JPH0877B2 - ヒト血清アルブミンの製造方法 - Google Patents

ヒト血清アルブミンの製造方法

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JPH0877B2
JPH0877B2 JP1219561A JP21956189A JPH0877B2 JP H0877 B2 JPH0877 B2 JP H0877B2 JP 1219561 A JP1219561 A JP 1219561A JP 21956189 A JP21956189 A JP 21956189A JP H0877 B2 JPH0877 B2 JP H0877B2
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yeast
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薫 小林
定男 上田
忍 桑江
和男 武智
和正 横山
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株式会社ミドリ十字
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は遺伝子工学技術を用いて得られたヒト血清ア
ルブミン(以下、HSAともいう)産生酵母をフェッド−
バッチ培養(または半回分培養)で培養することにより
HSAを製造する方法に関する。
〔従来技術〕
培養の形態はバッチ培養、フェッド−バッチ培養、連
続培養の3種類に大きく分類できる。
バッチ培養は回分培養とも呼ばれる、最も簡単な培養
法で、通常の試験管やフラスコを用いる培養もバッチ培
養に該当する。すなわち、バッチ培養とは培養開始から
終了まで培地の流入および流出は行わず、閉鎖的に行う
ものである。
連続培養は、バッチ培養を行っている培養槽の一方か
ら連続的に滅菌した同じ培地を投入し、同時に他方から
等量の培養液を排出させ、長時間にわたって培養を継続
させるものをいう。
連続培養では、培地中の菌濃度、基質濃度、生産物濃
度などを一定に維持することができるので、微生物の動
的状態の生理活性の研究手段としては都合良いが、、連
続培養中の菌株の変異による劣化や雑菌汚染の危険性が
高いため工業的実例は限られている。
一般に、酵母をグルコース濃度の高い培養液で培養す
ると好気的条件下でもエタノールを生成し1g当たりのグ
ルコースから得られる菌体量が低下する。バッチ培養は
操作が容易である反面、基質の濃度が限られているので
高い濃度の生産物を得ることができない。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで、本発明者らは上記事情に鑑み、各種研究を重
ねた結果、HSA産生酵母をフェッド−バッチ培養によ
り、高濃度のグルコースを適度に少量ずつ供給すること
により、HSA産生酵母に対する高濃度基質阻害を避け
て、高濃度の菌体と生産物を得ることができ、特に合成
培地を使用した場合には菌体当たりのHSA産生量を格段
に向上させることを見出して本発明を完成した。
〔課題を解決するための手段〕
即ち、本発明の要旨は下記の、のとおりである。
ヒト血清アルブミン遺伝子を担持するプラスミドを
用いて形質転換した酵母をフェッド−バッチ培養により
培養してヒト血清アルブミンを採取することからなるヒ
ト血清アルブミンの製造方法において、以下の設定式に
従って培地の補充を増加させる工程を含んでなることを
特徴とするヒト血清アルブミンの製造方法。
〔式中、X0は初期菌体濃度(g/L)、Vは培地量
(L)、Fはフィード流速(g/hr)、Yは増殖収率(g
細胞/g基質)、μは比増殖速度(hr-1)、tは培養時間
(hr)を示し、μは0.01〜0.2hr-1である。〕 酸素消費量と二酸化炭素生成量の比である呼吸商と
して0.9〜1.2の任意の数値を設定し、呼吸商が当該設定
数値を越えない場合には培地の補充を増加させ、呼吸商
が当該設定数値以上の場合は培地の補充を減らすことを
特徴とする上記のヒト血清アルブミンの製造方法。
Vは1〜105L、Yは0.1〜1、X0は0.05〜3g/Lであ
る上記のヒト血清アルブミン製造方法。
(i)HSA産生酵母 本発明においてHSA産生酵母とは、HSA遺伝子を担持し
たプラスミドを用いて形質転換した酵母である。
HSA遺伝子を担持したプラスミドは公知の手法により
得られる。
具体的には、HSA遺伝子、プロモーター、シグナル配
列、ターミネーター等を含む。
プラスミドが含有するアルブミンコード領域は、特に
HSAと同一または相同なDNA配列であり、例えばHSAを生
産することができる任意のヒト細胞から得られる。該DN
Aは染色体DNAまたはcDNAである。染色体DNAはHSA遺伝子
を含有する遺伝子ライブラリーから分離することがで
き、そしてHSA cDNAは公知の方法を用いてmRNA経路を
介して調製することができる。
プロモーターは酵母、好適にはサッカロマイセス・セ
レビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のゲノムDNAに
由来する。好ましくは、高発現酵母遺伝子のプロモータ
ーをHSAの発現のために使用する。即ち、TRP I遺伝子、
ADH IもしくはADH II遺伝子、酸性ホスファターゼ(PHO
3もしくはPHO5)遺伝子、またはイソチトクロームC遺
伝子のプロモーター、ガラクトース代謝系のプロモータ
ー(CAL1、GAL10もしくはGAL7)、インベルターゼのプ
ロモーター(SUC2)あるいは解糖系酵素をコードする遺
伝子のプロモーター、例えばエノラーゼ、グリセルアル
デヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPD
H)、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)、ヘキソ
キナーゼ、ピルベートデカルボキシラーゼ、ホスホフラ
クトキナーゼ、グルコース−6−ホスフェートイソメラ
ーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルベートキ
ナーゼ、トリホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコ
ースイソメラーゼおよびグルコキナーゼの遺伝子のプロ
モーター、あるいはa−ファターまたはα−ファクター
をコードする酵母接合フェロモン遺伝子のプロモーター
を使用することができる。
他の好ましい態様においては、構成物中にシグナル配
列を導入する。シグナル配列は、酵母インベルターゼ、
α−ファクター遺伝子のような酵母由来のシグナル配列
を使用することができる。また、HSAのシグナル配列は
好適であり、好ましくは酵母での分泌発現のために特に
合成されたシグナル配列(特願昭63−103339号または特
願昭63−33657号)を用いることもできる。
このシグナル配列の導入により、HSA遺伝子の発現の
後、遺伝子産物は分泌経路に入り、そしてペリプラズム
空間に輸送される。さらに細胞壁を通しての培地中への
分泌を達成することができる。これはより収量の相当な
増加が可能となる。さらに、細胞を破壊する必要がない
ので回収工程を単純化することが可能である。
また、プラスミドは転写停止のための適当なターミネ
ーター、例えばPHO5もしくはGAP−DHターミネーターを
含有する。
本発明において、宿主としては酵母、特にサッカロマイ
セス属もしくはピキア属が使用される。好ましくは、栄
養要求性株や抗生物質感受性株が使用できる。かつG418
感受性株であるサッカロマイセス・セレビシエ(Saccha
romyces cerevisiae)AH22株(a,his4,leu2,can1)等が
好適に用いられる。
形質転換法としては、プラスミドを直接宿主細胞内に
導入する方法と、プラスミドを酵母染色体に組み込む方
法等が挙げられる。
前者は公知の手法により行われる。具体的には、リン
酸カルシウム微少沈澱法、プロトプラストポリエチレン
グリコール法、エレクトロポレーション法等が例示され
る。
後者は、例えば下記の方法によって行われ、本発明に
おいては、このようにプラスミドが酵母染色体に組み込
まれたHSA産生酵母がより好適に使用される。
後者の方法においてプラスミドは、宿主酵母染色体中
に存在する遺伝子の一部のDNA配列(例えば、LEU2、HIS
4、TRP1、URA3、ribosomeDNA遺伝子等)を含有する。相
同な配列により、全プラスミドまたはその線状断片は組
換により宿主染色体に安定に導入することができる。即
ち、増殖中、子孫細胞は選択圧が存在しない場合でも導
入された遺伝物質を安定に保持する。
例えば、酵母染色体遺伝子中の天然に存在する配列お
よびHSA遺伝子を含むプラスミドは、前記染色体遺伝子
の座に安定に組み込まれ得る。
宿主酵母染色体配列に相同な配列は、特にアミノ酸ま
たは核酸合成系遺伝子、ribosomeDNA、Ty因子等が使用
できる。特に、アミノ酸または核酸合成系遺伝子は、宿
主酵母がアミノ酸または核酸栄養要求性株である時、す
なわち、該アミノ酸または核酸合成系遺伝子が欠損して
いる株においては、宿主の変異を補完する遺伝子である
ので、形質転換体の選択マーカーとして使用することが
できる。この際、宿主酵母の栄養要求性に原栄養性をも
たらす。アミノ酸または核酸合成系遺伝子としては、例
えばLEU2、HIS4、TRP1またはURA3がある。
酵母用の選択遺伝子マーカーとしては、上記のよう
に、宿主酵母が栄養要求性株である時、アミノ酸または
核酸合成系遺伝子のようなものが使用できるほか、宿主
が抗生物質感受性株である時は、該抗生物質耐性を発現
する遺伝子が使用できる。例えば、シクロヘキシド、G4
18、クロラムフェニコール、ブレオマイシンまたはハイ
グロマイシン等の抗生物質に対して耐性を付与する遺伝
子があげられる。
プラスミドが含有するアルブミンコード領域は、特に
ヒト血清由来のアルブミン(HSA)と同一または相同なD
NA配列であり、例えばHSAを生産することができる任意
のヒト細胞から得られる。該DNAは染色体DNAまたはcDNA
である。染色体DNAはHSA遺伝子を含有する遺伝子ライブ
ラリーから分離することができ、そしてHSA cDNAは公
知の方法を用いてmRNA経路を介して調製することができ
る。
プロモーターは酵母、好適にはサッカロマイセス・セ
レビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のゲノムDNAに
由来する。好ましくは、高発現酵母遺伝子のプロモータ
ーをHSAの発現のために使用する。即ち、TRP I遺伝子、
ADH IもしくはADH II遺伝子、酸性ホスファターゼ(PHO
3もしくはPHO5)遺伝子、または、イソチトクロームC
遺伝子のプロモーター、ガラクトース代謝系のプロモー
ター(GAL1、GAL10もしくはGAL7)、インベルターゼの
プロモーター(SUC2)あるいは解糖系酵素をコードする
遺伝子のプロモーター、例えばエノラーゼ、グリセルア
ルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPD
H)、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)、ヘキソ
キナーゼ、ピルベートデカルボキシラーゼ、ホスホフラ
クトキナーゼ、グルコース−6−ホスフェートイソメラ
ーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピルベートキ
ナーゼ、トリホスフェートイソメラーゼ、ホスホグルコ
ースイソメラーゼおよびグルキナーゼの遺伝子のプロモ
ーター、あるいはa−ファクターまたはα−ファクター
をコードする酵母接合フェロモン遺伝子のプロモーター
を使用することができる。
また、プラスミドは宿主酵母内で自律的に複製できな
い。すなわち、宿主酵母内での自律複製開始領域、例え
ば2μm DNAの複製開始領域やARS領域(Autonomous r
eplicatingsequence)を実質的に含まない。
他の好ましい態様においては、構成物中プラスミド中に
シグナル配列を導入することもできる。シグナル配列
は、酵母インベルターゼ、α−ファクター遺伝子のよう
な酵母由来のシグナル配列を使用することができる。ま
た、HSAのシグナル配列は好適であり、好ましくは酵母
での分泌発現のために特に合成されたシグナル配列(特
願昭63−103339号または特願昭63−33657号)を用いる
こともできる。
このシグナル配列の導入により、HSA遺伝子の発現の
後、遺伝子産物は分泌経路に入り、そしてペリプラズム
空間に輸送される。さらに細胞壁を通しての培地中への
分泌を達成することができる。これはより収量の相当な
増加が可能となる。さらに、細胞を破壊する必要がない
ので回収工程を単純化することが可能である。
また、プラスミドは転写停止のための適当なターミネ
ーター、例えばPHO5もしくはGAP−DHターミネーターを
含有する。
このプラスミドはプロモーター、HSAコード領域および
宿主染色体相同領域とは別に、細菌宿主、特に大腸菌の
ための複製開始点および遺伝的選択マーカーを含有する
こともできる。大腸菌複製開始点および大腸菌のための
選択マーカーを酵母ハイブリドベクター中に使用するこ
とに関して有用な特徴が存在する。まず、大腸菌におけ
る増殖および複製により大量のハイブリドベクターDNA
を得ることができ、そして第2に、大腸菌に基礎を置く
クローニング技法のすべてを用いてハイブリドベクター
の構築を容易に行うことができる。大腸菌プラスミド、
例えばpBR322等は大腸菌複製開始点、および抗生物質、
例えばテトラサイクリンおよびアンピシリンに対する耐
性をもたらす大腸菌遺伝マーカーを含有し、そして酵母
ハイブリドベクターの部分として有利に使用される。
従って、本プラスミドは、プロモーター、該プロモー
ターに制御されるアルブミンコード領域、それに続く転
写停止のためのターミネーターを含み、かつ宿主酵母染
色体配列に相同な配列を含むものである。また、本プラ
スミドは、所望により、分泌生産のためのシグナル配
列、酵母用の選択遺伝子マーカー、大腸菌の複製開始領
域、大腸菌用選択遺伝子マーカーを含有することができ
る。そして、酵母の複製開始領域は実質的に含まないも
のである。
宿主としては酵母、特にサッカロマイセス属もしくは
ピキア属が使用される。好ましくは、栄養要求性株や、
抗生物質感受性株が使用できる。
この組換えプラスミドを用いて形質転換体を作製する
方法、ひいてはアルブミンを製造する方法は以下の通り
である。
組換えプラスミドを宿主酵母細胞の染色体上に導入す
る。具体的には、挿入するプラスミドの有する、宿主酵
母細胞の染色体に相同な配列中の任意の部位を制限酵素
処理により切断し、直線化したプラスミドを宿主に導入
することが望ましい。直線化されたプラスミドは、宿主
酵母細胞染色体上のプラスミドに組み込まれた領域と相
同な領域に組み込まれる。直線化されたプラスミドは環
状プラスミドより、宿主染色体上に組み込まれる頻度が
上昇する。この時使用する宿主酵母は、挿入されるプラ
スミドが担持する酵母用選択マーカー遺伝子によって相
補する変異を持った特異株、例えば、ロイシンおよびヒ
スチジン要求性変異株でかつG418感受性株であるサッカ
ロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)
AH22株(a,his4,leu2,can1)等が好適に用いられる。
宿主酵母細胞の形質転換は公知の方法、例えばプロト
プラストポリエチレングリコール法、エレクトロポレー
ション法などにより行う。
次に期待した部位へプラスミドが導入されているか否
か、および導入した遺伝子が安定であるか否かを調べ
る。具体的には、サザンブロッティング法により、形質
転換に利用した宿主酵母細胞の染色体配列に相同な配列
をプローブとして、期待通りの部位へプラスミドが導入
されていることを確認する。またアルブミンをコードす
る遺伝子の安定性を、アルブミン産生量および栄養要求
性の回復維持を指標に調べ、形質転換体を非選択培地で
数十代培養した後でも、変化しないことを確認する。
この形質転換体を宿主として使用し、再度、アルブミ
ンコード領域を含むプラスミドで形質転換させることが
できる。この場合、酵母細胞染色体相同領域としては、
初めの形質転換で使用した領域以外の相同領域も使用で
きる。
この他、宿主酵母細胞の染色体配列に相同な配列とし
て、ribosome DNAやTy因子(Transposon of Yeast elem
ent)も挙げられる。これらの遺伝子は細胞当り、複数
個存在するので、1回の形質転換で、複数個の目的遺伝
子を宿主染色体に組み込むことができる。
宿主として、何種類もの栄養要求変異株が取得できれ
ば、または何種類もの抗生物質に対して感受性を示す株
が取得できれば、それに応じた領域に有用遺伝子を複数
導入することができる。
このように、宿主染色体上の複数領域に目的遺伝子を
挿入することができる。これら染色体に組み込まれた遺
伝子は、脱落することなく安定に維持され、かつ複数の
遺伝子を組み込むことにより、目的生産物を多量に取得
することが可能となる。
(ii)培養方法 培養はフェッド−バッチ培養によって行われる。即
ち、まず、初期培地内で(i)のHSA産生酵母を培養
し、状況に合わせて補充培地を追加していく。
初期培地はグルコースを含むものであれば特に限定さ
れない。その濃度としては、100〜10000mg/L程度であ
る。その他の成分としてはイーストエクストラクト、バ
クトペプトン、カザミノ酸類(以上は、天然培地に特有
の成分である)塩類(例えば、硫安、酢酸アンモニウ
ム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウ
ム、塩化カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸銅、塩化第二鉄
等)、ビタミン(例えば、ビチオン、ビタミンB1、ビタ
ミンB6、パントテン酸ナトリウム等)、イノシトール等
が例示される。培地のpHとしては6〜7程度が挙げられ
る。
補充培地もグルコースを含むものであれば特に限定さ
れない。その濃度としては10万〜100万mg/L程度であ
る。その他の成分は初期培地で例示したのと同じものを
同様に例示することができる。培地のpHとしては6〜7
程度が挙げられる。
培養方法としては、HSA産生酵母をまず適当な濃度で
初期培地中に存在させる。具体的な細胞濃度として0.01
〜50g/L程度である。
培養を始めた後は酸素消費量と二酸化炭素生成量の比
である呼吸商に応じて補充培地の添加量を決定してい
く。
具体的には呼吸商が0.9〜1.2の間で設定した数値以下
の場合は酵母(細胞)濃度の上昇に合わせて、補充培地
の添加量を決定する。具体的には、以下の式に基づき、
補充培地の添加量を決定する。
(式中、X0は初期菌体濃度(g/L)、Vは培地量
(L)、Fはフィード流速(g/hr)、Yは増殖収率(g
細胞/g基質)、μは比増殖速度(hr-1)、tは時間(h
r)を示す) このうち、Vは1〜105L、Yは0.1〜1、μは0.01〜
0.2hr-1、X0は0.05〜3g/L、tは10〜100時間程度が例示
される。
また、呼吸商が0.9〜1.2の間で設定した数値を越える
場合、適宜補充培地の添加量を減らしていく。
培養条件としては、温度10〜35℃、液存酸素量0〜20
ppm、時間10〜100時間程度が例示される。
当該補充培地の増減のコントロールは、好ましくはコ
ンピューターにて制御され、それは例えば図1に示した
如きフィードコントロールプログラムおよび図2に示し
た如き培養制御システムにて行われる。
(iii)産生HSA 本発明により産生されるHSA量は800〜1200mg/L程度で
ある。
〔作用・効果〕
本発明におより、フェッド−バッチ培養による高密度
培養が可能となり、HSA産生酵母を乾燥菌体重量100g/L
程度の高密度培養の結果、従来にないHSAの産生量の増
加を実現することができる。特に合成培地を使用した場
合には菌体当たりのHSA産生量を格段に増加させること
ができる。
従って、本発明の方法はHSAを産生する工業的製法と
して極めて有用である。
〔実施例〕
参考例 (1)HSA産生酵母の調製 プラスミド型ベクター保持株(Saccharomyces cerevi
siae AH22h/pYI032株) a.AH22h/pYI032株の調製 SUC2のUAS、mGAP−DHプロモーター、SUC2シグナル及
びその下流にHSAのcDNAを持つHSA分泌発現用ベクターで
あるpYI032(図3参照)を用いて合成培地で菌体増殖可
能なAH22h株を形質転換し、HSA分泌産生量の高いクロー
ンを選択した。
組み込み型ベクター保持株(Saccharomyces cerevisi
ae TMS 33−1h株) 本方法において多くの技法、反応および分析方法は当
業界においてよく知られている。特にことわらない限
り、全ての酵素は商業的供給源、たとえば宝酒造;ニュ
ーイングランド バイオラブス(NEB)(New England B
iolabs(NEB)〕マサチューセッツ、米国、アマーシャ
ム(Amerscham)、英国およびベセスダ リサーチ ラ
ボラトリーズ〔Bethesda Research Labolatories(BR
L)〕、メリーランド、米国から入手することができ
る。
酵素反応のための緩衝液および反応条件は特に断らな
い限り各酵素の製造元の推奨にしたがって使用した。
プラスミドを用いた大腸菌の形質転換法、プラークハ
イブリダイゼーション法、電気泳動法およびDNAのゲル
からの回収法は、「モレキュラークローニング」コール
ドスプリングハーバーラボラトリー〔「Moleculer Clon
ing」Cold Spring Harbor Laboratory(1982)に記載さ
れている方法により行った。酵母の形質転換法は、「メ
ソッド・イン・イースト・ジェネティクス」コールドス
プリングハーバーラボラトリー(「Method in Yeast Ge
netics」)(Cold Spring Harbor Laboratory)(198
1)に記載されている方法で行った。
[I] GAPDHプロモーター領域,SUC2シグナル領域,LEU
2領域,HIS4領域,TRP1領域,PHO5ターミネーター領域のク
ローニング及びHSA遺伝子,G−418耐性遺伝子の調製 それぞれ次の文献に記載の方法、それに準じる方法に
よるか、または市販のものを使用した。
GAPDHプロモーター:Holland,H.J.and Holland,J.P.,J.B
iol.Chem.,254,12,5466(1979),Holland,H.J.and Holl
and,J.P.,J.Biol.Chem.,254,19,9839(1979),特開昭6
3−84498号明細書 SUC2シグナル配列:特開昭60−41488号明細書特開昭63
−84498号明細書 HSA遺伝子:特開昭62−29985号明細書 PHO5ターミネーター:特開昭62−151183号明細書 G−418耐性遺伝子:OKa,A.,Sugisaki,H.and Takanami,
M.,J.Mol.Biol.,147,217(1981),Jimenez,A.and Davie
s,J.,Nature,287869(1980),特開昭61−40793号明細
書 TRP1:プラスミドpBTI−10由来(ベーリンガーハイム社
より市販) LEU2:プラスミドpBTI−1由来(ベーリンガーマンハイ
ム社より市販) 大腸菌複製開始領域及びアンピシリン耐性遺伝子:pUC19
(宝酒造より入手) [II]各プラスミドの構築 各プラスミドpMM−006およびpHO−011の構築はpUC19か
ら「モレキュラークローニング」コールドスプリングハ
ーバーラボラトリー(1982))に記載の方法に準じて常
法通り行った(図4(a)および図4(b)参照)。
プラスミドpMM−006は、宿主酵母細胞の染色体配列と
相同な配列として、ロイシン合成系遺伝子のLEU2を含
み、GAP−DHプロモーターの支配下にSUC2シグナル配
列、HSA構造遺伝子およびPHO5ターミネーターを連結し
たものである。
プラスミドpHO−011は宿主酵母細胞の染色体配列と相
同な配列として、トリプトファン合成系遺伝子のTRP1を
含み、GAP−DHプロモーターの支配下にSUC2シグナル配
列、HSA構造遺伝子およびPHO5ターミネーターを連結し
たもので、酵母選択マーカー遺伝子として、G418耐性遺
伝子を含むものである。
プラスミドpMM−006およびpHO−011は、平成元年(19
89)4月28日通産省工業技術院微生物工業技術研究所へ
各々次のとおり国際寄託されている。
微生物名:ピーエムエム006/イー・コーリジェイエム
109(pMM006/E.coli JM109) 受託番号:微工研条寄第2404号(FERM BP−2404) 微生物名:ピーエッチオー011/イー・コーリエッチビ
ー101(pHO011/E.coli HB101) 受託番号:微工研条寄第2405号(FERM BP−2405) [III]プラスミドpH0−01によるS.cerevisiae AH22株
の形質転換〕 宿主として、サッカロマイセス・セレビシエAH22株を
用いた。
サッカロマイセス・セレビシエAH22株は、接合型がa
型であり、ヒスチジン合成系遺伝子(his4)、およびロ
イシン合成系遺伝子(leu2)に変異を持つ。従って、培
養液中に、ヒスチジンおよびロイシンを添加しなければ
増殖することができない。
HSA分泌発現用プラスミドpHO−011を酵母サッカロマ
イセス・セレビシエAH22株の染色体中に以下の方法によ
り導入した。
後記[V]に記載の方法と同様の方法によった。但
し、次の点で[V]に記載の方法と異なる。
宿主:AH22 プラスミド:pHO−011 プラスミド導入時:pHO−011中のTRP1遺伝子上のユニー
クサイトであるEco RVで消化し、プラスミドを線状にし
て導入。
形質転換培地:YPDメディウムに1.2Mソルビトール、3%
ノーブルアガー、0.2%リン酸1カリウム添加したもの
に形質転換プラストを懸濁。
プレーオはYPDメディウムに1.2Mソルビトール、3%ト
ーブルアガー、100μg/ml G−418を添加したもの。
ヒト血清アルブミン産生量:60μg/ml かくして得られた形質転換体をTMS−26−10と命名し
た。
[IV] 形質転換体TMS−26−10のスクリーニング サザンプロッティング法により、HSA遺伝子がどこ
に導入されたかを調べたところ、確かに染色体中のTRP1
領域に導入されていることが確認できた。
HSA遺伝子の安定性をHSA産性量とG418耐性を指標に
測定したところ、非選択培地で約60世代培養した後で
も、100%のHSA遺伝子が保持されていた。
[V] プラスミドpMM−006による形質転換体TMS−26
−10の形質転換 YPDメディウム(イーストエキストラクト10g、バクト
ペプトン20gを水に溶解し900mlとした後オートクレーブ
滅菌し、別にオートクレーブ滅菌した20%グルコース10
0mlと混合した。)50ml中37℃、一夜振盪培養したサッ
カロマイセスセレビシエAH22を遠心し、得られた細胞を
水20mlに懸濁後、再度遠心して細胞を得た。これを10ml
の50mMジチオスレイトール、1.2Mソルビトール25mM EDT
A、pH8.5に懸濁し、30℃で10分間穏やかに振盪した。遠
心により細胞を集め、1.2Mソルビトール10mlに懸濁し、
再度遠心により細胞を集めた。細胞を10mlの1.2Mソルビ
トールに懸濁し、遠心により細胞を集めた。細胞を10ml
の0.2mg/mlザイモリアーゼ100T、1.2Mソルビトール、10
mM EDTA、0.1Mクエン酸ナトリウム、pH5.8に懸濁後、30
℃で1時間穏やかに振盪した。遠心で細胞を集め、1.2M
ソルビトール、次いで10mM塩化カルシウム、1.2Mソルビ
トール各10mlで洗浄し、遠心で細胞を集めた。細胞を1m
lの10mM塩化カルシウム、1.2Mソルビトールに懸濁し
た。懸濁液100μを滅菌試験管にとり、5μのDNA溶
液(TRP1遺伝子上のユニークサイトであるKpn Iで消化
し、を線状にして(5μgのpH0−011を5μg含む。)
と混合し、室温に15分間静置した。更に、1.2mlの20%
ポリエチレングリコール4000、10mM塩化カルシウム、10
mMトリス−塩酸、pH7.5を加え穏やかに混合後、室温で2
0分間静置した。遠心で細胞を集め、0.1mlの1.2Mソルビ
トール、10mM塩化カルシウム含有YPDメディウムに懸濁
し、30℃で30分間穏やかに振盪した。懸濁液1.5、10、2
0および50μをそれぞれ寒天培地と混合して、45℃に
保温した10mlのロイシン不含培地からなるプレートに拡
げた。プレートが固化したら、30℃で3日間静置培養し
た。形成したコロニーを爪楊枝で採取し、3mlの0.7%イ
ーストナイトロジェンベース、2%グルコースに懸濁
後、30℃で2日間振盪培養した。そのうちの1.5mlを遠
心し、細胞を集め、3mlのYPDメディウム(イーストエキ
ストラクト10g、バクトペプトン20gを水に溶解し、900m
lとした後オートクレーブ滅菌し、別にオートクレーブ
滅菌した20%デキストロース100mlと混合した。)に懸
濁し、30℃で振盪培養した。培養上清のHSA濃度をRPHA
法にて測定したところ、3日目で最高80μg/mlのHSAが
検出された。
かくして得られた形質転換体をTMS−33−1と命名し
た。
[VI] 形質転換体TMS−33−1のスクリーニング(LEU
2遺伝子の安定性・HSA産生量) サザンブロッティング法によりHSA遺伝子がどこに
導入されたかを調べたところ、確かに染色体中のLEU2領
域の導入されていることが確認できた。
HSA遺伝子の安定性をHSA産生量とロイシン非要求性
を指標に測定したところ、非選択培地で約60世代培養し
た後でも、100%のHSA遺伝子が保持されていた。
従って、TMS−33−1は宿主酵母サッカロマイセス・
セレビシエAH22株の染色体の3箇所、すなわちLEU2領域
およびTRP I領域にHSA遺伝子が導入されたものであるこ
とが確認できた。
従って、TMS−33−1は宿主酵母サッカロマイセス・セ
レビシエAH22株染色体の3箇所、すなわちLEU2領域およ
びTRP1領域にHSA遺伝子が導入されたものであることが
確認できた。
さらにTMS−33−1株のヒスチジン要求復帰変異株TMS
−33−1hを次の要領で取得した。即ち、TMS−33−1株
を非選択培地にて一晩成育させた後、集菌し、十分洗浄
後選択プレート(即ち、ヒスチジンを含まない培地から
なるプレート)を塗布する。選択プレートを30℃にて培
養し、生育したヒスチジン要求復帰変異候補株よりTMS
−33−1h株を取得した。
(2)培地組成 (a)前培養用培地(YNB broth) Bacto−Yeast Nitrogen Base(DIFCO製)6.7gを100ml
の蒸留水に溶解し、除菌濾過したものと、グルコース20
gを蒸留水に溶解し900mlとした後、加熱滅菌したものを
混合した。
(d)FED−BATCH培養用天然培地 (e)FED−BATCH培養用合成培地 比較例1 a.使用菌株 Saccharomyces cerevisiae AH22h/pYI032株を使用し
た。
b.使用培地 BATCH培養用天然培地(表1)を使用した。
c.培養方法 (1)前培養 適当量の保存菌株を2本の100mlYNB brothを含むバッ
フル付300ml容三角フラスコに植菌、30℃にて24時間振
盪培養し、遠心集菌後、10mlの滅菌水に懸濁して1の
回分培養用培地に植菌した。
(2)本培養 回分培養用培地(表1)1に菌体を接種し、3容
ミニジャー−ファーメンター(バイオマスターD型、AB
LE社製)を用いて通気撹拌培養した。通気量を1vvmに設
定し、撹拌速度は溶存酸素濃度が10ppm以上となるよう
に制御した。撹拌速度が上限に達した後は、上限値に固
定した。培養中、pHは3N NaOHを添加することによりpH
6.5で定値制御した。消泡剤(アデカノール、旭電化工
業)を必要に応じて少量添加することで実施した。
(3)菌体濃度の測定 任意の培養時間で培養液をサンプリングし、蒸留水で
適当に希釈したのち分光光度計(島津製、UV240型)を
用いて540nmにおける吸光度を測定した。乾燥菌体濃度
への換算は予め求めておいた較正直線を用いて実施し
た。
(4)HSA濃度の測定 任意の培養時間で培養液をサンプリングし、15,000rp
m、5分間遠心後、得られた上清を用いてRPHA法により
測定し、標準HSA(Miles社)との比較によりサンプル中
のHSA濃度をmg/で表示した。
この条件にて得られた菌体量は10g−dry cell/であ
り、その時のHSA産生量は80mg/であった。(表7) 比較例2 使用菌株をSaccharomyces cerevisiae TMS 33−1h株
とした以外、比較例1と同じ方法にてHSAを産生させ
た。本菌株を使用した場合も得られた菌体量は10g−dry
cell/であり、その時のHSA産生量は80mg/であっ
た。(表7) 比較例3 使用培地組成をBATCH培養用合成培地(表2)とした
以外、比較例2と同じ方法にてHSAを産生させた。本菌
株を使用した場合も得られた菌体量は10g−dry cell/
であり、その時のHSA産生量は20mg/であった。(表
7) 比較例4 使用菌株をSaccharomyces cerevisiae AH22h/pY1032
株とした以外、比較例3と同じ方法にてHSA産生させ
た。本菌株を使用した場合も得られた菌体量は10g−dry
cell/であり、その時のHSA産生量は20mg/であっ
た。(表7) 実施例1 (1) 使用菌株 Saccharomyces cerevisiae AH22h/pY1032株を使用し
た。
(2) 使用培地組成 FED−BATCH培養用天然培地(表3、表4)を使用し
た。
(3) 培養方法 (1)前培養 適当量の保存菌株を2本の100mlYNB brothを含むバッ
フル付300ml容三角フラスコに植菌、30℃にて24時間浸
盪培養し、遠心集菌後、10mlの滅菌水に懸濁して1の
回分培養用培地に植菌した。
(2)本培養 回分培養用培地(表3)1に菌体を接種し、3容
ミニジャー−ファーメンター(バイオマスターD型、AB
LE社製)を用いて通気撹拌培養した。通気量を2vvmに設
定し、撹拌速度は溶存酸素濃度が10ppm以上となるよう
に制御した。撹拌速度が上限に達した後は、上限値に固
定した。培養中、pHは3N NaOHを添加することによりpH
6.5で定値制御した。消泡は消泡剤(アデカノール、旭
電化工業)を必要に応じて少量添加することで実施し
た。
また、吸収商(RQ)が任意の値で一定となるように制
御用プログラムにより流加培地(表4)を添加した。吸
気商はEXHAUST OXGEN CARBONDIOXIDE METER(EX1562
型、ABLE)を用いて測定したO2、CO2濃度をパーソナル
コンピュータ(FMR−60HD型、富士通)により30秒毎に
データ収集後計算した。その結果によりFEED用培地の添
加量の増減を実施した。
また、式中の各パラメーターは V=2(L) Y=0.4(g細胞/gグルコース) μ=0.12(hr-1) X0=0.3(g/L) に設定した。
(4) 菌体濃度の測定 任意の培養時間で培養液をサンプリングし、蒸留水で
適当に希釈したのち分光光度計(島津製、UV240型)を
用いて540nmにおける吸光度を測定した。乾燥菌体濃度
への換算は予め求めておいた較正直線を用いて実施し
た。
(5) HSA濃度の測定 任意の培養時間で培養液をサンプリングし、15,000rp
m、5分間遠心後、得られた上清を用いて逆受身ヒツジ
赤血球凝集反応(RPHA)により測定し、標準HSA(Miles
社)との比較によりサンプル中のHSA濃度をmg/で表示
した。測定方法は鷲見らの報告に従って実施した。
この条件にて得られた菌体量は80g−dry cell/であ
り、その時のHSA産生量は400mg/であった。(表7) 実施例2 使用菌株をSaccharomyces cerevisiae TMS 33−1h株
とした以外、実施例1と同じ方法にてHSAを産生させ
た。本菌株を使用した場合も得られた菌体量は80g−dry
cell/であり、その時のHSA産生量は800mg/であっ
た。(表7) 実施例3 使用培地をFED−BATCH培養用合成培地(表5、表6)
とし、培養中pH6.0となるように14%NH4OHにてpH調整し
た以外、実施例2と同じ方法にてHSAを産生させた。本
菌株を使用した場合も得られた菌体量は130g−dry cell
/であり、その時のHSA産生量は1,200mg/であった
(表7)。各項目について4時間毎に測定を行ない、図
5に本実施例の掲示変化を表すグラフを示した。尚、図
中Fは任意の3分間におけるフィードポンプの作動時間
(秒)を、DCWは菌体濃度(g/)を表す。
実施例4 使用菌株をSaccharomyces cerevisiae AH22h/pY1032
株とした以外、実施例3と同じ方法にてHSAを産生させ
た。本菌株を使用した場合も得られた菌体量は80g−dry
cell/であり、その時のHSA産生量は400mg/であっ
た。(表7) 実施例5 実施例3において得られた上清中のHSAの分析を実施
した。
(1) サンプル 実施例3の64時間目の培養液をサンプリングし、15,0
00rpm、5分間遠心後、得られた上清を使用した。
(2) SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動 TEFCO製SDS−PAGE plate4−20%を使用した。サンプ
ルを2−メルカプトエタノールによる還元状態で泳動を
行った。泳動はフナコシ社製プリキャストゲル電気泳動
装置を用い、添付文書に記載の方法に従って行った。
(3) 銀染色 和光純薬製銀染色キットワコーを使用し、添付文書に
記載の方法にて行った。
(4) western Blotting 一次抗体として抗HSAウサギポリクローナル抗体(DAK
O製)、二次抗体としてペルオキシダーゼ結合抗ウサギI
gG(H+L)ヤギポリクローナル抗体を使用した。ま
た、発色は4−クロロ−1−ナフトール、および過酸化
水素水を使用した。
上記の方法にて分析した結果、本培養上清にはHSA以
外の夾雑蛋白質は少なく、また、培養中のHSAの分解も
非常に少ないことが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
図1はフィードコントロールプログラムの概要を示す。 図2は培養制御システムの概要を示す。 図3はHSA分泌発現ベクターpY1032の制限酵素地図を示
す。 図4(a)および4(b)は、それぞれプラスミドpMM
−006およびプラスミドpHO−011を示す。 図5はTMS−33−1h株を合成培地にてフェド−バッチ培
養した際の経時変化を表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:865) (C12N 1/19 C12R 1:865) (72)発明者 武智 和男 大阪府枚方市招提大谷2丁目1180番地の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (72)発明者 横山 和正 大阪府枚方市招提大谷2丁目1180番地の1 株式会社ミドリ十字中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−74493(JP,A) 特公 昭61−32957(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト血清アルブミン遺伝子を担持するプラ
    スミドを用いて形質転換した酵母をフェッド−バッチ培
    養により培養してヒト血清アルブミンを採取することか
    らなるヒト血清アルブミンの製造方法において、以下の
    設定式に従って培地の補充を増加させる工程を含んでな
    ることを特徴とするヒト血清アルブミンの製造方法。 〔式中、X0は初期菌体濃度(g/L)、Vは培地量
    (L)、Fはフィード流速(g/hr)、Yは増殖収率(g
    細胞/g基質)、μは比増殖速度(hr-1)、tは培養時間
    (hr)を示し、μは0.01〜0.2hr-1である。〕
  2. 【請求項2】酸素消費量と二酸化炭素生成量の比である
    呼吸商として0.9〜1.2の任意の数値を設定し、呼吸商が
    当該設定数値を越えない場合には培地の補充を増加さ
    せ、呼吸商が当該設定数値以上の場合は培地の補充を減
    らすことを特徴とする請求項(1)のヒト血清アルブミ
    ンの製造方法。
  3. 【請求項3】Vは1〜105L、Yは0.1〜1、X0は0.05〜3
    g/Lである請求項(1)のヒト血清アルブミン製造方
    法。
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