JP2861730B2 - 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置 - Google Patents

全油圧大舵角逆相四輪操舵装置

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JP2861730B2
JP2861730B2 JP5167912A JP16791293A JP2861730B2 JP 2861730 B2 JP2861730 B2 JP 2861730B2 JP 5167912 A JP5167912 A JP 5167912A JP 16791293 A JP16791293 A JP 16791293A JP 2861730 B2 JP2861730 B2 JP 2861730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全油圧大舵角逆相四輪
操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】逆相四輪操舵(4WS)機能は、前輪の
舵角に応じて、且つ前輪に同期させて後輪に前輪と逆相
の舵角を付与して最小回転半径をより小さくするもので
あることから、狭い路地への進入、或いは狭い場所での
旋回等が頻繁に行なわれる作業車に採用されているが、
近年、乗用車特に、FF車には小回りを効かせた実用性
に加えて、動力性能の向上に対応して高速操安性を向上
させるために採用されてきている。
【0003】全油圧式の大舵角逆相四輪操舵装置として
は、特開平3−266777号公報に開示された自動車
の後輪操舵装置がある。この操舵装置は、図1に示すよ
うに、ステアリング1の舵角に応じて作動するパワース
テアリングバルブ2、パワーステアリングバルブ2によ
り駆動されて前輪FWを転舵させるフロントパワーシリ
ンダ3、後輪RWを転舵させるリヤパワーシリンダ4、
リヤパワーシリンダ4の左右の各油室RL、RRに内蔵
されたリターンスプリング5、6、パワーステアリング
バルブ2に連動して作動するラック7により駆動されて
開閉しリヤパワーシリンダ4への油圧を制御するカット
バルブ8及び油圧ポンプP、リザーブタンクT等により
構成されている。
【0004】そして、ラック7の動きにより或る操舵角
以上でカットバルブ8を閉弁させることによりフロント
パワーシリンダ3とリヤパワーシリンダ4とが直列に接
続される両シリンダの受圧面積比で、フロントパワーシ
リンダ3とリヤパワーシリンダ4とが或る一定の比例関
係で移動して前輪FWと後輪RWとが操舵される。即
ち、直線走行時には図1に示すようにカットバルブ8が
開弁されており、フロントパワーシリンダ3、リヤパワ
ーシリンダ4は、夫々中立位置に保持されている。ハン
ドル1の右切り時には図2のようにカットバルブ8が閉
弁され、パワーステアリングバルブ2からフロントパワ
ーシリンダ3の右室FRに油圧が供給され、当該フロン
トパワーシリンダ3が左方に移動して前輪FWが右に操
舵されると共に、左室FLの作動油がリヤパワーシリン
ダ4の左室RLに流入してリターンスプリング6のばね
力に抗して当該リヤパワーシリンダ4を右に移動させ、
後輪RWを前輪FWと逆方向の左に操舵させる。このと
きリヤパワーシリンダ4の右室RR内の作動油は、パワ
ーステアリングバルブ2を経てタンクTに戻される。
【0005】ハンドル1の左切り時には図3のようにカ
ットバルブ8が閉弁され、パワーステアリングバルブ2
からリヤパワーシリンダ4の右室RRに油圧が供給され
てリターンスプリング5のばね力に抗して当該リヤパワ
ーシリンダ4を左に移動させ、後輪RWが右に操舵され
ると共に、左室RLの作動油がフロットパワーシリンダ
3の左室FLに流入して前輪FWを後輪RWと逆方向の
左に操舵させる。フロントパワーシリンダ3の右室FR
内の作動油は、パワーステアリングバルブ2を経てタン
クTに戻される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記大舵角
逆相四輪操舵装置は、図2に示す右切り時には、リヤパ
ワーシリンダ4の切り込み側の左室RLの油圧が低下し
てもフロントパワーシリンダ3の左室FLが閉じられて
いるために、リヤパワーシリンダ4の右室RRのスプリ
ング6のばね反力Fにより押し戻されることはなく、従
って、後輪舵角は、当該位置に保持される。
【0007】一方、図3に示す左切りの場合は、切り込
み時はリヤパワーシリンダ4の右室RRの油圧が高く、
後輪RWは、実線のように右方に転舵される。しかしな
がら、リヤパワーシリンダ4の切り込み側の右室RRの
油圧が低下した場合、左室RLのスプリング5のばね反
力Fを受ける止める油圧がないために当該リヤパワーシ
リンダ4が中立位置に押し戻され、これに伴い後輪RW
の舵角が点線で示すように中立位置に復帰してしまい、
前記操舵位置に保持されなくなり、完全な操舵角比例シ
ステムにならないという問題がある。
【0008】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、パワーステアリングバルブからフロント及びリヤの
各パワーシリンダへの油圧回路を左右独立にオン、オフ
可能とすると共に、リヤパワーシリンダのパワーステア
リング圧の低下による当該リヤパワーシリンダの中立位
置への戻りを防止して後輪の舵角を保持するようにした
全油圧大舵角逆相四輪操舵装置を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、パワーステアリングバルブから供給
される油圧により前輪を操舵するフロントパワーシリン
ダと、センタリングスプリングのばね力により中立位置
に保持されるリヤパワーシリンダと、前記フロントパワ
ーシリンダとリヤパワーシリンダとの間に接続され、大
舵角操舵時に前記フロントパワーシリンダに前記リヤパ
ワーシリンダを直列に接続して後輪を逆相転舵する油路
切換バルブとを備えた全油圧大舵角逆相四輪操舵装置に
おいて、前記油路切換バルブは、ハウジングと当該ハウ
ジング内に収納されてハンドル角に応動して回動するロ
ータリディスクとを具備するロータリバルブにより構成
され、前記ハウジングは、前記フロントパワーシリンダ
と前記リヤパワーシリンダと前記パワーステアリングバ
ルブが接続される複数のポートと、これらのポートの中
の所定のポート同士を接続する複数の油路とが設けら
れ、前記ロータリディスクは、小舵角時に前記フロント
パワーシリンダと前記パワーステアリングバルブとを接
続し、且つ前記リヤパワーシリンダの左右の油室を閉塞
してロックし、大舵角時に前記フロントパワーシリンダ
の作動油の帰路に前記リヤパワーシリンダを直列に接続
する複数のポートが設けられた構成としたものである。
【0010】
【作用】ロータリバルブは、小舵角時にはロータリディ
スクが中立位置に保持されており、フロントパワーシリ
ンダの左右の油室をパワーステアリングバルブに接続す
ると共に、リヤパワーシリンダの左右の油室を閉塞して
油圧ロックさせ、中立位置に保持させる。これにより操
舵装置は、通常の前輪操舵(2WS)装置として作動す
る。大舵角時にはロータリディスクがハンドル角に応じ
て回動し、フロントパワーシリンダの作動油の帰路にリ
ヤパワーシリンダが直列に接続され、後輪が逆相に転舵
される。
【0011】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。図4は、本発明に係る油路切換バルブの断面
を示し、切換バルブ10は、ディスク型のロータリバル
ブで、ハウジング11、回転軸12、バルブ13、セン
タリングスプリング14等により構成されている。
【0012】ハウジング11は、本体15と端板16と
により構成されており、中央には夫々軸孔15a、16
aが貫設されている。本体15の端板16と当接する端
面には、軸孔15aと同心的に角穴15bが穿設され、
更に軸孔15aの周りには図6に示すように油路15c
〜15hが同一円周上に配列されて穿設されている。本
体15には更にポート15i〜15kが穿設されてお
り、ポート15iは、油路15f、15gと、ポート1
5jは、油路15h、15cと、ポート15kは、油路
15d、15eと夫々連通されている。
【0013】端板16の本体15の前記端面と当接する
端面には、軸孔16aの周りに図7に示すように油路1
5c〜15hが同一円周上に配列されて穿設されてい
る。そして、これらの油路16c〜16hは、本体15
の油路15c〜15hと整合して設けられている。端板
16には更にポート16i〜16kが穿設されており、
ポート16iは、油路16c、16dと、ポート16j
は、油路16e、16fと、ポート16kは、油路16
g、16hと夫々連通されている。
【0014】バルブ13は、本体15の穴15b内に収
納されており、2枚のバルブボデイ17、18と、これ
らのバルブボデイ17と18との間に介在されたロータ
リディスク19とにより構成されている。バルブボデイ
17は、図8に示すように角形とされ中央には大径の孔
17aが穿設されており、当該孔17の周りには、孔1
7c〜17hが同一円周上に配列されて穿設されてい
る。これらの孔17c〜17hは、本体15の油路15
c〜15hと対応して設けられている。また、これらの
孔17c〜17hは、本体15の対応する油路15c〜
15hと同径とされている。バルブボデイ18は、バル
ブボデイ17と同一に形成されている。
【0015】ロータリディスク19は、図9に示すよう
にバルブボデイ17に内接する円よりも僅かに小径の円
板とされ、中央には軸孔19aが穿設されており、両端
面の軸孔19aの開口端周縁にはフランジ19b、19
bが設けられている。尚、軸孔19aの内面にはキー溝
が設けられている。フランジ19bの外径は、バルブボ
デイ17の孔17aよりも僅かに小径とされ、その厚み
は、当該バルブボデイ17と同じ厚みとされている(図
10)。ロータリディスク19の軸孔19aの周りには
孔19c〜19gが、バルブボデイ17の孔17c〜1
7hが配列されている円の半径と同一半径の同一円周上
に配列されて穿設されている。尚、これらの孔19c〜
19gは、バルブボデイ17の孔17c〜17hよりも
僅かに大径とされている。
【0016】そして、ロータリディスク19は、右又は
左方向への回動に伴い孔19cが孔17c又は17h
と、孔19dが孔17dと、孔19eが孔17d又は1
7eと、孔19fが孔17f又は17gと、孔19gが
孔17gと連通可能とされている。バルブボデイ18に
対してもバルブボデイ17の場合と同様である。即ち、
ロータリバルブ10は、本体15側の油路15c〜15
hと端板16側の対抗する油路16c〜16hとの連通
が、ロータリディスク19の回動位置によりが切り換え
られて、ポート15i〜15k、16i〜16k間の油
圧の流れが制御される。
【0017】バルブボデイ17、18及びロータリディ
スク19の対抗する各端面即ち、各摺動面は、例えば、
ポリフッ化エチレンによりコーティングされており、ロ
ータリディスク19の回転時における摺動抵抗の低減が
図られている。尚、バルブボデイ17、18及びロータ
リディスク19を、前記ポリフッ化エチレン部材により
形成してもよい。
【0018】バルブボデイ17、18及びロータリディ
スク19は、図4に示すように本体15の孔15b内
に、バルブボデイ17、ロータリディスク19、バルブ
ボデイ18の順に収納される。ロータリディスク19
は、キーを介して回転軸12に回転不能に固定され、軸
孔19aの両端のフランジ19b、19bは、対抗する
バルブボデイ17、18の孔17a、18aに嵌挿され
る。そして、端板16が本体15に装着され、当該端板
16にはスプリングケース20が装着され、ボルトで一
体に締付固定される。バルブボディ17、18と本体1
5、端板16との間、及び本体15と端板16との各当
接面間には図10に示すようにOリングが介在されて液
密とされている。
【0019】図4において回転軸12の一端12aは、
四角柱状とされて端板16から突出しており、レバー2
1、22、センタリングスプリング14が装着されてい
る。レバー21、22は、図5及び図11に示すように
各基端に角孔21a、22aが穿設され、各側部にスプ
リングフック21b、22bが折曲形成されており、回
転軸12の一端12aの基端と先端に夫々嵌合されて回
転不能に装着されている。センタリングスプリング14
は、レバー21と22との間に介在され、両端14a、
14bがレバー21、22のスプリングフック21b、
22bに係止され、更に、スプリングケース20の下部
左右両側に形成されたストッパ20a、20b(図5)
に係止されている。
【0020】回転軸12は、センタリングスプリング1
4のばね力により中立位置に保持される。そして、図5
において回転軸12が例えば、時計方向に回動されたと
きには、回動に応じてレバー22がスプリングフック2
2bを介してセンタリングスプリング14をばね力に抗
して巻回させる。一方、センタリングスプリング14の
先端14aは、スプリングケース20のストッパ20a
に係止されており、従って、回動力が解除されるとセン
タリングスプリング14の先端14bがばね力によりレ
バー22を介して回転軸12を中立位置に復帰させる。
回転軸12が反時計方向に回動された場合も同様であ
る。
【0021】回転軸12の他端12bにはブラケット2
5の基端が固定されており、当該ブラケット25の先端
にはローラ26が回転軸12と平行に、且つ回転可能に
軸支されている。この回転軸12の他端12bは、本体
15に固定されたケース24に収納され、且つ回転可能
に軸支されている。一方、フロントパワーシリンダ3の
ロッド3Aの下面所定箇所には図11のように長手方向
に沿って所定の長さの切欠3Cが設けられており、ロー
ラ26が当該切欠3Cに転動可能に当接している。この
切欠3Cの長さは、ハンドル角が小舵角(例えば、±2
30°)の範囲内とされている。
【0022】ローラ26は、ロッド3Aが中央位置から
左右に所定ストローク移動する間、切欠3Cと当接して
転動し、前記所定ストロークを超えると切欠3Cを超え
てロッド3Aの円筒状の外周面に当接する。回転軸12
は、ローラ26が切欠3Cを転動している間は回転せ
ず、切欠3Cを超える即ち、舵角が前記±230°の範
囲を超えると、ロッド3Aの移動に伴い左方又は右方に
回動してロータリディスク19を左方又は右方に回動さ
せる。このようにしてハンドルの操舵角に応じてロータ
リバルブ10のロータリディスク19を駆動するハンド
ル応動機構27が構成されている。
【0023】図11は、図4のロータリバルブ10の要
部分解透視図を示している。図においてロッド3Aの上
面にはラック3Bが刻設されており、パワーステアリン
グバルブ2の出力軸に固定されたピニオン2Bが噛合し
ている。このパワーステアリングバルブ2の入力軸2A
は、ハンドルシャフト(図示せず)に連結されている。
パワーステアリングバルブ2は、前記ハンドルの左、右
方向への回転に応じて回転してロッド3Aを対応する
左、右方に移動させて前輪を操舵させると共に、フロン
トパワーシリンダ3を駆動してロッド3Aの移動を補助
する。ロッド3Aは、左、右方向への移動に応じてロー
タリバルブ10のロータリディスク19を対応する左、
右方向に回動させる。
【0024】図12においてリヤパワーシリンダ30
は、シリンダ31内にロッド32が軸方向に摺動可能に
液密に嵌挿されており、当該ロッド32の略中央にはピ
ストン33が設けられている。ピストン33の左右両側
には油室RL、RRが設けられている。シリンダ31内
のロッド32の一側にはばね座34、35が設けられて
おり、これらのばね座34、35間にはセンタリングス
プリング36が縮設されている。そして、ロッド32の
左右両端に左右の後輪(図示せず)が取り付けられる。
【0025】ロータリバルブ10は、図11及び図12
に示すようにフロントパワーシリンダ3とリヤパワーシ
リンダ30との間の油路に接続され、ポート16k、1
5kがフロントパワーシリンダ3の油室FL、FRに、
ポート15j、16jがリヤパワーシリンダ30の油室
RL、RRに、ポート16i、15iがパワーステアリ
ングバルブ2のポート2c、2dに夫々接続される。ま
た、パワーステアリングバルブ2のポート2a、2b
は、夫々油圧ポンプP、リザーブタンクTに接続され
る。尚、図12においてロータリバルブ10は、ハウジ
ング11の本体15側の油路(図6)を点線で、端板1
6側の油路(図7)を実線で、バルブボデイ17、18
とロータディスク19との連通する孔を二重丸で描いて
ある。
【0026】以下に作用を説明する。図12に示すよう
にハンドルが中立位置にある直進時には、フロントパワ
ーシリンダ3が中立位置にあり、ロータリバルブ10も
センタリングスプリング14により中立位置に保持され
ている。ロータリバルブ10は、中立位置にあるときに
はバルブボデイ17、18の孔17dと18d、17g
と18gとが、夫々ロータリディスク19の孔19d、
19gにより連通され、他の孔17cと18c、17e
と18e、17fと18f、17hと18hは、遮断さ
れている。従って、ポート16iと15k、16kと1
5iが連通され、ポート15j、16jが遮断されてい
る。尚、以後説明を簡単にするために連通される孔のみ
を説明する。
【0027】これによりフロントパワーシリンダ3は、
油室FRがロータリバルブ10のポート15k、16i
を通して、油室FLがポート16k、15iを通してパ
ワーステアリングバルブ2のポート2c、2dに接続さ
れており、パワーステアリングバルブ2からの油圧(P
1 、P2 )の供給が可能とされている。一方、リヤパワ
ーシリンダ30の油室RR、RLは、遮断されており、
油圧により中立位置にロックされている。
【0028】ハンドルが右に切り込まれるとこれに伴い
パワーステアリングバルブ2のピニオン2B(図11)
が回転してフロントパワーシリンダ3のロッド3Aを左
方に移動させると同時に、油圧ポンプPから油圧
(P1 )がパワーステアリングバルブ2のポート2c、
ロータリバルブ10のポート16i、15kを通してフ
ロントパワーシリンダ3の油室FRに供給され、ロッド
3Aが左方に押動される。これによりハンドルの操作力
が補助される。フロントパワーシリンダ3の油室FLの
作動油は、ロータリバルブ10のポート16k、15
i、パワーステアリングバルブ2のポート2d、2bを
通してリザーブタンクTに流れる。これにより前輪が右
に操舵される。ロータリバルブバルブ10は、舵角が小
さい範囲のときには前記中立位置に保持されており、従
って、ハンドル操作に応じて前輪のみが操舵され、前輪
操舵(2WS)となる。
【0029】ハンドルの右切り舵角が大きくなり、前記
小舵角(230°)の範囲を超えるると、図4に示すハ
ンドル応動機構27が作動してフロントパワーシリンダ
3のロッド3Aの左動に応じて回転軸22が左方向に回
動する。これに伴い図13に示すようにロータリバルブ
10のロータリディスク19が図中左方向に回動し、孔
19cがバルブディスク17、18の孔17h、18h
と、孔19d、19eが孔17d、18dと、孔19f
が孔17f、18fと、孔19gが孔17g、18g
と、夫々僅かに連通する。この結果、ロータリバルブ1
0は、ポート16iと15k、16kと15iとが連通
した状態で、ポート15jがポート16kに、ポート1
6jがポート15iに夫々連通する。
【0030】これによりリヤパワーシリンダ30の左右
の油室RL、RRがフロントパワーシリンダ3の油室F
Lのパワーステアリングバルブ2のポート2dに至る作
動油の帰路に並列に接続される。この結果、リヤパワー
シリンダ30は、油圧による前記ロックが解除されてセ
ンタリングスプリング36のみにより中立位置に保持さ
れる。これによりリヤパワーシリンダ30は、ハンドル
が引き続いて右に大舵角操舵される場合の作動に備え
る。
【0031】ハンドルが更に右に切り込まれて大舵角操
舵されると、図14に示すようにロータリバルブ10の
ロータリディスク19が更に左方向に回動し、孔19c
がバルブボデイ17、18の孔17h、18hと、孔1
9eが孔17d、18dと、孔19fが孔17f、18
fと夫々連通する。これによりポート16iと15k、
16kと15j、16jと15iが夫々連通される。即
ち、フロントパワーシリンダ3の左側の油室FLの帰路
にリヤパワーシリンダ30の油路RL、RRが直列に接
続される。
【0032】これにより、パワーステアリングバルブ2
のポート2cから吐出された油圧(P1 )が、ロータリ
バルブ10のポート16i、15kを通してフロントパ
ワーシリンダ3の油室FRに供給され、当該パワーシリ
ンダ3のロッド3Aが更に左方に移動する。ロッド3A
の左方への移動に伴い油室FLの作動油が、ロータリバ
ルブ10のポート16k、15j、リヤパワーシリンダ
30の左側の油室RLへと流れ、ピストン33がセンタ
リングスプリング36のばね力に抗して右方に押動さ
れ、ロッド32が右方に移動する。ピストン33の右方
への移動に伴いリヤパワーシリンダ30の右側の油室R
Rの作動油がロータリバルブ10のポート16j、15
iを通してパワーステアリングバルブ2のポート2dへ
と流れ、これに伴い後輪が左に操舵される。即ち、後輪
が前輪に対して逆相に操舵される。この後、フロントパ
ワーシリンダ3のピストンの移動による油室FLの体積
変化分だけ、即ち、ハンドル角に比例して当該油室FL
内の作動油がリヤパワーシリンダ30の油室RLに送ら
れ、後輪が逆相に操舵される。
【0033】フロントパワーシリンダ3の油室FLは、
閉じられているために大舵角操舵中に操舵を停止させ、
油室FRへの供給油圧が低下したときに油室FLが密閉
状態となり、リヤパワーシリンダ30のセンタリングス
プリング36のばね力により後輪の舵角の戻りが防止さ
れ、前記舵角に保持される。ロータリバルブ10は、ハ
ンドルが右に大舵角操舵される途中において図13に示
すようにフロントパワーシリンダ3の油室FLの帰路に
リヤパワーシリンダ30を並列に接続して油圧によるロ
ックを解除し、センタリングスプリング36のみにより
中立位置に保持し、次いで、フロントパワーシリンダ3
の作動油の帰路に直列に接続することにより油路の切り
換えを円滑にしている。ハンドル戻し時にリヤパワーシ
リンダ30は、センタリングスプリング36により中立
位置に速やかに復帰する。
【0034】ハンドルが左に切り込まれ小舵角(±23
0°以内)の範囲内のときには前述と同様に前輪のみが
左に操舵され(2WS)、後輪は中立位置に保持され
る。ハンドルの左切り舵角が大きくなり、小舵角(23
0°)の範囲を超えて大舵角となると、図15に示すよ
うにロータリバルブ10のロータリディスク19が図中
右方向に回動され、ロータリディスク19の孔19cが
バルブボデイ17、18の孔17c、18cと、孔19
eが孔17e、18eと、孔19fが孔17g、18g
と連通する。これによりポート15iと16k、16i
と15j、16jと15kとが連通される。この結果、
パワーステアリングバルブ2のポート2dから吐出され
た油圧(P2 )が、ロータリバルブ10のポート15
i、16kを通してフロントパワーシリンダ3の左側の
油室FLに供給され、当該パワーシリンダ3のロッド3
Aが図中右方に移動する。
【0035】ロッド3Aの右方への移動に伴い当該パワ
ーシリンダ3の右の油室FRの作動油が、ロータリバル
ブ10のポート15k、16jを通してリヤパワーシリ
ンダ30の右側の油室RRへと流れ、ピストン33がセ
ンタリングスプリング36のばね力に抗して左方に押動
されてロッド32が左方に移動する。ピストン33の左
方への移動に伴いリヤパワーシリンダ30の左側の油室
RLの作動油がロータリバルブ10のポート15j、1
6iを通してパワーステアリングバルブ2のポート2c
へと流れ、これに伴い後輪が右に操舵される。即ち、後
輪が前輪に対して逆相に操舵される。この後、フロント
パワーシリンダ3のピストンの移動による油室FRの体
積変化分だけ、即ち、ハンドル角に比例して油室FR内
の作動油がリヤパワーシリンダ30の油室RRに送ら
れ、後輪が逆相に操舵される。
【0036】フロントパワーシリンダ3の油室FRは、
閉じられているために操舵停止時において油室FLへの
供給油圧が低下したときに油室FRが密閉状態となり、
リヤパワーシリンダ30のセンタリングスプリング36
の反力により後輪の舵角の戻りが防止され、前記舵角に
保持される。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、左
右何れの方向への大舵角切り込み時において、切り込み
側の油圧が低下しても後輪の舵角を保持することがで
き、逆相四輪操舵の操舵特性の向上を図ることができ
る。しかも、中立位置においてリヤパワーシンリダが油
圧ロック状態とされるために剛性が高められる。また、
ロータリディスクの回動により油路の切り換えを行なう
構造としたことにより、簡単な構造で、多数のポートの
切り換えを行なうことが可能となり、しかも、バルブの
加工精度を余り必要とせず、低コスト化を図ることがで
きる。更に、バルブの摺動部をポリフッ化エチレンによ
りコーティングすることによりロータリディスクの摺動
抵抗の低減が図られる。また、全油圧式であるために車
載が容易となり、操舵システムの信頼性も高い等の優れ
た効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の全油圧大舵角逆相四輪操舵装置の構成図
である。
【図2】図1の操舵装置の右切り時における作動を示す
図である。
【図3】図1の操舵装置の左切り時における作動を示す
図である。
【図4】本発明に係る全油圧大舵角逆相四輪操舵装置に
適用するロータリバルブの一実施例を示す断面図であ
る。
【図5】図4の矢線V−Vに沿う断面図である。
【図6】図4の矢線VI−VIに沿う断面図である。
【図7】図4の矢線VII−VIIに沿う断面図であ
る。
【図8】図4のロータリバルブを構成するバルブボデイ
の平面図である。
【図9】図4のロータリバルブを構成するロータリディ
スクの平面図である。
【図10】図4の要部断面図である。
【図11】パワーステアリングバルブとフロントパワー
シリンダとロータリバルブとの関係を示す要部分解透視
図である。
【図12】図4のロータリバルブを適用した本発明に係
る全油圧大舵角逆相四輪操舵装置の一実施例を示す構成
図である。
【図13】図12の操舵装置の右切り大舵角操舵時にお
けるロータリバルブの途中の作動を示す図である。
【図14】図12の操舵装置の右切り大舵角時における
ロータリバルブの作動を示す図である。
【図15】図12の操舵装置の左切り大舵角時における
ロータリバルブの作動を示す図である。
【符号の説明】
2 パワーステアリングバルブ 3 フロントパワーシリンダ 10 ロータリバルブ 11 ハウジング 12 回転軸 13 バルブ 14 センタリングスプリング 15 本体 16 端板 17、18 バルブボデイ 19 ロータリディスク 27 ハンドル応動機構 30 リヤパワーシリンダ P 油圧ポンプ T リザーブタンク
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 秀和 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 田中 忠夫 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 増田 広之 愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地 三 菱自動車エンジニアリング株式会社 岡 崎事業所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 5/07 B62D 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パワーステアリングバルブから供給され
    る油圧により前輪を操舵するフロントパワーシリンダ
    と、センタリングスプリングのばね力により中立位置に
    保持されるリヤパワーシリンダと、前記フロントパワー
    シリンダとリヤパワーシリンダとの間に接続され、大舵
    角操舵時に前記フロントパワーシリンダに前記リヤパワ
    ーシリンダを直列に接続して後輪を逆相転舵する油路切
    換バルブとを備えた全油圧大舵角逆相四輪操舵装置にお
    いて、 前記油路切換バルブは、ハウジングと当該ハウジング内
    に収納されてハンドル角に応動して回動するロータリデ
    ィスクとを具備するロータリバルブにより構成され、 前記ハウジングは、前記フロントパワーシリンダと前記
    リヤパワーシリンダと前記パワーステアリングバルブが
    接続される複数のポートと、これらのポートの中の所定
    のポート同士を接続する複数の油路とが設けられ、 前記ロータリディスクは、小舵角時に前記フロントパワ
    ーシリンダと前記パワーステアリングバルブとを接続
    し、且つ前記リヤパワーシリンダの左右の油室を閉塞し
    てロックし、大舵角時に前記フロントパワーシリンダの
    作動油の帰路に前記リヤパワーシリンダを直列に接続す
    る複数の油路が設けられていることを特徴とする全油圧
    大舵角逆相四輪操舵装置。
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