JP2842109B2 - 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置 - Google Patents

全油圧大舵角逆相四輪操舵装置

Info

Publication number
JP2842109B2
JP2842109B2 JP4331447A JP33144792A JP2842109B2 JP 2842109 B2 JP2842109 B2 JP 2842109B2 JP 4331447 A JP4331447 A JP 4331447A JP 33144792 A JP33144792 A JP 33144792A JP 2842109 B2 JP2842109 B2 JP 2842109B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power cylinder
steering
oil
wheel
oil passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4331447A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06171525A (ja
Inventor
秀和 鈴木
光彦 原良
忠夫 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP4331447A priority Critical patent/JP2842109B2/ja
Publication of JPH06171525A publication Critical patent/JPH06171525A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2842109B2 publication Critical patent/JP2842109B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全油圧大舵角逆相四輪
操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】逆相四輪操舵機能は、前輪の舵角に応じ
て、且つ前輪に同期させて後輪に前輪と逆相の舵角を付
与して最小回転半径をより小さくするものであることか
ら、小回りを効かせた実用性に加えて、動力性能の向上
に対応して高速操安性を向上させるために近年、乗用車
にも採用されてきている。
【0003】図1は、従来の全油圧式大舵角逆相四輪操
舵装置を示し、操舵装置は、ハンドル1の操作に応じて
作動するコントロールバルブ2、当該コントロールバル
ブ2から供給される油圧により駆動されて前輪FWを操
舵するフロントパワーシリンダ3、後輪RWを操舵する
リヤパワーシリンダ4、当該リヤパワーシリンダ4の左
右の各油室RL、RRに内蔵されたセンタリングスプリ
ング5、6、コントロールバルブ2に連動して作動する
ラック7により駆動されて開閉しリヤパワーシリンダ4
への油圧を制御するカットバルブ(油路切換バルブ)8
及びオイルポンプP、リザーバタンクT等により構成さ
れている。
【0004】そして、ラック7の動きにより或る舵角以
上でカットバルブ8を閉弁させることによりフロントパ
ワーシリンダ3とリヤパワーシリンダ4とが直列に接続
され、これらのシリンダ3と4との受圧面積比でフロン
トパワーシリンダ3とリヤパワーシリンダ4とが或る一
定の比例関係で移動して前輪FWと後輪RWとが操舵さ
れる。
【0005】即ち、直線走行時には図1に示すようにカ
ットバルブ8が開弁されており、フロントパワーシリン
ダ3、リヤパワーシリンダ4は、中立位置に保持されて
いる。ハンドル1の右切り大舵角操舵時には図2のよう
にカットバルブ8が閉弁され、コントロールバルブ2か
らフロントパワーシリンダ3の右室FRに油圧が供給さ
れ、当該パワーシリンダ3が左方に移動して前輪FWが
右に操舵されると共に、左室FLの油がリヤパワーシリ
ンダ4の左室RLに流入してセンタリングスプリング6
のばね力に抗して当該リヤパワーシリンダ4を右に移動
させ、後輪RWを前輪FWと逆方向の左に操舵する。こ
のときリヤパワーシリンダ4の右室RR内の油圧は、コ
ントロールバルブ2を経てリザーバタンクTに戻る。
【0006】ハンドル1の左切り大舵角操舵時には図3
のようにカットバルブ8が閉弁され、コントロールバル
ブ2からリヤパワーシリンダ4の右室RRに油圧が供給
されてセンタリングスプリング5のばね力に抗して当該
リヤパワーシリンダ4が左に移動し、後輪RWが右に操
舵されると共に、左室RLの油圧がフロントパワーシリ
ンダ3の左室FLに流入し、前輪FWが後輪RWと逆方
向の左に操舵される。フロントパワーシリンダ3の右室
FR内の油圧は、コントロールバルブ2を経てタンクT
に戻る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
全油圧大舵角逆相四輪操舵装置は、図2に示す右切り時
には、リヤパワーシリンダ4の切り込み側の左室RLの
油圧が低下してもフロントパワーシリンダ3の左室FL
が閉じられているために、リヤパワーシリンダ4の右室
RRのセンタリングスプリング6のばね反力Fにより押
し戻されることはなく、従って、後輪舵角は当該右切り
位置に保持される。
【0008】一方、図3に示す左切りの場合は、切り込
み時はリヤパワーシリンダ4の右室RRの油圧が高く、
後輪RWは、実線のように右方に操舵される。しかしな
がら、リヤパワーシリンダ4の切り込み側の油圧が低下
した場合、左室RLのセンタリングスプリング5のばね
反力Fを受け止める油圧がないために当該リヤパワーシ
リンダ4が中立位置に押し戻され、これに伴い後輪の舵
角が点線で示すように中立位置に復帰してしまい前記操
舵位置に保持されなくなり、完全な操舵角比例システム
にならないという問題がある。
【0009】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、大舵角操舵時に右又は左の何れの切り込み側の油圧
が低下した場合でもリヤパワーシリンダの油圧が低下す
ることを防止して後輪の操舵角を保持するようにした全
油圧大舵角逆相四輪操舵装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、ハンドル角に応動するコントロール
バルブから左右の何れかの油室に供給される油圧により
駆動されて前輪を操舵するフロントパワーシリンダと、
センタリングスプリングのばね力により中立位置に保持
されるリヤパワーシリンダと、前記フロントパワーシリ
ンダとリヤパワーシリンダとの間に接続され、ハンドル
角に応動し大舵角操舵時に前記フロントパワーシリンダ
に前記リヤパワーシリンダを直列に接続し前輪に対して
後輪を逆相操舵する油路切換バルブとを備えた全油圧大
舵角逆相四輪操舵装置において、前記油路切換バルブ
は、前記フロントパワーシリンダの左右の油室とリヤパ
ワーシリンダの左右の油室とコントロールバルブの出力
側の各油路が夫々接続される複数のポートが設けられた
シリンダと、ハンドル角に応動し、中立及び小舵角操舵
時に前記フロントパワーシリンダの油路とコントロール
バルブの油路とを接続し、且つリヤパワーシリンダの油
路を遮断し、大舵角操舵時にフロントパワーシリンダの
油が押し出される側の油室とコントロールバルブとの間
の帰路にリヤパワーシリンダを直列に接続し、小舵角操
舵と大舵角操舵間における油路の切換時に前記フロント
パワーシリンダの帰路にリヤパワーシリンダの油路を並
列に接続するスプールとを備えた構成としたものであ
る。
【0011】
【作用】油路切換バルブは、ハンドル角が小舵角操舵時
にはコントロールバルブにフロントパワーシリンダが接
続され、ハンドル角に応じて前輪が操舵され、リヤパワ
ーシンリンダがフロントパワーシリンダから遮断されセ
ンタリングスプリングにより中立位置に保持される。大
舵角操舵時には油路切換バルブが、フロントパワーシリ
ンダの油が押し出される側の油室とコントロールバルブ
との間の油の帰路にリヤパワーシリンダを直列に接続
し、後輪を前輪に対して逆相操舵する。
【0012】油路切換バルブは、小舵角操舵から大舵角
操舵、又は大舵角操舵から小舵角操舵への油路の切換時
に、フロントパワーシリンダの油が押し出される側の油
室の油の帰路にリヤパワーシリンダを並列に接続して、
油路の切り換えをスムーズにし、後輪操舵をスムーズに
すると共に後輪の中立復帰を確実にする。
【0013】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。尚、図1と同一部材には同一符号を付して詳
細な説明は省略する。図4においてコントロールバルブ
2の入力軸は、ハンドル1のシャフトに連結され、出力
軸に設けられたピニオン2Aは、フロントパワーシリン
ダ3のロッド3Aの一側に刻設されたラック(図示せ
す)と噛合しており、ハンドル1の回転に応じて左方又
は右方に駆動される。このロッド3Aの左右両端には前
輪FW、FWが取付られている。
【0014】リヤパワーシリンダ4は、左右の油室R
L、RRに夫々センタリングスプリング5、6が縮設さ
れており、左右の油室RL、RRに油圧が供給されない
ときにはセンタリングスプリング5、6により中立位置
に保持され、油室RRに油圧が供給されるとロッド4A
がセンタリングスプリング5のばね力に抗して左方に移
動し、油室RLに油圧が供給されるとセンタリングスプ
リング6のばね力に抗して右方に移動する。このロッド
4Aの左右両端には後輪RW、RWが取付られている。
【0015】そして、これらのフロントパワーシリンダ
3とリヤパワーシリンダ4との間には、油路切換バルブ
(以下単に「切換バルブ」という)10が接続されてい
る。この切換バルブ10は、スプールバルブで、ポート
10a〜10fが設けられており、図5のようにシリン
ダバレル11と、スプール12との間にはセンタリング
スプリング13が介在されている。センタリングスプリ
ング13は、シリンダバレル11の一側内面に軸方向に
所定の間隔を存して形成された環状のフランジ(ストッ
パ)11a、11bと、スプール12の一側に中立位置
においてフランジ11a、11bと対向して外嵌固定さ
れ環状のフランジ(ストッパ)14a、14bが設けら
れたストッパ14との間に縮設されており、スプール1
2を中立位置に保持する。
【0016】スプール12の軸心には一端面から穴12
aが穿設されており、外周面の所定位置には半径方向に
穴12b〜12eが穿設され、これらの各穴12b〜1
2eは、各一端が外周面に開口し、各他端が穴12aに
連通している。穴12aは、シリンダバレル11の左端
側に、穴12eは、右端側に開口しており、当該シリン
ダバレル11の左右両側は、穴12aと12eとにより
連通されている。
【0017】切換バルブ10は、スプール12が図に示
す中立位置にあるときには、ポート10aと10fとが
閉塞され、ポート10dと10e、10bと10cとが
連通される。このときポート10a、10fは、スプー
ル12の穴12b、12dと連通される。スプール12
が中立位置から左方に僅かに移動するとポート10aが
僅かに開口され、ポート10eが僅かに閉塞される(図
7)。このときポート10aとスプール12の穴12b
が遮断され、ポート10eと穴12c、ポート10fと
穴12dとが連通される。スプール12が更に左方に移
動するとポート10aが開口し、ポート10eが閉塞さ
れてポート10aと10dとが連通される。この間ポー
ト10bと10cとは連通されている(図8)。このと
きポート10eとスプール12の穴12cとが連通され
る。この間ポート10fと穴12dとは連通されてい
る。
【0018】スプール12が中立位置から右方に僅かに
移動すると、ポート10bが僅かに閉塞され、ポート1
0fが僅かに開口される(図9)。このときポート10
aとスプール12の穴12b、ポート10fと穴12d
とが連通されている。スプール12が更に右方に移動す
るとポート10bが閉塞され、ポート10fが開口され
てポート10cと10fとが連通される。この間ポート
10dと10eとは連通されている(図10)。このと
きポート10bとスプール12の穴12cとが連通さ
れ、ポート10fと穴12dとが遮断される。
【0019】切換バルブ10とコントロールバルブ2と
を連結する舵角応動機構15は、クランク機構により構
成されており、ケース16にシャフト17、18が所定
の間隔を存して平行に軸支されており、シャフト17の
一端は、コントロールバルブ2の出力軸(ピニオン2A
の軸)に連結されている。シャフト17に固定されたギ
ヤ19は、シャフト18に固定された大径のギヤ20と
噛合している。シャフト18は、偏心軸18aが一体に
形成されており、コネクチングロッド21は、大端部2
1aがベアリング22を介して偏心軸18aに軸支され
ている。
【0020】スプール12の一端12gにはスリット1
2hと、当該スリット12hと直交し、且つ長手方向に
沿う長孔12i(図6)とが設けられている。そして、
スリット12hにはコネクチングロッド21の小端部2
1bが嵌挿され、長孔12iを貫通するピン23により
回動可能に、且つ長孔12iの長手方向に沿って所定の
遊び(不感帯)を存して連結されている。
【0021】ハンドル1が中立位置にあるときにはシャ
フト18の偏心軸18aは図6のように中央に位置して
おり、ピン23は、長孔12iの略中央に位置し、スプ
ール12は、中立位置に保持されている。ハンドル1が
図5の矢印のように右に切り込まれると、これに伴いコ
ネクチングロッド21が図6のように左方に移動し、ピ
ン23が長孔12i内を移動する。そして、ハンドル角
が小舵角範囲(例えば、230°)を超えると、ピン2
3が長孔12iの左側壁に当接しスプール12を左方に
押動する。これにより切換バルブ10が切り換えられ
る。
【0022】ハンドル1が上述と反対に左に切り込まれ
るときにはコネクチングロッド21が右方に移動し、前
記小舵角範囲を超えるとピン23が長孔12iの右側壁
に当接してスプール12を右に押動して切換バルブ10
を切り換える。このようにして切換バルブ10は、ハン
ドル角が小舵角範囲(230°以内)にあるときには中
立位置に保持され、この範囲が不感帯とされ、大舵角と
なると、ハンドル1の操舵に応じて切り替えられる。
【0023】図4に戻り、コントロールバルブ2のポー
ト2a、2bは、油路40、41を介してオイルポンプ
P、リザーバタンクTに接続され、ポート2c、2d
は、油路42、43を介して切換バルブ10のポート1
0e、10bに接続されている。また、切換バルブ10
のポート10d、10cは、油路44、45を介してフ
ロントパワーシリンダ3のポート3a、3bに接続さ
れ、ポート10a、10fは、油路46、47を介して
リヤパワーシリンダ4のポート4a、4bに接続されて
いる。
【0024】以下に作用を説明する。図4に示すように
ハンドル1が中立位置にある直進時にはフロントパワー
シリンダ3が中立位置にあり、切換バルブ10も中立位
置に保持されており、ポート10a、10fが閉塞さ
れ、ポート10dと10e、10bと10cとが連通さ
れている。そして、フロントパワーシリンダ3の油室F
L、FRは、油路42、44、45、43を介してコン
トロールバルブ2に接続されており、リヤパワーシリン
ダ3の油路46、47は、コントロールバルブ2、フロ
ントパワーシリンダ3から遮断されている。一方、リヤ
パワーシリンダ4の油室RLとRRとは、油路46、切
換バルブ10のポート10a、スプール12の穴12
b、12a、12d、ポート10f及び油路47を介し
て連通され、従って、リヤパワーシリンダ3は、センタ
リングスプリング5、6により中立位置に保持されてい
る。
【0025】図7のようにハンドル1が右に切り込まれ
るとこれに伴いフロントパワーシリンダ3のロッド3A
が左方に移動すると共に、オイルポンプPから油路4
0、コントロールバルブ2のポート2a、2d、油路4
3、切換バルブ10のポート10b、10c、油路45
を通してフロントパワーシリンダ3の右側の油室FRに
油圧が供給されてピストンが左方に押動され、左側の油
室FLの油が油路44、切換バルブ10のポート10
d、10e、油路42、コントロールバルブ2のポート
2c、2b、油路41を通してリザーバタンクTに戻
る。このときリヤパワーシリンダ4には油圧が供給され
ない。これによりフロントパワーシリンダ10のロッド
3Aが左方に移動し、前輪FW、FWが右に操舵され
る。
【0026】ハンドル1の右切り舵角が小舵角(例え
ば、ハンドル角230°以内)のときには、切換バルブ
10は、中立位置近傍にあり、フロントパワーシリンダ
3のみが作動し、前輪FWが右に操舵される。即ち、直
進時及び小舵角時にはリヤパワーシリンダ4には油圧が
供給されず、通常の前輪操舵(2WS)となる。このと
きリヤパワーシリンダ4は、センタリングスプリング
5、6により中立位置に保持されている。
【0027】ハンドル1の右切り舵角が大きくなり、前
記ハンドル角230°を超えると図8のように切換バル
ブ10のスプール12が左方に移動し、ポート10eが
閉塞され、ポート10aと10dとが連通される。フロ
ントパワーシリンダ3のロッド3Aは、ハンドル1の切
り込みに応じて左方に移動し、これに伴い油室FLの油
が油路44、切換バルブ10のポート10d、10a、
油路46を通してリヤパワーシリンダ4の油室RLに流
れ、当該リヤパワーシリンダ4をセンタリングスプリン
グ6のばね力に抗して右方に押動する。
【0028】これに伴い油室RRの油は、油路47、切
換バルブ10のポート10f、スプール12の穴12
d、12a、12c、ポート10e、油路42、コント
ロールバルブ2のポート2c、2b、油路41を経てタ
ンクTに流れる。この結果、後輪RW、RWが、前輪F
W、FWに対して左即ち逆相に操舵される。この後、フ
ロントパワーシリンダ3のピストンの移動による油室F
Lの体積変化分だけ、即ち、ハンドル角に比例して油室
FL内の油がリヤパワーシリンダ4の油室RLに送ら
れ、後輪RWが前輪FWに対して逆相に操舵される。
【0029】フロントパワーシリンダ3の油室FLは、
閉じられているために操舵停止時において油室FRへの
供給油圧が低下したときにも油室FLが密閉状態とな
り、リヤパワーシリンダ4のセンタリングスプリング6
による後輪RWの舵角の戻りが防止され、前記操舵角に
保持される。小舵角操舵から大舵角操舵への移行時(例
えば、ハンドル角230°付近)には、図7に示すよう
に切換バルブ10のスプール12の移動により油路が切
り換わり、フロントパワーシリンダ3からリザーバタン
クTに戻る油路と、リヤパワーシリンダ4とが接続され
る。即ち、小舵角操舵から大舵角操舵への移行時には、
切換バルブ10は、ポート10aが略半分程度開口さ
れ、ポート10eが略半分程度閉塞され、ポート10d
は、ポート10eと10aとに連通される。従って、フ
ロントパワーシリンダ3の油室FLが、油路44、切換
バルブ10のポート10d、10e、油路42、コント
ロールバルブ2、油路41の経路でリザーバタンクTに
接続されると共に、リヤパワーシリンタ4の油室RLが
油路46、切換バルブ10のポート10a、10eを通
して油路42に接続され、油室RRが油路47、ポート
10f、スプール12の穴12d、12a、12c、ポ
ート10eを通して油路42に接続される。この結果、
図8に示す大舵角操舵への油路の切り換え、後輪操舵が
円滑に行なわれる。また、大舵角操舵から小舵角操舵に
戻る場合には、後輪の中立復帰も円滑に行なわれる。
【0030】ハンドル1が左に切り込まれる場合、左切
り舵角が小舵角(例えば、ハンドル角230°以内)の
ときには、切換バルブ10は、前述した右に切り込まれ
る場合と同様に中立位置近傍にあり、フロントパワーシ
リンダ10のみが作動し、前輪FWが左に操舵される。
即ち、図9のようにハンドル1が左に切り込まれるとこ
れに伴いフロントパワーシリンダ3のロッド3Aが右方
に移動すると共に、オイルポンプPから油路40、コン
トロールバルブ2のポート2a、2c、油路42、切換
バルブ10のポート10e、10d、油路44を通して
フロントパワーシリンダ3の左側の油室FLに油圧が供
給されてピストンが右方に押動され、右側の油室FRの
油が油路45、切換バルブ10のポート10c、10
b、油路43、コントロールバルブ2のポート2d、2
b、油路41を通してリザーバタンクTに戻る。このと
きリヤパワーシリンダ4には油圧が供給されない。これ
によりフロントパワーシリンダ10のロッド3Aが右方
に移動し、前輪FW、FWが左に操舵される。
【0031】ハンドル1の左切り舵角が大きくなり、前
記ハンドル角230°を超えると図10のように切換バ
ルブ10のスプール12が右方に移動し、ポート10b
が閉塞され、ポート10cと10fとが連通される。フ
ロントパワーシリンダ3のロッド3Aは、ハンドル1の
切り込みに応じて右方に移動し、これに伴い油室FRの
油が油路45、切換バルブ10のポート10c、10
f、油路47を通してリヤパワーシリンダ4の油室RR
に流れ、当該リヤパワーシリンダ4をセンタリングスプ
リング5のばね力に抗して左方に押動する。
【0032】これに伴い油室RLの油は、油路46、切
換バルブ10のポート10a、スプール12の穴12
b、12a、12c、ポート10b、油路43、コント
ロールバルブ2のポート2d、2b、油路41を経てリ
ザーバタンクTに流れる。この結果、後輪RW、RW
が、前輪FW、FWに対して右即ち、逆相に操舵され
る。この後、フロントパワーシリンダ3のピストンの移
動による油室FRの体積変化分だけ、即ち、ハンドル角
に比例して油室FR内の油がリヤパワーシリンダ4の油
室RRに送られ、後輪RWが前輪FWに対して逆相に操
舵される。
【0033】フロントパワーシリンダ3の油室FRは、
閉じられているために操舵停止時において油室FLへの
供給油圧が低下したときにも油室FRが密閉状態とな
り、リヤパワーシリンダ4のセンタリングスプリング5
による後輪RWの舵角の戻りが防止され、前記操舵角に
保持される。小舵角操舵から大舵角操舵への移行時(例
えば、ハンドル角230°付近)には、図9に示すよう
に切換バルブ10のスプール12の移動により油路が切
り換わり、フロントパワーシリンダ3からリザーバタン
クTに戻る油路と、リヤパワーシリンダ4とが接続さ
れ、前述した右切りの場合と同様に油路の切り換え、後
輪操舵、後輪の中立復帰が円滑に行なわれる。
【0034】このようにハンドル1を左右何れの方向に
切り込んでいるときにも操舵停止による供給圧力の低下
時にリヤパワーシリンダ4の油室RL又はRR内の油の
抜けが防止され、センタリングスプリング5又は6によ
る後輪舵角の戻りが防止される。図11は切換バルブ1
0とコントロールバルブ2とを連結する舵角応動機構の
他の実施例を示し、スプール12の一端12gの外周面
には溝12kが設けられており、フロントパワーシリン
ダ3のロッド3Aの一端には、カム3Bが形成されてい
る。カム3Bは、ロッド3Aの外周面を軸方向に沿って
所定の長さに亘り平らに切り欠いて形成されている。そ
して、切換バルブ10は、スプール12の溝12kがロ
ッド3Aのカム3Bと所定の間隔を存して平行に対向配
置されている。
【0035】レバー25は、ロッド3Aのカム3Bとス
プール12の溝12kとの間に介在されており、中央か
ら溝12k寄りの所定箇所がピン26により回動可能に
軸支されており、一端25aがカム3Bに当接し、他端
25bが溝12kに回動可能に嵌合されている。このレ
バー25は、「てこ」の作用によりロッド3Aの動きを
スプール12に伝達して当該スプール12を切り換え
る。
【0036】即ち、フロントパワーシリンダ3が中立位
置にあるときには、レバー25は、一端25aがカム3
Bの略中央位置に当接しており、スプール12は、セン
タリングスプリング13により中立位置に保持される。
ハンドル1が右に切り込まれると、フロントパワーシリ
ンダ3のロッド3Aが図12のように左に移動し、操舵
角が小舵角範囲(例えば、230°)を超えると、カム
3Bがレバー25の一端25aを押動して当該レバー2
5を回動させる。これに伴いスプール12を図中右方に
移動させる。これにより切換バルブ10が右に切り換え
られる。ハンドル1が左に切り込まれ、小舵角範囲(2
30°)を超えると、ロッド3Aのカム3Bが上述と反
対方向にレバー25を回動させ、スプール12を左に移
動させる。これにより切換バルブ10が左に切り換えら
れる。
【0037】尚、この舵角応動機構は、構造上フロント
パワーシリンダ3のロッド3Aの移動方向に対して切換
バルブ10のスプール12の移動方向が反対となり、従
って、リヤパワーシリンダ4との接続態様を、図5の場
合と反対にする必要がある。即ち、ポート10aにリヤ
パワーシリンダ4のポート4bを、ポート10fにポー
ト4aを接続する。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ハ
ンドル角に応動し大舵角操舵時にフロントパワーシリン
ダにリヤパワーシリンダを直列に接続し前輪に対して後
輪を逆相操舵する油路切換バルブを備えた全油圧大舵角
逆相四輪操舵装置の、前記油路切換バルブを、前記フロ
ントパワーシリンダの左右の油室とリヤパワーシリンダ
の左右の油室とコントロールバルブの出力側の各油路が
夫々接続される複数のポートが設けられたシリンダと、
ハンドル角に応動し、中立及び小舵角操舵時に前記フロ
ントパワーシリンダの油路とコントロールバルブの油路
とを接続し、且つリヤパワーシリンダの油路を遮断し、
大舵角操舵時にフロントパワーシリンダの油が押し出さ
れる側の油室とコントロールバルブとの間の帰路にリヤ
パワーシリンダを直列に接続し、小舵角操舵と大舵角操
舵間における油路の切換時に前記フロントパワーシリン
ダの帰路にリヤパワーシリンダの油路を並列に接続する
スプールとを備えた構成としたことにより、左右何れの
方向への大舵角切り込み時において、切り込み側の油圧
が低下しても後輪の舵角を保持することができ操舵特性
の向上を図ることができ、小舵角操舵から大舵角操舵、
又は大舵角操舵から小舵角操舵への油路の切換時に油路
の切り換えがスムーズとなり後輪操舵がスムーズになる
と共に後輪の中立復帰が確実となる。また、構造がシン
プルであり、しかも、全機械式であるために信頼性が高
い等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の全油圧大舵角逆相四輪操舵装置を適用し
た車両の操舵機構を示す図である。
【図2】図1の操舵機構の右切り時における作動を示す
図である。
【図3】図1の操舵機構の左切り時における作動を示す
図である。
【図4】本発明に係る全油圧大舵角逆相四輪操舵装置の
一実施例を示す図である。
【図5】図4の操舵装置の油路切換バルブのハンドル応
動機構の断面図である。
【図6】図5の矢線VI−VIに沿う断面図である。
【図7】図4の操舵装置の右切り小舵角時における作動
を示す図である。
【図8】図4の操舵装置の右切り大舵角時における作動
を示す図である。
【図9】図4の操舵装置の左切り小舵角時における作動
を示す図である。
【図10】図4の操舵装置の左切り大舵角時における作
動を示す図である。
【図11】図4の操舵装置の油路切換バルブのハンドル
応動機構の他の実施例を示す断面図である。
【図12】図11の作動を示す図である。
【符号の説明】
1 ハンドル 2 コントロールバルブ 3 フロントパワーシリンダ 4 リヤパワーシリンダ 5、6 センタリングスプリング 10 油路切換バルブ 12 スプール 15 舵角応動機構 21 コネクチングロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−101269(JP,A) 特開 平2−31979(JP,A) 実開 平1−90671(JP,U) 実開 昭64−40769(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 5/07 B62D 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドル角に応動するコントロールバル
    ブから左右の何れかの油室に供給される油圧により駆動
    されて前輪を操舵するフロントパワーシリンダと、セン
    タリングスプリングのばね力により中立位置に保持され
    るリヤパワーシリンダと、前記フロントパワーシリンダ
    とリヤパワーシリンダとの間に接続され、ハンドル角に
    応動し大舵角操舵時に前記フロントパワーシリンダに前
    記リヤパワーシリンダを直列に接続し前輪に対して後輪
    を逆相操舵する油路切換バルブとを備えた全油圧大舵角
    逆相四輪操舵装置において、前記油路切換バルブは、前
    記フロントパワーシリンダの左右の油室とリヤパワーシ
    リンダの左右の油室とコントロールバルブの出力側の各
    油路が夫々接続される複数のポートが設けられたシリン
    ダと、ハンドル角に応動し、中立及び小舵角操舵時に前
    記フロントパワーシリンダの油路とコントロールバルブ
    の油路とを接続し、且つリヤパワーシリンダの油路を遮
    断し、大舵角操舵時にフロントパワーシリンダの油が押
    し出される側の油室とコントロールバルブとの間の帰路
    にリヤパワーシリンダを直列に接続し、小舵角操舵と大
    舵角操舵間における油路の切換時に前記フロントパワー
    シリンダの帰路にリヤパワーシリンダの油路を並列に接
    続するスプールとを備えたことを特徴とする全油圧大舵
    角逆相四輪操舵装置。
JP4331447A 1992-12-11 1992-12-11 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置 Expired - Fee Related JP2842109B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4331447A JP2842109B2 (ja) 1992-12-11 1992-12-11 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4331447A JP2842109B2 (ja) 1992-12-11 1992-12-11 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06171525A JPH06171525A (ja) 1994-06-21
JP2842109B2 true JP2842109B2 (ja) 1998-12-24

Family

ID=18243759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4331447A Expired - Fee Related JP2842109B2 (ja) 1992-12-11 1992-12-11 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2842109B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114506384B (zh) * 2022-04-19 2022-07-26 临工集团济南重机有限公司 一种四轮转向控制系统及其控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06171525A (ja) 1994-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4811805A (en) Rear-wheel steering apparatus
JP3039567B2 (ja) 車両用4輪操向システム
US5147008A (en) Four-wheel vehicle steering apparatus
JP2842109B2 (ja) 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置
JP2643259B2 (ja) 4輪操舵装置
JPH0460868B2 (ja)
JPH06156291A (ja) 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置
JPH02124379A (ja) 車両の後輪操舵装置
JP2861730B2 (ja) 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置
JP2891043B2 (ja) 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置
JPH0645419Y2 (ja) 油圧装置の流量制御機構
JP2565355B2 (ja) 四輪操舵装置
JPH027745Y2 (ja)
JPH02124370A (ja) ステアリングギヤ比可変装置
JP2861605B2 (ja) 四輪操舵装置
JPH0137978Y2 (ja)
JP2617749B2 (ja) 4輪操舵装置
JPH02128964A (ja) シリンダ装置
JP2521070B2 (ja) 4輪操舵車両の後輪操舵制御装置
JPH02124378A (ja) 車両の後輪操舵装置
JPH0147352B2 (ja)
JPH0611868Y2 (ja) 油圧装置の流量制御機構
JPS6253284A (ja) 車両に使用される四輪操舵系統
JP2842097B2 (ja) 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置
JPH02133286A (ja) ステアリングギヤ比可変装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19980922

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees