JP2000093124A - 水難溶性ミネラル組成物 - Google Patents
水難溶性ミネラル組成物Info
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- JP2000093124A JP2000093124A JP10274626A JP27462698A JP2000093124A JP 2000093124 A JP2000093124 A JP 2000093124A JP 10274626 A JP10274626 A JP 10274626A JP 27462698 A JP27462698 A JP 27462698A JP 2000093124 A JP2000093124 A JP 2000093124A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】食品への水難溶性ミネラルの強化を目的とし
て、保存・流通中の沈降分離及び細菌最近の増殖が抑え
られ長期間品質の安定した液状食品への分散性の優れた
液状の水難溶性ミネラル組成物の開発を課題とする。 【解決手段】多価アルコール及び/又は糖類の水溶性と
HLB=8以上の乳化剤の混合物中に水難溶性ミネラル
を懸濁分散し湿式粉砕を施すことにより課題が達成され
る。
て、保存・流通中の沈降分離及び細菌最近の増殖が抑え
られ長期間品質の安定した液状食品への分散性の優れた
液状の水難溶性ミネラル組成物の開発を課題とする。 【解決手段】多価アルコール及び/又は糖類の水溶性と
HLB=8以上の乳化剤の混合物中に水難溶性ミネラル
を懸濁分散し湿式粉砕を施すことにより課題が達成され
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水難溶性ミネラル
を分散した水性の液状組成物に関するものである。詳し
くは、保存・流通中の組成物中の水難溶性ミネラルの分
散状態が安定で、且つ細菌的な増殖が抑制され俣存性に
優れた水性の液状組成物の調製に関するものである。
を分散した水性の液状組成物に関するものである。詳し
くは、保存・流通中の組成物中の水難溶性ミネラルの分
散状態が安定で、且つ細菌的な増殖が抑制され俣存性に
優れた水性の液状組成物の調製に関するものである。
【0002】
【従来の技術と問題点】近年、カルシウム、マグネシウ
ムを初めとする各種ミネラルの摂取不足が指摘され、い
ろんな種類のミネラル強化食品が市場に見られるように
なってきた。これら食品へのミネラル強化方法として
は、例えばカルシウムの場合においては、塩化カルシウ
ム、乳酸カルシウム等の水溶性カルシウムを添加する方
法と、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等の水難溶性
カルシウムを添加する方法が考えられる。
ムを初めとする各種ミネラルの摂取不足が指摘され、い
ろんな種類のミネラル強化食品が市場に見られるように
なってきた。これら食品へのミネラル強化方法として
は、例えばカルシウムの場合においては、塩化カルシウ
ム、乳酸カルシウム等の水溶性カルシウムを添加する方
法と、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等の水難溶性
カルシウムを添加する方法が考えられる。
【0003】水溶性ミネラルを添加する場合において
は、溶液中で生成したミネラルイオン、若しくは陰イオ
ンに起因する塩味、苦味、収斂味等により、それらミネ
ラルの添加された食品の風味が著しく損なわれたり、
又、それらのイオンが蛋白質やペクチン等の高分子化合
物と反応して凝固物を生成する等食品中の成分と反応し
て食品の組織・物性に悪影響をもたらす等の問題があ
る。
は、溶液中で生成したミネラルイオン、若しくは陰イオ
ンに起因する塩味、苦味、収斂味等により、それらミネ
ラルの添加された食品の風味が著しく損なわれたり、
又、それらのイオンが蛋白質やペクチン等の高分子化合
物と反応して凝固物を生成する等食品中の成分と反応し
て食品の組織・物性に悪影響をもたらす等の問題があ
る。
【0004】水難溶性ミネラルを添加する場合は上記の
水溶性ミネラルの場合に見られるような問題は解決され
るが、一方でそれら水難溶性ミネラルの比重が重く、添
加されたミネラルが短時間の間に沈降分離してしまう難
点がある。この沈降を抑制する対策の一つとしてはミネ
ラル粒子を粉砕し微細粒子とする手段があるが乾式粉砕
においては微粉砕された粒子の2次凝集が生じ、この2
次凝集された粒子は水溶液中で容易には解凝集されない
ために微粉砕の効果が十分に意味をなさない結果となり
本質的な解決をもたらさない。この2次凝集の問題を解
決する方法としては溶液中での粉砕が効果的であり、例
えば、炭酸カルシウムの水懸濁液にHLB=10以上の
親水性乳化剤を配合し湿式粉砕機を用いて粉砕し炭酸カ
ルシウム分散体を調製する方法(特開平6−12793
号公報)、あるいは、リン酸カルシウムの水懸濁液にH
LB=10以上の親水性乳化剤を配合し、湿式粉砕機を
用いて粉砕しリン散カルシウム分散体を調製する方法
(特開平6−127909号公報)等が開示されてい
る。このようにHLB値の大きい乳化剤を配合し湿式粉
砕することにより微粒子化されたミネラルの2次擬集は
抑制され、水溶液に添加した場合の分散性も改善され
る。しかしながら、このようにして得られた懸濁液は単
純な水溶液の系においては水難溶性ミネラル粒子の沈降
分離を未だ十分抑えることが出来ず、長期間の均質な分
散状態を保つことは難しく、又、細菌の成育による腐敗
の同題もあり保存・流通中の長期間の安定な品質の維持
が困難である。
水溶性ミネラルの場合に見られるような問題は解決され
るが、一方でそれら水難溶性ミネラルの比重が重く、添
加されたミネラルが短時間の間に沈降分離してしまう難
点がある。この沈降を抑制する対策の一つとしてはミネ
ラル粒子を粉砕し微細粒子とする手段があるが乾式粉砕
においては微粉砕された粒子の2次凝集が生じ、この2
次凝集された粒子は水溶液中で容易には解凝集されない
ために微粉砕の効果が十分に意味をなさない結果となり
本質的な解決をもたらさない。この2次凝集の問題を解
決する方法としては溶液中での粉砕が効果的であり、例
えば、炭酸カルシウムの水懸濁液にHLB=10以上の
親水性乳化剤を配合し湿式粉砕機を用いて粉砕し炭酸カ
ルシウム分散体を調製する方法(特開平6−12793
号公報)、あるいは、リン酸カルシウムの水懸濁液にH
LB=10以上の親水性乳化剤を配合し、湿式粉砕機を
用いて粉砕しリン散カルシウム分散体を調製する方法
(特開平6−127909号公報)等が開示されてい
る。このようにHLB値の大きい乳化剤を配合し湿式粉
砕することにより微粒子化されたミネラルの2次擬集は
抑制され、水溶液に添加した場合の分散性も改善され
る。しかしながら、このようにして得られた懸濁液は単
純な水溶液の系においては水難溶性ミネラル粒子の沈降
分離を未だ十分抑えることが出来ず、長期間の均質な分
散状態を保つことは難しく、又、細菌の成育による腐敗
の同題もあり保存・流通中の長期間の安定な品質の維持
が困難である。
【0005】この保存・流通対策としては、例えば、ス
ラリー状態の炭酸カルシウムを親水性乳化剤の水溶液と
混合し、この混合物を脱水処理した後、真空下に乾燥し
粉末化する方法が開示されている(特公平2−3194
2号公報)。しかしながら、このような乾燥・粉末化は
経済的でなく、また得られた製品を液状食品に添加する
場合に機械的な分散が必要であり必ずしも解決したとは
言えない。
ラリー状態の炭酸カルシウムを親水性乳化剤の水溶液と
混合し、この混合物を脱水処理した後、真空下に乾燥し
粉末化する方法が開示されている(特公平2−3194
2号公報)。しかしながら、このような乾燥・粉末化は
経済的でなく、また得られた製品を液状食品に添加する
場合に機械的な分散が必要であり必ずしも解決したとは
言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、食品への水
難溶性ミネラル強化を目的として、上記のような従来の
問題点を解決するために、液状で保存・流通中の沈降分
離が抑制され分散状態が十分維持され、且つ、細菌の増
殖が抑制され腐敗の問題がなく長期間品質の安定した、
液状食品への分散性の優れた水難溶性ミネラル組成物の
調整方法を開発することを課題とするものである。
難溶性ミネラル強化を目的として、上記のような従来の
問題点を解決するために、液状で保存・流通中の沈降分
離が抑制され分散状態が十分維持され、且つ、細菌の増
殖が抑制され腐敗の問題がなく長期間品質の安定した、
液状食品への分散性の優れた水難溶性ミネラル組成物の
調整方法を開発することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
に鑑み、液状食品中での分散安定性及び液状態の食品加
工中間組成物中での分散安定性が優れた水難溶性ミネラ
ル組成物であって、保存・流通中の当該水難溶性ミネラ
ル組成物の均一性が維持され、且つ細菌による腐敗の問
題のない長期間品質の安定した水難溶性ミネラル組成物
の調製方法について鋭意研究を重ねた結果、多価アルコ
ール及び/又は糖類の水溶液とHLB8以上の乳化剤の
混合物中に水難溶性ミネラルを懸濁させ湿式粉砕を行う
ことにより本課題が解決することを見いだし本発明を完
成させたものである。即ち、本発明は以下の要件から構
成されるものである。
に鑑み、液状食品中での分散安定性及び液状態の食品加
工中間組成物中での分散安定性が優れた水難溶性ミネラ
ル組成物であって、保存・流通中の当該水難溶性ミネラ
ル組成物の均一性が維持され、且つ細菌による腐敗の問
題のない長期間品質の安定した水難溶性ミネラル組成物
の調製方法について鋭意研究を重ねた結果、多価アルコ
ール及び/又は糖類の水溶液とHLB8以上の乳化剤の
混合物中に水難溶性ミネラルを懸濁させ湿式粉砕を行う
ことにより本課題が解決することを見いだし本発明を完
成させたものである。即ち、本発明は以下の要件から構
成されるものである。
【0008】1.多価アルコール及び/又は糖類のいず
れか1種又は2種以上とHLB=8以上の乳化剤との水
溶液に水難溶性ミネラルを分散したことを特徴とする水
難溶性ミネラル組成物。
れか1種又は2種以上とHLB=8以上の乳化剤との水
溶液に水難溶性ミネラルを分散したことを特徴とする水
難溶性ミネラル組成物。
【0009】2.HLB=8以上の乳化剤がショ糖脂肪
酸エステル及びポリグリセロール脂肪酸エステルの内か
ら選ばれた1種又は2種以上の混合物であることを特徴
とする上記1記載の水難溶性ミネラル組成物。
酸エステル及びポリグリセロール脂肪酸エステルの内か
ら選ばれた1種又は2種以上の混合物であることを特徴
とする上記1記載の水難溶性ミネラル組成物。
【0010】3.水難溶性のミネラルが水難溶性カルシ
ウム、水難溶性マグネシウム又は水難溶性鉄のいずれか
1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする上記
1及び2記載の水難溶性ミネラル組成物。
ウム、水難溶性マグネシウム又は水難溶性鉄のいずれか
1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする上記
1及び2記載の水難溶性ミネラル組成物。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、水難溶性ミネラ
ルとは水に難溶解性のミネラル物質を言い、水難溶性カ
ルシウム、難溶性マグネシウムあるいは水難溶鉄等が適
用される。水難溶力ルシウムとしては貝殻カルシウム、
骨カルシウム、卵殼カルシウム、サンゴ末等の炭酸カル
シウムを主成分とする未焼成天然物またはそれらの焼成
物、天然物または合成による重質または軽質の炭酸カル
シウム、骨カルシウム、乳カルシウム等のリン酸カルシ
ウム等を主成分とする天然物、合成によるリン酸カルシ
ウム等が挙げられ、水難溶性マグネシウムとしては炭酸
マグネシウム、酸化マグネシウム、ドロマイト等が挙げ
られ、水難溶鉄としてはクエン酸鉄、ピロリン酸鉄等が
挙げられ、これらの難溶性ミネラルの内のいずれか1種
又は2種以上の混合物が用いられる。
ルとは水に難溶解性のミネラル物質を言い、水難溶性カ
ルシウム、難溶性マグネシウムあるいは水難溶鉄等が適
用される。水難溶力ルシウムとしては貝殻カルシウム、
骨カルシウム、卵殼カルシウム、サンゴ末等の炭酸カル
シウムを主成分とする未焼成天然物またはそれらの焼成
物、天然物または合成による重質または軽質の炭酸カル
シウム、骨カルシウム、乳カルシウム等のリン酸カルシ
ウム等を主成分とする天然物、合成によるリン酸カルシ
ウム等が挙げられ、水難溶性マグネシウムとしては炭酸
マグネシウム、酸化マグネシウム、ドロマイト等が挙げ
られ、水難溶鉄としてはクエン酸鉄、ピロリン酸鉄等が
挙げられ、これらの難溶性ミネラルの内のいずれか1種
又は2種以上の混合物が用いられる。
【0012】これらの水難溶性ミネラルを食品へ応用す
るに際しては、摂食時の舌触り等の食感を考慮すると可
及的に微粉末であることが好ましく、食品用として応用
するに適当な粒子の径は30ミクロン以下、望ましくは
10ミクロン以下である。水難溶性ミネラルのこのよう
な粒子は多価アルコール及び/又は糖類とHLB=8以
上の乳化剤の混合物の水溶性に水難溶性ミネラル粉末を
懸濁させ、湿式粉砕処理を行うことによって達成され
る。湿式粉砕機としては、粉砕室中でガラスビーズ、ジ
ルコニアビーズ等のメディアを媒体として被粉砕物懸濁
液を粉砕する一般にサンドミル、ビーズミル、ダイノー
ミル等と呼ばれている公知の湿式粉砕機を用いるのが好
適である。
るに際しては、摂食時の舌触り等の食感を考慮すると可
及的に微粉末であることが好ましく、食品用として応用
するに適当な粒子の径は30ミクロン以下、望ましくは
10ミクロン以下である。水難溶性ミネラルのこのよう
な粒子は多価アルコール及び/又は糖類とHLB=8以
上の乳化剤の混合物の水溶性に水難溶性ミネラル粉末を
懸濁させ、湿式粉砕処理を行うことによって達成され
る。湿式粉砕機としては、粉砕室中でガラスビーズ、ジ
ルコニアビーズ等のメディアを媒体として被粉砕物懸濁
液を粉砕する一般にサンドミル、ビーズミル、ダイノー
ミル等と呼ばれている公知の湿式粉砕機を用いるのが好
適である。
【0013】これら水難溶性ミネラルの組成物中への配
合比率は50重量%以下、好ましくは10重量%以上3
5重量%以下が適当である。配合率が50重量%を越え
ると混合物の粘度が高くなり組成物の調製が難しくな
り、配合率が少ないと不経済的である。
合比率は50重量%以下、好ましくは10重量%以上3
5重量%以下が適当である。配合率が50重量%を越え
ると混合物の粘度が高くなり組成物の調製が難しくな
り、配合率が少ないと不経済的である。
【0014】本発明において、多価アルコールとしては
プロピレングリコール、グリセロール、ソルピトール、
マルチトールあるいは澱粉加水分解物の水素添加物等の
糖アルコール等が挙げられ、糖類としては、グルコー
ス、フラクトース、ショ糖、マルトース、乳糖、澱粉加
水分解物等の単糖類、二糖類あるいはオリゴ糖類あるい
は転化糖等が挙げられ、これら多価アルコール及び/又
は糖類の1種または2種以上の混合物が用いられる。
プロピレングリコール、グリセロール、ソルピトール、
マルチトールあるいは澱粉加水分解物の水素添加物等の
糖アルコール等が挙げられ、糖類としては、グルコー
ス、フラクトース、ショ糖、マルトース、乳糖、澱粉加
水分解物等の単糖類、二糖類あるいはオリゴ糖類あるい
は転化糖等が挙げられ、これら多価アルコール及び/又
は糖類の1種または2種以上の混合物が用いられる。
【0015】これらの多価アルコール又は糖類は本発明
の水難溶性ミネラル組成物の保存・流通中の水難溶性ミ
ネラル粒子の沈降分離の防止及び細菌による腐敗防止の
目的で使用される。本発明の水難溶性ミネラル組成物に
おいて、これらの多価アルコール又は糖類と水との配合
比率は用いられる物質により物性が異なり特に限定され
るものではないが一般的には多価アルコール又は糖類7
0重量%ないし50重量%に対して水30重量%ないし
50重量%の配合比率が適当である。水の比率が大きく
なると水難溶性ミネラルの沈降分離が生じ易くなり、又
細菌の増殖抑制効果も落ち腐敗を招き易くなる。又、水
の比率が小さ過ぎると系の粘度が高くなり過ぎ水難溶性
ミネラルの分散が困難になる。これら多価アルコール又
は糖類の水溶液は加温時には粘度は低くなり、冷却する
と粘度が高くなる物性を有しており、水難溶性ミネラル
粒子の配合及び湿式粉砕時には適度に加温し、粉砕処理
を施した後は冷却して保存することにより本発明の目的
が効率的に達成される。
の水難溶性ミネラル組成物の保存・流通中の水難溶性ミ
ネラル粒子の沈降分離の防止及び細菌による腐敗防止の
目的で使用される。本発明の水難溶性ミネラル組成物に
おいて、これらの多価アルコール又は糖類と水との配合
比率は用いられる物質により物性が異なり特に限定され
るものではないが一般的には多価アルコール又は糖類7
0重量%ないし50重量%に対して水30重量%ないし
50重量%の配合比率が適当である。水の比率が大きく
なると水難溶性ミネラルの沈降分離が生じ易くなり、又
細菌の増殖抑制効果も落ち腐敗を招き易くなる。又、水
の比率が小さ過ぎると系の粘度が高くなり過ぎ水難溶性
ミネラルの分散が困難になる。これら多価アルコール又
は糖類の水溶液は加温時には粘度は低くなり、冷却する
と粘度が高くなる物性を有しており、水難溶性ミネラル
粒子の配合及び湿式粉砕時には適度に加温し、粉砕処理
を施した後は冷却して保存することにより本発明の目的
が効率的に達成される。
【0016】本発明において、HLB=8以上の乳化剤
としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂
肪酸エステルが挙げられ、これらの内の1種又は2種以
上の混合物として用いられる。
としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂
肪酸エステルが挙げられ、これらの内の1種又は2種以
上の混合物として用いられる。
【0017】ショ糖脂肪酸エステルとしては構成脂肪酸
がカプリル酸、オレイン酸、パルミチン酸、エルシン酸
等炭素数8ないし22の直鎖飽和又は不飽和脂肪酸の1
種または2種以上の混合物を主成分とし、エステルの組
成はモノエステル又は構成するエステル中のジエステル
含量が概ね40重量%以上のモノ・ジエステル混合物が
用いられる。ポリグリセロール脂肪酸エステルとしては
構成脂肪酸がカプリル酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、エルシン酸等炭素数8ないし22の直
鎖飽和又は不飽和脂肪酸の1種又は2種以上の混合物を
主成分とし、ポリグリセロールの種類は特には限定しな
いがトリグリセロール、ヘキサグリセロール、デカグリ
セロール等のポリグリセロールのモノエステル、ジエス
テルあるいはトリエステルの単独または混合物でHLB
=8以上のエステルが用いられる。
がカプリル酸、オレイン酸、パルミチン酸、エルシン酸
等炭素数8ないし22の直鎖飽和又は不飽和脂肪酸の1
種または2種以上の混合物を主成分とし、エステルの組
成はモノエステル又は構成するエステル中のジエステル
含量が概ね40重量%以上のモノ・ジエステル混合物が
用いられる。ポリグリセロール脂肪酸エステルとしては
構成脂肪酸がカプリル酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、エルシン酸等炭素数8ないし22の直
鎖飽和又は不飽和脂肪酸の1種又は2種以上の混合物を
主成分とし、ポリグリセロールの種類は特には限定しな
いがトリグリセロール、ヘキサグリセロール、デカグリ
セロール等のポリグリセロールのモノエステル、ジエス
テルあるいはトリエステルの単独または混合物でHLB
=8以上のエステルが用いられる。
【0018】これら親水性の乳化剤は本発明の水難溶性
ミネラルを液状食品等へ応用する場合の当該製品中への
分散を補助するものであるが、一方でこれらの親水性乳
化剤は高濃度水溶液中においてチクソトロピックな粘性
挙動を示し、本発明の水難溶性ミネラル組成物において
もその物性により系の粘性を強くし、結果として水難溶
性ミネラルの沈降分離の防止に寄与するものである。
ミネラルを液状食品等へ応用する場合の当該製品中への
分散を補助するものであるが、一方でこれらの親水性乳
化剤は高濃度水溶液中においてチクソトロピックな粘性
挙動を示し、本発明の水難溶性ミネラル組成物において
もその物性により系の粘性を強くし、結果として水難溶
性ミネラルの沈降分離の防止に寄与するものである。
【0019】これらの乳化剤の配合量は水難溶性ミネラ
ル組成物中0.1重量%以上7.5重量%以下、好まし
くは0.5重量%以上5.0重量%以下が適当である。
ル組成物中0.1重量%以上7.5重量%以下、好まし
くは0.5重量%以上5.0重量%以下が適当である。
【0020】上述のように、本発明の水難溶性ミネラル
組成物は、多価アルコール及び/又は糖類の1種又は2
種以上の混合物の水溶性にHLB=8以上の乳化剤の適
量を溶解混合し、適度に加温した後、これに水難溶ミネ
ラル粉末を懸濁し、湿式粉砕機により微粒子化処理して
冷却することによって達成される。これらの条件は組成
物の原料あるいは組成比率によって適宜選択することが
できる。
組成物は、多価アルコール及び/又は糖類の1種又は2
種以上の混合物の水溶性にHLB=8以上の乳化剤の適
量を溶解混合し、適度に加温した後、これに水難溶ミネ
ラル粉末を懸濁し、湿式粉砕機により微粒子化処理して
冷却することによって達成される。これらの条件は組成
物の原料あるいは組成比率によって適宜選択することが
できる。
【0021】また、組成物成分として、本発明の目的を
阻害しない範囲において、その他の乳化剤、有機酸、ア
ミノ酸、着色料、香料、調味料等のその他の成分を配合
することを否定するものではない。
阻害しない範囲において、その他の乳化剤、有機酸、ア
ミノ酸、着色料、香料、調味料等のその他の成分を配合
することを否定するものではない。
【0022】このようにして得られた本発明の水難溶性
組成物は、液状で水難溶性ミネラルの分散が長期間安定
に保たれ、且つ腐敗の問題もなく長時間の保存に耐えら
れるものであり、又、液状であることから食品への添加
・分散が容易且つ効率的であり、牛乳、加工乳、乳飲
料、果汁等の液状食品、米飯、プリン、ゼリー、ヨーグ
ルト、キャンデー等の製造・加工工程中で流動性を有す
る食品等加工食品を中心に幅広い応用が可能である。
組成物は、液状で水難溶性ミネラルの分散が長期間安定
に保たれ、且つ腐敗の問題もなく長時間の保存に耐えら
れるものであり、又、液状であることから食品への添加
・分散が容易且つ効率的であり、牛乳、加工乳、乳飲
料、果汁等の液状食品、米飯、プリン、ゼリー、ヨーグ
ルト、キャンデー等の製造・加工工程中で流動性を有す
る食品等加工食品を中心に幅広い応用が可能である。
【0023】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を説明するが、
本発明は本実施例に限定されるものではない。
本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0024】実施例1 70重量%ソリピトール水溶液65重量%とグリセロー
ル5重量%の混合液に、40重量%のショ糖パルミチン
酸モノエステル[三菱化学フーズ:リョート−エステル
P−1670]水溶液5重量%(ショ糖パルミチン酸モ
ノエステル2重量%:水道水3重量%相当)を加え50
℃に加温し、これに炭酸カルシウム粉末[白石カルシウ
ム:ポアカルN]25重量%を懸濁し、ダイノーミル
[WAB社]を使用して微粒子化処理を行ったのちガラ
ス瓶に採取、密栓し室温に冷却保存した。
ル5重量%の混合液に、40重量%のショ糖パルミチン
酸モノエステル[三菱化学フーズ:リョート−エステル
P−1670]水溶液5重量%(ショ糖パルミチン酸モ
ノエステル2重量%:水道水3重量%相当)を加え50
℃に加温し、これに炭酸カルシウム粉末[白石カルシウ
ム:ポアカルN]25重量%を懸濁し、ダイノーミル
[WAB社]を使用して微粒子化処理を行ったのちガラ
ス瓶に採取、密栓し室温に冷却保存した。
【0025】実施例2〜4 実施例1と同様にして表−1に示す配合の実施例組成物
を調製した。
を調製した。
【0026】比較例1〜2 実施例1と同様にして表−1に示す配合の比較例組成物
を調製した。
を調製した。
【0027】品質評価 室温に3ケ月静置し分離状態及び腐敗の状況を観察し
た。結果を表−2に示した。
た。結果を表−2に示した。
【0028】
【発明の効果】本発明により、保存・流通中の沈殿分離
が抑えられ、細菌による腐敗もなく長期間品質の安定な
液状の水難溶性ミネラル組成物が得られる。本発明品は
液状であり応用食品への添加及び分散が容易且つ効率的
である。
が抑えられ、細菌による腐敗もなく長期間品質の安定な
液状の水難溶性ミネラル組成物が得られる。本発明品は
液状であり応用食品への添加及び分散が容易且つ効率的
である。
Claims (3)
- 【請求項1】多価アルコール及び/又は糖類のいずれか
1種又は2種以上とHLB=8以上の乳化剤との水溶液
に水難溶性ミネラルを分散したことを特徴とする水難溶
性ミネラル組成物。 - 【請求項2】HLB=8以上の乳化剤がショ糖脂肪酸エ
ステル及びポリグリセロール脂肪酸エステルの内から選
ばれた1種又は2種以上の混合物であることを特徴とす
る請求項1記載の水難溶性ミネラル組成物。 - 【請求項3】水難溶性のミネラルが水難溶性カルシウ
ム、水難溶性マグネシウム又は水難溶性鉄のいずれか1
種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項
1又は2記載の水難溶性ミネラル組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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