JPH06167818A - 電子写真用有機感光体の製造方法 - Google Patents

電子写真用有機感光体の製造方法

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JPH06167818A
JPH06167818A JP31913192A JP31913192A JPH06167818A JP H06167818 A JPH06167818 A JP H06167818A JP 31913192 A JP31913192 A JP 31913192A JP 31913192 A JP31913192 A JP 31913192A JP H06167818 A JPH06167818 A JP H06167818A
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layer
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resin
coating
charge
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JP31913192A
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Yoichi Nakamura
洋一 中村
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】導電性基体上に有機材料からなる電荷発生層,
電荷輸送層を含む光導電層を備えてなり、そのうちの少
なくとも電荷発生層が塗布法で形成される感光体の製造
方法において、外観,画像品質の良好な感光体を得るこ
とが可能な製造方法を提供する。 【構成】導電性基体1上に、下引き層2を介して、電荷
発生層4と電荷輸送層5とからなる光導電層3を備えて
なり、そのうちの少なくとも電荷発生層4が有機光導電
性物質と樹脂結着剤とを有機溶剤に分散,溶解した塗布
液を塗布することにより形成される有機感光体の製造方
法において、水分含有量が1容量%以下に抑えられた塗
布液を用いて電荷発生層4を塗布形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、導電性基体上に有機
材料からなる電荷発生層,電荷輸送層を含む機能分離型
積層光導電層を備えてなり、そのうちの少なくとも電荷
発生層が塗布法で形成される電子写真用有機感光体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電子写真用感光体(以下、単に
感光体とも称する)の感光材料としては、セレン,セレ
ン合金,酸化亜鉛,硫化カドミウム,シリコンなどの無
機光導電性物質、アントラセン,オキサジアゾール,ト
リアゾール,イミダゾロン,イミダゾール,オキサゾー
ル,イミダゾリジン,ピラゾリン,ベンゾチアゾール,
トリフェニルアミン,ベンゾオキサゾール,ポリビニル
カルバゾール,ビニルポリマー,多環キノン,ペリレ
ン,ペリノン,アントラキノン,フタロシアニン,ジオ
キサジン,インジゴ,チオインジゴ,スクアリリウム,
アゾレーキ,アゾ,チアピリリウム,キナクリドン,シ
アニン,アズレニウム,トリフェニルメタン,ヒドラゾ
ン,トリアリールアミン,N−フェニルカルバゾール,
スチルベンおよびポリシランの各化合物などの有機光導
電性物質が用いられ、これらの物質を昇華または蒸着し
て,あるいは有機溶剤に分散,溶解させた塗布液を塗布
して,あるいは有機溶剤に樹脂結着剤とともに分散,溶
解させた塗布液を塗布して成膜し光導電層を形成してい
た。
【0003】また、感光体には、暗所で表面電荷を保持
する機能,光を受容して電荷を発生する機能,光を受容
して発生した電荷を輸送する機能とが必要であるが、一
つの層でこれらの機能を合わせ持ったいわゆる単層型感
光体と、主として電荷発生に寄与する層と暗所での表面
電荷の保持と光受容時の電荷輸送に寄与する層などに機
能分離した層を積層したいわゆる機能分離型積層感光体
とがある。
【0004】これらの感光体を用いた電子写真法による
画像形成には、例えばカールソン法が適用される。この
方式での画像形成は、暗所における感光体へのコロナ放
電による帯電、帯電された感光体表面上への原稿の文字
や絵,電気信号によるドットなどの静電潜像の形成、形
成された静電潜像のトナー粉もしくはトナー入り現像液
による現像、現像されたトナー像の紙などの支持体への
転写,定着によって行われ、トナー像転写後の感光体は
残留トナーの除去,除電などを行った後、再使用に供さ
れる。
【0005】前述のような種々の感光材料のうち、有機
光導電性物質は、可とう性,熱安定性,膜形成性,高感
度などの利点により、近年感光体への応用が数多く提案
されている 例えば、オキサジアゾール化合物は特公昭34−546
6号公報,米国特許3189447号明細書、トリアゾ
ール化合物は特公昭34−5467号公報、イミダゾロ
ン化合物は特公昭34−8567号公報、イミダゾール
化合物は特公昭34−10366号公報、オキサゾール
化合物は特公昭35−11218号公報,特開昭56−
123544号公報、イミダゾリジン化合物は特公昭3
5−11217号公報、ピラゾリン化合物は特公昭37
−16096号公報,特公昭52−4188号公報,特
公昭59−2023号公報、ベンゾチアゾール化合物は
特公昭35−11219号公報、トリフェニルアミン化
合物は米国特許3180730号明細書、ベンゾオキサ
ゾール化合物は特公昭35−11219号公報、ポリビ
ニルカルバゾール化合物は特公昭34−10966号公
報、ビニルポリマー化合物は米国特許3162532号
明細書、などに開示されている。
【0006】フタロシアニン化合物は特公昭52−16
62号公報,特開昭58−100134号公報,特開昭
58−182639号公報,特開昭59−44053号
公報,特開昭59−44054号公報,特開昭59−1
55851号公報,特開昭59−215655号公報,
米国特許3816118号明細書、などに開示されてい
る。
【0007】また、アゾ化合物は特公昭60−4566
4号公報,特開昭47−37543号公報,特開昭56
−94358号公報,特開昭56−116039号公
報,特開昭57−58154号公報,特開昭57−17
6055号公報,特開昭58−122967号公報,特
開昭60−5941号公報,特開昭60−153050
号公報,特開昭63−305362号公報、などに開示
されている。
【0008】また、トリフェニルメタン化合物は特公昭
45−555号公報、ヒドラゾン化合物は特公昭55−
42380号公報,特開昭54−15028号公報,特
開昭57−101844号公報,特開平1−10246
9号公報、トリアリールアミン化合物は特公昭58−3
2372号公報、N−フェニルカルバゾール化合物は特
開昭57−148750号公報、スチルベン化合物は特
開昭58−198043号公報、などに開示されてい
る。
【0009】これらの有機光導電性物質を単層光導電層
として,あるいは機能分離型積層光導電層として導電性
基体上に形成し有機感光体を製造するためには、通常、
有機光導電性物質を溶剤に分散もしくは溶解した塗布液
を塗布して成膜する塗布法が採られる。その場合、必要
に応じて、樹脂結着剤を有機光導電性物質とともに溶剤
に分散もしくは溶解させて塗布液とする。樹脂結着剤と
しては、ポリカーボネート樹脂,ポリエステル樹脂,ポ
リアミド樹脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ樹脂,ポリ
ビニル樹脂,シリコン樹脂,アクリル樹脂,これらの樹
脂もしくは原料モノマーの共重合体などが、単独あるい
は適宜組み合わせて混合されて、用いられる。また、溶
剤としては通常有機溶剤が用いられる。有機溶剤として
は、例えば、ヘキサン,シクロヘキサンなどの脂肪族系
溶剤、ジクロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素,
1,2−ジクロロエタン,1,1,1−トリクロロエタ
ン,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン,1,
2,3−トリクロロプロパンなどのハロゲン系溶剤、メ
タノール,エタノール,イソプロパノール,エチレング
リコールなどのアルコール系溶剤、アセトン,メチルエ
チルケトン,シクロヘキサノン,イソホロンなどのケト
ン系溶剤、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族
系溶剤、ジメチルエーテル,ジエチルエーテル,テトラ
ヒドロフランなどのエーテル系溶剤、ニトロメタン,ニ
トロエタンなどのニトロ系溶剤、などが単独あるいは適
宜組み合わせて混合されて用いられる。
【0010】さらに、導電性基体上に光導電層を形成す
るにあたり、導電性基体の表面形状の調整,付着性の向
上,電気抵抗の適正化,電荷注入性の適正化,反射光の
干渉の防止などを目的として、必要に応じて、下引き層
が設けられる。下引き層の材料としては、酸化アルミニ
ウムなどの無機物質が用いられ、また、ポリアミド樹
脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ樹脂,ポリビニル樹
脂,これらの樹脂もしくは原料モノマーの共重合体など
の有機物質が単独あるいは適宜組み合わせて混合されて
用いられる。例えば、ポリアミド樹脂は特開昭48−4
7344号公報,特開昭48−60638号公報,特開
昭52−25638号公報,特開昭58−95351号
公報,特開昭60−66258号公報,特開昭60−1
68157号公報,特開昭60−189747号公報、
ポリウレタン樹脂は特開昭51−114132号公報、
エポキシ樹脂は特開昭50−30527号公報、などに
開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、導電性
基体上に有機材料からなる電荷発生層,電荷輸送層を含
む機能分離型積層光導電層を備えてなり、少なくとも電
荷発生層が塗布法で形成される有機感光体の製造方法に
おいて、電荷発生層を形成するために種々の材料による
数多くの組成の塗布液が調合されて成膜に供されてきて
いるが、膜厚均一で均質な電荷発生層を安定して塗布む
らなく成膜するに十分な均質性,安定性を有する塗布液
が得られていないのが現状であり、得られた感光体の外
観および画像品質に問題が発生することが多く製造歩留
りが悪かった。
【0012】この発明は、上述の点に鑑みてなされたも
のであって、有機材料からなる機能分離型積層光導電層
を備え、そのうちの少なくとも電荷発生層が塗布法で形
成される有機感光体の製造方法において、膜厚均一で均
質な電荷発生層を塗布むらなく形成することができ、外
観および画像特性の良好な感光体を安定して歩留り良く
得ることが可能な製造方法を提供することを解決しよう
とする課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
によれば、導電性基体上に有機材料からなる電荷発生
層,電荷輸送層を含む光導電層を備えてなり、そのうち
の少なくとも電荷発生層が有機光導電性物質と樹脂結着
剤とを有機溶剤に分散,溶解した塗布液を塗布して成膜
される有機感光体の製造方法において、電荷発生層の形
成に用いられる塗布液の水分含有量を1容量%以下に抑
えることによって解決される。
【0014】
【作用】本発明者は、塗布液に含有される水分が塗布液
の均質性,安定性に大きく影響することに着目し、鋭意
検討を進めてこの発明をなすに至ったのである。電荷発
生層用塗布液に水分が含有されると電荷発生物質,樹脂
結着剤の分散,溶解が阻害され、塗布液の均質性が悪化
する。また、電荷発生物質,樹脂結着剤の凝集,分離が
起きやすく塗布液の安定性が良くない。特に、樹脂結着
剤として親水性基を有する樹脂を用いた場合には、水を
中心として樹脂の親水性基を水側に向けた集合体,いわ
ゆるミセル集合体が形成され、これが塗布液の凝集や分
離が生じる原因となる。また、樹脂によっては水と反応
する官能基を有するものもあり、この場合には架橋反応
などによっても塗布液の凝集や分離が生じる。このよう
な凝集,分離のある塗布液では膜厚均一で膜質,外観の
良好な膜を形成することはできない。さらに、水分は塗
布時に凝集して塗布液をはじくほか、水は塗布液の調合
に用いられる溶剤よりも蒸気圧が低く、塗布液を塗布し
乾燥して塗膜を形成する場合に溶剤が先に蒸発し水分は
遅れて蒸発するために、塗布むらが生じ、塗膜の膜質,
外観が悪くなる。
【0015】上述のような問題を解消する限界水分は、
塗布液の材料,濃度,温度、塗布環境の温度,湿度,気
圧、塗布速度、被塗布物の温度,熱容量などにより異な
る。本発明者は、これらの点に着目して水分の含有量を
変化させて検討した結果、通常の塗布条件のもとでは、
水分を1容量%以下に抑えることにより、均質性,安定
性の優れた塗布液が得られ、上述の問題を解消すること
ができ、このような塗布液を用いて電荷発生層を形成す
ることにより、外観および画像品質の良好な感光体を安
定して製造できることを見いだしたのである。
【0016】
【実施例】図1は、この発明に係わる感光体の一実施例
を示す模式的断面図であって、1は導電性基体,2は下
引き層,3は電荷発生層4および電荷輸送層5からなる
機能分離積層型の光導電層である。導電性基体1は、ア
ルミニウム,ステンレス鋼,ニッケルなどの金属または
ガラス,樹脂などに導電処理を施したものからなり、感
光体の電極となると同時に他の各層を支持する。形状は
円筒状,板状,フィルム状などのいずれでもよく、感光
体を搭載する電子写真装置に応じて好適な形状とする。
【0017】下引き層2は、必要に応じて設けられるも
のであるが、酸化アルミニウムなどの無機物質の層とし
て形成されたり、樹脂を溶融した液,もしくは樹脂を溶
剤に溶解した塗布液を塗布して形成され、導電性基体の
表面形状の調整,付着性の向上,電気抵抗の適正化,電
荷注入性の適正化,反射光の干渉の防止など目的に応じ
て適切な材料を選ぶことができる。また、同時に帯電保
持,電荷発生・輸送を阻害しないことも重要である。好
適な樹脂材料としては、ポリアミド樹脂,ポリウレタン
樹脂,エポキシ樹脂,ポリビニル樹脂,これらの樹脂も
しくは原料モノマーの共重合体などが単独あるいは適宜
組み合わせて混合して用いられる。下引き層2の膜厚は
電気抵抗や電荷注入性を考慮して一般的には50μm以
下とされ、好適には10μm以下とされる。
【0018】光導電層3の構成要素となる電荷発生層4
は、電荷発生物質を溶剤に溶解もしくは分散させた塗布
液、または電荷発生物質を樹脂結着剤とともに溶剤に分
散,溶解させた塗布液を塗布して形成され、光を受容し
て電荷を発生する。また、その電荷発生効率が高いこと
と同時に発生した電荷の電荷輸送層への注入性も重要
で、電場依存性が少なく低電場でも発生効率・注入性の
良いことが望ましい。電荷発生物質としては、多環キノ
ン,ペリレン,ペリノン,アントラキノン,フタロシア
ニン,ジオキサジン,インジゴ,チオインジゴ,スクア
リリウム,アゾレーキ,アゾ,チアピリリウム,キナク
リドン,シアニン,アズレニウム,およびトリフェニル
メタンの各化合物などが用いられ、画像形成に用いられ
る露光光の波長領域に応じて好適な物質を選ぶことがで
きる。樹脂結着剤としては、ポリカーボネート樹脂,ポ
リエステル樹脂,ポリアミド樹脂,ポリウレタン樹脂,
エポキシ樹脂,ポリビニル樹脂,シリコン樹脂,アクリ
ル樹脂,ポリケタール樹脂,およびこれらの樹脂もしく
は原料ポリマーの共重合体などを単独あるいは適宜組み
合わせて混合して用いることが可能である。電荷発生層
の膜厚は電荷発生能力や帯電能力などを考慮して、一般
的には5μm以下とされ、好適には1μm以下とされ
る。
【0019】光導電層3の構成要素となる電荷輸送層5
は電荷輸送物質を塗布して、あるいは樹脂結着剤ととも
に溶剤に溶解もしくは分散させた塗布液を塗布して形成
され、電荷を受容して輸送する。また、その電荷輸送効
率が高いことと同時に電荷発生層4で発生した電荷の注
入性も重要で、電場依存性が少なく、低電場でも輸送効
率・注入性の良いことが望ましい。電荷輸送物質として
は、アントラセン,オキサジアゾール,トリアゾール,
イミダゾロン,イミダゾール,オキサゾール,イミダゾ
リジン,ピラゾリン,ベンゾチアゾール,トリフェニル
アミン,ベンゾオキサゾール,ポリビニルカルバゾー
ル,ビニルポリマー,ヒドラゾン,トリアリールアミ
ン,N−フェニルカルバゾール,スチルベン,およびポ
リシランの各化合物などが用いられ、電荷発生物質の注
入性や現像方式に応じて好適な物質を選ぶことができ
る。樹脂結着剤としては、ポリカーボネート樹脂,ポリ
エステル樹脂,ポリアミド樹脂,ポリウレタン樹脂,エ
ポキシ樹脂,シリコン樹脂,アクリル樹脂,およびこれ
らの樹脂もしくは原料ポリマーの共重合体などを単独あ
るいは適宜組み合わせて混合して用いることが可能であ
る。電荷輸送層の膜厚は、電荷輸送能力や耐刷性などを
考慮して、一般的には60μm以下とされ、好適には3
0μm以下とされる。
【0020】この発明においては、上述の電荷発生層用
の塗布液に含有さている水分を問題とするが、塗布液の
水分を調整する方法としては、水分吸収剤の使用,水分
分離装置の使用,水分を調整した塗布液の添加,水分を
調整した溶剤の添加,水分を調整した気体の吹き込み,
水分を調整した塗布液暴露雰囲気の使用などが挙げられ
る。含有さている水分を調べる方法としては、例えばカ
ールフィッシャー法などが挙げられる。電荷発生層用塗
布液の水分は、塗布液の均質性,安定性、得られる感光
体の外観,画像品質などを考慮して1容量%以下、さら
に好適には0.5容量%以下が望ましい。
【0021】以下、この発明の具体的な実施例について
説明するが、この発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例における塗布液に含有される
水分の測定は、 JIS(日本工業規格) K5407 塗料成分試験方
法 9. 水分定量法 9.1 容量滴定法 に基づいて行った。
【0022】実施例1 無金属フタロシアニン10重量部と親水基を有する塩化
ビニル系共重合樹脂(日本ゼオン(株)製;MR−11
0)10重量部とをジクロロメタン686重量部、1,
2−ジクロロエタン294重量部とともに混合機により
1時間混合分散し、さらに超音波分散機を用いて30分
間分散し、ゼオライトで脱水した後、水を添加して水分
を100容量ppm(0.01容量%)に調整して、電
荷発生層用塗布液を調製した。
【0023】実施例2 実施例1において、塗布液に含有されている水分を10
000容量ppm(1容量%)に変えたこと以外は、実
施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。 比較例1 実施例1において、塗布液に含有されている水分を20
000容量ppm(2容量%)に変えたこと以外は、実
施例1と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。
【0024】実施例3 下記構造式に示すジスアゾ顔料10重量部と親水基を有
するケタール系共重合樹脂(積水化学工業(株)製;エ
スレックKS−1)10重量部とをメチルエチルケトン
980重量部とともに混合機を用いて1時間混合分散
し、さらに超音波分散機を用いて30分間分散し、ゼオ
ライトで脱水した後、水を添加して水分を100容量p
pm(0.01容量%)に調整して、電荷発生層用塗布
液を調製した。
【0025】
【化1】
【0026】実施例4 実施例3において、塗布液に含有されている水分を10
000容量ppm(1容量%)に変えたこと以外は、実
施例3と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。 比較例2 実施例3において、塗布液に含有されている水分を20
000容量ppm(2容量%)に変えたこと以外は、実
施例3と同様にして電荷発生層用塗布液を調製した。
【0027】このようにして調製した実施例1〜実施例
4および比較例1,2の電荷発生層用塗布液をそれぞれ
密閉容器中に常温常湿で24時間放置し、凝集の発生の
有無を目視により調べて塗布液の安定性を評価した。そ
の結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1に見られるように、水分含有量が1容
量%以下の実施例1〜4の塗布液はいずれも凝集は発生
せず、塗布液の安定性は良好であったが、水分含有量が
2容量%の比較例1,2の塗布液は凝集が発生した。塗
布液の水分含有量を1容量%以下とすることの効果は明
らかである。 実施例5 アルミニウム蒸着ポリエステルフィルム基板上に、アル
コール可溶性ポリアミド(東レ(株)製;アミランCM
8000)70重量部,メタノール930重量部からな
る下引き層用塗布液をワイヤーバーで塗布し、乾燥後の
膜厚が約0.7μmの下引き層を形成した。この下引き
層上に、実施例1で調製した電荷発生層用塗布液をワイ
ヤーバーで塗布し、乾燥後の膜厚が約0.5μmの電荷
発生層を形成した。
【0030】この電荷発生層上に、4−(ジエチルアミ
ノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(ABP
H)100重量部,ポリカーボネート樹脂(帝人化成
(株)製;パンライトC1400)アミノ)100重量
部,ジクロロメタン800重量部,シランカップリング
剤(信越化学工業(株)製;KP−322)1重量部か
らなる電荷輸送層用塗布液をワイヤーバーで塗布し、乾
燥後の膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し感光体とし
た。
【0031】実施例6 実施例5において、電荷発生層用塗布液を実施例1の液
から実施例2の液に変えたこと以外は、実施例5と同様
にして感光体を作製した。 比較例3 実施例5において、電荷発生層用塗布液を実施例1の液
から比較例1の液に変えたこと以外は、実施例5と同様
にして感光体を作製した。
【0032】実施例7 実施例5において、電荷発生層用塗布液を実施例1の液
から実施例3の液に変えたこと以外は、実施例5と同様
にして感光体を作製した。 実施例8 実施例5において、電荷発生層用塗布液を実施例1の液
から実施例4の液に変えたこと以外は、実施例5と同様
にして感光体を作製した。
【0033】比較例4 実施例5において、電荷発生層用塗布液を実施例1の液
から比較例2の液に変えたこと以外は、実施例5と同様
にして感光体を作製した。このようにして作製した実施
例5〜実施例8および比較例3,4の各感光体の電荷発
生層の塗布むら(凝集)の有無を目視により調べて製品
外観を評価した。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2に見られるように、電荷発生層を水分
含有量1容量%以下の塗布液を塗布して形成した実施例
5〜実施例8の感光体においては、いずれも電荷発生層
の塗布むらは発生せず、製品外観は良好であったが、電
荷発生層を水分含有量2容量%の塗布液を塗布して形成
した比較例3,比較例4の感光体では電荷発生層の塗布
むらが認められ、製品外観は不良であった。
【0036】続いて、実施例5〜実施例8および比較例
3,4の各感光体の印字品質を、LEDプリンタ(日本
電気(株)製;PC−PR601)により白紙印字試験
を行って、黒点発生の有無により評価した。その結果を
表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】表3に見られるように、実施例の各感光体
はいずれも黒点が発生せず、画像品質が良好であった
が、比較例の各感光体は黒点が発生した。表2および表
3より、塗布液の水分含有量を1容量%以下とすること
の効果は明らかである。
【0039】
【発明の効果】この発明によれば、導電性基体上に有機
材料からなる電荷発生層,電荷輸送層を含む光導電層を
備えてなり、そのうちの少なくとも電荷発生層が有機光
導電性物質と樹脂結着剤とを有機溶剤に分散,溶解した
塗布液を塗布することにより形成される電子写真用有機
感光体の製造方法において、電荷発生層を水分含有量が
1容量%以下の塗布液を用いて塗布形成する。このよう
な水分の少ない塗布液は、均質性が良好で、かつ,凝集
や分離が起きることが少なく安定性に優れている。この
ような塗布液を用いることにより、塗布液の凝集,分離
に起因する塗布むら、さらには水分に起因する塗布むら
のない膜厚均一で均質な電荷発生層を形成することがて
き、製品外観および画像品質の優れた感光体を歩留り良
く製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる感光体の一実施例の模式的断
面図
【符号の説明】
1 導電性基体 2 下引き層 3 光導電層 4 電荷発生層 5 電荷輸送層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に有機材料からなる電荷発生
    層,電荷輸送層を含む光導電層を備えてなり、そのうち
    の少なくとも電荷発生層が有機光導電性物質と樹脂結着
    剤とを有機溶剤に分散,溶解した塗布液を塗布すること
    により形成される電子写真用有機感光体の製造方法にお
    いて、電荷発生層の形成に用いられる塗布液の水分含有
    量が1容量%以下であることを特徴とする電子写真用有
    機感光体の製造方法。
  2. 【請求項2】電荷発生層の形成に用いられる塗布液に含
    まれる樹脂結着剤が親水性基を有する樹脂であることを
    特徴とする請求項1記載の電子写真用有機感光体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】樹脂結着剤が塩化ビニル系共重合樹脂であ
    ることを特徴とする請求項2記載の電子写真用有機感光
    体の製造方法。
  4. 【請求項4】樹脂結着剤がケタール系共重合樹脂である
    ことを特徴とする請求項2記載の電子写真用有機感光体
    の製造方法。
JP31913192A 1992-11-30 1992-11-30 電子写真用有機感光体の製造方法 Pending JPH06167818A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100455821B1 (ko) * 1995-09-20 2005-01-24 후지 덴끼 가부시키가이샤 전자사진용감광체

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100455821B1 (ko) * 1995-09-20 2005-01-24 후지 덴끼 가부시키가이샤 전자사진용감광체

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