JPH0669365B2 - アルブミン遺伝子を含むプラスミド、形質転換体、形質転換体の製造方法、アルブミンの製造方法 - Google Patents

アルブミン遺伝子を含むプラスミド、形質転換体、形質転換体の製造方法、アルブミンの製造方法

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JPH0669365B2
JPH0669365B2 JP1234481A JP23448189A JPH0669365B2 JP H0669365 B2 JPH0669365 B2 JP H0669365B2 JP 1234481 A JP1234481 A JP 1234481A JP 23448189 A JP23448189 A JP 23448189A JP H0669365 B2 JPH0669365 B2 JP H0669365B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は遺伝子組換技術を応用してアルブミンを製造す
るために使用されるプラスミド、当該プラスミドにより
形質転換された酵母宿主、形質転換酵母細胞の製造方法
および上記プラスミドにより形質転換された酵母宿主か
らアルブミンを製造する方法に関する。
〔従来技術〕
アルブミン、特にヒト血清アルブミン(以下でHSAで呼
称する)は血漿の主要な蛋白構成成分である。この蛋白
は肝臓中で作られ、主に血流中で正常な浸透圧を維持す
る責を負う。
また種々の血清分子のキャリアーとしての機能を持って
いる。
HSAは種々の臨床上の状況において投与される。例え
ば、ショックや熱傷患者では血液量を元に戻し、それに
より外傷に関連するいくつかの症状を改善させるため
に、通常はHSAの頻回投与を必要とする。低蛋白血症や
胎児性赤芽球症に罹っている患者にもHSAによる治療を
必要とすることがある。
従って、HSAを投与する基本的な治療上の意義は、外科
手術、ショック、火傷、浮腫を起こす低蛋白血症におけ
るがごとく、血管からの液体の損失がある様な状態を治
療する点に存する。
現在、HSAは、主として採取した血液の分画からの産物
として製造されている。この製造法の欠点は不経済であ
ることと、血液の供給が困難であるということである。
また、血液は肝炎ウイルスのように好ましくない物質を
含んでいることがある。従って、HSAの代替の原料を開
発することが有益となろう。
ところで、組換DNA技術の出現によって多種多様の有用
なポリペプチドの微生物による生産が可能となった。多
くの哺乳動物ポリペプチド類、例えばヒト成長ホルモ
ン、インターフェロンが既に種々の微生物により生産さ
れている。この技術によって種々の有用なポリペプチド
の微生物による生産が可能となり、種々のワクチン、ホ
ルモン、酵素、抗体を微生物に生産させることができる
ようになった。
しかしながら、微生物、特に大腸菌由来の蛋白質標品に
は夾雑エンドトキシンがしばしば見出される。これは目
的とする蛋白質製品から除去しなければならない。
細胞により分泌される蛋白質の安価で且つ有利な製造の
前提条件となる大きな規模において哺乳動物細胞を増殖
せしめることは困難であることが証明されている。哺乳
動物細胞の世代時間は微生物のそれに比べて相当長く、
従って、十分に高い細胞濃度を得るために長時間の培養
が要求される。また、哺乳動物細胞の培養によって得ら
れる細胞濃度は、微生物の大規模生産において一般に到
達する細胞濃度に比べて相当に低い。その上、細胞株の
改良を行うことが微生物に比較して困難である。
すべての真核生物は遺伝情報を発現する機構を有するか
ら、真核生物遺伝子の発現は、大腸菌等原核生物におい
てよりも真核生物宿主において一層効率的に行われるで
あろう。使用に適する真核生物の内、酵母が最も取扱い
やすい。酵母の分泌経路はより高等な動物細胞のそれに
類似しており、そして酵母細胞は、シグナル配列(蛋白
質の非荷電N−末端部分、通常は分泌輸送中に切断され
る)を切断することによって蛋白質をプロセシングする
ことができることが知られている。さらに、真核性宿主
の分泌経路に入り、そして通過する蛋白質は、細胞質中
で合成された蛋白質に比べて高度の三次元構造を形成す
るようである。大腸菌のごとき原核生物は高次構造を有
する大形蛋白質を有しないように見えることは興味ある
ことである。
グリコシル化系が分泌系に関連する。グリコシル化蛋白
質を導く基本的段階はすべての真核生物において類似し
ており、そして酵母細胞は、大腸菌のような原核細胞と
異なりグリコシル化された蛋白質を生産することができ
る。
酵母は微生物であるから、これを培養するのは容易であ
る。培養液の容積当りから得られる細胞量は、大腸菌に
比べて酵母の方が相当に高い。さらに、酵母の発酵的挙
動によく理解されており、そして大規模発酵のための条
件はすでに確立されている。その上、酵母細胞はエンド
トキシンを含有しない。
従って、工業微生物学の十分に開発された技法と最近開
発された組換DNA技法とを用いて酵母によりHSAをはじめ
とするアルブミンを製造することが有利なことが明らか
である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかして、宿主生物として酵母を用いる組換DNA技法に
よりHSAを製造するための幾つかの方法が知られてい
る。
HSAの大量生産を目指す場合、酵母の大量培養が必須で
ある。現在の技術で形質転換酵母を培養する場合、培養
途中に目的遺伝子を含むプラスミドが、宿主細胞から頻
繁に脱落する。それを防止するためには、該プラスミド
中に選択マーカー(例えば、栄養要求性マーカー、薬剤
耐性マーカー)を付与することが必要である。しかしそ
の場合には培地中に、その選択マーカーに対応するアミ
ノ酸あるいは薬剤等を添加あるいは除去しなければなら
ず、コスト面で負担がかかる。
従って、選択圧をかけることなく、目的遺伝子すなわち
アルブミン遺伝子、特にHSA遺伝子を保持するための組
換え用プラスミド、その組換えプラスミドを用いた形質
転換体およびその方法、さらにはアルブミン、特にHSA
の新規製造方法を提供することが本発明の目的である。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、本発明の次の要旨を有するものである: (1)少なくともプロモーターにより制御されるアルブ
ミンコード領域を含み、かつ宿主酵母染色体配列に相同
な配列を含んでなる、宿主酵母細胞の染色体に組み込み
可能で、酵母細胞内で自律増殖不可能であるという性質
を有する異なる2種類以上のプラスミドが、酵母細胞の
染色体の異なった部位に組み込まれた酵母宿主。
(2)異なる宿主酵母染色体配列に相同な配列を有する
異なる2種類以上のプラスミドを順次又は同時に宿主酵
母細胞の染色体に組み込んで形質転換することからなる
形質転換酵母の製造方法。
(3)酵母由来のプロモーターにより制御されるアルブ
ミンコード領域を含み、かつ宿主酵母細胞染色体配列に
相同な配列を含んでなる宿主酵母細胞の染色体に組み込
み可能で、酵母細胞内で自律増殖不可能なプラスミドに
より形質転換された酵母宿主を培養してアルブミンを生
成せしめ、これを採取することを特徴とするアルブミン
の製造方法。
以下に、HSAを中心として本発明を具体的に説明する。
本発明で用いられるプラスミドは、宿主酵母染色体中に
存在する遺伝子の一部のDNA配列(例えば、LEU2、HIS
4、TRP1、URA3、ribosome DNA遺伝子等)を含有する。
相同な配列により、全プラスミドまたはその線状断片は
組換により宿主染色体に安定に導入することができる。
即ち、増殖中、子孫細胞は選択圧が存在しない場合でも
導入された遺伝物質を安定に保持する。
例えば、酵母染色体遺伝子中の天然に存在する配列およ
びHSA遺伝子を含むプラスミドは、前記染色体遺伝子の
座に安定に組み込まれ得る。
本発明の宿主酵母染色体配列に相同な配列は、特にアミ
ン酸または核酸合成系遺伝子、ribosome DNA、Ty因子等
が使用できる。特に、アミノ酸または核酸合成系遺伝子
は、宿主酵母がアミノ酸または核酸栄養要求性株である
時、すなわち、核アミノ酸または核酸合成系遺伝子が欠
損している株においては、宿主の変異を補完する遺伝子
であるので、形質転換体の選択マーカーとして使用する
ことができる。この際、宿主酵母の栄養要求性は原栄養
性をもたらす。アミノ酸または核酸合成系遺伝子として
は例えばLEU2、HIS4、TRP1またはURA3がある。
酵母用の選択遺伝子マーカーとしては、上記のように、
宿主酵母が栄養要求性株である時、アミノ酸または核酸
合成系遺伝子のようなものが使用できるほか、宿主が抗
生物質感受性株である時は、該抗生物質耐性を発現する
遺伝子が使用できる。例えばシクロヘキシド、G418、ク
ロラムフェニコール、ブレオマイシンまたはハイグロマ
イシン等の抗生物質に対して耐性を付与する遺伝子があ
げられる。本発明で用いられるプラスミドが含有するア
ルブミンコード領域は、特にヒト血清由来のアルブミン
(HSA)と同一または相同なDNA配列であり、例えばHSA
を生産することができる任意のヒト細胞から得られる。
該DNAは染色体DNAまたはcDNAである。染色体DNAはHSA遺
伝子を含有する遺伝子ライブラリーから分離することが
でき、そしてHSA cDNAは公知の方法を用いてmRNA経路
を介して調製することができる。
本発明で用いられるプロモーターは酵母、好適にはサッ
カロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisia
e)のゲノムDNAに由来する。好ましくは、高発現酵母遺
伝子のプロモーターをHSAの発現のために使用する。即
ち、TRPI遺伝子、ADHIもしくはADHII遺伝子、酸性ホス
ファターゼ(PHO3もしくはPHO5)遺伝子、またはイソチ
トクロームC遺伝子のプロモーター、ガラクトース代謝
系のプロモーター(GAL1、GAL10もしくはGAL7)、イン
ベルターゼのプロモーター(SUC2)あるいは解糖系酵素
をコードする遺伝子のプロモーター、例えばエノラー
ゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲ
ナーゼ(GAPDH)、3−ホスホグリセレートキナーゼ(P
GK)、ヘキソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラー
ゼ、ホスホフラクトキナーゼ、グルコース−6−ホスフ
ェートイソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムター
ゼ、ピルベートキナーゼ、トリホスフェートイソメラー
ゼ、ホスホグルコースイソメラーゼおよびグルコキナー
ゼの遺伝子のプロモーター、あるいはa−ファクターま
たはα−ファクターをコードする酵母接合フェロモン遺
伝子のプロモーターを使用することができる。
また、本発明で用いられるプラスミドは、宿主酵母内で
自律的に複製できない。すなわち、宿主酵母内での自律
複製開始領域、例えば2μm DNAの複製開始領域やARS
領域(Autonomous replicating sequence)を実質的に
含まない。
本発明の他の好ましい態様においては、構成物中にシグ
ナル配列を導入する。シグナル配列は、酵母インベルタ
ーゼ、α−ファクター遺伝子のような酵母由来のシグナ
ル配列を使用することができる。また、HSAのシグナル
配列は好適であり、好ましくは酵母での分泌発現のため
に特に合成されたシグナル配列(特願昭63−103339号ま
たは特願昭63−33657号)を用いることもできる。
このシグナル配列の導入により、HSA遺伝子の発現の
後、遺伝子産物は分泌経路に入り、そしてペリプラズム
空間に輸送される。さらに細胞壁を通しての培地中への
分泌を達成することができる。これはより収量の相当な
増加が可能となる。さらに、細胞を破壊する必要がない
ので回収工程を単純化することが可能である。
また、本発明で用いられるプラスミドは転写停止のため
の適当なターミネーター、例えばPH05もしくはGAP−DH
ターミネーターを含有する。
このプラスミドはプロモーター、HSAコード領域および
宿主染色体相同領域とは別に、細菌宿主、特に大腸菌の
ための複製開始点および遺伝的選択マーカーを含有する
こともできる。大腸菌複製開始点および大腸菌のための
選択マーカーを酵母ハイブリドベクター中に使用するこ
とに関して有用な特徴が存在する。まず、大腸菌におけ
る増殖および複製により大量のハイブリドベクターDNA
を得ることができ、そして第2に、大腸菌に基礎を置く
クローニング技法のすべてを用いてハイブリドベクター
の構築を容易に行うことができる。大腸菌プラスミド、
例えばpBR322、pAT153等は大腸菌複製開始点、および抗
生物質、例えばテトラサイクリンおよびアンピシリンに
対する耐性をもたらす大腸菌遺伝マーカーを含有し、そ
して酵母ハイブリドベクターの部分として有利に使用さ
れる。
従って、本プラスミドは、プロモーター、該プロモータ
ーに制御されるアルブミンコード領域、それに続く転写
停止のためのターミネーターを含み、かつ宿主酵母染色
体配列に相同な配列を含むものである。また、本プラス
ミドは、所望により、分泌生産のためのシグナル配列、
酵母用の選択遺伝子マーカー、大腸菌の複製開始領域、
大腸菌用選択遺伝子マーカーを含有することができる。
そして、酵母の複製開始領域は実質的に含まないもので
ある。
本発明において、宿主としては酵母、特にサッカロマイ
セス属もしくはピキア属が使用される。好ましくは、栄
養要求性株や、抗生物質感受性株が使用できる。
この組換えプラスミドを用いて形質転換体を作製する方
法、ひいてはアルブミンを製造する方法は以下の通りで
ある。
組換えプラスミドを宿主酵母細胞の染色体上に導入す
る。具体的には、挿入するプラスミドの有する、宿主酵
母細胞の染色体に相同な配列中の任意の部位を制限酵素
処理により切断し、直線化したプラスミドを宿主に導入
することが望ましい。直線化されたプラスミドは、宿主
酵母細胞染色体上のプラスミドに組み込まれた領域と相
同な領域に組み込まれる。直線化されたプラスミドは環
状プラスミドより、宿主染色体上に組み込まれる頻度が
上昇する。この時使用する宿主酵母は、挿入されるプラ
スミドが担持する酵母用選択マーカー遺伝子によって相
補する変異を持った変異株、例えば、ロイシンおよびヒ
スチジン要求性変異株でかつG418感受性株であるサッカ
ロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)
AH22株(a,his 4,leu 2,can 1)等が好適に用いられ
る。
宿主酵母細胞の形質転換は公知の方法、例えばプロトプ
ラストポリエチレングリコール法、エレクトロポレーシ
ョン法などにより行う。
次に期待した部位へプラスミドが導入されているか否
か、および導入した遺伝子が安定であるか否かを調べ
る。具体的には、サザンブロッティング法により、形質
転換に利用した宿主酵母細胞の染色体配列に相同な配列
をプローブとして、期待通りの部位へプラスミドが導入
されていることを確認する。またアルブミンをコードす
る遺伝子の安定性を、アルブミン産生量および栄養要求
性の回復維持を指標に調べ、形質転換体を非選択培地で
数十代培養した後でも、変化しないことを確認する。
以上、確認試験を行った株は、確かに、アルブミンコー
ド領域を含むプラスミドが、宿主酵母細胞染色体の所望
の部位に組み込まれた形質転換体である。この形質転換
体を宿主として使用し、再度、アルブミンコード領域を
含むプラスミドで形質転換させることができる。この場
合、酵母細胞染色体相同領域としては、初めの形質転換
で使用した領域以外の相同領域も使用できる。
この他、宿主酵母細胞の染色体配列に相同な配列とし
て、ribosome DNAやTy因子(Transposon of Yeast elem
ent)も挙げられる。これらの遺伝子は細胞当り、複数
個存在するので、1回の形質転換で、複数個の目的遺伝
子を宿主染色体に組み込むことができる。
以下、具体的に組み込み方法を例示するが本例示は好適
な一手段を示すものであり、この手法に限定されるもの
ではない。相同配列部位は、選択的繰り返しにより代替
え可能である。
宿主としては、ロイシンおよびヒスチジン要求性変異株
でかつG418感受性株であるサッカロマイセス・セレビシ
エ(Saccharomyces cerevisiae)AH22株(ロイシン合成
系遺伝子のLEU2およびヒスチジン合成系遺伝子のHIS4に
変異を持つ株)を用いる。
まず、ロイシン非要求性とするための遺伝子、LEU2を宿
主酵母細胞の染色体配列と相同の配列として持つプラス
ミドで形質転換する。得られた形質転換体は、染色体上
のLEU2遺伝子部位にアルブミンコード領域を含むプラス
ミドが挿入されたものであり、ロイシン非要求性、すな
わちロイシン不含培地でも増殖できる株である。
次に、この形質転換体を宿主とし、ヒスチジン非要求性
とするための遺伝子、HIS4を宿主酵母細胞の染色体配列
と相同の配列として持つプラスミド(もちろん、アルブ
ミンコード領域も含有する)で形質転換する。得られた
形質転換体は染色体上のHIS4遺伝子部位にアルブミンコ
ード領域を含むプラスミドが挿入されたものであり、ヒ
スチジン非要求性、すなわちヒスチジン不含培地でも増
殖できる株である。この時点で、発現のための目的遺伝
子であるアルブミン遺伝子は、LEU2およびHIS4の2箇所
に導入されている。
次に、上記ロイシンおよびヒスチジン非要求性になった
形質転換体を宿主として、TRP1を宿主酵母細胞の染色体
配列と相同の配列として持つプラスミドで形質転換す
る。このプラスミドは、アルブミンコード領域はもちろ
ん、G418耐性遺伝子も含有するものである。得られた形
質転換体は染色体上のTRP1遺伝子部位にアルブミンコー
ド領域およびG418耐性遺伝子を含むプラスミドが挿入さ
れたものであり、抗生物質G418に対し耐性を示す。従っ
て、この形質転換体は、アルブミン遺伝子を染色体上の
LEU2、HIS4およびTRP1遺伝子部位の計3箇所に含有する
ものである。この時、挿入の順序は特に問題ではない。
宿主として、何種類もの栄養要求変異株が取得できれ
ば、または何種類もの抗生物質に対して感受性を示す株
が取得できれば、それに応じた領域に有用遺伝子を複数
導入することができる。
このように、宿主染色体上の複数領域に目的遺伝子を挿
入することができる。これら染色体に組み込まれた遺伝
子は、脱落することなく、安定に維持され、かつ複数の
遺伝子を組み込むことにより、目的生産物を多量に取得
することが可能となる。
形質転換株は、公知の培地で培養する。YPD液体培地
〔1%イーストエキストラクト(Difco社)、2%バク
トポリペプトン(Difco社)、2%グルコース〕などが
例示される。培養は通常15〜43℃(好適には30℃程度)
で20〜100時間程度行い、必要により通気や撹拌を加え
ることもできる。
培養後は、自体公知の方法、例えば分画法、各種クロマ
トグラフィーなどによりアルブミンを精製する。
アルブミン量の測定は、RPHA法あるいはELISA法で行う
ことができる。
〔実施例〕
本発明をより詳細に説明するために、実施例を挙げる
が、本発明はこれらによって何ら限定されるものではな
い。
なお、本発明において多くの技法、反応および分析方法
は当業界においてよく知られている。特にことわらない
限り、全ての酵素は商業的供給源、たとえば宝酒造;ニ
ューイングランド バイオラブス(NEB)(New England
Biolabs(NEB)〕マサチューセッツ、米国;アマーシ
ャム(Amerscham)、英国およびベセスダ リサーチ
ラボラトリーズ〔Bethesda Research Labolatories(BR
L)〕、メリーランド、米国から入手することができ
る。
酵素反応のための緩衝液および反応条件は特に断らない
限り各酵素の製造元の推奨にしたがって使用した。
プラスミドを用いた大腸菌の形質転換法、プラークハイ
ブリダイゼーション法、電気泳動法およびDNAのゲルか
らの回収法は、「モレキュラークローニング」コールド
スプリングハーバーラボラトリー〔「Moleculer Clonin
g」Cold Spring Harbor Laboratory)(1982)に記載さ
れている方法により行った。酵母の形質転換法は「メソ
ッド・イン・イースト・ジェネティクス」コールドスプ
リングハーバーラボラトリー(「Method in Yeast Gene
tics」)(Cold Spring Harbor Laboratory)(1981)
に記載されている方法で行った。
実施例1 [I]GAPDHプロモーター領域,SUC 2シグナル領域,LEU
2領域,HIS 4領域,TRP 1領域,PHO 5ターミネーター領域
のクローニング及びHSA遺伝子,G-418耐性遺伝子の調製 それぞれ次の文献に記載の方法、それに準じる方法によ
るか、または市販のものを使用した。GAPDHプロモータ
ー:Holland, H.J. and Holland, J.P., J. Biol. Che
m., 254, 12, 5466(1979), Holland, H.J. and Holla
nd, J.P., J. Biol. Chem., 254, 19, 9839(1979),
特開昭63-84498号明細書 SUC 2シグナル配列:特開昭60−41488号明細書 特開昭63-84498号明細書 HSA遺伝子:特開昭62-29985号明細書 PHO 5ターミネーター:特開昭62-151183号明細書 G-418耐性遺伝子:Oka, A., Sugisaki, H. and Takanam
i, M., J. Mol. Biol., 147, 217(1981), Jimenez,
A. and Davies, J., Nature, 287, 869(1980),特開
昭61-40793号明細書 TRP 1:プラスミドpBTI-10由来(ベーリンガーマンハイ
ム社より市販) LEU 2:プラスミドpBTI-1由来(ベーリンガーマンハイム
社より市販) HIS 4:Donahue, T.F., Daves, R.S.等,Cell 32, 89(19
83) 大腸菌複製開始領域及びアンピシリン耐性遺伝子:pUC 1
9(宝酒造より入手)、pAT153(アマーシャムより入
手) [II]各プラスミドの構築 各プラスミドpMM−006、pHO−011の構築はpAT153および
pMS−008の構築はpUC19から「モレキュラークローニン
グ」コールドスプリングハーバーラボラトリー(198
2))に記載の方法に準じて常法通り行った(第1図参
照)。
プラスミドpMM−006は、宿主酵母細胞の染色体配列と相
同な配列として、ロイシン合成系遺伝子のLEU2を含み、
GAP−DHプロモーターの支配下にSUC2シグナル配列、HSA
構造遺伝子およびPHO5ターミネーターを連結したもので
ある。
プラスミドpMS−008は、宿主酵母細胞の染色体配列と相
同な配列として、ヒスチジン合成系遺伝子のHIS4を含
み、GAP−DHプロモーターの支配下にSUC2シグナル配
列、HSA構造遺伝子およびPHO5ターミネーターを連結し
たものである。
プラスミドpHO−011は宿主酵母細胞の染色体配列と相同
な配列として、トリプトファン合成系遺伝子のTRP1を含
み、GAP−DHプロモーターの支配下にSUC2シグナル配
列、HSA構造遺伝子およびPHO5ターミネーターを連結し
たもので、酵母選択マーカー遺伝子として、G418耐性遺
伝子を含むものである。
プラスミドpMM−006、pMS−008およびpHO−011は、平成
元年(1989)4月28日に通産省工業技術院微生物工業技
術研究所へ各々次のとおり国際寄託されている。
微生物名:ピーエムエム006/イー・コーリジェイエ
ム109 (pMM006/E. coli JM109) 受託番号:微工研条寄第2404号 (FERM BP−2404) 微生物名:ピーエムエス008/イー・コーリジェイエ
ム109 (pMS008/E. coli JM109) 受託番号:微工研条寄第2406号 (FERM BP−2406) 微生物名:ピーエッチオー011/イー・コーリエッチ
ビー101 (pHO011/E. coli HB101) 受託番号:微工研条寄第2405号 (FERM BP−2405) [III]プラスミドpMM-006によるS. cerevisiae AH 22
株の形質転換 宿主として、サッカロマイセス・セレビシエAH22株を用
いた。
サッカロマイセス・セレビシエAH22株は、接合型がa型
であり、ヒスチジン合成系遺伝子(HIS 4)、およびロ
イシン合成系遺伝子(LEU 2)に変異を持つ。従って、
培養液中に、ヒスチジンおよびロイシンを添加しなけれ
ば増殖することができない。
HSA分泌発現用プラスミドpMM-006を酵母サッカロマイセ
ス・セレビシエAH 22株の染色体中に以下の方法により
導入した。
YPDメディウム(イーストエキストラクト10g、バクトペ
プトン20gを水に溶解し900mlとした後オートクレーブ滅
菌し、別にオートクレーブ滅菌した20%グルコース100m
lと混合した。)50ml中30℃、一夜振盪培養したサッカ
ロマイセスセレビシエAH 22を遠心し、得られた細胞を
滅菌水20mlに懸濁後、再度遠心して細胞を得た。これを
10mlの50mMジチオスレイトール、1.2Mソルビトール25mM
EDTA、pH8.5に懸濁し、30℃で10分間穏やかに振盪し
た。遠心により細胞を集め、1.2Mソルビトール10mlに懸
濁し、再度遠心により細胞を集めた。細胞を10mlの1.2M
ソルビトールに懸濁し、遠心により細胞を集めた。細胞
を10mlの0.2mg/mlザイモリアーゼ100T、1.2Mソルビト
ール、10mM EDTA、0.1Mクエン酸ナトリウム、pH5.8に懸
濁後、30℃で1時間穏やかに振盪した。遠心で細胞を集
め、1.2Mソルビトール、次いで10mM塩化カルシウム、1.
2Mソルビトール各10mlで洗浄し、遠心で細胞を集めた。
細胞を1mlの10mM塩化カルシウム、1.2Mソルビトールに
懸濁した。懸濁液100μlを滅菌試験管にとり、10μl
のDNA溶液(LEU 2遺伝子上のユニークサイトであるKpn
Iで消化し、線状にしたプラスミドpMM−006を5μg含
む)と混合し、室温に15分間静置した。更に、1.2mlの2
0%ポリエチレングリコール4000、10mM塩化カルシウ
ム、10mMトリス−塩酸、pH7.5を加え穏やかに混合後、
室温で20分間静置した。遠心で細胞を集め、0.1mlの1.2
Mソルビトール、10mM塩化カルシウム含有YPDメディウム
に懸濁し、30℃で30分間穏やかに振盪した。懸濁液1、
5、10、20および50μlをそれぞれ10mlずつ乾熱滅菌試
験管に分注して45℃に保温したロイシン不含寒天培地
(0.7%イーストナイトロジェンベース、2%グルコー
ス、1.2Mソルビトール、3%ノーブルアガーからな
る。)と混合して、ロイシン不含培地からなるボトムプ
レート(0.7%イーストナイトロジェンベース、2%グ
ルコース、1.2Mソルビトール、2%ノーブルアガーから
なる。)に拡げた。プレートが固化したら、30℃で3日
間静置培養した。形成したコロニーを爪楊枝で採取し、
3mlの0.7%イーストナイトロジェンベース、2%グルコ
ースに懸濁後、30℃で2日間振盪培養した。そのうちの
1.5mlを遠心し、細胞を集め、3mlのYPDメディウム(イ
ーストエキストラクト10g、バクトペプトン20gを水に溶
解し、900mlとした後オートクレーブ滅菌し、別にオー
トクレーブ滅菌した20%デキストロース100mlと混合し
た。)に懸濁し、30℃で振盪培養した。培養上清のHSA
濃度をRPHA法にて測定したところ、3日目で最高40μg
/mlのHSAが検出された。
かくして得られた形質転換体をTMM-21-17と命名した。
[IV]形質転換体TMM-21-17のスクリーニング(LEU 2遺
伝子の安定性・HSA産生量) サザンブロッティング法によりHSA遺伝子がどこに導
入されたかを調べたところ、確かに染色体中のLEU2領域
に導入されていることが確認できた。
HSA遺伝子の安定性をHSA産生量とロイシン非要求性を
指標に測定したところ、非選択培地で約60世代培養した
後でも、100%のHSA遺伝子が保持されていた。
[V]プラスミドpMS-008による形質転換体TMM-21-17の
形質転換 前記[III]に記載の方法と同様の方法によった。
但し、次の点で[III]に記載の方法と異なる。
宿主:形質転換体TMM-21-17 プラスミド:pMS-008 プラスミド導入時:pMS-008中のHIS4遺伝子上のユニーク
サイトであるNhe Iで消化し、プラスミドを線状にして
導入。
形質転換培地:イーストナイトロジェンベースを用い
ず、イーストナイトロジェンベースウイズアウトアミノ
アシッドを使用(これにより、培地中にロイシン、ヒス
チジンが含まれていないことになる。)。
ヒト血清アルブミン産生量:70μg/ml かくして得られた形質転換体をTMS-31-3-7と命名した。
[VI]形質転換体TMS-31-3-7のスクリーニングその結
果、 サザンブロッティング法により、HSA遺伝子がどこに
導入されたかを調べたところ、確かに染色体中のLEU2領
域およびHIS4領域に導入されていることが確認できた。
HSA遺伝子の安定性をHSA産生量とヒスチジン非要求性
を指標に測定したところ、非選択培地で約60世代培養し
た後でも、100%のHSA遺伝子が保持されていた。
[VII]プラスミドpH0-011による形質転換体TMS-31-3-7
の形質転換 前記[III]に記載の方法と同様の方法によった。
但し、次の点で[III]に記載の方法と異なる。
宿主:形質転換体TMS-31-3-7 プラスミド:pH0-011 プラスミド導入時:pH0-011中のTRP1遺伝子上のユニーク
サイトであるEco RVで消化し、プラスミドを線状にして
導入。
形質転換培地:YPDメディウムに1.2Mソルビトール、3%
ノーブルアガー、0.2%リン酸1カリウムを添加したも
のに形質転換プロトプラストを懸濁。
プレートはYPDメディウムに1.2Mソルビトール、3%ノ
ーブルアガー、100μg/mlG-418を添加したもの。
ヒト血清アルブミン産生量:80μg/ml かくして得られた形質転換体をTMS-32と命名した。
[VIII]形質転換体TMS-32のスクリーニング その結果、 サザンブロッティング法により、HSA遺伝子がどこに
導入されたかを調べたところ、確かに染色体中のLEU2領
域、HIS4領域およびTPR1領域に導入されていることが確
認できた。
HSA遺伝子の安定性をHSA産生量とG418耐性を指標に測
定したところ、非選択培地で約60世代培養した後でも、
100%のHSA遺伝子が保持されていた。
従って、TMS−32は宿主酵母サッカロマイセス・セレビ
シエAH22株の染色体の3箇所、すなわち、LEU2領域、HI
S4領域およびTRP1領域にHSA遺伝子が導入されたもので
あることが確認できた。
実施例2 宿主として、サッカロマイセス・セレビシエAH22株を用
いて、HSA産生マルチプルインテグラントA124株を製造
した。
〔1〕AH22株にHSA転写ユニットの挿入 GAP−DHプロモーター/mHSAシグナル/HSAcDNA/GAP−D
Hターミネーターから成るHSA転写ユニットを有する組み
込み型ベクターをSaccharomyces cerevisiae(サッカロ
マイセス セレビシアエ)AH22株のTRP1領域に組み込
み、HSA産生インテグラントA1株を34クローン取得し
た。これらのうち増殖が良好で、50mg/lのHSAを産生
したA1−13株、及び40ml/lのHSAを産生したA1−32株
をスクリーニングし、マルチプルインテグレーションの
候補菌株とした。
A.材料及び方法 (a)菌株 Saccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビ
シアエ)AH22株(a,LEU2,HIS4,CAN1)を用いた。
(b)組み込み型ベクターpTF418を用いた(第2図)。
pTF418はGAP−DHプロモーター/mHSAシグナル/HSAcDNA
/GAP−DHターミネーターから成るHSA転写ユニットを有
する組み込み型ベクターで、宿主酵母細胞の染色体配列
と相同な配列としてTRP1遺伝子を有し、酵母選択マーカ
ー遺伝子として、G418耐性遺伝子を含むものである。ま
た、TRP1とHSAは同方向に転写される。なお、GAP−DHタ
ーミネーターは特開昭62−175180号、mHSAシグナル配列
は特願昭63−103339号に記載の方法によるものを使用し
た。
pTF−418はTRP1領域で1個所のみ切断するEcoRVで消化
し、0.5μg/μlに調製した。
pTF−418の制限酵素分析は表1の通りである。
(c)プラスミドpTF−418によるS. cerevisiae AH22株
の形質転換 前記実施例1〔III〕に記載の方法と同様の方法によっ
た。
但し、次の点で前記実施例1〔III〕に記載の方法と異
なる。
プラスミド:pTF−418 プラスミド導入時:pTF−418のTRP1遺伝子上のユニーク
サイトであるEcoRVで消化し、プラスミドを線状にして
導入。
形質転換培地:YPDメディウムに1.2Mソルビトール、3%
ノーブルアガー、0.2%リン酸カリウムを添加したもの
に形質転換プロトプラストを懸濁。プレートは、YPDメ
ディウムに1.2Mソルビトール、3%ノーブルアガー、10
0μg/mlG−418を添加したもの。
(d)インテグラントの取得 再生プレート上に出現したコロニーの内、36コロニーに
ついて爪楊枝で採取し、滅菌水に懸濁してYPD gen100 p
late(100μg/μlを含むYPDプレート)上でsingle c
olonyに単離した。この中から任意にクローンを選択
し、染色体のTRP1領域にベクターが組み込まれた(サザ
ンブロッティング法により確認)インテグラントとし
た。
(e)インテグラントの培養 1)中試験管での培養:YPD gen100 plateより菌体1白
金耳を採取し、3ml−YPD/中試験管で30℃、140rpmにて
72時間培養した。
2)フラスコでの培養:YPD gen100 plateより菌体1白
金耳を採取し、3ml−YPD/中試験管で30℃、140rpmにて
24時間培養したものを50ml−YPD/300mlflaskに初期菌
体濃度A540nm=0.3になるように植菌し、30℃、140rpm
にて72時間培養した。
(f)増殖度及びHSA産生量の測定 上記の培養液をサンプリングし、菌体増殖度をA540nmに
より、またHSA産生量をRPHA法により測定した。
(g)継代安定性試験 YPD plate(非選択プレート)にて7回継代を行い、さ
らにYPD plate上でsingle colonyに単離した。任意に選
択した10クローンについてYPD plate(非選択プレー
ト)及びYPD gen100 plate(選択プレート)に植菌し、
G418遺伝子を保持しているか否かを判定した。
HSA産生量を指標とした継代安定性の評価も行った。0
回継代(選択プレート)及び7回継代プレートから菌体
1白金耳を採取し、3ml/YPD/中試験管で30℃、140rpm
にて90時間培養した。培養液をサンプリングし、菌体増
殖度をA540nmにより、またHSA産生量をRPHA法により測
定した。
(h)インテグラントの保存 選択plateより菌体1白金耳を採取し、50ml−YPD/300m
l flaskに植菌して、30℃、140rpmにて24時間培養し
た。菌体を2,500rpm、10分で集菌し、A540nm=100にな
るように15%Glycerol-YPDで懸濁し、1mlずつ分注、−8
0℃で凍結保存した。
B.結果 (a)形質転換効率 1μgのベクターに対する形質転換体の出現コロニー数
は、約500コロニーであった。この値はHSA高産生インテ
グラントをスクリーニングするのに充分なものであっ
た。
(b)HSA高産生インテグラントの一次スクリーニング
(中試験管での培養) 単離したA1株の34クローン(A1−1〜34)を中試験管で
の培養により、72時間後の増殖度及びHSA産生量を試験
した。A1−13、A1−29の2クローンが60mg/lのHSA産
生量を示し、8クローンが40ml/lのHSA産生量を示し
た。60mg/lのHSA産生量を示した2クローンと増殖を
考慮してA1−25、A1−32について二次スクリーニングを
行った。
(c)HSA高産生インテグラントの二次スクリーニング
(フラスコでの培養) 上記4株についてのフラスコでの培養を行い、培養24、
48、72時間目の増殖度及びHSA産生量を測定した。
HSA産生量については72時間培養後にA1−29が60mg/
l、A1−13が50mg/l、A1−25・A1−32が40mg/lを示
した。
増殖度はA1−29の増殖が他に比べて悪かった。
(d)継代安定性 7回非選択プレート継代後のG418遺伝子の保持を指標と
した継代安定性はA1−25が90%であったが他は100%で
あった。またHSA産生量に関しては、どのクローンでも
継代後で劣ることはなかった。
〔2〕HSA産生マルチプルインテグラントA12株の取得 GAP−DHプロモーター/mHSAシグナル/HSAcDNA/GAP−D
Hターミネーターから成るHSA転写ユニットを有する組み
込み型ベクターをAH22株の染色体TRP1領域に組み込んだ
A1−13株・A1−32株を宿主とし、上記転写ユニットを有
する組み込み型ベクターをLEU2領域に組み込んだマルチ
プルインテグラントA12株を取得した。そのうち、増殖
が良好でかつ80mg/lのHSAを産生したA12−2Y株をスク
リーニングし、マルチプルインテグレーションの候補菌
体とした。
A.材料及び方法 (a)菌株 AH22株のTRP1領域にpTF418を組み込んだA1−13株・A1−
32株を使用した。
(b)組み込み型ベクターpLFA33を用いた(第3図)。
pLFA33はGAP−DHプロモーター/mHSAシグナル/HSAcDNA
/GAP−DHターミネーターから成るHSA転写ユニットを有
する組み込み型ベクターで、宿主酵母細胞の染色体配列
と相同な配列、及び酵母選択マーカー遺伝子としてLEU2
遺伝子を有する。また、LEU2とHSAは同方向に転写され
る。
pLFA33はLEU2領域で1筒所のみ切断するKpnIで消化し、
1.5μg/μlに調製した。pLFA33の制限酵素分析は表
2の通りである。
(c)プラスミドpLF−A33によるA1−13株の形質転換 前記実施例1〔III〕に記載の方法と同様の方法によっ
た。
但し、次の点で前記実施例1〔III〕に記載の方法と異
なる。
宿主:形質転換体A1−13 プラスミド:pLF−A33 プラスミド導入時:pLF−A33のLEU2遺伝子上のユニーク
サイトであるKpnIで消化し、プラスミドを線状にして導
入。
形質転換培地:0.7%イーストナイトロジェンベース、1.
2Mソルビトール、3%ノーブルアガー、2%グルコース
を添加したものに形質転換プロトプラストを懸濁。プレ
ートは0.7%イーストナイトロジェンベース、1.2Mソル
ビトール、3%ノーブルアガー、2%グルコースからな
るロイシン不含培地を用いた。
(d)インテグラントの取得 再生plate上に出現したコロニーの内、36コロニーにつ
いて爪楊枝で採取し、滅菌水に懸濁してYPD plate上でs
ingle colonyに単離した。この中から任意にクローンを
選択し、染色体のLEU2領域にベクターが組み込まれた
(サザンブロッティング法により確認)インテグラント
した。
(e)インテグラントの培養 1)中試験管での培養:YNB plate(0.7%イーストナイ
トロジェンベース、2%デキストロース、1.5%寒天)
より菌体1白金耳を採取し、3ml−YPD/中試験管で30
℃、140rpmにて72時間培養した。
2)フラスコでの培養:YNB plateより菌体1白金耳を採
取し、3ml−YPD/中試験管で30℃、140rpmにて24時間培
養したものを50ml−YPD/300ml flaskに初期菌体濃度A
540nm=0.2になるように植菌し、30℃、140rpmにて72時
間培養した。
(f)増殖度及びHSA産生量の測定 上記の培養液をサンプリングし、菌体増殖度をA540nmに
より、またHSA産生量をRPHA法により測定した。
(g)継代安定性試験 YPD plate(非選択プレート)にて6回継代を行い、さ
らにYPD plate上でsingle colonyに単離した。任意に選
択した10クローンについてYPD plate(非選択プレー
ト)、YPD gen100 plate(選択プレート)及びYNB plat
e(選択プレート)に植菌し、G418遺伝子まるいはLEU2
遺伝子を保持しているか否かを判定した。
(h)インテグラントの保存 選択plateより菌体1白金耳を採取し、3ml-YPD/中試験
管で30℃、140rpmにて24時間培養したものを50ml-YPD/
300ml flaskに植菌し、30℃、140rpmにてさらに24時間
培養した。菌体を2,500rpm、10分で集菌し、A540nm=10
0になるように15%Glycerol-YPDで懸濁し、1.5mlずつ分
注、−80℃で凍結保存した。
B.結果 A1−13由来のA12株をA12−Yシリーズ、A1−32由来のA1
2株をA12−Zシリーズと命名した。
(a)形質転換効率 1μgのベクターに対する形質転換体の出現コロニー数
は、A1−13・A1−32を宿主とした時共に約30コロニーで
あった。
(b)HSA高産生インテグラントの一次スクリーニング
(中試験管での培養) 単離したA12株の30クローン(A12−1Y〜15Y、A12−1Z〜
15Z)及びA12株の宿主としたA1−13、A1−32を中試験管
での培養により、72時間後の増殖度及びHSA産生量を試
験した。結果は宿主のA1−13は40mg/l以上、A1−32は
40mg/lのHSA産生量を示したのに対し、A1−12−Yシ
リーズでは5クローン、A1−12−Zシリーズでは3クロ
ーンが60mg/l以上のHSA産生量を示した。これらのう
ち比較的HSA産生量が高いと思われるA12−2Y、A12−10
Y、A12−11Zについて二次スクリーニングを行った。
(c)HSA高産生インテグラントの二次スクリーニング
(フラスコでの培養) 上記3株についてフラスコでの培養を行い、培養24、4
8、72時間目の増殖度及びHSA産生量を測定した。
HSA産生量については60mg/l、A1−32は40mg/lのHSA
産生量を示したのに対し、A12−2Y、A12−10Y、A12−11
Z 3株とも80mg/lのHSA産生量を示した。
増殖度は3株とも宿主と比較して変わらなかった。
(d)継代安定性 6回非選択プレート継代後のG418遺伝子の保持を指標と
した継代安定性は3株とも100%であた。またLEU2遺伝
子の保持を指標とした継代安定性も3株とも100%であ
った。
〔3〕HSA産生マルチプルインテグラントA124株の取得 GAP−DHプロモーター/mHSAシグナル/HSAcDNA/GAP−D
Hターミネーターから成るHSA転写ユニットを有する組み
込み型ベクターをAH22株の染色体TRP1領域及びLEU2領域
に組み込んだA12−2Y株を宿主とし、上記転写ユニット
を有する組み込み型ベクターをHIS4領域に組み込んだマ
ルチプルインテグラントA124株を取得した。この中から
HSA産生量、増殖能、マーカー遺伝子の安定性に優れたA
124−35株を大量培養用菌株として取得した。
A.材料及び方法 (a)菌株 AH22株のTRP1領域にpTF418、LEU2領域にpLFA33を組み込
んだA12−2Y株を使用した。
(b)組み込み型ベクターpHRA33を用いた(第4図)。
pHRA33はGAP−DHプロモーター/mHSAシグナル/HSAcDNA
/GAP−DHターミネーターから成るHSA転写ユニットを有
する組み込み型ベクターで、宿主酵母細胞の染色体配列
と相同な配列および酵母選択マーカー遺伝子としてHIS4
遺伝子を有する。また、HIS4とHSAは逆方向に転写され
る。
pHRA33はHIS4領域で1筒所のみ切断するNheIで消化し、
1.0μg/μlに調製した。pHRA33の制限酵素分析は表
3の通りである。
(c)プラスミドpHR−A33によるA12−2株の形質転換 前記実施例1〔III〕に記載の方法と同様の方法によっ
た。
但し、次の点で前記実施例1〔III〕に記載の方法と異
なる。
宿主:形質転換体A12−2Y プラスミド:pHR−A33 プラスミド導入時:pHR−A33のHIS4遺伝子上のユニーク
サイトであるNheIで消化し、プラスミドを線状にして導
入。
形質転換培地:0.7%イーストナイトロジェンベースウイ
ズアウトアミノアシッド、1.2Mソルビトール、3%ノー
ブルアガー、2%グルコースを添加したものに形質転換
プロトプラストを懸濁。プレートは0.7%イーストナイ
トロジェンベースウイズアウトアミノアシッド、1.2Mソ
ルビトール、3%ノーブルアガー、2%グルコースから
なるロイシン・ヒスチジン不含培地を用いた。
(d)インテグラントの取得 再生plate上に出現したコロニーの内、42コロニーつい
て爪楊枝で採取し、滅菌水に懸濁しYPD plate上でsingl
e colonyに単離した。この中から任意にクローンを選択
し、YNB w/o a.a. plate(0.7%イーストナイトロジェ
ンベースウイズアウトアミノアシッド、2%デキストロ
ース、1.5%寒天)上で生育することを確認し、染色体
のHIS4領域にベクターが組み込まれた(サザンブロッテ
ィング法により確認)インテグラントした。
(e)インテグラントの培養 1)中試験管での培養:YNB w/o a.a. plateより菌体−
白金耳を採取し、3ml−YPD/中試験管で30℃、140rpmに
て72時間培養した。
2)フラスコでの培養:YNB w/o a.a. plateより菌体−
白金耳を採取し、3ml−YPD/中試験管で30℃、140rpmに
て24時間培養したものを50ml−YPD/300ml flask、ある
いは50ml−グルコース−酢安合成培地/300ml flaskに
初期菌体濃度A540nm=0.2になるように植菌し、30℃、1
40rpmにて72時間培養した。
(f)増殖度及びHSA産生量の測定 上記の培養液をサンプリングし、菌体増殖度をA540nmに
より、またHSA産生量をRPHA法により測定した。
(g)継代安定性試験 YPD plate(非選択プレート)にて6回継代を行い、さ
らにYPD plate上でsingle colonyに単離した。任意に選
択した10クローンについてYPD plate(非選択プレー
ト)、YPD gen100 plate(TRP選択プレート)、YNP pla
te(LEU選択プレート)及びYNB w/o a.a.fLEU plate
(HIS選択プレート)に植菌し、G418遺伝子、LEU2遺伝
子及びHIS4遺伝子を保持しているか否かを判定した。
HSA産生量を指標とした継代安定性の評価も行った。0
回継代(選択プレート)及び6回継代後のプレートから
菌体1白金耳を採取し、3ml−YPD/中試験管で30℃、14
0rpmにて90時間培養した。培養液をサンプリングし、菌
体増殖度及びHSA産生量を測定した。
(h)インテグラントの保存 選択plateより菌体1白金耳を採取し、5ml-YPD/中試験
管で30℃、140rpmにて24時間培養したものを50ml-YPD/
300ml flaskに植菌し、30℃、140rpmにてさらに24時間
培養した。菌体を2,500rpm、10分で集菌し、A540nm=10
0になるように15%Glycerol-YPDで懸濁し、1.5mlずつ分
注、−80℃で凍結保存した。
B.結果 (a)形質転換効率 1μgのベクターに対する形質転換体の出現コロニー数
は、約1500コロニーであった。この値はHSA高産生株を
高産生株をスクリーニングするのに充分なものであっ
た。
(b)A124株の一次スクリーニング(中試験管での培
養) 単離したA124株の42クローン及びA124株の宿主であるA1
2−2Yを中試験管での培養により、72時間後の増殖度及
びHSA産生量を試験した。宿主のA12−2Yは60mg/lのHS
A産生量を示したのに対し、A124シリーズはすべて60mg
/l以上のHSA産生量を示し、80mg/l以上のHSA産生量
を示すクローンもあった。これらのうち比較的HSA産生
量が高いと思われるA124−12、A124−13、A124−15、A1
24−24、A124−35について二次スクリーニングを行っ
た。
(c)A124株の二次スクリーニング(継代安定性試験) 6回非選択プレート継代後のTRP、LEU、HIS遺伝子の保
持は、A124−13はTRPの保持率が90%だった他はすべて1
00%であった。また、継代前後におけるHSA産生能力に
変化はなかった。遺伝子の保持が100%で、かつHSA産生
量が高くかつ増殖が良好なA124−15、A124−35について
フラスコ培養の三次スクリーニングを行うこととした。
また、この2クローンを凍結保存した。
(d)A124株の三次スクリーニング(フラスコでの培
養) A124−15、A124−35について天然培値(YPD培地)及び
合成培地(グルコース−酢安合成培地)を用いてフラス
コでの培養を行い、培養24、48、70時間目の増殖度及び
HSA産生量を測定した。
天然培地ではA124−35が宿主のA12−2Yの80mg/lより
やや高い値を示した。増殖能も2クローン共対照とほぼ
同等であった。
合成培地では、2クローン共対照としたTMS−33−1h4株
とHSA産生量(15mg/l)、増殖能共に同等であった。
以上の結果からA124−35株を大量培養用の菌株として取
得した。
当該形質転換体A124−35株は、平成元年(1989)7月25
日に通産省工業技術院微生物工業技術研究所へ次の通り
国際寄託されている。
微生物名:エス セレビジェ エイ124−35(S.Cerveis
iae A124−35) 受託番号:微工研条寄第2527号 (FERM BP−2527) 〔効果〕 本発明においては、目的遺伝子、即ちHSA遺伝子は、宿
主細胞から脱落することが少なく、従って選択圧をかけ
ることなく、HSA遺伝子を保持することができるという
効果が得られる。また、複数箇所へ目的遺伝子を組み込
むことにより、HSA発現量を増大することができるとい
う効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)は、それぞれプラスミドpMM-00
6、プラスミドpMS-008およびプラスミドpH0-011を表
す。第2図は、組み込み型ベクターpTF−418を表わす。
第3図は組み込み型ベクターpLFA33を表わす。第4図は
組み込み型ベクターpHRA33を表わす。第2〜4図中、 はGAP−DHプロモーター、 はmHSAシグナル、 はHSA構造遺伝子、 はGAP−DAターミネーター、 は酵母染色体相同領域、→は転写方向を表す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 1/19 C12R 1:865) (C12P 21/02 C12R 1:865) (72)発明者 三浦 正巳 大阪府枚方市招提大谷2丁目1180番地の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 清水 美保 大阪府枚方市招提大谷2丁目1180番地の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 川辺 晴英 大阪府枚方市招提大谷2丁目1180番地の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−104585(JP,A) 特開 昭63−74493(JP,A) 特開 平1−117790(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)〜(e)に記載のプラスミドか
    ら選択される異なる2種類以上のプラスミドにより形質
    転換されて、当該プラスミドが酵母細胞の染色体の異な
    った部位に組み込まれた酵母宿主。 (a)プロモーターにより制御されるアルブミンコード
    領域を含み、かつ宿主酵母染色体配列に相同な配列を含
    んでなる、宿主酵母細胞の染色体に組み込み可能で、酵
    母細胞内で自律増殖不可能なプラスミド。 (b)目的蛋白質を分泌生産させる為のシグナル配列を
    プロモーターとアルブミンコード領域の間に含んでなる
    (a)のプラスミド。 (c)宿主酵母での選択マーカーとして、抗生物質耐性
    遺伝子を含んでなる(a)のプラスミド。 (d)宿主酵母染色体配列に相同な配列がアミノ酸また
    は核酸合成系遺伝子であ(a)のプラスミド。 (e)宿主酵母染色体配列に相同な配列がribosome DNA
    あるいはTy因子である(a)のプラスミド。
  2. 【請求項2】アミノ酸または核酸栄養要求性株および/
    または抗生物質感受性株である請求項(1)に記載の酵
    母宿主。
  3. 【請求項3】異なる2種類以上のプラスミドを順次又は
    同時に宿主酵母細胞の染色体に組み込んで形質転換する
    ことからなる請求項(1)または(2)記載の形質転換
    酵母の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項(1)〜(3)のいずれかに記載の
    形質転換された酵母宿主を培養してアルブミンを生成せ
    しめ、これを採取することを特徴とするアルブミンの製
    造方法。
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