JP2891043B2 - 全油圧大舵角逆相四輪操舵装置 - Google Patents

全油圧大舵角逆相四輪操舵装置

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JP2891043B2
JP2891043B2 JP5162518A JP16251893A JP2891043B2 JP 2891043 B2 JP2891043 B2 JP 2891043B2 JP 5162518 A JP5162518 A JP 5162518A JP 16251893 A JP16251893 A JP 16251893A JP 2891043 B2 JP2891043 B2 JP 2891043B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全油圧大舵角逆相四輪
操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】逆相四輪操舵(4WS)機能は、前輪の
舵角に応じて、且つ前輪に同期させて後輪に前輪と逆相
の舵角を付与して最小回転半径をより小さくするもので
あることから、狭い路地への進入、或いは狭い場所での
旋回等が頻繁に行なわれる作業車に採用されているが、
近年、乗用車特に、FF車には小回りを効かせた実用性
に加えて、動力性能の向上に対応して高速操安性を向上
させるために採用されてきている。
【0003】全油圧式の大舵角逆相四輪操舵装置として
は、特開平3−266777号公報に開示された自動車
の後輪操舵装置がある。この操舵装置は、図1に示すよ
うに、ステアリング1の舵角に応じて作動するパワース
テアリングバルブ2、パワーステアリングバルブ2によ
り駆動されて前輪FWを転舵させるフロントパワーシリ
ンダ3、後輪RWを転舵させるリヤパワーシリンダ4、
リヤパワーシリンダ4の左右の各油室RL、RRに内蔵
されたリターンスプリング5、6、パワーステアリング
バルブ2に連動して作動するラック7により駆動されて
開閉しリヤパワーシリンダ4への油圧を制御するカット
バルブ8及び油圧ポンプP、リザーブタンクT等により
構成されている。
【0004】そして、ラック7の動きにより或る操舵角
以上でカットバルブ8を閉弁させることによりフロント
パワーシリンダ3とリヤパワーシリンダ4とが直列に接
続される両シリンダの受圧面積比で、フロントパワーシ
リンダ3とリヤパワーシリンダ4とが或る一定の比例関
係で移動して前輪FWと後輪RWとが操舵される。即
ち、直線走行時には図1に示すようにカットバルブ8が
開弁されており、フロントパワーシリンダ3、リヤパワ
ーシリンダ4は、夫々中立位置に保持されている。ハン
ドル1の右切り時には図2のようにカットバルブ8が閉
弁され、パワーステアリングバルブ2からフロントパワ
ーシリンダ3の右室FRに油圧が供給され、当該フロン
トパワーシリンダ3が左方に移動して前輪FWが右に操
舵されると共に、左室FLの作動油がリヤパワーシリン
ダ4の左室RLに流入してリターンスプリング6のばね
力に抗して当該リヤパワーシリンダ4を右に移動させ、
後輪RWを前輪FWと逆方向の左に操舵させる。このと
きリヤパワーシリンダ4の右室RR内の作動油は、パワ
ーステアリングバルブ2を経てタンクTに戻される。
【0005】ハンドル1の左切り時には図3のようにカ
ットバルブ8が閉弁され、パワーステアリングバルブ2
からリヤパワーシリンダ4の右室RRに油圧が供給され
てリターンスプリング5のばね力に抗して当該リヤパワ
ーシリンダ4を左に移動させ、後輪RWが右に操舵され
ると共に、左室RLの作動油がフロトパワーシリンダ
3の左室FLに流入して前輪FWを後輪RWと逆方向の
左に操舵させる。フロントパワーシリンダ3の右室FR
内の作動油は、パワーステアリングバルブ2を経てタン
クTに戻される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記大舵角
逆相四輪操舵装置は、図2に示す右切り時には、リヤパ
ワーシリンダ4の切り込み側の左室RLの油圧が低下し
てもフロントパワーシリンダ3の左室FLが閉じられて
いるために、リヤパワーシリンダ4の右室RRのスプリ
ング6のばね反力Fにより押し戻されることはなく、従
って、後輪舵角は、当該位置に保持される。
【0007】一方、図3に示す左切りの場合は、切り込
み時はリヤパワーシリンダ4の右室RRの油圧が高く、
後輪RWは、実線のように右方に転舵される。しかしな
がら、リヤパワーシリンダ4の切り込み側の右室RRの
油圧が低下した場合、左室RLのスプリング5のばね反
力Fを受ける止める油圧がないために当該リヤパワーシ
リンダ4が中立位置に押し戻され、これに伴い後輪RW
の舵角が点線で示すように中立位置に復帰してしまい、
前記操舵位置に保持されなくなり、完全な操舵角比例シ
ステムにならないという問題がある。
【0008】更に、従来の大舵角逆相四輪操舵装置は、
後輪の舵角特性のヒステリシスが大きいという問題があ
る。本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、パワー
ステアリングバルブからフロント及びリヤの各パワーシ
リンダへの油圧回路を左右独立にオン、オフ可能とする
と共に、リヤパワーシリンダのパワーステアリング圧の
低下による当該シリンダの中立位置への戻りを防止して
後輪の舵角を保持し、更に後輪の舵角特性のヒステリシ
スを小さくするようにした全油圧大舵角逆相四輪操舵装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、パワーステアリングバルブから供給
される油圧により前輪を操舵するフロントパワーシリン
ダと、リヤセンタリングスプリングのばね力により中立
位置に保持されると共に2つの油室への油圧の給排によ
り後輪を操舵するリヤパワーシリンダと、前記フロント
パワーシリンダとリヤパワーシリンダとの間に接続さ
れ、大舵角操舵時に前記フロントパワーシリンダに前記
リヤパワーシリンダを直列に接続して後輪を逆相転舵す
る油路切換バルブとを備えた全油圧大舵角逆相四輪操舵
装置において、前記油路切換バルブは、シリンダと、前
シリンダ内に収納されハンドル角に応じて移動するス
プールと、前記スプールを中立位置に保持するセンタリ
ングスプリングとを具備するスプールバルブにより構成
され、前記シリンダは、前記フロントパワーシリンダと
前記リヤパワーシリンダと前記パワーステアリングバル
ブが接続される複数のポートと、前記フロントパワーシ
リンダから前記リヤパワーシリンダに供給される油圧の
一部を前記スプールに作用させ前記センタリングスプリ
ングのばね力と協働して前記スプールを中立位置に復帰
させる油路とが設けられ、前記スプールは、小舵角時に
前記フロントパワーシリンダと前記パワーステアリング
バルブとを接続し、且つ前記リヤパワーシリンダの前記
2つの油室を連通し、大舵角時に前記フロントパワーシ
リンダの作動油の帰路に前記リヤパワーシリンダを直列
に接続する油路が設けられた構成としたものである。
【0010】
【作用】切換バルブは、小舵角時にはフロントパワーシ
リンダの左右の油室をパワーステアリングバルブに接続
すると共に、リヤパワーシリンダの左右の油室を連通さ
せ、中立位置に保持させる。これにより操舵装置は、通
常の前輪操舵装置として作動する。大舵角時にはフロン
トパワーシリンダの作動油の帰路にリヤパワーシリンダ
が直列に接続され、後輪が逆相に転舵される。フロント
パワーシリンダからリヤパワーシリンダに供給される油
圧により油路切換バルブのスプールが中立位置方向に押
圧される。スプールは、この油圧とセンタリングスプリ
ングのばね力とにより中立位置に復帰する。これにより
切換バルブの作動が確実となり、後輪の舵角特性のヒテ
テリシスが大幅に小さくなる。
【0011】
【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。図4は、本発明に係る油路切換バルブ(以下
単に「切換バルブ」という)を使用した全油圧大舵角逆
相四輪操舵装置の構成を示し、切換バルブ10は、スプ
ールバルブで、シリンダ11にはポート11a〜11f
が設けられている。そして、ポート11aと左室11L
とは油路11gにより、ポート11fと右室11Rとは
油路11hにより夫々連通されている。
【0012】スプール12は、シリンダ11に軸方向に
摺動可能に液密に嵌挿されており、軸心には油路12a
が貫設され、外周面の所定位置には半径方向に孔(ポー
ト)12b〜12eが穿設され、これらの各孔12b〜
12eの各一端が外周面に開口し、各他端が孔12aに
連通している。スプール12の両端には頭部が半球状を
なす栓13、14が液密に装着されており、これらの栓
13、14にはばね座15、16が装着されている。ば
ね座15、16は、夫々中心に孔15a、16aが貫設
され、外周面には切欠15b、16bが複数例えば、4
箇所設けられており、これらの孔15a、16a及び切
欠15b、16bを通して油圧が栓13、14の頭部即
ち、スプール12の端面に加わるようになっている。
【0013】シリンダ11の左右両端には蓋17、18
が液密に装着されており、これらの蓋17、18とばね
座15、16との間にはセンタリングスプリング19、
20が縮設されている。そして、左室11L、右室11
Rは、夫々油室とされ、前述したように夫々油路11
g、11hによりポート11a、11fに連通されてい
る。
【0014】シリンダ11の中央には図5に示すように
ハウジング21が装着されており、当該ハウジング21
内にスプール12とフロントパワーシリンダ3のロッド
3Aにと直交するように回転軸22が収納されている。
この回転軸22の一端にはブラケット23の基端がキー
24を介して回転不能に装着されている。ブラケット2
3の先端は二股とされており、スプール12の中央の両
側に切欠形成された係合部12iと回動可能に係合され
ている。そして、スプール12は、回転軸22の回転に
応じて左右に摺動されるようになっている。
【0015】回転軸22の他端にもブラケット25の基
端が固定されており、当該ブラケットの先端は、二股と
され、ローラ26が回転軸22と平行に、且つ回転可能
に軸支されている。一方、フロントパワーシリンダ3の
ロッド3Aの下面所定箇所には図6のように長手方向に
沿って所定の長さの切欠3Cが設けられており、ローラ
26が当該切欠3Cに転動可能に当接している。この切
欠3Cの長さは、ハンドル角が小舵角(例えば、±23
0°)の範囲内とされている。
【0016】ローラ26は、ロッド3Aが中央位置から
左右に所定ストローク移動する間、切欠3Cと当接して
転動し、前記所定ストロークを超えると切欠3Cを超え
てロッド3Aの円筒状の外周面に当接する。回転軸22
は、ローラ26が切欠3Cを転動している間は回転せ
ず、切欠3Cを超える即ち、舵角が前記±230°の範
囲を超えると、ロッド3Aの移動に伴い左方又は右方に
回動してスプール12を左方又は右方に移動させる。こ
のようにしてハンドルの操舵角に応じて切換バルブ10
のスプール12を駆動するハンドル応動機構27が構成
されている。
【0017】ロッド3Aの上面にはラック3Bが刻設さ
れており、パワーステアリングバルブ2の出力軸に固定
されたピニオン2Bが噛合している。このパワーステア
リングバルブ2の入力軸2Aは、ハンドルシャフト(図
示せず)に連結されている。パワーステアリングバルブ
2は、前記ハンドルの左、右方向への回転に応じて回転
してロッド3Aを対応する左、右方に移動させて前輪を
操舵させる。ロッド3Aは、左、右方向への移動に応じ
て切換バルブ10のスプール12を対応する左、右方向
に移動させる。
【0018】図4に戻り、リヤパワーシリンダ30は、
シリンダ31内にロッド32が軸方向に摺動可能に液密
に嵌挿されており、当該ロッド32の略中央にはピスト
ン33が設けられている。ピストン33の左右両側には
夫々油室(左室)RL、RR(右室)が設けられてい
る。シリンダ31内のロッド32の一側にはばね座3
4、35が設けられており、これらのばね座34、35
間にはセンタリングスプリング36が縮設されている。
そして、ロッド32の左右両端に左右の後輪(図示せ
ず)が取り付けられる。
【0019】切換バルブ10は、フロントパワーシリン
ダ3とリヤパワーシリンダ30との間の油路に接続さ
れ、ポート11b、11eがフロントパワーシリンダ3
の油室FL、FRに、ポート11a、11fがリヤパワ
ーシリンダ30の油室RL、RRに、ポート11c、1
1dがパワーステアリングバルブ2のポート2c、2d
に夫々接続される。また、パワーステアリングバルブ2
のポート2a、2bは、夫々油圧ポンプP、リザーブタ
ンクTに接続される。
【0020】以下に作用を説明する。図4に示すように
ハンドルが中立位置にある直進時には、フロントパワー
シリンダ3が中立位置にあり、切換バルブ10もセンタ
リングスプリング19、20により中立位置に保持され
ている。切換バルブ10は、中立位置にあるときにはポ
ート11bと11c、11eと11dとが連通されてお
り、フロントパワーシリンダ3は、左右の油室FL、F
Rがパワーステアリングバルブ2のポート2c、2dに
接続されている。また、切換バルブ10は、ポート11
aと11fとがスプール12の孔12b、油路12a、
孔12eを介して連通されており、リヤパワーシリンダ
30の左右の油室RL、RRが連通されている。これに
よりリヤパワーシリンダ30は、センタリングスプリン
グ36により中立位置に保持される。
【0021】ハンドルが左に切り込まれるとこれに伴い
パワーステアリングバルブ2のピニオン2B(図6)が
回転してフロントパワーシリンダ3のロッド3Aを右方
に移動させると同時に、油圧ポンプPから油圧がパワー
ステアリングバルブ2のポート2aに供給され、ポート
2c、切換バルブ10のポート11c、11bを通して
フロントパワーシリンダ3の油室FLに供給され、ロッ
ド3Aが右方に押動される。これによりハンドルの操作
力が補助される。フロントパワーシリンダ3の油室FR
の作動油は、切換バルブ10のポート11e、11d、
パワーステアリングバルブ2のポート2d、2bを通し
てリザーブタンクTに流れる。これにより前輪が右に操
舵される。切換バルブ10は、舵角が小さい範囲のとき
には前記中立位置に保持されており、従って、ハンドル
操作に応じて前輪のみが操舵され、前輪操舵(2WS)
となる。
【0022】ハンドルの左切り舵角が大きくなり、前記
小舵角(230°)の範囲を超えて大舵角となると、図
6に示すハンドル応動機構27が作動して回転軸22が
右方向に回動する。これに伴い図7に示すように切換バ
ルブ10のスプール12が図中右方向に駆動され、ポー
ト11aがスプール12の孔12b、油路12a、孔1
2dを通してポート11dに連通され、ポート11fが
ポート11eに、ポート11bがポート11cに連通さ
れる。
【0023】即ち、切換バルブ10は、左側の油路が前
記中立時の経路を保持し、右側の油路がフロントパワー
シリンダ3の右側の油室FRの作動油をリヤパワーシリ
ンダ30の右室RRに導くように切り替わる。これによ
り、油圧ポンプPから吐出された油圧が、パワーステア
リングバルブ2のポート2a、2c、切換バルブ10の
ポート11c、11bを通してフロントパワーシリンダ
3の左の油室FLに供給され、当該パワーシリンダ3の
ロッド3Aが図中右方に移動する。
【0024】ロッド3Aの右方への移動に伴い当該パワ
ーシリンダ3の右の油室FRの作動油が、切換バルブ1
0のポート11e、11f、リヤパワーシリンダ30の
右側の油室RRへと流れ、ピストン33がセンタリング
スプリング36のばね力に抗して左方に押動され、ロッ
ド32が左方に移動する。ピストン33の左方への移動
に伴いリヤパワーシリンダ30の左側の油室RLの作動
油が切換バルブ10のポート11a、スプール12の孔
12b、油路12a、12d、パワーステアリングバル
ブ2のポート2d、2bからリザーブタンクTへと流
れ、これに伴い後輪が右に操舵される。即ち、後輪が前
輪に対して逆相に操舵される。この後、フロントパワー
シリンダ3のピストンの移動による油室FRの体積変化
分だけ、即ち、ハンドル角に比例して当該油室FR内の
作動油がリヤパワーシリンダ30の油室RRに送られ、
後輪が逆相に操舵される。
【0025】フロントパワーシリンダ3の油室FRは、
閉じられているために大舵角操舵中に操舵を停止させ、
油室FLへの供給油圧が低下したときに油室FRが密閉
状態となり、リヤパワーシリンダ30のセンタリングス
プリング36のばね力により後輪の舵角の戻りが防止さ
れ、前記舵角に保持される。切換バルブ10は、ポート
11fからリヤパワーシリンダ30の油室RRのセンタ
リングスプリング36の反力による油圧が油路11hを
通して油室11Rに供給され、スプール12を中立位置
(左方)に戻すように作用している。従って、ハンドル
角が中立位置に戻されるとき、スプール12は、油室1
1Rに供給される前記油圧とスプリング20のばね力と
により中立位置に復帰し、切換バルブ10の作動が確実
に行なわれることとなる。更に、後輪の舵角特性のヒス
テリシスが図10の実線のように点線で示す従来に比し
て大幅に小さくなる。
【0026】ハンドルが右に切り込まれ、小舵角(±2
30°以内)の範囲内のときには前述と同様に前輪のみ
が操舵され、後輪は中立位置に保持される。ハンドルの
右切り舵角が大きくなり、小舵角(230°)の範囲を
超えて大舵角となると、図8に示すように切換バルブ1
0のスプール12が図中左方向に駆動され、これに伴い
ポート11fがスプール12の孔12e、油路12a、
孔12cを通してポート11cに連通され、ポート11
aがポート11bに、ポート11dがポート11eに連
通される。
【0027】即ち、切換バルブ10は、右側の油路が前
記中立時の経路を保持し、左側の油路がフロントパワー
シリンダ3の左側の油室FLの作動油をリヤパワーシリ
ンダ30の左側の油室RLに導くように切り替わる。こ
の結果、油圧ポンプPから吐出された圧油が、パワース
テアリングバルブ2のポート2a、2d、切換バルブ1
0のポート11d、11eを通してフロントパワーシリ
ンダ3の右側の油室FRに供給れ、当該パワーシリンダ
3のロッド3Aが図中左方に移動する。
【0028】ロッド3Aの左方への移動に伴い当該パワ
ーシリンダ3の左の油室FLの作動油が、切換バルブ1
0のポート11b、11a、リヤパワーシリンダ30の
左側の油室RLへと流れ、ピストン33がセンタリング
スプリング36のばね力に抗して右方に押動されてロッ
ド32が右方に移動する。ピストン33の右方への移動
に伴いリヤパワーシリンダ30の右側の油室RRの作動
油が切換バルブ10のポート11f、孔12e、油路1
2a、孔12c、パワーステアリングバルブ2のポート
2c、2bからリザーブタンクTへと流れ、これに伴い
後輪が左に操舵される。即ち、後輪が前輪に対して逆相
に操舵される。この後、フロントパワーシリンダ3のピ
ストンの移動による油室FLの体積変化分だけ、即ち、
ハンドル角に比例して油室FL内の作動油がリヤパワー
シリンダ30の油室RLに送られ、後輪が逆相に操舵さ
れる。
【0029】フロントパワーシリンダ3の油室FLは、
閉じられているために操舵停止時において油室FRへの
供給油圧が低下したときに油室FLが密閉状態となり、
リヤパワーシリンダ30のセンタリングスプリング36
の反力により後輪の舵角の戻りが防止され、前記舵角に
保持される。切換バルブ10は、ポート11aからリヤ
パワーシリンダ30の油室RLのセンタリングスプリン
グ36の反力による油圧が油路11gを通して油室11
Lに供給され、スプール12を中立位置(右方)に戻す
ように作用している。従って、ハンドル角が中立位置に
戻されるときに、スプール12は、油室11Lに供給さ
れる油圧とセンタリングスプリング19のばね力とによ
り中立位置に復帰し、切換バルブ10の作動が確実に行
なわれる。また、前述と同様に後輪の舵角特性のヒステ
リシスも図10に実線で示すように小さくなる。尚、図
9に切換バルブ10の中立位置、左切り込み時、右切り
込み時におけるバルブパターンを示す。図中点線はスプ
ール12の油路12aを示す。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、左
右何れの方向への大舵角切り込み時において、切り込み
側の油圧が低下しても後輪の舵角を保持することがで
き、逆相四輪操舵の操舵特性の向上を図ることができ
る。また、ハンドル角が中立位置に戻されるときに、ス
プールは、フロントパワーシリンダからリヤパワーシリ
ンダに供給される油圧とセンタリングスプリングのばね
力とにより中立位置に復帰するために、切換バルブの作
動が確実に行なわれ、後輪の舵角特性のヒステリシスが
大幅に小さくなる。更に、切換バルブをスプールバルブ
で構成することにより構造がシンプルとなり、部品点数
が少なく、堅牢且つ安価なバルブを提供することができ
る。更に、全油圧式であるために操舵システムの信頼性
が高い等の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の全油圧大舵角逆相四輪操舵装置の構成図
である。
【図2】図1の操舵装置の右切り時における作動を示す
図である。
【図3】図1の操舵装置の左切り時における作動を示す
図である。
【図4】本発明に係る全油圧大舵角逆相四輪操舵装置の
一実施例を示す要部構成図である。
【図5】図4に示す切換バルブのハンドル応動機構の断
面図である。
【図6】図4に示す操舵装置のパワーステアリングバル
ブとフロントパワーシリンダと切換バルブのハンドル応
動機構との関係を示す要部斜視図である。
【図7】図4の操舵装置の左切り大舵角時における作動
を示す図である。
【図8】図4の操舵装置の右切り大舵角時における作動
を示す図である。
【図9】図4の切換バルブの各ポートの接続パターンを
示す図である。
【図10】図4の舵角装置の後輪の舵角特性を示す図で
ある。
【符号の説明】
2 パワーステアリングバルブ 3 フロントパワーシリンダ 10 切換バルブ 11 シリンダ 12 スプール 15、16、34、35 ばね座 19、20、36 センタリングスプリング 27 ハンドル応動機構 30 リヤパワーシリンダ P 油圧ポンプ T リザーブタンク FL、FR、RL、RR、11L、11R 油室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹尾 剛 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 田中 忠夫 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)発明者 増田 広之 愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地 三 菱自動車エンジニアリング株式会社 岡 崎事業所内 (72)発明者 加藤 広之 愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地 三 菱自動車エンジニアリング株式会社 岡 崎事業所内 (56)参考文献 特開 平6−171525(JP,A) 特開 平6−156291(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 5/07 B62D 7/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パワーステアリングバルブから供給され
    る油圧により前輪を操舵するフロントパワーシリンダ
    と、リヤセンタリングスプリングのばね力により中立位
    置に保持されると共に2つの油室への油圧の給排により
    後輪を操舵するリヤパワーシリンダと、前記フロントパ
    ワーシリンダとリヤパワーシリンダとの間に接続され、
    大舵角操舵時に前記フロントパワーシリンダに前記リヤ
    パワーシリンダを直列に接続して後輪を逆相転舵する油
    路切換バルブとを備えた全油圧大舵角逆相四輪操舵装置
    において、 前記油路切換バルブは、シリンダと、前記シリンダ内に
    収納されハンドル角に応じて移動するスプールと、前記
    スプールを中立位置に保持するセンタリングスプリング
    を具備するスプールバルブにより構成され、 前記シリンダは、前記フロントパワーシリンダと前記リ
    ヤパワーシリンダと前記パワーステアリングバルブが接
    続される複数のポートと、前記フロントパワーシリンダ
    から前記リヤパワーシリンダに供給される油圧の一部を
    前記スプールに作用させ前記センタリングスプリングの
    ばね力と協働して前記スプールを中立位置に復帰させる
    油路とが設けられ、 前記スプールは、小舵角時に前記フロントパワーシリン
    ダと前記パワーステアリングバルブとを接続し、且つ前
    記リヤパワーシリンダの前記2つの油室を連通し、大舵
    角時に前記フロントパワーシリンダの作動油の帰路に前
    記リヤパワーシリンダを直列に接続する油路が設けられ
    ていることを特徴とする全油圧大舵角逆相四輪操舵装
    置。
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