JP2870304B2 - 大豆蛋白粉末の製造法 - Google Patents

大豆蛋白粉末の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、従来の大豆蛋白と比
べ、色調、風味に優れ、水に対する分散性が高く、溶液
粘度が低く、加水ペーストの加熱品は白く凝固し、食感
は適度に不均一であり、カルシウム含量が高い大豆蛋白
を製造する方法に関する。本発明により得られる大豆蛋
白は、食品類たとえばスリ身、畜肉、小麦粉等に混合
し、その原料とともに用いることができる。また、油揚
げ、がんも等の製造に際してその原料とともに用いるこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】従来の粉末状大豆蛋白は大豆蛋白の特色
である高い溶解性とゲル形成性を生かすべく製造されて
おり、そうした粉体の食品への添加は、様々な系におい
て保水性の向上やテクスチャーの改良に役立っている。
しかし、そうした目的で使用される粉体は、粉体製造時
の乾燥工程で、粉体表面にゲル状の膜を形成するため、
水に対する分散速度が著しく低下する。また、水に分散
した蛋白は巨大な分子量を有するため、高い粘性を呈
し、飲料等のある種の用途には不適当である。更に、従
来の粉末状大豆蛋白のなかで水溶性が高くゲル形成能を
有するものは食感がゴム的となり必ずしも好ましくな
お。又、水溶性が低下するなど熱やpHで変性を受けた
ものは砂のようにザラツキ好ましくない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、大
豆蛋白がカルシウムと高い反応性を有することを利用
し、カルシウムを用いて適度の強度と大きさを有するコ
ロイドとした後、乾燥することで、これまでの大豆蛋白
にはない性質を有する粉体の製造を確立することができ
る。古くから、大豆蛋白とカルシウムの相互作用の結果
得られる食品として、豆腐が知られている。しかし、豆
腐のようにカルシウム−蛋白の反応が完全に進み、平衡
状態になったものは、噴霧乾燥することが出来ないだけ
でなく、たとえその他の手段で乾燥してもまるで砂のよ
うにざらつき、食用には適さない欠点を有する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意研究するなかで 特定のpH域、温度
域、反応時間域の条件下で目的とする粉末状の大豆蛋白
が得られる知見を得て、本発明を完成するに至った。通
常、本発明の大豆蛋白粉末は蛋白溶液を特定pH域に調
整し、この前後叉は同時に特定量のカルシウム塩を加え
た後加熱処理し冷却し再度特定量のカルシウム塩を加え
るが大豆蛋白質とカルシウムが反応して大豆蛋白が凝固
し終える前に均質化処理を行って微細化(噴霧乾燥装置
にかけられるに充分な微粒子まで)した後噴霧乾燥して
得ることができる。
【0005】本発明は大豆蛋白含有溶液をpH5.5〜
8.5に調整し、加熱凝集しない程度にカルシウム塩を
加え、80〜160℃に加熱した後、70℃以下まで冷
却後、カルシウム塩を加えて蛋白のカルシウム凝固を開
始させた後、凝固が完了する前に充分な均質化処理を行
い、噴霧乾燥をする大豆蛋白粉末の製造法である。本発
明の大豆蛋白含有溶液は、脱脂大豆を原料として大豆蛋
白抽出乃至製造工程中に得られる大豆蛋白溶液の他、分
離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白、豆乳等から調製される溶液
を用いることができる。
【0006】本発明においては大豆蛋白含有溶液をpH
5.5〜8.5に調整する。このpH調整前後あるいは
同時に特定量のカルシウム塩を添加して加熱処理を行う
がpHが5.5未満では後の加熱中に大豆蛋白含有溶液
が変性・不溶化し、だま状・繊維状になることがあり好
ましくない。また、pHが8.5を越えると大豆蛋白含
有溶液が着色し、風味も劣化するので好ましくない。
又、本発明においては大豆蛋白含有溶液の濃度は本発明
の大豆蛋白粉末の製造工程における製造条件により適し
た濃度とすることができるが通常30%以下とすること
ができる。
【0007】本発明において大豆蛋白含有溶液に前記p
H調整前後あるいは同時にカルシウム塩を加えることが
適当であるが、このときのカルシウム塩の量は次の加熱
工程中にこの大豆蛋白含有溶液が加熱凝集しない程度に
加えることが重要である。カルシウムの量が多すぎると
後の加熱工程で大豆蛋白含有溶液が凝固してしまうので
工業的に連続製造が困難になるばかりでなく目的とする
大豆蛋白粉末が得られず好ましくない。
【0008】本発明のこの工程叉は後のカルシウムを添
加する工程に用いるカルシウム塩は解離してカルシウム
イオンとなる化合物であれば特に制限するものではな
く、例えば塩化カルシウム等のハロゲン化物、水酸化カ
ルシウム等の水酸化物、乳酸カルシウム等の有機酸化
物、硫酸カルシウム等の鉱酸化物等を用いることができ
る。尚、大豆蛋白含有溶液が分離大豆蛋白や濃縮大豆蛋
白を出発原料として調製されたとき等は、pH調整に水
酸化カルシウムを用いることで、得られる大豆蛋白粉体
をより白色、低粘度化することができ好ましい。また同
時に得られた大豆蛋白粉末中の灰分も低下させることが
でき好ましい。
【0009】大豆蛋白溶液の濃度、pH、加熱温度と時
間等にもよるが加熱凝固しない量のカルシウムの量は通
常カルシウムとして1.2%以下とすることができる。
このように、大豆蛋白含有溶液の加熱前に少量のカルシ
ムを添加することにより、得られる大豆蛋白粉末をざら
つきの少ない、安定した粉末とすることができる。
【0010】本発明においてpH調整され少量のカルシ
ウムを加えられた大豆蛋白含有溶液を80〜160℃、
好ましくは120〜160℃で加熱することが適当であ
る。80℃未満では加熱効果がなく、加熱による充分な
殺菌を行うには通常120℃以上が好ましい。160℃
を越えると得られる大豆蛋白粉末の色調の劣化が起こり
好ましくない。
【0011】尚、加熱時間は特に限定するものではない
が、例えば分離大豆蛋白白の大豆蛋白含有溶液を処理す
る場合には、60秒以下で目的の大豆蛋白粉末を得るこ
とができる。本発明において、加熱処理された大豆蛋白
含有溶液を70℃以下(通常実用的には50〜65℃)
とし、カルシウム塩を添加することができる。70℃を
越える高い温度では大豆蛋白とカルシウムとの反応が急
激に進んでしまい、目的の大豆蛋白粉末を得ることが困
難となる。
【0012】尚、70℃以下の温度は任意に設定でき、
低温程反応速度が遅いため、より柔らかい大豆蛋白とカ
ルシウムのコロイドを形成することができる。このコロ
イドの状態は本発明の大豆蛋白粉末の粒度、密度、ざら
つきをに関与するので調整が重要である。カルシウム塩
は前述のカルシウム塩と同種のものを用いることができ
る。風味の観点からは乳酸カルシウム等の有機酸カルシ
ウムが優れている。
【0013】本発明においては、大豆蛋白含有溶液がカ
ルシウム凝固を完了する前に充分な均質化処理を行い、
噴霧乾燥することが重要である。大豆蛋白含有溶液がカ
ルシウム凝固を完了すると均質化処理が困難であるばか
りでなく目的の大豆蛋白粉末を得ることが困難となり好
ましくない。。通常、カルシウム塩添加後、直ちに均質
化を行うことにより大豆蛋白含有溶液がカルシウム凝固
を完了する前に充分な均質化処理を行うことができる。
【0014】均質化手段としては、ホモミキサー、ホモ
ゲナイザー、マイルルダー、マイコロイダー、インライ
ンホモミキサー等公知の均質化手段を用いることができ
る。均質化された大豆蛋白含有溶液は噴霧乾燥して大豆
蛋白粉末とすることができる。均質化が充分でないと前
述のように噴霧乾燥することが出来ないばかりでなく目
的とする大豆蛋白粉末が困難となることもある。本発明
の大豆蛋白粉末はカルシウムを含有しながらも噴霧乾燥
できる特徴を有する。
【0015】噴霧乾燥は均質化処理後短時間内(大豆蛋
白濃度、カルシウム量、大豆蛋白含有溶液温度、均質化
の程度などにより異なるが再凝固が顕著にならない短時
間内、通常10分以内で可能)に噴霧乾燥を行うことが
適当である。噴霧乾燥手段は、公知の噴霧乾燥手段を用
いることが出来、アトマイザータイプ及び高圧ノズルタ
イプのいずれも用いることができる。
【0016】得られた本発明の大豆蛋白粉末は、分散性
が良好で、大豆の厭味が極めて少なく、カルシウムを多
く含有し、加水してペースト状となし、80℃、30分
加熱しても白く凝固し、電子レンジ加熱しても保形性を
持ち、フライすると厚揚げ状になるといった従来の分離
大豆蛋白とは異なった特徴を有する。
【0017】従って、本発明の大豆蛋白粉末は、食品類
たとえばスリ身、畜肉、小麦粉等に混合し、その原料と
ともに用いることが出来る。また、油揚げ、がんも等の
製造に際してその原料とともに用いることもできる。
【0018】
【実施例】以下実施例により本発明の実施態様を具体的
に説明するが、これらは例示であって権利範囲を限定す
るものではない。
【0019】実施例1 各原料からの調整法の実施例を以下に示す。脱脂大豆を
粉砕し、100メッシュの篩いで篩い分け、100メッ
シュ通過分に15倍加水し、室温、pH7.0において
30分間抽出し、対乾物量当たり0.2%の塩化カルシ
ウムを加えて100℃で10分間加熱処理した後、対乾
物量当たり0.8%の塩化カルシウムを65℃において
加え、カルシウム凝集溶液とした。これを以下「脱脂大
豆タイプ」と呼ぶ。
【0020】また、脱脂大豆を粉砕し、100メッシュ
の篩いで篩い分け、100メッシュ通過分に15倍加水
し、室温、pH4.5において30分間抽出後、遠心分
離した。その沈澱画分に12倍加水し、水酸化ナトリウ
ムでpH7.0に調整した後0.2%の塩化カルシウム
を加えて100℃で10分間加熱処理した後、対乾物量
当たり0.8%の塩化カルシウムを65℃において加
え、カルシウム凝集溶液とした。
【0021】これを以下「酸コンセントレートタイプ」
と呼ぶ。一方、脱脂大豆に15倍加水し、室温、pH
7.0において30分間抽出後、遠心分離し、脱脂豆乳
を得た。その脱脂豆乳に0.2%の塩化カルシウムを加
えて100℃で10分間加熱処理した後、対乾物量当た
り0.8%の塩化カルシウムを65℃において加え、カ
ルシウム凝集溶液とした。これを以下「脱脂豆乳タイ
プ」と呼ぶ。
【0022】更に、脱脂豆乳タイプを遠心分離し、カル
シウム凝集物のみとしたものに等量の水を加え、カルシ
ウム凝集溶液とした。これを以下「分離大豆蛋白タイ
プ」と呼ぶ。各カルシウム凝集溶液をホモゲナイザーで
均質化し、直ちにアトマイザーで噴霧乾燥して乾燥粉末
を得た。
【0023】以上の実施例に対し、脱脂大豆に15倍加
水し、室温、pH7.0において30分間抽出後、遠心
分離して得た脱脂豆乳に塩酸を加えてpH4.5とし、
これを遠心分離して得た大豆蛋白カードに加水し、水酸
化ナトリウムを加え、pH7.0に調整後、140℃で
15秒加熱した溶液をアトマイザーで噴霧乾燥して得ら
れる分離大豆蛋白の乾燥粉末を対照とした。各カルシウ
ム凝集乾燥粉末の5%溶液の官能評価及び物性を以下表
1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 脱脂大豆に15倍加水し、50℃、pH7.0において
30分間抽出後、遠心分離し、脱脂豆乳を得た。その脱
脂豆乳に塩酸を加え、pH4.5とした後、遠心分離
し、カードを得た。そのカードに10%濃度になるよう
に加水した後、水酸化ナトリウムを加え、pH7.4と
した。その分離大豆蛋白溶液を140℃で15秒間加熱
後、60℃まで冷却し、ホモミキサーで攪拌しながら、
溶液中の全カルシウム量が対乾物量当たり1%となるよ
うに塩化カルシウム及び乳酸カルシウムのカルシウム塩
溶液を添加し、マイコロイダーで均質化した後、アトマ
イザーにより噴霧乾燥して乾燥粉末を得た。それぞれの
カルシウム塩によりカルシウム凝集して得られた乾燥粉
末の比較を以下表2に示す。
【0026】
【表2】 ─────────────────────────────────── カルシウム塩の種類 塩化カルシウム 乳酸カルシウム ─────────────────────────────────── 粗蛋白量(%/dry) 87.0 85.0 NSI 20.0 20.0 10%溶液pH 6.5 6.5 ─────────────────────────────────── 5%溶液のざらつき ざらつく ざらつき少 5%溶液の分散性 良好 良好 5%溶液の沈降性 あり あり 5%溶液の風味 塩味が強い 無味 ───────────────────────────────────
【0027】尚、NSIは可溶性窒素指数を表す。 塩化カルシウムを用いた場合:大豆蛋白との反応が早
く、硬いカルシウム凝集物を形成し、その噴霧乾燥品は
ざらつく。また、NaClの生成により、塩味が強く感
じられた。 乳酸カルシウムを用いた場合:カルシウム凝集物は比較
的軟らかく、その噴霧乾燥品のざらつきは少なく、風味
は無味で良好であった。
【0028】実施例3 脱脂大豆に15倍加水し、50℃、pH7.0において
30分間抽出後、遠心分離し、脱脂豆乳を得た。その脱
脂豆乳に塩酸を加え、pH4.5とした後、遠心分離
し、カードを得た。そのカードに10%濃度になるよう
に加水した後、対乾物量当たり0.5〜1.0%のカル
シウムになるように水酸化カルシウムを添加し、水酸化
ナトリウムにより、pH6.7に調整した。本大豆蛋白
溶液を140℃で15秒間加熱後、60℃まで冷却し、
ホモミキサーで攪拌しながら、対乾物量当たり0〜0.
5%のカルシウムになるように塩化カルシウムもしくは
乳酸カルシウム溶液を添加し全カルシウムの終濃度が対
乾物量当たり1.0%のカルシウムになるようにした。
その溶液をホモミキサーで十分攪拌後、アトマイザーに
より噴霧乾燥して乾燥粉末を得た。それぞれのカルシウ
ム塩によりカルシウム凝集して得られた乾燥粉末の比較
を以下表3に示す。
【0029】
【表3】 ─────────────────────────────────── Ca源とCaとしての添加量/添加時期 Ca凝集溶液 5%溶液官能評価 ───────────────── ────────── 乳酸Ca 塩化Ca 水酸化Ca ざらつき 風味 ─────────────────────────────────── ─ ─ 1.0/加熱前 凝集不溶化 あり 無味 ─ 0.2/加熱後 0.8/加熱前 低粘度 なし 塩味少 0.2/加熱後 ─ 0.8/加熱前 低粘度 なし 無味 ─ 0.5/加熱後 0.5/加熱前 高粘度 なし 塩味多 0.5/加熱後 ─− 0.5/加熱前 高粘度 なし 無味 ───────────────────────────────────
【0030】以上のように) 対乾物量当たり1.0%の
水酸化カルシウムを添加した区は加熱により、凝集不溶
化し、その噴霧乾燥品の水溶液はざらついた。又、対乾
物量当たり0.8%の水酸化カルシウムを添加した区は
加熱による凝集不溶化がなく、対乾物量当たり0.2%
の塩化カルシウムを併用したものは噴霧乾燥品の水溶液
の塩味が少なく、風味良好でざらつかなかった。又、対
乾物量当たり0.5%の水酸化カルシウムを添加した区
は加熱による凝集不溶化がなく、対乾物量当たり0.5
%の塩化カルシウムを併用するとその噴霧乾燥品の水溶
液は塩味がでたが、ざらつきはなかった。
【0031】実施例4 脱脂大豆に15倍加水し、50℃、pH7.0において
30分間抽出後、遠心分離し、脱脂豆乳を得た。その脱
脂豆乳に塩酸を加え、pH4.5とした後、遠心分離
し、カードを得た。そのカードに10%濃度になるよう
に加水した後、対乾物量当たり0.8%のカルシウムに
なるように水酸化カルシウムを添加し、更に水酸化ナト
リウムを加え、pH6.5もしくは6.7とした。その
分離大豆蛋白溶液を140℃で15秒間加熱後、60℃
まで冷却し、ホモミキサーで攪拌しながら、対乾物量当
たり0.2%のカルシウムになるように塩化カルシウム
溶液を添加し、終濃度が対乾物量当たり1.0%のカル
シウムになるようにした。その溶液をホモミキサーで十
分攪拌後、アトマイザーにより噴霧乾燥して乾燥粉末を
得た。それぞれのカルシウム凝集して得られた乾燥粉末
の比較を以下表4に示す。
【0032】
【表4】 ─────────────────────────────────── 中和pH 6.5 6.7 ─────────────────────────────────── 粗蛋白量(%/dry) 88.0 88.0 NSI 20.0 50.0 10%溶液pH 6.2 6.5 ─────────────────────────────────── 5%溶液のざらつき なし なし 5%溶液の分散性 良好 良好 5%溶液の沈降性 あり なし 5%溶液の風味 無味 無味 ───────────────────────────────────
【0033】尚、NSIは可溶性窒素指数を示す。対乾
物量当たり0.8%のカルシウムになるように水酸化カ
ルシウムを添加した後、水酸化ナトリウムを加え、中和
するpHを変えることにより、ざらつきがなく、風味良
好で沈降性のない噴霧乾燥粉体を作ることができた。
【0034】実施例5 実施例4と同様にして作成した噴霧乾燥粉末に3倍加水
して、ペーストを作成した。その3倍加水ペーストをケ
ーシングに詰め、80℃で30分間加熱した。一方、3
倍加水ペーストを内径30mm、高さ5mmのリングに
入れて、成型し、電子レンジ加熱(温め1分)及びフラ
イ(160℃で15秒)した。結果を表5に示す。
【0035】
【表5】 ─────────────────────────────────── 大豆蛋白 実施例4 対照 ─────────────────────────────────── 粗蛋白量(%/dry) 88.0 88.0 91.0 NSI 20.0 50.0 95.0 10%溶液pH 6.2 6.5 7.0 ─────────────────────────────────── 80℃、30分加熱 白く凝固 白く凝固 ゴム的ゲル化 電子レンジ加熱 保形性あり 膨化後だれる 膨化後だれる フライ 厚揚げ状 厚揚げ状 細切れに散る ───────────────────────────────────
【0036】カルシウム塩により凝集させた大豆蛋白の
噴霧乾燥粉体の加水ペーストは従来品と異なり、80
℃、30分加熱において白く凝固し、不均一な食感でよ
り食品にちかいものになった。電子レンジ加熱において
は、NSIが低いタイプに保形性がみられ、豆腐様であ
った。フライにおいてはNSIが低いタイプも高いタイ
プも厚揚げ状になり、豆腐様であった。
【0037】
【発明の効果】本発明により従来の分離大豆蛋白と異な
り、分散性が良好で、大豆の厭味がなく、カルシウム強
化の大豆蛋白を製造する事が可能となったものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23J 3/16 - 3/16 502

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大豆蛋白含有溶液をpH5.5〜8.5に
    調整し、加熱凝集しない程度にカルシウム塩を加え、8
    0〜160℃に加熱した後、70℃以下まで冷却後、カ
    ルシウム塩を加えて蛋白のカルシウム凝固を開始させた
    後、凝固が完了する前に充分な均質化処理を行い、噴霧
    乾燥をする大豆蛋白粉末の製造法。 【0001】
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