JPS62242A - 懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方法 - Google Patents

懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方法

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JPS62242A
JPS62242A JP13687985A JP13687985A JPS62242A JP S62242 A JPS62242 A JP S62242A JP 13687985 A JP13687985 A JP 13687985A JP 13687985 A JP13687985 A JP 13687985A JP S62242 A JPS62242 A JP S62242A
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milk protein
solution
water
aqueous solution
particles
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JP13687985A
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Noboru Kikuchi
菊地 登
Kaoru Inagami
馨 稲神
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Asahi Soft Drinks Co Ltd
Original Assignee
Calpis Food Industry Co Ltd
Calpis Shokuhin Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、全粒子の85v/v%以上が0.1μm〜1
.8μmの粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方
法に関するものである。特に、本発明の方法により製造
される懸濁性乳蛋白質微粒子は水に安定に懸濁すると共
に、カゼインナトリウムに比して分散性がよく、ママ粉
を造り難く、また官能的に糊状感が少ないため蛋白質含
有液性食品の良好な原料として有用なものである。
〔従来の技術〕及び〔発明が解決しようとする問題点〕 従来の乳蛋白質製品には、脱脂乳から等電点沈殿法で造
られる酸カゼイン、カルシウムイオンの存在下にレンニ
ン酵素の働きで沈殿させて得られるレンネットカゼイン
、同じくカルシウム塩を添加し90℃以上に脱脂乳を加
温し沈殿させて得られる共沈殿蛋白質、及びこれらの非
水溶性カゼインに炭酸ナトリウム、ポリリン酸すl−リ
ウムなどのアルカリ性溶解剤を加えて水可溶性にしたア
ルカリカゼイネートが知られている。なお酸カゼイン、
レンネットカゼイン、共沈殿蛋白質は非水溶性である。
従って従来は、乳カゼインを中性又は微酸性の液性食品
に加えるときは、アルカリカゼイネートが用いられてき
た。しかしアルカリカゼイネ−1・は一般に言うアルカ
リ焼は臭を持ち、また官能的に糊状感を液性食品に与え
る欠点を持っている。例えば本発明者らは、完全栄養飲
料(蛋白含有液体栄養食品等)に求められている彊白質
含量4%相当量のカゼインナトリウムを水に加えて試飲
したところ、風味が良くないばかりか、飲下後に口の周
辺部に接着剤が付いた感触(糊状感)を与えて、好まし
くないものであった。
本発明は上記のような従来の乳カゼインの欠点を改良し
、中性乃至微酸性水溶液に加えた場合に懸濁分散性が良
(、安定で沈殿することな(、且つ風味の良い糊状感を
与えない乳蛋白質製品を得ることができる懸濁性乳蛋白
質微粒子を提供することを目的とするものである。
この様な意図のもと−に、本発明者らは種々探究した結
果、水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液に攪拌下、45
℃以上の液温のもとに”、液の白濁化は呈するが凝集沈
殿物が生じない量の酸液を添加して得られる全粒子に対
し85v/、v%以上が0.1 am  〜1.8 μ
n(micrometer)の粒径である微粒子は、本
発明の目的を完全に達、成するものであることを知り、
本発明を完成した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の第一の発明は、水溶性アルカリ型乳蛋白質の水
溶液に攪拌下、45℃以上の液温のもとに酸液を添加し
、液のpHを5,10〜5.50に調整することを特徴
とする懸濁性乳蛋白質微粒子の製造方法、及び第二の発
明は乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物質を含有する
水溶性アルカリ型乳蛋白質の水′溶液に攪拌下、45℃
以上の液温のもとに酸液を添加し、液のpHを4.00
〜5.50に調整することを特徴とする懸濁性乳蛋白質
微粒子の製造方法である。
以下、本発明の詳細な説明する。
本発明の製造方法により得られる懸濁性乳蛋白質微粒子
は非水溶性の乳蛋白質の微粒子からなり、全粒子の85
 v / v%以上が0.1μm〜1.8μmの粒径か
らなる粒度分布を有し、中性又は微酸性の水溶液に懸濁
すると沈殿を生ずることなく均質に安定して懸濁するも
のである。
本発明の懸濁性乳蛋白質微粒子は水溶液に良好に懸濁す
るためには粒径が0.1μm〜1.8μmの範囲にある
ことが好ましく、1.8μffL″F!:こえると粗大
沈殿性粒子が含有されるために懸濁分散性が悪く沈殿が
生じ易い。0.1μm未満では懸濁した水溶液は白濁化
が不十分で糊状感を与え、風味が低下する。
また、本発明に係わる懸濁性乳蛋白質微粒子は0.1μ
m〜1.8μmの範囲の粒径の微粒子を少なくとも85
v/v%以上含有することが好ましく、85’v/v%
未満では中性乃至微酸性水溶液に懸濁したとき白濁化が
不十分であったり、あるいは沈殿が生成するために不適
当である。
次に、本発明の第一の発明は下記の工程により乳蛋白質
微粒子を製造する方法である。
すなわち水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液に攪拌下、
45℃以上の液温のもとに酸液を添加し、液のpHを5
.10〜5.50に調整することにより、全粒子に対し
て85 v / v%以上が0.1μrn 〜1,8μ
m の粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒子を含む液を得
ることができる。
上記の懸濁性乳蛋白質微粒子を含む液は120℃の加熱
にも安定なので、常法により濃縮及び噴霧乾燥などの乾
燥処理が可能で、粉末化できる。この粉末は、白濁化し
た時の液のpHより中性側の水溶液に安定に懸濁し、6
ケ月以上静置しても蛋白質の沈殿が生じない。
本発明に用いられる水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液
は牛乳由来のアルカリ型カゼイネートを主成分とする水
溶液で、例えば水可溶性のナトリウムカゼイネ−1・、
カリウムカゼイネート、アンモニウムカゼイネートなど
を使用できる。これらの水溶液のpHは6.00以上で
、通常6.60〜6.80位である。
また、本発明において懸濁性乳蛋白質微粒子を得るため
には、上記の水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液中の蛋
白質濃度は特に限定されないが、蛋白質濃度が20W/
W%以上では粘度が高すぎて工程作業上不便が生じる。
また、1w 7w%以下では処理される液量が多くなり
すぎて作業能率が悪い。3〜12w/w%位の濃度の水
溶液が処理し易く好ましい。
本発明に用いられる酸液は塩酸、リン酸などの無機酸又
はクエン酸、乳酸などの有機酸の水溶液であり、それら
の使用時の濃度は特に限定されないが0.1〜1.0モ
ル濃度の酸液が使用し易い。
本発明において、水溶性アルカリ型乳蛋白質水溶液と酸
液とを45℃以上の条件下で、攪拌下に接触させる方法
は特に限定されない。例えば水溶性アルカリ型乳蛋白質
水溶液を45℃以上に保温し攪拌しながら酸液を徐々に
液温か下らないように加えるか、または両液をインライ
ンミキサーで同時混合−し、混合時の液温を45℃以上
に保つようにすればよい。
また、本発明においては、水溶性アルカリ型乳蛋白質水
溶液と酸液が接触するときの液温、攪拌及び酸液の添加
量が本発明の目的とする懸濁性乳蛋白質微粒子を得るの
に重要な事項となる。
まず、水溶性アルカリ型乳蛋白質水溶液と酸液が接触す
るときの液温は45℃以上で、好ましくは55℃以上が
望ましく、45℃未満では得られる乳蛋白質粒子は2.
0μ以上となり、粗大粒子状沈殿物が生成するため好ま
しくない。
尚、45℃以上の温度では高温になるにしたがい乳蛋白
質の微粒子を得る作業が容易となり、低温の45℃〜5
0℃位では両液の接触時に強力な攪拌をすることが望ま
しい。例えば、高速回転均質機、高圧均質機、超音波処
理が好ましい。高温の70〜90℃位では比較的弱い攪
拌、例えば羽根型攪拌機による攪拌程度で十分に目的を
達することができる。
次に本発明の酸液は、液のpH(25℃補正値をいう。
他も同様)が5.10〜5.50、好ましくは5.15
〜5.35になるよう添加しなければならない。このp
H値により、乳蛋白質水溶液は白濁を呈するが、凝集沈
殿物は生成しない状態となり、その結果本発明の全粒子
に対して85v/v%が0.1 μrn −1,8μm
 の粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒子が生じ、る。p
H5,10未満では沈殿物(粘着性凝集状)が生成する
ようになり、pH5,50をこえる場合には添加する酸
液が不足し、また水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液は
透明感を残しており、乳蛋白質微粒子の生成が充分に行
われない。
以上の様にして、液の白濁化は呈するが凝集沈殿物が生
じない量の酸液が加えられた液中に生成した懸濁性乳蛋
白質粒子は、下記粒度分布測定装置による測定結果では
、全粒子に対して85 v / v%以上が0.1 μ
rn 〜1.8 μm  の粒径で、安定に水中に懸濁
する乳蛋白質微粒子である。
粒度分布は、堀場製作所■製、遠心式自動粒度分布測定
装置 CAPA−,500型を用い、波長530 nm
の吸光度(OD値)が0.9になるように調整された液
について、5000’r、 p、 m。
の高速遠心沈降条件で測定した値である。
即ち本発明でいう全粒子に対して85.v/v%以上が
0.1μm〜1.8μm の粒径とは、この測定方法で
求められた値をいう。
そしてこの蛋白質粒子の乾燥物をpH5,10%以上の
中性又は′微酸性水溶液に懸濁すると沈殿することなく
安定に懸濁する。また、この粒度分布をもつ蛋白質粒子
含有液は長期間保存しても沈殿が生じることがない。例
えば、ビン容器に詰めて殺菌し室温に静置した場合、6
ケ月後も蛋白質の沈殿はみられなかった。
次に、本発明の第二の発明は乳蛋白質の等電点の沈殿を
妨害する物質が添加された水溶性アルカリ型乳蛋白質の
水溶液に攪拌下、45℃以上の液温のもとに酸液を添加
し、液のpHを4.00〜5.50に調整することによ
り全粒子に対して85 v / v%以上が0.1 μ
m 〜1.8 amの粒径からなる懸濁性乳蛋白質微粒
子を製造する方法にかかるものである。
工業的に生産されている乳蛋白質は数種の蛋白質の混合
物で1.それぞれ異なる等電点を有するが、通常酸カゼ
インはpH4,2〜4.8で等電点沈殿させ分離してい
る。本発明でいう乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物
質とは、この物質が共存すると等電点沈殿域(上記pH
4,2〜4.8)をより酸性側に移動させるか、同沈殿
そのものを妨害させるものをいう。
この乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物質の具体例と
しては、ナトリウム又はカリウムの無機塩及び有機酸塩
(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリ
ウム; クエン酸ナトリウムなど)、アルギン酸ナトリ
ウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、 繊
維素グリコール酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン
、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム
、アラビアガム、トラガンI・ガム、ゼラチン、マンナ
ンから選らばれた一種又は二種以上の物質が挙げられ、
これ等の中で特にペクチン、繊維素グリコール酸ナトリ
ウムが好ましい。
また、上記の物質を2種以上混合して用いる場合には相
互反応して凝集又はゲル化しないものがよい。なお相互
反応とは、例えばクエン酸ナトリウムとマンナンとを混
用した場合にゲル化がおこる現象のように、衆知のこと
をいう。
このように、水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液に乳蛋
白質の等電点の沈殿を妨害する物質が存在すると、乳蛋
白質水溶液が白濁を呈し、凝集物を生成しない状態にな
り、その結果本発明の懸濁性乳蛋白質微粒子が生じるp
H値は、pH4,00〜5.50、好ましくはpH4,
30〜5.35であり、第一の発明に比べpH条件は酸
性域により広がる。1)H4,00未満では沈殿物(粘
着性凝集状)が生成するようになり9、pH5,50を
こえると添加する酸液が不足し、水溶性アルカリ型蛋白
質の水溶液は透明感を残しており、乳蛋白質微粒子の生
成が充分に行われない。
また、水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液と酸液が接触
するときの、液温、攪拌等の反応条件は第一の発明と同
様に行うことができる。
第二の発明の懸濁性乳蛋白質微粒子は、第一の発明のも
のに比べ粒径等の性状は変わらないが、広範囲のpH域
で安定な懸濁性を有することから利用性がより高い。さ
らに製造工程にお゛いてもpH域が広いために、作業管
理上好都合である。
次に、実施態様の1例を示すと、水溶性アルカリ型乳蛋
白質の水溶液に繊維素グリコール酸すI−IJウムを添
加すると、酸液必要量の指標となる有効pH域は5.4
0〜4.50となり、通常乳蛋白質の等電点沈殿域であ
る1)H4,5でも凝集沈殿物は生ずることはない。
この乳蛋白質粒子の乾燥粉末は、pH4,50以上の酸
性水溶液又は微酸性水溶液に沈殿することなく安定に懸
濁する。
前記したように乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物質
が存在すると、存在しない場合に比して、安定に懸濁す
る水溶液のpH域が広がる利点がある。
〔作用〕
本発明の製造方法により得られる懸濁性乳蛋白質微粒子
は全粒子に対して少なくとも85V / V%以上が0
.1μm〜1.8μm の粒径からなる粒度分布を示す
ため長期間安定に懸濁し、また非水溶型の微粒子である
ために糊状感を与えることがなく、さらに微粒子が濃縮
又は脱水乾燥されるとき微酸性域で処理され、保管され
るのでアルカリ焼臭の発生がないものと考えられる。
〔実施例〕
次に試験例及び実施例をあげて本発明を説明するが、こ
れらの実施例によって、本発明は何ら制限されるもので
はない。
試験例1 市販カゼインナトリウム粉末1 kgに水を加えて10
に9とし、加温攪拌し十分に溶解する。次に活性炭で処
理して異臭を除き、次に1.0007ずつを8個のビー
カーにとり、その中の一つを無処理区(表1の1区)と
し、残りの7個のビーカーは恒温水槽に入れ表1のよう
な液温にそれぞれ保持し、ホモミキサー(イエストラル
社製、西独、14/40型、シャツ1−X40/36.
50H2,50ボルト、5000r、p、m、)で攪拌
しながら2%クエン酸水溶液をポンプで徐々に送り込ん
だ。なおビーカーには高温度用pH測定計を設けた。
無処理区以外のものに、酸液を添加して液のpHを5.
36〜5.40とした。各区のビーカーを室温(約15
℃)に24時間静置し、液の上層部から採液して下記し
た方法で白濁度をL値で求め、同時に沈殿物有無を調べ
た。更に各々の残りの液を5℃に10日間静置して沈殿
物の有無を調べた。
白濁度については、測色計として、スガ試験機■製のデ
ジタル測色色差計算機ADU−CH−1型を用い、液中
30++m、測定孔30 m f3、反射測定法によI
I)L値“を求め、L値を白濁度の指標とした。
また各々の液を7人のパネラ−に試飲してもらい、物性
的官能検査結果を求めた。更に全ての区の液を凍結真空
乾燥法により粉末化して、これらの粉末を20倍重量の
水に加えて、水への分散性を調べた。良好な、ものは水
中に直ちに分散し良くないものはママ粉を形成した。
以上の結果は表1の通りである。
次に、酸添加直後の表1の3区(35℃)、5区(55
℃)、7区(75℃)の各々から試料液(3区は沈殿物
を濾別した上層液をとる)をとり、530 nmの吸光
度(OD値)が0.9になるよう水でうすめて、上記し
た粒度分布測定装置により、粒度分布を求めた。その結
果は表5の通りであり、3区以外の5区、7区のものは
、全粒子に対し85v/v%以上がO,1μm〜1.8
μm の粒径であることがわかった。
試験例2 試験例1と同様なカゼインナトリウム水溶液をつくりそ
れぞれ1,0OOfずつを9個のビーカーにとり、その
1個を無処理区(表2.1区)とし、他の8個のものを
65℃の恒温槽に入れて保温して、ホモミキサー(試験
例1と同機種、50H2,50ボルト)で攪拌りながら
2%乳酸水溶液を徐々にポンプで送り込んだ。なおビー
カーには高温度用pH測定計を設けた。そして酸液の添
加量を変えて表2のようにpH5,70からpH4,8
0までのものをつくった。
冷却ののちそれらを約15℃の室温下に24時間静置し
て沈殿の状態及び液の上層部から試料をとり上記した方
法に従い白濁度をL値で求めた。
また試験例1と同様に物性的官能検査を行なった。その
結果は表2の通りである。
表2の1区のカゼインナトリウム水溶液(無処理区)は
透明感をもつ液(L値30)で、これに65℃で酸液を
徐々に加えpH5,70となると白濁化してくるが、な
お透明感もあり、試飲してみると官能的に糊状感があっ
た。これがpH5,50となるとより白濁化してL値も
高くなり、糊状感はなくなった。
更に酸液を加えてpH5,ooとなると上層液は、なお
白濁していたが凝集性沈殿物が生じた。
pH4,80となると全てのカゼインは凝集沈殿した。
次に表2の4区(pH5,40)及び6区(pH5,2
0)の液をとり懸濁している粒子の粒度分布を上記した
方法により求めた結果は表5に示すとおりであり、全粒
子に対して85 v / v%以上が0.1μm〜1,
8μmの粒径であることがわかった。
以上のことから、この試験においては、必要な酸液添加
量を液のpHでみると、pH5,50〜5.10の間に
あることがわかった。
試験例3 試験例1と同様なカゼインナトリウム水溶液をつくり、
それぞれ1,0OOfずつを4個のビーカーにとり、そ
の1個を対照区(無添加区)とし、あとの各々に繊維素
グリコール酸ナトリウム(CMC)を0.25%、0.
5%、0.75%相当量加え、70℃に加温しプロペラ
式攪拌機で攪拌しながら2%クエン酸水溶液を徐々にポ
ンプで送り込んだ。そして各々から液のpHが5.70
,5.50.5.10.5.00.4.80.4.70
,4.50.4.30になったとき10〇−ずつを取り
出し、室温(約15℃)に24時間静置し、液の白濁度
と沈殿の有無を調べた。
その結果は表3の通やである。
カゼインナトリウム水溶液にCMCを含まないときは、
液が白濁し凝集沈殿物が生じない酸液量、即ちこの場合
の有効pH範囲は上記した通りのpH5,50〜5.1
0であり、pH5,00まで酸液が加えられると沈殿が
生じた。CMCが加えられるとカゼインの等電点領域(
pH4゜80以下)に達してもなお液は白濁し沈殿は生
じなかった。上記した有効pH範囲は5.50〜4.5
0と拡大していた。CMC0,5%添加区のpH4,8
0の処理液(酸添加後の液)をとり、懸濁粒子の粒度分
布を上記した方法で求めると、表5の様になり、全粒子
に対して85.v/v%以上が0.1μtrL 〜0.
8μm の粒径であった。
従ってCMCの共存は必要酸液添加量の巾を拡げ、有効
pH域を拡げることがわかった。
試験例4 試験例1と同様なカゼインナトリウム液をつくり、それ
ぞれ500fを14個のビーカーにとり、その2個を対
照区(無添加区、デキストリン添加区)とし、他のもの
に表4に示す物質を、表に示す量添加溶解し、60℃−
で、プロペラ式攪拌機で攪拌しながら試験例3に準じ、
て酸液を添加し、各々のビーカー内の液のjpHが5.
20.5.00.4.80.4.50.4.30.4.
00.3.80に達したときに各々50−ずつとり、室
温(約15℃)に24時間静置して、十分な白濁性があ
り(L値で50以上)、沈殿物を生じないものを良(○
)とし、凝集沈殿物が生じたものを不良(×)として表
4に示した。
このように必要酸液添加量の巾の増加即ち有効pH域の
拡大は添加物質の種類により異なっていた。
最も有効なものはペクチンでp’H4,oo’!で酸液
を加えてもなあ・白濁液のままで、凝集沈殿を生じなか
った。このpH4,30の液を凍結乾燥し粉末とし、こ
れをpH4,30のヨーグルトドリンクに添加し、高蛋
白質ヨーグルト飲料を造ったが、添加された粉末は長期
間(5℃、10日間)安定に懸濁した。なお乳蛋白質の
等電点沈殿に影響を与えない程度のデキストリンを添加
したものでは、無添加区と同じ結果を示した。
実施例1 市販カゼインナトリウム粉末5002に水を加えて5.
000 fとし、加温攪拌して十分にカゼインナl−I
Jウムを溶解し、次に居性炭処理して異臭を除き、10
%のカゼインナI−IJウム水溶液を得た。これを70
℃に加温し、プロペラ式攪拌機で攪拌しながら5%乳酸
水溶液を徐々に加えpHが5.60位(25℃換算値)
まで低下すると液はしだいに白濁化してきた。更に酸を
加えてpH5,50となると真白な液が得られ、pH5
,20になるまで酸液を加えた。この液の一部をとり波
長530 nmにおける吸光度(OD値)が0.9にな
るように水を加えて調整して、上記した方法で粒度分布
測定を行なうと表6の結果が得られた。残りはそのまま
噴霧乾燥して水分4%の乾燥蛋白質粉末を得た。この粉
末507を水1,000mAに加えプロペラ式攪拌機で
攪拌したが、ママ粉が生成せず分散性が良かった。
この液を5℃に10日間静置したが蛋白質粒子は沈殿す
ることな(安定に懸濁していた。この懸濁液は異臭がな
く糊状感を与えず、優れた蛋白質含有液であった。
また上記粉末200fを5001入りのがラスピンに入
れガラス栓をして、室温に5ケ月間保管したがカゼイン
ナトリウム様のアルカリ焼臭は発生しなかった。
実施例2 脱脂乳に塩酸を加えてpH4,50とし常法により酸カ
ゼイン沈殿物を得た。これをよく水洗したのち、もとの
脱脂乳容量の約1/3量の液量になるように水を加えこ
れに2%の水酸化ナトリウム液を攪拌下に加え沈殿物を
十分に溶解させたのち液のpHを6.70に調整した。
これにハイメトキシペクチン粉末を液量に対し0.3%
量加えて溶解した。これを50℃に加温し、試験例1と
同機種の西独製ホモミキサー(50Hz、50ボルト)
で攪拌しながら1%塩酸水溶液を徐々に加えpH4,5
0とすると、沈殿物のない安定なL値78の白濁液が得
られた。この一部をとり上記した方法で粒度分布測定を
行なうと表6の結果が得られた。残りの液は常法により
噴霧乾燥して粉末化した。この粉末をpH4,5〜6,
0の酸性又は弱酸性水溶液に懸濁したものは、官能的に
異臭を与えずまた飲用後に糊状感を与えず、そして懸濁
液を5℃に14日間静置したが蛋白質の沈殿は生じなか
った。
〔発明の効果〕
本発明の製造方法により得られる懸濁性乳蛋白質微粒子
を中性又は微酸性の水溶液へ懸濁した懸濁液は、一般の
アルカリカゼイネ゛−1・の水溶液に比して、官能的に
糊状感を与えることが少なく、しかも長期間安定に懸濁
性を保持できる。またこの微粒子粉末を長期間保存して
もアルカリ焼臭は生成しない。このように本発明の製造
方法により得られる懸濁性乳蛋白質微粒子は、従来使用
されていた水可溶性のアルカリカゼイネートに比して優
れた特性を有することがら、高蛋白質栄養食品や蛋白質
含有乳飲料などの蛋白質原料として有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液に攪拌下、4
    5℃以上の液温のもとに酸液を添加し、液のpHを5.
    10〜5.50に調整することを特徴とする懸濁性乳蛋
    白質微粒子の製造方法。
  2. (2)懸濁性乳蛋白質微粒子が全粒子に対して85v/
    v%以上が0.1μm〜1.8μmの粒径からなる微粒
    子である特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
  3. (3)乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物質を含有す
    る水溶性アルカリ型乳蛋白質の水溶液に攪拌下、45℃
    以上の液温のもとに酸液を添加し、液のpHを4.00
    〜5.50に調整することを特徴とする懸濁性乳蛋白質
    微粒子の製造方法。
  4. (4)懸濁性乳蛋白質微粒子が全粒子に対して85v/
    v%以上が0.1μm〜1.8μmの粒径からなる微粒
    子である特許請求の範囲第3項記載の製造方法。
  5. (5)乳蛋白質の等電点の沈殿を妨害する物質が、ナト
    リウム又はカリウムの無機塩及び有機酸塩、アルギン酸
    ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル
    、繊維素グリコール酸ナトリウム、ペクチン、カラギー
    ナン、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーン
    ガム、アラビアガム、トラガントガム、ゼラチン、マン
    ナンから選ばれた一種又は二種以上の物質からなる特許
    請求の範囲第3項記載の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5102647A (en) * 1988-04-12 1992-04-07 Showa Denko K.K. Method of producing vapor growth carbon fibers
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JP2010115199A (ja) * 2003-04-01 2010-05-27 Danisco As タンパク質粉末組成物

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