JPS62242A - 懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方法 - Google Patents
懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方法Info
- Publication number
- JPS62242A JPS62242A JP13687985A JP13687985A JPS62242A JP S62242 A JPS62242 A JP S62242A JP 13687985 A JP13687985 A JP 13687985A JP 13687985 A JP13687985 A JP 13687985A JP S62242 A JPS62242 A JP S62242A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- milk protein
- solution
- water
- aqueous solution
- particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、全粒子の85v/v%以上が0.1μm〜1
.8μmの粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方
法に関するものである。特に、本発明の方法により製造
される懸濁性乳蛋白質微粒子は水に安定に懸濁すると共
に、カゼインナトリウムに比して分散性がよく、ママ粉
を造り難く、また官能的に糊状感が少ないため蛋白質含
有液性食品の良好な原料として有用なものである。
.8μmの粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方
法に関するものである。特に、本発明の方法により製造
される懸濁性乳蛋白質微粒子は水に安定に懸濁すると共
に、カゼインナトリウムに比して分散性がよく、ママ粉
を造り難く、また官能的に糊状感が少ないため蛋白質含
有液性食品の良好な原料として有用なものである。
〔従来の技術〕及び〔発明が解決しようとする問題点〕
従来の乳蛋白質製品には、脱脂乳から等電点沈殿法で造
られる酸カゼイン、カルシウムイオンの存在下にレンニ
ン酵素の働きで沈殿させて得られるレンネットカゼイン
、同じくカルシウム塩を添加し90℃以上に脱脂乳を加
温し沈殿させて得られる共沈殿蛋白質、及びこれらの非
水溶性カゼインに炭酸ナトリウム、ポリリン酸すl−リ
ウムなどのアルカリ性溶解剤を加えて水可溶性にしたア
ルカリカゼイネートが知られている。なお酸カゼイン、
レンネットカゼイン、共沈殿蛋白質は非水溶性である。
られる酸カゼイン、カルシウムイオンの存在下にレンニ
ン酵素の働きで沈殿させて得られるレンネットカゼイン
、同じくカルシウム塩を添加し90℃以上に脱脂乳を加
温し沈殿させて得られる共沈殿蛋白質、及びこれらの非
水溶性カゼインに炭酸ナトリウム、ポリリン酸すl−リ
ウムなどのアルカリ性溶解剤を加えて水可溶性にしたア
ルカリカゼイネートが知られている。なお酸カゼイン、
レンネットカゼイン、共沈殿蛋白質は非水溶性である。
従って従来は、乳カゼインを中性又は微酸性の液性食品
に加えるときは、アルカリカゼイネートが用いられてき
た。しかしアルカリカゼイネ−1・は一般に言うアルカ
リ焼は臭を持ち、また官能的に糊状感を液性食品に与え
る欠点を持っている。例えば本発明者らは、完全栄養飲
料(蛋白含有液体栄養食品等)に求められている彊白質
含量4%相当量のカゼインナトリウムを水に加えて試飲
したところ、風味が良くないばかりか、飲下後に口の周
辺部に接着剤が付いた感触(糊状感)を与えて、好まし
くないものであった。
に加えるときは、アルカリカゼイネートが用いられてき
た。しかしアルカリカゼイネ−1・は一般に言うアルカ
リ焼は臭を持ち、また官能的に糊状感を液性食品に与え
る欠点を持っている。例えば本発明者らは、完全栄養飲
料(蛋白含有液体栄養食品等)に求められている彊白質
含量4%相当量のカゼインナトリウムを水に加えて試飲
したところ、風味が良くないばかりか、飲下後に口の周
辺部に接着剤が付いた感触(糊状感)を与えて、好まし
くないものであった。
本発明は上記のような従来の乳カゼインの欠点を改良し
、中性乃至微酸性水溶液に加えた場合に懸濁分散性が良
(、安定で沈殿することな(、且つ風味の良い糊状感を
与えない乳蛋白質製品を得ることができる懸濁性乳蛋白
質微粒子を提供することを目的とするものである。
、中性乃至微酸性水溶液に加えた場合に懸濁分散性が良
(、安定で沈殿することな(、且つ風味の良い糊状感を
与えない乳蛋白質製品を得ることができる懸濁性乳蛋白
質微粒子を提供することを目的とするものである。
この様な意図のもと−に、本発明者らは種々探究した結
果、水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液に攪拌下、45
℃以上の液温のもとに”、液の白濁化は呈するが凝集沈
殿物が生じない量の酸液を添加して得られる全粒子に対
し85v/、v%以上が0.1 am 〜1.8 μ
n(micrometer)の粒径である微粒子は、本
発明の目的を完全に達、成するものであることを知り、
本発明を完成した。
果、水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液に攪拌下、45
℃以上の液温のもとに”、液の白濁化は呈するが凝集沈
殿物が生じない量の酸液を添加して得られる全粒子に対
し85v/、v%以上が0.1 am 〜1.8 μ
n(micrometer)の粒径である微粒子は、本
発明の目的を完全に達、成するものであることを知り、
本発明を完成した。
本発明の第一の発明は、水溶性アルカリ型乳蛋白質の水
溶液に攪拌下、45℃以上の液温のもとに酸液を添加し
、液のpHを5,10〜5.50に調整することを特徴
とする懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方法、及び第二の発
明は乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物質を含有する
水溶性アルカリ型乳蛋白質の水′溶液に攪拌下、45℃
以上の液温のもとに酸液を添加し、液のpHを4.00
〜5.50に調整することを特徴とする懸濁性乳蛋白質
微粒子の製造方法である。
溶液に攪拌下、45℃以上の液温のもとに酸液を添加し
、液のpHを5,10〜5.50に調整することを特徴
とする懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方法、及び第二の発
明は乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物質を含有する
水溶性アルカリ型乳蛋白質の水′溶液に攪拌下、45℃
以上の液温のもとに酸液を添加し、液のpHを4.00
〜5.50に調整することを特徴とする懸濁性乳蛋白質
微粒子の製造方法である。
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明の製造方法により得られる懸濁性乳蛋白質微粒子
は非水溶性の乳蛋白質の微粒子からなり、全粒子の85
v / v%以上が0.1μm〜1.8μmの粒径か
らなる粒度分布を有し、中性又は微酸性の水溶液に懸濁
すると沈殿を生ずることなく均質に安定して懸濁するも
のである。
は非水溶性の乳蛋白質の微粒子からなり、全粒子の85
v / v%以上が0.1μm〜1.8μmの粒径か
らなる粒度分布を有し、中性又は微酸性の水溶液に懸濁
すると沈殿を生ずることなく均質に安定して懸濁するも
のである。
本発明の懸濁性乳蛋白質微粒子は水溶液に良好に懸濁す
るためには粒径が0.1μm〜1.8μmの範囲にある
ことが好ましく、1.8μffL″F!:こえると粗大
沈殿性粒子が含有されるために懸濁分散性が悪く沈殿が
生じ易い。0.1μm未満では懸濁した水溶液は白濁化
が不十分で糊状感を与え、風味が低下する。
るためには粒径が0.1μm〜1.8μmの範囲にある
ことが好ましく、1.8μffL″F!:こえると粗大
沈殿性粒子が含有されるために懸濁分散性が悪く沈殿が
生じ易い。0.1μm未満では懸濁した水溶液は白濁化
が不十分で糊状感を与え、風味が低下する。
また、本発明に係わる懸濁性乳蛋白質微粒子は0.1μ
m〜1.8μmの範囲の粒径の微粒子を少なくとも85
v/v%以上含有することが好ましく、85’v/v%
未満では中性乃至微酸性水溶液に懸濁したとき白濁化が
不十分であったり、あるいは沈殿が生成するために不適
当である。
m〜1.8μmの範囲の粒径の微粒子を少なくとも85
v/v%以上含有することが好ましく、85’v/v%
未満では中性乃至微酸性水溶液に懸濁したとき白濁化が
不十分であったり、あるいは沈殿が生成するために不適
当である。
次に、本発明の第一の発明は下記の工程により乳蛋白質
微粒子を製造する方法である。
微粒子を製造する方法である。
すなわち水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液に攪拌下、
45℃以上の液温のもとに酸液を添加し、液のpHを5
.10〜5.50に調整することにより、全粒子に対し
て85 v / v%以上が0.1μrn 〜1,8μ
m の粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒子を含む液を得
ることができる。
45℃以上の液温のもとに酸液を添加し、液のpHを5
.10〜5.50に調整することにより、全粒子に対し
て85 v / v%以上が0.1μrn 〜1,8μ
m の粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒子を含む液を得
ることができる。
上記の懸濁性乳蛋白質微粒子を含む液は120℃の加熱
にも安定なので、常法により濃縮及び噴霧乾燥などの乾
燥処理が可能で、粉末化できる。この粉末は、白濁化し
た時の液のpHより中性側の水溶液に安定に懸濁し、6
ケ月以上静置しても蛋白質の沈殿が生じない。
にも安定なので、常法により濃縮及び噴霧乾燥などの乾
燥処理が可能で、粉末化できる。この粉末は、白濁化し
た時の液のpHより中性側の水溶液に安定に懸濁し、6
ケ月以上静置しても蛋白質の沈殿が生じない。
本発明に用いられる水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液
は牛乳由来のアルカリ型カゼイネートを主成分とする水
溶液で、例えば水可溶性のナトリウムカゼイネ−1・、
カリウムカゼイネート、アンモニウムカゼイネートなど
を使用できる。これらの水溶液のpHは6.00以上で
、通常6.60〜6.80位である。
は牛乳由来のアルカリ型カゼイネートを主成分とする水
溶液で、例えば水可溶性のナトリウムカゼイネ−1・、
カリウムカゼイネート、アンモニウムカゼイネートなど
を使用できる。これらの水溶液のpHは6.00以上で
、通常6.60〜6.80位である。
また、本発明において懸濁性乳蛋白質微粒子を得るため
には、上記の水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液中の蛋
白質濃度は特に限定されないが、蛋白質濃度が20W/
W%以上では粘度が高すぎて工程作業上不便が生じる。
には、上記の水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液中の蛋
白質濃度は特に限定されないが、蛋白質濃度が20W/
W%以上では粘度が高すぎて工程作業上不便が生じる。
また、1w 7w%以下では処理される液量が多くなり
すぎて作業能率が悪い。3〜12w/w%位の濃度の水
溶液が処理し易く好ましい。
すぎて作業能率が悪い。3〜12w/w%位の濃度の水
溶液が処理し易く好ましい。
本発明に用いられる酸液は塩酸、リン酸などの無機酸又
はクエン酸、乳酸などの有機酸の水溶液であり、それら
の使用時の濃度は特に限定されないが0.1〜1.0モ
ル濃度の酸液が使用し易い。
はクエン酸、乳酸などの有機酸の水溶液であり、それら
の使用時の濃度は特に限定されないが0.1〜1.0モ
ル濃度の酸液が使用し易い。
本発明において、水溶性アルカリ型乳蛋白質水溶液と酸
液とを45℃以上の条件下で、攪拌下に接触させる方法
は特に限定されない。例えば水溶性アルカリ型乳蛋白質
水溶液を45℃以上に保温し攪拌しながら酸液を徐々に
液温か下らないように加えるか、または両液をインライ
ンミキサーで同時混合−し、混合時の液温を45℃以上
に保つようにすればよい。
液とを45℃以上の条件下で、攪拌下に接触させる方法
は特に限定されない。例えば水溶性アルカリ型乳蛋白質
水溶液を45℃以上に保温し攪拌しながら酸液を徐々に
液温か下らないように加えるか、または両液をインライ
ンミキサーで同時混合−し、混合時の液温を45℃以上
に保つようにすればよい。
また、本発明においては、水溶性アルカリ型乳蛋白質水
溶液と酸液が接触するときの液温、攪拌及び酸液の添加
量が本発明の目的とする懸濁性乳蛋白質微粒子を得るの
に重要な事項となる。
溶液と酸液が接触するときの液温、攪拌及び酸液の添加
量が本発明の目的とする懸濁性乳蛋白質微粒子を得るの
に重要な事項となる。
まず、水溶性アルカリ型乳蛋白質水溶液と酸液が接触す
るときの液温は45℃以上で、好ましくは55℃以上が
望ましく、45℃未満では得られる乳蛋白質粒子は2.
0μ以上となり、粗大粒子状沈殿物が生成するため好ま
しくない。
るときの液温は45℃以上で、好ましくは55℃以上が
望ましく、45℃未満では得られる乳蛋白質粒子は2.
0μ以上となり、粗大粒子状沈殿物が生成するため好ま
しくない。
尚、45℃以上の温度では高温になるにしたがい乳蛋白
質の微粒子を得る作業が容易となり、低温の45℃〜5
0℃位では両液の接触時に強力な攪拌をすることが望ま
しい。例えば、高速回転均質機、高圧均質機、超音波処
理が好ましい。高温の70〜90℃位では比較的弱い攪
拌、例えば羽根型攪拌機による攪拌程度で十分に目的を
達することができる。
質の微粒子を得る作業が容易となり、低温の45℃〜5
0℃位では両液の接触時に強力な攪拌をすることが望ま
しい。例えば、高速回転均質機、高圧均質機、超音波処
理が好ましい。高温の70〜90℃位では比較的弱い攪
拌、例えば羽根型攪拌機による攪拌程度で十分に目的を
達することができる。
次に本発明の酸液は、液のpH(25℃補正値をいう。
他も同様)が5.10〜5.50、好ましくは5.15
〜5.35になるよう添加しなければならない。このp
H値により、乳蛋白質水溶液は白濁を呈するが、凝集沈
殿物は生成しない状態となり、その結果本発明の全粒子
に対して85v/v%が0.1 μrn −1,8μm
の粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒子が生じ、る。p
H5,10未満では沈殿物(粘着性凝集状)が生成する
ようになり、pH5,50をこえる場合には添加する酸
液が不足し、また水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液は
透明感を残しており、乳蛋白質微粒子の生成が充分に行
われない。
〜5.35になるよう添加しなければならない。このp
H値により、乳蛋白質水溶液は白濁を呈するが、凝集沈
殿物は生成しない状態となり、その結果本発明の全粒子
に対して85v/v%が0.1 μrn −1,8μm
の粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒子が生じ、る。p
H5,10未満では沈殿物(粘着性凝集状)が生成する
ようになり、pH5,50をこえる場合には添加する酸
液が不足し、また水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液は
透明感を残しており、乳蛋白質微粒子の生成が充分に行
われない。
以上の様にして、液の白濁化は呈するが凝集沈殿物が生
じない量の酸液が加えられた液中に生成した懸濁性乳蛋
白質粒子は、下記粒度分布測定装置による測定結果では
、全粒子に対して85 v / v%以上が0.1 μ
rn 〜1.8 μm の粒径で、安定に水中に懸濁
する乳蛋白質微粒子である。
じない量の酸液が加えられた液中に生成した懸濁性乳蛋
白質粒子は、下記粒度分布測定装置による測定結果では
、全粒子に対して85 v / v%以上が0.1 μ
rn 〜1.8 μm の粒径で、安定に水中に懸濁
する乳蛋白質微粒子である。
粒度分布は、堀場製作所■製、遠心式自動粒度分布測定
装置 CAPA−,500型を用い、波長530 nm
の吸光度(OD値)が0.9になるように調整された液
について、5000’r、 p、 m。
装置 CAPA−,500型を用い、波長530 nm
の吸光度(OD値)が0.9になるように調整された液
について、5000’r、 p、 m。
の高速遠心沈降条件で測定した値である。
即ち本発明でいう全粒子に対して85.v/v%以上が
0.1μm〜1.8μm の粒径とは、この測定方法で
求められた値をいう。
0.1μm〜1.8μm の粒径とは、この測定方法で
求められた値をいう。
そしてこの蛋白質粒子の乾燥物をpH5,10%以上の
中性又は′微酸性水溶液に懸濁すると沈殿することなく
安定に懸濁する。また、この粒度分布をもつ蛋白質粒子
含有液は長期間保存しても沈殿が生じることがない。例
えば、ビン容器に詰めて殺菌し室温に静置した場合、6
ケ月後も蛋白質の沈殿はみられなかった。
中性又は′微酸性水溶液に懸濁すると沈殿することなく
安定に懸濁する。また、この粒度分布をもつ蛋白質粒子
含有液は長期間保存しても沈殿が生じることがない。例
えば、ビン容器に詰めて殺菌し室温に静置した場合、6
ケ月後も蛋白質の沈殿はみられなかった。
次に、本発明の第二の発明は乳蛋白質の等電点の沈殿を
妨害する物質が添加された水溶性アルカリ型乳蛋白質の
水溶液に攪拌下、45℃以上の液温のもとに酸液を添加
し、液のpHを4.00〜5.50に調整することによ
り全粒子に対して85 v / v%以上が0.1 μ
m 〜1.8 amの粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒
子を製造する方法にかかるものである。
妨害する物質が添加された水溶性アルカリ型乳蛋白質の
水溶液に攪拌下、45℃以上の液温のもとに酸液を添加
し、液のpHを4.00〜5.50に調整することによ
り全粒子に対して85 v / v%以上が0.1 μ
m 〜1.8 amの粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒
子を製造する方法にかかるものである。
工業的に生産されている乳蛋白質は数種の蛋白質の混合
物で1.それぞれ異なる等電点を有するが、通常酸カゼ
インはpH4,2〜4.8で等電点沈殿させ分離してい
る。本発明でいう乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物
質とは、この物質が共存すると等電点沈殿域(上記pH
4,2〜4.8)をより酸性側に移動させるか、同沈殿
そのものを妨害させるものをいう。
物で1.それぞれ異なる等電点を有するが、通常酸カゼ
インはpH4,2〜4.8で等電点沈殿させ分離してい
る。本発明でいう乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物
質とは、この物質が共存すると等電点沈殿域(上記pH
4,2〜4.8)をより酸性側に移動させるか、同沈殿
そのものを妨害させるものをいう。
この乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物質の具体例と
しては、ナトリウム又はカリウムの無機塩及び有機酸塩
(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリ
ウム; クエン酸ナトリウムなど)、アルギン酸ナトリ
ウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、 繊
維素グリコール酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン
、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム
、アラビアガム、トラガンI・ガム、ゼラチン、マンナ
ンから選らばれた一種又は二種以上の物質が挙げられ、
これ等の中で特にペクチン、繊維素グリコール酸ナトリ
ウムが好ましい。
しては、ナトリウム又はカリウムの無機塩及び有機酸塩
(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリ
ウム; クエン酸ナトリウムなど)、アルギン酸ナトリ
ウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、 繊
維素グリコール酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン
、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム
、アラビアガム、トラガンI・ガム、ゼラチン、マンナ
ンから選らばれた一種又は二種以上の物質が挙げられ、
これ等の中で特にペクチン、繊維素グリコール酸ナトリ
ウムが好ましい。
また、上記の物質を2種以上混合して用いる場合には相
互反応して凝集又はゲル化しないものがよい。なお相互
反応とは、例えばクエン酸ナトリウムとマンナンとを混
用した場合にゲル化がおこる現象のように、衆知のこと
をいう。
互反応して凝集又はゲル化しないものがよい。なお相互
反応とは、例えばクエン酸ナトリウムとマンナンとを混
用した場合にゲル化がおこる現象のように、衆知のこと
をいう。
このように、水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液に乳蛋
白質の等電点の沈殿を妨害する物質が存在すると、乳蛋
白質水溶液が白濁を呈し、凝集物を生成しない状態にな
り、その結果本発明の懸濁性乳蛋白質微粒子が生じるp
H値は、pH4,00〜5.50、好ましくはpH4,
30〜5.35であり、第一の発明に比べpH条件は酸
性域により広がる。1)H4,00未満では沈殿物(粘
着性凝集状)が生成するようになり9、pH5,50を
こえると添加する酸液が不足し、水溶性アルカリ型蛋白
質の水溶液は透明感を残しており、乳蛋白質微粒子の生
成が充分に行われない。
白質の等電点の沈殿を妨害する物質が存在すると、乳蛋
白質水溶液が白濁を呈し、凝集物を生成しない状態にな
り、その結果本発明の懸濁性乳蛋白質微粒子が生じるp
H値は、pH4,00〜5.50、好ましくはpH4,
30〜5.35であり、第一の発明に比べpH条件は酸
性域により広がる。1)H4,00未満では沈殿物(粘
着性凝集状)が生成するようになり9、pH5,50を
こえると添加する酸液が不足し、水溶性アルカリ型蛋白
質の水溶液は透明感を残しており、乳蛋白質微粒子の生
成が充分に行われない。
また、水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液と酸液が接触
するときの、液温、攪拌等の反応条件は第一の発明と同
様に行うことができる。
するときの、液温、攪拌等の反応条件は第一の発明と同
様に行うことができる。
第二の発明の懸濁性乳蛋白質微粒子は、第一の発明のも
のに比べ粒径等の性状は変わらないが、広範囲のpH域
で安定な懸濁性を有することから利用性がより高い。さ
らに製造工程にお゛いてもpH域が広いために、作業管
理上好都合である。
のに比べ粒径等の性状は変わらないが、広範囲のpH域
で安定な懸濁性を有することから利用性がより高い。さ
らに製造工程にお゛いてもpH域が広いために、作業管
理上好都合である。
次に、実施態様の1例を示すと、水溶性アルカリ型乳蛋
白質の水溶液に繊維素グリコール酸すI−IJウムを添
加すると、酸液必要量の指標となる有効pH域は5.4
0〜4.50となり、通常乳蛋白質の等電点沈殿域であ
る1)H4,5でも凝集沈殿物は生ずることはない。
白質の水溶液に繊維素グリコール酸すI−IJウムを添
加すると、酸液必要量の指標となる有効pH域は5.4
0〜4.50となり、通常乳蛋白質の等電点沈殿域であ
る1)H4,5でも凝集沈殿物は生ずることはない。
この乳蛋白質粒子の乾燥粉末は、pH4,50以上の酸
性水溶液又は微酸性水溶液に沈殿することなく安定に懸
濁する。
性水溶液又は微酸性水溶液に沈殿することなく安定に懸
濁する。
前記したように乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物質
が存在すると、存在しない場合に比して、安定に懸濁す
る水溶液のpH域が広がる利点がある。
が存在すると、存在しない場合に比して、安定に懸濁す
る水溶液のpH域が広がる利点がある。
本発明の製造方法により得られる懸濁性乳蛋白質微粒子
は全粒子に対して少なくとも85V / V%以上が0
.1μm〜1.8μm の粒径からなる粒度分布を示す
ため長期間安定に懸濁し、また非水溶型の微粒子である
ために糊状感を与えることがなく、さらに微粒子が濃縮
又は脱水乾燥されるとき微酸性域で処理され、保管され
るのでアルカリ焼臭の発生がないものと考えられる。
は全粒子に対して少なくとも85V / V%以上が0
.1μm〜1.8μm の粒径からなる粒度分布を示す
ため長期間安定に懸濁し、また非水溶型の微粒子である
ために糊状感を与えることがなく、さらに微粒子が濃縮
又は脱水乾燥されるとき微酸性域で処理され、保管され
るのでアルカリ焼臭の発生がないものと考えられる。
次に試験例及び実施例をあげて本発明を説明するが、こ
れらの実施例によって、本発明は何ら制限されるもので
はない。
れらの実施例によって、本発明は何ら制限されるもので
はない。
試験例1
市販カゼインナトリウム粉末1 kgに水を加えて10
に9とし、加温攪拌し十分に溶解する。次に活性炭で処
理して異臭を除き、次に1.0007ずつを8個のビー
カーにとり、その中の一つを無処理区(表1の1区)と
し、残りの7個のビーカーは恒温水槽に入れ表1のよう
な液温にそれぞれ保持し、ホモミキサー(イエストラル
社製、西独、14/40型、シャツ1−X40/36.
50H2,50ボルト、5000r、p、m、)で攪拌
しながら2%クエン酸水溶液をポンプで徐々に送り込ん
だ。なおビーカーには高温度用pH測定計を設けた。
に9とし、加温攪拌し十分に溶解する。次に活性炭で処
理して異臭を除き、次に1.0007ずつを8個のビー
カーにとり、その中の一つを無処理区(表1の1区)と
し、残りの7個のビーカーは恒温水槽に入れ表1のよう
な液温にそれぞれ保持し、ホモミキサー(イエストラル
社製、西独、14/40型、シャツ1−X40/36.
50H2,50ボルト、5000r、p、m、)で攪拌
しながら2%クエン酸水溶液をポンプで徐々に送り込ん
だ。なおビーカーには高温度用pH測定計を設けた。
無処理区以外のものに、酸液を添加して液のpHを5.
36〜5.40とした。各区のビーカーを室温(約15
℃)に24時間静置し、液の上層部から採液して下記し
た方法で白濁度をL値で求め、同時に沈殿物有無を調べ
た。更に各々の残りの液を5℃に10日間静置して沈殿
物の有無を調べた。
36〜5.40とした。各区のビーカーを室温(約15
℃)に24時間静置し、液の上層部から採液して下記し
た方法で白濁度をL値で求め、同時に沈殿物有無を調べ
た。更に各々の残りの液を5℃に10日間静置して沈殿
物の有無を調べた。
白濁度については、測色計として、スガ試験機■製のデ
ジタル測色色差計算機ADU−CH−1型を用い、液中
30++m、測定孔30 m f3、反射測定法によI
I)L値“を求め、L値を白濁度の指標とした。
ジタル測色色差計算機ADU−CH−1型を用い、液中
30++m、測定孔30 m f3、反射測定法によI
I)L値“を求め、L値を白濁度の指標とした。
また各々の液を7人のパネラ−に試飲してもらい、物性
的官能検査結果を求めた。更に全ての区の液を凍結真空
乾燥法により粉末化して、これらの粉末を20倍重量の
水に加えて、水への分散性を調べた。良好な、ものは水
中に直ちに分散し良くないものはママ粉を形成した。
的官能検査結果を求めた。更に全ての区の液を凍結真空
乾燥法により粉末化して、これらの粉末を20倍重量の
水に加えて、水への分散性を調べた。良好な、ものは水
中に直ちに分散し良くないものはママ粉を形成した。
以上の結果は表1の通りである。
次に、酸添加直後の表1の3区(35℃)、5区(55
℃)、7区(75℃)の各々から試料液(3区は沈殿物
を濾別した上層液をとる)をとり、530 nmの吸光
度(OD値)が0.9になるよう水でうすめて、上記し
た粒度分布測定装置により、粒度分布を求めた。その結
果は表5の通りであり、3区以外の5区、7区のものは
、全粒子に対し85v/v%以上がO,1μm〜1.8
μm の粒径であることがわかった。
℃)、7区(75℃)の各々から試料液(3区は沈殿物
を濾別した上層液をとる)をとり、530 nmの吸光
度(OD値)が0.9になるよう水でうすめて、上記し
た粒度分布測定装置により、粒度分布を求めた。その結
果は表5の通りであり、3区以外の5区、7区のものは
、全粒子に対し85v/v%以上がO,1μm〜1.8
μm の粒径であることがわかった。
試験例2
試験例1と同様なカゼインナトリウム水溶液をつくりそ
れぞれ1,0OOfずつを9個のビーカーにとり、その
1個を無処理区(表2.1区)とし、他の8個のものを
65℃の恒温槽に入れて保温して、ホモミキサー(試験
例1と同機種、50H2,50ボルト)で攪拌りながら
2%乳酸水溶液を徐々にポンプで送り込んだ。なおビー
カーには高温度用pH測定計を設けた。そして酸液の添
加量を変えて表2のようにpH5,70からpH4,8
0までのものをつくった。
れぞれ1,0OOfずつを9個のビーカーにとり、その
1個を無処理区(表2.1区)とし、他の8個のものを
65℃の恒温槽に入れて保温して、ホモミキサー(試験
例1と同機種、50H2,50ボルト)で攪拌りながら
2%乳酸水溶液を徐々にポンプで送り込んだ。なおビー
カーには高温度用pH測定計を設けた。そして酸液の添
加量を変えて表2のようにpH5,70からpH4,8
0までのものをつくった。
冷却ののちそれらを約15℃の室温下に24時間静置し
て沈殿の状態及び液の上層部から試料をとり上記した方
法に従い白濁度をL値で求めた。
て沈殿の状態及び液の上層部から試料をとり上記した方
法に従い白濁度をL値で求めた。
また試験例1と同様に物性的官能検査を行なった。その
結果は表2の通りである。
結果は表2の通りである。
表2の1区のカゼインナトリウム水溶液(無処理区)は
透明感をもつ液(L値30)で、これに65℃で酸液を
徐々に加えpH5,70となると白濁化してくるが、な
お透明感もあり、試飲してみると官能的に糊状感があっ
た。これがpH5,50となるとより白濁化してL値も
高くなり、糊状感はなくなった。
透明感をもつ液(L値30)で、これに65℃で酸液を
徐々に加えpH5,70となると白濁化してくるが、な
お透明感もあり、試飲してみると官能的に糊状感があっ
た。これがpH5,50となるとより白濁化してL値も
高くなり、糊状感はなくなった。
更に酸液を加えてpH5,ooとなると上層液は、なお
白濁していたが凝集性沈殿物が生じた。
白濁していたが凝集性沈殿物が生じた。
pH4,80となると全てのカゼインは凝集沈殿した。
次に表2の4区(pH5,40)及び6区(pH5,2
0)の液をとり懸濁している粒子の粒度分布を上記した
方法により求めた結果は表5に示すとおりであり、全粒
子に対して85 v / v%以上が0.1μm〜1,
8μmの粒径であることがわかった。
0)の液をとり懸濁している粒子の粒度分布を上記した
方法により求めた結果は表5に示すとおりであり、全粒
子に対して85 v / v%以上が0.1μm〜1,
8μmの粒径であることがわかった。
以上のことから、この試験においては、必要な酸液添加
量を液のpHでみると、pH5,50〜5.10の間に
あることがわかった。
量を液のpHでみると、pH5,50〜5.10の間に
あることがわかった。
試験例3
試験例1と同様なカゼインナトリウム水溶液をつくり、
それぞれ1,0OOfずつを4個のビーカーにとり、そ
の1個を対照区(無添加区)とし、あとの各々に繊維素
グリコール酸ナトリウム(CMC)を0.25%、0.
5%、0.75%相当量加え、70℃に加温しプロペラ
式攪拌機で攪拌しながら2%クエン酸水溶液を徐々にポ
ンプで送り込んだ。そして各々から液のpHが5.70
,5.50.5.10.5.00.4.80.4.70
,4.50.4.30になったとき10〇−ずつを取り
出し、室温(約15℃)に24時間静置し、液の白濁度
と沈殿の有無を調べた。
それぞれ1,0OOfずつを4個のビーカーにとり、そ
の1個を対照区(無添加区)とし、あとの各々に繊維素
グリコール酸ナトリウム(CMC)を0.25%、0.
5%、0.75%相当量加え、70℃に加温しプロペラ
式攪拌機で攪拌しながら2%クエン酸水溶液を徐々にポ
ンプで送り込んだ。そして各々から液のpHが5.70
,5.50.5.10.5.00.4.80.4.70
,4.50.4.30になったとき10〇−ずつを取り
出し、室温(約15℃)に24時間静置し、液の白濁度
と沈殿の有無を調べた。
その結果は表3の通やである。
カゼインナトリウム水溶液にCMCを含まないときは、
液が白濁し凝集沈殿物が生じない酸液量、即ちこの場合
の有効pH範囲は上記した通りのpH5,50〜5.1
0であり、pH5,00まで酸液が加えられると沈殿が
生じた。CMCが加えられるとカゼインの等電点領域(
pH4゜80以下)に達してもなお液は白濁し沈殿は生
じなかった。上記した有効pH範囲は5.50〜4.5
0と拡大していた。CMC0,5%添加区のpH4,8
0の処理液(酸添加後の液)をとり、懸濁粒子の粒度分
布を上記した方法で求めると、表5の様になり、全粒子
に対して85.v/v%以上が0.1μtrL 〜0.
8μm の粒径であった。
液が白濁し凝集沈殿物が生じない酸液量、即ちこの場合
の有効pH範囲は上記した通りのpH5,50〜5.1
0であり、pH5,00まで酸液が加えられると沈殿が
生じた。CMCが加えられるとカゼインの等電点領域(
pH4゜80以下)に達してもなお液は白濁し沈殿は生
じなかった。上記した有効pH範囲は5.50〜4.5
0と拡大していた。CMC0,5%添加区のpH4,8
0の処理液(酸添加後の液)をとり、懸濁粒子の粒度分
布を上記した方法で求めると、表5の様になり、全粒子
に対して85.v/v%以上が0.1μtrL 〜0.
8μm の粒径であった。
従ってCMCの共存は必要酸液添加量の巾を拡げ、有効
pH域を拡げることがわかった。
pH域を拡げることがわかった。
試験例4
試験例1と同様なカゼインナトリウム液をつくり、それ
ぞれ500fを14個のビーカーにとり、その2個を対
照区(無添加区、デキストリン添加区)とし、他のもの
に表4に示す物質を、表に示す量添加溶解し、60℃−
で、プロペラ式攪拌機で攪拌しながら試験例3に準じ、
て酸液を添加し、各々のビーカー内の液のjpHが5.
20.5.00.4.80.4.50.4.30.4.
00.3.80に達したときに各々50−ずつとり、室
温(約15℃)に24時間静置して、十分な白濁性があ
り(L値で50以上)、沈殿物を生じないものを良(○
)とし、凝集沈殿物が生じたものを不良(×)として表
4に示した。
ぞれ500fを14個のビーカーにとり、その2個を対
照区(無添加区、デキストリン添加区)とし、他のもの
に表4に示す物質を、表に示す量添加溶解し、60℃−
で、プロペラ式攪拌機で攪拌しながら試験例3に準じ、
て酸液を添加し、各々のビーカー内の液のjpHが5.
20.5.00.4.80.4.50.4.30.4.
00.3.80に達したときに各々50−ずつとり、室
温(約15℃)に24時間静置して、十分な白濁性があ
り(L値で50以上)、沈殿物を生じないものを良(○
)とし、凝集沈殿物が生じたものを不良(×)として表
4に示した。
このように必要酸液添加量の巾の増加即ち有効pH域の
拡大は添加物質の種類により異なっていた。
拡大は添加物質の種類により異なっていた。
最も有効なものはペクチンでp’H4,oo’!で酸液
を加えてもなあ・白濁液のままで、凝集沈殿を生じなか
った。このpH4,30の液を凍結乾燥し粉末とし、こ
れをpH4,30のヨーグルトドリンクに添加し、高蛋
白質ヨーグルト飲料を造ったが、添加された粉末は長期
間(5℃、10日間)安定に懸濁した。なお乳蛋白質の
等電点沈殿に影響を与えない程度のデキストリンを添加
したものでは、無添加区と同じ結果を示した。
を加えてもなあ・白濁液のままで、凝集沈殿を生じなか
った。このpH4,30の液を凍結乾燥し粉末とし、こ
れをpH4,30のヨーグルトドリンクに添加し、高蛋
白質ヨーグルト飲料を造ったが、添加された粉末は長期
間(5℃、10日間)安定に懸濁した。なお乳蛋白質の
等電点沈殿に影響を与えない程度のデキストリンを添加
したものでは、無添加区と同じ結果を示した。
実施例1
市販カゼインナトリウム粉末5002に水を加えて5.
000 fとし、加温攪拌して十分にカゼインナl−I
Jウムを溶解し、次に居性炭処理して異臭を除き、10
%のカゼインナI−IJウム水溶液を得た。これを70
℃に加温し、プロペラ式攪拌機で攪拌しながら5%乳酸
水溶液を徐々に加えpHが5.60位(25℃換算値)
まで低下すると液はしだいに白濁化してきた。更に酸を
加えてpH5,50となると真白な液が得られ、pH5
,20になるまで酸液を加えた。この液の一部をとり波
長530 nmにおける吸光度(OD値)が0.9にな
るように水を加えて調整して、上記した方法で粒度分布
測定を行なうと表6の結果が得られた。残りはそのまま
噴霧乾燥して水分4%の乾燥蛋白質粉末を得た。この粉
末507を水1,000mAに加えプロペラ式攪拌機で
攪拌したが、ママ粉が生成せず分散性が良かった。
000 fとし、加温攪拌して十分にカゼインナl−I
Jウムを溶解し、次に居性炭処理して異臭を除き、10
%のカゼインナI−IJウム水溶液を得た。これを70
℃に加温し、プロペラ式攪拌機で攪拌しながら5%乳酸
水溶液を徐々に加えpHが5.60位(25℃換算値)
まで低下すると液はしだいに白濁化してきた。更に酸を
加えてpH5,50となると真白な液が得られ、pH5
,20になるまで酸液を加えた。この液の一部をとり波
長530 nmにおける吸光度(OD値)が0.9にな
るように水を加えて調整して、上記した方法で粒度分布
測定を行なうと表6の結果が得られた。残りはそのまま
噴霧乾燥して水分4%の乾燥蛋白質粉末を得た。この粉
末507を水1,000mAに加えプロペラ式攪拌機で
攪拌したが、ママ粉が生成せず分散性が良かった。
この液を5℃に10日間静置したが蛋白質粒子は沈殿す
ることな(安定に懸濁していた。この懸濁液は異臭がな
く糊状感を与えず、優れた蛋白質含有液であった。
ることな(安定に懸濁していた。この懸濁液は異臭がな
く糊状感を与えず、優れた蛋白質含有液であった。
また上記粉末200fを5001入りのがラスピンに入
れガラス栓をして、室温に5ケ月間保管したがカゼイン
ナトリウム様のアルカリ焼臭は発生しなかった。
れガラス栓をして、室温に5ケ月間保管したがカゼイン
ナトリウム様のアルカリ焼臭は発生しなかった。
実施例2
脱脂乳に塩酸を加えてpH4,50とし常法により酸カ
ゼイン沈殿物を得た。これをよく水洗したのち、もとの
脱脂乳容量の約1/3量の液量になるように水を加えこ
れに2%の水酸化ナトリウム液を攪拌下に加え沈殿物を
十分に溶解させたのち液のpHを6.70に調整した。
ゼイン沈殿物を得た。これをよく水洗したのち、もとの
脱脂乳容量の約1/3量の液量になるように水を加えこ
れに2%の水酸化ナトリウム液を攪拌下に加え沈殿物を
十分に溶解させたのち液のpHを6.70に調整した。
これにハイメトキシペクチン粉末を液量に対し0.3%
量加えて溶解した。これを50℃に加温し、試験例1と
同機種の西独製ホモミキサー(50Hz、50ボルト)
で攪拌しながら1%塩酸水溶液を徐々に加えpH4,5
0とすると、沈殿物のない安定なL値78の白濁液が得
られた。この一部をとり上記した方法で粒度分布測定を
行なうと表6の結果が得られた。残りの液は常法により
噴霧乾燥して粉末化した。この粉末をpH4,5〜6,
0の酸性又は弱酸性水溶液に懸濁したものは、官能的に
異臭を与えずまた飲用後に糊状感を与えず、そして懸濁
液を5℃に14日間静置したが蛋白質の沈殿は生じなか
った。
量加えて溶解した。これを50℃に加温し、試験例1と
同機種の西独製ホモミキサー(50Hz、50ボルト)
で攪拌しながら1%塩酸水溶液を徐々に加えpH4,5
0とすると、沈殿物のない安定なL値78の白濁液が得
られた。この一部をとり上記した方法で粒度分布測定を
行なうと表6の結果が得られた。残りの液は常法により
噴霧乾燥して粉末化した。この粉末をpH4,5〜6,
0の酸性又は弱酸性水溶液に懸濁したものは、官能的に
異臭を与えずまた飲用後に糊状感を与えず、そして懸濁
液を5℃に14日間静置したが蛋白質の沈殿は生じなか
った。
本発明の製造方法により得られる懸濁性乳蛋白質微粒子
を中性又は微酸性の水溶液へ懸濁した懸濁液は、一般の
アルカリカゼイネ゛−1・の水溶液に比して、官能的に
糊状感を与えることが少なく、しかも長期間安定に懸濁
性を保持できる。またこの微粒子粉末を長期間保存して
もアルカリ焼臭は生成しない。このように本発明の製造
方法により得られる懸濁性乳蛋白質微粒子は、従来使用
されていた水可溶性のアルカリカゼイネートに比して優
れた特性を有することがら、高蛋白質栄養食品や蛋白質
含有乳飲料などの蛋白質原料として有用である。
を中性又は微酸性の水溶液へ懸濁した懸濁液は、一般の
アルカリカゼイネ゛−1・の水溶液に比して、官能的に
糊状感を与えることが少なく、しかも長期間安定に懸濁
性を保持できる。またこの微粒子粉末を長期間保存して
もアルカリ焼臭は生成しない。このように本発明の製造
方法により得られる懸濁性乳蛋白質微粒子は、従来使用
されていた水可溶性のアルカリカゼイネートに比して優
れた特性を有することがら、高蛋白質栄養食品や蛋白質
含有乳飲料などの蛋白質原料として有用である。
Claims (5)
- (1)水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液に攪拌下、4
5℃以上の液温のもとに酸液を添加し、液のpHを5.
10〜5.50に調整することを特徴とする懸濁性乳蛋
白質微粒子の製造方法。 - (2)懸濁性乳蛋白質微粒子が全粒子に対して85v/
v%以上が0.1μm〜1.8μmの粒径からなる微粒
子である特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 - (3)乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物質を含有す
る水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液に攪拌下、45℃
以上の液温のもとに酸液を添加し、液のpHを4.00
〜5.50に調整することを特徴とする懸濁性乳蛋白質
微粒子の製造方法。 - (4)懸濁性乳蛋白質微粒子が全粒子に対して85v/
v%以上が0.1μm〜1.8μmの粒径からなる微粒
子である特許請求の範囲第3項記載の製造方法。 - (5)乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物質が、ナト
リウム又はカリウムの無機塩及び有機酸塩、アルギン酸
ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル
、繊維素グリコール酸ナトリウム、ペクチン、カラギー
ナン、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーン
ガム、アラビアガム、トラガントガム、ゼラチン、マン
ナンから選ばれた一種又は二種以上の物質からなる特許
請求の範囲第3項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13687985A JPS62242A (ja) | 1985-06-25 | 1985-06-25 | 懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13687985A JPS62242A (ja) | 1985-06-25 | 1985-06-25 | 懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62242A true JPS62242A (ja) | 1987-01-06 |
Family
ID=15185671
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13687985A Pending JPS62242A (ja) | 1985-06-25 | 1985-06-25 | 懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62242A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5102647A (en) * | 1988-04-12 | 1992-04-07 | Showa Denko K.K. | Method of producing vapor growth carbon fibers |
JPH05330915A (ja) * | 1992-05-26 | 1993-12-14 | Yazaki Corp | 炭素/炭素複合材の製造方法 |
US5273817A (en) * | 1990-10-12 | 1993-12-28 | Kitagawa Industries Co., Ltd. | Plastic material for wrapping over and carrying food |
US6831015B1 (en) * | 1996-08-30 | 2004-12-14 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Fabrication method of semiconductor device and abrasive liquid used therein |
JP2007515177A (ja) * | 2003-12-23 | 2007-06-14 | ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ | 飲料及びその調製方法 |
JP2010115199A (ja) * | 2003-04-01 | 2010-05-27 | Danisco As | タンパク質粉末組成物 |
-
1985
- 1985-06-25 JP JP13687985A patent/JPS62242A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5102647A (en) * | 1988-04-12 | 1992-04-07 | Showa Denko K.K. | Method of producing vapor growth carbon fibers |
US5273817A (en) * | 1990-10-12 | 1993-12-28 | Kitagawa Industries Co., Ltd. | Plastic material for wrapping over and carrying food |
JPH05330915A (ja) * | 1992-05-26 | 1993-12-14 | Yazaki Corp | 炭素/炭素複合材の製造方法 |
US6831015B1 (en) * | 1996-08-30 | 2004-12-14 | Sanyo Electric Co., Ltd. | Fabrication method of semiconductor device and abrasive liquid used therein |
JP2010115199A (ja) * | 2003-04-01 | 2010-05-27 | Danisco As | タンパク質粉末組成物 |
JP2007515177A (ja) * | 2003-12-23 | 2007-06-14 | ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ | 飲料及びその調製方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4143174A (en) | Food composition containing whey colloidal precipitate | |
KR100726816B1 (ko) | 고 메톡실 펙틴 및 프로필렌 글리콜 알기네이트를 함유하는 단백질 안정화제, 이를 포함하는 조성물 및 이를 사용하여 단백질을 안정화시키는 방법 | |
CA1336696C (en) | Hydrophobic protein microparticles and preparation thereof | |
AU2009220682B2 (en) | Method of denaturing whey protein | |
JPH04502409A (ja) | 微結晶セルロース及びガラクトマンナンガムよりなる水性食品脂肪様増量剤 | |
JPH09215480A (ja) | マヨネーズ様製品およびその製造法 | |
JPH10262611A (ja) | 強化食品 | |
KR19990008182A (ko) | 탄수화물/단백질 크림 대용식품 | |
US3995070A (en) | Process for preparing a casein micelle | |
JP2007515176A (ja) | 飲料及びその調製方法 | |
CA2712608C (en) | Acidic soluble protein-containing beverage composition and method for producing same | |
JPS62242A (ja) | 懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方法 | |
EP2225955A1 (en) | Enriched liquid food comprising soybean protein material | |
EP0352144A1 (en) | Protein product | |
JP5770011B2 (ja) | 酸性ゲル状食品調製用キット | |
CN113853117A (zh) | 椰奶粉末 | |
CN101347246A (zh) | 用于食品的矿物质添加剂及其制备方法和应用 | |
US4446055A (en) | Modifier for effecting physical properties of food and food grade compositions | |
US6051271A (en) | Proteinaceous microparticles and production thereof | |
JPS5928374B2 (ja) | チ−ズと果汁類との混合方法 | |
KR100698897B1 (ko) | 식품첨가용 칼슘제 슬러리 조성물 및 이의 제조방법 | |
JPH06113755A (ja) | 水易溶解性粉末食品およびその製造方法 | |
JP2003235511A (ja) | 食品添加用カルシウム剤組成物の製造方法および食品添加用カルシウム剤組成物 | |
JPS61149041A (ja) | 酸性乳飲料の製造方法 | |
US4732774A (en) | Process for preparing tofu charged into a container |