JP2865683B2 - 真正のヒト血清アルブミンをコードする人工遺伝子、その使用およびその製造法 - Google Patents

真正のヒト血清アルブミンをコードする人工遺伝子、その使用およびその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、真正のヒト血清アルブミンをコードする構
造遺伝子であって、所望ならばメチオニンをコードする
上流トリプレットにより補足され、且つ所望ならば合成
プレプロ−リーダー−コード配列を延長したもの、ベ
クター中に挿入された前記の遺伝子を含んで成る組換え
DNA分子、前記DNA分子で形質転換された宿主、真正のヒ
ト血清アルブミンの産生法、真正のヒト血清アルブミン
及び真正のヒト血清アルブミンを含んで成る薬学組成物
に関する。本発明は、真正のヒト血清アルブミンをコー
ドする構造遺伝子の産生法にも関する。
背景 血清アルブミンは、高等な種の血清の主要なタン白質
成分である。その役割は浸透圧平衡の保持であり、これ
は難溶性の代謝生成物に結合し、一つの組織からもう一
つの組織への輸送、特に遊離脂肪酸の輸送に関係する。
ヒト血清アルブミンは、血液量減少、ショックおよび低
アルブミン血症の治療法に用いられる。これは、体外循
環用の潅流液体の添加剤としても用いられる。また、ヒ
ト血清アルブミンは実験用抗原としても用いられること
がある。
ヒト血清アルブミンは、約600のアミノ酸残基を含ん
で成る一本の長いポリペプチド鎖から成っている。この
アミノ酸配列は公表されている(例えば、ローン・アー
ル・エム(Lawn R.M.)らの、Nucleic Acids Researc
h、第9巻、22号(1981)、6103〜6113頁を参照された
い)。市販のヒト血清アルブミンは、ヒト血漿から製造
される。ヒト血漿の利用可能性には、限界がある。
ヒト血漿から製造される製品は慎重に熱処理を行っ
て、B型肝炎ウイルスおよびHIVウイルスによって製品
が汚染されるのを回避しなければならない。
HIVウイルスの特徴の一つはその抗原構造を頻繁に変
えることであるので、耐熱性変種を生じることはないと
いう保証はない。
無制限の量で産生することができる人工的な真正のヒ
ト血清アルブミンが必要なことは明らかである。
先行技術 組換えDNA技術を用いることにより成熟したヒト血清
アルブミンに対応する製品を産生する幾つかの試みが行
われてきており、例えば下記の出願明細書に公表されて
いる。
EP−A−0 073 646号明細書(ジネンテック・インコ
ーポレーテド(Genentech Inc))、 EP−A−0 079 739号明細書(ジ・アップジョン・カン
パニー(The Upjohn Co.))、EP−A−0 091 527号明
細書(ハーバード大学学長と研究者(President and Fe
llows of Harvard College)〕、およびEP−A−0 198
745号明細書(ジーンティカ(Genetica))。
前記の特許出願は総て、ヒト肝臓からmRNAを単離する
ことから開始し、このmRNAを用いて二本鎖cDNA(または
そのフラグメント)を製造していた。したがって、cDNA
におけるコドンの使用は、本来ヒトでの発現に最適にな
っている。
ヒトコドンの使用は、非ヒトでの発現には理想的では
ないと当業界では考えられている。
本発明の前には、コドンを非ヒトでの発現に最適にし
た真正のヒト血清アルブミン(構造遺伝子=1761bp)に
必要な大きさDNA配列は産生されてはいなかった。
EP−A−0 182 383号明細書(ヴェペックス・コント
ラクター・リミテド(Vepex Contractor Ltd.)および
エムティーエイ・ツェジェディ・ビオロギアイ・ケツポ
ンチャ(MTA Szegedi Biologiai Kezpontja))に
は、一本鎖DNA片の相補的鎖を酵素的に合成することに
よるオリゴ−およびポリデオキシリボヌクレオチドの産
生法が開示されている。この技法は、本発明による真正
のヒト血清アルブミン(HSA)をコードする構造遺伝子
の産生法に部分的に用いられたが、それは遺伝子の若干
数の大きなフラグメントを接合する新技術と組合わせて
いる。
発明の説明 本発明の主要な目的は、コドンが非ヒトでの発現に最
適になっているヌクレオチド配列を有する人工の構造遺
伝子により真正のヒト血清アルブミンを産生させること
である。
この目的を実現するため、最初に人工の構造遺伝子を
デザインして、この遺伝子を産生する方法を発明するこ
とが必要であった。
人工の構造遺伝子のデザイン 非ヒトでの発現の有用な一例としての酵母での発現に
特に好適なコドンを選定することを決定した。
これらのコドンは高度に発現した酵母タン白質につい
ての酵母コドンから選定した(ベネッツェン、ジェイ・
エル(Bennetzen,J.L.)とホール、ビー・ディー(Hal
l,B.D.)、(1982)J.Biol.Chem.,257,3026−3031、お
よびシャープ、ピー・エム(Sharp,P.M.)、ツォーイ、
ティ・エム・エフ(Tuohy,T.M.F.)及びモスルスキイ、
ケイ・アール(Mosurski,K.R.)(1986)Nucleic Acids
Res.,14,5125−5143)。
まず、酵母に最も頻繁に用いられるコドンを選定した
が、第二または第三のコドンを用いるのが好ましかっ
た。
第二または第三のコドンを選定した理由は、 (a)遺伝子のアセンブリの際に用いられる制限部位が
出現するのを回避するため、(b)特異的酵素に対して
独特の開裂部位を作成するため、および(c)化学的に
合成され、クローニングされる遺伝子の部分内で8塩基
対以上の長さのパリンドロームを除去して、それぞれの
合成オリゴヌクレオチド内で内部ループまたは二次構造
の形成を回避するためであった。
真正HSAをコードする人工の構造遺伝子 本発明の一態様では、真正のヒト血清アルブミンをコ
ードする構造遺伝子が提供される。この遺伝子は、真正
のヒト血清アルブミンの発現用に選定した非ヒト宿主に
関してコドンが選択されてあるヌクレオチド配列に特徴
を有し、上記コドンの選択が下記の通り行なわれている
ことを特徴とするものである。
遺伝子のアッセンブリの際に用いられる制限部位の出
現を回避し、 特異的な酵素に対して一つの独特の開裂部位を作成
し、 化学的に合成され、クローニングされる遺伝子の部分
内に8塩基対以上の長さのパリンドロームを除去するよ
うに まず、選定した非ヒト宿主によって最も頻繁に用いら
れるコドンが選択され、 次に、選定した非ヒト宿主によって第二または第三位
に用いられるコドンを選定する。
本発明のこの態様の一変態では、真正のヒト血清アル
ブミンと初めのエキストラメチオニンをコードする構造
遺伝子が提供される。この遺伝子の変種では、ヌクレオ
チド配列はメチオニンをコードするトリプレットから開
始し、ヌクレオチド配列の残りは上記のヒト血清アルブ
ミンをコードする。この遺伝子が発現されるときには、
用いられる発現系によって真正のヒト血清アルブミンま
たはそのメチオニル誘導体が産生される。
本発明のこの態様の他の変種では、真正のヒト血清ア
ルブミンをコードする構造遺伝子であって、コドンが非
ヒト宿主に関して選択され且つアミノ酸配列 をコードする上流ヌクレオチド配列で伸長したものが提
供される。
「構造遺伝子」とは、特異ペプチドまたはタン白質を
その鋳型またはメッセンジャーRNAによってコードするD
NA配列であり、停止コドンを含む。
「機能遺伝子」は、構造遺伝子に加えてフランキング
配列を有する。このようなフランキング配列は、調節領
域、例えばプロモーター配列と転写ターミネーター配列
を含んでいる。これらのフランキング領域は、構造遺伝
子によってコードされるペプチドまたはタン白質の発現
(および産生)に用いられる特異的ベクターと宿主に対
して最適にすべきである。
本発明の好ましい態様では、真正のHSAをコードする
構造遺伝子は、真正のHSAの酵母での発現に関してコド
ンを選択したヌクレオチド配列を有する。酵母で発現す
るように選択したコドンのみを本明細書に例示するが、
当業者は、本明細書に示した教示内容によって、ヌクレ
オチド配列が他の非ヒト宿主、例えば細菌性宿主または
植物宿主、について選択されたコドンを有する真正のHS
Aをコードする構造遺伝子をデザインおよび構成するこ
とができるであろう。
「真正のヒト血清アルブミン」という表現は、本明細
書および特許請求の範囲において、天然の成熟したヒト
血清アルブミンのアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列
を有する、非ヒト起源の人工的に産生したタン白質を定
義するのに用いている。
組換えDNA分子 本発明の他の態様では、ベクター中に挿入された、本
発明による構造遺伝子を含んで成る組換えDNA分子が提
供される。
したがって、この組換えDNA分子は、フランキング配
列がベクター及び用いられる宿主に好適である機能遺伝
子(本発明の構造遺伝子を含む)が挿入されたベクター
を含む。
通常用いられるベクターは、細菌、特に大腸菌、およ
びバクテリオファージ、例えばラムダファージ、由来の
プラスミドである。
本発明のこの態様の具体例を、本発明の好ましい態様
を記載する本明細書の部分に開示する。
形質転換宿主 本発明の更にもう一つ態様では、本発明による組換え
DNA分子で形質転換された宿主が提供される。
(本発明の好ましい態様での)構造遺伝子のヌクレオ
チド配列のコドンは酵母宿主について選択されるが、酵
母株は用いることができる唯一の宿主ではない。酵母で
発現するようにデザインされた構造遺伝子は細菌または
植物での発現にも適していることがある。したがって、
宿主は、酵母細胞、例えばSaccharomyces cerivisiae、
細菌細胞、例えば大腸菌またはBacillus subtilis、ま
たは豆科植物、えんどう豆またはタバコ植物のような植
物の細胞であることができる。
人工的構造遺伝子の産生法 本発明の別の態様では、真正のヒト血清アルブミンを
コードする構造遺伝子の産生法が提供される。この方法
は下記の工程からなることを特徴とする。
(a) 真正のヒト血清アルブミンの発現用に選定した
非ヒト宿主に関してコドンを選択し、このコドンの選択
が下記の通り行なわれることによって、真正のヒト血清
アルブミンをコードするヌクレオチド配列をデザイン
し、 即ち、遺伝子のアッセンブリの際に用いられる制限部
位の出現を回避し、 5′−フラグメントと全遺伝子の残りとの間に独特の
1個の開裂部位を作成し、 クローニングされるフラグメントのオリゴヌクレオチ
ド内に8塩基対以上の長さのパリンドロームを除去する
ように、 まず、選定した非ヒト宿主によって最も頻繁に用いら
れるコドンを選択し、 次に、選定した非ヒト宿主によって第二または第三位
に用いられるコドンが選択する。
(b) デザインしたヌクレオチド配列を化学的に合成
される5′−フラグメントとクローニングされる若干数
のフラグメントとに分割して、この若干数のフラグメン
トの接合点が適切に配置されたG−Cヌクレオチド配列
にあるようにし、 (c) 前記の(b)でデザインした若干数のフラグメ
ントを、(b)の5′−フラグメントに結合するフラグ
メントを除いて、5′−末端にエキストラエキストラヌ
クレオチド配列GGTACでそのデザインしたヌクレオチド
配列を補足することによって改良し、更にこの若干数の
フラグメントを3′−ヌクレオチドGを有するサブユニ
ットに分割し、このサブユニットを次に個別的にエキス
トラヌクレオチド配列GGCCで補足し、 (d) 自体公知の方法で一本鎖の形態の(c)の補足
され改良されたサブユニットをそれぞれ化学的に合成
し、また自体公知の方法で二本鎖の形態の(b)の5′
フラグメントを化学的に合成し、 (e) (c)の補足され改良された若干数のフラグメ
ントの5′−末端から始め、アダプターと酵素的充填反
応の助けによって自体公知の方法で(d)の合成サブユ
ニットを連続的に、若干数の個々の組換えベクター中に
クローニングして、(c)の補足され改良された若干数
のフラグメントに相当する遺伝子のクローニングされた
二本鎖フラグメントを形成し、 (f) 酵母Kpn Iおよび酵素Apa Iで、(e)の若干数
の組換えベクターを、一方は作成された5′−末端のKp
n I制限部位で、他方は作成された3′末端のApa Iの制
限部位で、それぞれ対に開裂して、自体公知の方法で一
本鎖の特異酵素によって平滑末端となっている粘着末端
を形成し、それぞれ末端ヌクレオチドCおよび末端ヌク
レオチドGは残し、続いて目的とする対の組換えベクタ
ーの両者に独特な開裂部位を有するもう一つの制限酵素
で開裂することによって、(e)のクローニングした二
本鎖フラグメントをまとめ、 一方において遺伝子のクローニングされたフラグメン
トを含む線形ベクターと他方において遺伝子の開裂した
フラグメントを形成し、前記の2つのフラグメントを自
体公知の方法でブラントエントで酵素的に接合し、遺伝
子のヌクレオチド配列中に含まれるジヌクレオチドG−
Cを接合点に形成し、最終的に、二本鎖の形態の(b)
の若干数のデザインされたフラグメント総てを含む組換
えベクターを得て、 (g) (f)で得られる組換えベクターを(d)の化
学的に合成した5′フラグメントを補足して、真正のヒ
ト血清アルブミンをコードする全構造遺伝子を形成す
る。
585個のアミノ酸残基を有する真正の成熟したヒト血
清アルブミンをコードする1761個のヌクレオチドを有す
るデザインされた構造遺伝子は、好ましい態様では5個
の大きなフラグメントに分割された。第一のフラグメン
トは自体公知の方法で二本鎖に合成され、第二から第五
までのフラグメントはEP−A−0 182 383号明細書に開
示されている技法によって産生され、一本鎖は化学的に
合成され、補足的鎖は酵素的に合成される。
「独特な開裂部位」という表現は、開裂部位が特異的
酵素に特徴的であり、接合されるフラグメントの他の部
分には存在しないことを意味する。
選択された末端ヌクレオチドを有する2個のフラグメ
ントを接合する技法は、後で酵母の発現ベクターへと導
く中間のプラスミド構成にも用いた。
本発明の方法の詳細を、本発明の好ましい態様につい
て記載する。
真正のHSAの産生法 本発明のもう一つの態様では、発現および場合によっ
て分泌条件下で組換えDNA配列を含むベクターで形質転
換した宿主を増殖し、発現され且つ場合によって分泌さ
れたタン白質生成物を単離することによる真正のヒト血
清アルブミンの産生法が提供される。この方法の特徴
は、(a)本発明による構造遺伝子を含むベクターで形
質転換した宿主を用い、(b)真正のヒト血清アルブミ
ンまたは所望ならばそのメチオニル誘導体を単離するこ
とである。
本発明のこの点での好ましい態様では、用いられる宿
主は、真正のヒト血清アルブミンをコードする構造遺伝
子を含むシャトルベクター(大腸菌−酵母)で形質転換
したSaccharomyces cerevisiaeであり、前記の遺伝子は
コドンが酵母宿主に関して選択されたヌクレオチド配列
から成っている。
真正のHSA 本発明のもう一つの観点では、本発明による真正のヒ
ト血清アルブミンの産生法から得られる真正のヒト血清
アルブミンが提供される。この真正のHSAは、天然の成
熟したHSAの代わりに総ての用途に用いることができ
る。
製剤 本発明の別の観点では、薬学上受容可能な担体および
/または希釈剤と混合した、本発明の真正のヒト血清ア
ルブミンを含んで成る製剤が提供される。好適な担体お
よび/または希釈剤は、天然のHSAに用いられるもので
あり、例えば食塩溶液であり、例えば指針のための米国
薬局方が参照される。同じことは、防腐剤、pH調節剤、
緩衝剤などの所望により包含され得る通常の添加剤にも
適用される。
好ましい態様および実験の詳細の説明 図面の簡単な説明 図面は、プラスミドの構成とフルオログラフに関す
る。具体的には、第1図は、コーリープラスミドpGB1の
物理的地図を示す。
第2図は、酵母HIS3遺伝子を含むプラスミドpGB2の地
図を示す。
第3図は、プラスミドpGB3−229T(a)の地図及び、
中間の構成pGB3−229TK゜(b)を経る基本発現ベクタ
ーpPT2HK1(c)の段階1および2によるの構築を示
す。
第4図は、pGB2(HIS3、PHO5、PHO3)の地図である。
第5図は、酵母PHO5遺伝子のプロモーターを含むプラ
スミドpUC18/623P(a)の地図と、プラスミドpUC18/
623P(b)とpUC18/622PH(c)へと導く改良(1、
2および3)を示す。
第6図は、基本発現ベクタープラスミドpPT2HK1の物
理地図を示す。
第7図は、酵母−大腸菌シャトルプラスミドpBY200の
構成を示す。
第8図は、pPT2/HSAからの全「HSA発現カートリッ
ジ」を含む2種類の発現ベクタープラスミドpYHSA221お
よびpBY2/HSAの構成を示す。
第9図は、合成HSA遺伝子を発現する酵母ベクターの
構成の流れ図を示す。
第10図は、ウマ抗−HSA血清で免疫沈澱しSDS−ポリア
クリルアミドゲル中で分割した35S−メチオニンで標識
したタン白質のフルオログラフを示す。
第11図は、人工のプレプロ−リーダーコード配列とHS
A(No.1)をコードする人工遺伝子を含む酵母発現プラ
スミドの構成を示す。
第12図は、精製した天然のHSA(AおよびC)と酵母
で産生したHSA(BおよびD)のCNBr開裂の生成物であ
ってSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって
分割したものを示し、コマジエ(Commasie)染色したゲ
ルも(エイ・ケイ・ビー・−ウルトラ−スキャン(LKB
−Ultro−Scan)を用いて)レーザー走査を行った。
第13図は、酵母「YEプレプロ−HSA」で発現・分泌
したHSA(トラックB及びC)と、YHSA−221で発現した
タン白質(トラックDおよびE)とを比較したウェスタ
ン・ブロットを示し、トラックAは精製したHSA試料を
示す。
アラビア数字:合成オリゴデオキシリボヌクレオチド
HSA1、2、3・・・24であり、それぞれエキストラGGCC
配列を3′末端に有する。このエキストラ配列はHSA配
列中には現れない。
HSA7、13および19オリゴヌクレオチドは5′末端にエ
キストラGGTAC配列をまた有するが、これは最終的なHSA
配列には現れない。
オリゴヌクレオチド(HSA1)をアダプター分子と結合
させると、これは例えばHSA 1+Aと呼ばれる(スキー
ム2を参照)。
HSA 1+Aを一般に用いられる大腸菌ベクターpUC19に
クローニングすると[ヤニシューペロン・シー(Yannis
ch−Perron C.)、ヴィエイラ・ジェイ(Vieira,J.)お
よびメッシング・ジェイ(Messing,J.)Gene,33,103−1
19(1985)]、得られるプラスミドはpHSA1と呼ばれ
る。
HSA 2+Aを前記で得られたpHSA 1中にクローニング
すると、生成するプラスミドはpHSA(1−2)と呼ばれ
る。
続けてクローニングするとpHSA(1−6)となり、こ
のプラスミドは、pUC19でクローニングされたHSA IIの
大きなフラグメントを含み、これはpHSA IIと呼ぶこと
ができる。
同様に、HSA III、HSA IVおよびHSA Vの大きなフラグ
メントはそれぞれオリゴヌクレオチド7−12、13−18お
よび19−24から得られ、pHSA III、pHSA IVおよびpHSA
Vプラスミドを生じる。
HSA IIおよびHSA IIIの大きなフラグメントをpUC19ベ
クター中で結合すると、生成するプラスミドはpHSA(1
−12)またはpHSA(II−III)と呼ぶことができる。
同様に、HSA IVおよびHSA Vの大きなフラグメントがp
UC19ベクター中で結合すると、生成するプラスミドはpH
SA(13−24)またはpHSA(IV−V)と呼ぶことができ
る。
HSA(II−III)とHSA(IV−V)を結合すると、それ
らはpHSA(II−V)生じ、HSAのほぼ全コード領域(N
−末端Metを除く成熟した13から585のアミノ酸)がクロ
ーニングされる。
pHSA(II−V)をpUC19のHSA Iフラグメントで補足す
るときには、生成するプラスミドはpHSAと呼ばれる。
HSA Iフラグメントは、2種類の形態の部分2重らせ
んとして合成される(スキーム4)。
したがって、pHSAの2種類の変種、すなわちpHSA No.
1およびpHSA No.2が得られる(スキーム5)。
pHSA No.2から、Met−HSAコード遺伝子を(平滑末端
およびSac Iエンドを有するフラグメントとして)得る
ことができる(スキーム6)。
pHSA No.1から、成熟したHSAコード遺伝子を(平滑末
端およびSac Iエンドを有するフラグメントとして)得
ることができる(スキーム7)。
Met−HSAまたは成熟HSAコードDNA領域を、PH05酵母プ
ロモーター+シグナル配列コード領域およびHis3酵母転
写ターミネーターを含むpPT2HK1大腸菌ベクター中にク
ローニングする(pPT2/HSAを得ることができる)。プロ
モーター−シグナル配列−HSA遺伝子−ターミネーター
カセットを自己複製酵母ベクターpBY200に配合して、HS
Aを発現させる。
HSA 1オリゴヌクレオチドとアダプターの上方鎖は
5′−ホスホリル化しているが、アダプターの下方鎖は
ホスホリル化してない。
アダプター1は、HSAオリゴヌクレオチドのほとんど
のクローニングを促進するのに用い、 アダプター2は、HSA16、17および18オリゴヌクレオ
チドについて用い、 アダプター3は、HSA遺伝子の下流のアダプター1を
置換して、酵母プロモーターおよびターミネーター領域
を含む大腸菌ベクターpPT2HK1中にHSA遺伝子をクローニ
ングするのに必要なSac I部位を導入した。
HSA遺伝子の配列部分に用いられる合成プライマー HSAオリゴヌクレオチドをpUC19ベクター中へクローニ
ングするとき(またはもう一つのHSAヌクレオチドを予
め得られているpHSAベクター中へクローニングすると
き)には、予め合成されpKOプライマーIと命名された
配列プライマーGTAACGCCAGGGTTTTCCCAGT(エイ・シモン
クシッツ(A.Simoncsits)、エム・カルマン(M.Kalma
n)、アイ・クセルパン(I.Cserpan)およびシー・カリ
ー(C.Kari)、Nucleic Acids Res.Symp.Ser.No.14,198
4,321−322)を用いて、得られるクローンの配列をチェ
ックした。このプライマーは、公表されたpUC19配列
[ヤニシューペロン、シー(Yanisch−Perron,C.)、ヴ
ィエイラ、ジェイ(Vieira,J.)およびメッシング、ジ
ェイ(Messing,J.)Gene,33(1985)103−119]のヌク
レオチド位置348−369に配置され、個々にクローニング
されたHSAオリゴヌクレオチドの総て(総数24)を配列
するのに用いられる。
HSA IIおよびHSA IIIの大きなフラグメントを結合す
るときには、結合点は合成プライマーGCAGCCTTGTCGGCAG
CTTGであって、(成熟HSAに対する)ヌクレオチド位置5
08−527のHSA遺伝子配列に補足的であるものでチェック
した。
HSA IV及びHSA V結合は、位置1374−1393の間のHSA遺
伝子配列に補足的なプライマーCGTGCAAAACACATAATTGGを
用いてチェックした。
pHSA(II−V)におけるHSA IIIおよびIVの結合は、
配列プライマーとしてHSA 10オリゴヌクレオチド自身を
用いてチェックした。
HSA遺伝子合成がpUC19ベクターで完了するときには、
全HSAコード領域はプラスミド鋳型および10種類の異な
る配列プライマーを用いて配列した。更に、pUC19ベク
ターからM13mp19ベクター(ヤニシュ−ベロン、シー(Y
anisch−Perron,C.)ら)に代えて、同じ10個のプライ
マーを用いて一本鎖ファージDNA鋳型で配列を行い、HSA
コード配列を確認した。
pUC19またはM13mp19での全HSAコード領域をチェックす
るための合成プライマー 最後のプライマー(プライマー9)は、HSA遺伝子をp
UC19からpPT2HK1へ代えたとき、HSA(成熟またはMet
型)と酵母PHO5プロモーター−シグナル配列の結合をチ
ェックするのにも用いた。
同位体 γ−32P−ATP(<5000Ci/mmol) α−32P−dATP(800Ci/mmol) α−35S−dATP(〜1200Ci/mmol)をアメルシャム(Amer
sham)から得た。35 S−メチオニン(〜800Ci/mmol)をアメルシャム(Ame
rsham)から得た。
オリゴデオキシリボヌクレオチドの化学合成 手動式DNAベンチ合成装置(オムニフィット(Omnifi
t)により、モノマーおよび/またはダイマー・ビルデ
ィング・ブロックを用いるホスフェート−トリエステル
法(スプロート・ビー・エス(Sproat B.S.)ら1983,Te
trahedron Letters 24,5771)、または自動ジーン・ア
ッセンブラー(Gene Assembler)(ファルマシア(Phar
macia))を用い、製造マニュアルによるホスホラミダ
イト(phosphoramidite)法を用いた。化合物は、クル
アケム(Cruachem)(ホスフェートトリエステル化合
物)またはファルマシア(Pharmacia)(ホスホラミダ
イト化合物)から得た。
合成オリゴデオキシリボヌクレオチドの5′−ホスホリ
ル化 酵素ホスホリル化は、T4ポリヌクレオチドキナーゼお
よびATPを用いて行った。特定の要件によって、この反
応は放射性または非放射性ATPを用いて行った。
(a) 高特異活性のγ−32P−ATPを用いるホスホリル
化 この方法は、ハイブリッド形成プロープを得るためHS
Aオリゴヌクレオチドに用い、またはプラスミドDNA鋳型
で配列反応を行うとき配列プライマーの5′−標識に用
いた。10pmolのオリゴヌクレオチドを、γ−32P−ATP
(7μl,〜5000Ci/mmol,10mCi/ml)250mMトリス−HCl、
pH7.5−50mM MgCl2(2μl)および100mM DTT(1μ
l)に溶解した。T4ポリヌクレオチドキナーゼ(10U/μ
l)を加え、混合物を37℃に30分間保持した後、加熱処
理(100℃、3分間)を行い、酵素を不活性化した。溶
液を、更に用途にしたがってハイブリッド形成緩衝液ま
たは無菌水で希釈した。反応しなかったγ−32−P−AT
Pの過剰量は除去しなかった。
(b) 低特異活性のγ−32P−ATPを用いるホスホリル
化 この方法は、HSAオリゴヌクレオチドを、アダプター
とともに結合する前に、これらを標識するのに用いた。
50pmolのオリゴヌクレオチドと100pmolのγ−32P−AT
P(200Ci/mmol)を、50mMトリス−HCl、pH7.5、10mM Mg
Cl2および10mM DTTを含む10μl反応容積に溶解し、1
μlのT4ポリヌクレオチドキナーゼ(10U/μl)を加え
た。37℃で1時間放置した後、混合物を100℃で3分間
加熱処理した。
(c) 非放射性ATPでのホスホリル化 この方法を、アダプター1およびアダプター2の上方
の一本鎖に、アダプター3およびHSA Iフラグメントオ
リゴヌクレオチドのような他のアダプター様分子では両
方の鎖に適用した。
アダプター1およびアダプター2オリゴヌクレオチド
の上方鎖のホスホリル化は、下記のように大規模に行っ
た。
2.2nmolのオリゴヌクレオチドと20nmolのATPを、50mM
トリス−HCl、pH7.5、10mM MgCl2、10mM DTTおよび10単
位のT4ポリヌクレオチドキナーゼを含む100μl反応容
積に溶解した。反応は、37℃に1時間放置した後、100
℃で3分間加熱処理することによって行った。
他の非放射性ホスホリル化は、反応混合物に放射性の
γ−32P−ATPを加えなかったことを除き、50pmolのオリ
ゴヌクレオチドの規模での低特異的活性ホスホリル化に
記載したのと本質的に同様に行った。
HSAオリゴヌクレオチドとアダプターとの結合(一般的
方法) 25pmolの5′−32P−ホスホリル化HSAオリゴヌクレオ
チドを、75pmolの5′−ホスホリル化上方鎖アダプター
オリゴヌクレオチドおよび75pmolの非ホスホリル化下流
鎖アダプターオリゴヌクレオチドと、50mMトリス−HC
l、pH7.5、10mM MgCl2、10mM DTTおよび1mMのATPを含む
50μl反応容積中で混合した。混合物を15℃に冷却し、
T4DNAリガーゼ約0.2μl(約80単位)を加えた。反応は
15℃で4〜16時間行った。1MのNaCl50μlと1μlの酵
母担体tRNA(10μl/μl)を加え、オリゴヌクレオチド
を液体窒素浴中で300μlエタノールを用いて2分間沈
澱させた。混合物を12,000rpmで5分間遠心分離し、ペ
レットを乾燥して、80%ホルムアミド、10mM EDTA、0.0
5%キシレンシアノールおよび0.05%ブロモフェノール
ブルーを含むゲル充填緩衝液10μlに溶解した。結合し
たHSAオリゴヌクレオチドの非結合オリゴヌクレオチド
(およびアダプター)からの分離は、尿素を含まない10
%アクリルアミドゲルに前記の溶液を適用することによ
って行った。ゲル電気泳動は、ゲルとしての100mM TBE
と操作緩衝液(100mMトリス、100mMホウ酸、2mM EDTA、
pH8.3)を用いて400Vで3〜5時間行った。ゲルのラジ
オオートグラフィ(2〜10分間)の後、2種の主要な放
射性バンドを特定し、その下部バンドは非結合HSAオリ
ゴヌクレオチドに相当し、上部バンドはアダプター結合
HSAオリゴヌクレオチドに相当した。後者に相当するゲ
ル片を切り出し、37℃で50mM NaCl(300μl)に10〜16
時間浸漬した。上澄液を(50mMトリス−HCl、pH8.0、30
0μlで飽和した)フェノールで2回処理し、オリゴヌ
クレオチド−アダプター付加物を、30μlの3mM NaOA
c、pH5.2、1μlの担体tRNA(10μl/μl)および750
μlのエタノールを添加後沈澱させた。
ペレットをエタノールで洗浄し、乾燥して、10μlの
無菌水に溶解し、一部分を(パッカード(Packard)製
液体シンチレーションカウンター中で)計数し、結合反
応の収率を計算した。出発材料32P−ホスフェートHSAオ
リゴヌクレオチドに対する収率は20〜50%(単離収率)
であった。
24種類のHSAオリゴヌクレオチドの21種類は、アダプ
ター1と結合した。残りはHSA16、17および18オリゴヌ
クレオチドであり、アダプター2と結合した。(HSA16
に対しては、この新規なアダプターが必要であることは
明らかであったが、HSA17および18に対しては余り良好
な選択であったとは思われなかった。とにかく、これら
3種類のオリゴヌクレオチドは同時にアダプター2と結
合した。) 細菌株 HSAを含むプラスミドの形質転換および増殖のほとん
どは、JM101大腸菌(メッシング、ジェイ(Messing,
J.)、クレア・アール(Crea,R.)及びシーバーグ、ピ
ー・エイチ(Seeburg,P.H.)、Nucleic Acids Res.,9,
(1981),304−321)を用いて行った。この菌株は、次
のような遺伝子型を有する。supE、thi、Δ(lac−proA
B)、[F′.traD36、proAB,lac IqZΔM15]。
Bcl I酵素の操作が必要となる前に、dam-大腸菌株(G
M2)(モリヌス、エム・ジー(Morinus,M.G.)およびモ
ーリス、エヌ・アール(Morris,N.R.)、(1973)J.Bac
t,114,1143−1150)をプラスミドの増殖に用いた。
pBY2/HSA No.1とpBY2/HSA No.2の構成の際に、大腸菌
(K12)株のJF1754株(hsd R hsdM+ lac gal met leu B
his B)を宿主として用いた。文献:ストームス、アー
ル・ケイ(Storms,R.K.)、マックネイル、ジェイ・ビ
ー(McNeil,J.B.)、カーネンデカール、ピー・エス(K
harnendekar,P.S.)、アン、ジー(An,G.)、パーカ
ー、ジェイ(Parker,J.)およびフリーセン、ジェイ・
ディー(Friesen,J.D.)(1979),J.Bacteriol.,140,73
−82,キス、ジー・ビー(Kiss,G.B.)、アミン、エイ・
エイ(Amin,A.A.)およびパールマン、アール・イー(P
erlman,R.E.)(1981)Molecular and Cellular Biolog
y,,−535−543。
JF1754の突然変異株leu Bおよびhis Bは、対応する酵
母遺伝子(それぞれleu 2およびhis 3)で補足すること
ができる。文献:ストルール、ケイ(Struhl,K.)およ
びディビス、アール・ダブリュ(Davis,R.W.)(1980)
J.Mol.Biol.,136,309−332。
酵母株 AH220[a、trp 1、leu 2−3、2−112、his 3−1
1、3−15、pho 5、pho 3]実験室半数性株を、エイ・
ヒンネン(A.Hinnen)、チバ−ガイギー・アーゲー(CI
BA−GEIGY AG)、バイオテクノロジー部門、バーゼル、
スイスから得た。
プラスミドとファージベクターによる大腸菌の形質転換 これは、本質的にハナハン、ディー(Hanahan,D.)
(DNAクローニング(DNA Clonig)、第I巻、グローバ
ー、ディー・エム(Glover,D.M.)監修、アイ・アール
・シー・プレス・リミテド(IRC Press Limited)、198
5、109−135頁)に記載された方法と同じ方法で、この
文献のプロトコール3にしたがって調製した凍結コンピ
テント細胞を用いて行った。
酵母の形質転換 AH220のヘリカーゼ処理によって調製した酵母スフェ
ロプラストを、ヒンネン(Hinnen)らの方法(ヒンネ
ン、エイ(Hinnen,A)、ヒックス、ジェイ・ビー(Hick
s,J.B.)およびフィンク、ジー・アール(Fink,G.R.)
(1978)Proc.Natl.Acad.Sci:USA,75,1929−1933)によ
って形質転換した。
プラスミドの調製 迅速アルカリ抽出法(ビルンボイム、エイチ・シー
(Birnboim,H.C.)およびドーリー・ジェイ(Doly,
J.)、(1979)Nucleic Acids Res.,7,1513−1523)の
若干数の改良法を用いた。
少量調製: 単一コロニーを、100μl/mlのアンピシリンを含む3ml
のLB−培地(マニアチス、ティー(Maniatis.T.)、フ
リッチュ、イー・エフ(Firtsch,E.F.)およびサンブル
ック、ジェイ(Sambrook,J.)(1982)分子クローニン
グ(Molecular Cloning)、コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Laborator
y)、ニュー・ヨーク、440頁)に接種して、培養液を37
℃で10〜18時間振盪した。菌体を遠心分離によって集
め、100μlの溶液I(50mMグルコース、25mMトリス−H
Cl、pH8.0、10ml EDTA)に再分散して、室温で5分間放
置した。200μlの新たに調製した溶液II(0.2N NaOH、
1%SDS)を加え、溶液を簡単に混合した後、氷上に5
分間置いた。氷冷溶液III(150μl、3M酢酸カリウム−
2M酢酸)を加え、混合物を簡単に混合した後、氷上に15
分間放置した。混合物を12,000rpmで5分間遠心分離
し、400μlの上澄液を新たに用意した試験管に採取し
た。エタノール800μlを加え、混合物を5分間放置し
た後、12,000rpmで2分間遠心分離した。ペレットを400
μlの100mMトリス−HCl、pH8.0−50mM NaOAc、pH6.5に
再溶解して、1mlの95%エタノールを加えた。−20℃で3
0分間放置した後、混合物を12,000rpmで2分間遠心分離
した。ペレットを乾燥し、100μlの10mMトリス−HCl、
pH8.0−0.5UのT1RNアーゼを含む1mM EDTAに溶解し、溶
液を37℃に30分間保ち、次いで50mMトリス−HCl、pH8.0
で飽和したフェノール100μlで抽出した。水性層を採
取し(約90μl)、10μlの3M水性酢酸ナトリウム、pH
5.2を加えた後、260μlの95%エタノールを加え、混合
物を液体窒素浴で素早く冷却した。遠心分離(12,000rp
m、3分間)の後、ペレットを200μlの0.3M NaOAc、pH
5.2に再溶解し、500μlの95%エタノールを加えて、核
酸を前記と同様に(素早く液体窒素浴中で冷却した後、
遠心分離により)沈澱させた。ペレットを1mlの95%エ
タノールで洗浄し、乾燥し、30μlの無菌水に溶解し
た。
プラスミドDNAの収量は、3〜5μlと算出された。
アガロースゲル電気泳動および制限分析には、1〜2μ
lの前記の溶液を用い、配列反応には3μlを用いた。
上記で得られたプラスミドを更にクローニング実験に用
いるときには、20μlの溶液を用いて1種類または通常
は2種類の酵素で線形化した後、線形ベクターを単離し
た。
プラスミドDNAの制限酵素開裂 総ての分析的制限分析は、BSAを反応緩衝液から常に
除いておくこと以外は、製造業者の指示にしたがって行
った。
特定のプラスミドを1種類以上の酵素を用いて準備的
規模で開裂するときには、同時または連続反応条件を常
に用いる。
2種類の異なる制限酵素によるpUC19開裂 一般的に、大きなHSAフラグメントの最初のHSAオリゴ
ヌクレオチド(II、III、IVおよびV)は、2種類の異
なる酵素でpUC19ベクター中へクローニングする。この
当初の計画によれば、アダプター(アダプター1)と予
め結合したHSA1、HSA7、HSA13およびHSA19オリゴヌクレ
オチドのみが、pUC19中にクローニングされる。しかし
ながら、遺伝子アッセンブリ作業の際には、更に2種類
以上のHSAオリゴヌクレオチド、すなわちHSA4およびHSA
17を対応する中間のpHSAベクター中へクローニングする
よりも、pUC19中へクローニングするのが一層有利(ま
たはより速やか)であることが判った。
(a) Pst IおよびEcoR IによるpUC19の開裂 2μlのpUC19を、100μlの高濃度塩緩衝液(100ml
NaCl、50mMトリス−HCl、pH7.5、10mM MgCl2、1mM DT
T)中で、20単位のPst Iと20単位のEcoR Iで37℃で4時
間処理した。DNAを、5μlの3M酢酸ナトリウム、pH5.2
と300μlのエタノールを加えることによってエタノー
ル沈澱させ、液体窒素浴中で混合物を2分間冷却した
後、12,000rpmで3分間遠心分離した。ペレットを乾燥
し、4%フィコール(Ficoll)400、0.05%ブロモフェ
ノールブルー60μlに溶解し、40mMトリス−アセテー
ト、2mM EDTA緩衝液(TAE緩衝液)中0.5%アガロースゲ
ル上で電気泳動した後、電気溶出、フェノール抽出、お
よび酵母担体tRNA10μlを加えることによって促進され
るエタノール沈澱の後に、線形ベクターを単離した[マ
ニアチス、ティー(Maniatis.T.)、フリッチュ・イー
・エフ(Firtsch,E.F.)およびサンブルック、ジェイ
(Sambrook,J.)分子クローニング(Molecular Clonin
g)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
(Cold Spring Harbor Laboratory)(1982)164〜166
頁]。得られたペレットを10μlの無菌水に溶解し、線
形ベクターの濃度をミニゲル法(同上、468〜469頁)に
よって算出した。
このベクターをクローニングに用いた:HSA1。
(b) BamH IおよびEcoR IによるpUC19の開裂 2μlのpUC19を、100μlの高濃度塩緩衝液中で、20
単位のBamH Iと20単位のEcoR Iで前記と同様に処理し、
線形ベクターの単離は本質的に前記と同じ方法で行っ
た。このベクターを用いてクローニングした:HSA13、HS
A17。
(c) Xba IおよびEcoR IによるpUC19の開裂 これは、2μlのpUC19に対して20単位のXba Iと20単
位のEcoR Iとを用いて、本質的に上記と同様に行った。
Xba I−EcoR I pUC19ベクターを用いてクローニング
を行った:HSA4、HSA7、HSA19。
Apa IとEcoR Iによる中間pHSAベクターの開裂 前記の方法で調製したpHSA20μlを、6mMトリス−HC
l、pH7.4、6mM NaCl、6mM MgCl2、1mM DTTおよび40単位
のApa I酵素を含む100μlの反応容積として、反応混合
物を37℃に保持した。2μlの試料をTBE緩衝液(89mM
トリス、89mMホウ酸、8mM EDTA)中0.5%アガロースゲ
ル上で処理した。開裂が完了したようであれば(1〜4
時間後)、10μlの1M NaCl、5μlの1Mトリス−HCl、
pH7.5および20単位のEcoR Iを加えて、混合物を更に4
〜16時間37℃に保持した。線形ベクターDNAをエタノー
ルで沈澱させ、前記の様に5%アガロースゲル上で精製
し、線形pUC19ベクターを単離した。
このApa I−EcoR Iの二重消化を次のようなプラスミ
ドで行った:pHSA1、2、4、5、7、8、9、10、11、
13、14、15、17、19、20、21、22、23。
HSAオリゴヌクレオチド−アダプター複合体のpUC19また
はpHSAベクター中へのクローニング一般的方法 約0.1μlの二重開裂したpUC19またはpHSAベクター
を、50mMトリス−HCl、pH7.5、10mM MgCl2、10mM DTT、
1mM ATPおよび80単位のT4 DNAリガーゼを含む10μl反
応容積中で5pmolのHSAオリゴヌクレオチド−アダプター
複合体と混合し、反応混合物を15℃で4〜16時間保持し
た。混合物を60℃まで5分間加熱し、室温まで冷却した
後、1μlの(1mMの濃度の4種類総てのデオキシヌク
レオチド5′−トリホスフェートを含む)1mM dNTPと1
μlの0.5単位/μlクレノウポリメラーゼを加え、反
応混合物を室温で15分間放置した。次いで、これを60℃
に10分間加熱し、4μlの無菌水、250mMトリス−HCl、
pH7.5および50mM MgCl2を含む2μlの緩衝液、1μl
の100mM DTT、1μlの10mM ATPおよび200単位のT4 DNA
リガーゼを15℃で加えた。反応混合物を15℃で6〜20時
間保持した後、前記のように凍結コンピテントJM101大
腸菌細胞中に形質転換した。100μl/mlアンピシリンを
含むLBプレート上で得られたコロニーをLB−アンピシリ
ンマスタープレートおよびニトロセルロースレプリカプ
レート上に移した[グルンシュタイン、エム(Grunstei
n,M.)およびホグネス、ディー(Hogness,D.)(1975)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA,72,3961]。ニトロセルロース
レプリカプレート上で発育したコロニーを分離して、対
応する5′−32P−ホスフェート標識したHSAオリゴヌク
レオチドプローブでハイブリッド形成した[マニアチ
ス、ティー(Maniatis,T.)、フリッチュ、イー・エフ
(Firtsch,E.F.)およびサンブルック、ジェイ(Sambro
ok,J.)分子クローニング(Molecular Cloning)、コー
ルド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spr
ing Harbor Laboratory)(1982)314〜325頁]。通常
は4〜10の陽性コロニーが3mlのLB−アンピシリン培地
に発育し、プラスミドDNAは前記のようにして調製し
た。
プラスミド鋳型上でのジデオキシ配列 若干数の改良物を加えた、スーパーコイル配列法[チ
ェン・イー・ワイ(Chen,E.Y.)およびシーブルグ、ピ
ー・エイチ(Seeburg,P.H.)DNA 4,165(1985)]を行
った。前記の方法で調製した3μlのプラスミドを、17
μlの0.3M NaOH−0.3mM EDTAと室温で混合した。5分
後に、3μlの2M酢酸アンモニウム−酢酸、pH4.5およ
び60μlのエタノールを加え、混合物を−80℃で15分間
保持した。混合物を遠心分離(12,000rpm、5分間)
し、ペレットを70%エタノールで洗浄し、乾燥し、7mM
トリス−HCl、pH7.5、7mM MgCl2、5mM β−メルカプト
エタノール、0.1mM EDTAおよび0.25pmolの5′−32P−
ホスフェート標識した配列プライマー(この作業中に用
いた配列プライマーはスキーム10および上記に示してあ
る。時には、HSAオリゴヌクレオチドの一つも、それが
3′−末端GGCCエキストラ配列を含むものであっても配
列プライマーとして用いた)を含む10μlの緩衝液に溶
解した。混合物を45℃で15分間加熱した。次いで、4つ
の2μlのアリコートをマイクロタイタープレートのウ
ェルに採取した。それぞれ4つのジデオキシターミネー
ション混合物[ホング・ジー・ピー(Hong,G.P.)Biosc
ience Reports,,907(1982)]の2μlと0.25単位/
μlクレノウポリメラーゼの2μlとを前記の4つの分
取したプライマー−鋳型のそれぞれと混合し、混合物を
室温で20分間保持し、次いで50℃で10分間保持した。そ
れぞれ反応混合物に、80%ホルムアミド、10mM EDTA、
0.05%ブロモフェノールブルーおよび0.05%キシレンシ
アノールを含む3μlのゲル充填緩衝液を加え、混合物
を100℃で2分間加熱した。ゲル電気泳動を、8M尿素、9
0mMトリス、90mMホウ酸、2mM EDTA、pH8.3を含む6%ア
クリルアミドゲル上で行った。
個々のHSAオリゴヌクレオチド(HSA1、2、・・24)の
クローニング 当初の計画は、下記の通りであった。
全HSAコード領域を5つのフラグメントHSA I、II、II
I、IVおよびVに分割した。後者の4つのフラグメント
(II、III、IVおよびV)を更に6−6一本鎖オリゴヌ
クレオチド(それぞれ3′末端はGで終わり、化学合成
によるエキストラGGCC配列で付与されている)に分割
し、全部で24のオリゴヌクレオチドとした。
HSAの大きなフラグメント(II、III、IVおよびV)
は、(アダプターの助けによって)pUC19またはpUC19か
ら誘導されたpHSAベクター中への合成一本鎖オリゴヌク
レオチドの連続クローニングによって得られ、本明細書
ではpHSA IIで例示された。
HSA1はpUC19中にクローニングしてpHSA1が得られ、 HSA2はpHSA1中にクローニングしてpHSA(1−2)が得
られ、 HSA3はpHSA(1−2)中にクローニングして、 pHSA(1−3)が得られ、 HSA4はpHSA(1−3)中にクローニングして、 pHSA(1−4)が得られ、 HSA5はpHSA(1−4)中にクローニングして、 pHSA(1−5)が得られ、 HSA6はpHSA(1−5)中にクローニングして、 pHSA(1−6)即ちpHSA IIが得られる。
同様に、pHSA IIIは、HSA7、8、9、10、11、12オリ
ゴヌクレオチドから得られた。pHSA IVは、HSA13、14、
15、16、17、18オリゴヌクレオチドから得られた。pHSA
Vは、HSA19、20、21、22、23、24オリゴヌクレオチド
から得られた。
この一般的な方法は、通常はアダプター1(スキーム
3参照)の助けによってHSAオリゴヌクレオチドをクロ
ーニングするのに用いられるが、2、3数の場合にこれ
の変更を行った。これを行う理由は、(HSA IIの場合の
ような)大きなフラグメントで2個以上のオリゴヌクレ
オチドを平行してクローニングすることによってアッセ
ンブリ作業を速やかに行い、またはこの作業中に出会う
クローニングの問題を解決するためであった。
これらの特例は次の通りである。
HSA1 オリゴヌクレオチドは、全体として(HSA1の5′
−末端での)部分二らせんの助けによってのみクローニ
ングされた。
HSA II 大きなフラグメントは、予めクローニングされ
たHSA(1−3)とHSA(4−6)DNAセグメントからpHS
A IIとして得られた。
HSA 15 オリゴヌクレオチドは、元のHSA 15の約3分の
2をカバーする相補的オリゴヌクレオチドの助けによっ
てクローニングしてのみ正確な配列を得ることができ
た。
HSA 16 オリゴヌクレオチドは、新たなアダプター(ア
ダプター2)の助けによってのみクローニングすること
ができた。
HSA 17 オリゴヌクレオチドはpHSA(13−16)中にクロ
ーニングして予測されるpHSA(13−17)を得ることはで
きなかった。HSA17配列は得られたプラスミドに見られ
たが、予めクローニングした領域には欠失が見られた。
したがって、HSA 17はpUC19にクローニングされた。
HSA 18 オリゴヌクレオチドは、アダプター2の助けに
よってpHSA 17中にクローニングされた。
HSA IV 大きなフラグメントは予めクローニングしたHS
A(13−16)およびHSA(17−18)DNAセグメントから得
られた。
HSA1のpUC19中へのクローニング アダプター1(HSA 1+A1)と結合したHSA1オリゴヌ
クレオチドを、前記のクローニング法によってBamH I−
EcoR Iで開裂したpUC19中にクローニングすることを試
みたときには、完全なHSA1領域はクローニングされた形
態では得られなかった。5′−32P−標識したHSA1オリ
ゴヌクレオチドとハイブリッド形成する約50のクローン
の配列を特定化すると、これらのクローンのほとんどは
HSA1の5′−末端T残基を欠いていた(それらの残りの
ものは2個以上の残基を欠いていた)。
次に、新規な方法を用いて、下記のようにクローニン
グした全HSA1を得た。Pst I−EcoR Iで開裂したpUC19を
クローニングベクターとして用い、5′−末端にPst I
粘着末端とその3′−末端に10ヌクレオチドの長さの
5′−突出領域とを有する(この後者の領域がHSA1の
5′−末端領域に相補的である)部分二重らせんは反応
混合物に含まれた。この「ヘルパー二重らせん」を、ス
キーム11に示す。
0.1μlのPst I−EcoR Iで開裂したpUC19ベクター
を、10μlの反応容積でHSA 1+A15pmolと5′−ホスホ
リル化GTGCGATCを5pmolと5′−ホスホリル化したTCTTC
ACCTAGATCGCACTGCAを5pmolと混合し、全クローニング法
を一般的方法に記載した本質的に通りに行った。
100個のコロニーを、プローブとしての5′−32P−標
識したHSA1オリゴヌクレオチドでハイブリッド形成させ
ることによってチェックした。29個の陽性クローンの内
10個を、pKOプライマーIおよびバースプライマーによ
って配列決定に用いた。10個の内8個のクローンが正確
な配列を有していた。適正なクローンの一つのプラスミ
ドDNAを次の段階でpHSA1として、Apa I−EcoR I二重消
化およびHSA2オリゴヌクレオチドのクローニングを用い
た。
HSA2のpHSA1中へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA1を10μlの
反応容積で5pmolのHSA 2+A1と混合して、クローニング
工程を前記と同様に行った(スキーム12)。
40コロニーをレプリカプレートして、プローブとして
の5′−32P−HSA2オリゴヌクレオチドとハイブリッド
形成した。9個の陽性コロニーが得られ、これからプラ
スミドDNAを調製し、これをpKOプライマーIを用いて配
列を特定した。5個のクローンは正確なHSA2配列を含ん
でいた。正確なクローン[pHSA(1−2)]の一つから
のプラスミドDNAを次の工程で用いて、HSA3オリゴヌク
レオチドをクローニングした。
HSA3のpHSA(1−2)中へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(1−2)を
前記と同様に10μlの反応容積で5pmolのHSA 3+A1と反
応させた(スキーム13)。
187コロニーをレプリカプレートして、5′−32P−HS
A3オリゴヌクレオチドプローブとハイブリッド形成し
た。42個の陽性クローンの内、10個をプラスミドDNAの
調製に用いて、これをpKOプライマーIを用いて配列を
特定した。1個のクローンは正確であり、それから調製
したプラスミドをpHSA(1−3)と命名した。
後で、pHSA(1−3)を用いて、HSA(4−6)DNAセ
グメントをクローニングした(後記参照)。
HSA4のpUC19へのクローニング 0.1μlのXba I−EcoR Iで開裂したpUC19と5pmolのHS
A4+A1を、前記と同様に10μlの反応容積で反応させた
(スキーム14)。
110コロニーを選出し、その45個が5′−32P−HSA4オ
リゴヌクレオチドプローブとハイブリッド形成した。4
個の陽性クローンから、プラスミドDNAを調製し、これ
をpKOプライマーIを用いて配列を特定化したところ、
それらは総て予想したフランキング領域と共に正確なHS
A4配列を含むことが判った。このようにして得られたpH
SA4はHSA4の5′−末端に再生したXba I部位を含み、こ
れは後でHSA3とHSA4オリゴヌクレオチドとの結合点で除
去することができた。
pHSA4を用いて、次の工程でHSA5をクローニングし
た。
HSA5のpHSA4へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA4と5pmolのHS
A5+A1を、一般的方法によって反応させた(スキーム1
5)。
65個のコロニーを5′−32P−HSA5プローブとハイブ
リッド形成したところ、それらの3個が陽性であった。
この陽性クローンから、プラスミドDNAを調製したとこ
ろ、それらの1個が正確であり、これをpHSA(4−5)
と命名し、これを用いて、次の工程でHSA6をクローニン
グした。
HSA6のpHSA(4−5)へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(4−5)と
5pmolのHSA6+A1を、一般的方法にしたがって反応させ
た(スキーム16)。
225個のコロニーを複製し、5′−32P−HSA6オリゴヌ
クレオチドプローブとハイブリッド形成したところ、72
個が陽性であり、この10個を用いて、プラスミドDNAを
調製した。それらの10の(pKOプライマーIを用いて)
配列を特定したところ、内の2個は、正確なHSA6配列を
含み、これらのプラスミドの一つをpHSA(4−6)と命
名した。
pHSA(4−6)を用いて、更にHSA(4−6)DNAセグ
メントを得て、これをpHSA(1−3)にクローニングし
て、pHSA(1−6)即ちpHSA IIを得た。
HSA7のpUC19へのクローニング 0.1μlのXba I−EcoR Iで開裂したpUC19と5pmolのHS
A7+A1を、一般的方法にしたがって反応させた(スキー
ム17)。
クローンを含むHSA7を、呈色反応によって選択した。
形質転換の後、形質転換した細胞をIPTG(IPTG:イソプ
ロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)およびX−
gal(X−gal:5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル
−β−ガラクトシド)の存在下にてコロニー形成させた
[ヴィェイラ、ジェイ(Vieira,J.)とメッシング、ジ
ェイ(Messing,J)(1982)Gene,19,259−268]。青色
の背景中の白色コロニーは、正確なHSA配列を含むもの
と予想された。
10個の無作為に選択した白色コロニーをLB−アンピシ
リン培地に接種し、それから調製したプラスミドDNAをp
KOプライマーIを用いて配列特定した。それらの7個は
正確なHSA配列を含み、それらの一つを更にpHSA7として
用いて、次の工程でHSA8をクローニングした。
HSA IIIフラグメントの最初のオリゴヌクレオチドと
してのHSA7オリゴヌクレオチドは、エキストラGGTAC5′
−末端配列を含み、この配列は導入されたもので、この
配列は次のC残基と共にKpn I部位を形成し、HSA II大
型フラグメントとHSA III大型フラグメントと結合させ
ることができるようにした。このエキストラ配列は、関
連の反応を行った後には消失するので、この配列はスキ
ーム17に示されるように、pHSA7に既にクローニングさ
れたときにはHSA7の一部としては含まれていない。
HSA8のpHSA7へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA7と5pmolのHS
A8+A1を、一般的方法にしたがって反応させた(スキー
ム18)。
240個のコロニーを5′−32P−HSA8プローブとハイブ
リッド形成して試験したところ、6個が陽性であった。
それらの2個はpKOプライマーIで配列を特定したとこ
ろ、正確なHSA8配列であった。正確なクローンのプラス
ミドDNAは、一般的なクローニング法によって、次の工
程でpHSA(7−8)としてHSA9をクローニングした。
HSA9のpHSA(7−8)へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(7−8)と
5pmolのHSA9+A1を、一般的方法にしたがって反応させ
た(スキーム19)。
240個のコロニーをレプリカプレーティングし、5′
32P−HSA9オリゴヌクレオチドプローブとハイブリッ
ド形成した。13個の陽性クローンの8個から、プラスミ
ドDNAを調製し配列を特定した。8個の配列したクロー
ンの内の3個は、正確なHSA(7−9)プラスミドを含
んでいた。
HSA10のpHSA(7−9)へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(7−9)と
5pmolのHSA10+A1を、通常の方法で反応させた(スキー
ム20)。
202個のコロニーの内の58個が5′−32P−HSA10オリ
ゴヌクレオチドプローブとハイブリッド形成した。10個
の陽性クローンを用いて、プラスミドDNAを調製して配
列を特定したところ、その内の8個は、適正なpHSA(7
−10)プラスミドを含んでいた。
HSA11のpHSA(7−10)へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(7−10)と
5pmolのHSA11+A1を、通常の方法で反応させた(スキー
ム21)。
160個のコロニーをレプリカプレーティングし、その
内の9個が5′−32P−HSA11オリゴヌクレオチドプロー
ブとハイブリッド形成したところ、陽性であった。この
陽性クローンを用いて調製したプラスミドを、pKOプラ
イマーIを用いて配列特定した。一つのクローンは予想
した配列を含んでおり、このクローンから調製したプラ
スミドDNAを次の工程でpHSA(7−11)として用いた。
HSA12のpHSA(7−11)へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(7−11)と
5pmolのHSA12+A1を、一般的方法によって反応させた
(スキーム22)。
240個のクローンを試験し、5′−32P−HSA12オリゴ
ヌクレオチドプローブとハイブリッド形成したところ、
その内の11個が陽性であった。10個の配列特定した(pK
OプライマーI)プラスミドDNAの内、2個が正確である
と思われ、この内の一つを更にpHSA(7−12)またはpH
SA IIIすなわちプラスミドを含む大型のHSA IIIフラグ
メントとして用いた。
HSA(7−12)の配列またはHSA IIIフラグメントは、
M13mp19およびmp18ベクター中で配列の特定化を行うこ
とによって確かめた。pHSA IIIをPst IとEcoR Iで開裂
させ、小さなフラグメントを単離して、Pst I−EcoR I
で開裂したM13mp18およびmp19ベクターへクローニング
した。これらの組換体から一本鎖ファージDNAを調製
し、これを17−merプライマーを用いて配列した。
HSA13のpUC19へのクローニング 0.1μlのBamH I−EcoR Iで開裂したpUC19と5pmolのH
SA13+A1を、一般的方法によって反応させた(スキーム
23)。
80個のクローンを5′−32P−HSA13プローブとのハイ
ブリッド形成によって試験したところ、その内の14個が
陽性であった。10個の陽性クローンからプラスミドDNA
を調製し、pKOプライマーIを用いて配列を特定した。
これらの6個は、予想されたpHSA13プラスミドと同一で
あった。
HSA7と同様に、HSA13オリゴヌクレオチドは、HSA IV
の大型フラグメント中の最初のものであるので、エキス
トラGGTAC5′−末端配列を含む。この場合には、Kpn I
部位も形成され、これを用いて更にHSA IIIとHSA IVの
大型フラグメントを結合して、このエキストラ配列が結
合点で除去されるようにすることができる。
pHSA13を用いて、次の工程でHSA14をクローニングし
た。
HSA14のpHSA13へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA13を、5pmol
のHSA14+A1と一般的方法によって反応させた(スキー
ム24)。
160個のクローンを5′−32P−HSA14とハイブリッド
形成することによって試験したところ、2個が陽性であ
った。プラスミドを調製し、pKOプライマーIによって
配列を特定したところ、2個のプラスミドDNAの一方は
予想された配列を含んでいた。これをpHSA(13−14)と
命名して、次の工程で用いた。
HSA15のpHSA(13−14)へのクローニング 一般的な方法でApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(13−1
4)中へのHSA15+A1のクローニングを試みたとき、多数
の5′−32P−HSA15とハイブリッド形成するコロニーが
得られたが、それらのプラスミドの配列を特定したとこ
ろ、予想したHSA15配列は見られなかった。その代わり
に、二重に変異したHSA15であって、G−>T突然変異
がヌクレオチド位置1072および1096(成熟HSA遺伝子配
列におけるヌクレオチド位置)で起こったものが得られ
た。これらのG残基は、T残基によって取り囲まれてい
た。これらの見掛けの変異は、単に、プラスミドDNA鋳
型を用いると時々起こるあいまいなゲルの読みに因るも
のであるという可能性は、対象とする領域をM13mp19フ
ァージベクターに再クローニングしたところ除外され
た。これらの2つの突然変異は、(19種類のことなる陽
性クローンを試験した)総ての場合に同時に起こったの
で、この場合には一般的クローニング法を変更しなけれ
ばならず、HSA15の突然変異の部位をカバーする相補的
オリゴヌクレオチドを用いるようにした。
42−merの相補的オリゴヌクレオチドを調製して、
5′−ホスフェートHSA15とアダプター1との連結混合
物中に含めた。50pmolの5′−32P−HSA15を100pmolの
5′−ホスフェート42−mer、100pmolの5′−ホスフェ
ートアダプター1の上方鎖及び100pmolの5′−ヒドロ
キシルアダプター1の下方鎖オリゴヌクレオチドと混合
した。前記と同様にして、ゲル電気泳動を行った後、部
分二重らせんを、HSA15に対して約30%の収率で単離し
た。この部分二重らせんを、スキーム25でHSA15+C+A
1と命名した。
次に、0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(13−
14)を、5pmolのHSA15+C+A1と反応させ、反応は一般
的方法によって行った。340個のクローンを5′−32P−
HSA15プローブによって試験し、17個の陽性クローンの
内の12個を用いて、プラスミドDNAを調製した。それら
の配列を特定すると(pKDプライマーI)、それらの2
個が予想されたHSA15配列を含んでいた。この配列は、
こうして得られたHSA(13−15)領域をM13mp19ファージ
ベクター中に再クローニングし、一本鎖DNA鋳型上で配
列反応を行うことによって、確認された。
適正なプラスミドの一つを、次の工程でpHSA(13−1
5)として用いた。
HSA16のpHSA(13−15)へのクローニング HSA16+A1をApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(13−15)
へクローニングしたとき、16個の配列を特定した陽性ク
ローンは総てHSA16領域の5′−末端に9塩基対の欠失
を有していた。HSA16配列を再検討したところ、その
5′−末端領域とアダプター1の下流鎖の5′−末端領
域とは、ほぼ完全に相補的であった。この相補領域を欠
くApa I−EcoR Iアダプター(アダプター2、スキーム
2を参照)を用いることを計画した。HSAオリゴヌクレ
オチドを、アダプター1と全く同じ方法でアダプター2
と連結した。
0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(13−15)
を、5pmolのHSA16+A2と一般的方法によって反応させ
た。60個のクローンの内の24個は、5′−32P−HSA16プ
ローブとのハイブリッド形成を行ったところ、陽性であ
った。10個の陽性クローンを用いて、プラスミドDNAを
調製し、それらをpKOプライマーIで配列特定したとこ
ろ、それらの2個が予想されたpHSA(13−16)であっ
た。
pHSA(13−16)を用いて、更にHSA(13−16)DNA領域
を調製し、これをpHSA(17−18)にクローニングしてpH
SA(13−18)、すなわちpHSA IVを得た。
HSA17のpUC19へのクローニング 0.1μlのBamH I−EcoR Iで開裂したpUC19を、同様な
方法で5pmolのHSA17+A2と反応させた(スキーム27)。
160個のコロニーを5′−32P−HSA17とハイブリッド
形成することによって試験した。それらの30個が陽性で
あり、この8個を用いて、プラスミドを調製した。配列
データーによれば、2個のクローンが予想したpHSA17プ
ラスミドを含んでいた(pKOプライマーI)。
HSA18のpHSA17へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA17を、5pmol
のHSA18+A2と反応させた(スキーム28)。
160個のクローンを5′−32P−HSA18プローブとハイ
ブリッド形成することによって試験したところ、24個が
陽性であった。この陽性のクローンの4個からプラスミ
ドDNAを調製し、pKOプライマーIを用いて配列を特定し
た。2種類のクローンが正確なpHSA(17−18)プラスミ
ドを含んでいた。
HSA19のpUC19へのクローニング 0.1μlのXba I−EcoR Iで開裂したpUC19を、一般的
方法にしたがって5pmolのHSA19+A1と反応させた(スキ
ーム29)。
形質転換したJM101大腸菌細胞をpHSA7について記載し
たようにX−galおよびIPTGの存在下にてLD−アンピシ
リンプレートに接種した。無作為に採取した6個の白色
コロニーからプラスミドDNAを調製し、pKOプライマーI
を用いて配列特定した。それらの2個は、正確なpHSA19
であった。
HSA19は、HSA7およびHSA13と同様に、その5′−末端
にエキストラGGTAC配列を含む。この配列は、上記のよ
うに、HSA Vの大型フラグメントとHSA IVとの結合を容
易にする(後記を参照)。
HSA20のpHSA19へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA19を、一般的
方法にしたがって5pmolのHSA20+A1と反応させた(スキ
ーム30)。
160個のクローンを5′−32P−HSA20オリゴヌクレオ
チドプローブで試験したところ、58個が陽性であった。
11個の陽性のクローンから調製したプラスミドDNAを、p
KOプライマーIを用いて配列特定したところ、それらの
8種類は正確なpHSA(19−20)プラスミドを含んでい
た。
HSA21のpHSA(19−20)へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(19−20)と
5pmolのHSA21+A1とを、通常の方法で反応させた(スキ
ーム31)。
240個のクローンを5′−32P−HSA21プローブとハイ
ブリッド形成したところ、33個が陽性であった。6個の
陽性のクローンを用いてプラスミドDNAを調製し、pKOプ
ライマーIを用いて配列を特定したところ、3種類のク
ローンは予測されたpHSA(19−21)プラスミドを含んで
いた。
HSA22のpHSA(19−21)へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(19−21)と
5pmolのHSA22+A1とを、通常の方法で反応させた(スキ
ーム32)。
80個のクローンを5′−32P−HSA21プローブでハイブ
リッド形成について試験したところ、10個が陽性であっ
た。これらから調製したプラスミドDNAを、pKOプライマ
ーIを用いて配列特定したところ、1種類のみが正確で
あった。これをpHSA(19−22)と命名する。
HSA23のpHSA(19−22)へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(19−22)と
5pmolのHSA23+A1とを、通常の方法で反応させた(スキ
ーム33)。
160個のクローンを試験したところ、それらの100個が
5′−32P−HSA23プローブでハイブリッド形成を示し
た。プラスミドDNAを6個の陽性クローンから調製し、
それらをpKOプライマーIを用いて配列特定した。それ
らの3種類が、正確な環境中で正確なHSA23配列を含ん
でいた。それらの1個を次の工程においてpHSA(19−2
3)として用いた。
HSA24のpHSA(19−23)へのクローニング 0.1μlのApa I−EcoR Iで開裂したpHSA(19−23)を
5pmolのHSA24+A1と通常の方法で反応させた(スキーム
34)。
160個のクローンの内の、37個が5′−32P−HSA24プ
ローブとハイブリッド形成を示した。プラスミドDNAを
3個の陽性クローンから調製し、それらをpKOプライマ
ーIを用いて配列特定した。それらのプラスミドの2種
類が、正確なHSA24配列を含み、それらの1個を更に次
の工程においてpHSA(19−24)またはpHSA Vとして用い
た。
HSA Vの配列は、pHSA Vから得られるPst I−EcoR Iフ
ラグメントとしてそれをPst I−EcoR Iで開冽したM13mp
18およびmp19ベクター対に再クローニングして確認し
た。
HSAの大型フラグメントの結合 HSA遺伝子は5個の大型フラグメント(HSA I、II、II
I、IVおよびV)から組立てる計画であったが、現在ま
でのところHSA IIIおよびHSA Vの合成しか報告されてい
なかった。HSA IはHSAの柔軟な5′−末端領域であり、
これは比較的短いPst I−Sau3A Iセグメントとして化学
的に合成された(スキーム4参照)。HSA IIとHSA IVは
2種類のDNAセグメントから得られ、すなわちHSA IIま
たはHSA(1−6)はHSA(1−3)およびHSA(4−
6)から得られ、一方HSA IVまたはHSA(13−18)はHSA
(13−16)およびHSA(17−18)から得られた。HSA II
とHSA IVの大型フラグメントをアセンブリする際には、
制限消化の後にムング・ビーン・ヌクレアーゼ処理また
はクレノウポリメラーゼ+dNTP処理のような反応系を用
いた。pHSA IIおよびpHSA IVを得るためのこれらの反応
条件は詳細に記載されており、HSAの大型フラグメント
で処理するときの同様な反応のみを説明する。
ムングビーンヌクレアーゼおよびクレノウポリメラー
ゼ+dNTP処理を用いて、制限酵素開裂の後に得られる
5′−または3′−懸垂一本鎖DNA領域を除去して平滑
末端を生成した。ムングビーンヌクレアーゼは5′−突
出末端を除去し、クレノウポリメラーゼ+dNTP処理では
3′−突出末端を除去する。後者の処理では、同時に
5′−突出末端を塞ぎ、平滑末端を生成する。
pHSA II pHSA IIとしてpUC19でクローニングされたHSA II大型
フラグメントは、HSA(1−3)とHSA(4−6)DNAセ
グメントから得られ、pHSA(1−3)はHSA(4−6)
をクローニングするベクターとして用いられた。
1μlのpHSA(4−6)を、100mM NaCl、50mMトリス
−HCl、pH7.5、10mM MgCl2、1mM DTTを含む50μlの反
応容積(高濃度塩緩衝液)中で、10単位のXba Iで37℃
で1時間処理した。こうして得られる線形ベクターDNA
をエタノール沈澱させ、乾燥し、50μlのムングビーン
ヌクレアーゼ緩衝液(30mM酢酸ナトリウム、pH5.0、100
mM NaCl、2mM ZnCl2、10%グリセロール、0.5mg/ml変性
ウシ胸腺DNA)中に溶解し、1μlの10U/μlムングビ
ーンヌクレアーゼで37℃で30分間処理した。反応混合物
をフェノール抽出し、次いでDNAをエタノールで沈澱さ
せた。ペレットを50μlの高濃度塩緩衝液(Xba I処理
に就いての前記記載を参照)に溶解し、20単位のEcoR I
を反応混合物に加えて、37℃で1時間保持した。エタノ
ール沈澱を行った後、小型のHSA(4−6)フラグメン
トを2%アガロースゲル(TAE緩衝液中)上で電気泳動
によって単離した後、電気溶出およびエタノール沈澱を
行った。このフラグメントは5′−末端に平滑末端を有
し、3′−末端にEcoR I粘着末端を有する(スキーム3
5)。
1μlのpHSA(1−3)を、6mM NaCl、6mMトリス−H
Cl、pH7.4、6mM MgCl2および1mM DTTを含む50μlの低
濃度塩緩衝液に溶解し、10単位のApa Iで37℃で1時間
処理した。エタノール沈澱の後、ペレットを、7mMトリ
ス−HCl、pH7.5、7mM MgCl2、5mMβ−メルカプトエタノ
ール、0.1mM EDTAおよび0.1mM dNTPを含む50μlのクレ
ノウ(klenow)緩衝液に溶解して、0.5μlの5U/μlク
レノウポリメラーゼで室温で10分間処理した。フェノー
ル抽出およびエタノール沈澱の後、ペレットを50μlの
高濃度塩緩衝液に溶解し、10単位のEcoR Iを加えた。反
応混合物を37℃で2時間保持した後、DNAをエタノール
沈澱した。平滑末端とEcoR I末端を有する大型ベクター
フラグメントを、TAE緩衝液中0.5%アガロースゲル上で
電気泳動の後、電気溶出およびエタノール沈澱によって
単離した(スキーム35)。
開裂したpHSA(1−3)ベクター(0.1μl)を、50m
Mトリス−HCl、pH7.5、10mM MgCl2、10mM DTTおよび1mM
ATPを含む反応容積(リガーゼ緩衝液)10μl中で、HS
A(4−6)フラグメント(約0.03μl)と連結し、80
単位のT4 DNAリガーゼを15℃で12時間を要して加えた。
反応混合物を凍結コンピーテントJM101細胞に形質転換
した後、LB−アンピシリンプレートに接種した。110個
のレプリカプレートの内、55個が5′−P−HSA4オリゴ
ヌクレオチドプローブとハイブリッド形成を示した。プ
ラスミドDNAを10個の陽性クローンから調製し、これを
逆プライマーを用いて配列特定した。これらの2種類は
HSA3およびHSA4オリゴヌクレオチドの結合部で予測され
た配列を示し、これは更にpHSA(1−6)またはpHSA I
Iとして用いた(スキーム35)。
(HSA IIの配列は、これをPst I−EcoR Iで開裂したM
13mp18およびmp19ファージベクター中にサブクローニン
グして確かめ、配列反応は一本鎖DNA鋳型上で行っ
た。) pHSA IV HSA IVの大型フラグメントは、予めクローニングした
HSA(13−16)およびHSA(17−18)DNAセグメントか
ら、pHSA(17−18)ベクターを用いてHSA(13−16)を
クローニングするようにしたものから得た(スキーム3
6)。
1μlのpHSA(13−16)を、50μlの低濃度塩緩衝液
中で20単位のApa Iで、37℃で1時間処理した。DNAをエ
タノール沈澱し、0.1mM dNTPを含む50μlをクレノウ緩
衝液に溶解し、2.5単位のクレノウポリメラーゼで室温
で10分間処理した。反応混合物をフェノール抽出し、エ
タノール沈澱を行い、ペレットを20単位のPst Iを含む5
0μlの高濃度塩緩衝液中に37℃で1時間溶解した。エ
タノール沈澱の後、小型のフラグメントを、2%アガロ
ースゲル上で電気泳動の後、電気溶出によって単離し
た。この方法では、平滑末端とPst I粘着末端を有するH
SA(13−16)DNAセグメントを生成した(スキーム3
6)。
1μlのpHSA(17−18)を、高濃度塩緩衝液を含む50
μl反応容積中で、37℃で1時間、10単位のBamH Iで開
裂した。DNAをエタノール沈澱させ、50μlのムングビ
ーンヌクレアーゼ緩衝液に溶解した後、10単位のムング
ビーンヌクレアーゼを37℃で30分間加えた。フェノール
抽出およびエタノール沈澱の後、ペレットを50μlの高
濃度塩緩衝液に溶解して、20単位のPst Iを37℃で1時
間加えた。大型の線形ベクターフラグメントをエタノー
ル沈澱し、0.5%アガロースゲル(TAE緩衝液)上で電気
泳動を行った後、電気溶出により精製した。この反応系
では、平滑末端とPst I粘着末端を有するpHSA(17−1
8)ベクターを生成した(スキーム36)。
開裂したpHSA(17−18)ベクター(0.1μl)を、80
単位のT4DNAリガーゼを含む10μlのリガーゼ緩衝液中
でHSA(13−16)(約0.05μl)と15℃で12時間連結し
た。次いで、混合物を凍結コンピテントJM101細胞に形
質転換して、LB−アンピシリンプレートに接種した。23
0個のコロニーを、5′−32P−HSA16プローブとハイブ
リッド形成することによって試験したところ、86種類が
陽性であった。プラスミドDNAを10個のクローンから調
製し、pKOプライマーIを用いて配列特定した。5個の
プラスミドDNAは、HSA16およびHSA17オリゴヌクレオチ
ド領域の間に正確な結合部を示し、これらを更にpHSA
(13−18)またはpHSA IVとして用いた(スキーム3
6)。
(HSA IVの配列は、これをファージベクターM13mp18
およびmp19にサブクローニングして確かめた。配列反応
は一本鎖DNA鋳型上で行った。) pHSA(II−III) この場合には、pHSA IIIはHSA IIIフラグメントをク
ローニングするベクターとして用いた(スキーム37)。
HSA IIIフラグメントの調製 5μlのpHSA IIIを、100μlの低濃度塩緩衝液中で4
0単位のKpn Iで37℃で3時間処理した。開裂したベクタ
ーをエタノール沈澱させ、ペレットを0.1mM dNTPと2.5
単位のクレノウポリメラーゼを含む50μlのクレノウ緩
衝液に溶解し、混合物を室温で10分間処理した。フェノ
ール抽出およびエタノール沈澱の後、ペレットを50μl
の高濃度塩緩衝液に溶解し、40単位のEcoR Iを加え、混
合物を37℃で2時間保持した。DNAをエタノール沈澱し
た後、HSA IIIフラグメントをTAE緩衝液中2%アガロー
スゲル上で電気泳動した後電気溶出によって単離した。
大型のフラグメントを含むHSA IIIは、平滑末端とEcoR
I粘着末端を有する(スキーム37)。
pHSA IIベクター開裂 1μlのpHSA IIを50μlの低濃度塩緩衝液中で、10
単位のApa Iで37℃で2時間処理した。エタノール沈澱
の後、ペレットを0.1mM dNTPを含む50μlのクレノウ緩
衝液に溶解し、2.5単位のクレノウポリメラーゼで室温
で10分間処理した。混合物をフェノール抽出し、DNAを
エタノール沈澱した後、ペレットを高濃度塩緩衝液50μ
lに溶解した後、20単位のEcoR Iを加えた。反応混合物
を37℃で2時間保持し、DNAをエタノール沈澱した。大
型のベクターフラグメントを、TAE緩衝液中0.5%アガロ
ースゲル上で電気泳動した後電気溶出によって単離し
た。こうした得られた線形ベクターは、平滑末端とEcoR
I粘着末端を有する(スキーム37)。
連結 0.2μlの開裂したpHSA IIベクターを、10μlのリガ
ーゼ緩衝液中で、0.1μlのHSA IIIフラグメントと混合
して、80単位のT4DNAリガーゼを加えた。反応混合物
を、15℃で14時間保持した後、JM101大腸菌細胞中に形
質転換した。約50%のアンピシリン耐性コロニーは、
5′−32P−HSA IIオリゴヌクレオチドプローブとハイ
ブリッド形成した。8個の陽性コロニーから調製したプ
ラスミドDNAをHSAオリゴヌクレオチドの一部(成熟HSA
遺伝子のヌクレオチド位置508−527の間)と相補的な合
成プライマーを用いて配列特定すると、8個の総てがHS
A IIとHSA IIIの大型のフラグメントの結合点で適正な
配列を示した。
pHSA(IV−V) この場合には、pHSA VはHSA IVフラグメントをクロー
ニングするベクターとして作用した(スキーム38)。
HSA IVフラグメントの調製 2μlのpHSA IVを、50μlの低濃度塩緩衝液中で10
単位のApa Iで37℃で2時間処理した。線形ベクターを
エタノール沈澱させ、ペレットを0.1mM dNTPを含む50μ
lのクレノウ緩衝液に溶解し、2.5単位のクレノウポリ
メラーゼを加えて、混合物を室温で10分間処理した。フ
ェノール抽出およびエタノール沈澱の後、ペレットを50
μlの高濃度塩緩衝液に溶解し、40単位のPst Iを加
え、混合物を37℃で2時間保持した。エタノール沈澱の
後、HSA IV配列を含む小さなフラグメントをTAE緩衝液
中2%アガロースゲル上で電気泳動した後電気溶出によ
って精製した。小型のフラグメントは、Pst I粘着末端
と平滑末端を有する(スキーム38)。
pHSA Vベクター開裂 2μlのpHSA Vを50μlの低濃度塩緩衝液中で、10単
位のKpn Iで37℃で4時間処理した。エタノール沈澱の
後、ペレットを0.1mM dNTPと2.5単位のクレノウポリメ
ラーゼを含む50μlのクレノウ緩衝液に溶解し、室温で
10分間保持した。フェノール抽出し、エタノール沈澱し
た後、ペレットを高濃度塩緩衝液50μlに溶解し、40単
位のPst Iを加えた。混合物を37℃で4時間保持した。
エタノール沈澱した後、線形ベクターを、TAE中0.5%ア
ガロースゲル上で電気泳動した後電気溶出によって精製
した。こうして得られた開裂したpHSA Vベクターは、Ps
t I粘着末端とブラントエントを有する(スキーム3
8)。
連結 約0.1μlの線形のpHSA Vベクターと、0.05μlのHSA
IVを含むフラグメントを、10μlのリガーゼ緩衝液中
で80単位のT4DNAリガーゼで15℃で4時間処理した。JM1
01大腸菌細胞中に形質転換した後、アンピシリン耐性コ
ロニーを、5′−32P−HSA16オリゴヌクレオチドプロー
ブで試験したところ、それらの約40%が陽性であった。
8個のコロニーを用いてプラスミドDNAを調製し、これ
らをHSA19オリゴヌクレオチドの一部(成熟HSA遺伝子の
ヌクレオチド位置508−527の間)と相補的な合成プライ
マーを用いて配列特性し、それらの7個がHSA IVとHSA
Vの間の結合点で正確な配列を有していた。
Apa I−Sac I−EcoR Iアダプターを有するpHSA(IV−
V)[pHSA(IV−V)ASE] 前記のようにして得たpHSA(IV−V)は、HSAコード
領域の下流にアダプター1を含む。HSA遺伝子の大腸菌
−酵母シャトルベクターの大腸菌部分(pPT2HK1)への
クローニングには、下流のSac I部位を必要とし、した
がってこの部位をどうにかして導入しなければならな
い。これを遺伝子のアセンブリの段階で導入するのが有
利であると思われる。Sac I部位を導入する極めて明白
な方法は、内部Sac I部位を有する同様なアダプター
(アダプター3、スキーム3)でApa I−EcoR Iアダプ
ター1を置換することと思われる。
HSA(IV−V)領域は、pHSA(IV−V)からPst I−Ap
a Iフラグメントとして単離され、アダプター3(Apa I
−Sac I−EcoR Iアダプター)と共にPst I−EcoR Iで開
裂したpUC19にクローニングされた。
HSA(IV−V)フラグメントの単離 2μlのpHSA(IV−V)を、50μlの低濃度塩緩衝液
中で20単位のApa Iで、37℃で3時間処理した。エタノ
ール沈澱の後、ペレットを50μlの高濃度塩緩衝液に溶
解して、20単位のPst Iを加えた。反応混合物を37℃で
4時間保持した。HSA(IV−V)フラグメントを、TAE緩
衝液中2%アガロースゲル上でゲル電気泳動の後電気溶
出によって精製した。
連結(スキーム39) 0.1μlのPst I−EcoR Iで開裂したpUC19を、20μl
のリガーゼ緩衝液中で、0.05μlのApa I−EcoR I HSA
(IV−V)フラグメントおよび5−5pmolの5′−ホス
ホリル化アダプター3オリゴヌクレオチドと混合した。
80単位のT4 DNAリガーゼを加え、混合物を15℃で14時間
保持した。形質転換の後、アンピシリン耐性コロニー
を、5′−32P−HSA16オリゴヌクレオチドプローブまた
は5′−32P−アダプター3下方鎖オリゴヌクレオチド
プローブを有する2種類の異なるレプリカプレート上で
スクリーニングした。約50%のコロニーが、両方のプロ
ーブとハイブリッド形成を示した。陽性コロニーを用い
てプラスミドDNAを調製し、逆プライマーおよびpKOプラ
イマーIによって配列特定を行った。配列決定によって
チェックした10個のクローンの総ては、正確であった。
下記において、アダプター3を導入することによって
下流のSac I部位が供給されるこのpHSA(IV−V)を、
次のHSA遺伝子のアセンブリの工程に用いる。
pHSA(II−V) この場合には、pHSA(II−III)は、HSA(IV−V)フ
ラグメントをクローニングするためのベクターとして用
いた(スキーム40)。
pHSA(II−III)ベクター開裂 2μlのpHSA(II−III)を、低濃度塩緩衝液中で、4
0単位のApa Iで、37℃で5時間処理した。エタノール沈
澱の後、ペレットを0.1mM dNTPを含む50μlのクレノウ
緩衝液に溶解し、2.5単位のクレノウポリメラーゼを加
えた。混合物を室温で10分間保持した後、フェノール抽
出およびエタノール沈澱を行った。ペレットを、50μl
の高濃度塩緩衝液に溶解して、20単位のEcoR Iを加え
た。混合物を37℃で5時間保持した後、線形ベクター
を、TAE緩衝液中0.5%アガロースゲル上で電気泳動した
後電気溶出によって単離した。
HSA(IV−V)フラグメントの単離 2μlのpHSA(IV−V)を50μlの低濃度塩緩衝液に
溶解して、20単位のKpn Iで37℃で5時間処理した。エ
タノール沈澱の後、ペレットを0.1mM dNTPを2.5単位の
クレノウポリメラーゼを含むクレノウ緩衝液に溶解し
た。混合物を室温で10分間保持した後、DNAをエタノー
ル沈澱させ、50μlの高濃度塩緩衝液に溶解し、20単位
のEcoR Iを加えた。反応混合物を37℃で5時間保持した
後、HSA(IV−V)領域を含む小さなフラグメントをTAE
緩衝液中0.5%アガロースゲル上で電気泳動した後電気
溶出によって単離した。
連結 約0.1μlの線形化したpHSA(II−III)ベクターと0.
05μlのHSA(IV−V)を含むフラグメントを、80単位
のT4 DNAリガーゼを含む10μlのリガーゼ緩衝液に混合
して、混合物を15℃で7時間保持した。JM101大腸菌細
胞中に形質転換した後、アンピシリン耐性コロニーを
5′−32P−HSA21オリゴヌクレオチドプローブとのハイ
ブリッド形成により試験したところ、コロニーの約40%
は陽性であった。8個のコロニーを用いてプラスミドDN
Aを調製し、これらを配列決定プライマーとして5′−
32P−HSA11オリゴヌクレオチドを用いて配列決定した。
8個のコロニーは総て、HSA IIIとHSA IV領域の間に適
正な結合点を有していた。
pHSA(II−V)の領域を含む全HSA(II−V)を、プ
ラスミド鋳型上で配列することによってチェックしたと
ころ(pKOプライマーIおよびHSA1−8プライマーを用
いた)、過誤は見られなかった。
pHSAベクター(No.1、No.2) HSA(II−V)フラグメントとHSA Iフラグメントを、
pUC19ベクター中でクローニングすることによって、HSA
(II−V)フラグメントをHSA Iフラグメントに補足さ
せた(スキーム41)。
HSA(II−V)は、遺伝子中に独特なSau3A I部位があ
るので、SauA I−EcoR Iフラグメントとして直接単離す
ることができた。しかしながら、pUC19ベクター部分
は、多くのSau3A I部位を含み、制限消化とフラグメン
ト分離が複雑になる。第一に、HSA(II−V)は、Hind
III−EcoR Iフラグメント中に単離され、これはSau3A I
処理により更に短くなった。
5μlのHSA(II−V)を100μlの高濃度塩緩衝液中
で、40単位のHind IIIと40単位のEcoR Iとで37℃で3時
間処理した。混合物を0.5%アガロースゲル(TAE緩衝
液)に適用し、電気泳動の後、2種類のフラグメントを
得た。小さな方のフラグメントを電気溶出して、エタノ
ール沈澱した。ペレットを50μlの高濃度塩緩衝液に溶
解して、7.5単位のSau3A Iで37℃で14時間処理した。反
応混合物をフェノール抽出(2x)およびエタノール沈澱
を行ったが、大きなSau3A I−EcoR Iフラグメントはこ
の場合にはゲル電気泳動によっては精製されなかった。
2種類の別個な連結物を用意した。それぞれPst I−E
coR I開裂したpUC19クローニングベクターとSau3A I−E
coR I HSA(II−V)フラグメントと、(Pst I−Sau3A
Iアダプターを形成する2種類のオリゴヌクレオチドの
混合物としての)2種類のHSA Iフラグメントの一方を
含んでいた。
0.2μlのPst I−EcoR Iで開裂したpUC19と、0.1μl
のSau3A I−EcoR I HSA(II−V)フラグメントを、10
μlのリガーゼ緩衝液を含む2種類の別個な反応混合物
中で、5−5pmolの5′−ホスホリル化HSA I No.1また
はHSA I No.2(スキーム4)と混合した。80単位のT4
DNAリガーゼを両方の反応混合物に加えて、15℃で6時
間保持した後、JM101大腸菌細胞中に形質転換した。形
質転換した混合物を、LB−アンピシリンプレートに接種
した。コロニーを2個のニトロセルロースフィルター上
で二重複製し、これらは5′−32P−HSA5オリゴヌクレ
オチドプローブ(第一のフィルター)および対応する
5′−32P−HSA Iオリゴヌクレオチドプローブ(第二の
フィルター)と、ハイブリッド形成した。これらのコロ
ニーの約80%は、両方の場合に両方のプローブとハイブ
リッド形成した。プラスミドDNAを2種類の構成の4−
4クローンから調製し、これらを逆プライマーを用いて
配列特定して、HSA I変種が適正にpHSAベクター中に挿
入されていることをチェックした。総ての配列した構成
は、正確であった。
pHSA No.1とNo.2からの全HSAコード領域は、Pst I−E
coR IフラグメントとしてM13mp18およびmp19ファージベ
クターにサブクローニングされ、全配列をmp19では17−
merプライマーおよびHSA1−9プライマーを用いてチェ
ックした。mp18構成は、17−merプライマーのみでチェ
ックした。
酵母プロモーターおよびターミネーター配列を有する大
腸菌プラスミドの構成 1. 出発クローニングベクター(pGB1、第1図)は、pB
R327プラスミド(ソベロン、エックス(Soberon,X.)、
コバルヒアス、エル(Covarrubias,L.)およびボリバ
ー、エフ(Bolivar.F.)(1980)Gene 9,287−305)で
あって、ApR領域からのPst IとHind II部位はEMSおよび
HA突然変異誘発および反復制限酵素消化により除去され
たる改良によって得られた。突然変異誘発の条件は、ミ
ラー、ジェイ・エイチ(Miller,J.H.)、分子遺伝学の
実験(Experi−ment in Molecular Genetics,コールド
・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring
Harbor Labora−tory)、コールド・スプリング・ハー
バー(Cold Spring Harbor)、ニュー・ヨークに記載の
条件と同じであった。
Xho I部位は、独特は(充填)Ava I部位で挿入された
CCTCGAGGリンカーとして導入された。
2. プラスミドpGB2(HIS3): Saccharomyces cerevisiaeの全クローニングHIS3遺伝
子を含む1327bpのBamH I−Xho Iフラグメント[ストー
ムス、アール・ケイ(Storms,R.K.)、マックネイル、
ジェイ・ビー(McNeil,J.B.)、カンデカー、ピー・エ
ス(Khandeker,P.S.)、アン、ジー(An,G)、パーカ
ー、ジェイ(Parker,J.)およびフリーセン、ジェイ・
ディー(Friesen,J.D.)(1979)J.Bacteriol.,140,73
−82;およびストルール、ケイ(Struhl,K.)(1985)Ne
cleic Acids Res.,13,8587−8601]は、pYF92(ストー
ムス(Storms)ら、同上)(ゲオルギー・ビー・キス
(Gyorgy B.Kiss)、インスティテュート・オブ・ゲネ
ティックス、バイオロジカル・リサーチ・センター・オ
ブ・ザ・ハンガリアン・アカデミー・オブ・サイエンシ
ズ(Institute of Gentics,Biological Research Cente
r of the Hungarian Academy of Sciences)スツェージ
ド、ハンガリーから入手)から切除して、pBG1の独特な
BamH IおよびXho I部位に挿入されて、pGB2(HIS3)を
生じた(第2図)。
酵母His3遺伝子の転写ターミネータ領域を含むプラス
ミドpGB3−229T: pGB2(HIS3)のEcoR I−Kpn Iフラグメントは、プラ
スミドpJRD 158(ディビソン、ジェイ(Davison,J.)、
ホイスタースプルーテ、エム(Heustersprute,M.)、メ
ルチェツ・エム(Merchez,M.)およびブルネル、イー
(Brunel,E.)Gene 28,311−318)[ジョン・ディビソ
ン(John Davison)(ユニット・オブ・モレキュラー・
バイオロジー、インターナショナル・インスティテュー
ト・オブ・セルーラー・アンド・モレキュラー・パソロ
ジー(Unit of Molecular Biology,International Inst
itute of Cellular and Molecular Pathology)、75、
アヴェニュー・ヒポクラート、B−1200、ブリュッセ
ル、ベルギー)から入手]からの1327bp TcRカートリッ
ジで置換された。pGB3−229Tは、Ap+oriカートリッジ
の外に、(3′−末端に追加のSac I部位を有する)全T
cR遺伝子とHIS3遺伝子の転写ターミネーター領域を有す
る。pGB−229Tは更に、(1)pGB−229TのKpn I部位を
欠失してpGB3−229TK゜を生成すること(第3b図)およ
び(2)pUC18/622PH(第5図)からHind III−Sal I
プロモーターフラグメントを挿入することによってpPT2
HK1(第3c図)を生成することによっても改良された。
4. Saccharomyces cerevisiaeのPH05遺伝子のプロモー
ター領域のクローニング PH05遺伝子は、抑制酸性ホスファクターゼ細胞外酵素
(正リン酸−モノエステルホスファヒドラーゼ(酸性が
最適)、EC3.1.3.2.)をコードする。これは、8kbのEco
R IゲノムDNAフラグメントの一部である(クラマー、ア
ール・エイ(Kramer.R.A.)、アンデルセン、エヌ(And
ersen,N.)(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77,6541−
6545;およびロジャーズ、ディー・ティー(Rogers,D.
T.)レミレ、ジェイ、エム(Lemire,J.M.)およびボス
ティアン、ケイ・エイ(Bostian,K.A.)Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,79,2157−2161)。
PH05遺伝子(デイビソン(Davison)ら、同上)を有
するプラスミドを得るため、酵母遺伝子バンク(S.cere
visiae)のゲノムDNAから構成されるコスミドライブラ
リー、ゼット・フェーハー(Z.Feher)、デブレセン医
科大学、デブレセン、ハンガリーから入手)を次のよう
にスクリーニングした。すなわち、組換えコスミドDNA
の混合物をEcoR Iで消化した。アガロースゲルから8kb
のEcoR Iフラグメントが単離され、これをプラスミドpG
B2(HIS3)のEcoR I部位で再クローニングした。次に、
PH05−遺伝子含有プラスミド(pGB2(HIS3、PH05、PH0
3)(第4図)を、酵母の株DB−4(ロジャース(Roger
s)ら、同上)およびAH220(a、trpl、leu2−3、2−
112、his3−11、3−15、pho5、hpo3)(エイ・ヒンネ
ン(A.Hinnen)、チバ−ガイガー(CIBA−GEIGY)、バ
ーゼルによって提供;タイト−カムラト、エイ・ジー
(Tait−Kamradt,A.G.)ターナー、ケイ・ジェイ(Turn
er,K.J.)クラマ、アール・エイ(Kramer,R.A.)、エリ
オット、キュー・ディー(Elliott,Q.D.)ボスティア
ン、エス・ジェイ(Bostian,S.J.)ティール、ジー・ピ
ー(Thill,G.P.)ロジャーズ、ディー、ティー(Roger
s,D.T.)およびボスティアン、ケイ(Bostian,K.)Mole
c.and Cell.Biol.,6,1855−1865参照)におけるpho5の
相補性に基づいて選択した。
5. PHO5遺伝子プロモーター領域のサブクローニング 抑制酸性ホスファターゼ遺伝子(PHO5)のプロモータ
ーを、BamH I+Sal I制限酵素消化によってプラスミドp
GB2(HIS3、PHO5、PHO3)から623bpのフラグメントとし
て切除することができる(メイハツク、ビー(Meyhack,
B.)、バジュワ、ダブリュ(Bajwa,W.)ルドルフ、エイ
チ(Rudolph,H.)およびヒンネン、エイ(Hinnen,A.)
(1982)EMBO J.1,675−680)。後者をBamH I−Sal I部
位でpUC18に再クローニングし、プラスミドpUC18/623P
を生成し、挿入物の配列は配列特定を行うことによって
確かめ、公表された文献記載の配列と比較した(メイハ
ック(Meyhack)ら、同上;及びアリマ、ケイ(Arima,
K.)オーシマ、ティー(Oshima,T.)、クボタ、アイ(K
ubota,I)ナカムラ、エヌ(Nakamura,N.)、ミズナガ、
ティー(Mizunaga,T.)およびトーエ、エイ(Toh−e,
A.)(1983)Nucleic Acids Res.11,1657−1672)。
pUC18/623PプラスミドのBamH I−Sal (623bp)は、P
HO5上流活性化配列とコード配列の一部(N−末端17ア
ミノ酸分泌シグナルペプチドおよび成熟遺伝子生成物の
N−末端から更に10個のアミノ酸をコードする)を含
む。
この構造では、「シグナル末端」コドンAlaから下流
に位置するKpn I部位は、5′−方向に1塩基だけシフ
トすると、クローニング部位(Kpn Iおよび3′−突出
配列をトリミングすることによって平滑末端とされたも
の)として、HSAコード遺伝子に用いることができた。
pUC18/623Pでは、上流のKpn I部位(x、第5a図)が
プラスミドから欠失されていなければ、前記のKpn I部
位は処理することができなかった。それ故、プラスミド
はSac IとBamH Iで開裂した後、Sac I末端から突出3′
−末端ヌクレオチドを除去することによって平滑末端を
作成し、BamH I末端にDNAポリメラーゼIクレノウフラ
グメントとヌクレオチドトリホスフェートを付した(第
5図、工程1)。再連結および形質転換により、プラス
ミドpUC18/623P(第5b図)を生じ、BamH I部位が復帰
し、「シグナル末端」コドンから下流のKpn I部位は特
異になり、更に処理および生体外での突然変異誘発に好
適となった(下記を参照)。
6. 「シグナル末端」部位の生体外突然変異誘発:Kpn I
部位の1塩基シフトによる「シグナル末端」コドン(Al
a)と「同位相(in−phase)」の接合部位を作成。
HSA遺伝子の5′−平滑末端を正確な位相でPHO5シグ
ナルコード配列と連結することができるようにするに
は、Kpn I部位は1塩基だけ5′−方向にシフトさせね
ばならない。Kpn I部位の上流のアデノシン残基(A)
が欠失しても、シグナル配列内でコードされるアミノ酸
の性状には何んら変化がなかった。
改良された配列をKpn Iで開裂した後、突出GTAC−
3′ヌクレオチドをDNAポリメラーゼIクレノウフラグ
メント+dNTPで除去すると、Kpn I部位が「シグナル末
端」コドン(GCG)の位置と正確に一致する平滑末端を
生じる。前記の構造上の変化を達成するために、Bal I
とKpn I部位との間に配置された プラスミド pUC18/622Pを生成した。この置換は配列
決定によって確かめた(第5図、工程2)。
(PHO5プロモーターの上流の)EcoR I部位を更にクロ
ーニングするために、Hind IIIリンカー(CAAGCTTG)を
補充したEcoR I部位を挿入することによって、新規なHi
nd III部位で置換した(第5図、工程3)。この新たな
構成はpUC18/622PHと呼ばれた(第5c図)。
7. 酵母発現カセットを含むプラスミドpPT2HK1の構
成: プラスミドpGB3−229T(第3図)は、TcR遺伝子の下
流にSac I(Sst I)とKpn I部位を含む。PHO5プロモー
ター領域を(pUC18/622PHの独特なHind IIIおよびSal
I部位に)挿入することによって、pGB3−229TのKpn I
部位は余計なものになり、Kpn I部位は、Kpn I消化によ
ってpGB3−229Tから欠失し、クレノウポリメラーゼ+dN
TPによって突出3′末端が除去され、平滑末端を再連結
し、形質転換した。新規なプラスミド(pGB3−229TK
゜)(第3図)(Kpn I部位を欠く)は、Hind IIIとSal
Iで開裂され、(改良されたPHO5プロモーターおよびシ
グナル配列を含む)pUC18/622PHのHind III−Sal Iフラ
グメントはクローニングされ、生体外で突然変異誘発さ
れたPHO5プロモーターとシグナルコード領域およびHIS3
遺伝子の転写ターミネーターから成る機能生酵母発現カ
セットを有するテトラサイクリン感受性のプラスミドpP
T2HK1(第3図および第6図)が生じる。
8. 大腸菌−酵母シャトルベクタープラスミドpBY200の
構成 主な要点は、次の通りである。
「古典的な」大腸菌−S.cerevisiaeのシャトルベクタ
ープラスミドpJDB207(ベックス、ジェイ・ディー(Beg
gs,J.D.)(1981)多重コピー酵母プラスミドベクター
ズ(Multiple−copy yeast piasmid vectors)、フォン
・ウェットシュタイン、ディー(Von Wettstein,D.)、
フリイス、ジェイ(Friis,J.)、キールランド−ブラッ
ト、エム(Kielland−Bradt,M.)およびステンデラッ
プ、エイ(Stenderup,A.)(監修)、酵母の分子遺伝学
(Molecular genetics in yeast)、アルフレッド・ベ
ンゾン・シンポジウム(Alfred Benzon Symposium)、
第16巻、383−390)の有用な特性、すなわち、(1)他
の多くの酵母クローニングベクターと比較して大きさが
比較的小さい、(2)酵母宿主細胞でのプラスミドの高
コピー数の複製、(3)LEU2の選択的マーカー遺伝子の
存在による(leu2フェノタイプの)プラスミド含有酵母
細胞の安定な選択と、これによる(4)leuB大腸菌宿主
における直接選択の可能性を利用すること、および 酵母発現カセット(上記を参照)を有する大腸菌プラ
スミドpPT2HK1およびその組換え誘導体と調和する適当
な制限酵素認識部位を含むこと。
プラスミドpBY200は、2工程のクローニングによって
構成される(第7図): 1. 「LEU2+2μori」カートリッジ[pJDB207の部分Ec
oR I消化によって得られる3.4kbのEcoR Iフラグメント
(ベッグス(Beggs)ら、同上)のpGB1のEcoR I部位へ
の挿入、 2. 「2μori」領域でのXba I部位のDNAポリメラーゼ
クレノウフラグメントの充填(の後平滑末端の再連
結)。この改良は、S.cerevisiaeでのプラスミドの複製
能には影響しない。
pPT2HK1大腸菌ベクター中のHSA遺伝子(No.1、No.2)の
クローニング pPT2HK1大腸菌ベクターは第3図および第6図に示し
てあり、その改良された配列領域は前記の通りである。
HSA遺伝子のクローニングの観点からのその主要な特
徴は、これが酵母PHO5プロモーターおよびPHO5シグナル
配列並びに酵母転写ターミネーター(HIS3)を含むこと
である。プロモーター−シグナル配列およびターミネー
ター領域は独特の制限部位によって分離されて、HSAコ
ード遺伝子セグメント(構造HSA遺伝子)がこれらの2
個の領域の間に挿入することができるようになってい
る。
pPT2HK1ベクターでは、HSA遺伝子を挿入するのに用い
られる制限部位はKpn IおよびSac I部位である。シグナ
ル配列(リーダーペプチドコード領域)の末端のKpn I
部位は、予めシフトさせてあり、Kpn I開裂と生成する
3′−突出領域のトリミングの後に、平滑末端が形成さ
れ、この平滑末端はリーダーペプチドコード領域の末端
と正確に一致する(スキーム42)。Sac I部位はHIS3タ
ーミネーター領域の上流に配置され、Sac I開裂はKpn I
開裂と平滑末端形成の後に行われる。
pPT2HK1開裂: 2μlのpPT2HK1を、50μlの低濃度塩緩衝液中で、2
0単位のKpn Iで、37℃で2時間処理した。エタノール沈
澱の後、ペレットを0.1mM dNTPと2.5単位のクレノウポ
リメラーゼを含む50μlのクレノウ緩衝液に溶解し、反
応混合物を室温で10分間保持した。反応混合物をフェノ
ール抽出し、エタノール沈澱を行った。ペレットを50μ
lの低濃度塩緩衝液に溶解し、20単位のSac Iを加えた
後、37℃で5時間インキュベーションした。エタノール
沈澱した後、大きなベクターフラグメントをTAE緩衝液
中0.5%アガロースゲル上で電気泳動の後電気溶出を行
って単離した。
HSA No.1フラグメントを得るためのpHSA No.1開裂 50μlの高濃度塩緩衝液に溶解した2μlのpHSA No.
1を、20単位のPst Iで37℃、2時間処理した。エタノー
ル沈澱の後、ペレットを0.1mM dNTPと2.5単位のクレノ
ウポリメラーゼを含む50μlのクレノウ緩衝液に溶解
し、反応混合物を室温で10分間保持した。反応混合物を
フェノール抽出し、エタノール沈澱を行った。ペレット
を50μlの低濃度塩緩衝液に溶解し、20単位のSac Iを
加えた。混合物を37℃で5時間保持した後、0.5%アガ
ロースゲル(TAE緩衝液)上に適用した。小さなフラグ
メントを、電気泳動の後電気溶出を行って単離した。
HSA No.2フラグメントを得るためのpHSA No.2開裂 pHSA No.2をdam(-)大腸菌株から再単離して、アデニ
ンメチル化に感受性のBcl I酵素で処理することができ
るようにした。
75mM KCl、6mMトリス−HCl、pH7.4、10mM MgCl2およ
び1mM DTTを含む50μlの緩衝液に溶解した2μlのPHS
A No.2を、20単位のBcl Iで、50℃、5時間処理した。
エタノール沈澱の後、ペレットを50μlのムングビーン
ヌクレアーゼ緩衝液に溶解し、10単位のムングビーンヌ
クレアーゼを加え、37℃で30分間処理した。フェノール
抽出し、エタノール沈澱を行った後、ペレットを50μl
の低濃度塩緩衝液に溶解し、20単位のSac Iを加えた。
混合物を37℃で5時間保持した。HSA No.2を含む小さ
なフラグメントを、HSA No.1について記載したのと同様
にして単離した。
連結 0.1μlの開裂したpPT2HK1と、0.2μlのHSA No.1ま
たはHSA No.2フラグメントを10μlのリガーゼ緩衝液に
混合して、80単位のT4 DNAリガーゼを加えた。反応混合
物を15℃で15時間保持した後、これをJM 101大腸菌細胞
中に形質転換し、次いでLB−アンピシリンプレートに接
種した。コロニーを、5′−32P−HSA 5オリゴヌクレオ
チドプローブとハイブリッド形成することによって試験
したところ、約10%が陽性であった。プラスミドDNAを
5−5組換体から調製し、HSAプライマー9を用いて配
列特定した。PHO5リーダー配列とHSAコード配列との適
正な結合が、HSA No.1について2例で得られ、HSA No.2
では3例で得られた。これらのプラスミドを、それぞれ
pPT/HSA No.1およびpPT2/HSA No.2と命名する。
これらの構成では、HSA遺伝子を、酵母プロモーター
+シグナル配列と酵母転写ターミネーターとの間の大腸
菌プラスミド中でクローニングする。次の工程で、この
「HSA発現カートリッジ」を大腸菌−酵母シャトルベク
ター中に移すことにする。
pBY200およびpJDB 207中へのHSA発現カートリッジのク
ローニング 酵母−大腸菌シャトルベクターpBY200は、酵母および
大腸菌の複製源、ApR領域およびLeu2マーカーを含む。
このプラスミドは、Hind IIIとXho I酵素で開裂するこ
とにより生成する大型のフラグメントが総ての上記の領
域を保持するようにすることができ、ベクターとして働
いてHind IIIとXho Iによる開裂によってpPT2/HSAから
得られるHSA発現カートリッジをクローニングすること
ができる(第8図)。
pBY200開裂: 5μlのpBY 200を、50mM NaCl、10mMトリス−HCl、p
H7.5、10mM MgCl2および2mM DTTを含む10μlの緩衝液
(培地塩緩衝液)に溶解し、40単位のHind IIIと60単位
のXho Iで、37℃で6時間処理した。大きなフラグメン
トをTAE緩衝液中0.5%アガロースゲル上でゲル電気泳動
の後電気溶出によって単離した。
pJDB 207開裂: 同様に、酵母−大腸菌シャトルベクタープラスミド
を、Xho Iの代わりに45単位のSal Iを用いたことを除い
て、pBY200についての上記の条件でHind IIIとSal I制
限酵素で開裂した。大きなベクターフラグメント(第8
図)を電気泳動によって単離し、アガロースゲルから電
気溶出によって精製した。
pPT2/HSA開裂: 5μlのpPT2/HSA No.1またはpPT2/HSA No.2を、前記
と同様にして培地緩衝液中で、Hind IIIおよびXho I酵
素で処理した。大きなフラグメントを、いずれの場合に
も、0.5%アガロースゲル上で電気泳動の後電気溶出を
行って、単離した。
連結 0.2μlのXho I−Hind IIIで開裂したpBY200を、それ
ぞれ0.2μlのpPT2/HSA No.1のXho I−Hind IIIフラグ
メントまたは0.2μlのpPT2/HSA No.2のXho I−Hind II
Iフラグメントと、10μlのリガーゼ緩衝液中で混合
し、これらの混合物に80単位のT4DNAリガーゼを加え
て、15℃で15時間保持した。反応混合物を、凍結したコ
ンピテント大腸菌細胞(JF1754)中に形質転換した後、
LB−アンピシリンプレート上に接種した。同様な条件を
用いて、pPT2/HSA No.1のXho I−Hind IIIフラグメント
をHind IIIとSal Iで開裂したpJDB207に連結した。
pBY2/HSA No.1とpBY2/HSA No.2組換体の選択および分析 LB−アンピシリンプレート上で発育したコロニーを、
(1)20μl/mlメチオニンおよび20μl/mlヒスチジンを
含む(しかしロイシンを欠く)M9最少プレート、(2)
LB−テトラサイクリンプレート、および(3)アンピシ
リン−LBプレート上に置いたニトロセルロースフィルタ
ーに接種した。ニトロセルロース上で生育したコロニー
を溶解し、32P−標識したHSA6オリゴヌクレオチドプロ
ーブとハイブリッド形成した。プレート2でテトラサイ
クリン感受性であり、プレート1でleu相補性を示す
(すなわち、プレート2では生育せず、プレート1で生
育する)陽性コロニーを選択して、これらからプラスミ
ドDNAを調製した(LB−アンピシリンプレートで得られ
た全コロニーの約20%が、プレート(1)〜(3)につ
いて予測された表現型を示した)。組換えプラスミドDN
AをXho IとHind IIIとの混合物で開裂し、開裂をTBE緩
衝液中0.5%のアガロースゲル上で電気泳動によってチ
ェックした。この二重開裂により、pBY2/HSA No.1とpBY
2/HSA No.2は両方とも、それぞれ出発pBY200、pPT2/HSA
No.1およびpPT2/HSA No.2フラグメントの大きさに対応
する大きさを有する2種類のフラグメントを生じた。同
時に、Kpn Iによる開裂では、両方とも線形化したベク
ターを生じた。pYHSA221の構造を調整するため、組換え
プラスミドをXba Iで開裂すると、物理マップから予測
される大きさを有する2種類のフラグメントを生じた
(第8図)。
総てのプラスミドの構成とHSA遺伝子を含む酵母発現
ベクターへ至るクローニング工程は、第9図にまとめて
いる。
組換え酵母細胞での合成HSA遺伝子の発現 酵母細胞の形質転換およびPHO5プロモーターの誘導のた
めの培養条件 合成HSA遺伝子を、酵母−大腸菌シャトルプラスミドp
BY2/HSA No.1およびpBY2/HSA No.2とpYHSA221の構成へ
導く上記に詳細に記載した一連の操作において酵母PHO5
プロモーターの調節下に置いた。酵母細胞(LL20;Leu2
−3、112、His3−11、15:ストーム(Storm)ら、同
上)を、ベッグス、ジェイ・ディー(Beggs,J.D.)(Na
ture 275,104(1978)またはイトー、エイチ(Ito,H.)
ら(J.Bacteriol.,153,163(1983)のスフェロプラスト
−PEG法によって形質転換した。
組換え酵母細胞を、そのHis-、Leu+表現型に基づいて
選択して、前記のプラスミドをホルム(Holm)ら(Gen
e,12,169(1986)の方法によって10mlの培養液から単離
し、制限酵素開裂および1%アガロースゲル上で電気泳
動によりその構造を分析することによって形質転換プラ
スミドの存在について試験した。それぞれの場合の組換
え酵母細胞は、適当な大きさと構造を有する形質転換発
現ベクタープラスミドを含んでいた。これらの細胞を2
%のグルコースと0.15%のKH2PO4を含むYNB培地(ディ
フコ(Difco))中で、OD600が2.0になるまで生育さ
せ、採取し、(PHO5プロモーターを活性化するための30
mgのKH2PO4を含む)低リン酸塩YNB培地中で希釈し、60
時間再生育させた後、採取した(OD600約2.0)。次い
で、細胞を0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液で洗浄し、1%
トライトン(Triton)X−100、0.1mMフェニルメチル−
スルホニルフルオリド(PMSF)を含む同じ緩衝液の1/10
0容積中に再分散し、ガラスビーズ(シグマ(Sigma)、
IV型、250−300ミクロン)と共に混合することによって
破壊した。或いは、細胞を洗浄し、1Mソルビトールに再
分散し、β−グルクロニダーゼ(ベーリンガー(Boehri
nger);1%溶液)と共に100mMβ−メルカプトエタノー
ル中で30℃で、プロプラストを生成し、これを次に1%
トライトンX−100で溶解した。細胞抽出液を、10,000r
pmで15分間遠心分離することによって透明にして、いわ
ゆる「ペリプラズム画分」を生じ、HSAを下記のような
免疫および電気泳動法によって検定した。
マイクロELISA試験 ELISAプレートに、抗−HSA−Ab(プロテインA−セフ
ァロース4Bカラム上でウマ血清から精製、ヒューマン
(HUMAN)製品、ハンガリー)をコーティングし、0.5%
ゼラチン(シグマ(Sigma))で飽和した。コーティン
グしたウェルに100μlの透明にした酵母細胞抽出液を
適当な希釈率で成層し、37℃で1時間インキュベーショ
ンした。HSA−抗−HSA−Ab結合を、ビオチン化したセイ
ヨウワサビペルオキシダーゼ−ストレプトアビジン錯
体、基質としてのH2O2および展開剤としてのオルト−フ
ェニレンジアミンを用いて、通常の呈色反応によって観
察した。
ウェル当たり精製したHSA(レアナル(Reanal)、ハ
ンガリー)2μl〜15μlの範囲の連続希釈物を、較正
のために用いた。1000倍希釈したヒト結成を陽性コント
ロールとして用い、ゼラチンコーティングしたウェル並
びに非組換え酵母細胞(LL20、HSA検定用に加工)はマ
イクロ−ELISA試験におけるネガティブコントロールと
して用いた。呈色反応は、ケンブリッジ・ライフ・サイ
エンシズ・リミテド(Cambridge Life Sciences Ltd.)
英国、のマイクロプレートリーダーで評価した。35 S−メチオニン−標識したタン白質の免疫沈澱 組換え酵母細胞の全細胞タン白質細胞を、1ml当たり4
0μgCiの35S−メチオニンを含む「低メチオニン、低リ
ン酸塩」YNB培地中で30℃で16時間培養することによっ
て、組換え酵母細胞の全タン白質を35S−メチオニンで
標識した。
20μlのウマ抗−HSA血清を、透明にした細胞溶解物
(0.5ml)の108個の細胞数のものに加え、0.1Mリン酸緩
衝液、pH8.0中で4℃で90分間処理した。免疫沈澱物を1
mlプロテインA−セファロース(ファルマシア(Pharma
cia)上に4℃で90分間吸着させ、洗浄した。免疫沈澱
したタン白質をプロテインA−セファロースビーズ(コ
ナー、ジー・イー(Conner,G.E.)ら、J.Exp.Med.156,1
475,1982))から溶出させ、15%SDS−ポリアクリルア
ミドゲル上で分割し、フルオログラフィを行った。35S
−メチオニン標識した非組換えLL20細胞から得られる透
明な抽出液とB型肝炎表面抗原(HBsAg)を発現する組
換え酵母株の抽出液をコントロールとして用いた。
結果 プラスミドpBY2/HSA No.1およびpYHSA221で形質転換
した酵母細胞は、HSAタン白質を活発に産生し、これはE
LISAによって容易に検出され、またHSAに対する特異抗
血清で沈澱することができた。
マイクロELISA試験によれば、HSAの比率は全細胞タン
白質の3〜8%であった。
第10図は、ペリプラズム画分から得られヤギ抗HSA血
清で免疫沈澱し、SDS−ポリアクリルアミドゲル中で分
割した35S−メニオニン標識タン白質のフルオログラフ
を示す。
トラックMは、14C−タン白質分子量マーカー混合物
(BRL)であり;トラックAは、抗−HBsAg抗体で沈澱し
た組換え35S−HBsAgであり;トラックBは、抗HSA血清
で沈澱した組換え酵母中に産生される標識HSAであり;
トラックCおよびDは、それぞれ抗HSA血清とHBsAg含有
酵母溶解物との交差免疫反応の欠除および抗HBsAg血清
とHSA溶解物との交差免疫反応の欠除を示している。
免疫沈澱したHSAの電気泳動の易動度は、67kdの標識
タン白質マーカーの易動度とほぼ同じであった。この結
果はPHO5遺伝子の全シグナルペプチドを含む発現ベクタ
ーの構成によってペリプラズム空間に分泌されるHSAタ
ン白質の大半は正確に加工されて、成熟(天然の)HSA
の大きさを有するタン白質生成物を生じることを示して
いる。
2種類の独立したイムノブロッティング(ウェスタン
ブロッティング)の実験では、同じ分子質量のタン白質
であることを示していた。
酵母培養液からの発現したHSAの実験室規模での精製 pBY2/HSAまたはpYHSA221で形質転換した酵母細胞の50
0ml培養液を、0.15%(重量/容積)KH2PO220mg/リット
ルL−ヒスチジン、および2%(重量/容積)グルコー
スを含む0.67%YNB培地(ディフコ(DIFCO))中で、30
℃でOD600=2.0まで(通常は24〜48時間)生育させた。
細胞を2000xgで5分間遠心分離することによって集め、
KH2PO4を30mg/リットル、0.1%(重量/容積)KCl、20m
g/リットルのL−ヒスチジンおよび2%(重量/容積)
のグルコースを含む0.67%(重量/容積)YNB培地10リ
ットルに再分散した。培養液の生育を60時間(OD600
1.8〜2.0)行った後、細胞を遠心分離(4000xg、5分
間)によって集め、氷冷蒸留水で2回洗浄し、200mlの
0.1%のトライトン(Triton)X−100、0.5MのNaCl、20
mMトリス−HCl、pH7.5、100mMβ−メルカプトエタノー
ルおよび1mM PMSFに再分散した。細胞を、予備冷却した
ガラスビーズ細胞ホモジナイザー(ブラウン(Brun)MS
Kモデル)中で60秒間ホモジナイズした。細胞抽出液
を、高速遠心分離(20000xg、4℃、30分間)によって
透明にした。透明にした溶解液のpHを(1M HClを滴下し
て加えることによって)4.0〜5.0に調整し、次いで、硫
酸アンモニウムの飽和溶液を加えて最終濃度を飽和時の
60%とした。混合物を氷水浴で2時間撹拌した後、ソル
バル(Sorvall)RC−5C遠心分離機で18000rpm(2℃)
で30分間遠心分離した。ペレットを100mlの50mMビス−
トリス緩衝液、pH6.5に溶解した後、同じ緩衝液20容積
に対して一晩透析した。透析した溶解液を遠心分離(18
000rpm、2℃)を30分間行い、透明な上澄液を同じ緩衝
液で平衡にしたスーペロース(Superose)MONO Q HR 5/
5FPLCカラム(ファルマシア(Pharmacia))に適用し
た。
アニオン交換クロマログラフィおよび総ての連続的クロ
マトグラフィ精製工程は、ファルマシア(Pharmacia)F
PLCカラム上で行った。
短時間のNaCl線形グラディエント(0.0〜0.1M)の
後、0.1M NaCl(イソクラチック溶出)で溶出するタン
白質を集め、0.05M Na−リン酸塩緩衝液、pH7.5に対し
て透析した。この画分を、アルキル−スーペロース(Al
kyl−Superose)HR 5/5カラム上で疎水性相互作用クロ
マトグラフィに付した。
固形の硫酸アンモニウムを上記の透析した画分に加
え、最終濃度を2.0Mに調整し、試料を50mM Na−リン酸
塩緩衝液中2M(NH42SO4で平衡にしたアルキル−スー
ペロース(Alkyl−Superose)HR 5/5カラムに加えた。
結合タン白質は、(NH42SO4の線形降下濃度グラディ
エントで溶出した。HSA含有画分は、約1.2M(NH42SO4
で溶出し、これは溶出画分のSDS−PAGEで観察した。
ゲル濾過 前記の工程からの「HSA」画分をアミコン(Amicon)
撹拌セル(フィルター:PM−30)中で限外濾過によって
濃縮した後、0.15M NaClを含む50mM Na−リン酸塩緩衝
液、pH7.5で平衡にしたスーペロース(Superose)12 HR
10/30カラムに充填した。ゲル濾過時の最初の大きなピ
ークは、レムリ(Laemmli)英国、Nature 227,680(197
0)のSDS−PAGEによって試験したところ、高度に精製さ
れたモノマー性HSAを含んでいた。他の分子分析は、
「原始的」条件でのPAGE、IEFおよび限定CNBr−開裂
(バーシュ、ジー・エス(Barsh,G.S.)およびバイアー
ス、ピー・エイチ(Byers,P.H.)、(1981)Proc.Natl.
Acad.Sci.UAS 78:5142−5146)を行った。
組換え酵母から精製したHSAの分子特性 酵母細胞から精製したHSAは、SDS−ポリアクリルアミ
ドゲル中で単一の68キロダルトンのタン白質バンドとし
て示され、これは成熟した天然のHSAと同じ分子質量を
有することを示していた。
原始的条件下(製造業者の指示により、ファルマシア
(PHARMACIA)の10〜15%ファースト・ゲル(PHAST GEL
S)で実施)の電気泳動では、酵母によって産生されるH
SAの挙動は天然の成熟したHSAの挙動と同じであり、恐
らく分子間−S−S−橋掛け結合が無作為に形成される
ことによる2、3または多量体複合体を形成するという
同様な傾向も有していた。
酵母に産生されたHSAにグリコシル化がないことは、
コン・エイ−セファロース(Con A−Sepharose)クロマ
トグラフィによって証明された。
HSA産生酵母細胞から得られる部分的に精製されたタ
ン白質500μlを、20mMトリス−HCl、pH7.4および0.5M
NaClを含む1.5ml緩衝液中で、膨潤したコン・エイ−セ
ファロース(Con A−Sepharose)(ファルマシア(Phar
macia)750μlに結合させた。懸濁液を一晩4℃で緩や
かに振盪し、コン・エイ−セファロースを12,000xgで10
分間遠心分離することによって(未結合タン白質を含
む)緩衝液から分離した。次に、このコン・エイ−セフ
ァロースゲルを、100mlの同緩衝液で25mmの円形のワッ
トマン(Whatman)GF/Aフィルターを通して濾過するこ
とによって洗浄した。
結合タン白質を、20mMトリス−HCl、pH6.8、0.25Mα
−D−メチルマンノシド(サーヴァ(Serva))および
0.25M NaClを含む緩衝液で溶出した。
未結合および(コン・エイ−セファロースゲルに対し
て)結合タン白質画分を10mMトリス−HCl(pH6.8)に対
して透析し、(1)レムリ(Laemmli)英国、Nature 22
7,680(1970)によるSDS−PAGE、および(2)ELISA試
験に付して、HSAの存在を調節した。
同様な方法は、精製したHSAの画分に対しても適用し
た。
それぞれの場合に、SDS−PAGE及びELISA試験の結果、
68kdのタン白質のConA−結合タン白質および抗−HSA−A
bと免疫反応を示すタン白質の画分は存在しないことが
判った。HSAは、試料を適用したときコン・エイ−セフ
ァロースに結合しないタン白質画分から定量的に回収さ
れた。
これらの結果は、酵母中で産生されるHSAの分子には
グリコシル化がないことを示している。
限定タン白質分解によるペプチドマップ作成の前に、
還元剤を添加せずに0.5%(重量/容積)SDSの存在下試
料を加熱変性し、10〜20分間酵素消化を行った。サブチ
リシン、サーモリシン、トリプシンおよびパパインを用
いた。CNBrによる開裂は、バーシュ(Barsh)ら(同
上)によって記載されたのと同様に行った。
第12図は、開裂したポリペプチドのSDS−PAGE分離に
よって冷時されるのと同様に、天然HSA(AおよびC)
(材料源から前記のようにして精製)および酵母によっ
て産生されたHSA(BおよびD)のCNBr開裂パターンを
示している。消化の後に、SDSおよびβ−メルカプトエ
タノールを、それぞれ2.5%および10%の濃度(重量/
容積)になるまで加えた。試料を8〜25%グラディエン
トのファースト・ゲル(PHAST GEL)(ファルマシア(P
HARMACIA))に充填し、電気泳動を製造業者の指示にし
たがってファルマシア・ファースト・ゲル(PHARMACIA
PHAST GEL)で行った。
得られた結果は、組換え酵母から精製したHSAは、天
然HSAと同様のタン白質分解酵素および臭化シアンによ
る分解パターンを示した(特に、酵母によって産生され
たHSAは、使用条件下では天然HSAよりもパパインによっ
て消化され難った)。
酵母から精製したHSAの試料を、アプライド・バイオ
システムズ(Applied Biosystems)470 A型気相シーク
エンサーでN末端配列決定を行った。配列決定の結果
は、予測したアミノ酸残基以外のものは見られなかっ
た。
培養液中へのHSAの分泌を促進するプラスミドベクター
の構成 新規な発現−分泌ベクターの構成についての実験法
は、プレプロHSAは生体外で酵母KEX2エンドペプチダー
ゼによって正確に処理されて成熟したAsp−Ala−HSAを
生成するという知見に基づいていた(バトゥスト、アイ
・シー(Bathurst,I.C.)ら、1987,Science 235,348−3
50)。天然のN−末端HSAプレプロ−リーダ−ペプチド
は、組換え酵母からのHSAの分泌を促進することができ
る配列として評価した。
HSAプレプロ−リーダーペプチドをコードする103−
mer合成DNAフラグメントの配列を、次のようにしてデザ
インした。
ATGコドンの上流の配列(27ヌクレオチド)は、強力
な構成酵母プロモーターの下流末端、すなわちグリセル
アルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPD
H;ホランド、ジェイ・ピー(Holland,J.P.)およびホラ
ンド、エム・ジェイ(Holland,M.J.),1979,J,Biol.Che
m.,254,9839−9845)をコードする遺伝子の下流末端)
に極めて類似するようにデザインした。上記のDNA配列
の他の特徴には、酵母コドンの極めて頻繁な利用と、AA
G AGGコドンによってコードされる「理想的」KEX2開裂
部位(K−R;クリャーン、ジェイ(Kurjan,J.)お
よびヘルシュコビッツ、アイ(Hershkovitz,I.)1982,C
ell 30,933−943)があり、このコドンが、このデザイ
ンによれば、Stu I制限エンドヌクレアーゼ消化部位と
一致する。
1. HSA No.1の遺伝子を含むpHSA−Tプラスミドおよび
酵素His3転写ターミネーターの構成 pHSA No.1(すなわちHSAをコードする遺伝子からの1.
8kbのHind III−Sac Iフラグメントを、Hind IIIおよび
Sac I部位でpGB3−229TK゜(第3b図)にクローニングし
た。HSA遺伝子を挿入した後には(His3ターミネーター
領域に配置された)Pst I部位が二倍になるので、この
クローニング工程の前に、Pst I部位を欠失させた。0.5
μlのpGB3−229TK゜を、20μlの培地塩緩衝液中で10
単位のPst Iで37℃で2時間処理した。フェノール抽出
およびエタノール沈澱の後、ペレットを0.1mM dNTPと2.
5単位のクレノウポリメラーゼを含む50μlのクレノウ
緩衝液に溶解し、反応混合物を室温で40分間保持した。
次いで、反応混合物をフェノール抽出およびエタノール
沈澱した。DNAペレットを、100μlのリガーゼ緩衝液に
溶解し、50単位のT4DNAリガーゼを加えた。リガーゼ反
応を15℃で15時間行った後、大腸菌JM109の形質転換を
行った。Pst I部位を含まない(全形質転換体の約30%
からの)プラスミド(pGB3Tと命名)を選択して、下記
の方法でHSA遺伝子の挿入に用いた。
(a) 2μlのpGB3Tを、低濃度塩緩衝液中で10単位
のSac Iで最終容積が20μlで37℃で4時間消化した。
次に、緩衝液をHind III消化に最適になるように調整
し、10単位のHind IIIを加え(最終容積40μl)処理を
37℃で更に4時間行った。2.06kbのベクターが、0.8%
アガロースゲル中に分離した。
(b) 5μlのpHSA No.1をSac IとHind IIIで前記と
同様に消化した。1.8kbのHSAフラグメントが0.8%アガ
ロースゲルから単離した。
(c) 2.06kbのpGB3Tベクターと1.8kbのHSAインサー
トの連結を、(80単位のT4DNAリガーゼを含む)20μl
の結合混合物中で15℃で16時間行った。大腸菌JM109細
胞(ヤニッシュ−ペロン、シー(Yanisch−Perron,C.)
ら、同上)を形質転換した。テトラサイクリン感受性の
形質転換体から単離されたプラスミドを、制限酵素消化
パターンについて、例えばSal IとXho Iを用いる二重消
化によって試験した。
生成するプラスミドをpHSA−Tと命名した(第11
図)。
2. 強力な構成プロモーターおよび人工プレプロ−リー
ダー配列のpHSA−Tへの挿入; プラスミドpGprepro*HSA−Tの構成(第11図) (a) GAPDHプロモーターの下流の人工のプレプロ−
リーダー−コード配列のクローニング 0.5μlのM13/GPD−3(RF)DNA(ビター、ジー・エ
イ(Bitter,G.A.)およびエーガン、ケイ・エム(Egan,
K.M.)(1984)Gene 32,263−274)を、培地塩緩衝液中
で5単位のEcoR Iで37℃で2時間処理した後、高濃度塩
緩衝液中で5単位のBamH Iによって37℃で更に2時間消
化を行った。消化をフェノール抽出およびエタノール沈
澱によって停止した。DNAペレットを70%エタノールで
洗浄し、真空乾燥し、5μlのH2Oに溶解して、人工HSA
プレプロ−リーダーとリガーゼ反応させた。
連結混合物は、15μlのリガーゼ緩衝液中に、EcoR I
−BamH I処理したM13/GPD−3DNA、1pmolの合成二本鎖10
3−mer DNAフラグメント(プレプロ−リーダーをコー
ド)および80単位のT4DNAリガーゼを含んでいた。リガ
ーゼ反応は15℃で16時間行い、その後大腸菌JM109に形
質転換した。
ファージ形質転換体を、ジデオキシヌクレオチド配列
法によって103−mer BamH I゜−EcoR Iプレプロ−リ
ーダー−コードフラグメントの挿入についてスクリーニ
ングした。
GAPDHプロモーターの後に配置されたHSAプレプロ
リーダー−コード配列を含む形質転換体を、M13/Gprepr
oKRと命名した(第11図)(「KR」はLys−Argを表わ
し、GはGAPDHプロモーターを表わす)。
GAPDHプロモーター−プレプロ配列融合体の後のHSA遺
伝子のクローニング: pGpreproHSA−Tの構成 (a)pHSA−TをPst Iで消化し(0.5μl DNA、5単位
のPst I、37℃、4時間)、開裂した3′−突出末端を
クレノウポリメラーゼで処理して平滑末端とした。次い
で、線形化したプラスミドを、更に5単位のHind IIIで
開裂し(37℃、4時間)、フェノール抽出およびエタノ
ール沈澱を行った。
(b) 20単位のHind IIIと20単位のStu Iで5μlの
プラスミドDNAを同時消化(培地塩緩衝液中、37℃、5
時間)することによって、GAPDHプロモーター+人工プ
レプロ−リーダー−コード配列を、M13/GプレプロK
Rから単離した。0.75kbのプロモーター+プレプロ
ラグメントを、1%アガロースゲル中で電気泳動によっ
て単離し、電気溶出し、フェノール抽出およびエタノー
ル沈澱を行った。
(c) 精製したプロモーター+プレプロフラグメン
トをPst I(平滑)−Hind III処理したベクターpHSA−
T中に連結し(20μl混合物中、15℃、16時間)、次い
で大腸菌JM101の形質転換を行った。得られたプラスミ
ドpGpreproHSA−T(第11図)を、制限エンドヌクレ
アーゼ開裂部位を決定することによって試験した。
プレプロ−HSA−発現−分泌カセットを含む酵母−大
腸菌シャトルベクターの構成 プレプロ−HSA発現カセットを、Hind III+Xho I消
化(2μl DNA、20μl高塩濃度緩衝液中、それぞれ10
単位のHind IIIとXho I、37℃、10時間の後、0.8%アガ
ロースゲル上での電気泳動分離、電気溶出、フェノール
抽出およびエタノール沈澱)によって、pGpreproHSA
−Tから単離した。Hind III−Xho Iフラグメントを、
次に(Hind IIIとSal I部位の間の)pJDB207に連結し
て、YEp/GpreproHSA(第11図)を生成し、これを酵母
LL20の形質転換に用いた。酵母形質転換はYNB−寒天プ
レート(ロイシンを欠く)上で選択した。HSAの発現と
分泌を、下記のような振盪−フラスコ培養で試験した。
pYEpreproHSAで形質転換した組換え酵母によるHSA(Y
Eprepro−HSA)の発現および分泌 酵母YEpreproHSAの単一コロニーを2%グルコース
と200μl/mlヒスチジンを含む10mlのYNB培地に接種し、
細胞を30℃で一晩連続振盪培養した。一晩培養液の1ml
を、前記の培地200ml中に加えて希釈して、更にOD600
2.0になるまで生育させた。細胞を遠心分離(6,000rp
m、4℃、15分間)によって沈澱し、上澄液を集めて、P
M30フィルターを供えたアミコン(Amicon)製撹拌限外
濾過セルを用いて10倍に濃縮した。濃縮した細胞液を20
mMトリス/グリシン、pH8.3、1mM EDTA、5mMβ−メルカ
プトエタノールおよび0.01%SDSに対して一晩透析し
た。
分泌されたHSAを、前記と同様に定量用マイクロ−ELI
SAによって評価した。
酵母細胞YEpreproHSAによって、100ml培地当たり少
なくとも3000μlのHSAが産生されることが判った。
分泌されたHSAを、SDS−ポリアクリルアミドゲル−電
気泳動の後、通常の方法によるイムノブロッティングお
よび染色を行った。
成熟HSA(68kd)は、培地中に観察される主要生成物
であるが分子質量が46〜48kdのHSAのフラグメントも、
産生された総HSAの約1/3量検出された(第13図)。68kd
の成熟HSAは、酵母培養物からの発現したHSAの実験室規
模での生成に関して前記した通り、一連のクロマログラ
フィ工程およびゲル濾過(スーペロース(Superose)12
HR10/30上)によって容易に精製することができた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:865) (72)発明者 アベルグ,ベルティル スエーデン国ストックホルム、エリック ダールベルグスアーレン、3 (72)発明者 シモンスシッツ,アンドラス スエーデン国ストックホルム、タバスト ガタン、11 (72)発明者 カールマン,ミクロス ハンガリー国セゲド、シャカブ、エル、 ユー、12 (72)発明者 セルパン,イムレ ハンガリー国セゲド、サモス、1/アー (72)発明者 バジザール、グヤルキー ハンガリー国セゲド、バーグ、ユー、3 /アー (56)参考文献 特開 昭62−29985(JP,A) 特表 昭59−501097(JP,A) J.Biol,Chem.,Vol. 257,No.6,P.3026−3031(1982) Nucleic Acids Re s.,Vol.14,No.13,P.5125 −5143(1986) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 C12N 1/19 BIOSIS(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記のヌクレオチド配列を特徴とする、真
    正のヒト血清アルブミンをコードする構造遺伝子
  2. 【請求項2】メチオニンをコードするヌクレオチド配列
    が上流に付加された、請求の範囲第1項に記載の構造遺
    伝子。
  3. 【請求項3】コドンが非ヒト宿主に関して選択されてお
    り且つ下記のアミノ酸配列 をコードするヌクレオチド配列に上流に伸長された、請
    求の範囲第1または2項に記載の構造遺伝子。
  4. 【請求項4】コドンが酵母宿主に関して選択されてな
    る、請求の範囲第3項に記載の構造遺伝子。
  5. 【請求項5】アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配
    列が下記の通りであることを特徴とする、請求の範囲第
    4項に記載の構造遺伝子。
  6. 【請求項6】ベクターに挿入される、請求の範囲第1〜
    5項のいずれか1項に記載の遺伝子を含んで成る組換え
    DNA分子。
  7. 【請求項7】請求の範囲第6項に記載の組換えDNA分子
    で形質転換された、酵母。
  8. 【請求項8】真正のヒト血清アルブミンをコードする構
    造遺伝子の産生法であって、 (a) 真正のヒト血清アルブミンの発現用に選定した
    非ヒト宿主に関してコドンを選択し、このコドンの選択
    が下記の通り行われることによって、真正のヒト血清ア
    ルブミンをコードするヌクレオチド配列をデザインし、 即ち、遺伝子のアッセンブリの際に用いられる制限部位
    の出現を回避し、 特異的な酵素に対して一つの独特の開裂部位を作成し、
    化学的に合成され、クローニングされる遺伝子の部分内
    に8塩基対以上の長さのパリンドロームを除去するよう
    に、 まず、選定したピークヒト宿主によって最も頻繁に用い
    られるコドンを選択し、 次に、選定した非ヒト宿主によって第二および第三位に
    用いられるコドンを選択し; (b) デザインしたヌクレオチド配列を化学的に合成
    される5′−フラグメントとクローニングされる若干数
    のフラグメントとに分割して、この若干数のフラグメン
    トの接合点が適切に配置されたG−Cジヌクレオチド配
    列にあるようにし、 (c) 前記の(b)でデザインした若干数のフラグメ
    ントに、(b)の5′−フラグメントに接合するフラグ
    メントを除いて5′−末端にエキストラヌクレオチド配
    列GGATCを補足することによってこのデザインした若干
    数のフラグメントを改良し、更にこの若干数のフラグメ
    ントを3′−ヌクレオチドGを有するサブユニットに分
    割し、このサブユニットを次に個別的にエキストラヌク
    レオチド配列GGCCで補足し、 (d) 自体公知の方法で一本鎖の形態の(c)の補足
    され改良されたサブユニットをそれぞれ化学的に合成
    し、また自体公知の方法で二本鎖の形態の(b)の5′
    −フラグメントを化学的に合成し、 (e) (c)の補足され改良された若干数のフラグメ
    ントの5′−末端から始め、アダプターと酵素的充填反
    応の助力によって自体公知の方法で(d)の合成サブユ
    ニットを連続的に若干数の個々の組換えベクター中にク
    ローニングして、(c)の補足され改良された若干数の
    フラグメントに相当する遺伝子のクローニングされた二
    本鎖フラグメントを形成し、 (f) 酵素Kpn Iおよび酵素Apa Iで、(e)の若干数
    の組換えベクターを、一方は作成された5′−末端のKp
    n I制限部位で、他方は作成された3′−末端のApa Iの
    制限部位で、それぞれ対に開裂して、自体公知の方法で
    一本鎖の特異酵素によって平滑末端とされる粘着末端を
    形成し、それぞれ末端ヌクレオチドCおよび末端ヌクレ
    オチドGは残し、続いて目的とする対の組換えベクター
    の両者に独特な開裂部位を有するもう一つの制限酵素で
    開裂することによって、(e)のクローニングした二本
    鎖フラグメントをまとめ、 一方において遺伝子のクローニングされたフラグメント
    を含む線形ベクターと他方において遺伝子開裂したフラ
    グメントを形成し、前記の2つのフラグメントを自体公
    知の方法で平滑末端で酵素的に接合し、遺伝子のヌクレ
    オチド配列中に含まれるジヌクレオチドG−Cを接合点
    に形成し、 最終的に、二本鎖の形態の(b)の若干数のデザインさ
    れたフラグメント全てを含む組換えベクターを得て、 (g) (f)で得られる組換えベクターに(d)の化
    学的に合成した5′−フラグメントを補足して、真正の
    ヒト血清アルブミンをコードする全構造遺伝子を形成す
    る工程を含んでなる方法であり、 (a)において、選定される非ヒト宿主が酵母であり、 (b)において、デザインされたヌクレオチド配列が下
    記の通りであり、 (但し、矢印は化学的に合成される最初の5′−フラグ
    メントとクローニングされる4個のフラグメントとを分
    割する点を示す)、 (c)において、(b)の改良フラグメントの補足され
    た一本鎖サブユニットが下記の通りであり、 (e)において、(d)の合成サブユニットを下記のア
    ダプターを用いて4種類の大腸菌ベクターに連続的にク
    ローニングし、 (f)において、一本鎖の特異的酵素がクレノウポリメ
    ラーゼであることを特長とする、構造遺伝子の産生法。
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