JP2001204443A - カルシウム強化飲料用分散剤 - Google Patents

カルシウム強化飲料用分散剤

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JP2001204443A
JP2001204443A JP2000018500A JP2000018500A JP2001204443A JP 2001204443 A JP2001204443 A JP 2001204443A JP 2000018500 A JP2000018500 A JP 2000018500A JP 2000018500 A JP2000018500 A JP 2000018500A JP 2001204443 A JP2001204443 A JP 2001204443A
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dispersant
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Yasutaka Muratsubaki
康隆 村椿
Keisuke Kusui
啓介 楠井
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルシウムを容易に分散させることができ、
良好な分散状態を長時間持続させることの出来るカルシ
ウム強化飲料用分散剤を提供する。 【解決手段】 (B)植物蛋白分解物、及び(C)リン
酸塩類を有効成分として含有し、好ましくは、(B)成
分及び(C)成分の配合割合が、重量比で、(B):
(C)=1:9〜9:1であるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシウム強化飲
料用分散剤(以下、単に「分散剤」ともいう。)に関し、
詳しくは、例えば、牛乳などの飲料にカルシウムをさら
に添加してカルシウム強化飲料(カルシウムが強化(増
量)された飲料)を製造するに際し、液中でのカルシウ
ムの分散安定性を良好にせしめる分散剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、カ
ルシウム摂取量不足が高齢者の骨粗鬆症の増加や若年者
の骨折多発化などの原因として問題視されており、この
カルシウムの摂取量不足を解消するために、カルシウム
強化食品が販売されるようになった。
【0003】例えば、牛乳に添加するカルシウム強化剤
としては、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなど
の水溶性の有機酸カルシウムや、炭酸カルシウム、リン
酸カルシウムなどの水不溶性カルシウムがあるが、カル
シウム強化度や、牛乳中のタンパク質の安定性から、炭
酸カルシウムのような水不溶性のカルシウムを用いるほ
うが良いとされ、応用例も増えている。
【0004】しかしながら、炭酸カルシウムは比重が高
いため、液中、短時間で沈殿し、すなわち懸濁安定性に
問題があり、飲料にカルシウムを添加した後安定状態を
保持することが困難であるという問題があった。
【0005】この問題を解決する方法として、(1)シ
ョ糖脂肪酸エステルなどのHLBが10以上の親水性乳
化剤を添加する方法(特開平5−319817号公
報)、(2)スラリー状炭酸カルシウムにショ糖脂肪酸
エステルを添加粉砕し、特定の粒径、幾何標準偏差を持
つスラリーとする方法(特開平7−111879号公
報)などが提案されている。
【0006】しかし、上記(1)の方法の場合、ある程
度の効果は得られるが、炭酸カルシウムの水懸濁液の分
散改良に多大な分散時間並びに分散経費を要し、実用
上、工業生産上において有利な方法とは言えない。
(2)の方法においては、充分な長期分散安定効果が得
られず、特に低添加領域においてはこれが顕著であり、
更なる改良が望まれていた。
【0007】[発明の目的]本発明は上記の実情に鑑み
てなされたものであり、その目的は、カルシウムを容易
に分散させることができ、良好な分散状態を長時間持続
させ得る分散剤を提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のカルシ
ウム強化飲料用分散剤は、上記の課題を解決するため
に、(B)植物蛋白分解物、及び(C)リン酸塩類を有
効成分として含有するものとする。
【0009】ここで(B)成分及び(C)成分の配合割
合は、重量比で、(B):(C)=1:9〜9:1であ
ることが好ましい(請求項2)。
【0010】また、請求項3のカルシウム強化飲料用分
散剤は、(A)モノエステル含量が50%以上のショ糖
脂肪酸エステル、HLBが4以上のソルビタン脂肪酸エ
ステル、及びHLBが5以上で平均重合度が3以上のポ
リグリセリン脂肪酸からなる群から選択された1種又は
2種以上、(B)植物蛋白分解物、及び(C)リン酸塩
類を有効成分として含有するものとする。
【0011】ここで、(A)成分、(B)成分及び
(C)成分の配合割合は、重量比で、(A):(B)=
1:9〜9:1であり、かつ((A)+(B)):
(C)=1:9〜9:1であることが好ましい(請求項
4)。
【0012】
【発明の実施の形態】[カルシウム強化飲料]本発明で
いう「カルシウム強化飲料」には、牛乳、ヨーグルト等
のもともとカルシウムを含有している飲料に対して有機
酸カルシウムまたは無機塩形態のカルシウムをさらに添
加したもののほか、本来カルシウムを全く含まないか、
あるいは含んでもごく僅かな飲料(清涼飲料、果実飲料
など)に対してカルシウムを添加したものも含まれる。
【0013】カルシウム源としては炭酸カルシウムが代
表的であるので、以下では、この炭酸カルシウムを用い
るものとして説明するが、これに限定されるものではな
く、炭酸カルシウム以外では、例えばリン酸カルシウム
が使用可能である。
【0014】本発明において添加されるスラリー状炭酸
カルシウムを得る方法としては、例えば、消石灰水懸濁
液に炭酸ガスを導通して得る方法、卵殻または珊瑚もし
くは貝殻を洗浄精製した後、焼成またはそのまま湿式粉
砕によりスラリー状とする方法などが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0015】[ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステル(A)]
ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及び
ポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸は、好ま
しくは炭素数16から22の飽和または不飽和脂肪酸で
あり、その具体例としては、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、ドコサン酸などの飽和脂肪酸、オレ
イン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ酸、アラキ
ドン酸などの不飽和脂肪酸などが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0016】これらの脂肪酸を構成成分とするショ糖脂
肪酸エステルは、スラリー状炭酸カルシウムの水系への
分散を効果的に行い得ることから、HLB11(モノエ
ステル含量50%)以上の親水性乳化剤として使用し得
るものである。HLBが11未満の場合、分散安定性が
低下するという問題が生じる。
【0017】また、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリ
グリセリン脂肪酸エステルも同様の働きをし、好適に使
用できるものとしては、ソルビタン脂肪酸エステルで
は、HLB4以上のものが挙げられ、ポリグリセリン脂
肪酸エステルでは、平均重合度が3以上でHLB5以上
のものが挙げられる。
【0018】[植物蛋白分解物(B)]小麦などに含ま
れる蛋白は、加水分解方法により親水性の高いポリペプ
チドやアミノ酸に分解される。また、分解方法の違いに
よって切断される箇所の異なる分子が生成する。また、
異なる分解方法を組み合わせることで、その特徴を変化
させることも可能となる。
【0019】ここでいう蛋白分解物とは、蛋白が本来持
つ特徴を高めたり、新たな特徴を付加させる目的で上記
のような分解処理をしたものである。
【0020】植物蛋白分解物(B)の例としては、グル
テンなど穀物由来の粘質タンパク質の分解物が挙げら
れ、より具体的には大豆蛋白分解物、小麦蛋白分解物、
米蛋白分解物、トウモロコシ蛋白分解物、大麦蛋白分解
物などが挙げられ、中でも大豆蛋白分解物及び小麦蛋白
分解物が好適に用いられる。
【0021】[リン酸塩類(C)]リン酸塩類とは、リ
ン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン
酸水素二カリウム、リン酸二水素カリウム等の正リン酸
塩、ピロリン酸二水素ナトリウム、ポリリン酸ナトリウ
ム、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸四カリウム、ポ
リリン酸カリウム、メタリン酸カリウム等の重合リン酸
塩であり、一般加工食品の添加剤として用いられている
ものが使用可能である。
【0022】[配合割合]上記(A)〜(C)成分の配
合割合は、分散剤が(A)成分を含まない場合は、好ま
しくは、重量比で、(B):(C)=1:9〜9:1と
する。
【0023】(A)、(B)、(C)の三成分を含む場
合は、重量比で(A):(B)=1:9〜9:1であ
り、かつ((A)+(B)):(C)=9:1〜1:9
であることが好ましい。
【0024】なお、分散液中の(A)成分の濃度が高す
ぎると、粒径が大きくなったり、系の粘度が大きくなる
という問題が生じる可能性があり、好ましくない。これ
は、カルシウムの分散に関与しない(A)成分によって
ミセルが形成されるためと考えられる。
【0025】また、(C)リン酸塩類の添加量は、分散
液に対するリン酸塩類の重量比が0.001%以上とな
るよう調整するのが好ましい。0.001%未満である
と、リン酸塩類添加の効果が認められにくい。
【0026】[分散剤の調製等]本発明の分散剤は、上
記(A)〜(C)成分、又は(B)及び(C)成分を配
合した後、均一に混合することにより得られる。さら
に、この分散剤を水道水に添加し、70℃で加熱溶解さ
せた後、25℃まで冷却して分散剤水溶液を調製し、つ
ぎに、スラリー状炭酸カルシウムに添加し、ホモジナイ
ザー等の分散装置で分散させることにより炭酸カルシウ
ム分散スラリーを得ることが出来る。
【0027】本発明の分散剤が添加された炭酸カルシウ
ム分散スラリーにおける各成分の割合(重量%)は、C
aCO:分散剤:水=1〜40%:0.1〜10%:
50〜98.9%(但し、合計で100%)であること
が好ましく、3〜20%:1〜5%:75〜96%であ
ることがさらに好ましい。
【0028】炭酸カルシウムに対する分散剤の添加量
は、固形分重量比で分散剤/炭酸カルシウム=0.05
〜6の範囲内になるよう選択するのが望ましい。0.0
5未満の場合、分散安定性が低下するという問題が生じ
る可能性があり、6を超える場合、分散剤特有の味やに
おいが著しくなるという問題が生じる可能性がある。
【0029】本発明の分散剤は、スラリー状炭酸カルシ
ウムと、混合攪拌槽、ラインミキサーなどによって混合
することができる。そして、上記混合物を粉砕して、炭
酸カルシウム粒子の平均粒径が1.0μm以下のスラリ
ーを調製する。平均粒径が1.0μmを超えれば、分散
安定性が低下するという問題が生じる可能性がある。な
お、粉砕は、ロールミル、ボールミル、コボールミル、
ビーズミルなどの公知の粉砕機を使用して行うことがで
きる。
【0030】上記のようにして調製したスラリーを飲料
または水に添加して、これらを分散する。スラリーを添
加する飲料の例としては、前述したように、牛乳、加工
乳、還元乳、乳飲料の他、清涼飲料、果実飲料などを挙
げることができる。
【0031】分散は公知のいかなる技術を行っても良い
が、通常用いられる攪拌混合槽を用いて飲料に分散する
ことも可能である。
【0032】スラリー添加量は、飲料100g当りのカ
ルシウム増加量が100〜500mgとなるように選択
することが望ましい。カルシウム強化飲料中の分散剤の
含有量は、通常0.00005〜2wt%であり、好ま
しくは0.0001〜1wt%である。0.00005
wt%未満の場合、分散安定性が低下するという問題が
生じる可能性があり、2wt%を超える場合、分散剤特
有のにおいを感じ、また経済的不利を招くという問題が
生じる可能性がある。
【0033】上記のようにして得られたカルシウム強化
飲料は、クラリファイヤーなどを用いて異物の除去を行
ったり、高温・高圧化にて殺菌処理を行っても良い。
【0034】なお、分散スラリー粘度を抑制するため、
コハク酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、レ
シチンなどのイオン性の乳化剤を併用したり、モノグリ
セリドなどの乳化剤を併用することもできる。
【0035】以下、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではな
い。
【0036】
【実施例】[実施例1]HLB15(モノエステル含量
70%)のショ糖脂肪酸エステル(以下、単に「SE」
と記す場合がある)、小麦蛋白分解物、ヘキサメタリン
酸ナトリウムを、SE:小麦蛋白分解物:ヘキサメタリ
ン酸ナトリウム=17:50:33(重量比)で配合し
て均一に混合し、本発明のカルシウム強化飲料用分散剤
を調製した。
【0037】この分散剤を水道水に加え、室温分散後7
0℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃まで冷却
し、分散剤水溶液を調製した。
【0038】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=15.0%/
3.0%に調整した後、超音波ホモジナイザー(日本精
機(株)製、US−600T、最大出力600W)を用い
て分散処理を行った。
【0039】[実施例2]HLB15(モノエステル含
量70%)のショ糖脂肪酸エステル、小麦蛋白分解物、
テトラポリリン酸ナトリウムを、SE:小麦蛋白分解
物:テトラポリリン酸ナトリウム=30:30:40
(重量比)で配合して均一に混合し、本発明のカルシウ
ム強化飲料用分散剤を調製した。
【0040】この分散剤を水道水に加え、室温分散後7
0℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃まで冷却
し、分散剤水溶液を調製した。
【0041】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=12.0%/
2.5%に調整した後、TKホモミキサー(10000
rpm×10分)を用いて分散処理を行った。
【0042】[実施例3]HLB15(モノエステル含
量70%)のショ糖脂肪酸エステル、大豆蛋白分解物、
ヘキサメタリン酸ナトリウムを、SE:大豆蛋白分解
物:ヘキサメタリン酸ナトリウム=17:50:33
(重量比)で配合して均一に混合し、本発明のカルシウ
ム強化飲料用分散剤を調製した。
【0043】この分散剤を水道水に加え、室温分散後7
0℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃まで冷却
し、分散剤水溶液を調製した。
【0044】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=10.0%/
2.0%に調整した後、圧力式ホモジナイザー(25M
Pa/5MPa)を用いて分散処理を行った。
【0045】[実施例4]HLB15(モノエステル含
量70%)のショ糖脂肪酸エステル、大豆蛋白分解物、
ピロリン酸ナトリウムを、SE:大豆蛋白分解物:ピロ
リン酸ナトリウム=33.3:33.3:33.3(重
量比)で配合して均一に混合し、本発明のカルシウム強
化飲料用分散剤を調製した。
【0046】この分散剤を水道水に加え、室温分散後7
0℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃まで冷却
し、分散剤水溶液を調製した。
【0047】平均粒径が5.0μmのスラリー状炭酸カ
ルシウムに上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭酸カル
シウム固形分濃度/分散剤濃度=14.0%/2.5%
に調整した後、ボールミルを用いて0.01μmまで粉
砕を行った。
【0048】[実施例5]小麦蛋白分解物、ヘキサメタ
リン酸ナトリウムを、小麦蛋白分解物:ヘキサメタリン
酸ナトリウム=50:50(重量比)で配合して均一に
混合し、本発明のカルシウム強化飲料用分散剤を調製し
た。
【0049】この分散剤を水道水に加え、室温分散後7
0℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃まで冷却
し、分散剤水溶液を調製した。
【0050】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=15.0%/
3.0%に調整した後、超音波ホモジナイザー(日本精
機(株)製、US−600T、最大出力600W)を用い
て分散処理を行った。
【0051】[実施例6]HLB7のソルビタン脂肪酸
エステル(以下、単に「SoE」と記す場合がある)、
小麦蛋白分解物、ヘキサメタリン酸ナトリウムを、So
E:小麦蛋白分解物:ヘキサメタリン酸ナトリウム=1
7:50:33(重量比)で配合して均一に混合し、本
発明のカルシウム強化飲料用分散剤を調製した。
【0052】この分散剤を水道水に加え、室温分散後7
0℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃まで冷却
し、分散剤水溶液を調製した。
【0053】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=15.0%/
3.0%に調整した後、超音波ホモジナイザー(日本精
機(株)製、US−600T、最大出力600W)を用い
て分散処理を行った。
【0054】[実施例7]HLB7のポリグリセリン脂
肪酸エステル(以下、単に「PolyGE」と記す場合
がある)、小麦蛋白分解物、ヘキサメタリン酸ナトリウ
ムを、PolyGE:小麦蛋白分解物:ヘキサメタリン
酸ナトリウム=17:50:33(重量比)で配合して
均一に混合し、本発明のカルシウム強化飲料用分散剤を
調製した。
【0055】この分散剤を水道水に加え、室温分散後7
0℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃まで冷却
し、分散剤水溶液を調製した。
【0056】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=12.0%/
2.5%に調整した後、TKホモミキサー(10000
rpm×10分)を用いて分散処理を行った。
【0057】[実施例8]HLB15(モノエステル含
量70%)のショ糖脂肪酸エステル、小麦蛋白分解物、
メタリン酸カリウムを、SE:小麦蛋白分解物:メタリ
ン酸カリウム=33.3:33.3:33.3(重量
比)で配合して均一に混合し、本発明のカルシウム強化
飲料用分散剤を調製した。
【0058】この分散剤を水道水に加え、室温分散後7
0℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃まで冷却
し、分散剤水溶液を調製した。
【0059】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=12.0%/
2.5%に調整した後、TKホモミキサー(10000
rpm×10分)を用いて分散処理を行った。
【0060】[比較例1]HLB15(モノエステル含
量70%)のSEと小麦蛋白分解物とを、SE:小麦蛋
白分解物=50:50(重量比)で配合して均一に混合
し、カルシウム強化飲料用分散剤を調製した。
【0061】この分散剤を水道水に加え、室温分散後7
0℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃まで冷却
し、分散剤水溶液を調製した。
【0062】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=15.0%/
2.5%に調整した後、超音波ホモジナイザー(日本精
機(株)製、US−600T、最大出力600W)を用い
て分散処理を行った。
【0063】[比較例2]HLB6(モノエステル含量
35%)のSEと、小麦蛋白分解物、ヘキサメタリン酸
ナトリウムとを、SE:小麦蛋白分解物:ヘキサメタリ
ン酸ナトリウム=17:50:33(重量比)で配合し
て均一に混合し、カルシウム強化飲料用分散剤を調製し
た。
【0064】さらにこの分散剤を水道水に加え、室温分
散後70℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃ま
で冷却し、分散剤水溶液を調製した。
【0065】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=14.0%/
3.0%に調整した後、TKホモミキサー(10000
rpm×10分)を用いて分散処理を行った。
【0066】[比較例3]ヘキサメタリン酸ナトリウム
を水道水に加え、室温分散後70℃まで加熱攪拌し、完
全溶解させた後25℃まで冷却し、分散剤水溶液を調製
した。
【0067】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=14.0%/
1.0%に調整した後、TKホモミキサー(10000
rpm×10分)を用いて分散処理を行った。
【0068】上記した実施例1〜8、及び比較例1〜3
の分散剤配合、炭酸カルシウム濃度/分散剤濃度、及び
処理方法(分散方法)を表1にまとめて示す。
【0069】
【表1】
【0070】実施例1〜8、及び比較例1〜3で調製し
た炭酸カルシウム分散スラリーを5℃で保存し、4日
後、1週間後、2週間後の分離状況を観察するととも
に、粒度分布を測定した。粒度分布は、島津製作所製レ
ーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2000を用
い、吸光度が0.050±0.003になる様に分散液
を希釈し、測定を行った。結果を表2、表3にそれぞれ
示す。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】本発明のカルシウム強化飲料用分散剤に
よれば、炭酸カルシウムのような水不溶性カルシウムを
水や種々の飲料に容易に分散させることができ、しかも
良好な分散状態を長時間持続させることが出来る。従っ
て、カルシウム強化度が大きく、品質安定性の高いカル
シウム強化飲料を安価で提供することが可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(B)植物蛋白分解物、及び(C)リン酸
    塩類を有効成分として含有するカルシウム強化飲料用分
    散剤。
  2. 【請求項2】前記(B)成分及び(C)成分の配合割合
    が、重量比で、(B):(C)=1:9〜9:1であ
    る、請求項1に記載のカルシウム強化飲料用分散剤。
  3. 【請求項3】(A)モノエステル含量が50%以上のシ
    ョ糖脂肪酸エステル、HLBが4以上のソルビタン脂肪
    酸エステル、及びHLBが5以上で平均重合度が3以上
    のポリグリセリン脂肪酸からなる群から選択された1種
    又は2種以上、(B)植物蛋白分解物、及び(C)リン
    酸塩類を有効成分として含有するカルシウム強化飲料用
    分散剤。
  4. 【請求項4】前記(A)成分、(B)成分及び(C)成
    分の配合割合が、重量比で、(A):(B)=1:9〜
    9:1であり、かつ((A)+(B)):(C)=1:
    9〜9:1である、請求項3に記載のカルシウム強化飲
    料用分散剤。
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JP2005295875A (ja) * 2004-04-09 2005-10-27 Calpis Co Ltd ペプチド含有飲料
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