JP2873570B2 - 顆粒状ソルビン酸カリウムの製造法 - Google Patents

顆粒状ソルビン酸カリウムの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は顆粒状ソルビン酸カ
リウムの新規な製造法に関する。更に詳しくは、溶解性
と流動性に優れ、取り扱いが容易な顆粒状ソルビン酸カ
リウムの攪拌造粒法による製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ソルビン酸およびソルビン酸カリウム
は、その毒性が小さいことから食品用保存剤として賞用
されている。特に近年は、ソルビン酸カリウムの水への
溶解性が良好であることと取扱の容易さとから、各方面
で顆粒状に成型されたソルビン酸カリウムが、食品保存
剤として賞用されている。
【0003】従来の顆粒状ソルビン酸カリウムの製造法
は、特公昭62−19417や特公昭49−32062
等に提案されている。例えば特公昭62−19417に
開示される方法では、100℃から160℃に加熱した
空気によって流動化させたソルビン酸カリウム種粒子の
存在する床の中または上へソルビン酸カリウム水溶液を
噴霧して、その単位時間当たりの供給量を、流動床の温
度が40〜80℃で排気の相対湿度が60℃で計算して
20重量%以下であるように調節しながら顆粒を連続的
に製造する方法である。しかしながら、この噴霧乾燥装
置を使用して製造する方法は、装置の大きさに比べて生
産量が小さく容積効率が低い等の問題点がある。さらに
排気の相対湿度を60℃で計算して20重量%以下を達
成するには、元来湿度を持つ大気を使用する場合、これ
を160℃のような高温にしてその相対湿度を下げて、
大量の風量で乾燥速度を促進させる必要があり、これに
伴う製品品質の劣化や熱損失の発生があり、好ましい製
造法とは言えなかった。特公昭49−32062に開示
の造粒方法は、ドラム乾燥装置で急速に濃縮して生成し
たフレークを孔径1ミリ前後のスクリーンを介して押出
して成形した後、乾燥して顆粒状(円柱状)のソルビン
酸カリウムを製造する方法である。この方法では、前述
のスプレ−ドライヤ−方式のような大量の乾燥用空気は
必要としないため、熱ロスの問題はある程度回避される
が、押出し造粒機のスクリーン部の目詰りがしばしば発
生し、これを頻繁に掃除しなければならないために連続
運転に支障をきたす。また、得られた円柱状の顆粒は、
ポーラスで顆粒の強度が脆く、細かく短く折れやすく、
微粉が発生して製品の品位が低下する問題があった。ま
た、円柱状であるので基本的に嵩比重が小さくて輸送コ
ストがかさむなどの問題があった。従って、この方法に
も改良すべき点が残されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の製造法の問題を改良した、顆粒状ソルビン酸カリウム
の製造法を提供することにある。また、本発明の別の目
的は、嵩比重が大で水への溶解速度が大きくしかも保存
安定性の良好な、顆粒状ソルビン酸カリウムの製造法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、新規な顆
粒状ソルビン酸カリウムの製造法について鋭意研究した
結果、従来の製造法である、種晶にソルビン酸カリウム
水溶液をスプレーして大粒化させる方法や、押し出し機
による造粒方式よりも優れた製造方法として、パドル、
ピンミル及びスプレイ機能とを有する比較的一般的な攪
拌造粒機を用いて造粒した後、乾燥する事によって容易
に従来の問題点を解決できることを見出し、本発明を完
成するに至った。本発明に使用する原料のソルビン酸カ
リウムとしては、(1)ソルビン酸カリウム水溶液を濃
縮できる装置、例えば減圧若しくは常圧のドラムドライ
ヤーや薄膜蒸発機等を使用して得られた含水率が10%
重量以下のケーキまたはペレット、(2)ソルビン酸と
水酸化カリウムをエタノール、メタノール、アセトン等
の水溶性溶剤中で中和反応させて生成したスラリーを濾
過して得られたケーキ(含水率が有機溶剤の含有量も含
めて10重量%以下のもの)、および(3)乾燥したソ
ルビン酸カリウムのパウダーに水を添加して含水率を1
0重量%以下に調製したケーキを使用することができ
る。ただし、乾燥したソルビン酸カリウムを使用する場
合は、再乾燥による保存安定性の低下を考慮して、顆粒
の乾燥を減圧乾燥方式あるいは、窒素等の不活性ガス雰
囲気中で乾燥する等の配慮が必要になる。
【0006】これらの原料のソルビン酸カリウムは、前
以てソルビン酸カリウム水溶液または水を添加してその
含水率を3重量%以上10重量%以下に調節した物を使
用するか、または混合攪拌機における造粒操作中にソル
ビン酸カリウム水溶液または水をスプレイヤーから噴霧
してその含水率を3〜10重量%に調節して使用するこ
ともできる。すなわち、ソルビン酸カリウムのケーキ、
フレークまたはパウダーを、パドルとピンミルおよびス
プレイヤーを有する混合攪拌機に仕込み、パドルの回転
速度とピンミルの回転速度およびスプレイヤーに供給す
るソルビン酸カリウム水溶液または水の噴霧量と噴霧速
度を調製しながら、5〜40分間混合攪拌を行って所望
の粒径に造粒した後、得られた顆粒を乾燥することによ
って目的を達せられる。
【0007】これらの原料ソルビン酸カリウムの含水率
は、造粒される粒状ソルビン酸カリウムの粒径に大きく
影響する。造粒時に噴霧した水をも含めた原料の含水率
が低い場合には、得られる顆粒の粒径は小さくなる傾向
があり、逆に含水率が高い場合は大きな粒径となる傾向
がある。また、含水率が10重量%を越えると大きな塊
状になり、目的の粒度の物の収率が低下したり、甚だし
い場合はパドルの回転を不能にすることがあるので注意
を要する。従って、所望の粒度調製には、原料が持つ水
分と共に造粒時の水のスプレー量および造粒時の水分の
飛散による損失も重要な因子となる。原料のソルビン酸
カリウムの温度が高い場合は、造粒中の水分の飛散する
割合が影響するので、水分の飛散による損失を考慮し
て、水分を添加すべきである。本発明における造粒時の
より好ましい含水率は5〜8重量%である。造粒時のよ
り好ましい混合攪拌時間(以下、造粒時間と呼ぶことが
ある)は10〜25分である。
【0008】本発明の造粒は、前述した如くパドル型混
合機とピンミルおよびスプレイヤーを設けた混合攪拌機
を使用することによって行われる。以下に一例として、
二軸型混合攪拌機を使用する顆粒状ソルビン酸カリウム
の製造法について説明する。パドル型混合機としては、
通常パドルの周速度が1.0〜1.5メートル/秒程度
の比較的低速回転で混合する二軸の混合攪拌機で、二軸
のそれぞれに容器内の原料粉粒体を確実に攪拌混合出来
るように容器の全長をカバーする複数枚のパドルが取り
付けられて全体を満遍なく攪拌出来る構造になっている
物が好ましい。従って、パドル型混合機の容器は、パド
ルの回転に合わせて底面が二つの半円筒状(ドラム)に
なっていて、底部の形状に合わせてパドルが回転する
と、粉粒体を底部に滞留させる事なく混合することがで
きるような形状になっている物が好ましい。また、二軸
のパドルはそれぞれが互いに逆回転して粉体を中央部へ
移動し、その粉体は更に中央上部に移動してここに設け
られたピンミルに衝突し、さらにオーバーラップしなが
ら上下、左右、前後に移動して混合され、この混合操作
とピンミルの解砕操作を繰り返す方法で顆粒状に造粒さ
れる。
【0009】ピンミルは、周速度8〜10メートル/秒
程度の高速で回転する、40本前後のピンが2列に配置
され、そのピンの上方にピンカバーを設けてある。パド
ルの攪拌によって移動してきた粉粒体がパドルの中央部
でオーバーラップしてくる部位にピンミルが設置され、
大きな塊状物を解砕して粒度が整えられる。これらの、
混合攪拌機の容器、パドル、ピンミル及びピンミルカバ
ーは、造粒の際に原料のケーキが金属表面に付着するの
を抑制するためポリテトラフルオロエチレン(商品名テ
フロン)でコーテングまたはライニングを施した物が好
ましい。原料ケーキの混合攪拌機の部材への付着は最終
的には製品の品質低下や保存安定性の低下をきたす。ま
た、スプレー装置は、粉粒体に水またはソルビン酸カリ
ウム水溶液を噴霧してこれを効率良く加湿できるような
位置に、例えば粉体がパドルとピンミルおよびピンミル
カバーを経て移動して来る位置に設置するのが好まし
い。使用する噴霧器の機種は、一流式または二流式のい
ずれのノズルであっても微細な霧を発生するものを選択
すれば問題なく使用できる。加湿用の水としては純水の
外に、ソルビン酸カリウムを50重量%以下の濃度で含
有している水溶液であれば、支障なくスプレーに使用で
きる。
【0010】上記の混合攪拌機(以下造粒機と呼ぶこと
がある)の運転は、まず原料ソルビン酸カリウムを混合
攪拌機にパドルが隠れる位置近くまで仕込み、パドルと
ピンミルの運転を開始して造粒されてくる粒の状態を観
察しながら不足の水分をスプレーにより供給して所望の
粒径を整える方法で行われる。原料粒は、パドルとピン
ミルおよびスプレーによって適当な加湿と解砕を受けな
がら粒形と流動性が改善されて行き、次第に嵩比重が上
昇して行く。これに従って粉粒体部の容積が減少してい
くため、原料ソルビン酸カリウムの仕込み量は、パドル
の全ての部分が粉粒体内に隠れる位置まで仕込むのが好
ましい。また、造粒時間を長くする程顆粒は丸みを帯び
た形状となり、硬く締まった嵩比重の大きい顆粒ができ
る傾向がある。必要以上に長時間の混合攪拌を行うと、
得られる顆粒の水への溶解速度が小さくなる傾向がある
ので、通常10〜25分程度で行うことが望ましい。た
だし、溶解速度として攪拌しないで自然に溶解する速度
を特に重視せず、製品の長期保存時の吸湿による塊状化
防止を重視するのであれば、造粒時間を長くすることが
効果的である。以上に回分式操作による造粒について述
べたが、本発明の製造法は連続式または半連続式の操作
によっても行うこともできる。
【0011】上述した造粒法で製造された含水の顆粒状
ソルビン酸カリウムは、乾燥工程に移され乾燥される。
乾燥法としては、一般的な風力による流動乾燥、風力と
振動または攪拌とを組み合わせた流動乾燥または減圧乾
燥が適当である。乾燥機は、熱源として蒸気、電熱また
は遠赤外線等の、低コストの熱源を適用できる乾燥装置
であれば特に拘泥されない。乾燥条件は、ソルビン酸カ
リウム自身の品質を考慮すると、加熱した空気による酸
化、着色等による品位低下を抑制するため、可能な限り
低温で乾燥を促進する必要がある。特に、流動乾燥、振
動流動乾燥、攪拌流動乾燥等の様な風力を同時に使用す
る場合は、露点が0℃以下好ましくはマイナス20℃以
下になるように除湿した空気を使用するのが好ましく、
その場合は乾燥に供する熱風温度が100℃以下、好ま
しくは80℃以下の熱風を用いて、容易に含水率が0.
1%以下の製品を得ることができる。また、空気に替え
て窒素濃度が90%以上好ましくは93%以上に高めら
れた窒素豊富化空気を使用すれば、後述する水溶液の透
過率で表す品質の、乾燥による低下は殆ど観察されな
い。
【0012】乾燥用に供給する空気または窒素豊富化空
気を除湿乾燥する場合は、ポリイミド製中空子膜を通過
させて乾燥するのが経済的には有利である。以上の様な
方法で造粒乾燥された顆粒状ソルビン酸カリウムは、分
級装置に供給され粒径2.0ミリ以上の粒は篩でカット
される。カットした篩上品は、粉砕または溶解すること
で、原料として再利用される。また、場合によっては径
2ミリの篩を通過した粒を更に細孔の篩で分級し、大粒
品と細粒品に分けて製品となす場合もある。
【0013】本発明のより好ましい態様を以下の(ア)
〜(エ)に示す。 (ア)ピンミルおよびスプレイヤーを設けてあり、パド
ルを付けた二つの攪拌軸が互いに逆まわりに回転する二
軸混合攪拌機に、含水率が8重量%以下のソルビン酸カ
リウムのケーキ、フレークまたはパウダーを仕込み、純
水または濃度50重量%以下のソルビン酸カリウム水溶
液を仕込まれたソルビン酸カリウムの含水率が5〜8重
量%になるようにスプレイヤーから噴霧しながら、パド
ルを低速度で、ピンミルを高速度で共に回転させて10
〜25分間混合攪拌した後、得られた顆粒を、露点がマ
イナス20度以下の窒素豊富化空気を用いて乾燥する、
顆粒状ソルビン酸カリウムの製造法。 (イ)前項において、パドルの回転を周速度1〜1.5
メートル/秒で、ピンミルの回転を周速度8〜10メー
トル/秒で行う、顆粒状ソルビン酸カリウムの製造法。 (ウ)前記の(ア)または(イ)において、窒素豊富化
空気の窒素濃度が90%以上である、顆粒状ソルビン酸
カリウムの製造法。 (エ)前記の(ア)〜(ウ)のいずれかにおいて、窒素
豊富化空気をポリイミド中空糸膜を用いて乾燥し、循環
して使用する、顆粒状ソルビン酸カリウムの製造法。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
る。 実施例1 ソルビン酸カリウムのケーキ(濃度55%のソルビン酸
カリウム水溶液をドラム乾燥機(真空式)で連続濃縮し
て得られた含水率6.5重量%のソルビン酸カリウムの
ケーキ)56.2キログラムを、露点がマイナス40℃
以下の、窒素濃度約93%(窒素と空気の比2:1)の
混合空気の雰囲気下で、パドルの回転速周度数1.2メ
ートル/秒、ピンミルの回転周速度10メートル/秒の
条件で運転を開始しているケムコ・フォーベルグ混合機
(コトブキ技研工業(株)製.FP−60型をポリテト
ラフルオロエチレンでコーティングした装置)に仕込
み、12重量%ソルビン酸カリウム水溶液1キログラム
を噴霧しながら15分間造粒操作を実施した後、運転を
停止して得られた顆粒を流動乾燥機(不二パウダル
(株)製ミゼットドライヤー)に移した。続いて、露点
マイナス40℃以下の窒素(純度95%)を80℃に加
熱し、約100リッター/分の速度で吹き込んで乾燥
し、排気が温度65℃で相対湿度5%以下になった時点
で乾燥を終了した。得られた顆粒が室温付近に冷却した
後排出した。乾燥に供した窒素はポリイミド系の膜(宇
部興産UBEメンブレンドライヤー)を通して除湿し、
再加熱して循環使用した。同じ原料のケーキを用いて上
記の操作を5回繰り返して得られた丸みを帯びた顆粒状
ソルビン酸カリウムの収得率(水分を除く仕込量に対す
る収得率)は、99〜100%であった。得られた製品
の含水率は0.05%であった。また、粒度分布の平均
は次の通りであった。 径 2.0 ミリ以上 3% 径 1.6〜2.0ミリ 9% 径 1.0〜1.6ミリ 50% 径 0.5〜1.0ミリ 35% 径 0.5ミリ以下 3%
【0015】また、径2mmと径0.5mmの篩で分級
した顆粒の嵩比重と溶解速度を次の方法で測定した。嵩
比重測定方法は、内径6.5cm、高さ6.6cmの円
柱状の測定容器に容器の上端より3.5cm上方から試
料を投入して容器内を試料で満たし、容器上端以上の試
料を升掻きヘラでカットした後、その内容物の質量(W
2)を測定し、同容器に満たした水の質量(W1)とか
ら、W2/W1を嵩比重として求めた結果は次の通りで
ある。 径2.0〜0.5ミリの篩い分け品 0.74 径0.5ミリの篩い通過品 0.77 溶解速度は、顆粒状ソルビン酸カリウム10グラムを9
0グラムの温度25℃の純水に投入し、攪拌せずに完全
に溶解する迄の時間を測定して溶解速度(A)とし、同
じ混合割合で攪拌して完全に溶解するまでの時間を溶解
速度(B)として求めた。測定結果は、粒径0.5〜
2.0ミリの場合、(A)は5回の操作で得られた製品
について75〜80秒であり、(B)は10〜12秒で
あった。また、粒径0.5ミリ以下の製品は、(A)は
45〜50秒、(B)は6〜8秒であり、いずれも溶解
性は良好であった。一方、保存安定性は、温度25℃の
恒温槽に3カ月間と6カ月間保存した後、顆粒状ソルビ
ン酸カリウム水溶液の着色を測定して表わした。すなわ
ち、試料15グラムを純水85グラムに溶解した後、純
水を対照(透過率=100%)として、波長420nm
の光源を用いてセル長さ10mmで透過率を測定した。 0日目(乾燥直後) 97.6% 90日目 96.2% 180日目 95.5%
【0016】比較例1 ケムコ・フォーベルグ混合機のピンミルの運転を全く停
止した外は実施例1と同じ条件で造粒および乾燥を行っ
た結果、商品にならない粒径3ミリ以上の塊状物が25
%発生し、粒径2ミリパスの部分の嵩比重を測定すると
0.62と小さかった。 比較例2 乾燥に露点26℃の空気を使用した外は実施例1と同じ
条件で造粒乾燥を行った結果、含水率が0.31%の製
品を得た。この製品の保存安定性は、90日経過後の透
過率が90.2%であった。
【0017】実施例2 混合造粒装置として実施例1で使用した物と同型で、そ
の容器、パドル、ピンミルおよびピンミルカバーがポリ
テトラフルオロエチレン(商品名テフロン)でコーティ
ングされていない、ステンレス製(SUS−304)の
混合攪拌機を使用し、実施例1と同じ条件で3回造粒お
よび乾燥を行った。製品の収得率は初回が84.5%、
2回目が89.5%、3回目が93.4%であった。顆
粒状ソルビン酸カリウムの物性を測定した結果、粒径2
ミリ以上の大粒の比率が多くなっていたが実用上何等支
障はないものであった。 含水率: 0.06% 嵩比重: 径2ミリ以下 0.75 溶解速度: (A)85秒、 (B)10秒 粒度分布: 径2ミリ以上 7% 径2〜0.5ミリ 88% 径0.5ミリ以下 5% 保存安定性: 0日目 97.4% 180日目 94.2%
【0018】実施例3 メタノール溶媒中でソルビン酸と水酸化カリウムを反応
させて生成したソルビン酸カリウムのスラリーを遠心濾
過して得られたケーキを窒素を通しながら乾燥機温度6
5℃に設定して乾燥した。得られた粉末状のソルビン酸
カリウムの粒度分布および含水率は、以下の通りであっ
た。 500〜200ミクロン 5% 200〜100ミクロン 30% 100ミクロン以下 65% 含水率 0.05% このソルビン酸カリウム粉末を原料にして、水の添加量
を3.5%に変更した外は実施例1と同じ条件で造粒お
よび乾燥を行った。得られた、丸みを帯びた顆粒状ソル
ビン酸カリウムの特性値は以下の通りであった。 含水率 0.06% 粒度分布(重量%) 径1.0ミリ以上 1% 径1.0〜0.5ミリ 45% 径0.5〜0.2ミリ 49% 径0.2ミリ以下 5% 径1〜0.2ミリの顆粒の嵩比重 0.74 径1〜0.2ミリの顆粒の溶解速度 (A) 66秒 (B) 10秒 径1〜0.2ミリの顆粒の保存安定性(透過率) 0日目 97.5% 180日目 94.8% 粒度は、実施例1と比較すると、やや小さくなったが、
実用上何等支障はないものである。
【0019】実施例4 原料の水添加量を8.5重量%に変更した外は実施例2
と同じ条件で製造し、含水率0.06%の丸みを帯びた
顆粒状ソルビン酸カリウムを得た。物性を測定した結果
を以下に示す。諸特性は製品として何等問題の無いもの
であった。 径2ミリパスの粒度の物の嵩比重 0.74 粒度分布 径2ミリ以上 2% 径2〜0.5ミリ 94% 径0.5ミリ以下 4% 保存安定性 0日目 97.3% 180日目 95.2%
【0020】実施例5 水添加量を10%とした外は実施例2と同じ条件で、造
粒および乾燥を行いソルビン酸カリウムの顆粒を得た。
製品の物性を測定した結果は以下の通りであった。 含水率 0.05% 粒径1〜 0.2ミリの物の嵩比重 0.75 粒度分布 径2ミリ以上 9% 径2.0〜0.5ミリ 88% 径0.5ミリ以下 3% 径2.0〜0.5ミリの粒度の物の溶解速度(A) 75秒 保存安定性 0日目 97.3% 180日目 94.5% 顆粒の形状がやや大き目であるものの実用上特に問題の
無いものであった。
【0021】実施例6 実施例1と同じ原料を径1ミリのスクリーンから押出
し、造粒して得られたペレットをフォーベルグ混合機
(60型)に56キログラム仕込み、実施例1と同じ条
件で造粒した後、露点マイナス25℃の窒素を吹き込み
ながら乾燥機温度を80℃に設定して回転式乾燥機で乾
燥し、含水率0.07%の丸みを帯びた顆粒状ソルビン
酸カリウムを得た。粒度分布を測定すると径1.2ミリ
以上は2%、径1.2〜0.5ミリは92%、径0.5
ミリ以下は6%であった。嵩比重を測定すると0.74
であり、溶解速度は(A)67秒、(B)8秒と良好で
あった。また、保存安定性は0日目が透過率96.7
%、180日目が透過率93.4%であり、実用上特に
問題のない製品であった。 比較例3 実施例6に使用したペレット状ソルビン酸カリウムを実
施例6で使用した回転式乾燥機に仕込み、露点25℃の
空気を110℃に加熱した熱風で乾燥機の排気温度80
℃に達する迄乾燥し、円柱状の顆粒状ソルビン酸カリウ
ムを得た。 乾燥後の含水率は0.11%、嵩比重は
0.54であり嵩比重は小さかった。 また、保存安定
性は0日目の透過率が95.1%、保存開始後180日
目の透過率が78.7%であった。
【0022】
【発明の効果】本発明の製造方法で得られる顆粒状ソル
ビン酸カリウムは、水への溶解速度が大きく、嵩比重も
大きい点で取り扱いが容易にできる物である。また、長
期保存における安定性にも優れている。さらに、従来の
製造法と比較して安価に製造出来ると考慮されるので工
業的に有用な製造法であると言える。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソルビン酸カリウムのケーキ、フレーク
    またはパウダーから攪拌造粒装置を用いて顆粒状ソルビ
    ン酸カリウムを製造する方法において、パドル、ピンミ
    ルおよびスプレイヤーを設けた混合攪拌機に、ケーキ、
    フレークまたはパウダーを仕込み、その含水率が3〜1
    0重量%になるように調節しながら5〜40分間攪拌混
    合して造粒した後、窒素豊富化空気または100度以下
    の空気を用いて乾燥することを特徴とする、顆粒状ソル
    ビン酸カリウムの製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、混合攪拌機のパド
    ル、ピンミルおよび容器の内壁がポリテトラフルオロエ
    チレンでコーティングまたはライニングされている、顆
    粒状ソルビン酸カリウムの製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、振動流動乾
    燥機、攪拌流動乾燥機または風力流動乾燥機を使用し
    て、露点が0℃以下になるまで除湿した、空気または窒
    素濃度を90%以上とした窒素豊富化空気を50〜10
    0℃に加熱して送気し、顆粒の含水率が0.1%以下に
    なるまで乾燥する、顆粒状ソルビン酸カリウムの製造
    法。
  4. 【請求項4】 乾燥に供する空気または窒素豊富化空気
    を、ポリイミド製中空糸膜を通して露点がマイナス20
    ℃以下になるまで除湿して使用する請求項1〜3のいず
    れかに記載の顆粒状ソルビン酸カリウムの製造方法。
JP20306796A 1996-07-12 1996-07-12 顆粒状ソルビン酸カリウムの製造法 Expired - Fee Related JP2873570B2 (ja)

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