JP2002223737A - カルシウム強化飲料用分散剤、及びカルシウム含有粉末 - Google Patents

カルシウム強化飲料用分散剤、及びカルシウム含有粉末

Info

Publication number
JP2002223737A
JP2002223737A JP2001027445A JP2001027445A JP2002223737A JP 2002223737 A JP2002223737 A JP 2002223737A JP 2001027445 A JP2001027445 A JP 2001027445A JP 2001027445 A JP2001027445 A JP 2001027445A JP 2002223737 A JP2002223737 A JP 2002223737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium
dispersant
slurry
fatty acid
calcium carbonate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001027445A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutaka Muratsubaki
康隆 村椿
Keisuke Kusui
啓介 楠井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd filed Critical Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
Priority to JP2001027445A priority Critical patent/JP2002223737A/ja
Publication of JP2002223737A publication Critical patent/JP2002223737A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルシウム、水及び分散剤からなるスラリー
の分散状態を長期間持続させることができるカルシウム
強化飲料用分散剤を提供する。 【解決手段】 (A)カゼインナトリウム、大豆多糖類
及びデンプンからなる群から選択された1種以上を有効
成分として含有する。また、該(A)成分とともに、
(B)モノエステル含量が50%以上のショ糖脂肪酸エ
ステル、HLB5以上もしくは平均重合度3以上のポリ
グリセリン脂肪酸エステル、及びアラビアガムからなる
群から選択された1種以上を有効成分として含有しても
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルシウム強化飲
料用分散剤(以下、単に「分散剤」ともいう。)に関し、
詳しくは、例えば、牛乳などの飲料にカルシウムをさら
に添加してカルシウム強化飲料(カルシウムが強化(増
量)された飲料)を製造するに際し、液中でのカルシウ
ムの分散安定性を良好にせしめる分散剤に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、カ
ルシウム摂取量不足が高齢者の骨粗鬆症の増加や若年者
の骨折多発化などの原因として問題視されており、この
カルシウムの摂取量不足を解消するために、カルシウム
強化食品が販売されるようになった。
【0003】例えば、牛乳に添加するカルシウム強化剤
としては、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウムなど
の水溶性の有機酸カルシウムや、炭酸カルシウム、リン
酸カルシウムなどの水不溶性カルシウムがあるが、カル
シウム強化度や、牛乳中のタンパク質の安定性から、炭
酸カルシウムのような水不溶性のカルシウムを用いるほ
うが良いとされ、応用例も増えている。
【0004】しかしながら、炭酸カルシウムは比重が高
いため、液中、短時間で沈殿し、すなわち懸濁安定性に
問題があり、飲料にカルシウムを添加した後安定状態を
保持することが困難であるという問題があった。
【0005】この問題を解決する方法として、特開平5
−319817号公報には、ショ糖脂肪酸エステルなど
のHLBが10以上の親水性乳化剤を添加する方法が提
案されている。また、特開平7−111879号公報に
は、スラリー状炭酸カルシウムにショ糖脂肪酸エステル
を添加粉砕し、特定の粒径、幾何標準偏差を持つスラリ
ーとする方法が提案されている。
【0006】しかしながら、このように分散剤としてシ
ョ糖脂肪酸エステルを単独で使用する方法では、カルシ
ウム、水及び分散剤からなるカルシウム分散スラリーの
分散状態を長期間安定して持続させる効果が十分でない
ため、更なる改良が望まれている。
【0007】[発明の目的]本発明は上記の実情に鑑み
てなされたものであり、その目的は、カルシウム分散ス
ラリーの分散状態を長期間持続させることができる分散
剤を提供するところにある。
【0008】本発明は、また、かかるカルシウム分散ス
ラリーを乾燥粉末化して得られる保存性、輸送性に優れ
るカルシウム含有粉末を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する本
発明のカルシウム強化飲料用分散剤は、(A)カゼイン
ナトリウム、大豆多糖類及びデンプンからなる群から選
択された1種以上を有効成分として含有するものであ
る。
【0010】本発明の分散剤は、上記(A)成分ととも
に、(B)モノエステル含量が50%以上のショ糖脂肪
酸エステル、HLB5以上もしくは平均重合度3以上の
ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びアラビアガムから
なる群から選択された1種以上を有効成分として含有し
てもよい。
【0011】本発明のカルシウム含有粉末は、上記本発
明の分散剤、カルシウム及び水を含有してなるカルシウ
ム分散スラリーを乾燥粉末化して得られるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】[カルシウム強化飲料]本発明で
いう「カルシウム強化飲料」には、牛乳、ヨーグルト等
のもともとカルシウムを含有している飲料に対して有機
酸カルシウムまたは無機塩形態のカルシウムをさらに添
加したもののほか、本来カルシウムを全く含まないか、
あるいは含んでもごく僅かな飲料(清涼飲料、果実飲料
など)に対してカルシウムを添加したものも含まれる。
【0013】カルシウム源としては炭酸カルシウムが代
表的であるので、以下では、この炭酸カルシウムを用い
るものとして説明するが、これに限定されるものではな
く、炭酸カルシウム以外では、例えばリン酸カルシウム
が使用可能である。
【0014】本発明において添加されるスラリー状炭酸
カルシウムを得る方法としては、例えば、消石灰水懸濁
液に炭酸ガスを導通して得る方法、卵殻または珊瑚もし
くは貝殻を洗浄精製した後、焼成またはそのまま湿式粉
砕によりスラリー状とする方法などが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0015】[カゼインナトリウム、大豆多糖類及びデ
ンプン(A)]カゼインナトリウムは、乳や豆類に存在
するタンパク質であるカゼインのナトリウム塩であり、
これを分散剤として使用することにより、カルシウム分
散スラリーの低粘度化、平均粒子径の微細化が図られ、
スラリーの長期分散安定効果を高めることができる。カ
ゼインナトリウムは、カゼインナトリウムとして添加す
るだけでなく、系中でカゼインナトリウムを生じるよう
に、例えばカゼインと水酸化ナトリウム等のアルカリと
を混合して調製したものも含まれる。
【0016】大豆多糖類は、大豆より抽出、精製された
水溶性多糖類であり、主な構成糖にガラクトース、アラ
ビノース、ガラクツロン酸を持つものである。大豆多糖
類は、カゼインナトリウムと同様、カルシウム分散スラ
リーの粘度を低くし、平均粒子径を微細にするといった
スラリーの長期分散安定効果を高めることができる。
【0017】デンプンも、カゼインナトリウムと同様
に、カルシウム分散スラリーの粘度を低くし、平均粒子
径を微細にするといったスラリーの長期分散安定効果を
高めることができる。デンプンとしては、食用に供され
ているもの、あるいは食品添加物として認められている
ものが挙げられる。具体的には、小麦、トウモロコシ、
ワキシーコーン、ジャガイモ、タピオカなどを原料にし
た天然デンプンの他、α−デンプン、湿熱処理デンプ
ン、デンプンエステルなど、物理的または化学的に性質
を改変した加工デンプンが挙げられる。
【0018】[ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、アラビアガム(B)]ショ糖脂肪酸エ
ステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルにおける脂肪
酸は、好ましくは炭素数16から22の飽和または不飽
和脂肪酸であり、その具体例としては、パルミチン酸、
ステアリン酸、アラキジン酸、ドコサン酸などの飽和脂
肪酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、エルカ
酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0019】これらの脂肪酸を構成成分とするショ糖脂
肪酸エステルは、スラリー状炭酸カルシウムの水系への
分散を効果的に行うための親水性乳化剤として使用する
ものであり、HLB11(モノエステル含量50%)以
上のものが用いられる。
【0020】また、ポリグリセリン脂肪酸エステルも同
様の働きをし、HLBが5以上もしくは平均重合度が3
以上のものが用いられる。
【0021】アラビアガムは、アラビノース、ガラクト
ース、ラムノース、グルクロン酸等を主成分とするガム
であり、上記(A)成分と併用することにより、カルシ
ウム分散スラリーの低粘度化、平均粒子径の微細化とい
ったスラリーの長期分散安定効果を高めることができ
る。
【0022】[配合割合]本発明の分散剤において、
(A)成分と(B)成分の配合割合は、重量比で
(A):(B)=0.1:9.9〜10:0であること
が好適である。なお、(B)成分を併用する効果が現れ
るのは、(B)成分の重量比が0.1以上からである
(つまり、(A):(B)=0.1:9.9〜9.9:
0.1の範囲においてである)。
【0023】[分散剤の調製等]本発明の分散剤は、上
記(A)成分単独、又は、(A)成分と(B)成分を配
合した後、均一に混合することにより得られる。さら
に、この分散剤を水道水に添加し、70℃で加熱溶解さ
せた後、25℃まで冷却して分散剤水溶液を調製し、つ
ぎに、スラリー状炭酸カルシウムに添加し、ホモジナイ
ザー等の分散装置で分散させることにより炭酸カルシウ
ム分散スラリーを得ることが出来る。
【0024】本発明の分散剤が添加された炭酸カルシウ
ム分散スラリーにおける各成分の割合(重量%)は、C
aCO:分散剤:水=1〜50%:0.01〜10
%:40〜98.99%(但し、合計で100%)であ
ることが好ましく、3〜20%:0.02〜5%:75
〜96.98%であることがさらに好ましい。
【0025】炭酸カルシウムに対する分散剤の添加量
は、固形分重量比で分散剤/炭酸カルシウム=0.01
〜6の範囲内になるよう選択するのが望ましい。0.0
1未満の場合、分散安定性が低下するという問題が生じ
る可能性があり、6を超える場合、分散剤特有の味やに
おいが著しくなるという問題が生じる可能性がある。
【0026】本発明の分散剤は、混合攪拌槽、ラインミ
キサーなどによって、スラリー状炭酸カルシウムと混合
することができる。そして、この混合物を粉砕して、炭
酸カルシウム粒子の平均粒径が1.0μm以下のスラリ
ーを調製する。平均粒径が1.0μmを超えれば、分散
安定性が低下するという問題が生じる可能性がある。な
お、粉砕は、ロールミル、ボールミル、コボールミル、
ビーズミルなどの公知の粉砕機を使用して行うことがで
きる。
【0027】このようにして得られたカルシウム分散ス
ラリーを乾燥粉末化してカルシウム含有粉末を調製して
もよい。カルシウム分散スラリーを乾燥粉末化すること
により、長期保存時のスラリー腐敗を回避できるだけで
なく、各方面の使用先に輸送する際の充填容器費、冷蔵
設備費、冷蔵費、輸送費などの流通コストを減少させる
ことができる。
【0028】カルシウム分散スラリーの乾燥に用いられ
る乾燥機については特に制限はなく、公知の方法が使用
できるが、各種添加剤の変質等の悪影響を与えないよう
に極めて短時間に乾燥できるものが望ましい。この観点
から乾燥機としては、スプレードライヤー、スラリード
ライヤーなどの液滴噴霧型乾燥機を用いるのが望まし
く、凍結乾燥などの手法を用いることもできる。
【0029】カルシウム分散スラリーの粉末化にあたっ
ては、糖類化合物などの皮膜形成剤を併用することもで
きる。皮膜形成剤としては、果糖、ブドウ糖などの単糖
類、ショ糖、乳糖などの二糖類、デキストリンなどの多
糖類、及び、ソルビットなどの糖アルコールなどが挙げ
られる。これらは、1種類を単独で用いてもよいし、2
種以上混合してもよい。
【0030】上記のようにして調製したカルシウム分散
スラリーやカルシウム含有粉末は、飲料または水に添加
して分散させることにより、カルシウム強化飲料とする
ことができる。このカルシウム分散スラリーは水中にお
ける分散性が極めて良好であり、また、カルシウム含有
粉末も水中における再分散性が極めて良好である。従っ
て、両者とも、特殊な分散機や攪拌機などを用いずと
も、通常用いられる攪拌混合槽を用いて、容易に飲料ま
たは水中に分散させることができる。
【0031】カルシウム分散スラリーやカルシウム含有
粉末を添加する飲料の例としては、前述したように、牛
乳、加工乳、還元乳、乳飲料の他、清涼飲料、果実飲料
などを挙げることができる。
【0032】スラリー添加量は、飲料100g当りのカ
ルシウム増加量が100〜500mgとなるように選択
することが望ましい。カルシウム強化飲料中の分散剤の
含有量は、通常0.00002〜2重量%であり、好ま
しくは0.00005〜1重量%である。0.0000
2重量%未満の場合、分散安定性が低下するという問題
が生じる可能性があり、2重量%を超える場合、分散剤
特有のにおいを感じ、また経済的不利を招くという問題
が生じる可能性がある。
【0033】上記のようにして得られたカルシウム強化
飲料は、クラリファイヤーなどを用いて異物の除去を行
ったり、高温・高圧化にて殺菌処理を行っても良い。
【0034】なお、分散スラリー粘度を抑制するため、
コハク酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセリド、レ
シチンなどのイオン性の乳化剤を併用したり、モノグリ
セリド、ソルビタン脂肪酸エステルなどの乳化剤を併用
することもできる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではな
い。
【0036】[実施例1]カルシウム強化飲料用分散剤
としてカゼインナトリウムを用い、これを水道水に加
え、室温分散後、70℃まで加熱攪拌し、完全溶解させ
た後25℃まで冷却し、分散剤水溶液を調製した。
【0037】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=14.0%/
2.0%に調整した後、超音波ホモジナイザー(日本精
機(株)製、US−600T、最大出力600W)を用い
て分散処理を行った。
【0038】[実施例2]カルシウム強化飲料用分散剤
としてデンプン(ワキシースターチ)を用い、これを水
道水に加え、室温分散後、70℃まで加熱攪拌し、完全
溶解させた後25℃まで冷却し、分散剤水溶液を調製し
た。
【0039】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=14.0%/
2.0%に調整した後、圧力式ホモジナイザー(25M
Pa/5MPa)を用いて分散処理を行った。
【0040】[実施例3]カゼインナトリウムと大豆多
糖類とHLB15(モノエステル含量70%)のショ糖
脂肪酸エステル(以下、単に「SE」と記す場合があ
る)を、カゼインナトリウム:大豆多糖類:SE=3
3:12:55(重量比)で配合して均一に混合し、カ
ルシウム強化飲料用分散剤を調製した。この分散剤を水
道水に加え、室温分散後、70℃まで加熱攪拌し、完全
溶解させた後25℃まで冷却し、分散剤水溶液を調製し
た。
【0041】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=10.0%/
1.5%に調整した後、TKホモミキサー(10000
rpm×10分)を用いて分散処理を行った。
【0042】[実施例4]デンプン(ワキシースター
チ)とアラビアガムを、デンプン:アラビアガム=5
0:50(重量比)で配合して均一に混合し、カルシウ
ム強化飲料用分散剤を調製した。この分散剤を水道水に
加え、室温分散後、70℃まで加熱攪拌し、完全溶解さ
せた後25℃まで冷却し、分散剤水溶液を調製した。
【0043】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=14.0%/
1.3%に調整した後、ビーズミル(AIMEX社製横
型連続式レディーミル(ビーズφ0.5mm、充填率8
5%、回転数2500rpm、10パス)を用いて分散
処理を行った。
【0044】[実施例5]カルシウム強化飲料用分散剤
として大豆多糖類を用い、これを水道水に加え、室温分
散後、70℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃
まで冷却し、分散剤水溶液を調製した。
【0045】平均粒径が0.3μmのスラリー状炭酸カ
ルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭酸カ
ルシウム固形分濃度/分散剤濃度=12.0%/0.6
%に調整した後、超音波ホモジナイザー(日本精機(株)
製、US−600T、最大出力600W)を用いて分散
処理した。
【0046】[実施例6]デンプン(ワキシースター
チ)とHLB13で平均重合度5のポリグリセリン脂肪
酸エステルを、デンプン:ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル=75:25(重量比)で配合して均一に混合し、カ
ルシウム強化飲料用分散剤を調製した。この分散剤を水
道水に加え、室温分散後、70℃まで加熱攪拌し、完全
溶解させた後25℃まで冷却し、分散剤水溶液を調製し
た。
【0047】平均粒径が0.3μmのスラリー状炭酸カ
ルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭酸カ
ルシウム固形分濃度/分散剤濃度=10.0%/2.5
%に調整した後、超音波ホモジナイザー(日本精機(株)
製、US−600T、最大出力600W)を用いて分散
処理した。
【0048】[実施例7]カルシウム強化飲料用分散剤
としてカゼインナトリウムを用い、これを水道水に加
え、室温分散後、70℃まで加熱攪拌し、完全溶解させ
た後25℃まで冷却し、分散剤水溶液を調製した。
【0049】この分散剤水溶液に平均粒径が0.3μm
以下の炭酸カルシウムを添加し、炭酸カルシウム固形分
濃度/分散剤濃度=50.0%/1.0%に調整した
後、超音波ホモジナイザー(日本精機(株)製、US−6
00T、最大出力600W)を用いて分散処理を行っ
た。
【0050】[比較例1]カルシウム強化飲料用分散剤
としてHLB15(モノエステル含量70%)のショ糖
脂肪酸エステルを用い、これを水道水に加え、室温分散
後、70℃まで加熱攪拌し、完全溶解させた後25℃ま
で冷却し、分散剤水溶液を調製した。
【0051】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=10.0%/
2.5%に調整した後、TKホモミキサー(10000
rpm×10分)を用いて分散処理を行った。
【0052】[比較例2]カゼインナトリウムと大豆多
糖類とモノエステル含量30%のショ糖脂肪酸エステル
を、カゼインナトリウム:大豆多糖類:SE=33:1
2:55(重量比)で配合して均一に混合し、カルシウ
ム強化飲料用分散剤を調製した。この分散剤を水道水に
加え、室温分散後、70℃まで加熱攪拌し、完全溶解さ
せた後25℃まで冷却し、分散剤水溶液を調製した。
【0053】平均粒径が0.3μm以下のスラリー状炭
酸カルシウムに、上記分散剤水溶液及び水を添加し、炭
酸カルシウム固形分濃度/分散剤濃度=10.0%/
1.5%に調整した後、TKホモミキサー(10000
rpm×10分)を用いて分散処理を行った。
【0054】上記した実施例1〜7、及び比較例1〜2
の分散剤配合、炭酸カルシウム濃度/分散剤濃度、及び
処理方法(分散方法)を表1にまとめて示す。
【0055】
【表1】
【0056】実施例1〜7、及び比較例1〜2で調製し
た炭酸カルシウム分散スラリーを5℃で保存し、4日
後、1週間後、2週間後、3週間後の分離状況を観察す
るとともに、粒度分布(平均粒子径)と粘度を測定し
た。結果を表2に示す。
【0057】ここで、分離状況は、分離がほとんど確認
できないものを「○」、若干離水が認められるものを
「△」、離水が認められるものを「×」と評価した。
【0058】また、粒度分布は、島津製作所製レーザ回
折式粒度分布測定装置SALD−2000を用い、吸光
度が0.050±0.003になる様に分散液を希釈
し、測定を行った。
【0059】粘度は、東京計器製造所製のB型粘度計
(ロータ−No.1、60rpm×60秒)を用いて測
定した。
【0060】
【表2】
【0061】[実施例8、比較例3]実施例5で得られ
たカルシウム分散スラリー、脱脂粉乳、温湯、バターを
加え(無脂乳固形分:8.0%、乳脂肪分:3.0%、
炭酸カルシウム:0.75%に調整)、溶解させ、次い
で均質化、UHT殺菌を行うことで実施例8のカルシウ
ム強化加工乳を得た。また、比較例1で得られたカルシ
ウム分散スラリーを用い、同様にして比較例3のカルシ
ウム強化加工乳を得た。
【0062】殺菌後100ml円筒管に数本とりわけ、
5℃で保存し、円筒管中の牛乳を静かに廃棄し、底部に
残っている沈殿量の経日変化(4日後、1週間後、2週
間後、3週間後)を目視で観察した。評価は、沈殿がほ
とんど確認できないものを「○」、わずかに沈殿が認め
られるものを「△」、沈殿が認められるものを「×」と
した。
【0063】[実施例9、比較例4]実施例5、比較例
1で得られたカルシウム分散スラリーをスプレードライ
ヤーにて乾燥粉末化させた後、実施例8、比較例3と同
様にして、それぞれ実施例9、比較例4のカルシウム強
化加工乳を調製し、評価を行った。
【0064】結果を表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】本発明のカルシウム強化飲料用分散剤を
用いることにより、カルシウム分散スラリーを通常の冷
蔵条件で静置しておいても、低粘度、微細な平均粒子
径、分離・沈殿が生じないといった長期分散安定性が得
られ、また、たとえ分離もしくは沈殿が生じたとして
も、容易に再分散することができる。従って、本発明に
よれば、スラリーの分散状態を長期間安定して持続させ
ることができる。
【0067】また、このカルシウム分散スラリーを乾燥
粉末化した本発明のカルシウム含有粉末であると、長期
保存時のスラリー腐敗を回避できるだけでなく、各方面
の使用先に輸送する際の充填容器費、冷蔵設備費、冷蔵
費、輸送費などの流通コストを減少させることができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)カゼインナトリウム、大豆多糖類及
    びデンプンからなる群から選択された1種以上を有効成
    分として含有するカルシウム強化飲料用分散剤。
  2. 【請求項2】(A)カゼインナトリウム、大豆多糖類及
    びデンプンからなる群から選択された1種以上、並び
    に、(B)モノエステル含量が50%以上のショ糖脂肪
    酸エステル、HLB5以上もしくは平均重合度3以上の
    ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びアラビアガムから
    なる群から選択された1種以上を有効成分として含有す
    るカルシウム強化飲料用分散剤。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の分散剤、カルシウム
    及び水を含有してなるカルシウム分散スラリーを乾燥粉
    末化して得られるカルシウム含有粉末。
JP2001027445A 2001-02-02 2001-02-02 カルシウム強化飲料用分散剤、及びカルシウム含有粉末 Pending JP2002223737A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001027445A JP2002223737A (ja) 2001-02-02 2001-02-02 カルシウム強化飲料用分散剤、及びカルシウム含有粉末

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001027445A JP2002223737A (ja) 2001-02-02 2001-02-02 カルシウム強化飲料用分散剤、及びカルシウム含有粉末

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002223737A true JP2002223737A (ja) 2002-08-13

Family

ID=18892099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001027445A Pending JP2002223737A (ja) 2001-02-02 2001-02-02 カルシウム強化飲料用分散剤、及びカルシウム含有粉末

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002223737A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004039178A1 (ja) * 2002-10-16 2004-05-13 Maruo Calcium Company Limited 食品添加剤組成物及びこれを含有する食品組成物
JP2004330078A (ja) * 2003-05-07 2004-11-25 Morinaga Milk Ind Co Ltd 食品の微粉砕方法および飲食物
JPWO2004017755A1 (ja) * 2002-08-23 2005-12-08 不二製油株式会社 即席食品
KR100698897B1 (ko) 2005-08-11 2007-03-22 주식회사 일신웰스 식품첨가용 칼슘제 슬러리 조성물 및 이의 제조방법
WO2009011253A1 (ja) * 2007-07-13 2009-01-22 Fuji Oil Company, Limited グルテン用分散性改良剤及びグルテンの分散液
JP2009526748A (ja) * 2006-02-17 2009-07-23 ベリトロン・リミテッド カルシウム吸収促進剤
JP2015051928A (ja) * 2013-09-05 2015-03-19 ヒガシマル醤油株式会社 フィブロネクチン結合性の大豆由来の水溶性多糖類
CN104921250A (zh) * 2015-06-12 2015-09-23 江苏食品药品职业技术学院 饮料制品的天然植物稳定剂及其配制方法、应用

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004017755A1 (ja) * 2002-08-23 2005-12-08 不二製油株式会社 即席食品
JP4525348B2 (ja) * 2002-08-23 2010-08-18 不二製油株式会社 即席食品
WO2004039178A1 (ja) * 2002-10-16 2004-05-13 Maruo Calcium Company Limited 食品添加剤組成物及びこれを含有する食品組成物
JP2004330078A (ja) * 2003-05-07 2004-11-25 Morinaga Milk Ind Co Ltd 食品の微粉砕方法および飲食物
KR100698897B1 (ko) 2005-08-11 2007-03-22 주식회사 일신웰스 식품첨가용 칼슘제 슬러리 조성물 및 이의 제조방법
JP2009526748A (ja) * 2006-02-17 2009-07-23 ベリトロン・リミテッド カルシウム吸収促進剤
WO2009011253A1 (ja) * 2007-07-13 2009-01-22 Fuji Oil Company, Limited グルテン用分散性改良剤及びグルテンの分散液
US8129501B2 (en) 2007-07-13 2012-03-06 Fuji Oil Company, Limited Dispersion improver for gluten, and dispersion solution of gluten
JP5263156B2 (ja) * 2007-07-13 2013-08-14 不二製油株式会社 グルテン用分散性改良剤及びグルテンの分散液
JP2015051928A (ja) * 2013-09-05 2015-03-19 ヒガシマル醤油株式会社 フィブロネクチン結合性の大豆由来の水溶性多糖類
CN104921250A (zh) * 2015-06-12 2015-09-23 江苏食品药品职业技术学院 饮料制品的天然植物稳定剂及其配制方法、应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20140044855A1 (en) Creamers and methods of making same
US20090142469A1 (en) Protein-free creamers, stabilizing systems, and process of making same
EP2991498A1 (en) Creamer composition comprising plant protein microparticles
EP1430792B1 (en) Food-additive slurry composition and powder composition, and food composition containing these
JP2002223737A (ja) カルシウム強化飲料用分散剤、及びカルシウム含有粉末
US20060198927A1 (en) Food additive composition, and food composition containing same
US20120288611A1 (en) Liquid creamers and methods of making same
JP3556385B2 (ja) 液状食品における不溶性カルシウムの沈降防止・風味改善法
JP2002223736A (ja) カルシウム強化飲料用分散剤、及びカルシウム含有粉末
JPH11276132A (ja) カルシウム強化乳入り飲料及びその製造方法
KR100463296B1 (ko) 수불용성칼슘염용분산제및이분산제를함유하는음료
JP3778157B2 (ja) カルシウム強化飲料用分散剤、これを用いてなるカルシウム分散スラリー及びカルシウム強化飲料
JP2003339354A (ja) ミネラル分散剤、並びにこれを含有するミネラル分散スラリー及びミネラル強化食品
JP3651882B2 (ja) 乳成分含有弱酸性飲料および当該飲料用の配合組成物
JP3733462B2 (ja) ミネラル強化飲料用分散剤およびミネラル分散スラリー
JPWO2004039178A1 (ja) 食品添加剤組成物及びこれを含有する食品組成物
JP3516871B2 (ja) 蛋白質含有酸性飲料
JP3909402B2 (ja) カルシウム強化飲料用分散剤
JP2001186863A (ja) 食品添加剤スラリー組成物及びパウダー組成物、及びこれを含有する食品組成物
JP2000093124A (ja) 水難溶性ミネラル組成物
JP4180461B2 (ja) 食品添加物製剤およびその製造方法
JP2001204443A (ja) カルシウム強化飲料用分散剤
JP2005333828A (ja) ミネラル強化飲料用分散剤
JP2000023626A (ja) 分散安定性の優れた難溶性ミネラル組成物
JP3271172B2 (ja) マグネシウムエマルジョン、その製造方法及びその用途