する電子写
真装置に応じて好適な形状とされる。下引き層2は、必
要に応じて設けられるものであるが、酸化アルミニウム
などの無機物質の層として形成されたり、樹脂を溶融し
た液,もしくは樹脂を溶剤に溶解した液を塗布して形成
され、導電性基体の表面形状の調整,付着性の向上,電
気抵抗の適正化,電荷注入性の適正化,基体表面で反射
する露光光の干渉の防止などの目的に応じて適切な材料
を選ぶことができる。また、同時に帯電保持,電荷の発
生・輸送を阻害しないことも重要である。好適な樹脂材
料としては、ポリアミド樹脂,ポリウレタン樹脂,エポ
キシ樹脂,ポリビニル樹脂,これらの樹脂もしくは原料
モノマーの共重合体などが挙げられ、これらは単独で,
あるいは適宜組み合わせて混合して用いられる。下引き
層の膜厚は電気抵抗や電荷注入性を考慮して一般的には
50μm以下とされ、好適には10μm以下とされる。
【0022】電荷発生層4は、電荷発生物質を昇華,蒸
着して、あるいは電荷発生物質を溶剤に溶解もしくは分
散させた塗布液または電荷発生物質を樹脂結着剤ととも
に溶剤に分散,溶解させた塗布液を塗布して形成され、
光を受容して電荷を発生する。また、その電荷発生効率
が高いことと同時に発生した電荷の電荷輸送層への注入
性も重要で、電場依存性が少なく低電場でも電荷の発生
効率・注入性が良いことが望ましい。電荷発生物質とし
ては、多環キノン,ペリレン,ペリノン,アントラキノ
ン,フタロシアニン,ジオキサジン,インジゴ,チオイ
ンジゴ,スクアリリウム,アゾレーキ,アゾ,チアピリ
リウム,キナクリドン,シアニン,アズレニウム,およ
びトリフェニルメタンの各化合物などが用いられ、画像
形成に用いられる露光光の波長領域に応じて好適な物質
を選ぶことができる。樹脂結着剤としては、ポリカーボ
ネート樹脂,ポリエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ポリ
ウレタン樹脂,エポキシ樹脂,ポリビニル樹脂,シリコ
ン樹脂,アクリル樹脂,これらの樹脂もしくは原料モノ
マーの共重合体などを、単独あるいは適宜組み合わせて
混合して用いることが可能である。電荷発生層の膜厚は
電荷発生能力や帯電能力などを考慮して、一般的には5
μm以下とされ、好適には1μm以下とされる。
【0023】電荷輸送層5aは、この発明に係わるアン
トラセンポリエステル樹脂を特定の溶剤に溶解させた塗
布液を塗布して形成され、電荷を受容して輸送する。こ
の電荷輸送層5aの膜厚は、電荷輸送能力や耐刷性など
を考慮して、一般的には60μm以下とされ、好適には
30μm以下とされる。アントラセンポリエステル樹脂
は、例えば、ドデカンジオイルジクロリドと2,6−ジ
メトキシ−9,10−アントラキノンを還元環境下で重
縮合することによって得ることができる。
【0024】電荷輸送物質としては、アントラセン、ア
キサジアゾール、トリアゾール、イミダゾロン、イミダ
ゾール、オキサゾール、イミダゾリジン、ピラゾリン、
ベンゾチアゾール、トリフェニルアミン、ベンゾオキサ
ゾール、ポリビニルカルバゾール、ビニルポリマー、ヒ
ドラゾン、トリアリルアミン、N―フェニルカルバゾー
ル、スチルベン、およびポリシランの各化合物などが用
いられ、電荷発生物質の注入性や現像方式に応じて好適
な物質を選ぶことができる。また、樹脂結着剤として
は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン
樹脂、アクリル樹脂、これらの樹脂もしくは原料モノマ
ーの共重合体などを単独あるいは適宜組み合わせて混合
して用いることが可能である。
【0025】以下、この発明の具体的な実施例について
説明する。 実施例1 無金属フタロシアニン10重量部と塩化ビニル樹脂(日
本ゼオン(株)製;MR−110)10重量部とを、ジ
クロロメタン686重量部と1,2−ジクロロエタン2
94重量部とともに混合機を用いて1時間混合分散し、
さらに超音波分散機を用いて30分分散し塗布液とし
た。この塗布液をアルミニウム蒸着ポリエステルフィル
ム基板上にワイヤーバー法で塗布して、乾燥後の膜厚が
約0.5μmの電荷発生層を形成した。この上に、ドデ
カンジオイルジクロリド,ポリマーウィズ2,6−ジメ
トキシ−9,10−アントラセンジオール140重量部
と1,2,3−トリクロロプロパン860重量部とより
なる塗布液をワイヤーバー法で塗布し、乾燥後の膜厚が
20μmとなるように電荷輸送層5aを形成し、温度9
0℃で2時間熱処理して感光体を作製した。 実施例2 実施例1において、電荷輸送層5a形成後の熱処理温度
を100℃に変えたこと以外は、実施例1と同様にして
感光体を作製した。 比較例1 実施例1において、電荷輸送層5a形成後の熱処理を行
わなかったこと以外は、実施例1と同様にして感光体を
作製した。 比較例2 実施例1において、電荷輸送層5a形成後の熱処理温度
を80℃に変えたこと以外は、実施例1と同様にして感
光体を作製した。 比較例3 実施例1において、電荷輸送層5a形成後の熱処理温度
を110℃に変えたこと以外は、実施例1と同様にして
感光体を作製した。このようにして得られた各感光体の
電子写真特性を、川口電機製作所製の静電記録紙試験装
置SP−428を用いて室温で測定した。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】感光体表面に暗所で−5kVのコロナ放電
を10秒間行って帯電させ、帯電位V0 (v)を測定し
た。続いて、コロナ放電を中止した状態で2秒間暗中に
保持し、続いて、感光体表面に波長780nmのレーザ
光を1μJ/cm2 照射した後の残留電位Vr (v)を
測定した。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1に見られるように、実施例の感光体は
いずれも帯電位が高く、しかも、残留電位が低くて良好
な特性であったが、比較例の感光体は残留電位が高く不
良であった。次に、これらの感光体を、液体現像方式の
現像液の成分の一つであるIsoparL(EXXON
CHEMICAL JAPAN社製)に24時間浸漬
した後乾燥し、感光体の外観を観察評価し、また、前述
と同様にして電子写真特性を測定した。その結果、各感
光体とも外観上変化は認められず、かつ、浸漬前の電子
写真特性を維持しており、この発明の樹脂層が現像液に
対して優れた耐久性を有することが確認された。
【0033】さらに、感光体に、前記の電子写真特性測
定プロセスを連続して1000回繰り返したときの一回
目と1000回目との残留電位の変化△Vr (v)を測
定した。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2に見られるように、実施例の感光体は
いずれも残留電位の変化が少なく良好な特性を示した
が、比較例の各感光体は残留電位の変化が大きく問題で
あり、電荷輸送層5a形成後の熱処理温度を90℃以上
100℃以下とすることの効果は明らかである。特に、
熱処理温度が110℃になると残留電位が大幅に上昇す
る。これは樹脂が熱分解を起こすためであり、熱処理温
度は100℃以下に抑えることが必要である。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、導電性基体上に有機
材料からなる光導電層を備えてなる電子写真用有機感光
体において、光導電層の最外層がドデカン二酸,ポリマ
ーウィズ2,6−ジメトキシ−9,10−アントラセン
ジオールまたはドデカンジオイルジクロリド,ポリマー
ウィズ2,6−ジメトキシ−9,10−アントラセンジ
オールを含む溶液を塗布し90℃以上100℃以下の温
度で熱処理されて形成された層である感光体とする。こ
のような樹脂からなる層を最外層とすることにより、電
子写真特性が良好で、かつ、液体現像方式の電子写真装
置に用いて従来より耐久性の大幅に改善された有機感光
体を得ることができる。
【0053】前記ドデカン二酸,ポリマーウィズ2,6
−ジメトキシ−9,10−アントラセンジオールまたは
ドデカンジオイルジクロリド,ポリマーウィズ2,6−
ジメトキシ−9,10−アントラセンジオールはそれ自
体電荷輸送能を有する。従って、光導電層が少なくとも
電荷発生層,電荷輸送層をこの順に積層されてなり、か
つ、前記電荷輸送層が最外層である感光体においては、
電荷輸送層を前記のこの発明に係わる層とすればよい。
また、この層構成の感光体において、電荷輸送層を2層
以上の積層とし、表面層のみをこの発明に係わる層とし
内部層を従来と同様の成分構成の電荷輸送層とすると残
留電位の変化を抑制する効果が得られるので好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる感光体の一実施例の概念的断
面図
【符号の説明】
1 導電性基体 2 下引き層 3a,3b 光導電層 4 電荷発生層 5a,5b 電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 風間 豊喜 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−102947(JP,A) 特開 平4−358157(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/00 - 5/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に有機材料からなる光導電層
    を備えてなる電子写真用有機感光体において、前記光導
    電層の最外層がドデカン二酸,ポリマーウィズ2,6−
    ジメトキシ−9,10−アントラセンジオールまたはド
    デカンジオイルジクロリド,ポリマーウィズ2,6−ジ
    メトキシ−9,10−アントラセンジオールを含む溶液
    を塗布し90℃以上100℃以下の温度で熱処理されて
    形成された層であることを特徴とする電子写真用有機感
    光体。
  2. 【請求項2】光導電層が少なくとも電荷発生層、電荷輸
    送層をこの順に積層されてなり、かつ、前記電荷輸送層
    が最外層であり、ドデカン二酸,ポリマーウィズ2,6
    −ジメトキシ−9,10−アントラセンジオールまたは
    ドデカンジオイルジクロリド,ポリマーウィズ2,6−
    ジメトキシ−9,10−アントラセンジオールを含む溶
    液を塗布し90℃以上100℃以下の温度で熱処理され
    て形成された層であることを特徴とする請求項1記載の
    電子写真用有機感光体。
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