JP2007515176A - 飲料及びその調製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、飲料、特に酸性のpHを有する飲料に関するものであり、かつその調製方法に関するものである。本飲料は、液体を添加することによって飲料へと転換するための粉末形態であってよい。
低pHでは、タンパク質懸濁液が凝固しやすく、沈殿しやすい。安定した酸性食品を製造するために、種々の安定剤が使用されており、タンパク粒子の凝固及び沈殿を防いでいる。このような安定剤がなければ、相分離、沈殿、及びざらつきなどの所望しない影響が観察される。加えて、全ての安定剤は、使用時に粘度を増加させるため、低い粘度及び軽い食品テクスチャを好む現代の消費者の嗜好には適していない。安定剤の使用は、乳製品に関する多くの特許文献で開示されている。製品に、より低い粘度を与えるため、並びに製品中のタンパク粒子の凝固、沈殿、及び相分離を防ぐために多くの改良が提案されており、例えば、分散剤として水溶性の大豆ポリサッカライドを使用することが提案されている(JP‐A‐57 458に記載)が、製品のpHが中性の範囲に近づくと、多くの場合、その安定性が低くなるため、より高い安定性を有する製品が所望されている。アルコール発酵によって製造される飲料を精製するためにビート由来のペクチンを使用することが、GB‐A‐2314564で開示されている。酸性のタンパク質食品中に安定剤として組み込まれるビート由来のペクチンの使用が、EP‐A‐0958746で開示されている。また、流動床式凝集装置内で、炭水化物の水溶液を噴霧しながら、粉末状の大豆タンパク質を粒状化することも公知であり、US‐A‐2002/146487及びUS‐A‐2003/124226に記載されている。
本発明の第1の局面では、粉末状の前駆体と液体とを混合することによって酸性飲料を調製するための、粉末状の前駆体を製造する方法が提供されており、前記方法は以下の工程:
(a) タンパク源及び安定剤を含む第1のスラリーを調製する工程であって、前記第1のスラリーが中性又は酸性のpHを有する、工程;
(b) 必要な場合は、2〜6、好ましくは3.5〜4.2の範囲の値に前記第1のスラリーのpHを調整する工程;及び
(c) 前記工程(a)又は工程(b)の後に、前記第1のスラリーをスプレードライする工程、
を含む。
飲料の粉末前駆体は、消費者が飲用するのに適した組成物を形成するために、液体と混合されなければならない。飲用に適した液体は、どんなものでも使用され得るが、好ましい例は、水及び柑橘類などのジュースである。
タンパク源には、任意の特定タイプのタンパク質、例えば、動物性タンパク質(特に、乳タンパク質)、又は植物性タンパク質が含まれる。好ましくは、タンパク源として、少なくともいくらかの植物性タンパク質(例えば、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、若しくはルピナスタンパク質、又はそれらの混合物)が提供される。これらのタンパク質は、そのままであるか又は加水分解されていてもよく、単独で、又は互いの組み合わせ物として使用され得る。
任意の適切な安定剤が、本発明において使用され得る。しかし、好ましい安定剤は、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、大豆ポリサッカライド、若しくはアルギン酸グリコールエステル、又はそれらの混合物から選択される。
好ましくは、炭水化物は第1のスラリーに含まれ、より好ましくは、タンパク源を含む第2のスラリーを介して炭水化物が導入される。好ましい炭水化物には、糖、でんぷん、及びマルトデキストリンが含まれる。
本粉末は、好ましくは、さらに乳化剤、有機酸(例えば、乳酸、リンゴ酸、又はクエン酸)、及び油脂を含み、ミネラルやビタミンなどで強化されている。水又はジュースなどの液体中にいったん分散すれば、この飲料は、少なくとも30分間は凝固及び相分離せずに安定であることが好ましい。
本粉末状の前駆体は、任意の所望される酸性飲料(例えば、ヨーグルト又は酸性のプロテイン飲料)を調製するために適用されてもよい。
タンパク質及び安定剤は、2種類の異なる方法で混ぜることができる。
(i) 第1のスラリーのpHは、タンパク質の等電点未満、好ましくは3.9未満の酸性pHであってよく、その場合、タンパク質を分散させ混合し、安定剤を添加し、再度混合した後、pHを調整するか、
又は
(ii) 第1のスラリーのpHは、タンパク質の等電点を超える酸性pHであってよく、その場合、タンパク質は分散でき、これを混合し、その後予め分散させた安定化溶液とともにさらに混合し、次いでpHを所望の値に調整する。
方法A:pHを約2.0まで低下し、約40℃でタンパク質を添加し、高剪断ミキサーで混合し、約60℃〜80℃で溶解されているHMペクチン溶液を添加し、炭水化物を添加し、それに続いてさらに混合し、次いでpHを約4.0に調整する。この混合物が均質化していることが好ましい。
方法B:タンパク質を水に分散させ、高剪断ミキサーで混合し、次いでpHが約2の約60〜80℃で溶解されているペクチン溶液をこの混合物に組み込み、糖を添加し、それに続いてさらに混合し、pHを約4.0に調整する。この混合物が均質化していることが好ましい。
・ 高剪断ミキサー造粒装置、例えば、Schugiタイプ造粒装置又はLoedige ploughshareタイプ、
・ 圧縮造粒装置、例えばBepex basket extruderタイプ造粒装置、
又は
・ スチーム造粒装置、
である。
[実施例1]
大豆タンパク質分離物(Solae社のFXP H0219D、86.7%)、マルトデキストリン及び水の組成物(表1参照)を、高剪断ミキサーである、Silverson Batchミキサータイプを用いて60℃で15分間混合する。pH 2.0のクエン酸(CA)と4%のHM ペクチン(CP Kelco社のYM 115H)との第2の水溶液を調製した。全ての混合物を、再度高剪断ミキサーでホモジナイズする。前記の濃縮物のpHを、さらにクエン酸を添加することによって、3.9に調整する。
Claims (21)
- 粉末状の前駆体と液体とを混合することによって酸性飲料を調製するための、前記粉末状の前駆体を製造する方法であって、以下の工程:
(a) タンパク源及び安定剤を含む第1のスラリーを調製する工程であって、前記第1のスラリーが中性又は酸性のpHを有する、工程;
(b) 必要な場合は、2〜6、好ましくは3.5〜4.2の範囲の値に前記第1のスラリーのpHを調整する工程;及び
(c) 前記工程(a)又は工程(b)の後に、前記第1のスラリーをスプレードライする工程、
を含む方法。 - 前記タンパク源を含む第2のスラリーを調製し、前記安定剤を含む第3のスラリーを調製し、次いでこの第2と第3のスラリーとを混合することにより、前記第1のスラリーを形成する、請求項1記載の方法。
- 炭水化物を、少なくとも1のスラリー、好ましくは請求項2に記載の第2のスラリーに添加する、請求項1又は2記載の方法。
- 前記スラリー又は前記スラリーのいずれかに対し、適切な加熱処理、好ましくは40〜80℃の範囲の加熱処理を行う工程をさらに含む、請求項1乃至3のいずれか一項記載の方法。
- 前記第1のスラリーをホモジナイズする工程をさらに含む、請求項1乃至4のいずれか一項記載の方法。
- 前記工程(c)でスプレードライした産物を凝集させる工程をさらに含む、請求項1乃至5のいずれか一項記載の方法。
- 前記工程(a)において、前記第1のスラリーが、タンパク質の等電点未満のpH、好ましくは3.9未満のpHを有する、請求項1乃至6のいずれか一項記載の方法。
- 前記工程(a)において、前記第1のスラリーが、タンパク質の等電点を超えるpHを有する、請求項1乃至6のいずれか一項記載の方法。
- 前記第3のスラリー中の安定剤が中性であるか、又は負に帯電している、請求項2記載の方法。
- 前記タンパク源が、植物性タンパク質、動物性タンパク質、又はそれらの混合物を含む、請求項1乃至9のいずれか一項記載の方法。
- 前記植物性タンパク質が、大豆タンパク質、エンドウ豆タンパク質、若しくはルピナスタンパク質、又はそれらの混合物から選択され、及び/又は前記動物性タンパク質が乳たんぱく質である、請求項10記載の方法。
- 前記安定剤が、ペクチン、カルボキシメチルセルロース、大豆ポリサッカライド、若しくはアルギン酸グリコールエステル、又はそれらの混合物から選択される、請求項1乃至11のいずれか一項記載の方法。
- 前記安定剤がペクチンである、請求項12記載の方法。
- 前記第3のスラリー中の前記安定剤の量が、0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜20重量%である、請求項2又は14記載の方法。
- 1以上の追加成分を前記スラリーの混合物に添加する工程(d)を含み、これらの成分が、好ましくは脂質、乳化剤、及び有機酸から選択される、請求項1乃至14のいずれか一項記載の方法。
- 液体、好ましくは水性液体と、請求項1乃至15のいずれか一項記載の方法により製造された粉末状前駆体とを混合することによって調製される、酸性飲料。
- 0.05〜10重量%のレベルの安定剤を含む、請求項16記載の酸性飲料。
- 0.5〜10重量%のレベルのタンパク質を含む、請求項16又は17記載の酸性飲料。
- 液体を添加することによって飲料へと転換できる粉末形態である、請求項16乃至18のいずれか一項記載の酸性飲料。
- 請求項20の酸性飲料と、液体、好ましくは水性液体との混合物を含む、飲用に適した酸性飲料。
- 0.1s−1又は10s−1のどちらかのずり速度において、5〜60mPasの粘度、好ましくは5〜50mPasの粘度を有する、請求項20記載の飲用に適した酸性飲料。
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