JP2872281B2 - プリント板基材用コンテナー及びプリント板基材搬送方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプリント板基材用コンテナー及びプリント板
基材搬送方法に関し、特に位置決め穴を有するトレーを
有するプリント板基材用コンテナー及びそのプリント板
基材用コンテナーを使用したプリント板基材搬送方法に
関する。

〔従来の技術〕

現在プリント板製造工場では、プリント板基材はコン
テナーに格納され、一旦倉庫に搬入され、倉庫から搬出
されたコンテナーはプリント板製造装置まで運ばれ、プ
リント板製造装置に対する基材供給は人手によって１枚
づつ行っていた。また、場合によっては一旦基材投入機
械に人間がまとめてプリント板基材をセットしていた。

このため、コンテナーは単なる基材運搬用としてのみ
使用されていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

従って、このようなプリント板基材を運搬するのに多
くの人手を必要とし、さらに人の手に触れることによ
り、プリント板基材が劣化、汚染されるという問題があ
った。このために、人手をかけないでプリント板基材を
搬送することが要求されている。

しかし、汎用コンテナーを基材投入機のパレット代わ
りに使用する時の次のような問題点がある。すなわち、
汎用コンテナーは成形品が一般的であり、射出成形機の
条件出しの違いに起因する寸法誤差が大きい。一方、プ
リント板製造装置にプリント板基材を供給するために
は、基材投入機上で正確な位置決めが必要である。

従って、汎用コンテナー自体を正確に位置決めするこ
とは困難であり、プリント板製造装置に正確にプリント
板基材を投入するための弱点となっている。

本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
正確な位置決め可能なプリント板基材用コンテナーを提
供することを目的とする。

また、本発明の他の目的はこのプリント板基材用コン
テナーを使用し、人手をかけないプリント板基材搬送方
法を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明では上記課題を解決するために、プリント板基
材を搬送するためのプリント板基材用コンテナーをコン
テナーと該コンテナーケースの底面に載置されるトレー
で構成する。そして、コンテナーケースはその底面に貫
通穴を設け、トレーは外周部にプリント板基材をガイド
するためのガイド板を設け、かつ、底面には前記貫通穴
に対向する位置に位置決め用穴を設ける。さらに、この
トレーはコンテナーケースの底面に載置された際には位
置決め用穴が貫通穴の領域内に収まる範囲で前記コンテ
ナーケース底面上を摺動可能の寸法に形成することによ
って、前記課題を解決した。

また、プリント板基材をプリント板工場内で搬送する
プリント板基材搬送方法において、前記プリント板基材
用コンテナーのトレー上にプリント板基材を格納し、無
人倉庫に保管し、コンテナーを前記無人倉庫から、無人
搬送車で基材投入機に運び、基材投入機上の位置決めガ
イドピンをコンテナーケースの貫通穴に貫通させ該ガイ
ドピンとトレーの位置決め用穴を使用して、トレーを位
置決めし、その後、コンテナーから前記プリント板基材
を取り出してプリント板製造装置に供給するプリント板
基材搬送方法を用いることによって前記課題を解決し
た。

〔作用〕

トレーはコンテナーケース内で自由度を有し、基材投
入機のガイドピンによりコンテナーケースの中のトレー
が正確に位置決めされる。従って、コンテナーケースの
精度とは無関係に、プリント板基材も正確に位置決めさ
れたことになり、一定の位置からプリント板基材の取り
出しが可能となる。

また、このプリント板基材用コンテナーを使用して、
無人搬送車でこのコンテナーを運び、これを基材投入機
にセットし、ロボットでプリント板製造装置に供給する
ことにより、人手を介することなく、プリント板基材を
プリント板製造装置に供給することができる。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本発明のプリント板基材用コンテナーの断面
図、第２図はその平面図である。コンテナー１はコンテ
ナーケース２及びトレー３から構成されている。コンテ
ナーケース２は矩形の箱状で、その断面は上方がやや広
く、プリント板基材を入れ易くするようになっている。
コンテナーケース２の底面には位置決め用のガイドピン
を通すための貫通穴2a、2b、2c及び2dがある。

コンテナーケース２の内部にはトレー３があり、トレ
ー３の底面には位置決め用の盲穴4a、4b、4c及び4dがあ
る。後述するように、位置決め用のガイドピンは前述の
貫通穴を通って、盲穴に達して、トレー３を正確に位置
決めする。すなわち、貫通穴2a、2b、2c及び2dは、位置
決めによってトレー３が動いても、位置決めピンが貫通
穴の側面に当たらないように余裕を持たせる必要があ
り、例えば、貫通穴を25φ、盲穴を20φ程度にすること
ができる。トレー３はコンテナーケース２内で位置決め
時に動けるように自由度を持たせ、5a、5b、5c、5dに示
すようにコンテナーケース２の幅よりやや小さくなって
いる。トレー３の外周にはプリント板基材をガイドする
ガイド板3a、3b、3c及び3dがある。

従って、コンテナーケース２そのものは一般に成形精
度が低く、正確な位置決めはできないが、内部のトレー
３は精度を持たせ、少なくとも±1mm程度以下とする。
このようなトレー３を有するプリント板基材用コンテナ
ー１を使用すれば、プリント板基材の位置決めが正確に
でき、プリント板基材を基材投入機からプリント板製造
装置にロボット等で正確に供給できる。

次にこのようなプリント板基材用コンテナーを使用し
て、プリント板基材を運搬するプリント板基材搬送方法
について述べる。第３図はプリント板工場内におけるプ
リント板基材搬送方法の概略を説明する図である。

プリント板製造工場の外部からのプリント板基材は先
に述べたプリント板基材用コンテナーに格納されて、無
人倉庫10に保管されている。必要に応じて、このプリン
ト板基材用コンテナー1a、1b、1cは無人搬送車12によっ
て、基材投入機13に搬送される。基材投入機13には図示
されていないコンベアによって、プリント板基材用コン
テナー1cが位置決めステーション部14の位置まで送ら
れ、ここで、後述する位置決めガイドピンによって正確
に位置決めされる。

次にプリント板基材用コンテナー1c内の基材25はロボ
ット20のアームの先端のハンドに設けられた吸着盤に有
するアーム23及び24によって、１枚ずつ吸着されてプリ
ント板製造装置30に供給される。このとき、基材投入機
13上のステーション部14にガイドピンで、コンテナー1c
が正確に位置決めされているので、基材投入用ロボット
20から正確にプリント板製造装置30にプリント板基材25
が供給できる。

さらに、ここでは外部から無人倉庫10に搬入される以
降、一切の人手に触れず、省力化でき、また人の手によ
る汚染、腐食等を防止できる。

第４図はステーション部の詳細を示す図である。基材
投入機13にはステーション部14があり、ステーション部
14は図示されていないモータによって、上下に昇降でき
るように構成されている。プリント板基材用コンテナー
１が図示されていないコンベアによって、ステーション
部14の上まで運ばれると、ステーション部14は上昇し、
ガイドピン14a及び14bが貫通穴2a及び2bを通り、盲穴4a
及び4bに当たり、トレー３が正確に位置決めされるので
ある。

なお、上記の説明では基材投入機からプリント板製造
装置へのプリント板基材の供給はロボットで行ったが他
の専用の搬送装置を使用することもできる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明では、コンテナーケース内
に正確に位置決め用の穴を有するトレーを設けたコンテ
ナーとしたので、プリント板基材の正確な位置決めが可
能となる。

また、このプリント板基材用コンテナーを使用して、
無人倉庫から無人搬送車でコンテナーを基材投入機まで
搬送し、ロボットでプリント板基材をプリント板製造装
置に供給するようにしたので、プリント板基材投入工程
の完全自動化を実現できる。

さらに、これによってプリント板基材が人の手に触れ
ないので、酸化、変色等の品質劣化を防止でき、プリン
ト板の歩留りが向上する。

その上、コンテナーケースは汎用の成形箱が使えるた
めに、比較的安価に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のプリント板基材用コンテナーの断面
図、 第２図は第１図の平面図、 第３図はプリント板工場内におけるプリント板基材搬送
方法の概略を説明する図、 第４図は基材投入機のステーション部の詳細を示す図で
ある。 １……コンテナー ２……コンテナーケース 2a〜2d……貫通穴 ３……トレー 3a〜3d……ガイド板 4a〜4d……盲穴 10……無人倉庫 12……無人搬送車 13……基材投入機 14……ステーション部 14a、14b……ガイドピン 20……ロボット 22……ハンド 23、24……アーム 25……プリント板基材 30……プリント板製造装置

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プリント板基材を搬送するためのプリント
   板基材用コンテナーであって、 前記コンテナーはコンテナーケースと該コンテナーケー
   スの底面に載置されるトレーで構成され、 前記コンテナーケースはその底面に貫通穴を有し、 前記トレーは外周部にプリント板基材をガイドするため
   のガイド板を備えると共に、底面には前記貫通穴に対向
   する位置に位置決め用穴を備え、前記コンテナーケース
   の底面に載置された際に前記位置決め用穴が前記貫通穴
   の領域内に収まる範囲で前記コンテナーケース底面上を
   摺動可能の寸法に形成されていることを特徴とするプリ
   ント板基材用コンテナー。
2. 【請求項２】前記貫通穴及び位置決め用穴は４個である
   特許請求の範囲第１項記載のプリント板基材用コンテナ
   ー。
3. 【請求項３】プリント板基材をプリント板工場内で搬送
   するプリント板基材搬送方法において、 特許請求の範囲第１項記載のプリント板基材用コンテナ
   ーのトレー上にプリント板基材を格納し、無人倉庫に保
   管し、 前記コンテナーを前記無人倉庫から、無人搬送車で基材
   投入機に運び、 前記基材投入機上の位置決めガイドピンを前記コンテナ
   ーケースの貫通穴に貫通させ該ガイドピンと前記トレー
   の前記位置決め用穴を使用して、前記トレーを位置決め
   し、 前記コンテナーから前記プリント板基材を取り出してプ
   リント板製造装置に供給することを特徴とするプリント
   板基材搬送方法。
4. 【請求項４】前記コンテナーから前記プリント板基材を
   取り出すのは、ロボットを使用し、前記ロボットのアー
   ムの先端に設けられている吸着盤によって、前記プリン
   ト板基材を取り出し、前記プリント板製造装置に供給す
   ることを特徴とする特許請求の範囲第３項記載のプリン
   ト板基材搬送方法。