JP2865259B2 - 高い耐熱サイクル性を有する注型による重合体シンク - Google Patents

高い耐熱サイクル性を有する注型による重合体シンク

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Description

【発明の詳細な説明】 背景 本発明は、メチルメタクリレート単独またはそれと予
め形成された重合体との混合物、アルミナ三水和物粒子
および重合したメチルメタクリレートと添加したアルミ
ナ三水和物粒子との間に結合を生じさせるカップリング
剤を含有する安定な流動性組成物を重合させることによ
り得られる成形物品に関する。
関連する重合体を気泡の形成防止のために加圧下で注
型することはFieldsらのUSP2,136,423に記載されてい
る。
上記したような組成物は先行技術、特にDugginsによ
るUSP3,847,865(1974)または相当するDE−A2006197に
より既に知られている。これらの先行技術文献にはアク
リル重合体中でアルミナ三水和物を充填剤として使用し
て構造を有する製品にすることが記載されており、この
製品の半透明性、耐候性、耐炎性、耐応力亀裂性並びに
一般家庭にある酸およびアルカリによる汚染や腐食に対
する耐性などの特性はその構造物を建築物用に特に適し
たものにしている。
特にこれらの特性により、該アルミナ三水和物を充填
したアクリル構造体は台所や浴室のカウンタートップ、
特にシンク状に形成されたものとして適している。
アルミナ三水和物で充填されたこれらのアクリル構造
体の特有な性質はその独特の重合用開始剤系に一部よる
ものである。それらの開始剤系は少量の水溶性パーオキ
サイド化合物およびパーオキサイド化合物用促進剤とし
ての少量の水からなる。アルミナ三水和物に担持された
表面の水もまた重合を促進し、そして上記した予想外の
製品特性に寄与している。
更に、上記した組成物はOsbornらによるUSP4,221,697
(1980)により既に知られている。カップリング剤の代
わりに、またはカップリング剤に加えて組成物は重合体
分散剤を含有している。そこに開示されている目的は無
機粒子と重合体マトリックスとの間に結合を生じさせる
ことであり、この結合はこれら2つの成分のうちの弱い
ものの内部凝集力と少なくとも同じ強さである。
しかしながら、耐応力亀裂性および耐汚染性または耐
腐食性のような機械的および物理的長期特性は特定の製
品、特に成形物品に対しては最適な値よりも低いことが
見出された。
図面の簡単な説明 第1図は本発明により製造された二槽シンクの斜視図
である。
第2図は切断面線3−3、4−4および5−5を示す
シンクの平面図である。
第3図、第4図および第5図は上記した切断面の各々
に沿った垂直断面図である。
第6図は注型および硬化サイクルの間の型面の温度を
プロットしたものである。
発明の概要 本発明は、上方部分、水を保つのに適した凹部および
排水口を有する底部を有するシンクの形をしたアルミナ
三水和物の粒子で充填された重合したメチルメタクリレ
ートのマトリックスからなる注型物品を提供するもので
あり、該物品が、その底部に排水口から5cmまで熱水と
冷水を交互に入れるサイクルからなっていて、各サイク
ルが約6分間続き且つ約80℃で3分間、次に20℃で3分
間の約3l/分の交互の流れからなる熱サイクルに、少な
くとも2000サイクルのあいだ亀裂を生じることなく耐え
得る耐熱サイクル性を有していることを特徴としてい
る。
上記物品は雄と雌からなる閉鎖された1セットの型内
で注型および硬化を行う方法により製造することがで
き、そこでは雄型と雌型は硬化によるマトリックスの収
縮に比例して徐々に接近するようになっており、上記型
は硬化の間少なくとも3バールの圧力で共に加圧され、
そしてマトリックスのガラス転移温度より高い温度で硬
化が行われる。
全固体に基づいてマトリックスが約30〜70重量%のア
ルミナ三水和物を含有するのが好ましい。
詳細な説明 熱水と冷水による熱サイクルに起因する亀裂に対して
優れた耐性を有するシンク、特に台所シンクを製造する
ための長い間の努力の後に、複数の関連する要素の精密
な調製によりそのような耐性が大幅に改良されることが
ついに見出された。
本発明の最も重要な特徴の一つは、熱水および冷水の
熱サイクルによって引き起こされる交互の応力に対して
製品の耐性を増すことである。先行技術により知られて
いる製品は280〜370サイクル後に亀裂を生ずるのに対し
て、新しい製品は2000サイクルよりも多くても亀裂を生
ずることがない。
SchockのEP19,867(1983)に類似した閉鎖した型によ
る注型を採用して、型に高圧をかけて硬化による重合体
の収縮に追随させるのが好ましい。型を閉鎖状態に保つ
ために、少なくとも約3バール、好ましくは少なくとも
5バール、より好ましくは7〜9バール、最も好ましく
は約9バールの圧力が望ましい。1バールは0.98679標
準気圧である。更に、重合を伴う注型で気泡の形成を最
小または防止するのに充分な圧力であるのが望ましい。
望みの耐熱サイクル性を与えるのに充分な時間、硬化
温度をマトリックス重合体のガラス転移温度(Tg)(純
粋なポリメチルメタクリレートでは約105℃)よりも高
い温度に保つのが好ましい。場合によってはわずかに低
い温度であっても充分であるが、35分の注型および硬化
サイクルの終了に向かって硬化サイクルの部分、例えば
5分間のあいだ、Tgよりも高くするのが通常好ましい。
第6図にみるように、曲線Bは雌型からの加熱−冷却水
排出口の温度を示し、曲線Aは雄型からの該水排出口の
温度を示す。温度の高い雄型がより速い硬化をもたらし
平滑な表面を形成する。
驚いたことには、本発明の注型条件が優れた耐熱サイ
クル性を生ずるだけでなく熱分析における特異的な挙動
をも生ずることを見出した。かかるシンクの底から切り
出された片が室温(27℃)から105℃よりも低い温度に
加熱された時には厚さまたは横方向寸法が殆ど全く変化
しなかったが、次いで丁度105℃以上では大きく変化し
た。そしてその変化が生じたときでさえ、それは予想外
のタイプの変化である。105℃より高い加熱で厚さが劇
的に増し且つ片は水平面内で収縮した。片中の横長の穴
は小さくなった。考察すると、上記で生じたことは、上
記の工程が調節された応力を生じ、該応力がTgより低い
温度での認め得る熱膨張を妨げ、次にTgより高い温度に
おけるアニーリングが該応力を解放し、実質的な膨張、
収縮および亀裂傾向を生じたということである。台所ま
たは浴室のシンクが一般にさらされる温度は0℃〜100
℃の間であるので、この結果は実際の用途における高い
耐熱サイクル性を与えることになる。
注型物品ではランダムでコントロールされていない応
力がこれまで欠点であったが、本発明による応力は非常
に有効であることが明らかになった。
従来技術と比べたときの、成形物品中における本発明
で選択されたカップリング剤の利点は、粒子と重合した
メチルメタクリレートとの間のカップリングが適度な強
さであるために、亀裂が重合したメチルメタクリレート
マトリックスからアルミナ三水和物粒子との境界にまで
延びたときに、粒子表面の周囲の不規則な通路に明らか
に続く傾向があるという現象に部分的に起因するものと
考えられる。これによりアルミナ三水和物粒子の劈開以
上のエネルギーを実質的に吸収して、物品を一層丈夫に
し、かつ機械的な応力により生じた種々の破壊に対して
より耐性にする。
好ましい態様によると、電子顕微鏡によって本発明の
製品と従来技術に開示された製品の破壊様式の違いが示
される。
ある態様では、本発明の成形物品はマトリックスに結
合したアルミナ三水和物粒子を含有する重合したメチル
メタクリレートのマトリックスからなっており、そこで
は重合したメチルメタクリレートマトリックスとアルミ
ナ三水和物粒子の界面における結合力は、アルミナ三水
和物粒子の劈開平面間の内部結合力よりも小さい強さで
ある。
この新規な成形物品の機械的性質の優秀さを、例えば
熱サイクル試験により示すことができる。この試験では
正確に調節された熱水冷水が成形物品、例えばシンクを
通して交互に流され、そしてシンクに亀裂が発生するま
でのサイクル数を測定する。従来技術による硬化性組成
物の重合により得られる成形物品は280〜370サイクル後
に亀裂が生ずるのに対して、本発明の硬化性組成物を使
用して得られた物品は2000サイクルよりも多く亀裂を生
ずることなく実施できる。
特定の仮説をたてることを望まないが、本発明の製品
の優れた機械的性質は、成形物品を製造するための硬化
性で成形性の組成物が特別のカップリング剤を含有し、
該カップリング剤が、アルミナ三水和物粒子の劈開平面
間の内部結合力よりも小さい強さの結合力を重合したメ
チルメタクリレートとアルミナ三水和物粒子との間の界
面に生じさせるような調節された強さを有するカップリ
ング剤であるように選択されるという特徴に一部基づい
ていることが考えられる。従来技術の開示にしたがって
製造されたサンプルは片が破砕されたときにアルミナ三
水和物粒子を通してかなりの量の亀裂が生じている。亀
裂は少しのエネルギーしか吸収しない平坦な面に沿って
延びている。実際、本発明のサンプルの場合は、PMMAマ
トリックスとアルミナ三水和物粒子とのあいだのカップ
リング剤によって達成されたカップリングはゆるやかで
あり、その結果、亀裂がPMMAからアルミナ三水和物粒子
との界面へと延びたときに、それは通常粒子を通って亀
裂を生じず、代わりに粒子の周囲に不規則な通路を形成
する。これによってアルミナ三水和物粒子の裂けよりも
大きなエネルギーが実質的に吸収され、したがって生成
物を一層丈夫で種々の破壊、特に熱サイクル亀裂に対し
てより耐性にする。
カップリング剤がシラン、特に有機シランからなるの
が好ましい。金属酸エステルまたは周期率表の第IV族お
よび第V族の遷移金属の有機錯塩と混合された有機シラ
ンからなるカップリング剤を使用することによって最も
良好な結果が得られた。AmortらのEP253,211(1988年1
月20日発行)、HanischらのEP107,762(1984年5月9日
発行)、またはHanischらのUSP4,771,095(1988年9月1
3日)によるような、ジルコニウム酸エステルと混合さ
れた有機シランが特に好ましい。
組成物がシロップの量に関してアルミナ三水和物粒子
を全量で約154〜190重量%含有するのが好ましい。
アルミナ三水和物粒子の全量が約163〜181重量%であ
るのがより好ましく、172重量%が最も好ましい。
適当な有機シランは、例えばγ−メタクリロキシプロ
ピル−トリメトキシシランおよび/またはビニルトリメ
トキシシランである。
アルミナ三水和物の全量に対するカップリング剤の量
は好ましくは1.45〜5.32重量%の範囲から選ばれ、より
好ましくはカップリング剤の量は約2.79重量%である。
組成物中で使用されるシロップは、シロップの全量に
対して重合したメチルメタクリレートを好ましくは10〜
30重量%、より好ましくは16〜24重量%、そして最も好
ましくは18重量%の量で含有する。シロップはNunnのUS
P3,145,600(1960)による技術で知られている重合技術
により、またはモノマー中に重合体を溶解することによ
り製造することができる。限界値以内のプレポリマーを
加えることにより、塊の重合工程中の収縮が減少する
が、シロップは未だ注型可能な粘度を有したままで得ら
れる。
ポリメチルメタクリレート分子の大きさは組成物の特
性にとって臨界的ではないが、約60,000〜150,000、よ
り好ましくは約87,000〜115,000の分子量を有する重合
したメタクリレートを使用するのが好ましい。メチルメ
タクリレートが約100,000+/−10,000の分子量を有す
るのが最も好ましい。
分子量が可能な限り高く且つモノマーの重合体への転
化が可能な限り高いことが、重合したメチルメタクリレ
ートから可能な限り最良の機械的および化学的性を達成
するための基本的必要事項である。通常、これらの必要
事項は、フリーラジカル開始剤の低濃度の使用、長い重
合時間および型温度の上昇を伴う反応の完了によっても
たらされる。しかしながら、それによって不経済な成形
サイクル時間になるであろう。
分子量を低下させずに成形サイクル時間を短くする一
つの方法は、組成物に多官能性架橋剤を加えることであ
り、いかなる適切な多不飽和架橋化合物も使用できる。
更に、架橋剤は最終生成物の伸びまたは弾性を調節す
る助けをし、架橋剤の作用は使用されるアルミナ三水和
物粒子の量と逆の関係にある。
好ましい架橋剤は多官能性架橋剤であり、とくに二官
能性および三官能性架橋剤が好ましい。適切な架橋剤の
例は、二官能性架橋剤としてのエチレンジメチルアクリ
レート、プロピレンジメチルアクリレート、ポリエチレ
ン−グリコールジメチルアクリレート、プロピレンジメ
チルアクリレート、ポリエチレングリコールジメチルア
クリレート、ジビニルベンゼン、ジアルリルフタレー
ト、1,3−ブタンジオールメタクリレート、1,4−ブタン
エチレングリコールジメタクリレートまたはネオペンチ
ルグリコールジメタクリレート、および三官能性架橋剤
としてのトリメチロールプロパントリメタクリレート、
トリアルリルシアヌレート、ペンタエリスリトールテト
ラメタクリレート、アルリルメタクリレート、ヒドロキ
シエチルメタクリレートまたはヒドロキシプロピルメタ
クリレートである。最もしばしば使用される架橋剤はト
リメチロールプロパントリメタクリレートである。
架橋剤は収縮の程度を増加させるので、組成物に添加
する架橋剤の量に注意を払うべきである。あまりに多量
の架橋化合物が存在すると、生成物に非常に応力がかか
り重合工程のあいだに亀裂やひび割れを生ずるであろ
う。したがって、架橋剤はシロップの量に対して組成物
に好ましくは1〜5重量%、より好ましくは2.2重量%
の量で加えられる。
本発明の組成物を使用して成形物品を製造する方法
は、内部離型剤の添加によって著しく改良されることが
でき、それにより型と成形物との分離が容易になる。内
部離型剤の全量は、シロップの量に対して好ましくは約
0.25〜1重量%、または好ましくは約0.3重量%であ
る。
内部離型剤化合物はその溶解性により選ばれ、メチル
メタクリレートモノマーに溶解し、そして重合したメチ
ルメタクリレートに不溶性の化合物が好ましく、その結
果、内部離型剤は形成される物品の外部表面に重合工程
の間に排出されてくる。このような性質を有する好まし
い化合物は例えばステアリン酸、コハク酸またはラウリ
ン酸である。
本発明の組成物は優れた貯蔵安定性を示す。いかなる
沈降物も容易に再分散される。沈降の防止が必要な場合
には、コロイドヒュームドシリカを加えることにより達
成することができ、それは無機充填剤粒子の沈降速度を
遅らせるための増粘剤として働く。ヒュームドシリカは
シロップの量に対して特に0.1〜9重量%の範囲でシロ
ップに添加される。ヒュームドシリカを約0.1〜3重量
%の範囲で加えるのがより好ましい。
好ましいコロイドヒュームドシリカは親水性を示すも
のであり、西ドイツのCabot GmbH社から販売されている
“Cab−0−Sil"のようなものである。親水性コロイド
ヒュームドシリカはシロップの全量に対して、約1.4重
量%の量で添加されるのが好ましい。好ましい平均粒子
サイズは約1μmである。
親水性シリカを使用する場合は、このシリカは有機シ
ランで処理されているのが好ましく、そのようなシリカ
の例は西ドイツのWacker Chemie GmbH社から販売されて
いるHDK K 2000である。親水性シリカはシロップの量に
対して約3重量%の量で組成物に添加するのが好まし
い。
上記したシリカの種類のいかなるものもDIN法66131に
より測定して100〜400m2/gmのBET表面を有するのが好ま
しい。
無機充填剤粒子、すなわちアルミナ三水和物粒子は微
粉砕されていることが必要である。粒子サイズはある程
度臨界的であり、それは第一にあまりにも小さい粒子は
型面の不規則な表面に止まって成形物品の型への粘着を
引き起こすことによるものであり、第二に粗い粒子は組
成物中であまりに速く沈降する傾向があり、これは30〜
35分の通常のサイクル時間を伴う硬化工程では問題とな
る。更に、粒子サイズの系の他の点とともに疲れ寿命の
ような成形物品の性質にも影響を及ぼす。したがって、
アルミナ三水和物粒子の平均粒子サイズは1〜100μm
の範囲であるべきである。アルミナ三水和物粒子が5〜
50μmのサイズであるのがより好ましく、約45μmであ
るのが最も好ましい。
本発明による硬化および成形のために、重合工程用の
開始剤が上記した安定で流動性の組成物に加えられる。
水に不溶性の開始剤が好ましい。開始剤は、異なった温
度において1時間の半減寿命を有する第1開始剤と第2
開始剤からなる複合熱開始剤であることができ、第1お
よび第2開始剤をパーオキサイド開始剤から選ぶのが好
ましい。第1および第2開始剤が1時間の半減寿命を有
する温度が少なくとも約10〜15℃異なるのが好ましく、
第1開始剤の1時間−半減寿命温度が50〜60℃であり、
第2開始剤の1時間−半減寿命温度が75〜85℃である。
1時間−半減寿命温度が約57℃の第1開始剤と1時間−
半減寿命温度が約80℃である第2開始剤からなる開始剤
系がより好ましい。そのような開始剤系は、型の温度を
硬化工程のあいだ調節することによって重合速度の調節
を非常に良好に調節することができる。
開始剤と型温度とのあいだには必要とされる関係があ
る。好ましくは、使用される開始剤が第1の1時間−半
減寿命温度を有する第1開始剤化合物と第2の1時間−
半減寿命温度を有する第2開始剤化合物からなり、第2
の1時間−半減寿命温度が第1の1時間−半減寿命温度
よりも高く、そして第1部分の出発温度が第1開始剤と
第2開始剤の1時間−半減寿命温度の間に保たれ、一方
型の第1部分と第2部分の終了時の温度が第2開始剤の
1時間−半減寿命温度に少なくとも等しい温度に保たれ
る。また、型の第1部分と第2部分との間の温度差が物
品の厚さ1cm当たり少なくとも約10℃であるのが好まし
い。
第1開始剤はパーオキシジカーボネートの群から選ん
でよく、第1開始剤の適当な例は、ビス(4−t−ブチ
ルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、γ−ク
ミルパーオキシネオデカノエートおよびt−ブチルパー
オキシネオデカノエートである。
第2開始剤として使用するための適当な化合物は、例
えばジラウロキシルパーオキサイド、ジイソノナノイル
−、ジラウロイル−またはジデカノイル−パーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキソイル
パーオキシ)ヘキサンおよびt−ブチル−パーオキシ−
ピバレートである。
開始剤系は第1開始剤と第2開始剤が重量比で好まし
くは4:1〜1:4、より好ましくは1:1〜1:4からなる。
組成物に加えられる開始剤の全量がシロップの量に対
して0.3〜1重量%であるのが好ましい。0.3重量%のビ
ス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカー
ボネートおよび0.6重量%のジラウロキシルパーオキサ
イドからなる開始剤系を使用することによって非常に良
好な結果が得られた。
さて、図面の第1〜第5図に戻ると、第3図に最もよ
く示されているように、二槽シンク10は小さな左側の槽
11と大きな右側の槽12を有する。勿論、本発明は単槽シ
ンクであってもよい。槽12はリップすなわち上方部分1
3、凹部すなわち壁14および底部15を有する。排水口16
が底部15にある。地点17のあたりで熱サイクル試験の水
流を導入する。この地点は蛇口からの水がしばしば衝突
する場所であり、そして典型的なシンクでは排水口16か
ら約5cmまたは排水口16から壁14までの距離の約1/3のあ
たりの地点である。
本発明の成形物品の製造工程は4つの異なった工程に
分けられる。
1.メチルメタクリレート重合体の溶液の製造: タンクにメチルメタクリレートモノマーを充填して約
40℃の温度に保つ。微粉砕したポリメチルメタクリレー
トを加え数時間連続的に攪拌して混合する。次に溶液を
20℃に冷却する。
2.未反応組成物の製造: メチルメタクリレートモノマー中のメチルメタクリレ
ート重合体の溶液ベースに対して、アルミナ三水和物粒
子、架橋剤、カップリング剤および増粘剤(すなわちコ
ロイドシリカ)を加える。この工程のあいだタンクの温
度を約20℃に保つ。
3.硬化性および成形性組成物の製造: 開始剤を加えることにより組成物が反応性になる。こ
の工程ではまた必要な顔料および離型剤を加える。タン
クの温度をそのまま約20℃に保つ。攪拌を繰り返すこと
によりアルミナ三水和物粒子の沈降を防止する。−0.75
バール(ゲージ圧)に真空吸引して配合物中のすべての
空気を除去する。
4.反応射出成形工程: 配合物の予め決められた量を受口を通して閉鎖した型
に供給する。受口を密閉して型を8バールの圧力で封鎖
状態に保った。閉鎖した型は良好な注型表面を形成する
ための雄型部分とそれほど良好でない注型表面用の雌型
部分を有するのが好ましい。これら2つの型部分は水を
運ぶために型部分内にチャンネルのような加熱および冷
却手段を備えている。重合を開始するために水を所望の
温度に加熱する。型の温度をマイクロプロセッサー温度
調節システムによって連続的にまたは多様に調節する。
雄型部分が雌型部分よりも高温の水を受け入れ、好まし
くは蒸気加熱されそして適当に加圧される。これにより
重合が最初に雄型部分で始まり滑らかな表面の形成を確
実にする。最初は入口水温度が排出口水温度よりも3〜
4℃高いが、発熱硬化反応が熱を発生し排出口温度が結
局入口温度よりも高くなるであろう。厚い部分では硬化
している混合物の中心の温度が表面の温度よりも高いの
が当業者によってよいとされるであろう。最適の成形条
件は製造される製品の大きさや形状に依存するが、台所
シンクの型中でのサイクル時間は30〜35分であるのが望
ましい。
実施例1、2および3の組成物を重合するための好ま
しい硬化工程では、第6図に示されているように、雄型
部分を72℃の出発温度に加熱する。この温度を約10分間
一定に保つ。雌型部分を使用される開始剤の10時間の半
減寿命温度よりも低い約30℃の出発温度に10分間調節す
る。
次に雄型部分の温度を112℃の温度まで16分かけて一
定速度で上昇させ、次いで5分間一定に保つ。物品のこ
ちら側での硬化工程は既に完了しているので、硬化サイ
クルを終了するために雄型の温度を80℃の最終温度に4
分以内で低下させる。
型の雌部分は硬化工程の出発期間後に11分以内で80℃
の最終温度に加熱し、次いで35分の硬化サイクル時間の
残りの時間一定に保つ。
この工程により製造された物品は約2cmの厚さを有す
る。全体の硬化期間中、雄型部分と雌型部分の温度差は
少なくとも約20℃、即ち最終物品の厚さ1cm当たり少な
くとも10℃である。これによって良好な面の側とあまり
良好でない面の側、すなわち雄型部分と雌型部分での重
合速度の差が充分になり、その結果、物品の人目にさら
される面、すなわちる良好な表面側における成形欠陥、
典型的にはひけ、を防止することができる。
型の水入口よりも型の水排出口で温度を調節するのが
好ましく、これによって硬化される物品における一層精
密な温度調節が可能になる。
通常、雄型部分の温度を110〜120℃の範囲の温度にま
で上昇させることができ場合によっては135℃にするこ
ともできる。しかしながら、上記したように、上で述べ
た温度状態を採用してこの温度を112℃にできるだけ近
付けるのが好ましい。
型を全反応時間中、閉鎖状態に保ち、成形物品の硬化
工程完了後にのみ開く。
下記に本発明の組成物のための3つの実施例を記載す
る。
実施例 1 シロップは、シロップの量に対してメチルメタクリレ
ートモノマー中の20重量%ポリメチルメタクリレートの
溶液からなる。下記の%値はすべてシロップの全量に対
する重量によるものである。下記の化合物をこのシロッ
プに加える: 架橋剤としてのトリメチロールプロパントリメタクリ
レート 2.2% 有機シランとしてのビニルトリメトキシシランとカッ
プリング剤としてのジルコニウム酸エステルとの混合物
4.8% 57℃の1時間−半減寿命温度を有する第1開始剤とし
てのビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート 0.3% 80℃の1時間−半減寿命温度を有する第2開始剤とし
てのジラウロキシルパーオキサイド 0.6% 離型剤としてのステアリン酸 0.3% Wacker Chemie GmbH,FRGからHDK H 2000として販売さ
れている親水性のコロイドヒュームドシリカ 3.0% Aluminium Company of America社(USA)からAlcoa C
33として販売されている約45μmの平均粒子サイズを
有するアルミナ三水和物 172% 5 適当な顔料、例えば 二酸化チタン 1.5% 黒色顔料 0.14%、および 黄色顔料 0.17% これらの成分を上記したように混合しそして成形す
る。
実施例 2 シロップは、シロップの量に対してメチルメタクリレ
ートモノマー中の18重量%ポリメチルメタクリレートの
溶液からなる。下記の%値はすべてシロップの全量に対
する重量によるものである。下記の化合物をこのシロッ
プに加える: 架橋剤としてのトリメチロールプロパントリメタクリ
レート 2.2% 有機シランとしてのメタクリロキシプロピルトリメト
キシシランとカップリング剤としてのジルコニウム酸エ
ステルとの混合物 4.8% 57℃の1時間−半減寿命温度を有する第1開始剤とし
てのビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート 0.3% 80℃の1時間−半減寿命温度を有する第2開始剤とし
てのジラウロキシルパーオキサイド 0.6% 離型剤としてのステアリン酸 0.3% Cabot GmbH(FRG)からCab−0−sil EH 5として販売
されている平均粒子サイズ1μmを有する親水性のコロ
イドヒュームドシリカ 1.4% Aluminium Company of America社(USA)からAlcoa C
33として販売されている約45μmの平均粒子サイズを
有するアルミナ三水和物 172% 適当な顔料、例えば 二酸化チタン 1.5% 黒色顔料 0.14%、および 黄色顔料 0.17% これらの成分を上記したようにして混合しそして成形
する。
実施例 3 シロップは、シロップの量に対してメチルメタクリレ
ートモノマー中の22重量%ポリメチルメタクリレートの
溶液からなる。下記の%値はすべてシロップの全量に対
する重量によるものである。下記の化合物をこのシロッ
プに加える: 架橋剤としてのトリメチロールプロパントリメタクリ
レート 2.2% 有機シランとしてのメタクリロキシプロピルトリメト
キシシランとカップリング剤としてのジルコニウム酸エ
ステルとの混合物 4.8% 57℃の1時間−半減寿命温度を有する第1開始剤とし
てのビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
ジカーボネート 0.3% 80℃の1時間−半減寿命温度を有する第2開始剤とし
てのジラウロキシルパーオキサイド 0.6% 離型剤としてのステアリン酸 0.5% Aluminium Company of America社(USA)からCab−0
−Sil EH 5として販売されている平均粒子サイズ1μm
を有する親水性のコロイドヒュームドシリカ 1.4% Aluminium Company of America社(USA)からAlcoa C
333として販売されている約6.5〜9.5μmの平均粒子サ
イズを有するアルミナ三水和物 164% 適当な顔料、例えば 二酸化チタン 1.5% 黒色顔料 0.14%、および 黄色顔料 0.17% これらの成分を上記したようにして混合しそして成形
する。
フロントページの続き (72)発明者 フランク,ロータル ドイツ連邦共和国デー‐7067プルーダー ハウゼン.シユネーベルク51 (72)発明者 オトレンバ,エドワード・ダニエル アメリカ合衆国ニユーヨーク州 14075. ハンバーグ.キヤンデイーレイン33 (72)発明者 ポール,レイモンド・ジヨゼフ アメリカ合衆国デラウエア州 19809. ウイルミントン.ウツズウエイ32 (72)発明者 シユリアー,ホルスト ドイツ連邦共和国デー‐7060シヨルンド ルフ.ブルク シユトラーセ53 (56)参考文献 特開 昭51−5383(JP,A) 米国特許3847865(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 39/00 - 39/44 E03C 1/18 C08F 2/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上方部分、その上方部分に接続していて且
    つ水を保つのに適した凹部および排水口のある底部を有
    するシンク形状の注型物品であって、アルミナ三水和物
    の粒子で充填された重合したメチルメタクリレートのマ
    トリックスからなる該物品において、 該物品が、その底部に排水口から5cmのところで熱水と
    冷水を交互に入れる熱サイクルからなっていて、各熱サ
    イクルが6分間続き且つ80℃で3分間、次に20℃で3分
    間の3l/分の交互の流れからなっている熱サイクルに、
    少なくとも2000サイクルのあいだ亀裂を生じることなく
    耐えることができる耐熱サイクル性を有しており、そし
    て 該物品が、メチルメタクリレート単独またはそれとプレ
    ポリマーとの混合物のシロップ、アルミナ三水和物の粒
    子およびその重合したメチルメタクリレートと混入され
    たアルミナ三水和物粒子とを結合させるカップリング剤
    からなる安定な流動組成物を重合する方法によって得ら
    れ、その際該カップリング剤はアルミナ三水和物の全量
    を基準にして1.45〜5.23重量%のシランからなることを
    特徴とする前記物品。
  2. 【請求項2】マトリックスが重量で30〜70%のアルミナ
    三水和物を含有する請求項1の物品。
  3. 【請求項3】マトリックスが、該マトリックスと結晶劈
    開平面を有するアルミナ三水和物粒子との界面にアルミ
    ナ三水和物粒子の劈開平面間の内部結合力よりも小さい
    結合力を生じさせるべく選ばれたカップリング剤を含有
    する請求項1の物品。
  4. 【請求項4】カップリング剤が有機シランおよびジルコ
    ニウム酸エステルからなる請求項1の物品。
  5. 【請求項5】カップリング剤が流動組成物を予め加熱し
    ないで直ちに注型できるものとする請求項1の物品。
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