JP2946022B2 - 炭酸カルシウム水懸濁液組成物およびその製造方法 - Google Patents
炭酸カルシウム水懸濁液組成物およびその製造方法Info
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Description
ウムを強化するのに利用される高懸濁安定性を有する炭
酸カルシウム水懸濁液組成物及びその製造方法に関す
る。
に欠かすことのできないミネラルであるが、最近カルシ
ウムの摂取量不足が高齢者の骨粗鬆症の増加や若年者の
骨折の多発などに関連して問題視されている。このカル
シウムの摂取量不足を補うために、食品へのカルシウム
強化が試みられており、特に、カルシウムの生体吸収性
が比較的良いとされている牛乳へのカルシウム強化が増
えてきている。
としては、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなど
の有機酸カルシウムがあるが、有機酸カルシウムは水溶
性であるため、牛乳中の蛋白質と反応して加熱滅菌時に
凝固物を生じやすい。また、有機酸カルシウム自身のカ
ルシウム成分比が小さいため、牛乳への添加量が必然的
に多くなり、食味上にも問題がある。
などの水難溶性カルシウム塩は、牛乳中のタンパク質と
の凝固物を生じることはなく、また無味無臭で食味に及
ぼす影響も少なく、有機酸カルシウムよりカルシウム含
量が多いことから、少ない添加量でカルシウム強化がで
きるなどカルシウム強化剤として好ましい。このため、
最近炭酸カルシウムをカルシウム強化剤として牛乳に添
加する応用例が増えているが、炭酸カルシウムは液中で
短時間に沈殿し、懸濁安定性に問題がある。この問題点
を解決する方法として、炭酸カルシウムに結晶性セルロ
ースを添加する方法、あるいはショ糖脂肪酸エステルな
どのHLBが10以上の親水性乳化剤を添加する方法な
どが提案されている。しかし、結晶性セルロースを用い
た場合は牛乳の粘度が高くなり、食味にも影響する。ま
た、親水性乳化剤を用いた場合は、超音波照射などの特
殊な分散方法が必要であり、製造効率が悪いなどの問題
がある。
カルシウム強化剤として使用するに当たって、液中で沈
降しにくく、懸濁安定性及び保存安定性に優れた炭酸カ
ルシウム水懸濁液組成物を提供することを目的とする。
鑑み検討を重ねた結果、炭酸カルシウムに特定の懸濁安
定化剤を配合することで、牛乳などの各種の乳製品や食
品への添加が容易で、食品中への分散性及び保存安定性
に優れた炭酸カルシウム水懸濁液が得られることを見出
した。
ム水懸濁液組成物及びその製造方法を提供するものであ
る。
脂質及びタンパク分解物からなる群から選ばれる少なく
とも1種からなる懸濁安定化剤及び(3)水を含有する
炭酸カルシウム水懸濁液組成物。
質及びタンパク分解物からなる群から選ばれる少なくと
も1種からなる懸濁安定化剤の水溶液を添加した後に湿
式粉砕することを特徴とする炭酸カルシウム水懸濁液組
成物の製造方法。
砕した後にリン脂質及びタンパク分解物からなる群から
選ばれる少なくとも1種からなる懸濁安定化剤の水溶液
を添加し、攪拌混合することを特徴とする炭酸カルシウ
ム水懸濁液組成物の製造方法。
した合成品または粉砕品が用いられ、好ましくは、BE
T比表面積7m2/g以上、平均粒子径5μm以下であ
り、より好ましくは、BET比表面積7〜100m2/
g程度、平均粒子径0.02〜5μm程度である。
Hは、原料の炭酸カルシウムの性質により異なり、特に
限定されないが、通常7.0〜11.0程度である。
カルシウムであり、該多孔質炭酸カルシウムは、例えば
以下の工程(i)〜(iii)により製造される。
濃度15容量%以上の炭酸ガス含有気体を水酸化カルシ
ウム1kg当たり25リットル/分以上で吹き込み、炭
酸化率60〜90%まで炭酸化反応を行う第一炭酸化工
程、(ii)第一炭酸化工程終了後の水懸濁液に、水酸化カ
ルシウム水懸濁液を加えて、炭酸ガス濃度10容量%以
上の炭酸ガス含有気体を水酸化カルシウム1kg当たり
15リットル/分以上で吹き込み、炭酸化率70〜90
%まで炭酸化反応を行う第二炭酸化工程、及び(iii)第
二炭酸化工程終了後に、さらに第二炭酸化工程と同じ炭
酸化工程を1回以上繰り返し、次いで当該炭酸化工程終
了後の水懸濁液に、水酸化カルシウム水懸濁液を加え
て、炭酸ガス濃度10容量%以上の炭酸ガス含有気体を
水酸化カルシウム1kg当たり15リットル/分以上で
吹き込み、pH6.5〜7.5となるまで炭酸化反応を
行う最終炭酸化工程。
炭酸化率(%)=100×W/(W+W1)(但し、W
は反応液中の炭酸カルシウムの重量、W1は反応液中の
水酸化カルシウムの重量である。)により表わされるも
のである。
濁安定化剤の比率は、これらの合計を100%とする
と、水:炭酸カルシウム:懸濁安定化剤=44〜94.
9重量%:5〜40重量%:0.1〜16重量%程度;
好ましくは46〜89.8重量%:10〜40重量%:
0.2〜14重量%程度である。水、炭酸カルシウム及
び懸濁安定化剤の比率が上記範囲にあると製造効率が高
く、低コストで製造できるため好ましい。該範囲は炭酸
カルシウム水懸濁液組成物を製造する際の範囲である。
チジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミ
ン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)及び
ホスファチジン酸(PA)からなる群から選ばれる少な
くとも1種を主成分とするものを意味する。該リン脂質
としては、リン脂質含量が30%以上のリン脂質含有物
であれば広く用いることができ、公知のリン脂質含有物
質が広く用いられるが、具体例としては植物由来レシチ
ン(大豆、なたね、トウモロコシ、綿実など)、動物由
来レシチン(卵黄など)、酵素処理レシチン、酵素転移
レシチンなどが挙げられる。
食品添加物公定書に記載のものが好ましく具体的には含
量が98.0〜102.0%、塩酸不溶物が0.2%以
下、乾燥減量が2.0%以下等である。
物由来の粘質蛋白質の分解物が挙げられ、具体的には大
豆タンパク分解物、小麦タンパク分解物、コメタンパク
分解物、トウモロコシタンパク分解物、大麦タンパク分
解物等が挙げられ、好ましくは大豆タンパク分解物及び
小麦タンパク分解物が挙げられる。
ら選ばれる少なくとも1種からなる懸濁安定化剤の添加
量としては、特に限定されることはなく、本発明の効果
を奏する範囲で適宜選択すればよいが、例えば炭酸カル
シウム100重量部に対し2〜40重量部程度、好まし
くは3〜35重量部程度である。
ムの水懸濁液にリン脂質及びタンパク分解物からなる群
から選ばれる少なくとも1種からなる懸濁安定化剤の水
溶液を添加した後に湿式粉砕する工程及び炭酸カルシウ
ムの水懸濁液を湿式粉砕する工程は、コロイドミル、サ
ンドミル、ボールミルなどの湿式粉砕装置を用いて行う
ことができる。
砕した後にリン脂質及びタンパク分解物からなる群から
選ばれる少なくとも1種からなる懸濁安定化剤の水溶液
を添加した水懸濁液を、攪拌混合する工程は、ホモジナ
イザー、ディスパーなどの攪拌混合装置を用いて行うこ
とができる。
組成物は、食品の製造で使用される通常の加熱滅菌工程
を行うことができる。
積30m2/g、平均粒子径3μm、pH=9.5)水
懸濁液に、10%大豆レシチン水溶液を炭酸カルシウム
100重量部に対し大豆レシチンが20重量部になるよ
うに添加し、ダイノーミルで湿式粉砕して炭酸カルシウ
ム水懸濁液組成物を得た。
炭酸カルシウム100重量部に対する懸濁安定化剤の固
形分の添加量を示す。
m2/g、平均粒子径1μm、pH=10.5)水懸濁
液および懸濁安定化剤を用い、実施例1と同様にして本
発明の炭酸カルシウム水懸濁液組成物を得た。
積30m2/g、平均粒子径3μm、pH=9.5)水
懸濁液および懸濁安定化剤を用い、実施例1と同様にし
て本発明の炭酸カルシウム水懸濁液組成物を得た。
0m2/g、平均粒子径3μm、pH=9.5、)水懸
濁液をダイノーミルで湿式粉砕した後、10%大豆レシ
チン水溶液を炭酸カルシウム100重量部に対し大豆レ
シチンが15重量部になるように添加し、ディスパー攪
拌機で1500rpm×15分攪拌して本発明の炭酸カ
ルシウム水懸濁液組成物を得た。
m2/g、平均粒子径1μm、pH=10.5)水懸濁
液および懸濁安定化剤を用い、実施例4と同様にして本
発明の炭酸カルシウム水懸濁液組成物を得た。
2/g、平均粒子径6μm、pH=11.5)水懸濁液
および懸濁安定化剤を用い、実施例1と同様にして比較
炭酸カルシウム水懸濁液組成物を得た。
積30m2/g、平均粒子径3μm、pH=9.5、)
水懸濁液および懸濁安定化剤を用い、実施例1と同様に
して比較炭酸カルシウム水懸濁液組成物を得た。
2/g、平均粒子径6μm、pH=11.5)水懸濁液
および懸濁安定化剤を用い、実施例4と同様にして比較
炭酸カルシウム水懸濁液組成物を得た。
懸濁液組成物を、炭酸カルシウムの固形分濃度で0.2
%になるように水で希釈し、ディスパー攪拌機で100
0rpm×7分30秒間攪拌した後、遠心分離機で15
7G×4分20秒間遠心力をかけた。次に、遠心沈降物
を蒸発乾固させ、電気炉で950℃×3時間焼成し、冷
却後重量を測定し、懸濁率を算出した。また、同様にし
て調製した0.2%希釈液を100ml有栓メスシリン
ダーにとり、常温で静置して、希釈液の懸濁液面の高さ
及び沈降物の見掛け容積の経時変化を測定した。
示す。
安定性を有することは明らかである。
ルシウム水懸濁液組成物は懸濁安定性が高く、食品用カ
ルシウム強化剤として適しており、食品中への分散性及
び保存安定性に優れている。
Claims (3)
- 【請求項1】(1)BET比表面積7〜100m 2 /
g、平均粒子径0.02〜5μmの炭酸カルシウムを1
0〜40重量%、(2)リン脂質及びタンパク分解物か
らなる群から選ばれる少なくとも1種からなる懸濁安定
化剤を0.2〜14重量%及び(3)水を46〜89.
8重量%からなる炭酸カルシウム水懸濁液組成物。 - 【請求項2】炭酸カルシウムの水懸濁液にリン脂質及び
タンパク分解物からなる群から選ばれる少なくとも1種
からなる懸濁安定化剤の水溶液を添加した後に湿式粉砕
することを特徴とする請求項1に記載の炭酸カルシウム
水懸濁液組成物の製造方法。 - 【請求項3】炭酸カルシウムの水懸濁液を湿式粉砕した
後にリン脂質及びタンパク分解物からなる群から選ばれ
る少なくとも1種からなる懸濁安定化剤の水溶液を添加
し、攪拌混合することを特徴とする請求項1に記載の炭
酸カルシウム水懸濁液組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP7168694A JP2946022B2 (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | 炭酸カルシウム水懸濁液組成物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP7168694A JP2946022B2 (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | 炭酸カルシウム水懸濁液組成物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH099911A JPH099911A (ja) | 1997-01-14 |
JP2946022B2 true JP2946022B2 (ja) | 1999-09-06 |
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ID=15872735
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP7168694A Expired - Lifetime JP2946022B2 (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | 炭酸カルシウム水懸濁液組成物およびその製造方法 |
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CN105249449B (zh) * | 2015-09-07 | 2017-09-22 | 徐鹏 | 一种从大豆苗中提取植物钙的方法 |
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-
1995
- 1995-07-04 JP JP7168694A patent/JP2946022B2/ja not_active Expired - Lifetime
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