JP2874308B2 - しきい値電圧低下用エーテル系液晶化合物 - Google Patents

しきい値電圧低下用エーテル系液晶化合物

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JP2874308B2 JP2235342A JP23534290A JP2874308B2 JP 2874308 B2 JP2874308 B2 JP 2874308B2 JP 2235342 A JP2235342 A JP 2235342A JP 23534290 A JP23534290 A JP 23534290A JP 2874308 B2 JP2874308 B2 JP 2874308B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気光学的表示材料、更に詳しくは液晶表示
装置に有用なエーテル系液晶化合物及びこれを含有する
液晶組成物に関する。
〔従来の技術〕
液晶表示セルの代表的なものにTN−LCD(ツイステッ
ド、ネマチック液晶表示装置)があり、時計、電卓、電
子手帳、ポケットコンピュータ、ワードプロセッサ、パ
ーソナルコンピュータなどに使用されている。近年、OA
機器の処理情報の増加に伴い、一画面に表示される情報
量が増大しており、従来のTN−LCDではコントラスト及
び視野角等の表示品位面から特にワードプロセッサ、パ
ーソナルコンピュータなどの高時分割駆動の要求に応え
られなくなっている。
このような状況の中で、シェファー(Scheffer)等
〔SID'85 Digest、P120(1985)〕あるいは衣川等〔SI
D'86 Digest、P122(1986)〕によってSTN(スーパー・
ツイステッド・ネマチック)−LCDが開発され、ワード
プロセッサ、パーソナルコンピュータなどの高情報処理
用の表示に広く普及しはじめている。
〔発明が解決しようとする課題〕
STN−LCDに特に有用な液晶化合物の一つとして、一般
(式中、Rは直鎖状アルキル基を表わす。) で表わされる化合物(以下、PCHという。)が知られて
いる。
PCHは正の誘電率の異方性を有するP形の液晶化合物
として有用であるが、誘電率の異方性(△ε)の値が約
+12〜13とさほど大きくなく、現在汎用されているネマ
チック液晶材料に混合した際に、液晶材料のしきい値電
圧の低下効果が小さいという欠点を有している。
本発明が解決しようとする課題は、PCHと類似の化学
構造を有し、△εの値が大きく、現在汎用されているネ
マチック液晶材料に混合した際に、液晶材料のしきい値
電圧の低下効果が大きな化合物、及びこれを含有する液
晶組成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記課題を解決するために、 一般式 (式中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基を表
わし、nは2〜7の整数を表わし、 はトランス配置のシクロヘキサン環を表わす。) で表わされる化合物及びこれを含有する液晶組成物を提
供する。
本発明に係わる一般式(I)で表わされる化合物は、
次の製造方法に従って製造することができる。
(上記反応式におけるR及びnは、各々一般式(I)に
おけるR及びnと同様の意味をもつ。) 第1段階:式(II)の化合物をt−ブチルメチルエーテ
ルの如きエーテル系溶媒中で、アルコキシメチル−トリ
フェニルホスホニウムブロマイドとのWittig反応に付
し、式(III)の化合物を製造する。
第2段階:式(III)の化合物を酢酸エチル中、ラネー
・ニッケルを触媒として接触還元を行ない、式(IV)の
化合物を製造する。
第3段階:式(IV)の化合物をジメチルホルムアミドの
如き塩基性溶媒中でシアン化第一銅と反応させて、式
(I)の化合物を製造する。
斯くして製造された本発明に係わる一般式(I)で表
わされる化合物の相転移温度を第1表に掲げる。
(表中、Cは結晶相、Nはネマチック相、Iは等方性液
体相を各々表わす。) 一般式(I)の化合物と混合して使用することのでき
る好ましい液晶化合物の代表例としては、例えば、4−
置換安息香酸4′−置換フェニルエステル、4−置換シ
クロヘキサンカルボン酸4′−置換フェニルエステル、
4−置換シクロヘキサンカルボン酸4′−置換ビフェニ
ルエステル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニル
オキシ)安息香酸4′−置換フェニルエステル、4−
(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4′−置換フェニ
ルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸
4′−置換シクロヘキシルエステル、4−置換4′−置
換ビフェニル、4−置換フェニル−4′−置換シクロヘ
キサン、4−置換4″−置換ターフェニル、4−置換ビ
フェニル4′−置換シクロヘキサン、2−(4−置換フ
ェニル)−5−置換ピリミジンなどを挙げることができ
る。
第2表はネマチック液晶材料として現在汎用されてい
る混合液晶(A)の70重量%と一般式(I)で表わされ
る化合物のNo.1及びNo.2の化合物の各々30重量%から成
る混合液晶の誘電率の異方性(△ε)としきい値電圧
(Vth)を掲示し、比較のために混合液晶(A)自体の
△εと、混合液晶(A)の70重量%と、一般式(I)で
表わされる化合物と類似構造を有する式(a)の化合物
及び式(b)の化合物の各々30重量%から成る混合液晶
の△εとVthを掲示したものである。
尚、混合液晶(A)は、 から成るものであり、式(a)及び式(b)の化合物
は、各々次式で表わされる化合物である。
第2表に掲示したデータから、一般式(I)で表わさ
れる化合物は、負の誘電率の異方性を有する混合液晶
(A)に加えた時に、誘電率の異方性を増加させ、しき
い値電圧を低下させる効果を有することが理解できる。
構造類似で一般的に広く用いられている式(a)の化合
物を混合液晶(A)に加えた時と比較すると、誘電率の
異方性も大きく、しきい値電圧が顕著に低いことが明確
である。
本発明が容易に類推できないことは一般式(I)で表
わされる化合物と類似の構造を有する式(b)の化合物
のしきい値電圧の低下効果が、本発明の化合物No.1及び
No.2よりも顕著に小さいばかりでなく、式(a)の化合
物よりも小さいことからも理解できる。
[実施例] 実施例1 の化合物30.2gに(0.075モル)をt−ブチルメチルエー
テル100mlに加え、−10℃で撹拌下、カリウム−t−ブ
トキサイド9g(0.08モル)で処理し、同温度で10分間撹
拌した後、更に室温で1時間撹拌した。
次いで反応混合物を−5℃に冷却し、テトラヒドロフ
ラン20mlに式 の化合物9.7g(0.034モル)を溶解した溶液を5分間か
けて滴下した後、室温で1時間反応させた。反応終了
後、反応混合物に水400mlを加え、酢酸エチル100mlで3
回抽出し、有機層を水洗、乾燥した後、溶媒を減圧留去
した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒n−ヘキサン:トルエン=1:1)を用い
て、下記化合物8.2g(0.025モル)を分離した。
次に、この化合物を酢酸エチル300mlに溶解し、触媒
としてラネー・ニッケル1gを加え、オートクレーブ中、
水素圧5kg/cm2で接触還元した。
反応終了後、触媒を濾別し、溶媒を減圧留去して、下
記化合物7.8g(0.024モル)を得た。
次に上記化合物7.8g(0.024モル)をジメチルホルム
アミド80mlに溶解し、この溶液にシアン化第一銅3.9g
(0.043モル)を加え、4時間加熱環流した。反応終了
後、アンモニア水100mlを加えた後、酢酸エチルで抽出
した。抽出液を水洗、乾燥した後、溶媒を減圧留去して
得た残渣をエタノールから再結晶させて精製して、下記
化合物4.5g(0.016モル)を得た。
実施例2 実施例1と同様にして下記化合物を得た。
〔発明の効果〕 本発明に係わる一般式(I)で表わされる化合物は、
PCHと類似の化合構造をもち、PCHのしきい値電圧の低下
効果が小さいという欠点を補ない、しかもPCHよりも誘
電率の異方性が大きい化合物である。
従って、本発明に係わる一般式(I)で表わされる化
合物及びこれを含有する液晶組成物は、低電圧駆動及び
高時分割駆動に優れたTN−LCDあるいはSTN−LCD用の材
料として極めて有用である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 255/54 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rは炭素原子数1〜5の直鎖状アルキル基を表
    わし、nは2〜7の整数を表わし、 はトランス配置のシクロヘキサン環を表わす。) で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の一般式(I)で表わされる
    化合物を含有することを特徴とするネマチック液晶組成
    物。
JP2235342A 1989-12-01 1990-09-05 しきい値電圧低下用エーテル系液晶化合物 Expired - Lifetime JP2874308B2 (ja)

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JP31286489 1989-12-01
JP1-312864 1989-12-01

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JPH03223242A JPH03223242A (ja) 1991-10-02
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