JP2873488B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関し、詳しくは
写真特性、経時保存性が改良されたハロゲン化銀カラー
写真感光材料に関する。
〔発明の背景〕
近年、カラー感光材料は高感度で、かつ鮮鋭性、色再
現性の優れた感光材料の開発が強く望まれている。
鮮鋭性を改良する手段として、発色現像主薬の酸化体
と反応して現像抑制剤を放出するDIR化合物が知られて
いる。これを乳剤中に含有することにより、エッジ効果
による色画像の鮮鋭性を高め、更に積層効果による色再
現の改良がなされることは周知である。しかし、これら
のDIR化合物では、発色現像時に放出される現像抑制剤
が感光材料より処理液中に拡散し蓄積される結果、処理
液が現像抑制性を示すという欠点があった。
このような問題を解決するために、特開昭57−151944
号、同58−205150号、同60−218644号、同60−221750
号、同61−11743号及び米国特許4,782,012号に記載の方
法が提案されている。
これらは、カプラーのカップリング位より離脱したと
きは現像抑制性を示し、それが処理液中に流れ出した後
は、写真性に影響を与えない化合物に分解される性質を
持つカプラーである。確かにこのカプラーにより、大量
の感光材料をランニング処理した場合においても、感度
低下は少なく、現像液の汚染はかなり軽減された。
しかしながら、前記カプラーを含有する感光材料は、
保存中のカブリの増加、感度・鮮鋭度・色再現の劣化が
あり、又、カプラー自身の性能として、エッジ効果、重
層効果の両立を考えると、未だ充分とは言えない。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、鮮鋭性ならびに色再現性が良好であ
り、更に、感光材料の経時における保存安定性が改良さ
れたカラー感光材料を提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明の上記目的は、下記一般式〔I〕で示される化
合物を含有するハロゲン化銀写真感光材料により達成さ
れる。
式中、Cpは発色現像主薬の酸化体とカップリング反応
しうるカプラー残基を表し、TIMEは*−Y−Ar−C(R
11)(R12)−**(Yは酸素原子、硫黄原子又は置換
されていてもよいイミノ基を表し、Arはベンゼン環又は
ピラゾール環を表し、R11及びR12は各々水素原子、アル
キル基又はアリール基を表す)なるタイミング基を表
し、*でカプラー残基のカップリング位に、**でS原
子に結合しており、電子移動によりメルカプトテトラゾ
ールを放出する。ただし、AとBの炭素数の総和は6〜
10である。
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式〔I〕で示されるカプラーにおいて、Cpで表さ
れるカプラー残基としては、イエロー、マゼンタ又はシ
アン色素を生成する残基と実質的に無色の生成物を生成
する残基がある。
Cpで表されるカプラー残基においてイエローカプラー
残基として代表的なものは、米国特許2,298,443号、同
2,407,210号、同2,875,057号、同3,048,194号、同3,26
5,506号、同3,447,928号及び“ファルブクプラー アイ
ネ リテラトウルヴェル ジッヒト アグファ ミッタ
イルング(バンドII)”(Farbkuppler eine Literatur
uversiecht Agfa Mitteilung(Band II))112〜126頁
(1961年)などに記載されてりう。これらのうち、アシ
ルアセトアニリド類、例えばベンゾイルアセトアニリド
やピバロイルアセトアニリド類が好ましい。
マゼンタカプラー残基として代表的なものは、米国特
許2,369,489号、同2,343,703号、同2,311,182号、同2,6
00,788号、同2,908,573号、同3,062,653号、同3,152,89
6号、同3,519,429号、同3,725,067号、同4,540,654号、
特開昭59−162548号及び前記のAgfa Mitteilung(Band
II)126〜156頁(1961年)などに記載されている。これ
らのうち、ピラゾロンあるいはピラゾロアゾール(例え
ばピラゾロイミダゾール、ピラゾロトリアゾールなど)
類が好ましい。
シアンカプラー残基として代表的なものは、米国特許
2,367,531号、同2,423,730号、同2,474,293号、同2,77
2,162号、同2,395,826号、同3,002,836号、同3,034,892
号、同3,041,236号、同4,666,999号及び前記のAgfa Mit
teilung(Band II)156〜175頁(1961年)などに記載さ
れている。これらのうちフェノール類あるいはナフトー
ル類が好ましい。
実質的に無色の生成物を形成するカプラー残基として
代表的なものは、例えば英国特許861,138号、米国特許
3,632,345号、同3,928,041号、同3,958,993号及び同3,9
61,959号などに記載されている。これらのうち、環式カ
ルボニル化合物が好ましい。
TIMEで表されるタイミング基については後出の一般式
〔XV〕及び〔XVI〕で詳述するが、それ以外にも例え
ば、特開昭56−114946号、同57−154234号などに開示さ
れている共役鎖に沿った電子移動反応によって写真有用
性基を放出するものなどが挙げられる。その他、特開昭
57−188035号、同58−98728号、同59−206834号、同60
−7429号、同60−214358号、同50−225844号、同60−22
9030号、同60−233649号、同60−237446号、同60−2374
47号に開示されたタイミング基も挙げられる。
一般式〔I〕においてCpで示されるイエローカプラー
残基としては、次の一般式〔II〕及び〔III〕で表され
るものが好ましい。
上記一般式〔II〕及び〔III〕において、R3,R4は例え
ばアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロ環又は
ハロゲン原子を表し、前記アルキル、シクロアルキル、
アリール、ヘテロ環は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子
を介して結合してもよい。更に前記アルキル、シクロア
ルキル、アリール、ヘテロ環は以下に掲げる係合基を介
して結合してもよい。即ち、アシルアミノ、カルバモイ
ル、スルホンアミド、スルファモイル、スルファモイル
カルボニル、カルボニルオキシ、オキシカルボニル、ウ
レイド、チオウレイド、チオアミド、スルホン、スルホ
ニルオキシなど、又、前記アルキル、シクロアルキル、
アリール、ヘテロ環は更に以下に述べる置換基を有して
いてもよい。
即ち、ハロゲン原子、ニトロ、シアノ、アルキル、ア
ルケニル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、ア
リールオキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシ
カルボニル、カルボキシ、スルホ、スルファモイル、カ
ルバモイル、アシルアミノ、ウレイド、ウレタン、スル
ホンアミド、ヘテロ環、アリールスルホニル、アルキル
スルホニル、アリールチオ、アルキルチオ、アルキルア
ミノ、アニリノ、ヒドロキシル、イミド、アシルなど。
R3及びR4が、それぞれ2つ以上ある場合、それらは同
一でも異なっていてもよい。
一般式〔I〕においてCpで示されるマゼンタカプラー
残基としては、次の一般式〔IV〕、〔V〕、〔VI〕及び
〔VII〕で表されるものが好ましい。
上記一般式〔IV〕〜〔VII〕においてR3,R4は、一般式
〔II〕、〔III〕のR3,R4と同義である。
一般式〔I〕においてCpで示されるシアンカプラー残
基としては、次の一般式〔VIII〕、〔IX〕及び〔X〕で
表されるものが好ましい。
上記〔VIII〕〜〔X〕においてR3,R4は、一般式〔I
I〕、〔III〕のR3,R4と同義である。
一般式〔I〕においてCpで表される実質的に無色の生
成物を形成するカプラー残基としては、一般式〔XI〕〜
〔X IV〕で表されるものが好ましい。
式中、R5は例えば水素原子、アルキル基、アリール
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシ基又は
ヘテロ環基を、Xは酸素原子又は=NR6を表す。R6はア
ルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシル
基又はスルホニル基を表す。Zは5〜7員の炭素環(例
えばインダノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン
など)又はヘテロ環(例えばピペリドン、ピロリドン、
ピドロカルボスチリルなど)を形成するに必要な非金属
原子群を表す。
式中、R5ならびにXは一般式〔XI〕におけるR5ならび
にXと同義であり、R7はアルキル基、アリール基、ヘテ
ロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルアミノ基、
ジアルキルアミノ基又はアニリノ基を表す。
式中、R8及びR9は同じであっても異なっていてもよ
く、例えばアルコキシカルボニル基、カルバモイル基、
アシル基、シアノ基、ホルミル基、スルホニル基、スル
フィニル基、スルファモイル基、アンモニウムミル基又
を表す。Aは窒素原子と共に5〜7員のヘテロ環(例え
ばフタルイミド、トリアゾール、テトラゾールなど)を
形成するに必要な非金属原子群を表す。
式中、R10例えばアルキル基、アリール基、アニリノ
基、アルキルアミノ基又はアルコキシ基を、Bは酸素原
子、硫黄原子又は窒素原子を表す。
一般式〔II〕〜〔X IV〕のうちCpとして好ましいもの
は〔II〕,〔III〕である。
本発明に有用なTIMEとしては次の一般式〔XV〕及び
〔X VI〕で示されるもの包含するが、これらに限定され
るものではない。
式中、Xは置換基であってもよいベンゼン環又はナフ
タレン環を完成するのに必要な原子群を表す。
Yは を表し、一般式〔I〕においてCpで表されるカプラー残
基のカップリング位に結合しており、R11,R12及びR13
各々、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。
又、 はYに対し、オルト位又はパラ位に置換されており、現
像抑制剤基の硫黄原子に結合している。
式中、Y,R11,R12は各々、一般式〔XV〕と同義であ
る。R14は例えば水素原子、アルキル基、アリール基、
アシル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘ
テロ環基であり、R15は例えば水素原子、アルキル基、
アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アミノ基、酸
アミド基、スルホンアミド基、カルボキシル基、アルコ
キシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基を示す。
又、このタイミング基は、一般式〔XV〕と同様にYで
もって一般式〔I〕においてCpで表されるカプラー残基
のカップリング位に、 でもって現像抑制剤基の硫黄原子に結合する。
一般式〔XV〕,〔X VI〕で表されるタイミング基のう
ち好ましいものは〔XV〕であり、更に好ましいものは がYに対しパラ位に置換されたものが好ましい。
一般式〔I〕において、Aで表されるアルキレン基と
しては、直鎖でも分岐でもよく、例えばメチレン、エチ
レン、プロピレン、ブチレン、イソプロピレン等の基が
挙げられる。これらのうちで好ましいものは、メチレ
ン、エチレン基である。
Bで表されるアルキル基としては、例えばメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、t−ブチル、sec
−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル基
が挙げられる。
AとBの炭素数の総和は6〜10であるが、好ましくは
6〜8である。
以下に本発明の代表的な例示化合物を示すが、これら
に限定されない。
以下に一般式〔I〕で示される化合物の合成例を示
す。
(1)18.7gとエタノール50mlに(2)の6.5%水溶液
100gを70〜80℃で20分で加え、更に3時間撹拌した後、
10℃に冷却した。析出した白色固体を濾過後、希塩酸に
より濾液を中性とし、析出した結晶を濾取、乾燥後、エ
タノールで再結晶し、白色結晶として(3)4.6gを得
た。
次に(4)14.4gと(3)4.6gをクロロホルム50mlに
溶解し、10%重炭酸ナトリウム水溶液20mlを30分で加
え、更に24時間撹拌した。反応後、クロロホルム層を分
離し、減圧蒸溜により溶媒を除去した。
得られた固体を酢酸エチル−ヘキサン溶媒で再結晶
し、例示化合物4を12g得た。
化合物の同定は、NMR、MS、IRスペクトルで行い目的
物であることを確認した。
本発明に係るDIRカプラーは写真材料中、任意の層、
例えばハロゲン化銀乳剤層及び/又は非感光性親水性コ
ロイド層に含有させることができるが、好ましくはハロ
ゲン化銀乳剤層に使用するのがよい。更に好ましくは、
赤感光性ハロゲン化銀乳剤層及び/又は縁感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層に使用する場合である。
本発明のDIRカプラーをカラー感光材料の親水性コロ
イド層に含有せしめるためには、例えば公知のジブチル
フタレート、トリクレジルホスフェート、ジノニルフェ
ノール等の如き高沸点溶媒と酢酸ブチル、プロピオン酸
等の如き低沸点溶媒との混合液に本発明に係るDIRカプ
ラーを、それぞれ単独で、あるいは併用して溶解せしめ
た後、界面活性剤を含むゼラチン水溶液と混合し次いで
高速度回転ミキサー又はコロイドミルもしくは超音波分
散機を用いて乳化分散させた後、乳剤中に直接添加する
か、又は上記乳化分散液をセットした後、細断し水洗し
た後、これを乳剤に添加してもよい。
本発明に係るDIRカプラーの使用量は、ハロゲン化銀
に対して0.005〜10mol%が好ましく、より好ましくは0.
01〜5mol%の範囲である。
本発明に係るDIRカプラーは1種で使用しても、又、
2種以上併用してもよい。
本発明の感光材料に用いるハロゲン化銀乳剤として
は、通常のハロゲン化銀乳剤の任意のものを用いること
ができる。該乳剤は、常法により化学増感することがで
き、増感色素を用いて所望の波長域に光学的に増感でき
る。
ハロゲン化銀乳剤には、カブリ防止剤、安定剤等を加
えることができる。該乳剤のバインダーとしては、ゼラ
チンを用いるのが有利である。
乳剤層、その他の親水性コロイド層は、硬膜すること
ができ、又、可塑剤、水不溶性又は難溶性合成ポリマー
の分散物(ラテックス)を含有させることができる。
カラー写真用感光材料の乳剤層には、カプラーが用い
られる。
更に色補正の効果を有しているカラードカプラー、競
合カプラー及び現像主薬の酸化体とのカップリングによ
って現像促進剤、漂白促進剤、現像剤、ハロゲン化銀溶
剤、調色剤、硬膜剤、カブリ剤、カブリ防止剤、化学増
感剤、分孔増感剤及び減感剤のような写真的に有用なフ
ラグメントを放出する化合物を用いることができる。
感光材料には、フィルター層、ハレーション防止層、
イラジエーション防止層等の補助層を設けることができ
る。これらの層中及び/又は乳剤層中には現像処理中に
感光材料から流出するか、もしくは漂白される染料が含
有させられてもよい。
感光材料には、マット剤、滑剤、画像安定剤、界面活
性剤、色カブリ防止剤、現像促進剤、現像遅延剤や漂白
促進剤を添加できる。
支持体としては、ポリエチレン等をラミネートした
紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、バライタ
紙、三酢酸セルロース等を用いることができる。
本発明の感光材料を用いて色素画像を得るには露光
後、通常知られているカラー写真処理を行うことができ
る。
〔実施例〕
以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実
施の態様はこれらに限定されない。
以下の全ての実施例において、ハロゲン化銀写真感光
材料中の添加量は特に記載のない限り1m2当たりのもの
を示す。又、ハロゲン化銀コロイド銀は銀に換算して示
した。
実施例1 トリアセチルセルロースフィルム支持体上に、下記に
示すような組成の各層を順次支持体側から形成して、多
量カラー感光材料試料1を作成した。
試料1(比較) 第1層:ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀を含むゼラチン層。
第2層:中間層(I.L) 2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンの乳化分散物
を含むゼラチン層。
第3層:低感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RL) 平均粒径()0.30μm,AgI6モル%を含むAgBrIから
なる 単分散乳剤(乳剤I)… 1.8g 増感色素I …銀1モルに対して6×10-5モル 増感色素II …銀1モルに対して1×10-5モル シアンカプラー(C−1) …銀1モルに対して 0.06モル カラードシアンカプラー(CC−1) …銀1モルに対して 0.003モル DIR化合物(D−1) …銀1モルに対して 0.0035モル 第4層:高感度赤感性ハロゲン化銀乳剤層(RH) 平均粒径()0.5μm,AgI7.0モル%を含AgBrIからな
る 単分散乳剤(乳剤II)… 1.3g 増感色素I …銀1モルに対して3×10-5モル 増感色素II …銀1モルに対して1×10-5モル シアンカプラー(C−1) …銀1モルに対して 0.02モル カラードシアンカプラー(CC−1) …銀1モルに対して 0.0015モル DIR化合物(D−1) …銀1モルに対して 0.001 モル 第5層:中間層(IL) 第2層と同じ、ゼラチン層。
第6層:低感度緑感性ハロンゲン化銀乳剤層(GL) 乳剤I … 1.5g 増感色素III …銀1モルに対して2.5×10-5モル 増感色素IV …銀1モルに対して1.2×10-5モル マゼンタカプラー(M−1) …銀1モルに対して 0.050モル カラードマゼンタカプラー(CM−1) …銀1モルに対して 0.009モル DIR化合物(D−1) …銀1モルに対して 0.0010モル DIR化合物(D−3) …銀1モルに対して 0.0030モル 第7層:高感度緑感性ハロゲン化銀乳剤層(GH) 乳剤II … 1.4g 増感色素III …銀1モルに対して1.5×10-5モル 増感色素IV …銀1モルに対して1.0×10-5モル マゼンタカプラー(M−1) …銀1モルに対して 0.020モル カラードマゼンタカプラー(CM−1) …銀1モルに対して 0.002モル DIR化合物(D−3) …銀1モルに対して 0.0010モル 第8層:イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀と2,5−ジ−t−オクチルハイドロキ
ノンの乳化分散物とを含むゼラチン層。
第9層:低感度青感性ハロゲン化銀乳剤層(BL) 平均粒径0.48μm,AgI6モル%を含むAgBrIからなる 単分散乳剤(乳剤III)… 0.9g 増感色素V …銀1モルに対して1.3×10-5モル DIR化合物(D−4) …銀1モルに対して 0.006モル イエローカプラー(Y−1) …銀1モルに対して 0.29モル 第10層:高感度青感性ハロゲン化銀乳剤層(BH) 平均粒径0.8μm,AgI15モル%を含むAgBrIからなる 単分散乳剤(乳剤IV)… 0.5g 増感色素V… 銀1モルに対して1×10-5モル イエローカプラー(Y−1) …銀1モルに対して 0.08モル 第11層:第1保護層(Pro−1) 沃臭化銀(AgI1モル%,平均粒径0.07μm) … 0.5g 紫外線吸収剤UV−1,UV−2を含むゼラチン層。
第12層:第2保護層(Pro−2) ポリメチルメタクリレート粒子(直径1.5μm)及び
ホルマリンスカベンジャー(HS−1)を含むゼラチン
層。
尚、各層には上記組成物の他にゼラチン硬化剤(H−
1)や界面活性剤を添加した。
試料1の各層に含まれる化合物は下記の通りである。
増感色素I:アンヒドロ−5,5′−ジクロロ−9−エチル
3,3′−ジ(3−スルホプロピル)チアカルボシアニン
ヒドロキシド 増感色素II:アンヒドロ−9−エチル3,3′−ジ(スルホ
プロピル)−4,5,4′,5′−ジベンゾチアカルボシアニ
ンヒドロキシド 増感色素III:アンヒドロ−5,5′−ジフェニル−9−エ
チル3,3′−ジ(3−スルホプロピル)オキサカルボシ
アニンヒドロキシド 増感色素IV:アンヒドロ−9−エチル−3,3′−ジ(3−
スルホプロピル)−5,6,5′,6′−ジベンゾオキサカル
ボシアニンヒドロキシド 増感色素V:アンヒドロ−3,3′−ジ(3−スルホプロピ
ル)−4,5−ベンゾ−5′−メトキシチアシアニンヒド
ロキシド 更に、上記試料1の第9層のDIR化合物(D−4)を
等モルで下記表1の通り置き換え、試料2〜9を作製し
た。
このようにして作製した各試料1〜9を一部は55℃、
20%RH条件下で7日間放置し、未処理のものと同時に白
色光を用いてウェッジ露光し、青感光層の感度、ガブリ
を測定した。
併せて、画像鮮鋭性の測定も実施した。鮮鋭性は色素
画像のMTFを求め30本/mmでのMTFの相対値(試料1を100
とする)で示した。
処理工程(38℃) 発色現像 3分15秒 漂 白 6分30秒 水 洗 3分15秒 定 着 6分30秒 水 洗 3分15秒 安定化 1分30秒 乾 燥 各処理工程において使用した処理液組成は下記の通り
である。
〔発色現像液〕
4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−β−ヒド
ロキシエチルアニリン・硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸ナトリウム 4.25g ヒドロキシルアミン・1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 37.5g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロ三酢酸・3ナトリウム塩(1水塩)2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1とする。
〔漂白液〕
エチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム塩 100g エチレンジアミン四酢酸2アンモニウム塩 10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10ml 水を加えて1とし、アンモニア水を用いてpH=6.0
に調整する。
〔定着液〕
チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.5g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1とし、酢酸を用いてpH=6.0に調整す
る。
〔安定液〕
ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダックス(コニカ株式会社製)7.5ml 水を加えて1とする。
表1より本発明に基づく試料は鮮鋭性が大幅に改良さ
れ、かつ、保存時における熱によるカブリ発生が低く、
又感度の低下が少ないことがわかる。又、本発明に基づ
く試料をランニング処理した場合においても、感度低下
は殆ど見られなかった。
実施例2 トリアセテートベース上に以下の順序で重層塗布を行
い基本試料を作成した。
(1) シアンカプラーとしてC−2 0.5g、ゼラチン2.
4g及びハロゲン化銀1.6gを含有する赤感性沃臭化銀乳剤
層。
(2) ゼラチン0.5g及び2,5−ジ−t−オクチルハイ
ドロキノン0.1g、を含有するゼラチン中間層。
(3) イエローカプラーとしてY−1 1.70g、ゼラチ
ン2.4g、ハロゲン化銀1.6gを含有する青感性沃臭化銀乳
剤層。
(4) ゼラチン0.8gよりなる保護層。
上記重層塗布感光材料の構成層の内、イエローカプラ
ーを含む第3層の中に下記のDIRカプラーを表2に示す
通りの添加量に従って添加し、7種類の試料10〜16を作
製した。
各試料を2分割し、一方の試料には白色光によるウェ
ッジ露光を行い、他方の試料には赤色光によるウェッジ
露光を行った。
次いで実施例1と同様に処理した。
各試料について、発色現像によって得られたシアン色
素の特性曲線によりガンマ値を求め、赤色露光によるガ
ンマ(γ)を白色露光によるガンマ(γ)で割った
値及び白色露光した時のDIR化合物を含有する青感性乳
剤層の感度を測定した。
結果を表2に示す。
又、青感性乳剤層のガンマが試料10と同じ値になるよ
う添加した試料17〜22を作成し、同様にガンマ比、感度
を測定した。
結果を表3に示す。
表−2に示すように、DIR化合物を等モル添加した場
合、本発明の化合物は若干の感度低下を示すものの、非
常に大きなIIE効果を示すことがわかる。
又、青感層のガンマを一定にした表3からは、比較化
合物D−5,D−6は多量の添加量が必要となり、その結
果、自層内の感度低下を生じるのに対し、本発明の化合
物ではIIE効果が大きく、感度低下も見られないことが
わかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加口 裕之 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 (72)発明者 平林 茂人 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株 式会社内 審査官 秋月 美紀子 (56)参考文献 特開 平2−106740(JP,A) 特開 平2−48655(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 7/305

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現像主薬の酸化体と反応し、現像抑制剤を
    放出しうる下記一般式〔I〕で表される化合物を含有す
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 〔式中、Cpは発色現像主薬の酸化体とカップリング反応
    しうるカプラー残基を表し、TIMEは*−Y−Ar−C(R
    11)(R12)−**(Yは酸素原子、硫黄原子又は置換
    されてもよいイミノ基を表し、Arはベンゼン環又はピラ
    ゾール環を表し、R11及びR12は各々水素原子、アルキル
    基又はアリール基を表す)なるタイミング基を表し、*
    でカプラー残基のカップリング位に、**でS原子に結
    合しており、電子移動によりメルカプトテトラゾールを
    放出する。Aはアルキレン基、Bはアルキル基を表す。
    ただし、AとBの炭素数の総和は6〜10である。〕
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